JP4566100B2 - 電動機の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁極位置センサを用いない、センサレスベクトル方式により電動機を制御する駆動装置に関するものである。
従来より永久磁石同期電動機をセンサレスベクトル制御で運転する場合、センサの代わりにロータの磁極位置を推定する必要がある。推定方法としては、誘起電圧の基本波に基づく方法と高調波に基づく方法があるが、基本波に基づく方法は中高速域しか適用できない。即ち、停止位置や低速域では誘起電圧が小さく、検出が困難であり、高周波電圧又は電流を注入して誘起電圧の高調波を発生させて磁極位置を推定することになる。従って、高速用センサレスは誘起電圧の基本波を利用して、低速用センサレスは高調波を注入する方法が利用されている。
実際のベクトル制御では、同期電動機のロータの磁極位置が実角度θdの回転位置となるd−q回転座標系に対して、制御系にて推定角度θdcとなるdc−qc回転座標系を仮定し、それらの軸誤差Δθを推定演算し、この軸誤差Δθをゼロにするように推定磁極位置をフィードバック修正することにより、実際の磁極位置と制御上の磁極位置を一致させるようにしている。
係るベクトル制御によれば、インバータにより電動機で発生するトルクを負荷条件に応じて理想的に制御でき、高効率で高精度な回転数制御が実現できる。しかしながら、低速から高速まで使用できるセンサレスベクトル制御の方式が無いため、例えば磁極位置検出の必要の無いV/F一定制御で起動した後、所定の回転速度で予め設定しておいた初期の磁極位置を用い、ベクトル制御に移行する方法などが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
また、起動後に低速用センサレスベクトル制御を実行した後、高速用センサレスベクトル制御に移行する方式もあり、この場合、低速用と高速用の切り替え付近では、低速用と高速用で検出した磁極位置を加重平均して使用するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−48886号公報 特許第3612636号公報
このように、高速用センサレスベクトル制御を行う場合、起動から磁極位置検出(高速用センサレスベクトル制御において誘起電圧を利用した磁極位置の推定)が可能となる所定の回転速度に達するまでの種々の制御方式が提案されているものの、センサレスベクトル制御に移行した直後における実際の磁極位置と初期に設定した磁極位置との軸誤差が大きいと、フィードバック制御では脱調して起動失敗を起こす危険性が高くなる。
また、前述した低速用センサレスベクトル制御から高速用センサレスベクトル制御に移行する方式の場合も、移行した直後に脱調が起こり易い。更に、負荷トルクが大きい場合や、例えば圧縮機用電動機において冷媒回路の高低圧差が大きくなるなど負荷トルクの変動が大きくなった場合には、特に上述したセンサレスベクトル制御への移行時の脱調が起こり易い。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、センサレスベクトル制御により電動機を駆動する場合に、起動からセンサレスベクトル制御に円滑に移行することができる駆動装置を提供するものである。
本出願の請求項1の発明は、電動機に三相疑似交流電圧を印加して駆動するためのインバータ主回路と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段の出力に基づいてセンサレスベクトル制御を実施する制御手段とを備えた電動機の駆動装置において、電動機の誘起電圧を検出する電圧検出手段を備え、制御手段は、二相通電により電動機を起動し、電圧検出手段により検出された電動機の残る一相の誘起電圧に基づいてロータの磁極位置を検出し、検出した当該磁極位置に基づいてインバータ主回路を制御し、二相通電によって電動機を加速し、所定の移行回転速度に達した場合、二相通電において検出した磁極位置を初期値としたセンサレスベクトル制御による三相通電に移行すると共に、起動後に電動機を移行回転速度より低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度まで加速し、センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行することを特徴とする。
また、本出願の請求項2の発明は、電動機に疑似交流電圧を印加して駆動するためのインバータ主回路と、電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手段の出力に基づいてセンサレスベクトル制御を実施する制御手段とを備えた電動機の駆動装置において、制御手段は、V/F一定制御により電動機を起動して加速し、当該V/F一定制御中に電流検出手段の出力に基づいてロータの磁極位置を検出し、所定の移行回転速度に達した場合、直前に検出した磁極位置を初期値としたセンサレスベクトル制御に移行すると共に、起動後に電動機を移行回転速度より低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度まで加速し、センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行することを特徴とする。
また、本出願の請求項3の発明の電動機の駆動装置は、上記各発明において制御手段は、電動機の負荷状況に応じて移行回転速度を変更することを特徴とする。
本出願の請求項1の発明によれば、制御手段により電動機の起動は二相通電により行い、残る一相の誘起電圧を利用してロータの磁極位置を検出する。そして、この検出した磁極位置に基づいて二相通電で電動機を加速し、所定の移行回転速度に達したところで、センサレスベクトル制御による三相通電に移行するものであるが、この場合、センサレスベクトル制御における磁極位置の初期値としては、二相通電において直前まで検出していた磁極位置を用いるので、実際のロータ磁極位置と推定磁極位置との軸誤差を最小限とすることができ、センサレスベクトル制御による三相通電への移行時の脱調を回避して、起動からセンサレスベクトル制御に至る安定した電動機の駆動制御実現することが可能となるものである。
また、本出願の請求項2の発明によれば、制御手段により電動機の起動はV/F一定制御により行い、電動機を加速し、所定の移行回転速度に達したところで、センサレスベクトル制御による三相通電に移行するものであるが、この場合、V/F一定制御中に本来必要でないロータ磁極値を検出しておき、センサレスベクトル制御における磁極位置の初期値としては、V/F一定制御において直前まで検出していた磁極位置を用いるので、同様に実際のロータ磁極位置と推定磁極位置との軸誤差を最小限とすることができ、センサレスベクトル制御による三相通電への移行時の脱調を回避して、起動からセンサレスベクトル制御に至る安定した電動機の駆動制御実現することが可能となるものである。
特に、本出願の請求項1及び請求項2の発明によれば、制御手段は、起動後に電動機を移行回転速度より低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度まで加速し、センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行するので、起動当初から低い回転速度で運転する必要がある場合にも、支障なくセンサレスベクトル制御を実行することが可能となる。
また、本出願の請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて制御手段は、電動機の負荷状況に応じて移行回転速度を変更するので、例えば電動機の負荷トルク、負荷トルクの変動度合いなどが大きい場合にはより高い回転速度まで加速した後、センサレスベクトル制御移行することにより、脱調の危険性を一層確実に回避することが可能となる。また、負荷トルクが小さい場合にはより低い回転速度で移行するようにすれば、早期にセンサレスベクトル制御による高精度・高性能の駆動に移行可能となる。
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。以下に示す各実施例の電動機Mは、例えばカーエアコンに搭載される二酸化炭素を冷媒として用いた図示しない電動コンプレッサを駆動する永久磁石内蔵型の同期電動機である。電動機Mは係るコンプレッサのシェル内に例えばロータリ圧縮要素と共に収納され、回転して圧縮要素を駆動するために用いられる。
先ず、図1は本発明を適用した一実施例(実施例1)の電動機Mの駆動装置Dの電気回路図、図2は電動機Mの構成図、図3は駆動装置Dを構成する制御手段としての制御回路Cの制御プログラムを示すフローチャートである。実施例の駆動装置Dは、自動車のバッテリである直流電源DCに接続された6個のスイッチング素子から成るインバータ主回路1(三相インバータ)と、このインバータ主回路1の各スイッチング素子の転流を制御して電動機Mに三相疑似交流電圧を印加する制御回路(制御手段)Cなどから構成される。
そして、前記電動機Mは例えば直巻方式にて三相のコイル3U、3V、3Wが捲装されたステータ(固定子)3と、このステータ3の内側で回転する永久磁石内蔵型のロータ4とから構成された同期電動機であり(図2)、ステータ3のU相、V相、W相の三相コイル3U、3V、3Wにインバータ主回路1の各相の二次側ライン2U、2V、2Wが接続されている。
また、V相及びW相の二次側ライン2V、2Wには、電動機MのV相、W相に流れる電流を検出するためのカレントトランスから成る電流センサ(電流検出手段)6V、6Wが設けられており、各電流センサ6V、6Wの出力(電流検出値)は制御回路Cに入力されている。更に、各相の二次側ライン2U、2V、2Wには、そこに誘起される電圧を検出するための分圧抵抗から成る電圧検出回路(電圧検出手段)7U、7V、7Wが接続されており、各電圧検出回路7U、7V、7Wの端子電圧(分圧された電圧検出値)は二相通電位置検出回路(制御手段を構成する)8に入力され、この二相通電位置検出回路8の出力も制御回路Cに入力されている。この二相通電位置検出回路8や制御回路Cは汎用のマイクロコンピュータから構成される。尚、実施例では二相通電位置検出回路8を制御回路Cと別体で示しているが、勿論制御回路Cにその機能を持たせても良い。
この場合、二相通電位置検出回路8は電動機Mが二相通電される場合に、ロータ4の磁極位置を検出するための回路である。
(二相通電について)
二相通電は所謂120°通電方式のことであり、ステータ3の各相のコイル3U、3V、3Wのうちの何れか二相のみに通電し、残りの一相には流さない。図4はこの二相通電の場合の電動機Mの各相の電圧を示している。図4のモードIではU相からV相に電流を流し(W相には流さない)、モードIIではW相からV相に電流を流し(U相には流さない)、モードIIIではW相からU相に電流を流し(V相には流さない)、モードIVではV相からU相に電流を流し(W相には流さない)、モードVではV相からW相に電流を流し(U相には流さない)、モードVIではU相からW相に電流を流している(V相には流さない)。
電流を流さない残りの一相には図4に示すように誘起電圧が現れる(図4の傾斜した線)。二相通電位置検出回路8は、各電圧検出回路7U〜7Wが検出する各相(電流が流されない相)の誘起電圧を入力し、この誘起電圧に基づいて所謂アナログフィルタ方式、或いは、基準電圧比較方式によりセンサレスでロータ4の磁極位置推定信号を得る。そして、この推定された二相通電時の磁極位置推定信号は制御回路Cに入力される。
この二相通電においては位置検出情報が60°ごとで良く、また、電流を正弦波にする必要がないことから電圧制御も正弦波状でなくても良いので、制御系を簡単にできる利点がある。但し、二相通電は電圧利用率において三相通電よりも不利となると共に、60°の間隔でしか制御できないので制御精度も後述する三相通電よりも低く、トルク変動も多くなる欠点がある。
(三相通電について)
これに対して、三相通電は所謂180°通電方式のことであり、正弦波電圧をステータ3の三相のコイル3U、3V、3Wに加えて駆動するため、電圧利用率・トルク変動において二相通電より多くの利点を有する。但し、回転するロータ4の永久磁石の磁束に対して電流位相を最適に制御するために、細かい磁極位置情報が必要となる。
センサレスでこの三相通電における磁極位置を検出する方法を以下に説明する。電動機Mのロータ4の磁極位置が実角度θdの回転位置(実際の磁極位置)となるd−q回転座標系(d軸はロータ磁束軸、q軸は誘起電圧軸)に対して、制御回路Cにて推定角度θdcとなるdc−qc回転座標系を考える。ここに、θdcは制御回路Cで作成しているので、軸誤差Δθ(Δθ=θdc−θd)を演算できれば、ロータ4の磁極位置を推定することができる。
実際には、例えばインバータ主回路1に与える電圧指令vd*とvq*を、巻線抵抗r、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、発電定数kE、d軸電流指令Id*、q軸電流指令Iq*、q軸電流検出値Iq、速度指令ω1*(自動車の車室内温度と設定値、日射量などに基づいて車室内の制御回路などから入力される。)などと前記軸誤差Δθで表したモータモデル式を解くことにより、ロータ4の磁極位置を推定することになる。
(センサレスベクトル制御について)
制御回路Cは、このような推定によって検出されたロータ4の磁極位置に基づいて電動機Mのセンサレスベクトル制御を実行する。この場合制御回路Cは、電流センサ6V、6Wが検出した二次側ライン2V、2Wから電動機Mに流れる電流をq軸電流成分Iqとd軸電流成分Idに分離し、q軸電流指令Iq*とd軸電流指令Id*を独立して制御することにより、入力した速度指令ω1*を実効させるために、磁束と電流位相の関係をトルク最大となるように電圧指令vd*、vq*の大きさと位相を決定し、トルクと操作量の関係を線形にする。
また、制御回路Cはd軸電流検出値Idを用いて電動機Mに流れる電流の位相調整を行う。そして、電圧指令vd*、vq*をインバータ主回路1に与え、各スイッチング素子を制御することで、速度指令を満足するような回転速度に電動機Mを駆動することになる。
次に、図3を用いてこの場合の制御回路Cの動作について説明する。制御回路CはステップS1でインバータ主回路1に電圧指令を出力し、電動機Mのステータ3のコイル3U、3V、3Wに前述した二相通電を行って回転磁界を発生させる。ロータ4はこの回転磁界によって回転を開始し、これによって電動機Mは起動する。この起動から制御回路Cは後述するV/F一定制御にて電圧指令をインバータ主回路1に与え、一定回転速度で電動機Mを駆動する。
次に、制御回路CはステップS2で二相通電位置検出回路8から磁極位置推定信号が入力されたか判断する。前述した二相通電時の磁極位置推定方法で二相通電位置検出回路8がロータ4の磁極位置を推定し、信号が制御回路Cに入力された場合(電動機によって異なる。この間、1秒程度)、制御回路CはステップS3に進み、推定した磁極位置に同期して電流位相を所定値に固定し、電動機Mの回転速度を上昇(加速)させていく。
次に、制御回路CはステップS4で電動機Mの回転速度が、前述したセンサレスベクトル制御を実行する上で磁極位置を正確に推定するのに必要な誘起電圧を得るのに充分な所定の移行回転速度XHz(実際は15Hz〜30Hz)まで上昇したか否か判断し、移行回転速度XHzに達した場合には、直前に二相通電位置検出回路8から入力されたロータ4の磁極位置推定信号による磁極位置を初期値として設定する。そして、この磁極位置の初期値を用いて前述したセンサレスベクトル制御による電動機Mの三相通電に移行する。
このセンサレスベクトル制御では、制御回路CはステップS5で前述した三相通電時のロータ4の磁極位置推定を実行し、ステップS6でベクトル制御を実行する。このように、センサレスベクトル制御におけるロータ磁極位置の初期値として、二相通電において直前まで検出(推定)していた磁極位置を用いるので、センサレスベクトル制御への移行時における実際のロータ磁極位置と推定磁極位置との軸誤差Δθを最小限とすることができ、移行時の脱調を回避して起動からセンサレスベクトル制御に至る安定した電動機Mの駆動制御実現することが可能となる。
次に、図5、図6を用いて本発明の第二の実施例を説明する。ここで、図5において図1と同一符号は同一若しくは同様の機能を奏する。この場合、電圧検出回路7U〜7Wは不要となり、二相通電位置検出回路8も用いない。また、制御回路Cのプログラムも当然に異なる。
次に、図6のフローチャートを用いてこの場合の制御回路Cの動作を説明する。制御回路Cは図6のステップS10でV/F一定制御により電動機Mに三相通電し、回転磁界を発生させて起動する。
(V/F一定制御について)
このV/F一定制御では、制御回路Cは速度指令ω1と電圧指令V1を予め一定の比率で制御する。制御回路Cは速度指令ω1と予め設定された比率から得られた電圧指令V1をインバータ主回路1に与え、電動機Mを駆動する。この方式ではロータ4の磁極位置情報が不要であるため制御系は極めて単純となるが、負荷の急変に対して過渡振動が生じる等の欠点がある。
このようなV/F一定制御で起動した後、制御回路CはステップS11で電動機Mの回転速度を加速する。この加速により、センサレスベクトル制御を実行する上で必要な誘起電圧を得られるようになった場合、制御回路CはステップS12で前述した三相通電時の磁極位置推定方法によりロータ4の磁極位置を推定する。V/F一定制御では前述した如くロータ4の磁極位置情報は不要であるが、制御回路CはこのV/F一定制御中に磁極位置を推定し、記憶し続ける。
次に、制御回路CはステップS13で電動機Mの回転速度が前述した所定の移行回転速度XHzまで上昇したか否か判断し、移行回転速度XHzに達した場合には、V/F一定制御中に推定した直前のロータ4の磁極位置を初期値として設定する。そして、この磁極位置の初期値を用いて前述したセンサレスベクトル制御による電動機Mのベクトル制御に移行する。
このセンサレスベクトル制御では、制御回路CはステップS14で前述した三相通電時のロータ4の磁極位置推定を実行し、ステップS15でベクトル制御を実行する。このように、センサレスベクトル制御におけるロータ磁極位置の初期値として、V/F一定制御において直前まで検出していた磁極位置を用いるので、実施例1と同様に実際のロータ磁極位置と推定磁極位置との軸誤差Δθを最小限とすることができ、この場合も移行時の脱調を回避して起動からセンサレスベクトル制御に至る安定した電動機Mの駆動制御実現することが可能となる。
ここで、上記各実施例における制御で、制御回路Cは電動機Mの停止状態において前述した移行回転速度XHzよりも低い回転速度の速度指令を受けた場合、一旦移行回転速度XHzまで上昇させ、前述したセンサレスベクトル制御に移行した後、目標とする回転速度まで低下させて行く。この様子を図7に示す。
このように制御回路Cが、起動後に電動機Mを移行回転速度XHzより低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度XHzまで加速し、センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行することにより、起動当初から低い回転速度で運転する必要がある場合にも、支障なくセンサレスベクトル制御を実行することが可能となる。
また、上記各実施例における制御において、制御回路Cは電動機Mの負荷状況に応じて移行回転速度XHzを変更する。この負荷状況として考えられるのは負荷トルク、一回転中の負荷トルクの変動、コンプレッサの高低圧差などが考えられる。そして、制御回路Cは、例えば電動機Mの負荷トルクが大きくなる程、移行回転速度XHzを高くし、より高い回転速度まで加速した後、センサレスベクトル制御移行するように制御する。脱調は負荷トルクの状況が悪い(大きい)程発生し易くなるので、係る制御により移行時の脱調の危険性を一層確実に回避することが可能となる。
また、制御回路Cは負荷トルクが小さくなる程、移行回転速度XHzを低くし、より低い回転速度で移行するようにする。これらの様子を図8に示す。これにより、負荷状況が厳しくない場合には、早期にセンサレスベクトル制御による高精度・高性能の駆動に移行することができるようになる。
本発明の実施例の電動機の駆動装置の電気回路図である。(実施例1) 図1の電動機の構成図である。 図1の駆動装置を構成する制御回路の制御プログラムを示すフローチャートである。 二相通電時の電動機の各相の電圧を示す図である。 本発明の他の実施例の駆動装置の電気回路図である。(実施例2) 図5の駆動装置を構成する制御回路の制御プログラムを示すフローチャートである。 実施例3の制御を説明する図である。 実施例4の制御を説明する図である。
C 制御回路(制御手段)
D 駆動装置
M 電動機
1 インバータ主回路
3 ステータ
3U、3V、3W コイル
4 ロータ
6V、6W 電流センサ(電流検出手段)
7U、7V、7W 電圧検出回路(電圧検出手段)
8 二相通電位置検出回路(制御手段)

Claims (3)

  1. 電動機に三相疑似交流電圧を印加して駆動するためのインバータ主回路と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段の出力に基づいてセンサレスベクトル制御を実施する制御手段とを備えた駆動装置であって、
    前記電動機の誘起電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記制御手段は、二相通電により前記電動機を起動し、前記電圧検出手段により検出された前記電動機の残る一相の誘起電圧に基づいてロータの磁極位置を検出し、検出した当該磁極位置に基づいて前記インバータ主回路を制御し、二相通電によって前記電動機を加速し、
    所定の移行回転速度に達した場合、前記二相通電において検出した磁極位置を初期値とした前記センサレスベクトル制御による三相通電に移行すると共に、
    起動後に前記電動機を前記移行回転速度より低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度まで加速し、前記センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行することを特徴とする電動機の駆動装置。
  2. 電動機に疑似交流電圧を印加して駆動するためのインバータ主回路と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段の出力に基づいてセンサレスベクトル制御を実施する制御手段とを備えた駆動装置であって、
    前記制御手段は、V/F一定制御により前記電動機を起動して加速し、当該V/F一定制御中に前記電流検出手段の出力に基づいて前記ロータの磁極位置を検出し、
    所定の移行回転速度に達した場合、直前に検出した前記磁極位置を初期値とした前記センサレスベクトル制御に移行すると共に、
    起動後に前記電動機を前記移行回転速度より低い回転速度で駆動する場合、一旦当該移行回転速度まで加速し、前記センサレスベクトル制御に移行した後、回転速度を低下させる制御を実行することを特徴とする電動機の駆動装置。
  3. 前記制御手段は、電動機の負荷状況に応じて前記移行回転速度を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動機の駆動装置。
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