JP3071023U - 吊り下げ式包装用箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】売り場の形態により吊り下げ片を選択的に用い
ることができる吊り下げ式包装用箱を提供する。 【解決手段】厚紙等の一枚のブランクシートから一体的
に打ち抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片に
は、互いに平行に連接された複数の側面板１４，１６，
１８と、側面板１６の端部に形成された蓋片３２と、箱
体形成状態で蓋片３２が形成された側面板１６と対面す
る側に積層されて設けられた他方の側面板１２，２２を
有する。他方の側面板１２，２２は、吊り下げ片５８お
よび天蓋片７４を備える。吊り下げ片付側面板２２およ
び天蓋片付側面板１２と、吊り下げ片５８および天蓋片
７４との各折罫線部には、各々ミシン目６２，７２が形
成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、吊り下げて商品を展示することの出来る吊り下げ式包装用箱に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の吊り下げ式包装用箱は、例えば、実用新案登録第２５９３１８３号公報 に開示されているように、商品を収める箱体と、この箱体の上部に開閉自在に形 成された上蓋片と、この上蓋片とは反対側で箱体側面から延長した吊り下げ片か ら構成されていた。この包装用箱の吊り下げ片は、吊り下げ用の透孔が形成され 、箱体側面から延長された紙片を折り返して、折り返し部分の先端が箱体内部に 位置するように形成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術の場合、商品を吊り下げて陳列する場合にしか用いることがで きない包装用箱であり、棚に置いて陳列する場合に吊り下げ片が邪魔になり積み 重ねができなかったり、陳列スペースを多く必要とするものであった。従って、 売り場の形態に対応して、吊り下げ片のあるものと無いものの両方の包装用箱を 用意しなければならず、商品管理が面倒になりコストもかかるものであった。

【０００４】 この考案は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、売り場の形態 により吊り下げ片を選択的に用いることができる吊り下げ式包装用箱を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、厚紙等の一枚のブランクシートから一体的に打ち抜かれた箱体形 成片からなり、この箱体形成片には、互いに平行に連接された複数の側面板と、 この側面板の端部に形成された蓋片と、箱体形成状態で上記蓋片が形成された側 面板と対面する側に積層されて設けられた他方の側面板と、この他方の側面板に 各々設けられた吊り下げ片および天蓋片とを備える。この吊り下げ片が付設され た吊り下げ片付側面板および天蓋片が付設された天蓋片付側面板と、上記吊り下 げ片および上記天蓋片との各折罫線部には、各々ミシン目が形成されている。さ らに上記吊り下げ片付側面板の上部中央に上記ミシン目と連接するＵ字状のミシ ン目が設けられている。そして、上記蓋片と天蓋片は互いに糊付けされ、上記吊 り下げ片付側面板および天蓋片付側面板も互いに糊付けされて箱体が形成され、 上記吊り下げ片が上記ミシン目により除去可能に設けられている吊り下げ式包装 用箱である。

【０００６】 また、上記蓋片は、上記天蓋片付側面板の内側に差し込まれる差し込み片を備 え、上記吊り下げ片付側面板および天蓋片付側面板は、展開状態で上記蓋片が設 けられた側面板に対して対称な位置に各々設けられている。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１〜図５ は、この考案の一実施形態の吊り下げ式包装用箱を示す。この実施形態の吊り下 げ式包装用箱は、図５に示すように、一枚の紙製等のブランクシートを打ち抜い て箱体形成片１０が形成されたものである。箱体形成片１０は、箱体の４方の側 面を形成する側面板である天蓋片付側面板１２，側面板１４，後面板１６，側面 板１８が一体に連接して形成されている。さらに組み立て状態で天蓋片付側面板 １２の外側に糊２０で糊付けされる吊り下げ片付側面板２２が、側面板１８の側 方に連接して形成されている。そして、天蓋片付側面板１２，側面板１４，後面 板１６，側面板１８、吊り下げ片付側面板２２は各々折罫線２４，２６，２８， ３０により区切られている。

【０００８】 後面板１６の両端部には、上蓋片３２および底蓋片３４が連接して形成され、 上蓋片３２は折罫線３６で、底蓋片３４は折罫線３８により、後面板１６の上端 および下端と区切られている。したがって、吊り下げ片付側面板２２および天蓋 片付側面板１２は、上蓋片３２が設けられた後面板１６に対して対称な位置に各 々設けられ、箱体形成状態で吊り下げ片付側面板２２および天蓋片付側面板１２ は積層されて糊付けされる。上蓋片３２には、さらに差込片４０が折罫線４２を 介して形成され、差込片４０の折罫線４２側の両端縁部には、折罫線４２からわ ずかに差込片４０の先端側にずれて平行な係止用切り込み４４，４６が設けられ ている。

【０００９】 側面板１４，１８の各両端縁部には、各々上フラップ４８、底フラップ５０が 設けられ、上フラップ４８は折罫線５２で側面板１４，１８の各上端と区切られ 、底フラップ５０は折罫線５４で側面１４，１８の下端と区切られている。また 、上フラップ４８は、上蓋片３２と接する反対側の辺の折罫線５２に隣接する部 分に側方に凸となった係止凸部５６が形成されている。

【００１０】 吊り下げ片付側面板２２の両端縁部には、吊り下げ片５８と底蓋片６０が設け られ、吊り下げ片５８はミシン目６２で吊り下げ片付側面板２２の上端と区切ら れ、底蓋片６０は折罫線６４で吊り下げ片付側面板２２の下端と区切られている 。吊り下げ片付側面板２２の上端中央部には、ミシン目６２に連接してＵ字状に ミシン目６６が形成されている。また、吊り下げ片４８の中央部には、吊り下げ 孔６８が設けられている。組み立て状態では、底蓋片３４の外側に糊７０で底蓋 片６０の内側が糊付けされる。

【００１１】 天蓋片付側面板１２の上端部には、ミシン目７２と区切られて、天蓋片７４が 設けられている。天蓋片付側面板１２の上端中央部には、ミシン目７２に連接し てＵ字状にミシン目７６が形成されている。さらに組み立て状態では、上蓋片３ ２の外側に糊７８で天蓋片７４の内側が糊付けされる。

【００１２】 次に、この実施の形態の吊り下げ式包装用箱の組立方法について、図面に基づ いて説明する。なお、ここでは、図５がこの吊り下げ式包装用箱の箱体形成片１ ０の紙面表面側を見たものであり、図５において紙面表面側が凸になる折り方を 正折りと称する。まず、吊り下げ片付側面板２２の裏面に糊２０を塗布する。そ の後、折罫線２６，３０を各々正折りして折り返し、吊り下げ片付側面板２２の 裏面を天蓋片付側面板１２の表面に糊付けし、吊り下げ片付側面板２２と天蓋片 付側面板１２を重ね合わせる。これにより、ミシン目６２，７２とミシン目６６ ，７６も各々同位置に重ね合わされ、吊り下げ片付側面板２２の表面が外側に位 置する。

【００１３】 そして、商品を箱体内に収納する際には、天蓋片付側面板１２，側面板１４， 後面板１６，側面板１８，天蓋片付側面板１２が内側に糊付された吊り下げ片付 側面板２２を、各側面が互いに直角になるように起こして直方体の四角形の箱体 を形成する。そして、折罫線５４で各底フラップ５０を直角に正折りし、その後 折罫線３８で底蓋片３４を直角に正折りし、さらに裏面に糊７０が設けられた底 蓋片６０を直角に正折りし、この底蓋片６０の裏面を底蓋片３４の表面に糊付け する。この状態で、図１に示すように、箱体形成片１０による箱体の底面は底蓋 片６０で閉塞され、商品を箱体の中に収納可能となる。

【００１４】 次に、箱体内に商品を収納した後において、折罫線５２で各上フラップ４８を 直角に正折りし、その後折罫線３６で上蓋片３２を正折りし、さらに差込片４０ を天蓋片付側面板１２の内側に差し込む。これにより、差込片４０の両端の係止 用切り込み４４，４６が上フラップ４８の係止凸部５６に係合される。さらに裏 面に糊７８が設けられた天蓋片７４を直角に正折りし、この天蓋片７４の裏面を 上蓋片３２の表面に糊付けし、天蓋片７４と上蓋片３２を互いに重ね合わせる。 これで、正面板１２，２２、上蓋片３２と天蓋片７４、底蓋片３４と６０は完全 に糊付けされ、商品は開閉不能に保持される。

【００１５】 また、収納された商品を陳列、展示するときには、図２に示すように、そのま ま箱体の吊り下げ片付側面板２２を表側にして、吊り下げ孔６８を吊り下げ棒８ ０に差し込む。また、図４に示すように、ミシン目６２で吊り下げ片５８を切除 し、商品棚に載置して展示することも出来る。

【００１６】 次に、開封するときには、糊付けされて重ね合わされている天蓋片付側面板１ ２および吊り下げ片付側面板２２上端部のＵ字状ミシン目６６，７６の内側の開 封口８４を指で外側から押し込んで、ミシン目６６，７６を切断させ、その状態 で、天蓋片７４，上蓋片３２および差込片４０を上方へ押し上げて、ミシン目６ ２，７２の開封口８４を切断させる。これにより、箱体の上面は開放され、内部 の商品の取り出しが可能となる。なお、吊り下げ片５８は、開封時のミシン目６ ２の切断とともに切除される。また、上蓋片３２は、差し込み片４０により再封 が可能である。

【００１７】 この実施形態の吊り下げ式包装用箱によれば、吊り下げ片付側面板２２と天蓋 片付側面板１２および天蓋片７４と上蓋片の中央部分が各々重ねられて形成され ているため、強度が高い。しかも、吊り下げ片５８により吊り下げ棒８０に吊り 下げた場合、自重で差し込み片４０と天蓋片付側面板１２との間が広がろうとし ても、天蓋片７４により上蓋２２が覆われているため広がらず開口も形成されな いので、箱体内部に埃等が侵入することがない。

【００１８】

【考案の効果】

この考案の吊り下げ式包装用箱は、吊り下げ片により商品を吊り下げて展示し たり、吊り下げ片を切除して商品陳列棚に積み重ねて展示することも可能であり 、商品の陳列方法を選ばない。また、商品に対するいたずらや埃等の侵入も確実 に防止することができ、安全性や衛生面も極めて有効なものである。さらに、側 面板を二重にすることで箱体の剛性も向上する。また、商品を箱体から取り出す ときには、開封口のあるミシン目を手の指で簡単に切り取れるため、容易に蓋片 を開いて商品を取り出すことができ、簡単に再封も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施形態の吊り下げ式包装用箱の
斜視図である。

【図２】この考案の一実施形態の吊り下げ式包装用箱の
上部拡大縦断面図である。

【図３】図２の吊り下げ式包装用箱のＡ−Ａ線拡大断面
図である。

【図４】この実施形態の下げ式包装用箱の吊天蓋片を糊
付けした状態の上部拡大縦断面図である。

【図５】この考案の一実施形態の吊り下げ式包装用箱の
展開図である。

【符号の説明】

１０ 箱体形成片 １２ 天蓋片付側面板 １４，１８ 側面板 １６ 後面板 ２２ 吊り下げ片付側面板 ３２ 上蓋片 ３４，６０ 底蓋片 ５８ 吊り下げ片 ６２，６６，７２，７６ ミシン目 ６８ 吊り下げ孔 ７４ 天蓋片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一枚のブランクシートから一体的に打ち
   抜かれた箱体形成片からなり、この箱体形成片には、互
   いに平行に連接された複数の側面板と、この側面板の端
   部に形成された蓋片と、箱体形成状態で上記蓋片が形成
   された側面板と対面する側に積層されて設けられた他方
   の側面板と、この他方の側面板に各々設けられた吊り下
   げ片および天蓋片とを備え、この吊り下げ片が付設され
   た側面板及び天蓋片が付設された側面板と上記吊り下げ
   片及び天蓋片との折罫線部に各々ミシン目が形成され、
   上記吊り下げ片が付設された側面板の上部中央に上記ミ
   シン目と連接するＵ字状のミシン目が設けられ、上記蓋
   片と天蓋片は互いに糊付けされ、上記吊り下げ片が付設
   された側面板および天蓋片が付設された側面板が互いに
   糊付けされていることを特徴とする吊り下げ式包装用
   箱。
2. 【請求項２】 上記蓋片は、上記天蓋片付側面板の内側
   に差し込まれる差し込み片を備え、上記吊り下げ片が付
   設された側面板および天蓋片が付設された側面板は、展
   開状態で上記蓋片が設けられた側面板に対して対称な位
   置に各々設けられていることを特徴とする請求項１記載
   の吊り下げ式包装用箱。