JP4911108B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを駆動するインバータ装置を制御する技術に関する。
近年、省エネルギー化技術の1つとして、ブラシレスDCモータを可変速運転するインバータ装置が、産業用,民生用および自動車向けと幅広い分野で利用されている。また、比較的小さいモータで出力,最大回転数を広げる技術として、[特許文献1,2]や[非特許文献1]に示すような過変調PWM制御および弱め界磁制御が一般的に用いられている。
過変調PWM制御および弱め界磁制御を行う従来のインバータ装置のブロック図を図8に示す。図8は、dq軸によるPMモータ(130)のベクトル制御に過変調PWM制御および弱め界磁制御を追加したブロック図である。図9は、図8において行われる制御のうちの変調率演算以降の動作フローである。図8と図9を用いて過変調PWM制御および弱め界磁制御の動作を説明する。
インバータの出力可能な最大電圧は、インバータの中間電圧(DC入力電圧Vin)によって決まる。電流制御部(207,208)および座標変換部(209)より出力すべき電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)が得られ、電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)とDC入力電圧(Vin)より変調率(Vout)が決まる(ST205)。ここで、正弦波PWM(非特許文献1参照)が可能な最大変調率を100%とする。電圧波形を矩形波へ近づけることにより電圧利用率を上げることができるため、変調率が100%を超える場合(ST207でYes)は過変調PWM制御部(212)により過変調PWM演算を行い(ST208)、100%以下の場合(ST207でNo)は過変調PWM演算を行わない。また、インバータ出力電圧最大でさらに回転数を上げる場合、モータ界磁を弱めるように弱め界磁制御部(211)により電流位相を進める。そこで、変調率が電圧利用率最大値(例は127%、ただし値はPWM変換部(213)の実現方法によって異なる)以上となった場合(ST211でYes)は、弱め界磁制御を行う(ST212)。
特許第3738865号公報 特開2005-348551号公報 特開2001-119978号公報 「ハイブリッド用モータ制御と昇圧コンバータ制御」TOYOTA Technical Review Vol.54 No.1 Aug. 2005 P42-51 「IPMモータのセンサレス制御」モータ技術シンポジウムB-5(1999-3月) 「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」電学論D_117_98(平9-1) 「リラクタンスモータの回転子位置センサレスベクトル制御法」平成6年電気学会産業応用部門全国大会 No16
[非特許文献1]では、P44の図6に記載のとおり、インバータ入力はDC電圧源(電池)を想定しており、商用電源での瞬停(瞬時停電),瞬時電圧低下については考慮されていない。
また、[特許文献1]では、定常的に運転保証する電圧変動(例えば定格入力電圧±10%)についての記載はあるが、停電や瞬時電圧低下のような電源異常によりインバータの中間電圧(DC入力電圧)が急激に変化する場合の対応については考慮されていない。
また、[特許文献2]では、停電や瞬時電圧低下時の制御について記載されているが、瞬低時に弱め界磁制御を行うことにより瞬停時の回転数低下を防ぐことを目的としている。
瞬停時、瞬時電圧低下時に過変調PWMおよび弱め界磁制御を行うと、モータ出力をある程度維持できるメリットはあるが、デメリットとしては、インバータ出力電圧が飽和した状態で応答が高い動作が要求されるため制御が不安定になり、場合によっては脱調,過電流によってモータ停止に至るという問題がある。
従来方法の瞬停、瞬時低下電圧時の動作を図10のタイミングチャートを用いて説明する。図10(a)は、入力電圧(Vin)の変化に対して制御応答が遅い場合を示しており、特に復電時、入力電圧(Vin)が急上昇しているのにもかかわらず電圧変調率(Vout)を小さくするのが遅れるため、過電流停止となりやすい。また、図10(b)は、入力電圧(Vin)の変化と同等の制御応答が得られる場合を示しているが、制御応答を速くするとオーバーシュートにより制御不安定となり、脱調停止または過電流停止となる場合がある。また、モータ電圧,電流等から回転子位置を推定する位置センサレス制御では、電源異常時の電圧,電流検出値の変化量が大きく位置推定値の誤差が大きくなり、脱調,過電流によるモータ停止がより顕著となる傾向がある。
本発明の目的は、モータを駆動するインバータ装置において、瞬時停電や瞬時電圧低下時の制御不安定を解消し、脱調,過電流によるモータ停止を回避する技術を提供することである。
本発明によるインバータ装置は、商用電源(100)からの交流を直流に変換するコンバータ部(110)と、スイッチング素子をオン/オフすることにより前記コンバータ部(110)からの直流を交流に変換してモータ(130)に供給するインバータ部(120)と、前記インバータ部(120)のスイッチング素子のオン/オフを制御する制御部(200)と、前記コンバータ部(110)または前記インバータ部(120)に入力される電圧(Vin)を検出する電圧検出部(140)と、を備え、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出しない場合には変調率演算結果に応じて弱め界磁制御(ST212)を行い、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出した場合には弱め界磁制御(ST212)を行わない、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置において、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)より大きいときは弱め界磁制御(ST212)を実行し、前記入力電圧(Vin)が前記しきい値(Vin_low)より小さいときは弱め界磁制御(ST212)を実行しない、ことを特徴とする
また、上記インバータ装置において、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)の変化量(Vc)を検出し(ST401)、前記変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)より小さいときは弱め界磁制御(ST212)を実行、前記変化量が前記しきい値(Vin_qc)より大きいときは弱め界磁制御(ST212)を実行しない、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置において、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出しない場合には前記変調率演算結果に応じて過変調PWM制御(ST208)行い、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出した場合には過変調PWM制御(ST208)を行わない、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置において、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)より大きいときは過変調PWM制御(ST208)を実行し、前記入力電圧(Vin)が前記しきい値(Vin_low)より小さいときは過変調PWM制御(ST208)を実行しない、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置において、前記制御部(200)は、前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)の変化量(Vc)を検出し(ST401)、前記変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)より小さいときは過変調PWM制御(ST208)を実行し、前記変化量(Vc)が前記しきい値(Vin_qc)より大きいときは過変調PWM制御(ST208)を実行しない、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置は、位置センサレス制御方式のインバータである、ことを特徴とする。
また、上記インバータ装置は、空気調和機向け圧縮機駆動用インバータである、ことを特徴とする。
本発明によるインバータ装置では、瞬停や瞬時電圧低下などにより電源電圧が極端に小さくなったり急激に変動したりする電源異常を電圧検出部(140)の検出結果に基づいて検出し、電源異常中は、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208),弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)の実行を禁止することにより、過変調PWM制御,弱め界磁制御によるモータ電流増加を抑えることができ、復電時の電流オーバーシュートに対するマージンを確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面において実質的に同一の構成要素には同じ参照符号を付けている。また、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本発明の実施形態によるインバータ装置の構成を図1に示す。このインバータ装置は、商用電源(100)からの交流をコンバータ回路(110)によって整流し、その直流をインバータ回路(120)によって交流に変換してモータ(130)に供給するものである。
インバータ回路(120)は、スイッチング素子をオン/オフすることによりコンバータ回路(110)からの直流を3相交流に変換してモータ(130)に供給する。インバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフはPWM制御部(200)により制御される。PWM制御部(200)は、各種センサ(140,150,160)の検出値(Vin,Iv,Iw,θe)と各種指令値(β*,ωe*)に基づいてインバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフをPWM制御する。
電圧センサ(140)は、コンバータ回路(110)からインバータ回路(120)に入力される直流電圧(Vin)を検出する。電流センサ(150)は、インバータ回路(120)からモータ(130)に供給される3相交流のV相,W相電流(Iv,Iw)を検出する。位置センサ(160)は、モータ(130)の回転子の電気角に対応する信号(θe)を出力する。
PWM制御部(200)の座標変換部(203)は、電流センサ(150)により検出される2相分の交流電流(Iv,Iw)から3相分の交流電流(Iu,Iv,Iw)を求め、それらの交流電流を、位置センサ(160)の検出値(θe)に基づいて、モータ(130)の主磁束方向のd軸電流(Id)およびそのd軸電流の直交方向のq軸電流(Iq)に変換する。速度演算部(204)は、位置センサ(160)の検出値(θe)に基づいてモータ(130)の回転速度(ωe)を算出する。速度制御部(205)は、速度指令(ωe*)と速度演算部(204)からの回転速度(ωe)との差に基づいて電流振幅指令(Ia*)を算出する。
電流指令生成部(206)は、電流位相指令(β*)と電流振幅指令(Ia*)とに基づいてd軸電流指令(Id*)およびq軸電流指令(Iq*)を算出する。弱め界磁制御が行われるときは、弱め界磁制御部(211)からの電流位相進み角(ζ)だけ電流位相指令(β*)を進めたものと電流振幅指令(Ia*)とに基づいてd軸電流指令(Id*)およびq軸電流指令(Iq*)を算出する。
電流制御部(207)は、電流指令生成部(206)からのd軸電流指令(Id*)と座標変換部(203)からのd軸電流(Id)との差に基づいてd軸電圧指令(Vd*)を算出する。電流制御部(208)は、電流指令生成部(206)からのq軸電流指令(Iq*)と座標変換部(203)からのq軸電流(Iq)との差に基づいてq軸電圧指令(Vq*)を算出する。
座標変換部(209)は、電流制御部(207)からのd軸電圧指令(Vd*)および電流制御部(208)からのq軸電圧指令(Vq*)を、位置センサ(160)の検出値(θe)に基づいて、U相電圧指令(Vu*),V相電圧指令(Vv*),W相電圧指令(Vw*)に変換する。
変調率演算部(210)は、座標変換部(209)からの3相電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)と電圧センサ(140)の検出値(Vin)とに基づいて変調率(Vout)および電圧位相(δ)を算出する。
PWM変換部(213)は、変調率演算部(210)からの変調率(Vout)および電圧位相(δ)に基づいて、インバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフをPWM制御するための制御信号を生成し出力する。過変調PWM制御の実行が許可される場合は、過変調PWM制御部(212)により過変調PWM演算が行われ、この演算結果に基づいてPWM変換部(213)は、インバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフを過変調PWM制御するための制御信号を生成し出力する。
本実施形態のインバータ装置(図1)のPWM制御部(200)が従来のインバータ装置(図8)のPWM制御部(800)と異なっている点は、電源異常検出部(201)、判断部(202)、弱め界磁制御許可スイッチ(213)および過変調PWM制御許可スイッチ(214)を備えている点である。電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の検出値(Vin)の絶対値または変化量から電源異常を検出する。判断部(202)は、電源異常検出部(201)の検出結果に基づいて、過変調PWM制御および弱め界磁制御の実行の許可/禁止を判断する。この判断結果に基づいて判断部(202)は、弱め界磁制御許可スイッチ(213)および過変調PWM制御許可スイッチ(214)をオン/オフする。
次に、本実施形態のPWM制御部(200)における上述の特徴的な動作について図2のフローを参照しつつ詳細に説明する。
ステップ(ST201)において、インバータ回路(120)への入力電圧(Vin)が電圧センサ(140)により検出される。電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の検出値(Vin)としきい値(Vin_low)とを比較する(ST202)。
Vin < Vin_low のとき(ST202でYes)、電源異常検出部(201)は、異常フラグ(f_err)に「1」をセットする(ST203)。一方、Vin ≧ Vin_low のとき(ST202でNo)、電源異常検出部(201)は、異常フラグ(f_err)を「0」にクリアする(ST204)。
このように、電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の検出値(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)よりも小さいときに異常フラグ(f_err)に「1」をセットすることにより電源異常を検出する。
ステップ(ST205)では、変調率演算部(210)により変調率(Vout)が算出される。この演算の流れは上述のとおりである。
次に、ステップ(ST206)において、判断部(202)は、異常フラグ(f_err)の値をチェックする。
f_err =0のとき(ST206でYes)、判断部(202)は「電源異常なし」と判断し、過変調PWM制御部(212)および弱め界磁制御部(211)の実行を許可する。そして判断部(202)は、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208)が実行されるように過変調PWM制御許可スイッチ(214)をオンし、弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)が実行されるように弱め界磁制御許可スイッチ(213)をオンする。この結果、f_err =0のときは(ST206でYes)、ステップ(ST207,ST208,ST211,ST212)の処理が行われる。
ステップ(ST207)において、過変調PWM制御部(212)は、変調率(Vout)が100%(正弦波PWMが可能な最大変調率)を超えているか否かを判断する。変調率(Vout)が100%を超えているとき(ST207でYes)、過変調PWM制御部(212)は、過変調PWM演算を実行する(ST208)。一方、変調率(Vout)が100%を超えていないとき(ST207でNo)、過変調PWM制御部(212)は、過変調PWM演算を実行しない。
ステップ(ST211)において、弱め界磁制御部(211)は、変調率(Vout)が127%(電圧利用率の最大値:この値はPWM変換部(213)の実現方法によって異なる)を超えているか否かを判断する。変調率(Vout)が127%を超えているとき(ST211でYes)、弱め界磁制御部(211)は、弱め界磁制御演算を実行する(ST212)。一方、変調率(Vout)が127%を超えていないとき(ST211でNo)、弱め界磁制御部(211)は、弱め界磁制御演算を実行しない。
上記ステップ(ST207,ST208,ST211,ST212)による処理の結果に従ってPWM変換部(213)は、インバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフを制御する。
一方、f_err =1のとき(ST206でNo)、判断部(202)は「電源異常あり」と判断し、過変調PWM制御および弱め界磁制御の実行を禁止する。そして判断部(202)は、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208)が実行されないように過変調PWM制御許可スイッチ(213)をオフし、弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)が実行されないように弱め界磁制御許可スイッチ(213)をオフする。この結果、f_err =1のとき(ST206でNo)は、ステップ(ST209,ST210)の処理が行われる。すなわち、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208)および弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)は実行されない。
ステップ(ST209)において、PWM変換部(213)は、変調率(Vout)が100%を超えているか否かを判断する。変調率(Vout)が100%を超えているとき(ST209でYes)、PWM変換部(213)は、その変調率(Vout)を100%に置き換える(ST210)。
上記ステップ(ST209,ST210)による処理の結果に従ってPWM変換部(213)は、インバータ回路(120)のスイッチング素子のオン/オフを制御する。
以上に説明した流れ(図2)に従って処理が行われた場合のタイミングチャートを図3に示す。図3と図10を比較しても分かるように、本実施形態のインバータ装置では、インバータ回路(120)への入力電圧(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)よりも小さいときに異常フラグ(f_err)に「1」をセットすることにより、瞬停や瞬時電圧低下などにより電源電圧が極端に小さくなる電源異常を検出し、電源異常中は、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208)および弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)の実行を禁止することにより、過変調PWM制御,弱め界磁制御によるモータ電流増加を抑えることができ、復電時の電流オーバーシュートに対するマージンを確保することができる。
なお、上述の例では、電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の検出値(Vin)と所定のしきい値(Vin_low)とを比較することにより電源異常を検出しているが、電圧センサ(140)の検出値(Vin)の変化量を検出し、この変化量に基づいて電源異常を検出するようにしてもよい。この場合の動作フローを図4に示す。以下、図4のフローのうち図2と異なる部分を中心に説明する。
ステップ(ST201)において、インバータ回路(120)への入力電圧(Vin)が電圧センサ(140)により検出される。電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の今回の検出値(Vin)と前回の検出値(Vin_old)との差の絶対値(Vc)を算出する(ST401)。次に電源異常検出部(201)は、ステップ(ST401)において算出した値(Vc)と所定のしきい値(Vin_qc)とを比較する(ST402)。
Vc > Vin_qc のとき(ST402でYes)、電源異常検出部(201)は、異常フラグ(f_err)に「1」をセットする(ST203)。一方、Vc ≦ Vin_qc のとき(ST402でNo)、電源異常検出部(201)は、異常フラグ(f_err)を「0」にクリアする(ST204)。
このように、電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の検出値(Vin)の変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)よりも大きいときに異常フラグ(f_err)に「1」をセットすることにより電源異常を検出する。
ステップ(ST205〜ST212)において図2と同様の処理が行われた後、ステップ(ST403)において、電源異常検出部(201)は、電圧センサ(140)の前回の検出値(Vin_old)を今回の検出値(Vin)に更新する。
図4の流れに従って処理が行われた場合のタイミングチャートを図5に示す。図5と図10あるいは図3とを比較しても分かるように、このインバータ装置では、インバータ回路(120)への入力電圧(Vin)の変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)よりも小さいときに異常フラグ(f_err)に「1」をセットすることにより、瞬停や瞬時電圧低下などにより電源電圧が急激に変動する電源異常を検出し、電源異常中は、過変調PWM制御部(212)の処理(ST207,ST208)および弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)の実行を禁止することにより、過変調PWM制御,弱め界磁制御によるモータ電流増加を抑えることができ、復電時の電流オーバーシュートに対するマージンを確保することができる。さらに、インバータ回路(120)に入力されるDC電圧(Vin)の急変時以外は(Vinのレベルが低いときであっても)過変調PWM制御部(212)の処理(ST206,SY207)および弱め界磁制御部(211)の処理(ST211,ST212)を行うため、瞬停および瞬時電圧低下時の制御不安定,過電流を防止できることに加えて、低下したDC入力電圧(Vin)の最大運転範囲でモータ(130)を駆動することが可能となる。
本実施形態のインバータ装置(図1)では、インバータ部(120)の入力電圧(DC電圧)にて電源異常検出を行っているが、図11に示すようにコンバータ部(110)の入力電圧(AC電圧)にて電源異常検出を行うことも可能であり、電源異常検出部(201)の入力電圧は、インバータ部(120)またはコンバータ部(110)のいずれかの入力電圧を用いればよい。ただし、電源異常検出部(201)の入力に、コンバータ部(110)の入力電圧(Vin)を用いる場合は、交流電圧の瞬時値を電圧ピーク値または電圧実効値へ変換する直流値変換部(215)が必要である。
上述の説明では、過変調PWM制御と弱め界磁制御の両方を実行可能なインバータ装置に本発明を適用した場合について説明したが、いずれか一方のみを実行可能なインバータ装置にも本発明を適用することができる。
過変調PWM制御のみを実行可能なインバータ装置に本発明を適用した場合、インバータ装置の全体構成は図1において弱め界磁制御部(211)を削除したものになり、その処理フローは図2においてステップ(ST211,ST212)を削除したものになる。一方、弱め界磁制御のみを実行可能なインバータ装置に本発明を適用した場合、インバータ装置の全体構成は図1において過変調PWM制御部(212)を削除したものになり、その処理フローは図2においてステップ(ST207,ST208)を削除したものになる。
これらのインバータ装置は用途に応じて選択可能である。たとえば、本実施形態のインバータ装置は空気調和機に適用可能であり、ファン等の2乗トルク特性の負荷では弱め界磁制御は不要であるため、過変調PWM制御のみを実行可能なインバータ装置が有効となる。また、過変調PWMで電圧波形が矩形波に近づくことにより音・振動が気になるような用途においては、弱め界磁制御のみを実行可能なインバータ装置が有効となる。さらに、圧縮機のような負荷では、過変調PWM制御と弱め界磁制御の両方を実行可能なインバータ装置が有効である。ただし、圧縮機に使用されている磁石同期モータを駆動するためには、回転子の位置を検出することが不可欠であるが、通常、圧縮機内部は高温高圧のため位置検出センサを内蔵できない。そこで、従来から位置センサレス制御方式が一般的に用いられている。したがって、本発明のインバータ装置を圧縮機に適用する場合には位置センサレス制御方式のインバータ装置とすることが望ましい。
位置センサレス制御では電源異常時の電圧,電流検出値の変化量が大きく位置推定値の誤差が大きくなり、制御が不安定になる傾向が強い。しかしながら電圧飽和領域で制御追従をやめ制御動作点を固定(電流位相を振らない)すれば、電圧,電流検出値が急激に変化せず位置推定値誤差が大きくならない。これにより、位置検出誤差による制御不安定が解消され、その結果、脱調,過電流によるモータ停止を回避できる。
本発明を位置センサレス制御方式のインバータ装置に適用した例を図6,図7に示す。なお、これらはあくまでも一例であり、その他の位置センサレス制御方式のインバータ装置にも本発明を適用可能である。
図6は、回転座標(dq軸)モデルに基づき位置推定を行う位置センサレス方式の例である。図6のインバータ装置は、図1の位置センサ(160)を位置推定部(601)に置き換えたものである。位置推定部(601)は、座標変換部(203)からのd軸電流(Id),q軸電流(Iq)と、電流制御部(207)からのd軸電圧指令(Vd*)と、電流制御部(208)からのq軸電圧指令(Vq*)とに基づいて位置推定値(^θe)を算出する。この位置推定部(601)における位置推定値(^θe)の算出は、たとえば[特許文献3]の[図8][段落0099,0124]や[非特許文献2][非特許文献3]に基づいて行われる。
図7は、固定座標(αβ軸)モデルに基づき位置推定を行う位置センサレス方式の例である。図7のインバータ装置は、図1の位置センサ(160)を位置推定部(701),3相/2相変換部(702,703)に置き換えたものである。3相/2相変換部(702)は、電流センサ(150)により検出されるU相,V相電流(Iv,Iw)をαβ座標(2相直交固定子座標)のα軸,β軸電流(Iα,Iβ)に変換する。3相/2相変換部(703)は、座標変換部(209)からの電圧指令(Vv*,Vw*)をαβ座標(2相直交固定子座標)のα軸,β軸電圧(Vα,Vβ)に変換する。位置推定部(701)は、3相/2相変換部(702)からのα軸,β軸電流(Iα,Iβ)と、3相/2相変換部(703)からのα軸,β軸電圧(Vα,Vβ)とに基づいて位置推定値(^θe)を算出する。この位置推定部(701)における位置推定値(^θe)の算出は、たとえば[特許文献3]の[図10][段落0111,0112]や[非特許文献4]に基づいて行われる。
なお、図6,7のインバータ装置のPWM制御部(700,800)においても、同様に、図2あるいは図4の処理が行われる。
本発明によるインバータ装置は例えば空気調和機に適用可能である。
本発明の実施形態によるインバータ装置の構成を示す図である。 図1のPWM制御部(200)における特徴的な動作のフローチャートである。 図2のフローに従って処理が行われた場合のタイミングチャートである。 図2のフローチャートの変形例である。 図4のフローに従って処理が行われた場合のタイミングチャートである。 本発明を位置センサレス方式のインバータ装置に適用した例を示す図である。 本発明を位置センサレス方式のインバータ装置に適用した例を示す図である。 従来のインバータ装置の構成を示す図である。 従来のインバータ装置の動作フローである。 従来のインバータ装置が制御不安定になる場合のタイミング図である。 図1の電源異常検出部(201)の入力の変形例を示す図である。
符号の説明
100…商用電源
110…コンバータ回路
120…インバータ回路
130…モータ
140…電圧センサ
150…電流センサ
160…位置センサ
200,600,700,800…PWM制御部

Claims (8)

  1. 商用電源(100)からの交流を直流に変換するコンバータ部(110)と、
    スイッチング素子をオン/オフすることにより前記コンバータ部(110)からの直流を交流に変換してモータ(130)に供給するインバータ部(120)と、
    前記インバータ部(120)のスイッチング素子のオン/オフを制御する制御部(200)と、
    前記コンバータ部(110)または前記インバータ部(120)に入力される電圧(Vin)を検出する電圧検出部(140)と、
    を備え、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出しない場合には変調率演算結果に応じて弱め界磁制御(ST212)を行い、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出した場合には弱め界磁制御(ST212)を行わない
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)より大きいときは弱め界磁制御(ST212)を実行し、前記入力電圧(Vin)が前記しきい値(Vin_low)より小さいときは弱め界磁制御(ST212)を実行しない、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  3. 請求項1において、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)の変化量(Vc)を検出し(ST401)、前記変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)より小さいときは弱め界磁制御(ST212)を実行、前記変化量が前記しきい値(Vin_qc)より大きいときは弱め界磁制御(ST212)を実行しない、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  4. 請求項1において、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出しない場合には前記変調率演算結果に応じて過変調PWM制御(ST208)行い、前記電圧検出部(140)が電圧の低下を検出した場合には過変調PWM制御(ST208)を行わない
    ことを特徴とするインバータ装置。
  5. 請求項4において、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)が所定のしきい値(Vin_low)より大きいときは過変調PWM制御(ST208)を実行し、前記入力電圧(Vin)が前記しきい値(Vin_low)より小さいときは過変調PWM制御(ST208)を実行しない、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  6. 請求項4において、
    前記制御部(200)は、
    前記電圧検出部(140)により検出された入力電圧(Vin)の変化量(Vc)を検出し(ST401)、前記変化量(Vc)が所定のしきい値(Vin_qc)より小さいときは過変調PWM制御(ST208)を実行し、前記変化量(Vc)が前記しきい値(Vin_qc)より大きいときは過変調PWM制御(ST208)を実行しない、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つにおいて、
    前記インバータ装置は、位置センサレス制御方式のインバータである、
    ことを特徴とする。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    前記インバータ装置は、空気調和機向け圧縮機駆動用インバータである、
    ことを特徴とする。
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