JP5164334B2 - 燃料電池組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に軸長方向にガス通路が形成された支持体の側面を、緻密質な固体電解質層及びインターコネクタがその端部同士を重ねて取り囲んでなる燃料電池組立体に関す
る。
次世代エネルギーとして、近年、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形及び固体電解質形等の種々の形の燃料電池システムが提案されている。特に、固体電解質形燃料電池システムは、作動温度が700乃至1000℃程度と高いが、発電効率が高い、排熱利用ができる等の利点を有しており、研究開発が推し進められている。
固体電解質形燃料電池システムの典型例においては、細長く延びる板状支持基板を含む燃料電池セルを所要方向に配列してガスマニホールドの片面、通常は上面上に、ガスマニホールドの上面を規定する板状部材でよい適宜の保持部材を介して固定している。支持基板の各々にはその長手方向に貫通して延在するガス通路が形成されており、かかるガス通路がガスマニホールド内に連通せしめられ、ガスマニホールド内に送給された燃料ガス(或いは酸素含有ガス)がガスマニホールド内から支持基板の各々のガス通路に流動せしめられる。
セルの片端部が固定されている保持部材と支持基板の周囲からガスマニホールド内の燃料ガス(或いは酸素含有ガス)が漏出するのを防止するために、セルの片端部は保持部材にガスタイトに固定されていることが重要である。下記特許文献1には、セルの片端部を保持部材にガスタイトに固定する固定構造が開示されている。
特開2005−183376号公報
燃料電池セルのシール部においては、空気側と燃料側のガスタイトなシールが要求され、シール部は水蒸気を含む酸素含有ガス雰囲気、及び水蒸気を含有する還元雰囲気に晒される。また、燃料電池セルは、燃料極層、固体電解質層、酸素極層、インターコネクタ等の各種部材を有するものであり、例えば、緻密な固体電解質層とインターコネクタの端部同士を重ね、導電性支持体の周りを取り囲み、導電性支持体のガス通路を流れるガスと、セルの外側を流れるガスとを遮断する必要があり、固体電解質層の端部とインターコネクタの端部の重畳により、燃料電池セルの表面には必然的に段差が生じる。
そして、このような燃料電池セルの段差が生じた部分が、ガスマニホールドにシールガラスで接合固定されることになるが、段差がある場合においては、燃料電池セルと、ガスマニホールドへの接合材料であるシールガラスとは、その熱膨張係数が異なることに起因し、またシールガラスの熱処理後の収縮挙動が異なることに起因し、シール部位への発生応力が大きくなり、シール部にクラック等の欠陥が発生するという問題があった。
また、シールガラスを燃料電池セルとガスマニホールドとの隙間部に流し込み、接合固定する際の焼成段階において、シールガラスは焼成に伴い収縮し、その後、軟化するが、軟化後の流動性のある状態において燃料電池セルもしくは金属マニホールドとの濡れ性が悪い場合、これらの界面近傍に隙間が生じ、繰返しシール工程を実施しなければならない。インターコネクタや固体電解質層とシールガラスとの濡れ性が悪い場合においては、隙間が生じてしまうという問題があった。
発明は、ガスマニホールドのシール部におけるクラック、隙間の発生を防止できる燃料電池組立体を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池組立体は、内部に軸長方向にガス通路が形成された支持体の側面を、緻密質な固体電解質層及びインターコネクタがその端部同士を重ねて取り囲んでなる燃料電池セルと、前記ガス通路と連通するガスマニホールドとを備え、ガス通路と連通するガスマニホールドとを備え、燃料電池セルは、軸長方向の一方端部が、前記インターコネクタと前記固体電解質層とが重なった段差部を被覆するように設けられた無機絶縁材料からなる被覆層を介して、シールガラスによりマニホールドに固定されており、燃料電池セル、被覆層、シールガラスの熱膨張係数がこの順に傾斜するように構成とされていることを特徴とする。
本発明の燃料電池組立体の燃料電池セルは、導電性支持体上に、前記固体電解質層を電
極層で挟持してなる発電部と、前記インターコネクタとを有することを特徴とする。
インターコネクタは、燃料電池セル同士を電気的に接続するため、一般に他の部材、例えば固体電解質層から突出し、また、燃料電池セルの内外のガスを遮断すべくインターコネクタと固体電解質層との端部同士が重なり段差部が形成されているが、本発明の燃料電池組立体は、燃料電池セルの段差部を被覆するように設けられた無機絶縁材料からなる被覆層を介して、シールガラスによりマニホールドに固定されており、燃料電池セル、被覆層、シールガラスの熱膨張係数がこの順に傾斜するように構成されている。従って、従来のような段差部に基づく応力集中が発生せず、これにより、ガスマニホールドにシールガラスにより接合すべく熱処理した後、冷却工程におけるクラックの発生を防止することができる。
また、本発明の燃料電池組立体は、前記被覆層の一部が前記シールガラスに埋設されていることを特徴とする。このような燃料電池組立体では、燃料電池セルの一端部がガスマニホールドにシールガラスにより接合されるが、被覆層はガスマニホールドの接合部よりも長く形成されていることになり、信頼性を向上できる。
また、本発明の燃料電池組立体は、前記被覆層が、ガラスからなることを特徴とする。このような燃料電池組立体では、段差部を燃料電池セルへの被覆層形成時にガラス焼成時の軟化、溶融により容易に被覆・封止することが可能となる。
一方、被覆層がガラスからなる場合には、段差部を燃料電池セルへの被覆層形成時にガラス焼成時の軟化、溶融により容易に被覆・封止することが可能となる。
また、被覆層がガラスからなる場合、これらの材料の熱処理した後冷却工程で、ガラスが燃料電池セルを圧縮する方向に収縮するため、隙間の発生を防止することができ、またその後におけるシールガラス(ガスマニホールドに接合するためのガラス)との濡れ性を良好にすることが出来る。
また、本発明によれば、被覆層材料がシールガラスよりも大きい強度を有する無機絶縁材料からなることが望ましい。これにより、燃料電池セルを構成する部材とシールガラスの熱膨張係数に差がある場合においても、その熱膨張差に起因する応力以上の強度を有する被覆層材料をセルの一方端部に形成することにより、強度の低いシールガラスに発生する応力を低減でき、結果としてクラックのないシールガラスを形成できる。
また、本発明によれば、予め燃料電池セルの一方端部を被覆層にて被覆することにより、例えば被覆層にガラス材料を用いる場合、焼成時に被覆した層は収縮するが、セルを圧縮する方向で収縮、軟化するため、被覆層と燃料電池セルとの間には隙間なく1回の工程で緻密な被覆層を設けることができる。さらにこのような被覆層を設けることで、シールガラスと同様なガラス材料であることから、被覆層とシールガラスとの濡れ性は良好であり、少ない工程で燃料電池セルとガスマニホールドとの隙間を埋めることが可能となる。
また、被覆層の材質として絶縁性の高い材料を選択することで、燃料電池セル間および燃料電池セルとガスマニホールドとの間の絶縁性を確保できる。特にインターコネクタは導電性であるため、その部位をシールする際に予め絶縁性の高い被覆層を用いて被覆することで、シールガラスに絶縁性が高い材料を必ずしも選択する必要性がなくなる。即ちシールガラスには燃料電池セルとガスマニホールドとの間の隙間を埋めるのに適した幅広い材料の選択が可能となる。
本発明の燃料電池組立体では、ガスマニホールドに接合される燃料電池セルの一方端部のインターコネクタと固体電解質層とが重なった段差部被覆するように設けられた無機絶縁材料からなる被覆層を介して、シールガラスによりマニホールドに固定されており、燃料電池セル、被覆層、シールガラスの熱膨張係数がこの順に傾斜するように構成されているため、従来のような段差に基づく応力集中が発生せず、これにより、ガスマニホールドにシールガラスにより接合すべく熱処理した後冷却工程でのシールガラスにおけるクラック、隙間の発生を防止することができる。
図1は、本発明の燃料電池組立体を示すもので、符号31は断熱構造を有する収納容器を示している。この収納容器31の内部には、複数の燃料電池セル33が集合したセルスタック35と、燃料電池セル33間に挿入される酸素含有ガス供給管39と、セルスタック35の上方に設けられた熱交換部41とから構成されている。尚、図1では、酸素含有ガス供給管39を便宜上破線で記載した。
収納容器31は、耐熱性金属からなる枠体31aと、この枠体31aの内面に設けられた断熱材31bとから構成されている。
セルスタック35は、例えば、図2に示すように、複数の燃料電池セル33を2列に整列させ、隣設した2列の最外部の燃料電池セル33の電極同士が導電部材42で接続され、これにより2列に整列した複数の燃料電池セル33が電気的に直列に接続している。
燃料電池セル33を具体的に説明すると、図3に示すように、断面が板状で、全体的に見て板状でかつ柱状の多孔質な導電性支持体(以下、支持基板)33aを具備するもので、この支持基板33aの平坦な一方側主面と両端の弧状の側面を覆うように、多孔質な燃料側電極33bが設けられており、さらにこの燃料側電極33bを覆うように緻密質な固体電解質層33cが積層されており、この固体電解質層33cの上には酸素側電極33dが順次積層されている。また、前記酸素側電極33dと反対側の支持基板33aの平坦な他方側主面には中間膜33e、インターコネクタ33f、集電膜33gが順次積層されている。
また、燃料電池セルは、全体的に見て板状で、かつ柱状であり、その内部の支持基板33aには6個のガス通路34が軸長方向に貫通して形成されている。
即ち、燃料電池セル33は、断面形状が、幅方向両端に設けられた弧状部Bと、これらの弧状部Bを連結する一対の平坦部Aとから構成されており、一対の平坦部Aは平坦であり、ほぼ平行に形成されている。これらの燃料電池セル33の平坦部Aのうち一方は、支持基板33aの一方側主面上に燃料側電極33b、固体電解質層33c、酸素側電極33dを形成して構成され、他方の平坦部Aは、支持基板33aの他方側主面上に中間膜33e、インターコネクタ33f、集電膜33gを形成して構成されている。
固体電解質層33cは、支持基板33aの一方側主面から両側の側面を介して他方側主面にまで延設され、この固体電解質層33cの両端部上には、インターコネクタ33fの両端部が重なり、段差部cを形成している。言い換えると、内部に軸長方向にガス通路34が形成された支持基板33aの側面は、緻密質な固体電解質層33c及びインターコネクタ33fがその端部同士を重ねて取り囲んでいる。尚、図3では、重なった部分を誇張して記載している。また、図2では、固体電解質層33cとインターコネクタ33fとの重なった部分は省略し簡略化して記載している。
燃料側電極33b、固体電解質層33c、酸素側電極33dが重なり合っている部分が発電部である。この発電部分は弧状部Bにまで形成されていてもかまわない。なお、燃料電池セル33において、発電部は平坦部Aに形成されている。
なお、弧状部Bは、発電に伴う加熱や冷却に伴い発生する熱応力を緩和するため、曲面となっていることが望ましい。
また、支持基板33aの長径寸法(弧状部を形成する支持基板の側面間距離)は15〜40mm、短径寸法(平坦部を形成する主面間距離)が1〜10mmであることが望ましい。なお、支持基板33aの形状は板状と表現しているが、長径寸法および短径寸法が変化することにより楕円状あるいは扁平状とも表現できる。
尚、金属を主成分とする燃料側電極の外面に、緻密質な固体電解質層、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素側電極を順次積層し、酸素側電極と反対側の燃料側電極の外面にインターコネクタを形成して構成し、燃料側電極を支持体とするものであっても良い。
一方の燃料電池セル33と他方の燃料電池セル33との間には、図2に示すように、金属フェルト又は金属板からなる弾性を有する集電部材43を介在させ、一方の燃料電池セル33の支持基板33aを、該支持基板33aに設けられたインターコネクタ33f、集電部材43を介して他方の燃料電池セル33の酸素側電極33dに電気的に接続して、セルスタック35が構成されている。集電部材43は、燃料電池セル33を押し広げるような構成であり、これにより、セル間を強固に電気的に接続できる。
この支持基板33aは、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm及びPrから選ばれた1種以上からなる希土類元素酸化物と、Ni又はNiOとを主成分とすることが望ましい。
支持基板33aとインターコネクタ33fの間に形成される中間膜33eは、Ni又はNiOと希土類元素を含有するZrOを主成分とするものである。中間膜33e中のNi化合物のNi換算量は全量中35〜80体積%が望ましく、さらに50〜70体積%が望ましい。Niを35体積%以上とすることで、Niによる導電パスが増加し、中間膜33eの伝導度が向上し、電圧降下が小さくなる。また、Niを80体積%以下とすることで、支持基板33aとインターコネクタ33fの間の熱膨張係数差を小さくすることができ、両者の界面の亀裂が発生を抑制できる。
また、電位降下が小さくなるという点から中間膜33eの厚みは20μm以下が望ましく、さらに、10μm以下が望ましい。
中希土類元素や重希土類元素の酸化物の熱膨張係数は、固体電解質層33cのYを含有するZrOの熱膨張係数より小さく、Niとのサーメット材としての支持基板33aの熱膨張係数を固体電解質層33cの熱膨張係数に近づけることができ、固体電解質層33cの割れや、固体電解質層33cの燃料側電極33bからの剥離を抑制できる。熱膨張係数が小さい重希土類元素酸化物を用いることで、支持基板33a中のNiを多くでき、導電性支持体33aの電気伝導度を上げることができるという点からも重希土類元素酸化物を用いることが望ましい。
なお、軽希土類元素のLa、Ce、Pr、Ndの酸化物は、希土類元素酸化物の熱膨張係数の総和が固体電解質層33cの熱膨張係数未満である範囲であれば、中希土類元素、重希土類元素に加えて含有されていても何ら問題はない。
また、精製途中の安価な複数の希土類元素を含む複合希土類元素酸化物を用いることにより原料コストを大幅に下げることができる。その場合も、複合希土類元素酸化物の熱膨張係数は固体電解質層33cの熱膨張係数未満であることが望ましい。
また、インターコネクタ33f表面にP型半導体、例えば、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる集電膜33gを設けることが望ましい。インターコネクタ33f表面に直接金属の集電部材を配して集電すると非オーム接触により、電位降下が大きくなる。オーム接触をし、電位降下を少なくするためには、インターコネクタ33fにP型半導体からなる集電膜33gを接続する必要があり、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物を用いることが望ましい。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、ランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、又は、それらの複合酸化物の少なくとも一種からなることが望ましい。
支持基板33aの主面に設けられた燃料側電極33bは、Niと希土類元素が固溶したZrOとから構成される。この燃料側電極33bの厚みは1〜30μmであることが望ましい。燃料側電極33bの厚みを1μm以上とすることで、燃料側電極33bとしての3層界面が十分に形成される。また、燃料側電極33bの厚みを30μm以下とすることで固体電解質層33cとの熱膨張差による界面剥離を防止できる。
この燃料側電極33bの主面に設けられた固体電解質層33cは、3〜15モル%のY等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密体なセラミックスから構成される。希土類元素としては、安価であるという点からYもしくはYbが望ましい。
固体電解質層33cの厚みは、10〜100μmであることが望ましい。固体電解質層33cの厚みを10μm以上とすることで、ガス透過を防止できる。また、固体電解質層33cの厚みを100μm以下にすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
また、酸素側電極33dは、遷移金属ペロブスカイト型酸化物のランタン−マンガン系酸化物、ランタン−鉄系酸化物、ランタン−コバルト系酸化物、または、それらの複合酸化物の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されている。酸素側電極33dは、800℃程度の中温域での電気伝導性が高いという点から(La,Sr)(Fe,Co)O系が望ましい。酸素側電極33dの厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが望ましい。
インターコネクタ33fは、支持基板33aの内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密体とされており、また、インターコネクタ33fの内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
このインターコネクタ33fの厚みは、30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ33fの厚みを30μm以上とすることで、ガス透過を完全に防止でき、200μm以下とすることで、抵抗成分の増加を抑制できる。
このインターコネクタ33fの端部と固体電解質層33cの端部との間には、シール性を向上すべく例えば、Niと、Yを固溶したZrOとからなる接合層を介在させても良い。
以上のような燃料電池セル33の製法について説明する。先ず、例えば希土類酸化物粉末と、Ni及び/又はNiO粉末を混合し、この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した支持基板材料を用い、押出成形して、平板状の支持基板成形体を作製し、これを乾燥、脱脂する。
次に、Ni及び/又はNiO粉末と、希土類元素が固溶したZrO粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合し、燃料側電極33b用のスラリーを作製する。
次に、希土類元素が固溶したZrO粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合した固体電解質材料を用いてシート状の固体電解質成形体を作製し、このシート状の固体電解質成形体表面に、燃料側電極33b用のスラリーを塗布し、固体電解質成形体表面に燃料側電極成形体を形成する。
これを、支持基板成形体上に燃料側電極成形体が積層されるように、かつ、両端が支持基板成形体の平坦部で所定間隔を置くように前記シート状の固体電解質成形体を支持基板成形体に巻き付けし、乾燥する。なお、このとき脱脂を行ってもよい。
次に、Ni又はNiO粉末と、希土類元素が固溶したZrO粉と、有機バインダーと、溶媒を混合し、中間膜33e用のスラリーを作製し、このスラリーを、ランタン−クロム系酸化物粉末と、有機バインダーと、溶媒を混合したインターコネクタ材料を用いて形成されたシート状のインターコネクタ成形体表面に塗布し、インターコネクタ成形体に中間膜成形体を形成する。
このインターコネクタ成形体を、固体電解質成形体端間から露出した支持基板成形体に、固体電解質成形体の両端部上にインターコネクタ成形体の両端部が重なるように積層する。
これにより、支持基板成形体の一方側主面に、燃料側電極成形体、固体電解質成形体を順次積層するとともに、他方側主面に、中間膜成形体、インターコネクタ成形体が積層された積層成形体を作製する。尚、各成形体はドクターブレードによるシート成形や印刷、スラリーディップ、スプレーによる吹き付けなどにより作製することができ、または、これらの組み合わせにより作製してもよい。
次に、積層成形体を脱脂処理し、酸素含有雰囲気中で1300〜1600℃で同時焼成する。
次に、P型半導体である遷移金属ペロブスカイト型酸化物粉末と、溶媒を混合し、ペーストを作製し、このペースト中に前記積層体を浸漬し、固体電解質層33c、インターコネクタ33fの表面に酸素側電極成形体、集電膜成形体をディッピングにより形成するか、または、直接スプレー塗布、印刷により形成する。この後、900〜1300℃で焼き付け、燃料電池セルを作製することができる。
そして、本発明の燃料電池組立体は、燃料電池セル33の軸長方向の一方端部側面が、インターコネクタ33fと固体電解質層33bとの段差部cを被覆するように設けられた無機絶縁材料からなる被覆層42を介して、シールガラスにより後述のマニホールド50に固定されている。被覆層42は、燃料電池セル33の全周面を被覆している。尚、段差部cを被覆するようにインターコネクタ33fが形成された燃料電池セルの一方側面だけに被覆層42を形成することができる。この場合には、被覆層42を形成する材料を少なくすることができるとともに、被覆層42を容易に形成できる。
この被覆層42は、固体電解質材料又はガラスから形成されている。固体電解質材料と
しては、固体電解質層33bと同一材料を用いることができる。さらに、燃料電池セル、被覆層42、シールガラスの熱膨張係数がこの順に傾斜する。なお、被覆層42として無機絶縁材料を用いることができる。例えば、後述するセル支持板を構成するシールガラスと燃料電池セルの中間の熱膨張係数を有するガラスを選択することが望ましい。これにより、燃料電池セル、被覆層材料、シールガラスについて傾斜的な熱膨張配置が可能となり、クラックの発生をさらに抑制できる。この被覆層42は、シールガラスよりも大きい強度を有する無機絶縁材料から形成することが望ましい。これにより、燃料電池セルを構成する部材とシールガラスの熱膨張係数に差がある場合、その熱膨張差に起因する応力以上の強度を有する被覆層材料をセルの一方端部に形成することにより、強度の低いシールガラスに発生する応力を低減でき、結果としてクラックのないシールガラスを形成できる。
上記のようにして構成された複数の燃料電池セル33の下端部は、図1、5、6に示すように、ガスマニホールド50の天板を構成するセル支持板50aに支持固定されており、これにより燃料電池セル33の下端部がガスマニホールド50に支持固定され、立設している。即ち、複数の燃料電池セル33は集電部材43を介して積層された状態で、それらの一方端部がシールガラス(固体シール材)により接合され、セル支持板50aに支持固定された燃料電池セル装置を形成し、この状態でセル支持板50aをマニホールド50の天板として設け、これにより、燃料電池セル33がマニホールド50に複数立設している。尚、図5、6では集電部材43の記載を省略し、図5では被覆層42の記載を省略した。
燃料電池セル33の被覆層42の下端部がシールガラスに埋設されており、被覆層42の上部は、セル支持板50aから突出している。
またセル支持板50aの厚みは、セル支持板50aの軽量化、燃料電池セルを複数本束ねた燃料電池本体の体積を低減、さらには熱容量の低減の点より20mm以下であることが望ましい。20mmより大きい場合、重量、体積が増加し、また熱容量が大きくなり起動に要する時間が長くなる。
セル支持板50aの厚みを2mm以上としたのは、2mmよりも薄い場合には、シールガラスに必要な距離が確保できず、燃料電池セル33の下端部を強固に接合することができないからである。セル支持板50aの厚みは作業性、及びガスリーク歩留り向上という点から2mm以上、特には5mm以上であることが望ましい。また、7kW未満の家庭用、店舗用として用いられる分散型発電用の燃料電池として用いる場合には、熱容量を低減し、熱自立するために、20mm以下、特には10mm以下であることが望ましい。また、この場合、燃料電池セルの長さは80〜300mmであることが望ましい。
ガスマニホールド50には、図1に示すように、燃料電池セル33内部に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給管51が設けられている。
燃料ガス供給管51はハウジング内側を通り、セルスタック35の上方に配置された燃料改質器55を経由して、ガスマニホールド50の側面からガスマニホールド50内へ導入される。燃料ガス供給管51には、外部から都市ガスやプロパンガス等の被改質ガスが供給され、改質器55を介して、ガスマニホールド50内及び燃料電池セル33のガス通路34に改質された燃料ガスが供給される。
マニホールド50、及び燃料ガス供給管51はセラミック、金属またはこれらの混合物により構成されるが、支持板50aと同じ材質であることが好ましい。
また、酸素含有ガス供給管39は、セルスタック35間にセル支持板50aの近傍まで延設され、その先端部から酸素含有ガス、例えば空気を供給するようになっている。発電で用いられなかった余剰の酸素含有ガスは、セル33間を通過して上方に流れ、セル内部を通過して発電に用いられなかった燃料ガスと、セル先端部近傍で混合燃焼する。
また、熱交換部41は、燃焼ガスが排出される排出路41aと、この排出路41aの内側に配設された酸素含有ガス室41bとから構成されており、言い換えれば、酸素含有ガス室41bの周囲に排出路41aが配設され、排出路41a内の燃焼ガスと外部から導入される酸素含有ガスの間で熱交換可能とされている。
本発明の燃料電池組立体では、空気からなる酸素含有ガスが酸素含有ガス室41bに一旦収容され、この酸素含有ガス室41bから酸素含有ガス供給管39を介して燃料電池セル33間に供給され、一方、都市ガス等の被改質ガスが燃料ガス供給管51、改質器55に供給され、ガスマニホールド50を介して燃料電池セル33のガス通路34を流れ、セル先端から導出され、セル外部の酸素含有ガスと混合燃焼し、燃焼ガスが排出路41aを介して外部に排出される。
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図3では燃料側電極を固体電解質層の内側に形成したが、酸素側電極を固体電解質層の内側に形成することができる。
また、例えば、上記形態では、板状で複数の燃料ガス通路34を有する燃料電池セル33を用いた例について説明したが、燃料電池セルは円筒状で、燃料ガス通過孔が一つであっても良く、燃料電池セルの形状は特に限定されるものではない。
さらに、上記形態では、固体電解質層33cの両端部上に、インターコネクタ33fの両端部が重なり、段差部cを形成した例について記載したが、図7に示すように、インターコネクタの両端部上に、固体電解質層の両端部が重なり、段差部を形成する場合についても、本発明を有効に用いることができる。
本発明者は本発明の効果を確認すべくシミュレーションを行った。シミュレーションは、燃料電池セルを立設した状態におけるガスマニホールドの構成材料による熱膨張率の差異により生じる最大主応力を算出することにより行った。図8は、燃料電池セルの一方端部に被覆層を形成することなくマニホールドに立設した場合におけるシールガラスに生じる応力状態のシミュレーション結果を示す図である。この図8から、固体電解質層とインターコネクタとの段差部におけるシールガラスの応力集中が非常に大きく、そのシールガラスの最大主応力は159MPaであった。
これに対して、従来の燃料電池セルの下端部の全周面に、下面より10mmに結晶性ガラスをディッピングにより付与し、乾燥後焼成することで、厚さ50μmの被覆層を形成した。その後、これらの燃料電池セルと集電部材と交互に積層し、マニホールド内に立設し、前記被覆層を下にして、焼成後におけるシールガラスの厚みが5mmになるようシールガラスのペーストを流し込んだ。乾燥後、焼成により燃料電池組立体を作製し、これについて上記と同様なシミュレーションを行ったところ、シールガラスの最大主応力は113MPaであり、応力集中が緩和されることが判った。
本発明の燃料電池組立体を示す断面図。 図1のセルスタックを示す断面図。 燃料電池セルを示す断面斜視図。 燃料電池セルを示すもので、(a)は縦断面図、(b)は側面図。 ガスマニホールドに燃料電池セルを立設した状態を示す断面図。 燃料電池セルをシールガラスで固定した状態を示すもので、(a)は断面図、(b)は一部断面図。 インターコネクタの両端部上に、固体電解質層の両端部が重なっている燃料電池セルを示す断面斜視図。 シミュレーション結果を示す説明図。
符号の説明
33:燃料電池セル
33a:支持基板(支持体)
33b:燃料側電極
33c:固体電解質層
33d:酸素側電極
33f:インターコネクタ
34:ガス通路
42:被覆層
50:ガスマニホールド
50a:セル支持板
c:段差部

Claims (4)

  1. 内部に軸長方向にガス通路が形成された支持体の側面を、緻密質な固体電解質層及びインターコネクタがその端部同士を重ねて取り囲んでなる燃料電池セルと、前記ガス通路と連通するガスマニホールドとを備え、前記燃料電池セルは、前記軸長方向の一方端部が、前記インターコネクタと前記固体電解質層とが重なった段差部を被覆するように設けられた無機絶縁材料からなる被覆層を介して、シールガラスにより前記マニホールドに固定されており、前記燃料電池セル、前記被覆層、前記シールガラスの熱膨張係数がこの順に傾斜するように構成されていることを特徴とする燃料電池セル組立体。
  2. 前記燃料電池セルは、導電性支持体上に、前記固体電解質層を電極層で挟持してなる発電部と、前記インターコネクタとを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル組立体。
  3. 記被覆層の一部が前記シールガラスに埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池組立体。
  4. 前記被覆層が、ガラスからなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池組立体。
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