JP5162608B2 - アモルファス過酸化チタンの製造方法 - Google Patents

アモルファス過酸化チタンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粘稠性のアモルファス過酸化チタンの製造方法に関する。
塗装顔料として一般的に用いられてきた結晶性の酸化チタンは、そのもの自体では基材に対する結着力が低く、塗膜とした場合に剥がれやすいため、酸化チタンとバインダーを混合した塗料として用いられている。このバインダーには、有機系の高分子のバインダーや無機系のバインダー(アモルファス過酸化チタン等の金属酸化物およびその前駆体等)が含まれる。
この塗料を壁面等に厚塗りする場合、塗布後に塗料が垂れることから、塗料を少量として繰り返し塗布するか、塗料の粘性を高めて液垂れを防止する必要がある。粘性を高める後者の場合、塗料に増粘剤を添加して粘度調整を行うことが考えられる。しかし、固形分の少ない塗料に増粘剤を混合して塗膜を形成すると、増粘剤によって塗膜の組成分が変わるため、塗膜にクラック等が生じやすいという問題がある。
そこで、アモルファス粒子を粘稠性のアモルファス粒子のバインダーとして用いることで増粘剤を使用しない方法が知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1には、四塩化チタンにアンモニア水を加えて反応させて、オルトチタン酸Ti(OH)のゲルを得た後に水洗によってアンモニアを除去する洗浄工程を行い、洗浄工程終了後に過酸化水素を添加して低温下の5℃に冷却・維持したまま一晩攪拌し、さらに7〜10日常温で養生することで、黄色透明のゼリー状の粘稠性のアモルファス過酸化チタンを製造する技術内容が開示されている。
また、特許文献2には、アルコキシチタンに過酸化水素を混合し、50℃以下好ましくは氷水中で反応熱を抑えながら反応させ、過酸化水素チタンの粘稠性を高める方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、チタン含有原料水溶液に過酸化水素水を加えてペルオキソチタン錯体を形成させた後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置もしくは加熱することによってペルオキソチタン水和物の重合体の沈殿物を生じさせ、チタン含有原料水溶液に由来する水以外の溶解成分を除去した後に、室温以上では濁りが生じることから、40℃以下好ましくは20℃以下の溶液条件下で過酸化水素水を作用させて溶液化する技術内容が開示されている。
解決しようとする課題
しかしながら、特許文献1の製造方法では、5℃で一晩冷却した後に常温で7〜10日保持する必要があり時間を要する。
また、特許文献2の製造方法では氷水温度〜50℃の温度で反応させており、例えば20〜50℃付近ではアモルファス粒子に濁りが生じて不透明となる。逆に反応熱抑制のため氷水のように20℃未満の低温に維持してアモルファス粒子を調製する場合は、透明のものを得られるがアモルファス粒子の粘度が低いものとなる。
特許文献3の製造方法では、40℃以上になると非常に増粘するという理由から、アモルファス溶液を反応熱を抑えて20℃以下の低温で調製している。20℃未満の低温で調製する場合は、得られるアモルファス粒子の粘度が低いという問題がある。また、20℃以上で調製されたアモルファス粒子は増粘するが濁りやすい問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、濁りが生じやすい反応温度でも短時間に略濁りのない粘稠性(高粘度)のアモルファス過酸化チタン粒子を製造可能なアモルファス過酸化チタン粒子の製造方法の提供を目的とする。
特許第3863599号公報 特開昭62−252319号公報 特許第3490013号公報
一ノ瀬 弘道、"酸化チタンコーティング剤の改良と環境浄化への応用" 、[online]、3.研究報告P.85−89 平成14年度研究報告,佐賀県窯業技術センター、[平成21年9月3日検索]、インターネット<URL:http://www.scrl.gr.jp/research/reports/h14/h14titancoat.pdf>
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アモルファス過酸化チタンの製造工程において、チタン水酸化物を所定量含む水溶液のpH範囲を所定範囲とすること、オルソチタン酸の沈殿物に過酸化水素水等の酸化剤を加えて行う反応開始の温度を所定範囲とすること、さらにこの沈殿物に残留する夾雑イオンを所定濃度以下とすることで上記課題が解決されることを見出して本発明の完成に至った。
すなわち、本発明に係るアモルファス過酸化チタンの製造方法は、(A)チタンの水酸化物を所定量含む水溶液をpH2〜6に調整して沈殿物を形成する工程、(B)この沈殿物を所定量の純水で洗浄するとともに、この洗浄時の上澄みの導電率を測定し、この洗浄と測定を前記導電率が30μS/cm以下となるまで繰り返す工程、(C)前記沈殿物中のチタン濃度が0.01〜1重量%となるように、前記沈殿物又は前記沈殿物と該沈殿物を含む溶液に酸化剤を混合して反応させる工程を含むことを特徴とする。
さらに前記反応における前記沈殿物又は沈殿物とこの沈殿物を含む溶液の反応開始直前の温度が20℃超〜50℃未満であってもよい。
さらに、アモルファス過酸化チタンの製造方法が、前記工程(C)中に前記沈殿物が溶解して溶液が透明となった後、該溶液を0〜40℃の常温環境下に放置する工程を含んでいてもよい。
本発明によれば、従来濁りが生じるとされている温度条件下でも、略濁りのない粘稠性のアモルファス過酸化チタンを製造することができるとともに、短時間でアモルファス過酸化チタンを製造することができる。
上述したように、本発明に係るアモルファス過酸化チタンの製造方法は、(A)チタンの水酸化物を所定量含む水溶液をpH2〜6に調整して沈殿物を形成する工程、(B)この沈殿物を所定量の純水で洗浄し、この洗浄の上澄みの導電率を測定し、この洗浄と測定を前記導電率が30μS/cm以下となるまで繰り返す工程、さらにこの工程に続いて(C)前記沈殿物中のチタン濃度が0.01〜1重量%となるように、前記沈殿物又はこの沈殿物と沈殿物を含む溶液に酸化剤とを混合して反応させる工程を経ることを要する。
これらの具体的な手順を以下の[工程1]〜[工程5]で説明する。この一連の工程は、アモルファス過酸化チタン粒子を調製する方法の一例であり、この[工程1]〜[工程5]については例示の金属に限らず、他の金属を用いて行ってもよい。
以下、図1A〜1Cを参照しながら具体的な手順を説明する。なお、説明中の具体的な数値は例示であってこれらに限定されない。
[工程1]:原料準備
後述の工程2以降で使用する原料として、チタン源等を用意する。
まず、最終的に調製するアモルファス過酸化チタン溶液の容量を決定し、溶液中に含まれるチタンの終濃度を0.01〜1重量%の範囲で(例えば0.5重量%)と決定し、チタンのモル量(例えば0.1mol)を決定する。このチタンのモル量を含む塩化チタン水溶液をチタン源として用意する。さらに、pH調整用のアンモニア水を用意する。そして、また、塩化チタンは強酸性であるので塩化チタン水溶液に蒸留水を混合して希釈しておいてもよい。
[工程2]:沈殿形成
工程2では、工程1で調製した各溶液を混合及びpH調整して沈殿物(ゲル)を形成する。
まず、アンモニア水の溶液全量を塩化チタン水溶液に徐々に加えて塩化チタン水溶液のpHを調整していくが、粘稠性のアモルファス過酸化チタン粒子を調製するためにpH2〜6に調整する。これにより、水酸化チタンの沈殿物(ゲル)を得る(図1Aの工程2参照)。
[工程3]:不要イオン除去
次に、工程3では、図1Bに示すように、工程2の沈殿物(ゲル)に蒸留水(純水)を加えて水洗し、上澄みを除去する。この洗浄は、上澄みの導電率が30μS/cm以下となるまで、洗浄と導電率の測定繰り返す。
これは、上澄みの導電率が30μS/cmを越える場合では製造したアモルファス過酸化チタン粒子に濁り等が生じるという理由による。必要な場合は、水洗した後に必要な量の水を加える。
[工程4]:ゲルの溶解(アモルファス過酸化チタン溶液の調製)
次に工程4では、まずこの沈殿物(ゲル)又は≫沈殿物(ゲル)とこれを含む溶液の温度をそれぞれ20℃超〜50℃未満とし(予温)、沈殿物中のチタン濃度が0.01〜1重量%となるように、工程3の上澄みを捨てた沈殿物(ゲル)(又はこれと水との混合物)に過酸化水素水等の酸化剤を添加するとともに、反応させて沈殿物(ゲル)を溶解させる。
なお、原則としてこの反応の反応開始直前の沈殿物(ゲル)の温度(反応開始前温度)が上記温度範囲から外れていないことが粘稠性のアモルファス過酸化チタンを調製する上で重要である。
この沈殿物(ゲル)と酸化剤の反応は、沈殿物(ゲル)を均一に反応させる観点から沈殿物の分散液(例えば純水と沈殿物(ゲル)との混合物)するのが好ましい。また、酸化剤添加時の溶液温度の変動を防止するため酸化剤(過酸化水素等)の温度をあらかじめ上記温度範囲としておいてもよい。
[工程5]:
その後、溶液温度(℃)を20℃超〜50℃未満に数時間維持して粘稠性のアモルファス過酸化チタン溶液を得る。
ここで、溶液温度を維持している最中に溶液が透明となった後、この溶液を0〜40℃の温度環境下に前記酸化剤の添加から好ましくは8時間以上放置してもよい。このようにすることで、よりアモルファス過酸化チタン溶液の粘稠性が増す。
このアモルファス過酸化チタン溶液は、透明でゼリー様だが、水のような低粘度の材料(アナターゼ溶液や他の添加剤)と混合して粘度を下げてから使用するため、コーディング剤のバインダーとして好適に用いることができる。
以下に本発明の実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、チタン(Ti)を約0.05mol用いてアモルファス過酸化チタン粒子を形成した。以下に、その具体的な手順(工程1〜5)を説明する。
[工程1]:原料準備
以下のものを用意した。
A液:塩化チタン水溶液(チタン源)
(和光純薬社製、TiCl4水溶液、チタン(Ti)を16.5±0.5重量%含有)
B液:アンモニア水(アンモニア源)
(和光純薬社製、NH4OH水溶液、アンモニア(NH3)を25〜27.9±0.5重量%含有)
C液:過酸化水素水(過酸化水素源)
(和光純薬社製、過酸化水素水溶液、30.0〜35.5重量%)
[工程2]:沈殿物(ゲル)の形成
3L容のビーカーで塩化チタン溶液(A液)15.63g(チタンとして約0.052mol)と蒸留水60gを混合させた。この溶液にアンモニア水(B液)を20gずつ3L容のビーカーに加える毎にpHメーター(HANNAHI98129COMBO1)でpHを測定し、pH2に調整した。
[工程3]:不要イオン除去
工程2の終了時の沈殿物を含む溶液(各400g程度)に蒸留水を加えて3Lとし、上澄みを除去し(洗浄)、この上澄みの導電率をpHメーター(HANNAHI98129COMBO1または堀場製作所B−173)で測定した。これらの動作を各溶液の上澄みの導電率が約22μS/cmとなるまで繰り返した。
各溶液の上澄みを捨てて沈殿物(ゲル)の重量を測定し、沈殿物(ゲル)中のチタンの約10倍となる過酸化水素水(C液)約50.7g(約0.54mol)を用意した。さらに、チタン濃度が0.25重量%付近になるよう、沈殿物(ゲル)の重量と過酸化水素の重量を考慮して沈殿物(ゲル)に蒸留水を加えた。
[工程4]:アモルファス過酸化チタン溶液の調製
この沈殿物(ゲル)を含む溶液を恒温槽にて約40℃で湯煎(予温)を行い、沈殿物(ゲル)とこの沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度が略40℃となった時点で、過酸化水素水(C液)約50.7g(約0.54mol)を添加し、チタン濃度が約0.25重量%の溶液約1Lとした。
[工程5]:増粘化
その後、橙〜黄色の透明溶液となるまでこの溶液を40℃付近で8時間維持し、アモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
また、図2において、アモルファス過酸化チタンの性質について、記号「○」は「ゼリー様で透明又はゼリー様で若干濁り」、記号「△」は「若干のとろみ又は強いとろみ」、記号「×」は「水様又は濁り」のあることを示す。
[実施例2]
実施例1の工程2で溶液をpH3に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で上澄みが導電率18μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例3]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を17μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例4]
工程2で溶液をpH5に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を19μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例5]
工程2で溶液をpH6に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を8μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例6]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を15μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4で過酸化水素水を添加して恒温槽にて溶液を攪拌する際に、ゲルが完全に溶解して溶液が透明となった時点で、工程5として、この溶液を恒温槽から取り出して常温20℃付近で過酸化水素の添加から8時間経過するまで放置した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例7]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を17μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例8]
工程2で塩化チタン溶液(A液)31.25g(Tiとして約0.104mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を25μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4にてチタン濃度が約0.5重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例9]
工程2で塩化チタン溶液(A液)62.5g(Tiとして0.208mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を28μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4でチタン濃度が約1.0重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例10]
工程2で溶液をpH3に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を6μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。さらに、工程4で沈殿物(ゲル)と沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約30℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素水(C液)を添加した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[実施例11]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を6μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。さらに、工程4で沈殿物(ゲル)と沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約30℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素水(C液)を添加した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例1]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を33μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例2]
工程2で溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を19μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。さらに、工程4で沈殿物(ゲル)と沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約20℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素水(C液)を添加した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例3]
工程2で溶液をpH7に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を9μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例4]
工程2で塩化チタン水溶液(A液)を31.25g(Tiとして0.104mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成した。工程3で導電率を32μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4にてチタン濃度が約0.5重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例5]
工程2で塩化チタン水溶液(A液)を31.25g(Tiとして0.104mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を20μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。さらに、工程4で沈殿物(ゲル)とこの沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約20℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素水(C液)を添加した。また、チタン濃度が約0.5重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例6]
工程2で塩化チタン水溶液(A液)を31.25g(Tiとして0.104mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH7に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を25μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4でチタン濃度が約0.5重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例7]
工程2で塩化チタン水溶液(A液)を62.5g(Tiとして0.208mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を35μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、工程4でチタン濃度が約1.0重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例8]
工程2で塩化チタン水溶液(A液)を62.5g(Tiとして0.208mol)とし、アンモニア水溶液にて溶液をpH4に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を27μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。さらに、工程4で沈殿物(ゲル)とこの沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約20℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素水(C液)を添加した。チタン濃度が約1.0重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例9]
工程2で溶液をpH7に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を28μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。また、さらに、工程4でチタン濃度が約1.0重量%の溶液約1Lとした。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。
[比較例10]
工程2で溶液をpH5に調整して沈殿(ゲル)を形成し、工程3で導電率を7μS/cmとなるまで水洗を繰り返した。工程4で沈殿物(ゲル)とこの沈殿物(ゲル)を含む溶液の温度を約50℃に温度調節(予温)しておいてから過酸化水素(C液)を添加した。それ以外は実施例1と同様にしてアモルファス過酸化チタン溶液を得た(図2参照)。なお、実施例と比較例でのチタンや過酸化水素の量はその都度調節した。
(アモルファス過酸化チタン)
図2に示すように、実施例1〜11、比較例1〜10の結果から、(1)工程2で沈殿(ゲル)形成時のpHが2〜6、(2)工程3でゲルの水洗後に残存するイオン濃度が約30μS/cm以下、(3)工程4で添加前の溶液温度が30〜40℃(ゲル溶解後は20℃(常温)でも可)、(4)Ti濃度が1重量%以下であることの(1)〜(4)を全て満たす場合に得られたアモルファス過酸化チタン溶液がゼリー様で略透明性を有し、塗装性の優れた粘稠性のアモルファス過酸化チタン溶液であった。これら、実施例1〜11のものは全てコーティング剤に含めるバインダーとして好適なものであった。
上記(1)〜(4)の全てを満たさないものは、透明だが水様であったり、ゼリー様で高い粘度であるが濁りがあったり、ゼリー様で透明(又は若干濁り)特性を有していないものができる。水様やとろみがあるものは、それ以降粘度を増すことはなかった。
さらに、この製造時間は沈殿物(ゲル)への酸化剤の添加から少なくとも8時間で、短い時間で濁りが殆どない粘稠性アモルファス過酸化チタンの粒子を形成できる。このため、歩留まりが上がり低コスト化につながる。
以上、実施の形態、実施例及び比較例に基づいて本発明の説明をしてきたが、本発明は上記の構成に限らず、例えば、実施例とは異なる他の方法で混入させてもよく、具体的にはバナジウムをアナターゼ粒子やアモルファス過酸化チタンの粒子の表面に担持させたり、各粒子の内部に包接させることで混入させてもよい。
また、上述した内容では酸化剤添加から少なくとも8時間としたが、これは粘稠性アモルファス過酸化チタンの生成を確認した時間が酸化剤の添加から8時間後であったためで、実質的にはこれより短い時間でも粘稠性アモルファス過酸化チタンが生成されていると考えられる。
本発明に係る実施の形態の工程1〜2を示す図である。 本発明に係る実施の形態の工程3〜5を示す図である。 各実施例と比較例の条件、結果を示す表である。

Claims (2)

  1. (A)チタンの水酸化物を所定量含む水溶液をpH2〜6に調整して沈殿物を形成する工程、
    (B)工程(A)の前記沈殿物を所定量の純水で洗浄し、この洗浄の上澄みの導電率を測定し、この洗浄と測定を前記導電率が30μS/cm以下となるまで繰り返す工程、
    (C)前記沈殿物中のチタン濃度が0.01〜1重量%となるように、前記沈殿物又はこ
    の沈殿物を含む溶液と酸化剤とを混合して反応させる工程を含み、
    前記沈殿物又は該沈殿物と該沈殿物を含む溶液の前記反応開始前温度が20℃超〜50℃未満であることを特徴とするアモルファス過酸化チタンの製造方法。
  2. 前記製造工程がさらに、前記工程(C)の中で、
    (D)前記酸化剤の添加後に前記沈殿物が溶解して溶液が透明となった後、該溶液を0〜
    40℃の環境下に放置する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のアモルファス過酸化チタンの製造方法。
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