JP5116185B1 - 接合材、及び、その接合材を用いた燃料電池のスタック構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持板210の表面には、複数のセル100の一端部を挿入するための複数の挿入孔211が形成される。各セル100の一端部が対応する挿入孔211にそれぞれ遊嵌される。接合材300が、各挿入孔211と対応するセル100の一端部との接合部のそれぞれにおいて、挿入孔211の内壁とセル100の一端部の外壁との間に存在する隙間に少なくとも充填されるよう設けられる。接合材300として、結晶化温度まで温度が高められた非晶質ガラスの結晶化が進行することで生成される結晶化ガラスであって、結晶化温度下における前記結晶化に起因する接合材の体積減少率(結晶化収縮率)が0.78%以上12%以下であるものが使用される。
【選択図】図5
Description
先ず、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)のスタック構造体に使用されるセル100について説明する。図1に示すように、セル100では、平板状の多孔質の導電性支持体11の一方の主面に、多孔質の燃料極12、緻密な固体電解質13、多孔質の導電性セラミックスからなる空気極14が順次積層されている。また、空気極14と反対側の導電性支持体11の主面には、中間膜15、ランタン−クロム系酸化物材料からなるインターコネクタ16、P型半導体材料からなる集電膜17が順次形成されている。
次に、上述したセル100を用いた本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)のスタック構造体について説明する。図2に示すように、このスタック構造体は、多数のセル100と、多数のセル100のそれぞれに燃料ガスを供給するための燃料ガスのマニホールド200と、を備えている。マニホールド200の全体は、ステンレス鋼等の材料で構成されている。
Scanning Calorimetry)等の熱分析により取得される材料物性値である。以下、説明の便宜上、図9において点X(X:A〜G)における成形体の体積を「Vx」と表記する。
結晶化収縮率=(Vd−Vc)/Vc×100(%) …(1)
この試験では、上述した片持ちスタック構造体(図2を参照)について、結晶化ガラスで構成される接合材30の材質、及び、結晶化収縮率(%)の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して20個のサンプル(N=20)が作製された。表1に示す結晶化収縮率は、上記(1)式に従って算出された値である。
(構成)
図12は、図1に示したセルの他の例に係るセル100を示す。このセル100は、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の同形の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
(1/2)・O2+2e−→O2− (於:空気極60) …(2)
H2+O2−→H2O+2e−
(於:燃料極20) …(3)
次に、図12に示した「横縞型」のセル100の製造方法の一例について図17〜図25を参照しながら簡単に説明する。図17〜図25において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
以上、説明したように、図12に示した「横縞型」のセル100では、支持基板10の上下面に形成されている、燃料極20を埋設するための複数の凹部12のそれぞれが、全周に亘って支持基板10の材料からなる周方向に閉じた側壁を有している。換言すれば、支持基板10において各凹部12を囲む枠体がそれぞれ形成されている。従って、この構造体は、支持基板10が外力を受けた場合に変形し難い。
Claims (8)
- 熱処理によって結晶化温度まで温度が高められた非晶質ガラスの結晶化が進行することによって生成される結晶化度が60%以上の結晶化ガラスで構成される接合材であって、
前記結晶化温度下における前記結晶化に起因する接合材の体積減少率が0.78%以上12%以下である、接合材。 - 請求項1に記載の接合材において、
前記接合材に含まれる非晶質相の常温での密度に対する、前記接合材に含まれる結晶相の常温での密度の割合である密度比が、1.01以上1.05以下である、接合材。 - 請求項1又は請求項2に記載の接合材において、
前記結晶化ガラスが、SiO2−MgO系の材料で構成される、接合材。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の接合材において、
前記熱処理によって前記非晶質ガラスの材料の温度が上昇する過程において、前記材料の温度がガラス転移点に達した時点での非晶質状態にある前記材料の体積である第1体積と、前記材料の温度が前記ガラス転移点と前記ガラス転移点より高いガラス軟化点との間の所定温度又は前記ガラス軟化点に達した時点での非晶質状態にある前記材料の体積である第2体積と、前記材料の温度が前記ガラス軟化点より高い結晶化温度に達した後において前記結晶化温度下にて前記材料の結晶化が完了したと判定される時点での結晶化後の前記材料の体積である第3体積と、が取得され、
前記取得された第1及び第2体積と、前記ガラス転移点と、前記所定温度又は前記ガラス軟化点と、前記結晶化温度と、に基づいて、前記材料の温度が前記結晶化温度に達し且つ前記材料の結晶化が開始される前の時点での非晶質状態にある前記材料の体積である第4体積が推定され、
前記結晶化温度下における前記結晶化に起因する接合材の体積減少率として、前記第3体積と前記第4体積とを用いて算出される値が使用される、接合材。 - それぞれが、長手方向を有し且つその内部に前記長手方向に沿うガス流路が形成された支持基板と、前記支持基板の表面に設けられ且つ少なくとも内側電極、固体電解質、及び外側電極がこの順で積層された発電素子部と、を含む複数のセルと、
前記各セルが支持板の表面から前記長手方向に沿ってそれぞれ突出し且つ前記複数のセルがスタック状に整列するように、前記各セルの前記長手方向の一端部を接合材を用いてそれぞれ接合・支持する支持板と、
マニホールドの内部空間と前記複数のセルの前記ガス流路のそれぞれの一端部とが連通するように、前記支持板が設けられるガスのマニホールドと、
を備えた燃料電池のスタック構造体であって、
前記支持板の表面には、前記マニホールドの内部空間と前記複数のセルの一端部とを連通するための1つ又は複数の孔が形成され、
前記各セルの一端部が、対応する前記孔に対応して位置付けられ、
前記接合材が、前記各孔と対応する前記セルの一端部との接合部のそれぞれにおいて前記孔と前記セルの一端部との間に存在する空間に充填されるよう設けられることによって、前記各孔と対応する前記セルの一端部とがそれぞれ接合され、
前記接合材として、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の接合材が使用された、燃料電池のスタック構造体。 - それぞれが、長手方向を有し且つその内部に前記長手方向に沿うガス流路が形成された支持基板と、前記支持基板の表面に設けられ且つ少なくとも内側電極、固体電解質、及び外側電極がこの順で積層された発電素子部と、を含む複数のセルと、
前記各セルが支持板の表面から前記長手方向に沿ってそれぞれ突出し且つ前記複数のセルがスタック状に整列するように、前記各セルの前記長手方向の一端部を接合材を用いてそれぞれ接合・支持する支持板と、
マニホールドの内部空間と前記複数のセルの前記ガス流路のそれぞれの一端部とが連通するように、前記支持板が設けられるガスのマニホールドと、
を備えた燃料電池のスタック構造体であって、
前記支持板の表面には、前記マニホールドの内部空間と連通するとともに前記複数のセルの一端部を挿入するための複数の挿入孔が形成され、
前記各セルの一端部が、対応する前記挿入孔に遊嵌され、
前記接合材が、前記各挿入孔と対応する前記セルの一端部との接合部のそれぞれにおいて前記挿入孔の内壁と前記セルの一端部の外壁との間に存在する隙間に少なくとも進入するよう設けられることによって、前記各挿入孔と対応する前記セルの一端部とがそれぞれ接合され、
前記接合材として、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の接合材が使用された、燃料電池のスタック構造体。 - 請求項5又は請求項6に記載の燃料電池のスタック構造体において、
前記セルは、
ガス流路が内部に形成された平板状の多孔質の前記支持基板と、
前記平板状の支持基板の主面における互いに離れた複数の箇所にそれぞれ設けられ、少なくとも内側電極、固体電解質、及び外側電極がこの順に積層されてなる複数の前記発電素子部と、
1組又は複数組の隣り合う前記発電素子部の間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記発電素子部の一方の内側電極と他方の外側電極とを電気的に接続する1つ又は複数の電気的接続部と、
を備え、
前記平板状の支持基板の主面における前記複数の箇所に、底壁と周方向に閉じた側壁とを有する凹部がそれぞれ形成され、
前記各凹部に、対応する前記発電素子部の内側電極がそれぞれ埋設された、燃料電池のスタック構造体。 - 請求項5又は請求項6に記載の燃料電池のスタック構造体において、
前記セルは、
ガス流路が内部に形成された平板状の多孔質の前記支持基板と、
前記平板状の支持基板の主面における互いに離れた複数の箇所にそれぞれ設けられ、少なくとも内側電極、固体電解質、及び外側電極がこの順に積層されてなる複数の前記発電素子部と、
1組又は複数組の隣り合う前記発電素子部の間にそれぞれ設けられ、隣り合う前記発電素子部の一方の内側電極と他方の外側電極とを電気的に接続する1つ又は複数の電気的接続部と、
を備え、
前記各電気的接続部は、緻密な材料で構成された第1部分と、前記第1部分と接続され且つ多孔質の材料で構成された第2部分とで構成され、
前記平板状の支持基板の主面における前記複数の箇所に、前記支持基板の材料からなる底壁と全周に亘って前記支持基板の材料からなる周方向に閉じた側壁とを有する第1凹部がそれぞれ形成され、
前記各第1凹部に、対応する前記発電素子部の内側電極がそれぞれ埋設され、
前記埋設された各内側電極の外側面に、前記内側電極の材料からなる底壁と全周に亘って前記内側電極の材料からなる周方向に閉じた側壁とを有する第2凹部がそれぞれ形成され、
前記各第2凹部に、対応する前記電気的接続部の前記第1部分がそれぞれ埋設された、燃料電池のスタック構造体。
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