JP5163634B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録シートの両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
一般に、用紙(記録シート)の両面に画像形成が可能なレーザプリンタなどの画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、一方の面に画像が形成され、画像形成部から搬出された記録シートは、まず、搬送ローラによって排出経路を搬送され、さらに、正回転する排紙ローラによって装置外部に向けて搬送される。
そして、記録シートの全体が装置外部に排出される前に排紙ローラが逆回転することで、記録シートは、再搬送経路(反転経路)に案内され、再び画像形成部に搬送されて他方の面に画像が形成される。両面に画像が形成された記録シートは、搬送ローラや正回転する排紙ローラによって排紙トレイ上に排出される。
特開2004−294988号公報
ところで、近年の画像形成装置の小型化(薄型化)により、排出経路と反転経路との分岐部は、排紙トレイや排紙ローラと同じような高さ位置に位置するようになっている。そのため、排紙ローラが逆回転したときに記録シートが分岐部にぶつかって、詰まったり、反転経路に案内されなかったりするおそれがある。
また、画像形成装置では、記録シートを排出するときに、排出中の記録シートが排紙トレイ上に先に排出された記録シートに当接して先に排出された記録シートを排紙トレイ上から押し出すことで、記録シートの積載性が低下するおそれがある。
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、記録シートの積載性の向上と記録シートの確実な反転経路への案内を両立させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、記録シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部の上方に設けられ、装置本体から排出された記録シートが載置される載置部と、前記画像形成部から搬出された記録シートを湾曲させながら前記載置部に向けて案内する排出経路と、前記排出経路に設けられ、正逆回転可能に構成されるとともに、正回転時に記録シートを装置本体の外部に向けて排出する排出ローラと、前記排出経路から延び、前記排出ローラの逆回転により記録シートが案内されて、記録シートを前記画像形成部に向けて案内する反転経路とを備え、前記排出経路と前記反転経路の分岐部が前記載置部と同じ高さ位置にある画像形成装置であって、記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合には排出される記録シートの先端を前記載置部から離れる方向に向け、記録シートを前記反転経路に案内する場合には記録シートの姿勢を排出する場合よりも水平方向に近づけるように記録シートの搬送角度を切り替える搬送角度変更手段をさらに備え、前記排出ローラは、一対のローラからなり、一方のローラは他方のローラの周方向に移動可能に支持され、前記他方のローラの下方に配置されており、前記搬送角度変更手段は、前記一方のローラを移動させて、前記一対のローラがニップする位置を変えることで記録シートの搬送角度を切り替える構成であり、駆動ローラである前記他方のローラに従動回転する前記一方のローラが、前記他方のローラの回転力に引かれて移動し、前記他方のローラとニップする位置を変えることを特徴とする。
このように構成された画像形成装置によれば、記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合と記録シートを反転経路に案内する場合とで記録シートの搬送角度を切り替える搬送角度変更手段を備えるので、それぞれの場合について最適な搬送角度を設定することが可能となる。
具体的に、搬送角度変更手段は、記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合には、排出される記録シートの先端を載置部から離れる方向に向けるので、排出される記録シートは先に排出された記録シートの上に排出されることとなる。これにより、記録シートの積載性の向上させることができる。
また、搬送角度変更手段は、記録シートを反転経路に案内する場合には、記録シートの姿勢を排出する場合よりも水平方向に近づけるので、記録シートは排出経路と反転経路の分岐部の上方を通って反転経路に案内されることとなる。これにより、記録シートを確実に反転経路に案内することができる。
本発明によれば、搬送角度変更手段が記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合と記録シートを反転経路に案内する場合とで記録シートの搬送角度を切り替えることで、記録シートの積載性の向上と記録シートの確実な反転経路への案内を両立させることができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの断面図である。 リアカバーを開いた状態を示す断面図である。 第1実施形態に係る搬送角度変更手段の構成を示す拡大図である。 第1実施形態に係る搬送角度変更手段の作用を説明するための図であり、用紙を本体筐体の外部に向けて排出するときの説明図(a)と、用紙を反転経路に案内するときの説明図(b)である。 第2実施形態に係る搬送角度変更手段の構成を示す拡大図(a)と斜視図(b)である。 第2実施形態に係る搬送角度変更手段の作用を説明するための図であり、用紙を本体筐体の外部に向けて排出するときの説明図(a)と、用紙を反転経路に案内するときの説明図(b)である。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成について説明した後、搬送角度変更手段100の詳細な構成について説明する。
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、記録シートの一例としての用紙Pの両面に画像形成が可能に構成されており、装置本体の一例としての本体筐体2内に、給紙部3と、画像形成部4と、排出部7と、反転部8とを主に備えている。
なお、以下の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
本体筐体2は、その上面(画像形成部4の上方)に、本体筐体2から排出された用紙Pが載置(積載)される載置部の一例としての排紙トレイ22が設けられている。排紙トレイ22は、断面視において、後述する排出ローラ74の下方の位置から前斜め上方に向けた傾斜した後、後述する露光装置40の上方付近で前方に向けて延びている。
(給紙部の構成)
給紙部3は、画像形成部4に用紙Pを供給するための構成であり、本体筐体2内の下部に設けられている。この給紙部3は、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙ローラ33と、分離ローラ34と、分離パッド35と、搬送ローラ36と、レジストローラ37と、供給経路38とから主に構成されている。
供給経路38は、給紙ローラ33によって送り出された用紙Pを画像形成部4、詳細には感光体ドラム51と転写ローラ53の間に向けて案内する経路であり、給紙ローラ33付近から前斜め上方に向かって延び、進路を後方に湾曲させて感光体ドラム51と転写ローラ53の間に向かって延びている。
給紙トレイ31に収容された用紙Pは、用紙押圧板32によって給紙ローラ33に寄せられ、給紙ローラ33によって送り出される。送り出された用紙Pは、分離ローラ34と分離パッド35によって1枚ずつ分離され、搬送ローラ36とレジストローラ37によって供給経路38を画像形成部4(感光体ドラム51と転写ローラ53の間)に向けて搬送される。
(画像形成部の構成)
画像形成部4は、給紙された用紙Pに画像を形成するための構成であり、給紙部3(給紙トレイ31)の上方に設けられている。この画像形成部4は、露光装置40と、プロセスカートリッジ50と、定着装置60とを主に備えている。
露光装置40は、本体筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部と、回転駆動するポリゴンミラー41と、レンズ42,43と、反射鏡44とを主に備えている。レーザ発光部から出射された画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)は、ポリゴンミラー41、レンズ42、反射鏡44、レンズ43の順に反射または通過して、感光体ドラム51の表面で高速走査される。
プロセスカートリッジ50は、露光装置40の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー(符号省略)を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱することで交換可能に構成されている。このプロセスカートリッジ50は、感光体ドラム51と、帯電器52と、転写ローラ53と、現像ローラ54と、供給ローラ55と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部56とを主に備えている。
定着装置60は、プロセスカートリッジ50の後方に設けられ、加熱ローラ61と、加熱ローラ61と対向配置されて加熱ローラ61を押圧する加圧ローラ62とを備えている。
画像形成部4では、感光体ドラム51の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、露光装置40からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム51上に静電潜像が形成される。また、トナー収容部56内のトナーは、供給ローラ55を介して現像ローラ54に供給され、現像ローラ54上に担持される。
そして、現像ローラ54上に担持されたトナーが、感光体ドラム51上の静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム51上にトナー像が形成される。その後、給紙部3から供給された用紙Pが、感光体ドラム51と転写ローラ53の間を搬送されることで、感光体ドラム51上のトナー像が用紙P上に転写される。次いで、用紙Pが加熱ローラ61と加圧ローラ62の間を搬送されることで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
(排紙部の構成)
排出部7は、トナー像が熱定着された(画像が形成された)用紙Pを本体筐体2の外部に向けて搬送するための構成であり、排出経路71と、搬送ローラ72と、補助搬送ローラ73と、排出ローラ74とから主に構成されている。
排出経路71は、画像形成部4(定着装置60)から搬出された用紙Pを湾曲させながら排紙トレイ22(本体筐体2の外部)に向けて案内する経路である。この排出経路71の壁は、リアシュート76と、第1案内部材の一例としてのトップカバー77とから主に構成されている。
リアシュート76は、定着装置60の後方に設けられており、定着装置60から排出された用紙Pを案内するガイド面76A,76Bを有している。ガイド面76A,76Bの間には、搬送ローラ72が設けられており、ガイド面76A(リアシュート76)の頂部には、補助搬送ローラ73が設けられている。
ガイド面76Aは、定着装置60から排出された用紙Pを後斜め上方に向けて案内するように延び、ガイド面76Bは、ガイド面76Aを案内されてきた用紙Pの進路を後斜め上向きから上方(トップカバー77)に向けて案内するように延びている。
トップカバー77は、リアシュート76の上方で、ガイド面76Bとの間に所定の間隔をあけた状態で設けられ、用紙Pを案内するガイド面77Aを有している。ガイド面77Aは、断面視において湾曲形状をなしており、ガイド面76Bを案内されてきた用紙Pの進路を上向きから前方に向けて案内するとともに、排出ローラ74の逆回転時に搬送される用紙Pを後述する反転経路81に向けて案内する。
排出ローラ74は、排出経路71の出口付近に設けられており、公知の制御によって正逆回転可能に構成されている。詳細に、排出ローラ74は、正回転時に用紙Pを本体筐体2の外部に向けて排出し、逆回転時に用紙Pを反転部8(反転経路81)に搬送するように構成されている。
この排出ローラ74は、上下一対のローラからなる。具体的に、排出ローラ74は、駆動力が入力されて回転する駆動ローラ74A(他方のローラ)と、駆動ローラ74Aの下方に配置され、駆動ローラ74Aに従動回転する従動ローラ74B(一方のローラ)とから構成されている。なお、本実施形態において、排出ローラ74は、軸方向(左右)に並んで複数設けられている(図5(b)参照)。
排出部7では、画像が形成されて画像形成部4から排出された用紙P(実線参照)は、ガイド面76A,76B,77Aに沿って進路を後斜め上向きから前方に湾曲させながら排出ローラ74に向けて搬送される。そして、片面のみに画像を形成する場合や両面への画像形成が終了した場合には、用紙Pは、正回転する排出ローラ74によって本体筐体2の外部に排出されて排紙トレイ22上に載置される。
一方、両面に画像を形成する場合には、用紙Pは、まず正回転する排出ローラ74によって本体筐体2の外部に向けて搬送される。そして、用紙Pの全体が本体筐体2の外部に完全に排出される前に排出ローラ74が逆回転することで、再度本体筐体2内に引き込まれ、ガイド面77Aを案内されて反転部8(反転経路81)に搬送される(破線参照)。
(反転部の構成)
反転部8は、用紙Pの両面に画像を形成するときに、用紙Pの表裏を反転させながら用紙Pを再び画像形成部4に向けて搬送するための構成であり、反転経路81と、搬送ローラ82とから主に構成されている。
反転経路81は、排出ローラ74の逆回転により用紙Pが案内されて、用紙Pを再び画像形成部4に向けて案内する経路である。より詳細に、反転経路81は、排出経路71を構成するトップカバー77のガイド面77Aの後端付近から下方に向けて延び、進路を前方へ湾曲させて給紙トレイ31の上を後から前方に向けて延びた後、さらに進路を上方へ湾曲させて供給経路38につながるように延びている。
このような反転経路81の壁は、第2案内部材の一例としてのリアカバー85と、リアシュート76と、搬送トレイ86と、湾曲部87とから主に構成されている。
リアカバー85は、トップカバー77に隣接するとともに、本体筐体2の後部でリアシュート76と対面するように設けられ、排出経路71(ガイド面77A)から連続するように延びる反転経路81のうち下方に向けて延びる部分の後壁を形成している。このリアカバー85は、図2に示すように、下部を中心として回動することで、本体筐体2に対して開閉可能に構成されている。これにより、反転経路81に用紙Pが詰まった場合でも容易に取り除くことができる。
図1に戻り、リアシュート76は、反転経路81のうち下方に向けて延びる部分の前壁を主に形成している。また、リアシュート76の下部は、搬送トレイ86の後部と対面するように設けられており、反転経路81のうち前後に延びる部分の上壁の一部も形成している。
このリアシュート76の後部(アウタシュート76C)は、下部を中心として回動することで、本体筐体2に対して開閉可能に構成されている(図2参照)。これにより、定着装置60から搬出された用紙P(図2では図示省略)を、排出経路71で湾曲させることなく後方に排出する構成(いわゆるストレートパス)が可能となる。また、排出経路71に用紙Pが詰まった場合でも容易に取り除くことができる。なお、アウタシュート76Cは、リアカバー85を開くことで開閉するように構成されていてもよいし、リアカバー85の開閉に連動して開閉するように構成されていてもよい。
搬送トレイ86は、給紙トレイ31と画像形成部4の間に設けられ、反転経路81のうち前後に向けて延びる部分の下壁を形成している。搬送トレイ86には、複数の搬送ローラ82が設けられている。
湾曲部87は、搬送トレイ86の前方に設けられ、搬送トレイ86上を搬送されてきた用紙Pの進路を前向きから上方へ、さらに後方へと方向転換するような湾曲形状をなしている。
なお、本実施形態においては、リアシュート76の頂部が、排出経路71と反転経路81の分岐部Yとなっている。この分岐部Yは、排紙トレイ22の後部と同じ高さ位置(レーザプリンタ1の設置面(水平面)を基準とした高さ位置)となっている。
反転部8では、排出ローラ74の逆回転によって搬送された用紙P(破線参照)は、反転経路81を搬送され、再び供給経路38に送り出されて画像形成部4に搬送される。その後、用紙P(実線参照)は、画像形成部4において裏面に画像が形成され、排出部7によって本体筐体2の外部に排出されて排紙トレイ22上に載置される。
<搬送角度変更手段の構成と作用効果>
次に、搬送角度変更手段100の詳細な構成と作用効果について説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る搬送角度変更手段100は、排出ローラ74(駆動ローラ74Aおよび従動ローラ74B)と、従動ローラ74Bを支持するホルダ110とから主に構成されている。
ホルダ110は、従動ローラ74Bを回転可能に支持するとともに、従動ローラ74Bを駆動ローラ74Aに向けて付勢する部材であり、略長板形状に形成され、1セットの従動ローラ74Bの左右両側(一方のみ図示)に設けられている。
より詳細に、ホルダ110は、前端部に設けられた支持穴111で従動ローラ74Bの回転軸BAを回転可能に支持している。また、ホルダ110は、後端部が本体筐体2に設けられた回動軸2Aを介して上下に回動可能に支持されており、バネ112により上方に向けて付勢されている。これにより、従動ローラ74Bは、駆動ローラ74Aに向けて付勢され、駆動ローラ74Aの回転によって従動回転するようになっている。
支持穴111は、ホルダ110の長手方向(略前後方向)に長い長円状に形成されており、従動ローラ74B(回転軸BA)は、この支持穴111に沿って略前後に移動可能となっている。駆動ローラ74Aに付勢されている従動ローラ74Bは、支持穴111に沿って移動することで、駆動ローラ74Aの周方向に移動可能となっている。
以上のように構成された搬送角度変更手段100は、従動ローラ74Bを駆動ローラ74Aの周方向に移動させて、実線で示す位置と鎖線で示す位置とにおいて、従動ローラ74Bが駆動ローラ74Aとニップする位置を変えることで、用紙Pの搬送角度を切り替えることができるようになっている。
具体的には、図4(a)に示すように、用紙Pを本体筐体2の外部に向けて排出する場合には、駆動ローラ74Aが図示反時計回り方向に回転駆動することで、従動ローラ74Bが駆動ローラ74Aの回転力に引かれて前(支持穴111の前端)に移動する。このとき、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bとがニップする位置は、従動ローラ74Bが鎖線の位置にあるときよりも斜め上へ移動するので、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bの間から排出される用紙Pの搬送角度(レーザプリンタ1の設置面(水平面)となす角度)θ1が大きくなる。
これにより、用紙Pは、その先端(用紙Pが排出されるときの先端)PAを排紙トレイ22(排出された用紙Pが載置される面)から離れる方向、すなわち上に向けながら排出されることとなる。その結果、用紙Pは、排紙トレイ22上に先に排出された用紙Pに当接しにくくなるので、先に排出された用紙Pが排紙トレイ22上から押し出されることを抑制することができる。また、用紙Pは、先に排出された用紙Pの上に確実に排出されるので、排紙トレイ22での用紙Pの積載性を向上させることができる。
一方、図4(b)に示すように、用紙Pを反転経路81に案内する場合には、駆動ローラ74Aが図示時計回り方向に回転駆動することで、従動ローラ74Bが駆動ローラ74Aの回転力に引かれて後(支持穴111の後端)に移動する。このとき、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bとがニップする位置は、従動ローラ74Bが鎖線の位置にあるときよりも斜め下へ移動するので、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bの間で搬送される用紙Pの搬送角度θ2は前記した搬送角度θ1より小さくなる。
これにより、用紙Pは、その姿勢を排出する場合(図4(a)参照)よりも水平方向に近づけた状態、すなわち寝かせた状態で反転経路81に案内されることとなる。その結果、用紙Pは、排出される場合よりも分岐部Yから上方に離れることになるので、用紙Pが分岐部Yにぶつかることを抑制することができる。これにより、用紙詰まりを抑制することができるとともに、用紙Pを確実に反転経路81に案内することができる。
なお、本実施形態において、搬送角度変更手段100は、用紙Pを反転経路81に案内する場合に、用紙Pの先端(用紙Pが反転経路81に案内されるときの先端)PBが分岐部Yよりも排出ローラ74(駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bのニップ部)に近い位置でトップカバー77に当接するように用紙Pの搬送角度を切り替えるように構成されている。具体的には、搬送角度変更手段100は、用紙Pを反転経路81に案内する場合に、用紙Pの先端PBが分岐部Yよりも前側の位置でトップカバー77のガイド面77Aに当接するように、従動ローラ74Bの移動範囲(支持穴111の長さや向きなど)が設定されている。
これによれば、用紙Pの先端PBが分岐部Yにぶつかることを確実に抑制することができるので、用紙詰まりをより確実に抑制することができるとともに、用紙Pをより確実に反転経路81に案内することができる。
また、用紙Pの先端PBが、リアカバー85の内面より先にトップカバー77(ガイド面77A)に当接することになるので、用紙Pの先端PBがトップカバー77とリアカバー85の間の隙間に入り込んでしまうことを防ぐことができる。なお、排出ローラ74によって搬送される用紙Pの先端PBが、開閉可能なリアカバー85の内面に先に(直接)当接すると、リアカバー85に不要な力がかかって好ましくないが、本実施形態においてはリアカバー85に不要な力がかかることはない。
以上説明したように、本実施形態によれば、搬送角度変更手段100が、用紙Pを本体筐体2の外部に向けて排出する場合と、用紙Pを反転経路81に案内する場合とで、用紙Pの搬送角度を切り替えることで、用紙Pの積載性の向上と用紙Pの確実な反転経路81への案内を両立させることができる。
本実施形態の搬送角度変更手段100は、従動ローラ74Bが駆動ローラ74Aの回転力に引かれて移動し、駆動ローラ74Aとニップする位置を変えるので、簡単な構成で用紙Pの搬送角度を切り替えることができる。これにより、装置の小型化や低コスト化などを図ることができる。
なお、本実施形態では、従動ローラ74Bが駆動ローラ74Aの回転力に引かれて移動し、駆動ローラ74Aとニップする位置を変えることで用紙Pの搬送角度を切り替える構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、一方のローラをソレノイドなどを利用した機構で積極的に移動させることで、他方のローラとニップする位置を変える構成であってもよい。
また、本実施形態では、下のローラ(従動ローラ74B)が上のローラ(駆動ローラ74A)の周方向に移動可能に支持された構成を例示したが、これに限定されず、例えば、上のローラが下のローラの周方向に移動可能に支持されていてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る搬送角度変更手段200の構成について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、前記した第1実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
図5(a),(b)に示すように、本実施形態に係る搬送角度変更手段200は、排出ローラ74と、ガイド部材210とから主に構成されている。
本実施形態において、従動ローラ74Bは、前記した第1実施形態の場合と異なり、駆動ローラ74Aの周方向に移動できないように支持されている。さらに述べると、本実施形態において、排出ローラ74は、搬送角度θ4(図6(b)参照)で用紙Pを搬送するように、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bの位置が設定されている。
ガイド部材210は、排出ローラ74から排出された用紙Pの進行方向をガイドする部材であり、排出ローラ74のうち、上方に配置された駆動ローラ74Aの回転軸AAに取り付けられている。より詳細に、ガイド部材210は、略U形状をなすように形成されており、一対の被支持部211と、ガイド部212と、被支持部211とガイド部212を連結する連結部213とを有している。
被支持部211には、所定の摩擦力を介して駆動ローラ74Aの回転軸AAが挿入されている。これにより、ガイド部材210は、駆動ローラ74Aの回転軸AAに対し所定の摩擦力を介して回動可能に支持されている。
ガイド部212は、排出ローラ74の前方に位置し、一方の被支持部211から他方の被支持部211にわたるように左右に延びる略板状の部位である。このガイド部212の上面には、排出ローラ74から排出される用紙Pの進行方向に対し略斜め上方に向けて傾斜するガイド面212Aが形成されている。
ガイド部材210は、駆動ローラ74Aの回転駆動に伴って、回転軸AAとの摩擦で上方または下方に回動するように構成されている。なお、本実施形態の本体筐体2には、ガイド部材210の回動を規制するストッパ2B,2Cが設けられている。そして、ガイド部材210は、ストッパ2Bに当接することで上方への回動が規制され、ストッパ2Cに当接することで下方への回動が規制されるようになっている。
以上のように構成された搬送角度変更手段200は、用紙Pが本体筐体2の外部に向けて排出される場合に、用紙Pが当接することで、用紙Pをガイドして用紙Pの搬送角度を変えることができるようになっている。
具体的には、図6(a)に示すように、排出ローラ74が正回転したとき(用紙Pを本体筐体2の外部に向けて排出する場合)には、駆動ローラ74Aが図示反時計回り方向に回転駆動することで、ガイド部材210が回転軸AAとの摩擦で上方に回動する。これにより、ガイド部212(ガイド面212A)が排出される用紙Pの進行方向上に移動し、排出ローラ74から排出された用紙Pをガイドする。
このとき、用紙Pは、搬送角度θ4より大きい搬送角度θ3で、その先端PAを排紙トレイ22から離れる方向に向けて排出されることとなる。その結果、用紙Pは、排紙トレイ22上に先に排出された用紙Pに当接しにくくなるので、先に排出された用紙Pが排紙トレイ22上から押し出されることを抑制することが可能となる。また、用紙Pは、先に排出された用紙Pの上に排出されることになるので、排紙トレイ22での用紙Pの積載性を向上させることが可能となる。
一方、図6(b)に示すように、排出ローラ74が逆回転したとき(用紙Pを反転経路81に案内する場合)には、駆動ローラ74Aが図示時計回り方向に回転駆動することで、ガイド部材210が回転軸AAとの摩擦で下方に回動する。これにより、排出される用紙Pの進行方向上からガイド部212がなくなる。
このとき、用紙Pは、その姿勢を排出する場合(図6(a)参照)よりも水平方向に近づけた状態(搬送角度θ3より小さい搬送角度θ4)で反転経路81に案内されることとなる。その結果、用紙Pは、排出される場合よりも分岐部Yから上方に離れることになるので、用紙Pが分岐部Yにぶつかることを抑制することが可能となる。これにより、用紙詰まりの抑制や用紙Pの確実な反転経路81への案内が可能となる。
なお、本実施形態の搬送角度θ4は、用紙Pを反転経路81に案内する場合において、用紙Pの先端PBが分岐部Yよりも前側の位置でトップカバー77のガイド面77Aに当接することができるような角度として設定されている。
以上説明したように、本実施形態によっても、搬送角度変更手段200が、用紙Pを本体筐体2の外部に向けて排出する場合と、用紙Pを反転経路81に案内する場合とで、用紙Pの搬送角度を切り替えることで、用紙Pの積載性の向上と用紙Pの確実な反転経路81への案内を両立させることが可能となる。
本実施形態の搬送角度変更手段200は、排出ローラ74が正回転したときに回転軸AAとの摩擦でガイド部材210が上方に回動し、用紙Pをガイドする構成なので、ガイド部材210を駆動させる機構を別に設けることなく、搬送角度を切り替えることができる。言い換えれば、本実施形態によれば、簡単な構成で用紙Pの搬送角度を切り替えることができるので、装置の小型化や低コスト化などを図ることができる。
なお、本実施形態では、ガイド部材210は、用紙Pが本体筐体2の外部に向けて排出される場合に用紙Pをガイドするように設けられていたが、これに限定されず、用紙Pが反転経路81に案内される場合にも用紙Pをガイドするように設けられていてもよい。
また、本実施形態では、ガイド部材210が、一対のローラ(排出ローラ74)のうち上方に配置されたローラ(駆動ローラ74A)の回転軸に取り付けられている構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ガイド部材は、下方に配置されたローラの回転軸に取り付けられていてもよい。
また、本実施形態で説明した、ガイド部材210は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、排出ローラから排出される記録シートの両側に、斜め上方に向けて傾斜するガイド部材(ガイド板)を設け、このガイド板を排出ローラから排出される記録シートに対して進退自在に設けてもよい。そして、記録シートを反転経路に案内する場合にはガイド板を退避させておき、記録シートを排出する場合にはガイド板を進出させて記録シートをガイドすることで、前記した第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態で説明した、搬送角度変更手段100,200は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一対の排出ローラを回動可能に支持し、排出ローラ全体の角度を変えることで、記録シートの搬送角度を切り替える構成であってもよい。
前記実施形態で示した、画像形成部4の各部の構成は一例であり、適宜変更することができる。例えば、レーザ光で感光体ドラム51を露光する露光装置40の代わりに、LED素子やEL素子、蛍光体などから出射される光で感光体ドラム51を露光する露光装置を採用してもよい。また、加熱ローラ61と加圧ローラ62を備える定着装置60の代わりに、フィルム定着方式の定着装置を採用してもよい。
前記実施形態では、画像形成装置としてモノクロのレーザプリンタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、カラープリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、複写機や複合機などであってもよい。
前記実施形態では、記録シートの一例として、いわゆる普通紙やはがきなどの用紙Pを示したが、これに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
4 画像形成部
22 排紙トレイ
71 排出経路
74 排出ローラ
74A 駆動ローラ
74B 従動ローラ
77 トップカバー
81 反転経路
85 リアカバー
100 搬送角度変更手段
110 ホルダ
111 支持穴
200 搬送角度変更手段
210 ガイド部材
AA 回転軸
BA 回転軸
P 用紙
PA 先端
PB 先端
Y 分岐部

Claims (3)

  1. 記録シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部の上方に設けられ、装置本体から排出された記録シートが載置される載置部と、
    前記画像形成部から搬出された記録シートを湾曲させながら前記載置部に向けて案内する排出経路と、
    前記排出経路に設けられ、正逆回転可能に構成されるとともに、正回転時に記録シートを装置本体の外部に向けて排出する排出ローラと、
    前記排出経路から延び、前記排出ローラの逆回転により記録シートが案内されて、記録シートを前記画像形成部に向けて案内する反転経路とを備え、
    前記排出経路と前記反転経路の分岐部が前記載置部と同じ高さ位置にある画像形成装置であって、
    記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合には排出される記録シートの先端を前記載置部から離れる方向に向け、記録シートを前記反転経路に案内する場合には記録シートの姿勢を排出する場合よりも水平方向に近づけるように記録シートの搬送角度を切り替える搬送角度変更手段をさらに備え、
    前記排出ローラは、一対のローラからなり、一方のローラは他方のローラの周方向に移動可能に支持され、前記他方のローラの下方に配置されており、
    前記搬送角度変更手段は、前記一方のローラを移動させて、前記一対のローラがニップする位置を変えることで記録シートの搬送角度を切り替える構成であり、駆動ローラである前記他方のローラに従動回転する前記一方のローラが、前記他方のローラの回転力に引かれて移動し、前記他方のローラとニップする位置を変えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部の上方に設けられ、装置本体から排出された記録シートが載置される載置部と、
    前記画像形成部から搬出された記録シートを湾曲させながら前記載置部に向けて案内する排出経路と、
    前記排出経路に設けられ、正逆回転可能に構成されるとともに、正回転時に記録シートを装置本体の外部に向けて排出する排出ローラと、
    前記排出経路から延び、前記排出ローラの逆回転により記録シートが案内されて、記録シートを前記画像形成部に向けて案内する反転経路とを備え、
    前記排出経路と前記反転経路の分岐部が前記載置部と同じ高さ位置にある画像形成装置であって、
    記録シートを装置本体の外部に向けて排出する場合には排出される記録シートの先端を前記載置部から離れる方向に向け、記録シートを前記反転経路に案内する場合には記録シートの姿勢を排出する場合よりも水平方向に近づけるように記録シートの搬送角度を切り替える搬送角度変更手段と、
    前記排出経路の壁を構成し、記録シートを案内する第1案内部材と、
    前記第1案内部材に隣接して設けられ、前記反転経路の壁を構成する第2案内部材とをさらに備え、
    前記排出ローラは、一対のローラからなり、一方のローラは他方のローラの周方向に移動可能に支持され、
    前記第2案内部材は、装置本体に対して開閉可能に構成されており、
    前記搬送角度変更手段は、前記一方のローラを移動させて、前記一対のローラがニップする位置を変えることで記録シートの搬送角度を切り替える構成であり、記録シートを前記反転経路に案内する場合に記録シートの先端が前記分岐部よりも前記排出ローラに近い位置で前記第1案内部材に当接するように記録シートの搬送角度を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記排出経路の壁を構成し、記録シートを案内する第1案内部材と、
    前記第1案内部材に隣接して設けられ、前記反転経路の壁を構成する第2案内部材とを備え、
    前記第2案内部材は、装置本体に対して開閉可能に構成されており、
    前記搬送角度変更手段は、記録シートを前記反転経路に案内する場合に記録シートの先端が前記分岐部よりも前記排出ローラに近い位置で前記第1案内部材に当接するように記録シートの搬送角度を切り替えることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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