JP6839926B2 - 電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム - Google Patents
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Description
上記目的を達成するための本発明に係る電気化学モジュールの特徴構成は、
金属支持体と電気化学反応部とを有し、
前記金属支持体が筒形状であり、前記電気化学反応部は、電極層と、電解質層と、対極電極層とを少なくとも有し、前記金属支持体の表面に配置されており、
前記電解質層は、前記電極層と前記対極電極層との間に配置されている電気化学素子と、
有突起集電板とを有するセルユニットを、複数有し、前記セルユニットの前記電気化学素子が互いに電気的に接続されており、
前記金属支持体の筒の内部に気体を供給する金属製のガスマニホールドを有し、前記金属支持体と前記ガスマニホールドとの間に接合部位が形成されている電気化学モジュールであって、
前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
複数のセルユニットが積層される際に、前記有突起集電板が、接続部材により前記ガスマニホールドに接続された状態で、一方のセルユニットの金属支持体と、もう一方のセルユニットの対極電極層とを電気的に接続する点にある。
また、薄くても十分な強度を有する堅牢な金属支持体の表面に電気化学反応部を配置するから、コンパクトで高性能かつ強度と信頼性に優れた電気化学素子を得ると共に、電極層や電解質層に使用する高価なセラミックス材料の使用量を抑制しつつ、安価な金属材料で強度を確保することで材料コストを抑制し、セラミックスより加工しやすい金属支持体を用いることで加工コストを抑制した、コンパクトで高性能な、強度と信頼性に優れた電気化学素子を有するセルユニットを備えた電気化学モジュールを得ることができる。
更に、支持体が熱伝導性の高い金属からなるため、電気化学素子内での熱分布が生じ難く、熱応力分布による信頼性・耐久性の低下を抑えることが可能である。
なお、筒形状とは、断面形状が円、楕円、小判形、多角形等の形状である、筒形構造全般を含むものであり、上述の作用効果が得られる範囲であれば、加工上の問題も考慮して表面に凹凸があるものでも構わない。
また、上記の特徴構成によれば、上述のセルユニットの電気化学素子が複数電気的に接続されることで、材料コストと加工コストを抑制しつつ、コンパクトで高性能な、強度と信頼性に優れた電気化学モジュールを得ることができる。
更に、上記の特徴構成によれば、金属支持体とガスマニホールドは共に金属であるから、ガスマニホールドの形状に合わせて、ろう付けを含む各種の溶接や、かしめ等によって前記接合部位を形成できるため、材料コストおよび加工コストを抑制した低コストな電気化学モジュールを実現することができる。
〔構成2〕
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記有突起集電板が拡散防止膜を有する点にある。
〔構成3〕
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記凹凸構造部位が前記もう一方のセルユニットの対極電極層に接続される点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記電気化学反応部が、前記金属支持体の外側の面に配置されている点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記電極層、前記電解質層、前記対極電極層が、それぞれ薄層として形成されている点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記金属支持体が、内側と外側との間での気体の通流を許容する気体通流許容領域を有する点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記気体流通許容領域の外側の面または内側の面が、気密層によって覆われている点にある。
なお、気密層として、電解質層や後述の電子伝導層だけでなく、ガラスフリット等のガスシール材からなる層を適用可能である。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記気密層が少なくとも前記電解質層を含む点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記気密層が、少なくとも前記電解質層と電子伝導層を含む点にある。
本発明に係る電気化学モジュールの別の特徴構成は、前記電極層が、気体透過性を有する多孔質であることである。
本発明に係る電気化学装置の特徴構成は、上述の電気化学モジュールと、電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料を供給する燃料供給部とを少なくとも有し、前記電気化学モジュールから電力を取り出す構成とする点にある。
本発明に係る電気化学装置の別の特徴構成は、上述の電気化学モジュールと改質器を少なくとも有し、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記電気化学モジュールから電力を取り出すインバータとを有する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るエネルギーシステムの特徴構成は、上述の電気化学装置と、前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を有する点にある。
<電気化学素子>
以下、第1実施形態に係る電気化学素子について図1〜図3に基づいて説明する。電気化学素子Qは、金属支持体1と電気化学反応部Rとを有し、金属支持体1が筒形状であり、筒の外側1eと内側1fとの間での気体の通流を許容する気体通流許容領域Pを有し、電気化学反応部Rは、電極層Aと、電解質層Bと、対極電極層Cとを少なくとも有し、金属支持体1の外側1eに配置されており、電極層Aに、気体通流許容領域Pを通流した気体が供給され、電解質層Bは、電極層Aと対極電極層Cとの間に配置され、電極層Aと気体通流許容領域Pとを覆って設けられている。
金属支持体1は、両端が開放された金属製の筒である。金属支持体1には、外側1eと内側1fとを貫通して複数の貫通孔1aが形成されている。本実施形態では、金属支持体1は両端が開放された円筒形状であり、貫通孔1aは、筒の径方向に沿って枝分かれのない直線状に形成されている。貫通孔1aは、金属支持体1の両端を除いて、金属支持体1の全面に設けられている。本実施形態では、貫通孔1aが設けられている帯状の領域を気体通流許容領域Pと称する。
本実施形態に係る電気化学反応部Rは、電極層Aと、電解質層Bと、対極電極層Cと、中間層とを有する。
電極層Aは、金属支持体1の外側1eの表面(すなわち拡散防止膜)の上に、膜の状態で形成される。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは、5μm〜50μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電極性能を確保することが可能となる。
電極層Aの材料としては、例えばNiO−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、Ni−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、NiO−ジルコニアを主成分とするもの、Ni−ジルコニアを主成分とするもの、CuO−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、Cu−酸化セリウム(セリア)を主成分とするものなどの複合材を用いることができる。なお、酸化セリウム(セリア)、ジルコニア等あるいはこれらに異種元素をドープした固溶体を複合材の骨材と呼ぶ。電極層Aは、気体透過性を具備するように形成される。例えば、電極層Aの表面および内部に微細な複数の細孔を有するように構成される。
電解質層Bは、電極層Aと対極電極層Cとの間に膜状で設けられる。その膜厚は、例えば、1μm〜50μm程度、好ましくは1μm〜20μm程度、より好ましくは2μm〜10μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な電解質層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電解質性能を確保することが可能となる。
電解質層Bの材料としては、種々のジルコニア系材料、酸化セリウム系材料、種々のペロブスカイト系複合酸化物等の固体電解質材料を用いることができる。特にジルコニア系のセラミックスが好適に用いられる。電解質層Bをジルコニア系セラミックスにすると、電気化学素子Qの稼働時の温度をセリア系セラミックスに比べて高くすることができ、非常に高効率な電気化学素子Qを構成することができる。
対極電極層Cは、電解質層Bの上に膜状で設けられる。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは、5μm〜50μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な対極電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な対極電極性能を確保することが可能となる。
対極電極層Cの材料としては、例えば、LSCF(La−Sr−Co−Fe系酸化物)、LSC(La−Sr−Co系酸化物)、LSM(La−Sr−Mn系酸化物)等の複合酸化物を用いることができる。なお対極電極層Cは、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な対極電極層Cが得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
なお、電極層Aと電解質層Bとの間に中間層(緩衝層)が膜の状態で形成されていてもよい。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度、より好ましくは5μm〜20μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な中間層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な中間層性能を確保することが可能となる。
中間層の材料としては、例えば、酸化セリウム系材料やジルコニア系材料等を用いることができる。中間層を電極層Aと電解質層Bとの間に導入することにより、電気化学反応部Rの性能や信頼性、耐久性を向上できる。なお中間層は、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な中間層が得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
中間層の材料としては、例えば、酸化セリウム系材料やジルコニア系材料等を用いることができる。中間層を電解質層Bと対極電極層Cとの間に導入することにより、対極電極層Cの構成材料と電解質層Bの構成材料との反応が効果的に抑制され、電気化学反応部Rの性能の長期安定性を向上できる。なお中間層は、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な中間層が得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
本実施形態では、気密層は電解質層Bからなる。つまり、電解質層Bが、電極層Aと対極電極層Cとの間の気体の流通を遮断する。
なお、気密層として、例えば、後述の電子伝導層や、ガラスシール材をはじめとするガスシール材等からなる層を適用することもできる。
気密層を構成する各層の緻密度は、例えば相対密度90%以上、好ましくは相対密度95%以上、より好ましくは相対密度98%以上とすることができる。このような緻密度にすることで、ガスの流通を遮断する、気密性の高い層とすることができる。なお相対密度とは、各層の構成材料の理論密度に対して実際に形成された各層の密度の割合を表す。
また、その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度、より好ましくは5μm〜20μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な気密性を確保することが可能となる。
以上の様に構成された電気化学反応部Rは、気体の供給を受け、電気化学反応を生じさせる。
次に、本実施形態に係るセルユニットUについて図4〜図6に基づいて説明する。セルユニットUは、電気化学素子Qと、有突起集電板3とを有する。有突起集電板3は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位3aを有し、金属支持体1に電気的に接続されており、凹凸構造部位3aが、複数のセルユニットUが積層される際に、他のセルユニットUの対極電極層Cに接続される。そしてセルユニットUは、金属支持体1の筒の内部に気体を供給する金属製のガスマニホールド8を有し、金属支持体1がガスマニホールド8との間に接合部位を形成している。
ガスマニホールド8は、金属製の中空の直方体である。一方のガスマニホールド8の側面に、4つの電気化学素子Qが接続され、電気化学素子Qの他方の端に他方のガスマニホールド8が接続されている。ガスマニホールド8と電気化学素子Qとの接続は、ガスマニホールド8の内部の空間と、金属支持体1の筒の内部の空間とが連通する形態で行われる。また、金属支持体1とガスマニホールド8(の側面)との間に接合部位を形成している。
有突起集電板3は、金属製の長方形の板である。本実施形態では、図6に示す様に、複数の凸凹構造部位3aが、有突起集電板3の板の面から上下方向に突出して形成されている。凹凸構造部位3aは、頂点がなだらかな円錐形状である。図6に示される有突起集電板3の断面から分かるとおり、上方向に突出する凹凸構造部位3aと下方向に突出する凹凸構造部位3aとが隣接して形成されている。
続いて、本実施形態に係る電気化学モジュールMについて図4および図5に基づいて説明する。電気化学モジュールMは、上述のセルユニットUが複数積層した状態で配置されて構成される。
第2実施形態に係る電気化学素子について図7および図8に基づいて説明する。本実施形態に係る電気化学素子Qでは、金属支持体1の全体が金属製のメッシュにより形成され、気体の通流が可能となっている。つまり筒形状の金属支持体1の全体が、気体通流許容領域Pとなっている。
上述の実施形態では、ある電気化学素子を構成する金属支持体1は、有突起集電板を介して他の電気化学素子の対極電極層に接続されている。電気化学素子間の接続としては、図9に示すように、ある電気化学素子の金属支持体の、電気化学反応部が形成されていない表面が、別の電気化学素子の対極電極層に、有突起集電板を介さずに電気的な接続がなされていてもよい。この場合、金属支持体と対極電極層の間は直接接していてもよいし、導電性セラミックスや金属等の導電性部材を介して電気的に接続されていてもよい。
上述の実施形態では、一つの金属支持体上に一つの電気化学反応部を形成したが、電気化学反応部は複数形成されていてもよい。この場合、一の電気化学反応部を形成する電極層と、他の電気化学反応部を形成する対極電極層とが、後述の電子伝導層を介して電気的に接続されることで、いわゆる横縞型SOFCとして使用可能である。
この際、金属支持体の表面に絶縁被膜を形成してもよい。金属支持体の表面に絶縁被膜を形成して、電極層との間を絶縁できる構成とすると、セル間の電子リークを抑え、高性能な電気化学素子となる。なお、絶縁被膜は、金属支持体の表面に、絶縁性の高いシリカやアルミナなどを含む金属酸化物被膜をスパッタリング法やPLD法、CVD法、スプレーコーティング法などにより形成しても良いし、メッキと酸化処理によって形成しても良い。また、金属支持体1の材料として、SiとAlのうち少なくとも一方が1重量%〜5重量%程度含有されている金属材料を用い、焼成処理によって、その表面にシリカやアルミナを含む絶縁被膜を形成することもできる。
なお、絶縁被膜の抵抗値としては、1kΩ・cm2程度以上あればよく、10kΩ・cm2程度以上あれば、電気化学素子を燃料電池として動作させた場合でも十分な起電力と電流量を確保でき好適である。
電子伝導層は、例えば、LaCrO3(ランタンクロマイト)やSrTiO3(ストロンチウムチタネイト)等の導電性を有する金属酸化物により構成することができる。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度、より好ましくは5μm〜20μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な電子伝導層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電子伝導層性能を確保することが可能となる。
上述の実施形態では、一方のセルユニットUの連結管9と、他方のセルユニットUの連結管9との間にガスケット6を挟むことで、一方のセルユニットUの金属支持体1、ガスマニホールド8、連結管9および有突起集電板3と、他方のセルユニットUの金属支持体1、ガスマニホールド8、連結管9および有突起集電板3との間を、電気的に絶縁している。セルユニットUを構成するガスマニホールド8と、同一のセルユニットUを構成する金属支持体1との間を電気的に絶縁してもよい。ガスマニホールド8と金属支持体1との間は、上記のように絶縁性のガスケットを介して接続させることで電気的に絶縁してもよいし、ガスマニホールド8または金属支持体1の表面の少なくとも一部に絶縁被膜を形成することで電気的に絶縁してもよい。なお、絶縁被膜は、ガスマニホールド8または金属支持体1の表面に、絶縁性の高いシリカやアルミナなどを含む金属酸化物被膜をスパッタリング法やPLD法、CVD法、スプレーコーティング法などにより形成しても良いし、メッキと酸化処理によって形成しても良い。また、ガスマニホールド8または金属支持体1の材料として、SiとAlのうち少なくとも一方が1重量%〜5重量%程度含有されている金属材料を用い、焼成処理によって、その表面にシリカやアルミナを含む絶縁被膜を形成することもできる。
<有突起集電板>
上述の実施形態では有突起集電板3は、頂点がなだらかな円錐形状である凹凸構造部位3aを有していた。有突起集電板3としては、図10に示す形状も可能である。図10に示す第3実施形態に係る有突起集電板3は、長辺に平行に延びる直線に沿って交互に山折り・谷折りされた形状を有している。すなわち、山の部位、谷の部位が凹凸構造部位3aに該当する。そして本実施形態に係る有突起集電板3を上述のセルユニットUに適用する場合には、山の部位の稜線と、電気化学素子Qの金属支持体1の中心軸とが平行になるよう配置すると、有突起集電板3と対極電極層Cとの接続部位を大きくすることができ好適である。なおこのような形状の有突起集電板3は、第1実施形態と同様にプレス成形により低コストで製造することが可能である。
以上説明した電気化学素子Qおよび電気化学モジュールMを用いて、電気化学装置YおよびエネルギーシステムZを構築することができる。
図11には、エネルギーシステムZおよび電気化学装置Yの概要が示されている。
エネルギーシステムZは、電気化学装置Yと、電気化学装置Yから排出される熱を再利用する排熱利用部としての熱交換器53とを有する。
電気化学装置Yは、電気化学モジュールMと、脱硫器31と改質器34とを有し電気化学モジュールMに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、電気化学モジュールMから電力を取り出すインバータ38とを有する。
(1)上述の実施形態では、電気化学素子Qを固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルに用いたが、固体酸化物を利用した酸素センサ等に利用することもできる。
1a :貫通孔
1e :外側
1f :内側
3 :有突起集電板
3a :凹凸構造部位
8 :ガスマニホールド
34 :改質器
38 :インバータ
A :電極層
B :電解質層
C :対極電極層
M :電気化学モジュール
P :気体通流許容領域
Q :電気化学素子
R :電気化学反応部
U :セルユニット
Y :電気化学装置
Z :エネルギーシステム
Claims (13)
- 金属支持体と電気化学反応部とを有し、
前記金属支持体が筒形状であり、前記電気化学反応部は、電極層と、電解質層と、対極電極層とを少なくとも有し、前記金属支持体の表面に配置されており、
前記電解質層は、前記電極層と前記対極電極層との間に配置されている電気化学素子と、
有突起集電板とを有するセルユニットを、複数有し、前記セルユニットの前記電気化学素子が互いに電気的に接続されており、
前記金属支持体の筒の内部に気体を供給する金属製のガスマニホールドを有し、前記金属支持体と前記ガスマニホールドとの間に接合部位が形成されている電気化学モジュールであって、
前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
複数のセルユニットが積層される際に、前記有突起集電板が、接続部材により前記ガスマニホールドに接続された状態で、一方のセルユニットの金属支持体と、もう一方のセルユニットの対極電極層とを電気的に接続する電気化学モジュール。 - 前記有突起集電板が拡散防止膜を有する請求項1に記載の電気化学モジュール。
- 前記凹凸構造部位が前記もう一方のセルユニットの対極電極層に接続される請求項1または2に記載の電気化学モジュール。
- 前記電気化学反応部が、前記金属支持体の外側の面に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学モジュール。
- 前記電極層、前記電解質層、前記対極電極層が、それぞれ薄層として形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学モジュール。
- 前記金属支持体が、外側と内側との間での気体の流通を許容する気体流通許容領域を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気化学モジュール。
- 前記気体流通許容領域の外側の面または内側の面が、気密層によって覆われている請求項6に記載の電気化学モジュール。
- 前記気密層が、少なくとも前記電解質層を含む請求項7に記載の電気化学モジュール。
- 前記気密層が、少なくとも前記電解質層と電子伝導層とを含む請求項7または8に記載の電気化学モジュール。
- 前記電極層が、気体透過性を有する多孔質である請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気化学モジュール。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気化学モジュールと、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料を供給する燃料供給部とを少なくとも有し、前記電気化学モジュールから電力を取り出すことを特徴とする電気化学装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気化学モジュールと改質器を少なくとも有し、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記電気化学モジュールから電力を取り出すインバータとを有する電気化学装置。
- 請求項11または12に記載の電気化学装置と、前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を有するエネルギーシステム。
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