JP5159997B1 - 数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

数値制御装置は、工具が取り付けられるタレットを移動させるX軸と、前記タレットを回転させるH軸と、ワークを回転させるC軸とを有し、前記X軸に直交するY軸を有さない工作機械を制御する数値制御装置であって、加工プログラム中のX−Y軸移動指令をX−H−C座標系での指令に変換し、変換した指令の解析結果を補間してX軸、H軸およびC軸を連動駆動する仮想Y軸補間モードにおいて、仮想Y軸の早送り指令を解析する解析手段と、前記解析された仮想Y軸の早送り指令に応じて、C軸角度を補間するC軸補間処理手段と、前記補間されたC軸角度に基づいて、X軸位置を補間するX軸補間処理手段とを備え、前記数値制御装置は、C軸の速度を等速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、数値制御装置に関する。
従来、旋盤の一つの型式として、ワークを把持して回転角度を制御するためのC軸と、C軸にタレットが接離するように位置制御するためのX軸と、C軸の軸線方向にワークを移動するZ軸と、X軸に垂直な平面を加工するためのY軸を備えた構成のもの(第1の型式の旋盤)がある。また、実際のY軸は持たないがC軸に対して任意に角度を制御することが可能なタレット軸(H軸)を有し、H軸の回転角度およびC軸とH軸の間隔を制御するX軸位置の同期・協調制御によってY軸方向の加工を行なう仮想Y軸制御機能を備えたもの(第2の型式の旋盤)もある。このような旋盤では、通常の旋削加工の他に、ワークの円周面に対してY軸方向の平面加工を正確に行なうことができる。
2種類の構成の旋盤のうち、第1の型式の旋盤において、Y軸を早送りする場合、基本的には、Y軸に対して早送り指令(G0)を与えればY軸単独で指令されたとおりのG0速度で作動する。
特許文献1には、直交直線3軸であるX軸、Y軸、Z軸と回転軸であるC軸、A軸を有する加工ヘッドの数値制御装置において、NCプログラム中のX軸、Y軸、Z軸の移動量、すなわち加工ヘッドの先端移動量からX、Y、Zの実際の移動量、すなわち根元の移動量を算出し、算出された根元の移動量をX、Y、Zの駆動モータへ出力することが記載されている。具体的には、NCプログラムを解析して、1ブロックごとの先端移動量を抽出し、これを基に、単位時間当たりの先端移動量を計算し、これを単位時間当たりの根元の移動量に座標変換し、単位時間当たりの根元の移動量を実効速度に換算した後、実行速度を最大速度と比較して、最大速度を超える場合にクランプ率を求め、指令速度にクランプ率を乗算することで速度クランプを行い、単位時間当たりの先端移動量を再計算する。これにより、特許文献1によれば、加工ヘッドの先端の速度と根元の速度とのずれに起因して実効速度が機械の最大速度をオーバーする場合に、実効速度を最大速度まで自動的に減速させ、実効速度が最大速度を超えないようにするとされている。
特開昭63−293609号公報
特許文献1に記載の技術は、Y軸を備えた第1の型式の旋盤に関する技術であり、特許文献1には、第2の型式の旋盤に関する記載が一切ない。
一方、第2の型式の旋盤の場合には、Y軸は実在せず、C軸、H軸、X軸動作の合成でY軸移動を実現しているため、Y軸を早送りする(すなわち、Y軸に沿って直線的に早送りする)場合、必然的にC軸、H軸、X軸が同時に動くことになる。そのため、第1の型式の旋盤の場合と事情が異なり、加工ヘッドの先端速度と根元の速度とのずれが無視できるような場合であっても、C軸の速度がクランプ速度を超える場合がある。
例えば、第2の型式の旋盤の場合、Dカット加工後の戻り動作などの仮想的なY軸移動を仮想Y軸の早送り指令(G0)に従って行うときに、仮想的なY軸移動を一定速度で実行させる。第2の型式の旋盤では、この仮想的なY軸移動を一定速度で実行するためには、C軸を、回転角度範囲において凸状に増減する速度で回転させる必要がある。このとき、C軸の回転角度範囲における中央付近の角度でC軸の速度がクランプ速度を超えていると、C軸の回転角度範囲においてC軸の速度がクランプ速度以下になるようにクランプ率が計算され、クランプ率がY軸移動指令に乗算されることにより、仮想的なY軸移動の速度が自動的に再計算され下方修正される。その結果、実行中のブロックにおけるC軸の速度が全体的に低くなるので、実行中のブロックの実行時間が長くなり、加工のサイクルタイムも長くなりやすく、数値制御装置による加工の生産性が低下する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、Y軸を有さない工作機械による加工のサイクルタイムを低減できる数値制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる数値制御装置は、工具が取り付けられるタレットを移動させるX軸と、前記タレットを回転させるH軸と、ワークを回転させるC軸とを有し、前記X軸に直交するY軸を有さない工作機械を制御する数値制御装置であって、加工プログラム中のX−Y軸移動指令をX−H−C座標系での指令に変換し、変換した指令の解析結果を補間してX軸、H軸およびC軸を連動駆動する仮想Y軸補間モードにおいて、仮想Y軸の早送り指令を解析する解析手段と、前記解析された仮想Y軸の早送り指令に応じて、C軸角度を補間するC軸補間処理手段と、前記補間されたC軸角度に基づいて、X軸位置を補間するX軸補間処理手段とを備え、前記数値制御装置は、C軸の速度を等速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御することを特徴とする。
本発明によれば、仮想的なY軸移動を早送りで行うブロックにおけるC軸の速度を全体的に高速に維持でき、高速に仮想Y軸の早送りを実行できるので、実行中のブロックの実行時間を効果的に短縮できる。これにより、Y軸を有さない工作機械による加工のサイクルタイムを低減できる。
図1は、実施の形態1における工作機械の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる数値制御装置のDカット時の各軸の動作を示す図である。 図4は、実施の形態1におけるDカットの諸元説明図である。 図5は、実施の形態1におけるDカット時のC,H,X軸の関係図である。 図6は、実施の形態1におけるDカットの加工手順を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態1におけるDカットの加工手順を示す図である。 図8は、実施の形態2にかかる数値制御装置の構成を示す図である。 図9は、実施の形態2にかかる数値制御装置のDカット時の各軸の動作を示す図である。 図10は、比較例1を示す図である。 図11は、比較例2を示す図である。
以下に、本発明にかかる数値制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる数値制御装置1について説明する。
数値制御装置1は、数値制御(Numerical Control、以下NCと略すことがある)によって工作機械MTを制御する数値制御旋盤であり、工作機械MTを制御することでワークWKの加工を行う。数値制御装置1は、例えば円柱状のワークWKに対して、断面視においてDの文字になるように円形断面の一部をY軸に沿って直線的に切り落とすいわゆるDカット加工を行う。このとき、本実施の形態における工作機械MTがY軸を有さないので、数値制御装置1は、直線部の加工に必要なY軸制御を、実在しないY軸に代えてX軸、C軸およびH軸を用いて仮想的に実現する。
具体的には、工作機械MTは、図1(a)、(b)に示すような構成を有する。図1(a)、(b)は、それぞれ、工作機械MTの要部及び座標系を示す斜視図及び正面図である。工作機械MTは、タレットTR、及びワークWKを有する。工作機械MTは、X軸、Z軸、H軸、及びC軸を有する。X軸は、タレットTRを移動させる移動軸であり、例えばH軸をC軸に接離するように移動させる。Z軸は、例えば円柱状のワークWKを中心軸方向に移動させる移動軸であり、X軸に直交する。H軸は、回転することで工具を旋回させる回転軸である。C軸は、例えば円柱状のワークWKを円周方向に回転させる回転軸である。工作機械MTは、Y軸を有さない。すなわち、Y軸は、実在しない軸であるが、ユーザが作成する加工プログラム中の仮想Y軸補間モード内で使用される仮想的な移動軸であり、X軸及びZ軸のそれぞれに直交する。仮想Y軸補間モードは、加工プログラム中のX−Y軸移動指令をX−H−C座標系での指令に変換し、変換した指令の解析結果を補間してX軸、H軸およびC軸を連動駆動する制御モードである。
例えば、Y軸を有さない工作機械MTを制御して仮想的なY軸方向にDカット加工を行う場合、図7に示すように、C軸、H軸、X軸動作の合成でY軸移動を実現している。すなわち、図7(a)は、図1に示す構成の工作機械MTを用いて、Dカット加工指令(G1)に従ってワークWKのDカット加工を行い、その復路を早送り指令(G0)で戻す場合の加工手順を示したものである。手順(1)〜(4)において、Dカット加工を行い、手順(5)〜(8)において、早送りで動作させて工具を元の位置に戻す。なお、ここでDカット加工の切削方向と戻し方向とは一連のものであり互いに逆方向になっていればよく、切削は左右(または+−)どちらから始めてもよい。
ユーザは、図7(a)に示す加工手順(1)〜(8)を実現するために、例えば図7(b)に示す加工プログラムを作成する。図7(b)に示すように、仮想Y軸補間モードがオンされてからキャンセルされるまでの仮想Y軸補間モード内では、X軸、Y軸の座標位置を指定して所要の加工プログラムを作成する。ユーザは、H軸、C軸の回転を考慮することなく、例えば、図7の手順(2)の状態、すなわち工具方向と仮想平面X軸が一致した状態を想定してX−Y座標などを指定することによって加工プログラムを作成する。
ここで、仮に、図10(a)に示すように、数値制御装置が、早送り指令(G0)に従い、Dカット加工後の戻り動作などの仮想的なY軸移動を行うときに、仮想的なY軸移動を一定速度Vy1で実行させる場合(比較例1)について考える。この場合、仮想的なY軸を一定速度Vy1で実行するためには、図10(d)に示すC軸の回転角度範囲θ1〜θ5において、C軸の速度Vc1を、図10(b)に示すように、例えば正規分布曲線の様に凸状に変化させ、H軸の速度も図10(b)と同様に変化させ、X軸の速度Vx1を、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の中央付近の角度θ3で0となる、マイナス方向からプラス方向に変化する3次関数の曲線状に変化させる必要がある。すなわち、図10(a)に示す仮想Y軸の速度Vy1は、実軸の速度へ、すなわち図10(b)、(c)に示すC軸の速度Vc1、H軸の速度、X軸の速度Vx1へ変換される。
このとき、例えば図10(b)に示すように、C軸の速度Vc1がC軸の許容速度範囲における最高速度(クランプ速度)Vcmaxを超えていると、C軸の速度Vc1の最大値が最高速度(クランプ速度)Vcmax以下になるようにクランプ率が計算され、クランプ率がY軸移動指令に乗算される速度クランプが行われる。これにより、仮想的なY軸移動の速度が自動的に再計算され、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の全体について図10(a)に破線で示す速度Vy2に下方修正される。そして、図10(a)に示す仮想Y軸の速度Vy2が変換された、C軸の速度Vc2、H軸の速度、X軸の速度Vx2も、図10(b)、(c)に破線で示すようにC軸の回転角度範囲θ1〜θ5の全体について下方修正される。
その結果、実行中のブロックにおけるC軸の速度が全体的に低くなるので、実行中のブロックの実行時間が長くなる。例えば、図10(b)、(c)に示すように、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の終点の角度θ5になるタイミングがt51より後のt52になる。すなわち、タイミングt0〜t52までのC軸の速度Vc2の積分値(総回転量)は、タイミングt0〜t51までのクランプ前のC軸の速度Vc1の積分値(総回転量)と等しくなるように制御されているので、速度クランプを行う前に比べて、実行中のブロックの実行時間がΔT2だけ長くなってしまう。これにより、Y軸を有さない工作機械MTによる加工のサイクルタイムも長くなりやすく、数値制御装置による加工の生産性が低下する可能性がある。
あるいは、仮に、図11(a)、(b)に示すように、数値制御装置が、早送り指令(G0)に従い、Dカット加工後の戻り動作などの仮想的なY軸移動を行うときに、仮想的なY軸移動を一定速度Vy1で実行させることを行いつつ、C軸の速度Vc1の最大値が最高速度(クランプ速度)Vcmaxを超える領域PT2に選択的に速度クランプをかけ、他の領域PT1、PT3には速度クランプをかけない場合(比較例2)について考える。この場合、仮想Y軸の速度Vc1が領域PT2で選択的に下方修正された速度Vc2になり、C軸の速度Vc1は、領域PT2が選択的にクランプされた速度Vc3になる。
このとき、図11(b)に示すように、速度クランプにより失われた総回転量Wc1を補うために、例えば領域PT3におけるC軸の速度Vc1に対して選択的にスムージングをかけるなどにより総回転量Wc3分増やす必要がある。このため、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の終点の角度θ5になるタイミングがt51より後のt53になるので、速度クランプを行う前に比べて、実行中のブロックの実行時間がΔT3だけ長くなってしまう。これにより、Y軸を有さない工作機械MTによる加工のサイクルタイムも長くなりやすく、数値制御装置による加工の生産性が低下する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、数値制御装置1において、仮想的なY軸移動を一定速度Vy1で実行させることを出発点とするのではなく、C軸(実軸)の回転を一定速度Vcで実行させることを出発点とする制御を行う。
具体的には、数値制御装置1は、例えば図3(b)に示すような制御を行う。図3(a)〜(c)は、例えば仮想Y軸補間モード中に仮想Y軸に早送りを指令した場合の各軸の動作例を示すものである。仮想Y軸補間モードにおいては、Y軸軌跡はC軸の回転とH軸の回転とX軸の位置変位とにより決定されるが、H軸とC軸とは等量の回転角度で制御されるので、ここではワーク加工面を直接回転させるC軸を中心にして説明する。なお、図3(a)〜(c)には、比較のために、比較例1、2におけるクランプ前の各軸の動作を破線で示してある。
数値制御装置1は、図3(b)の太い実線のように、C軸回転角度の全域θ1〜θ5を一定速度Vc、すなわち最高速度Vcmaxで回転させ、それに伴ってX軸速度Vxも上昇させる。その結果、C軸速度VcとX軸速度Vxとの合成である仮想Y軸速度Vyは、図3(a)の実線で示すように凹状の曲線となる。従って、仮想Y軸速度Vyは、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の両端側の速度が指令速度fyを上回るが、図3(d)に示すように実加工を伴わない早送りで且つ実際に存在する軸ではないため、機械的な問題は発生しにくい。
その結果、実行中のブロックにおけるC軸の速度を全体的に最高速度Vcmaxに維持でき、高速に仮想Y軸の早送りが実行できるので、実行中のブロックの実行時間を効果的に短縮できる。例えば、図3(b)、(c)に示すように、C軸の回転角度範囲θ1〜θ5の終点の角度θ5になるタイミングがt51より前のt5になる。すなわち、タイミングt0〜t5までのC軸の速度Vcの積分値(総回転量)は、タイミングt0〜t51までの比較例1、2におけるクランプ前のC軸の速度Vc1の積分値(総回転量)と等しくなるように制御されているので、比較例1、2における速度クランプを行う前に比べて、実行中のブロックの実行時間をΔTだけ短くできる。これにより、Y軸を有さない工作機械MTによる加工のサイクルタイムを効率的に低減でき、数値制御装置による加工の生産性を向上できる。
図4は、Y軸、C軸、H軸及びX軸の座標系及び諸元等の詳細を示したものである。図4(a)は、Dカット加工開始時の位置関係を示し、図4(b)は、Dカット加工の中間位置での詳細な位置関係を示したものである。図4において、Rはタレット軸回転中心から工具取付座までの距離、Tは工具長、uは加工面のワーク中心からの偏心量である。加工プログラムで仮想Y軸上の加工開始位置が指定されると、工具長補正及び工具径補正が行なわれて、加工開始時の工具中心位置p1が求められ、これに対応したC軸とH軸との回転角度(c=h)及びC軸中心からのH軸中心までの距離が計算されて、夫々の軸が加工開始位置に移動する。x1、x2は、Dカット加工における加工開始時のX座標値とC=0°時(最も深く切り込んだ時)のX座標値となる。なお、図4のH軸の回転角度hは0°を中心とした片側の角度であるので、工具先端の切削移動量yはH軸の回転角度hの2倍の角度を用いて算出する必要がある。
次に、加工プログラムで加工終点位置が指定されると同様に加工終了時の工具中心位置p2が求められ、工具中心位置p1と工具中心位置p2とを結ぶ線を仮想XY平面上で直線補間する。更に、その補間データを最終的にはX軸とH軸(回転軸)の実軸位置に変換して各軸のサーボ制御部に出力し、サーボモータを駆動する。これにより、C軸回転、H軸回転、H軸のC軸方向への位置制御(すなわち、X軸の移動)が協調して行なわれる。その結果、ワークWKの中心から指定距離だけ離れた位置で、半径方向と直角な面に平面加工や穴あけ加工を行なうことができる。
図5(a)〜(c)は、仮想Y軸制御によるDカット時のC軸、H軸、X軸の関係を示す図であり、図4におけるR+T+u=200、ワークWKの半径=30で、ワークWKの45°から−45°に移動する場合の位置及び角度の詳細を示している。また、簡単にするために工具径は“0”としている。
図5(a)〜(c)に示すように半径30mmのワークWKのC=45°の位置に工具を合わせる場合、H軸中心からC軸中心を通る傾いた仮想Y軸上のY軸位置(30×sin45°=21.213)に下ろした垂線(R+T+u)の長さを200mmとすると、C軸とH軸はそれぞれ約6°傾けば良いことになる。この角度は次の数式1のようにして求められる。
H軸傾き(h)=tan−1{r*sinθ/(R+T+u)} …数式1
C軸のワーク(半径r=30mm)WKの中心から見た指定位置(θ=45°)に対応する座標は、仮想Y軸座標=30×sin45°=21.213、X座標=30×cos45°=21.213となる。この時H軸中心での角度はtan−1(21.213/200)=6.054°となる。
X軸変位(x)は、(R+T+u)/(cos(h))に基づいて求められ、H軸が+6°から−6°の間で回転すると、図5(b)の変位に示したような曲線を描く。またこの時、X軸は往復運動をするので、図5(b)の破線で示すように工具がC軸中心に向かう時(前半)はマイナス、遠ざかる時(後半)はプラスの速度となる。
従って、C軸及びH軸は、約6°から約−6°までを指定速度で補間し、補間中のC軸の各角度に対応したX位置を計算して移動させれば略直線で速やかにY軸の移動を実現できることになる。
大まかな手順は次の通りである。
<C軸データの出力>
1.C軸角度/C軸G0FdT=m(余りは切り上げ)を計算し、制御カウンタCTcにセットする。
2.C軸G0FdTを積算する(dx計算用)。
3.制御カウンタCTc=1になるまでG0FdTをIT(制御単位時間)毎に出力する。
4.CTc=1になれば残距離(角度)を出力する。
<X軸データの出力>
1.fx= dx/dtのdx値となる(R+T)×(cosθt−cosθt+1)を計算…cosθtは前回値であり、今回値のcosθt+1を計算し、差を計算する。
2.dx値をX軸のFdTとして、制御カウンタCTc=0になるまで出力する。
このとき、制御単位時間毎の各軸の位置は、下記の数式2〜4により計算される。速度は、この制御単位時間毎の前回との位置の差を制御単位時間で除した値となる。
θ=ΣFΔT…数式2
x=(R+T)×cosθ…数式3
y=(R+T)×tanθ…数式4
数式2において、FΔTは、例えば早送り時の制御単位時間当たりの回転角度である。
次に、ブロック図及びフローチャートを用いて詳細な制御内容を説明する。図2は、実施の形態1にかかる数値制御装置1の一構成例であり、図6は、この構成を用いて各種処理を制御するための手順を示すフローチャートの一例である。ここで示した制御内容は、1制御単位時間毎に実行されるものではなく、機能として表したものである。
数値制御装置1は、図2に示すように、以下の構成要素を備える。
入力操作部2は、例えばキーボード等を有し、キーボード等を介してユーザからの指示を受け付ける。入力制御部3は、入力操作部2から入力信号を取り込むためのインターフェースである。メモリ4は、各種情報を記憶する。例えば、メモリ4は、各種制御に必要なパラメータを記憶するパラメータ記憶エリア5、ワークを加工するための加工プログラムを格納するための加工プログラム記憶エリア6、数値制御装置1の制御中に各制御手段が適宜共有して使用する共有エリア7、表示部10に表示するための情報を格納する画面表示データエリア8を有する。画面処理部9は、画面表示データを表示部10上に表示させるためのインターフェースである。
解析処理部11は、加工プログラムを解析する。解析処理部11は、例えば、仮想Y軸指令処理手段12、Dカット指令処理手段13、及び仮想Y軸早送り指令処理手段(解析手段)16を有する。
仮想Y軸指令処理手段12は、仮想Y軸補間モード指令(例えば、図7(b)に示す「M111」や「M101」)を解析する。Dカット指令処理手段13は、Dカット加工指令(例えば、図7(b)に示す「G01 Y−50 F1000」)を解析する。仮想Y軸早送り指令処理手段16は、仮想Y軸の早送り指令(例えば、図7(b)に示す「G00 Y50」)を解析する。
補間処理部14は、制御モードに基づいて制御各軸の連続する各制御単位時間当たりの移動量を計算する。補間処理部14は、例えば、仮想Y軸補間処理手段15、C軸G0補間処理手段(C軸補間処理手段)17、及びC軸等速時X軸補間処理手段(X軸補間処理手段)18を有する。
仮想Y軸補間処理手段15は、仮想Y軸の移動指令に応じて、Y軸位置を補間する。C軸G0補間処理手段17は、解析された仮想Y軸の早送り指令に応じて、C軸角度を補間する。C軸等速時X軸補間処理手段18は、C軸G0補間処理手段17により補間されたC軸角度に基づいて、X軸位置を補間する。このとき、C軸等速時X軸補間処理手段18は、例えば、C軸の速度を等速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を補間する。これらの補間処理の詳細は後述する。
仮想Y軸制御処理部20は、X/Y平面演算手段21、X/Y→X/C座標変換手段22、及びDカット時Y軸早送り制御手段26を有する。Dカット時Y軸早送り制御手段26は、C軸分割数計算手段23、C軸分割位置対応X軸計算手段24、及びX軸移動量計算手段25を有する。
軸データ入出力部27は、補間処理部14から仮想Y軸制御処理部20経由で出力された各制御軸の移動データを、X軸サーボ制御部31、H軸サーボ制御部32、C軸サーボ制御部33に出力し、モータ駆動電力に変換してX、H、C軸の各サーボモータ41、42、43を駆動する。また、各軸サーボモータのエンコーダ等のフィードバックデータは各軸サーボ制御部31、32、33より軸データ入出力部27及び仮想Y軸制御処理部20を介してメモリ4に取り込まれる。
次に図2の構成による数値制御装置1の動作について説明するが、Dカット制御においてはC軸回転角度とタレット軸(H軸)回転角度とは等しいので、C軸のみを用いて説明する。
オペレータは、表示部10に表示されるガイダンスなどの情報に従って入力操作部2を操作し、加工に先立って加工作業に必要な情報をパラメータとして設定したり選択する。また、図示しない入力装置から加工プログラムをメモリ4の加工プログラム記憶エリア6に入力したり、複数の加工プログラムから所望の加工プログラムを選択して加工プログラム記憶エリア6に入力したりして、加工作業の準備を行なう。
加工作業の準備が整えば、数値制御装置1を起動して加工プログラムを順次読み取り、加工プログラムを解析・実行させる。解析処理部11が加工プログラム記憶エリア6から読み取るプログラムブロック(すなわち、加工プログラムの各行)を解析する。例えば、仮想Y軸制御のDカットモードにおいて、図7(b)に示す加工プログラムにおける「N104 M111」(Nはシーケンス番号、例えばM111を仮想Y軸補間モード指令とする)を読み取ると、仮想Y軸指令処理手段12が作動し、仮想Y軸補間キャンセル指令である例えばM101を読み取るまでY軸指令を読み取る毎に仮想Y軸補間処理手段15を作動させる。ここでN106乃至N109のようにDカットプログラムが入力されるとDカット指令処理手段13が作動し、X/Y平面演算手段21でプログラム指令値を工具補正を含むX及びY軸座標値に展開する。
続いて、X及びY軸座標値をX/Y→X/C座標変換手段22によりX、Y指令値に対応するC軸回転角度とX軸位置とに座標変換する。更に、その変換されたC軸回転角度とX軸位置とを仮想Y軸補間処理手段15で制御単位時間当たりの移動量に変換し、軸データ入出力部27を介して各サーボ制御部に出力し、各サーボモータを駆動して所望の加工を行なわせる。
仮想Y軸早送り指令処理手段16は、仮想Y軸補間モード中且つDカットプログラム中に、Y軸に早送りが指令された場合に作動し、通常のDカットと同様に、仮想Y軸補間処理手段15、X/Y平面演算手段21、X/Y→X/C座標変換手段22を作動させてX軸C軸に座標変換し、C軸優先制御モードにしてX軸C軸座標データ(回転角度)をC軸G0補間処理手段17に入力する。仮想Y軸早送り指令処理手段16は、Dカット時Y軸早送り制御手段26中のC軸分割数計算手段23を作動させ、その変換されたC軸回転角度データを所定の一定速度(例えばG0速度)に対応する制御単位時間当たりの回転角度(θdTとする)で割り、C軸分割数(余りは切り上げ)を求め、記憶する。所定の一定速度は、例えばC軸分割数計算手段23に予め設定されている。
Dカット実行に際しては、C軸G0補間処理手段17は、C軸現在位置(角度)に制御単位時間毎に分割数分だけ順次θdTを加算し、θdTを軸データ入出力部27に出力する。但し、最終回のみ残角度を使用する。
C軸等速時X軸補間処理手段18は、C軸分割位置対応X軸計算手段24を作動させ、時間dT毎に変化するC軸の分割位置に対応したX軸位置を計算する。このとき、C軸等速時X軸補間処理手段18は、仮想Y軸の軌跡が直線になるように、所定の変換式によりX軸位置を計算する。X軸移動量計算手段25は、今回求められたX軸位置と前回のX軸位置との差から制御単位時間当たりの移動量(FdTとする)を計算し、軸データ入出力部27に出力する。
なお、この説明の冒頭で述べたように、H軸はC軸と同じ指令値で制御されるので、C軸に把持されたワークWKのY軸面に対して工具底面が常時垂直になるようにH軸が回転駆動され、ワークWKに対して工具は正しく位置制御される。
図6は、図2の構成によるNC装置に於ける、仮想Y軸制御中のDカット加工時の仮想Y軸の早送り指令(G0)の処理内容を示したものである。ここでもH軸はC軸の計算結果を利用するのでH軸の説明は割愛する。
Step1では、加工プログラムを読み込み、仮想Y軸補間指令(この例ではM111)や仮想Y軸補間キャンセル指令(この例ではM101)を読み取る。
Step2では、仮想Y軸補間指令に応じて仮想Y軸補間モードフラグをセットしたり、仮想Y軸補間キャンセル指令に応じて仮想Y軸補間モードフラグをリセットしたりするなど、仮想Y軸制御に関連する命令の処理を行なう。また、X軸及びY軸の指令位置を計算する。
Step3では、X軸及びY軸の指令位置に対して工具補正を行なったX軸及びY軸の座標位置を計算し、更にこのX軸及びY軸の座標位置に対応するC軸角度とX軸位置とを計算する。
Step4では、Y軸G0移動指令値に対応するC軸角度を、C軸のG0速度または別設定の速度に対応する制御単位時間当たりの移動量(回転角度)例えばθ0dTで割ってC軸の分配回数を計算(余りは切り上げ)し、メモリ4中のC軸分配カウンタCTc(制御カウンタCTcと同じものである)にセットする。
Step5では、C軸分配カウンタCTcの内容が“0”か否かをチェックし、初回で且つデータが無い、またはC軸の分配が完了しているか否を判断する。内容が0の場合(Step5で「Yes」)、分配を完了しているので処理は不要であり終了する。内容が0でない場合(Step5で「No」)、処理をStep6に進める。
Step6では、C軸分配カウンタCTcの内容が“1”か否かをチェックする。これは分配処理が別処理となっている最終回であるか否かを判定するものである。内容が1でない場合(Step6で「No」)、最終回でないので、処理を次のStep7に進め、内容が“1”である場合(Step6で「Yes」)、処理を、残距離処理となるStep10に進める。
Step7乃至Step9は、Y軸G0指令に対してC軸を一定速度で先に計算された回数分、分配データを出力する処理である。
Step7では、C軸を例えばG0速度で回転駆動させるとして、G0速度に対応するθdTを出力レジスタにセットする。また、C軸現在位置(角度)に出力するθdTを加算し、位置情報を更新する。更に更新されたC軸角度に対応するX軸位置を計算し、前回X軸位置との差をX軸の制御単位時間当たりの移動量FdTとして出力レジスタにセットする。
Step8では、Step7で出力レジスタにセットしたC軸とX軸との制御単位時間当たりの移動量θdTとFdTとを軸データ入出力部27に出力する。また、C軸分配カウンタCTcをデクリメントする。
Step9では、C軸分配カウンタCTcの内容が“1”となったか否かをチェックする。内容が“1”でない場合(Step9で「No」)、C軸分配制御が未だ残っている(最終回は除く)ので、処理をStep7に戻し、Step7とStep8とで次の制御単位時間の分配処理を行なう。内容が“1”である場合(Step9で「Yes」)、最終回の処理を行なうために、処理をStep10に進める。
Step10では、Step7と同じように、分配角度を処理するが、ここでは最終処理であるので、指令角度に対して端数となる残距離(角度)を出力することになる。X軸も同様にC軸の指令角度に対応する位置までのFdTが計算される。
Step11では、Step10で出力レジスタにセットしたC軸とX軸との制御単位時間当たりの移動量θ1dT(残角度となる)とFdTを軸データ入出力部27に出力する。また、C軸分配カウンタCTcをデクリメントする。
以上の処理により仮想Y軸制御のDカットプログラム中の仮想Y軸の早送り指令(G0)は、C軸をG0またはこれに相当する一定速度で回転させるので、速度クランプ等に影響されること無く最短時間で実行される。なお、上記説明においてもH軸はC軸用に計算された指令値を利用して制御され、同様の動作をするので説明は割愛している。
以上のように、実施の形態1では、数値制御装置1において、仮想Y軸早送り指令処理手段16が、仮想Y軸によるDカットモード中にY軸に与えられた仮想Y軸の早送り指令を解析し、C軸G0補間処理手段17が、解析された仮想Y軸の早送り指令に応じて、C軸角度を補間する。例えば、C軸G0補間処理手段17は、速度クランプの作動しない一定速度Vc(図3(b)参照)で補間する。C軸等速時X軸補間処理手段18は、C軸G0補間処理手段17により補間されたC軸角度に基づいて、X軸位置を補間する。例えば、C軸等速時X軸補間処理手段18は、制御点がY軸経路上に位置するようにC軸の各補間位置(角度)に対応するX座標値を計算することで、X軸位置を補間する。そして、数値制御装置1は、これらの各軸の移動量の計算結果をX軸、C軸、H軸、Z軸の各軸サーボ制御部31〜33に出力することにより、C軸の速度を等速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する(図3(b)〜(d)参照)。これにより、Dカット加工後の戻り動作などの仮想的なY軸移動を早送りで行うブロックにおけるC軸の速度を全体的に高速に維持でき、高速に仮想Y軸の早送りを実行できるので、実行中のブロックの実行時間を効果的に短縮できる。これにより、Y軸を有さない工作機械MTによる加工のサイクルタイムを効率的に低減でき、数値制御装置による加工の生産性を向上できる。
また、実施の形態1では、数値制御装置1が、C軸の速度をC軸の許容速度範囲における最高速度Vcmax(G0速度)に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する。これにより、仮想Y軸の早送りをきわめて高速に実行させることができる。
なお、実施の形態1では、C軸の補間は、例えばC軸のG0速度に対応した一定値としてのFdT(θ0dT)とC軸分配カウンタCTcの内容により、分配回数に基づいた制御を行なっているが、毎回、残距離(角度)とG0とを含む速度指令値から制御単位時間当たりの移動量FdTを計算して出力するという方法で行なってもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる数値制御装置1iについて図8を用いて説明する。図8は、実施の形態2にかかる数値制御装置1iの構成を示す図である。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、C軸の速度を維持させるべき所定の一定速度が、数値制御装置1に(例えばC軸分割数計算手段23に)予め設定されているものとしているが、実施の形態2では、C軸の速度を維持させるべき一定速度をC軸の許容速度範囲から選択できるようにする。
具体的には、数値制御装置1iの仮想Y軸制御処理部20iは、図8に示すように、選択手段28iをさらに有する。選択手段28iは、C軸の許容速度範囲から1つの速度を選択する。
例えば、図9(b)に示すような離散的な複数の速度Vc、Vc’、Vc”をテーブル等の形式で用意しておき、選択手段28iは、その複数の速度Vc、Vc’、Vc”から1つの速度を選択してもよい。複数の速度Vc、Vc’、Vc”のそれぞれは、例えば、図9(a)〜(d)に示すように、比較例1、2におけるクランプ前のC軸の速度Vc1で実行させた場合より短時間でC軸を回転させることができるものとして予め実験的に取得されたものである。速度Vcは、例えば、実施の形態1と同様の値であり、例えば、最高速度Vcmax(G0速度)である。例えば、速度を重視する場合に、速度Vcが選択され、例えば、精度を重視する場合に、速度Vc”が選択される。
あるいは、例えば、図9(b)に示すような連続的な選択範囲SRを用意しておき、選択手段28iは、その選択範囲SRから1つの速度を選択してもよい。選択範囲SRは、例えば、比較例1、2におけるクランプ前のC軸の速度Vc1で実行させた場合より短時間でC軸を回転させることができるものとして予め実験的に取得されたものである。選択範囲SRの上限の速度Vcは、例えば、実施の形態1と同様の値であり、例えば、最高速度Vcmax(G0速度)である。例えば、速度を重視する場合に、選択範囲SRの上限付近の速度が選択され、例えば、精度を重視する場合に、選択範囲SRの下限付近の速度が選択される。
そして、C軸分割数計算手段23は、X/Y→X/C座標変換手段22により変換されたC軸回転角度データを、選択手段28iにより選択された速度に対応する制御単位時間当たりの回転角度(θdTとする)で割り、C軸分割数(余りは切り上げ)を求める。これにより、数値制御装置1iは、C軸の速度を選択手段28iにより選択された1つの速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する。
このように、実施の形態2では、数値制御装置1iにおいて、選択手段28iが、C軸の許容速度範囲から1つの速度を選択する。そして、数値制御装置1iは、C軸の速度を選択手段28iにより選択された1つの速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する。これにより、C軸の速度を維持すべき一定速度について自由度の高い制御を実現でき、仮想Y軸の早送りの応用範囲を広げることができる。
以上のように、本発明にかかる数値制御装置は、工作機械の制御に有用である。
1、1i 数値制御装置
2 入力操作部
3 入力制御部
4 メモリ
5 パラメータ記憶エリア
6 加工プログラム記憶エリア
7 共有エリア
8 画面表示データエリア
9 画面処理部
10 表示部
11 解析処理部
12 仮想Y軸指令処理手段
13 Dカット指令処理手段
14 補間処理部
15 仮想Y軸補間処理手段
16 仮想Y軸早送り指令処理手段
17 C軸G0補間処理手段
18 C軸等速時X軸補間処理手段
20、20i 仮想Y軸制御処理部
21 X/Y平面演算手段
22 X/Y→X/C座標変換手段
23 C軸分割数計算手段
24 C軸分割位置対応X軸計算手段
25 X軸移動量計算手段
26 Dカット時Y軸早送り制御手段
27 軸データ入出力部
28i 選択手段
31 X軸サーボ制御部
32 H軸サーボ制御部
33 C軸サーボ制御部
41、42、43 サーボモータ

Claims (3)

  1. 工具が取り付けられるタレットを移動させるX軸と、前記タレットを回転させるH軸と、ワークを回転させるC軸とを有し、前記X軸に直交するY軸を有さない工作機械を制御する数値制御装置であって、
    加工プログラム中のX−Y軸移動指令をX−H−C座標系での指令に変換し、変換した指令の解析結果を補間してX軸、H軸およびC軸を連動駆動する仮想Y軸補間モードにおいて、仮想Y軸の早送り指令を解析する解析手段と、
    前記解析された仮想Y軸の早送り指令に応じて、C軸角度を補間するC軸補間処理手段と、
    前記補間されたC軸角度に基づいて、X軸位置を補間するX軸補間処理手段と、
    を備え、
    前記数値制御装置は、C軸の速度を等速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する
    ことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記等速度は、C軸の許容速度範囲における最高速度であり、
    前記数値制御装置は、C軸の速度を前記最高速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. C軸の許容速度範囲から1つの速度を選択する選択手段をさらに備え、
    前記数値制御装置は、C軸の速度を前記選択された1つの速度に維持しながらC軸を回転させるとともに、仮想Y軸が略直線で移動するように、X軸位置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
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