JP5161543B2 - ブラシレスdcモータの駆動方法 - Google Patents

ブラシレスdcモータの駆動方法 Download PDF

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本発明はブラシレスDCモータの駆動方法に関し、特に、センサレスブラシレスDCモータを用い、負荷変動の生じる被駆動体を駆動するに好適なブラシレスDCモータの駆動方法に関するものである。
界磁として永久磁石をロータに搭載したブラシレスDCモータは、ブラシを使わないためメンテナンスフリーで小型化でき、強力な磁束密度の磁石をロータに用いると高効率が得られる。このブラシレスDCモータの駆動方法にはいろいろな方式があるが、モータの逆起電力を利用したセンサレス駆動は、ホール素子等の使用温度に制限のある素子やエンコーダ、レゾルバ等を用いずに済み、それだけ価格を抑えられ、例えばエアコンや冷蔵庫に用いられスクロール圧縮機のような被駆動体のように、一度駆動してしまえばほぼ定速で駆動する用途に向いている。
しかしながらこのセンサレス駆動は、起動時(速度0から数rpsまで)にモータの逆起電力が無いため、起動時にステップモータを駆動する場合のように強制的に起動し、例えば10rpsから20rpsの回転数になって始めて逆起電力を用いた制御に切換える必要があり、複雑な制御が必要になる。
そのため例えば特許文献1には、低速時に出力できるトルクの上限を大きくし、加減速時間を短縮するため、電機子電流の大きさ、周波数をそれぞれ電流指令値、周波数指令値に一致させる第1の制御手段と、端子電圧の大きさ、周波数をそれぞれ周波数指令のほぼ比例値、周波数指令値に一致させるように制御するf/V変換器を含む第2の制御手段とを切換えることで、低速、高速の運転切替を実施する同期電動機の制御装置が示されている。
また本願出願人は、特許文献2において永久磁石型同期モータを低速制御と高速回転制御とを滑らかに移行させることができるよう、低速制御時の電圧演算式と、高速制御時の電圧演算式との式を重ね合わせ、回転数指令に基づくインバータ周波数がωsになったときにゲインKid、Kpq、Kiqを変化させ、インバータ周波数がωcになったときに0になるようにすると共に、モータの回転周波数命令に電圧を比例させるV/f制御のKωを0から所定のゲインにし、これによってδ軸の電流指令iδ *を上記ゲインが所定の値に落ち着いた後、所定の周波数ωvで0になるようにする、永久磁石型同期モータの制御装置を提案した。
特開2000−287494号公報 特開2006−187045号公報
しかしながら、これら特許文献1、特許文献2に示された制御方法は、負荷が変動しない場合は問題ないが、エアコンや冷蔵庫に用いられスクロール圧縮機などの被駆動体は、一回転のうちに吸入、圧縮、排気の工程が存在して負荷が変動する。そのため、通常センサレスのブラシレスDCモータは、差圧が存在する場合は別途均圧回路,逆止弁等を使用して差圧無しのバランス状態で起動できるようにしている。けれどこういった均圧回路、逆止弁等を用いるということはそれだけコストが嵩むから、これらを用いないようにすると共に、差圧が存在する、より厳しい状態でも起動できるようにすることが望まれている。
また、前記したようにセンサレス制御では起動に際してロータの位置がわからないため、前記特許文献2に示された制御では、図9に示したように起動時(a)で初期励磁を行い、ロータを所定の位置に移動させてその後(b)でステップモータを駆動する場合のように強制的に励磁して起動させ、同期制御させた後、この同期制御を移行期間(c)によってV/f制御に切換えているが、これら同期制御とV/f制御とは制御方式が異なり、同期制御とV/f制御を表す式を重ね合わせた式で導かれる制御ゲインを回転数によって変えることで、2つの制御を切換えるようにしている。
しかしながら、前記した均圧回路や逆止弁等を用いず、スクロール圧縮機などの被駆動体に連結して差圧が存在する状態で同期制御からV/f制御に移行させると、その移行期間やその直後において負荷が増大して無駄な電流を流してしまったり、制御が不安定となったりし、図10のモータ電流の状態を示したグラフにおける110の番号を付した位置に示したように、過大電流が流れてしまったり、場合によっては過電流停止により起動不可となる場合がある。
特に、スクロール圧縮機などの被駆動体におけるガス圧縮機機構には、約10rps程度以下ではガス圧縮が充分に働かず(軽負荷)、10〜20rps付近でガス圧縮が働き始めて圧縮時の負荷が急に大きくなる特性があり、そのとき、前記したようにモータの負荷トルクが突然増大する。そしてこの現象と、図9に(c)で示した同期制御からV/f制御に移行する期間とが重なると、モータ電流ピーク値が増大し、過電流停止により起動不可となる場合がある。これは、コスト削減のために電流容量の小さなパワートランジスタを使い、最大負荷時はその電流容量限度近くの電流で駆動するよう構成し、気温の上昇などによってガス圧縮時に負荷が大きくなったときなどに特に問題となる。
そのため本発明は、スクロール圧縮機のように吸入、圧縮、排気を一回転のうちに行い、負荷変動の生じる被駆動体を駆動した場合でも、過電流停止を起こさずに広い負荷領域で安定してブラシレスDCモータを駆動できるようにした、ブラシレスDCモータの駆動方法を提供することが課題である。
上記課題を解決するため本発明になるブラシレスDCモータの駆動方法は、
起動時のような低回転時よりの回転数上昇時に負荷が急に大きくなる特定回転域を具えた特性を有する被駆動体に連結され、下記同期制御から、下記V/f制御へ切換えて回転制御を行うブラシレスDCモータの駆動方法において、
前記被駆動体が前記低回転時より前記特定回転域に達する前に前記同期制御からV/f制御への切換えを行うようにすると共に、前記切換え完了後、周波数制御ゲインKωを上昇させる期間を設けて制御することを特徴とする。
ここで、前記同期制御とは回転子の位置や負荷の大きさにかかわらず一定の電流を流し、回転子はオープン制御で電流の周波数についてくる下記(2)式に基づく制御であり、
又前記V/f制御とは、モータ端子電圧(V δ ,V γ )を回転数に概ね比例させ、下記(1)式に基づく制御であり、更に前記周波数制御ゲインK ω とは、下記(3)式に示すように、下記(1)式と(2)式の両方の式を重ね合わせ、制御ゲインを回転数によって変えることで、前記同期制御からV/f制御に滑らかに切換えられるようにするものである。
Figure 0005161543
この(1)式において、v δ 、v γ はδ、γ軸電圧指令、i δ 、i γ はδ、γ軸電流、i δ はδ軸電流指令、Λ はブラシレスDCモータ5の誘起電圧係数、nは極対数、K pd はδ軸電流制御ゲイン、K vq は電圧制御ゲイン、K ω は周波数制御ゲイン、ω はインバータ周波数、ω は回転数指令である。
Figure 0005161543
この(2)式において、K pd 、K id はδ軸P,I制御ゲイン、K pq 、K iq はγ軸P,I制御ゲイン、i γ はγ軸電流指令である。
Figure 0005161543
このように、被駆動体の特定回転域に達する前に同期制御からV/f制御に移行させ、周波数制御ゲインKωを上昇させることで、被駆動体の特定回転域を負荷が突然増大する回転域とすれば、V/f制御への移行時はモータトルクが増大することがなく、安定して移行することが可能となる。しかも周波数制御ゲインKωの上昇によって、特定回転域において負荷が突然増大しても回転数指令を低下させることになり、前記したようにモータ電流ピーク値が増大して過電流停止を起こして起動不可となる、といった問題を起こすことなく、起動性の向上を図ることができる。
そして、前記周波数制御ゲインKωを上昇させる期間は前記ブラシレスDCモータの回転数指令を一定に制御し、前記周波数制御ゲインKωが特定ゲインに達した後、前記回転数一定制御を止め、前記回転数を上昇させるよう制御することで、周波数制御ゲインKωを増加させている期間は回転数を一定とするから電流に余裕ができ、さらに電流ピーク値が増加する事態も避けることができると共に、周波数制御ゲインKωが特定ゲインに達した後は回転数を増加させるから、機器の駆動には何等の影響も及ぼさずにモータ電流ピーク値の増大、すなわち過電流停止を防ぐことができる。
また、前記同期制御からV/f制御への切換え完了時における前記周波数制御ゲインKωを、前記周波数制御ゲインKωの定常状態より低い値となるように制御し、電流フィードバック分による回転数の減少を小さくすることにより、より効果的に電流ピーク値が増加する事態を避けることができる。
さらに、前記ブラシレスDCモータに供給されるγ軸電圧vγに、γ軸調整電圧オフセット(Vγofs)初期値を与えることで、γ軸電圧vγは負荷の変動によって回転数の変動に伴って大きく変動するが、初期値が与えられているとγ軸電圧vγの変動幅が小さくなり、同期制御からV/f制御への移行期間前後での電流変動が小となって過電流停止の抑制が可能となる。また、γ軸電圧vγは同期制御においては大きな値が入っているが、V/f制御に切り替わったとき、この値が0で入ってきて電圧が不連続になる場合があり、そこで一瞬電流が落ち込み、その後電流が増えることで電流が振動し、過電流停止になりやすい。しかし、このように適切な初期値を与えることでこういったことも防止できる。
そして、回転角に応じた負荷変動のある前記被駆動体における前記同期制御からV/f制御への切換えを、最大負荷となる回転角から最小負荷となる回転角の間で行うことで、負荷が減少し始めたときに同期制御からV/f制御への移行が行われ、切換え時に多少電流が増大しても過電流レベルに余裕を持たせることができ、それによってモータ電流ピーク値の増大を防止することができる。
このように本発明によれば、同期制御からV/f制御への移行が負荷増大によってモータトルクの増大時に行われることがなく、かつ、移行時に電流に余裕を持たせられるなどで、前記したモータ電流ピーク値が増大して過電流停止を起こし、起動不可となるといった問題を起こすことなく、安定なV/f制御状態への移行が可能となって、起動性を向上させることができる。
尚、本発明に使用する被駆動体は、例えば、前記特定回転域以下の低回転時ではガス圧縮が充分に働かず、前記特定回転域でガス圧縮が働き始めて圧縮時の負荷が急に大きくなるガス圧縮機機構である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本発明を説明する前に、ブラシレスDCモータにおけるV/f制御と起動時の制御について、概略を説明する。ブラシレスDCモータを駆勤する場合、前記したようにホール素子やエンコーダを用いることでロータの位置が分れば、そのロータ位置(d、q軸)を基準とした制御を行うことが可能となるが、こういったセンサを用いず(センサレス)に駆動しようとした場合、推定されたロータ位置(d、q軸)を基準に駆動したり、ブラシレスDCモータを駆勤するインバータのδ軸、γ軸を基準に駆動することが必要となる。
この場合の一つの方法として前記特許文献1、2に開示されたV/f制御があり、この制御は、モータ端子電圧(Vδ,Vγ)を回転数に概ね比例させ、下記(1)式に示した電圧制御式で制御するものである。なお、この(1)式において、vδ 、vγ はδ、γ軸電圧指令、iδ、iγはδ、γ軸電流、iδ はδ軸電流指令、ΛはブラシレスDCモータ5の誘起電圧係数、nは極対数、Kpdはδ軸電流制御ゲイン、Kvqは電圧制御ゲイン、Kωは周波数制御ゲイン、ωはインバータ周波数、ω は回転数指令である。この電圧制御式(1)では、安定化のためにインバータ周波数の制御も行っている。
Figure 0005161543
このV/f制御を行ったときのベクトル図を図4に示す。この制御では、δ軸電流iδ=0になるように制御しているのでδ軸電圧指令vδ も0になり、力率が1となる力率1制御でもある。
ところがV/f制御では、抵抗を無視した関係に基づき制御を行っているため、抵抗が無視できない低回転では安定性が失われて駆動することが難しい。そのため、起動時のような低回転時は、(1)式の制御に替え、回転子の位置や負荷の大きさにかかわらず一定の電流を流し、回転子はオープン制御で電流の周波数についてくる同期制御を行う。制御式は、Kpd、Kidをδ軸P,I制御ゲイン、Kpq、Kiqをγ軸P,I制御ゲイン、iγ をγ軸電流指令とすると、下記(2)式となる。ここでは、δ軸とγ軸の電流iδ(δ軸電流)、iγ(γ軸電流)を一定の値となるように制御し、回転子や電流にかかわらず、回転数指令×極対数と等しいインバータ周波数にしている。
Figure 0005161543
ここで、δ軸とγ軸に所定の比率の電流を流した場合を図5に示す。1:1の比率の場合、無負荷時は電流と回転子の磁力の向きは同じになるので、δ軸は回転子のd軸からは45[deg]だけ進んだ状態になる。ここで負荷が掛かって遅れて行くと、δ軸とd軸の差は減って45[deg]だけ遅れた状態になり、δ軸とd軸の差は45[deg]以内に収まることになる。起動時の同期制御における電流の絶対値は、起動時の最大負荷トルクが出力可能なように決められる。
このように、起動時の同期制御とV/f制御の制御式が異なるため、回転数の上昇に従って切換えが必要となる。しかし、(1)式と(2)式をいきなり切換えると、電流波形や回転子位置、速度に乱れを生じるので好ましくない。そのため両方の式を重ね合わせ、制御ゲインを回転数によって変えることで、2つの制御が滑らかに切換えられるようにする。両式を重合わせた式を下記(3)式に示す。
Figure 0005161543
図6は、(A)が上記(3)式における起動時の同期制御用ゲイン、(B)がV/f制御用ゲイン、(C)が電流指令の状態を夫々示したグラフである。夫々のグラフにおいて、横軸は周波数ωで、ωとωは起動用の同期制御からV/f制御への移行期間であり、縦軸はゲインを表している。図6(A)におけるKpd、Kidはδ軸P,I制御ゲイン、Kpq、Kiqはγ軸P,I制御ゲイン、(B)におけるKωは周波数制御ゲイン、Kvqは電圧制御ゲイン、(C)におけるiγ はγ軸電流指令、iδ はδ軸電流指令である。
図6(A)における起動時の同期制御用ゲインでは、起動用の同期制御からV/f制御への移行期間の始まりωから、δ軸P,I制御ゲインKidとγ軸P,I制御ゲインKpq、Kiqが下降してωで0となり、(B)におけるV/f制御用ゲインでは、起動用の同期制御からV/f制御への移行期間の始まりωから周波数制御ゲインKωがωまで上昇し、その間、電圧制御ゲインKvqは0のままである。(C)の電流指令の状態では、起動用の同期制御からV/f制御への移行期間の終了のω前後にδ軸電流指令iδ が0となるように、下降している。
以上が前記特許文献2に開示されたブラシレスDCモータの駆動方法の概略であるが、次に、本発明になるブラシレスDCモータの駆動方法の概略を説明する。前記したようにスクロール圧縮機などの被駆動体は、一回転のうちに吸入、圧縮、排気の工程が存在して負荷が変動する。また、スクロール圧縮機のガス圧縮機機構には、特定回転数未満の約10[rps]程度以下ではガス圧縮が充分に働かず(軽負荷)、特定回転数である10〜20[rps]付近でガス圧縮が働き始めて圧縮に対する負荷が急に大きくなる特性がある。そのためこの現象と、同期制御からV/f制御に移行する期間とが重なると、モータ電流ピーク値が増大して過電流停止により起動不可となる場合がある。これは前記したように、コスト削減のために電流容量の小さなパワートランジスタを使い、最大負荷時はその電流容量限度近くの電流で駆動するよう構成した場合に特に問題となる。
そのため本発明においては、まず、スクロール圧縮機などの被駆動体における負荷が増大する特定回転域(10〜20[rps])になる前に、同期制御からV/f制御への切換えを終了させるようにすることとした。この制御を説明するための図が図1であり、この図1において横軸は時間であり、(D)の下に示したtからtは、0からtまでが同期制御の期間、tからtの間は同期制御からV/f制御への移行期間、t以後はV/f制御の期間である。また、(A)は上記した制御方法における時間経過とモータ回転数指令の関係を示したグラフで、縦軸は回転数である。(B)は同じくV/f制御における時間と周波数制御ゲインKωの関係を示したグラフで、縦軸は周波数制御ゲインKω、(C)は同期制御における時間と電流制御P,Iゲインの関係を示したグラフで、縦軸が電流制御P,Iゲイン、(D)は同期制御における時間とδ軸電流指令の関係を示したグラフで、縦軸がδ軸電流指令である。
本発明になる同期制御からV/f制御への移行制御では、まず図1(A)に示したように、スクロール圧縮機などの被駆動体における負荷が増大する特定回転域(10〜20[rps])になる前に、同期制御からV/f制御への切換えを終了させるようにする。すなわち、図1(A)において、時間0からtの間は同期制御期間であり、この間に回転数を0から3.75[rps]程度まで上昇させる。そして、次のtからtの間の同期制御からV/f制御への移行期間で、(C)に示したように電流制御P,Iゲインを時間tまで減少させる。それを実施させるため、(D)に示したように、δ軸電流指令も時間t後に低下させてt前(またはt後)に0として同期制御を終了させ、時間tで(B)に示したV/f制御を立ち上げる。そしてその移行期間の終了するtが(A)に示したように、負荷が増大する特定回転域(10〜20[rps])となる前とする。
この場合、V/f制御では回転数ωが低いと(約6[rps]以下)、インダクタンスL分によるインピーダンスωLに対して抵抗R分による電圧降下が無視できなくなり、制御性が悪化する特性がある。このため本発明においては、同期制御からV/f制御への移行完了回転数を、従来の10[rps]から、スクロール圧縮機などの被駆動体における負荷が増大する回転域(10〜20[rps])になる前で、かつ、上記した6[rps]よりは大きい値、8[rps]に設定する。そして、V/f制御へ移行した直後は、回転数指令を例えばtからtまでの一定期間、9[rps]に保持する。このようにすることで、負荷が増大する前にV/f制御を安定な状態に移行することが可能となり、起動性の向上が期待できる。
また、トルク変動に対する耐力を高めるため、(B)に示したように、V/f制御の起動時(同期制御時は除く)に周波数制御ゲインKωを例えばtまで、一例として従来比160%(1.4572[(rad/s)/A]に対して2.3315[(rad/s)/A]程度)程度まで連続して増大させる。この周波数制御ゲインKωは増加させると負荷増大(概略トルク電流分に相当するIγが増大する)により、回転数指令が下がることになるから、前記した一定回転数指令9[rps]で運転し、周波数制御ゲインKωが例えば従来比160%の目標値に到達したt以後に回転数を上昇させるようにする。ただし、V/f制御に切換えた直後の時間tにおける周波数制御ゲインKωは、例えば従来比80%と若干小さくしておく。これは、電流フィードバック分(Kω×Iγ)による回転数の減少を小さくするためである。なお、周波数制御ゲインKωは、起動完了後は従来値(従来比100%)に戻す。
このようにすることにより、同期制御からV/f制御への移行時に周波数制御ゲインKωが大きくなっていることで電流に余裕ができ、また、負荷が増大する前にV/f制御を安定な状態に移行させることで、2重に余裕が生じて前記したモータ電流ピーク値が増大して過電流停止により起動不可となる、といった問題を起こすことがなくなる。なお、以上の説明で用いた数値は一例であり、圧縮機の特性に合わせて設定することは当業者なら自明である。
また、V/f制御は、ブラシレスDCモータの電機子電流から、ブラシレスDCモータに供給される3相交流電圧の角周波数指令ω を生成し、更に、Λδ をブラシレスDCモータの逆起電圧係数、Vγofsをオフセット電圧としたとき、前記(1)式におけるブラシレスDCモータに供給される3相交流電圧のγ軸電圧vγに関する式が成立するように生成する制御である。前記図4と(1)式に示したように、この制御ではiδ=0になるように制御しているのでγ軸電圧指令vδ が0となり、従ってVγofsも0となる。すると、角周波数指令f(=ω /2π)とγ軸電圧vγは、vγ/fが一定値Λδ となってγ軸電圧vγは、角周波数指令fに左右されることになる。
そのため図2(A)に200で示したように、Vγofsの初期値が0であると、(B)に示したγ軸電圧vγは負荷の変動に伴って回転数が変動することで201に示したように大きく変動する。そこでこのVγofsに、図2(C)に202で示したように適切な初期値を与えると、図2(D)のようにγ軸電圧vγの変動が203のように小さくなり、同期制御からV/f制御への移行期間前後での電流変動が小となって、過電流停止の抑制が可能となる。さらに、力率制御角にも適切な初期値を与えることで、移行期間後のV/f制御時にすぐ最小電流制御が開始でき、モータ電流の増大が抑制できる。
また、γ軸電圧vγは同期制御においては結構大きな値が入っているが、V/f制御に切り替わったとき、この値が0で入ってくる。0で入ってくると不連続になる場合があって、電圧が不連続ということはそこで一瞬電流が落ち込み、その後に電流が増えることで電流が振動し、過電流停止になりやすい。しかしVγofsを予め計算し、図2(C)のように適切な初期値を与えることでこういったことも防止できる。
また、スクロール圧縮機のように回転角に応じた負荷変動があるような被駆動体を駆動する場合、同期制御からV/f制御への移行を軽負荷トルク状態の時に行うことで、切換え時に多少電流が増大しても過電流レベルに余裕を持たせることができる。それを示したのが図3である。この図3において、(A)は従来の同期制御からV/f制御への移行を示した図で、(B)は本発明による同期制御からV/f制御への移行、(C)はそれによって電流振動が低減した状態を示したものである。
すなわち図3(A)に示した従来の同期制御からV/f制御への移行においては、300で示したような回転角に応じた負荷の変動に対し、δ軸電流指令はその負荷状体に関係なく同期制御からV/f制御の切換えを行っていた。そのため、図3(C)の電流状体を示した図のように、負荷の変動に伴って302のように電流が増減し、負荷が最大になったときに移行がおこなわれると、前記したようにモータ電流ピーク値が増大して過電流停止により起動不可となる場合があった。
そのため、この同期制御からV/f制御への移行を図3(B)に示したように、最大負荷となる回転角から最小負荷となる回転角の間で同期制御からV/f制御への移行が終わるようにすることで、301として示したように、同期制御からV/f制御への移行開始時を負荷が減少し始めたときとすることができ、それによってモータ電流ピーク値の増大を防止することができる。すなわちスクロール圧縮機などの被駆動体を駆動するブラシレスDCモータにおいては、スクロール圧縮機における圧縮から吸気に切り替わる圧力低下領域、またはトルク下降領域にこの同期制御からV/f制御への移行を行うことで、上記したことを達成することができる。
図7は、本発明を実施するシステム全体の構成ブロック図である。図中、1はAC電源、2はAC−DCコンバータ、3はインバータ、5はブラシレスDCモータ、6u、6v、6wは電流検出器、7は電圧検出器、8はMPU、9は電圧検出回路である。AC電源1は交流電圧VACをAC−DCコンバータ2に供給し、AC−DCコンバータ2は、交流電圧VACを直流電圧VDCに変換して電圧形のインバータ3に供給する。インバータ3は、直流電圧VDCから3相の駆動電圧を生成し、u相電源線4u、v相電源線4v、及びw相電源線4wを介してブラシレスDCモータ5のu相電機子巻線、v相電機子巻線、及びw相電機子巻線に供給する。それぞれの電圧を供給されたブラシレスDCモータ5は、供給された3相の駆動電圧から電機子巻線に回転磁界を生成する。
このブラシレスDCモータ5のセンサレス制御を実現するため、u相電源線4u、v相電源線4v、及びw相電源線4wには、それぞれ、電流検出器6u、6v、6wが設けられ、u相電機子コイルを流れるu相電流i、v相電機子コイルを流れるv相電流i、w相電機子コイルを流れるw相電流iを計測する。計測されたu相電流i、v相電流i、及びw相電流iは、疑似正弦波を出力するPWM制御(即ち、同期制御、及びV/f制御)のために使用される。このとき、u相電流i、v相電流i、及びw相電流iのうちの2つのみを計測し、他の一は、
+i+i=0 …………(4)
から算出することが可能である。u相電流i、v相電流i、及びw相電流iのうちの2つのみを計測する場合、計測されない電流に対応する電流検出器は不用となり、コスト低減の点で好ましい。
また、このu相電流i、v相電流i、及びw相電流iは、インバータ3の下側アーム部分に配置された電流検出回路(いわゆる3シャント電流検出回路)や、インバータ3とAC−DCコンバータ間に配置された電流検出回路(いわゆる1シャント電流検出回路)によっても 計測は可能である。
電流検出器6u、6v、6w及び電圧検出回路7は、MPU8に接続され、電流検出器6u、6v、6wが測定した電機子電流i、i、及びiから3相/2相変換されたiδ、iγと、内部で演算している電圧指令vδ、vγとに応答し、インバータ3を制御するPWM信号SPWMを生成する。PWM信号SPWMは、ロータの速度がMPU8に与えられる速度指令ωに制御されるように生成される。インバータ3を構成する図示していないスイッチングトランジスタは、PWM信号SPWMに応答してオンオフされ、3相の駆動電圧がブラシレスDCモータ5の電機子巻線に供給される。また、AC−DCコンバータ2からインバータ3に直流電圧VDCを供給する電源線には、直流電圧VDCを測定する電圧検出回路9が接続され、測定された直流電圧VDCをMPU8に供給する。なお、MPU8の全ての動作は、制御用コンピュータプログラムに従って実行される。
MPU8は、ブラシレスDCモータ5の速度指令ωに応じ、例えばブラシレスDCモータ5の起動の初期にはオープンループの同期電流制御で、中速高速領域でV/f制御でブラシレスDCモータ5を駆動する。このように制御方法を切換えることにより、起動を含めシンプルな制御で実現が可能である。
V/f制御は、ブラシレスDCモータ5の電機子電流から、ブラシレスDCモータ5に供給される3相交流電圧の角周波数指令ω を生成し、更に、Λδ をブラシレスDCモータ5の逆起電圧係数、Vγofsをオフセット電圧としたとき、ブラシレスDCモータ5に供給される3相交流電圧のγ軸電圧vγを、前記(1)式に含まれる下記(5)式が成立するように生成する制御である。オフセット電圧Vγofsを無視すれば、角周波数指令f(=ω /2π)とγ軸電圧vγとについて、vγ/fが一定値Λδ となる。本発明では、δ―γ座標系として、電機子によって生成される回転磁束の方向にδ軸が、回転方向にδ軸に90°で直交する方向にγ軸が定められた座標系である。
γ=Λδ ×ω −Vγofs …………(5)
図8は、図7のMPU8におけるV/f制御を行うための詳細を加味したブロック図である。図中、31は電流検出器6u、6v、6wが出力する出力信号をA/D変換し、u相電流i、v相電流i、及びw相電流i(又はこれらのうちの2つ)をMPU8に取り込むA/D変換、32はA/D変換31によって取得されたu相電流i、v相電流i、及びw相電流i(又はこれらのうちの2つ)に対し、MPU8が、一つ前のクロックサイクルで算出されたロータの位置指令θを用いて3相2相変換を行い、δ軸電流及び軸電流を算出する3相/2相変換である。
33は、速度指令ωとγ軸電流とから、ブラシレスDCモータ5に供給される3相交流電圧の角周波数指令ω とインバータ駆動用の位置指令θとを算出する角周波数/位置指令生成演算で、角周波数指令ω は、Kωを正の定数(周波数調整ゲイン)、iγをγ軸電流とすると前記(1)式に含まれる下記(6)式で算出できる。
ω =ω−Kω×iγ ……………(6)
式(6)によれば、γ軸電流iγが増えると、即ち、出力トルクが増えると角周波数指令ω は減少し、γ軸電流iγが減少すると、即ち、出力トルクが減少すると角周波数指令ω は増加する。式(6)を使用することにより、出力トルクが増大した場合には角周波数指令ω を減少させることで失速が防止され、出力トルクが減少した時には角周波数指令ω を増加させることでロータが加速しないように制御できる。そのため、前記図1(B)で説明したように、V/f制御の起動時(同期制御時は除く)に、周波数制御ゲインKωを例えばtまで連続して増大させる制御は、この(6)式を用いて行う。
一方、位置指令θは、下記(7)式で示すように、速度指令ωを積分することによって算出される。
θ=∫ωdt …………………………(7)
34は電圧指令生成演算で、前記したようにΛδ をブラシレスDCモータ5の逆起電圧係数、Vγofsをオフセット電圧とし、Kδを正の定数、iδをδ軸電流とすると、γ軸電圧vγ、δ軸電圧vδはこの電圧指令生成演算34によって下記(8)、(9)式で算出される。
γ=Λδ ×ω −Vγofs…………(8)
δ=−Kδ×iδ …………………………(9)
35は2相/3相変換で、以上で算出されたγ軸電圧vγ及びδ軸電圧vδに対して2相3相変換を行い、ブラシレスDCモータ5に供給されるべき3相駆動電圧のu相電圧v、v相電圧v、及びw相電圧vを算出する。この2相3相変換では、インバータ駆動用の位置指令θが使用される。
36はPWM計算であり、算出されたu相電圧v、v相電圧v、及びw相電圧vを有する3相駆動電圧がブラシレスDCモータ5に供給されるようにインバータ3を制御する、PWM信号SPWMが生成される。PWM信号SPWMの生成には、AC−DCコンバータ2からインバータ3に供給される直流電圧VDCの大きさが参照され、電圧検出回路9が出力する電圧通知信号に対してA/D変換37によりA/D変換が行われて、取得された直流電圧VDCを参照してPWM信号SPWMが生成される。インバータ3の図示していないスイッチングトランジスタは、生成されたPWM信号SPWMに応答してターンオン又はターンオフされる。
次に同期電流制御からV/f制御への切換えについて説明するが、前記本発明の概略で説明したように、本発明は一回転のうちに、吸入、圧縮、排気の工程が存在して負荷角度によって変動する、スクロール圧縮機などの被駆動体の駆動に用いられるブラシレスDCモータの駆動制御であり、そのため、この切換えには、まず被駆動体の特性が必要となる。その特性は、第1に負荷が増大する回転数に達する前に同期制御からV/f制御への切換を行うため、例えばガス圧縮が働き始める特定回転域であり、第2に最大負荷となる回転角から最小負荷となる回転角の間の角度である。
また、ブラシレスDCモータそのものの特性も必要で、第3に安定して同期制御からV/f制御へ移行させるため、V/f制御の下限回転数ω、第4に図1におけるV/f制御に切換えた直後の時間tにおける、例えば従来比80%と若干小さくしておく周波数制御ゲインKω、第5にγ軸調整電圧オフセット(Vγofs)初期値などである。
これらの値は、MPU8における図示していないメモリに記憶され、必要に応じて読み出されて対応する処理に使われる。すなわち、第1の負荷が増大する例えばガス圧縮が働き始める回転数は、負荷が増大する回転数に達する前に同期制御からV/f制御への切換えを行うために用いられ、第2の最大負荷となる回転角から最小負荷となる回転角の間の角度は、例えばガス圧縮後でガス吸気前の圧縮負荷降下領域角度であり、同期制御からV/f制御への切換えをこの角度領域で実施するために用いられる。
また、ブラシレスDCモータそのものの第3乃至第5の特性は、安定して同期制御からV/f制御へ移行させるため、同期制御からV/f制御へ移行した後一定期間、第3のV/f制御の下限回転数ωと第1の負荷が増大する回転域の間の回転数に設定される。また、第4の従来比80%と若干小さくしておく周波数制御ゲインKωは、V/f制御に切換えた直後のゲインとして使用され、第5のγ軸調整電圧オフセット(Vγofs)初期値は、γ軸電圧調整に用いられる。
本発明によれば、回転角に応じた負荷変動のあるスクロール圧縮機のような被駆動を、均圧回路、逆止弁、大容量のパワートランジスタなどを使うことなく、安価に、過電流停止を起こさずに広い負荷領域で安定して駆動でき、エアコンなどに使われるブラシレスDCモータの駆動に用いて好適である。
(A)は同期制御からV/f制御への切換え制御における時間経過とモータ回転数指令の関係を示したグラフ、(B)は同じくV/f制御における時間と周波数制御ゲインKωの関係を示したグラフ、(C)は同期制御における時間と電流制御P,Iゲインの関係を示したグラフ、(D)は同期制御における時間とδ軸電流指令の関係を示したグラフである。 γofsの初期値によってγ軸電圧vγが変化する状態を説明するための図で、(A)は初期値が0の場合、(B)はそれによってγ軸電圧vγが大きく変動することを示した図、(C)は適切な初期値を与えた場合で、(D)はそれによってγ軸電圧vγの変動が小さく押さえられた状態を示している。 (A)は従来の同期制御からV/f制御への移行を負荷の変動を考慮せずに行った場合、(B)は負荷の変動を考慮した場合、(C)は負荷の変動を考慮せずに行った場合の電流振動の状態を示した図でである。 V/f制御の場合のベクトル図の一例である。 起動時の同期制御において、δ軸とγ軸に所定の比率の電流を流した場合のd軸との関係を示した図である。 (A)は起動制御用ゲイン、(B)はV/f制御用ゲイン、(C)は電流指令の状態を夫々示したグラフである。 本発明を実施するシステム全体の構成ブロック図である。 V/f制御を行う場合の、図7におけるMPU8の詳細を加味したブロック図である。 ブラシレスDCモータを同期制御からV/f制御に切換える方法を説明するための図である。 モータ電流の状態を示したグラフで、過大電流が流れた状態を示したものである。
符号の説明
1 AC電源
2 AC−DCコンバータ
3 インバータ
4u u相電源線
4v v相電源線
4w w相電源線
5 ブラシレスDCモータ
6u、6v、6w 電流検出器
7 電圧検出器
8 MPU
9 電圧検出回路
11 A/D変換
12 3相/2相変換
13 速度/位置推定演算
14 速度制御演算
15 電流制御演算
16 2相/3相変換
17 A/D変換
18 PWM計算
31 A/D変換
32 3相/2相変換
33 角周波数/位置指令生成演算
34 電圧指令生成演算
35 2相/3相変換
36 PWM計算
37 A/D変換

Claims (5)

  1. 起動時のような低回転時よりの回転数上昇時に負荷が急に大きくなる特定回転域を具えた特性を有する被駆動体に連結され、下記同期制御から、下記V/f制御へ切換えて回転制御を行うブラシレスDCモータの駆動方法において、
    前記被駆動体が前記低回転時より前記特定回転域に達する前に前記同期制御からV/f制御への切換えを行うようにすると共に、前記切換え完了後、周波数制御ゲインKωを上昇させる期間を設けて制御することを特徴とするブラシレスDCモータの駆動方法。
    ここで、前記同期制御とは回転子の位置や負荷の大きさにかかわらず一定の電流を流し、回転子はオープン制御で電流の周波数についてくる下記(2)式に基づく制御であり、
    又前記V/f制御とは、モータ端子電圧(V δ ,V γ )を回転数に概ね比例させ、下記(1)式に基づく制御であり、更に前記周波数制御ゲインK ω とは、下記(3)式に示すように、下記(1)式と(2)式の両方の式を重ね合わせ、制御ゲインを回転数によって変えることで、前記同期制御からV/f制御に滑らかに切換えられるようにするものである。
    Figure 0005161543
    この(1)式において、v δ 、v γ はδ、γ軸電圧指令、i δ 、i γ はδ、γ軸電流、i δ はδ軸電流指令、Λ はブラシレスDCモータ5の誘起電圧係数、nは極対数、K pd はδ軸電流制御ゲイン、K vq は電圧制御ゲイン、K ω は周波数制御ゲイン、ω はインバータ周波数、ω は回転数指令である。
    Figure 0005161543
    この(2)式において、K pd 、K id はδ軸P,I制御ゲイン、K pq 、K iq はγ軸P,I制御ゲイン、i γ はγ軸電流指令である。
    Figure 0005161543
  2. 前記周波数制御ゲインKωを上昇させる期間は前記ブラシレスDCモータの回転数指令を一定に制御し、前記周波数制御ゲインKωが特定ゲインに達した後、前記回転数一定制御を止め、前記回転数を上昇させるよう制御することを特徴とする請求項1に記載したブラシレスDCモータの駆動方法。
  3. 前記同期制御からV/f制御への切換え完了時における前記周波数制御ゲインKωを、定常回転における前記周波数制御ゲインKωより低い値に制御し、電流フィードバック分による回転数の減少を小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載したブラシレスDCモータの駆動方法。
  4. 回転角に応じた負荷変動のある前記被駆動体における前記同期制御からV/f制御への切換えを、最大負荷となる回転角から最小負荷となる回転角の間で行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載したブラシレスDCモータの駆動方法。
  5. 前記被駆動体が、前記特定回転域以下の低回転時ではガス圧縮が充分に働かず、前記特定回転域でガス圧縮が働き始めて圧縮時の負荷が急に大きくなるガス圧縮機機構であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載したブラシレスDCモータの駆動方法。
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