JP5158322B2 - 光学補償フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、光学補償フィルム、特に液晶表示素子用の光学補償フィルム及びその製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話からコンピューター用モニター、ノートパソコン、テレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。
特に光学補償フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償などに大きな役割を果たしている。液晶の表示方式に合わせて光学補償フィルムは、設計されているが、特に、比較的大型のモニターや液晶テレビで主流となっている、VA−モード(垂直配向型)や高速応答性に優れたOCBモードの液晶表示方式の光学補償フィルムとしては、ポリカーボネートや環状ポリオレフィン、セルロース系樹脂の二軸延伸フィルムと一軸延伸フィルムの積層体が用いられている。これら延伸フィルムは延伸により光学補償に必要な位相差を発現させる訳であるが、延伸工程、特に二軸延伸工程において、位相差の均一性を求めることが困難となる、等の課題がある。特に大面積のフィルムにおいては位相差の制御を行うことがよりいっそう困難となる。
この延伸による課題を解決する方法として、塗工(コーティング)による光学補償膜の検討がなされている。アクロン大学のハリス及びチェンは、剛直棒状のポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(アミド−イミド)、ポリ(エステル−イミド)よりなる光学補償膜を提案している(例えば特許文献1,2参照。)。これらの材料は、自発的な分子配向性を有していることから塗工により延伸工程を経ることなく位相差を発現するという特徴があり、これらの塗工膜と一軸延伸フィルムを組み合わせることにより光学補償フィルムを効率よく製造することが出来る。
更に、ポリイミドの塗工性(溶剤への溶解性)を向上したポリイミドからなる光学補償膜(例えば特許文献3参照。)、ディスコティック液晶化合物が偏光板の保護フィルムに塗工された偏光板(例えば特許文献4参照。)、等が提案されている。
米国特許第5344916号公報 特表平10−508048号公報 特開2005−070745号公報 特許第2565644号公報
しかし、特許文献1〜3において提案された方法で用いられるポリマーは、芳香族ポリマーであることから位相差の波長依存性が大きく、液晶表示素子の光学補償膜として用いた場合に色ずれなど画質低下の課題を有するものであった。
また、特許文献4に提案されているディスコティック液晶化合物を用いる方法は、液晶化合物を均一に配向させることが必要となり塗工プロセスが煩雑化する、配向ムラが大きい等の課題を有するばかりか、該液晶化合物も芳香族化合物が主体となることから位相差の波長依存性が大きいという品質上の課題も有するものであった。
そこで、本発明は、光学特性に優れた光学補償フィルムを提供することを目的とするものであり、さらに詳しくは、塗工した際に光学補償機能を発現すると共に、その位相差の波長依存性の小さな光学補償膜と延伸フィルムからなる光学補償フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題に関し鋭意検討した結果、マレイミド系樹脂からなる塗工膜が光学補償機能を有する膜、特に液晶表示素子用の光学補償に好適な塗工型光学補償膜となり、該補償膜と延伸フィルムからなる光学補償フィルムが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、マレイミド系樹脂からなる塗工膜層(A)および延伸フィルム層(B)からなることを特徴とする光学補償フィルムに関するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の光学補償フィルムは、マレイミド系樹脂からなる塗工膜層(A)および延伸フィルム層(B)からなるものである。
本発明の光学補償フィルムを構成する塗工膜層(A)は、マレイミド系樹脂からなる塗工膜であり、該マレイミド系樹脂としては、例えばN−置換マレイミド重合体樹脂、N−置換マレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂等が挙げられ、該マレイミド系樹脂を構成するN−置換マレイミド残基単位としては、例えば下記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位を挙げることができる。
Figure 0005158322
(ここで、Rは、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基,分岐状アルキル基,環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基を示す。)
該N−置換マレイミド残基単位の具体的例示としては、N−メチルマレイミド残基単位、N−エチルマレイミド残基単位、N−クロロエチルマレイミド残基単位、N−メトキシエチルマレイミド残基単位、N−n−プロピルマレイミド残基単位、N−イソプロピルマレイミド残基単位、N−n−ブチルマレイミド残基単位、N−イソブチルマレイミド残基単位、N−s−ブチルマレイミド残基単位、N−t−ブチルマレイミド残基単位、N−ヘキシルマレイミド残基単位、N−シクロヘキシルマレイミド残基単位、N−オクチルマレイミド残基単位、N−ラウリルマレイミド残基単位等の1種又は2種以上が挙げられ、特に位相差が発現しやすく、溶剤への溶解性、機械的強度に優れるマレイミド系樹脂となることから、N−n−ブチルマレイミド残基単位、N−イソブチルマレイミド残基単位、N−s−ブチルマレイミド残基単位、N−t−ブチルマレイミド残基単位、N−ヘキシルマレイミド残基単位、N−オクチルマレイミド残基単位が好ましい。
該N−置換マレイミド重合体樹脂としては、例えばN−メチルマレイミド重合体樹脂、N−エチルマレイミド重合体樹脂、N−クロロエチルマレイミド重合体樹脂、N−メトキシエチルマレイミド重合体樹脂、N−n−プロピルマレイミド重合体樹脂、N−イソプロピルマレイミド重合体樹脂、N−n−ブチルマレイミド重合体樹脂、N−イソブチルマレイミド重合体樹脂、N−s−ブチルマレイミド重合体樹脂、N−t−ブチルマレイミド重合体樹脂、N−ヘキシルマレイミド重合体樹脂、N−シクロヘキシルマレイミド重合体樹脂、N−オクチルマレイミド重合体樹脂、N−ラウリルマレイミド重合体樹脂等を挙げることができる。
該N−置換マレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂としては、例えばN−メチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−エチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−クロロエチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−メトキシエチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−n−プロピルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−イソプロピルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−n−ブチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−イソブチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−s−ブチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−t−ブチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−ヘキシルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−シクロヘキシルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂、N−ラウリルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂等を挙げることができる。
その中でも、特に製膜時の成膜性に優れ、光学補償機能、耐熱性に優れた光学補償フィルムとなることからN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂、N−ヘキシルマレイミド重合体樹脂、N−オクチルマレイミド重合体樹脂、N−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂であることが好ましい。
また、該塗工膜層(A)を構成するマレイミド系樹脂は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいてN−置換マレイミド残基単位、無水マレイン酸残基単位以外の残基単位を含有するものであってもよく、該残基単位としては、例えばスチレン残基単位、α−メチルスチレン残基単位等のスチレン類残基単位;アクリル酸残基単位;アクリル酸メチル残基単位、アクリル酸エチル残基単位、アクリル酸ブチル残基単位等のアクリル酸エステル残基単位;メタクリル酸残基単位;メタクリル酸メチル残基単位、メタクリル酸エチル残基単位、メタクリル酸ブチル残基単位等のメタクリル酸エステル残基単位;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基等のビニルエステル類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基等の1種又は2種以上を挙げることができる。
また、該マレイミド系樹脂としては、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10以上のものであることが好ましく、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れた塗工膜層(A)となることから2×10以上2×10以下であることが好ましい。
該塗工膜層(A)を構成するマレイミド系樹脂の製造方法としては、該マレイミド系樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、例えばN−置換マレイミド類、無水マレイン酸、場合によってはN−置換マレイミド類と共重合可能な単量体を併用しラジカル重合あるいはラジカル共重合を行うことにより製造することができる。この際のN−置換マレイミド類としては、例えばN−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−クロロエチルマレイミド、N−メトキシエチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド等の1種又は2種以上が挙げられ、共重合可能な単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル等の1種又は2種以上を挙げることができる。
また、ラジカル重合法としては、公知の重合方法で行うことが可能であり、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン(THF);アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水;N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明の光学補償フィルムを構成する塗工膜(A)は、該マレイミド系樹脂からなる塗工膜であり、特に光学補償機能に優れたものである。そして高分子よりなるフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合、一般的にフィルムの3次元屈折率の制御をフィルムの延伸などにより行うが、該延伸工程には製造工程や品質の管理が複雑になったりする等の課題がある。それに反し、本発明者は、マレイミド系樹脂からなる塗工膜が未延伸の状態で膜の厚み方向の屈折率が小さくなるという特異な挙動を示すことを見出している。
そして、本発明の光学補償フィルムは特に光学補償機能に優れたものとなることから、該塗工膜層(A)として面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向(厚み方向)をz軸とし、x軸方法の屈折率をnx1、y軸方向の屈折率をny1、z軸方向の屈折率をnz1とした際の塗工膜の3次元屈折率の関係がnx1≒ny1>nz1である塗工膜層であることが好ましい。
また、該塗工膜層(A)は、膜厚み方向の位相差量(Rth)が該マレイミド系樹脂からなる塗工膜層の厚みにより容易に制御することが可能であり、位相差フィルムとしての適応が期待できる光学補償フィルムとなることから、測定波長589nmの光で測定した際に下記式(2)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲にあることが好ましく、特に液晶表示素子の視野角改善効果に優れたものとなることから50〜1000nmの範囲にあることが好ましく、さらに80〜500nmの範囲にあることが好ましい。
Rth=((nx1+ny1)/2−nz1)×d1 (2)
(ここで、d1は塗工膜層(A)の膜厚(nm)を示す。)
該塗工膜層(A)は、液晶表示素子に用いた際に色ずれの小さい液晶表示素子となることから位相差量の波長依存性が小さいものであることが好ましく、特に塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が1.1以下、特に1.08以下であること好ましい。
該塗工膜層(A)は、得られる光学補償フィルムを液晶表示素子に用いた際に画質の特性が良好なものとなることから、JIS K 7361−1(1997年版)を準拠し測定した光線透過率が85%以上であることが好ましく特に90%以上であることが好ましい。また、JIS K 7136(2000年版)を準拠し測定したヘーズ(曇り度)が、2%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。
また、該塗工膜層(A)は、得られる光学補償フィルムを液晶表示素子に用いた際の品質の安定性から耐熱性が高いものであることが好ましく、ガラス転移温度が100℃以上であることが好ましく、特に120℃以上であることが好ましく、更に135℃以上であることが好ましい。
本発明の光学補償フィルムを構成する延伸フィルム層(B)は、延伸された透明フィルムからなるものであり、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂などからなるフィルムを挙げることができ、その中でも正の複屈折性を有するポリカーボネート製一軸延伸フィルム、ポリエーテルサルフォン製一軸延伸フィルム、環状ポリオレフィン製一軸延伸フィルム、セルロース系樹脂製一軸延伸フィルムが好ましく、特に位相差の波長依存性の小さい光学補償フィルムとなることから環状ポリオレフィン系樹脂よりなる延伸フィルム層であることが好ましい。ここで正の複屈折性とは、延伸フィルムのフィルム面内の延伸方向をx2軸、延伸方向と直交するフィルム面内方向をy2軸、フィルム面外(厚み)方向をz2軸とし、x2軸方向の屈折率をnx2、y2軸方向の屈折率をny2、z2軸方向の屈折率をnz2とした際の、フィルムの3次元屈折率の関係が、nx2>ny2≧nz2となる性質を言う。
また、該延伸フィルム層(B)は、得られる光学補償フィルムが、位相差フィルムとしての適応が期待できることから、測定波長589nmの光で測定した際に下記式(3)で示される面内位相差量(Re)が20〜1000nmの範囲にあることが好ましく、特に液晶表示素子の視野角改善効果に優れたものとなることから50〜500nm、さらに80〜300nmの範囲にあることが好ましい。また、この際該延伸フィルム層(B)は、複数の延伸フィルムより構成することも可能であり、例えば液晶セルの両面に二枚用いる場合には、一枚あたりの面内位相差量(Re)は、上記の半分でよい。
Re=(nx2−ny2)×d2 (3)
(ここで、d2は延伸フィルム層(B)の膜厚(nm)を示す。)
該延伸フィルム層(B)を構成する延伸フィルムは、溶液キャスト法や溶融押し出し法で製造したフィルムを公知の延伸装置で延伸することにより製造することが出来る。また、市販品として入手することも可能である。
本発明の光学補償フィルムは、該塗工層(A)及び該延伸フィルム層(B)よりなるものであり、液晶表示素子用光学補償フィルムとして適したものであり、その中でも特に液晶表示素子に用いた際に画質の特性が良好なものとなることから、JIS K 7361−1(1997年版)を準拠し測定した光線透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。また、JIS K 7136(2000年版)を準拠し測定したヘーズ(曇り度)は2%以下が好ましく、特に1%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の光学補償フィルムは、フィルム面内の遅相軸方向をx3軸、該x3軸に直交するフィルム面内方向をy3軸、フィルム面外(厚み)方向をz3軸とし、x3軸方向の平均屈折率をnx3、y3軸方向の平均屈折率をny3、z3軸方向の平均屈折率をnz3とし、測定波長589nmの光で測定した際に下記式(4)より示される配向パラメーター(Nz)が、1.1以上であることが好ましく、特に1.3以上、更には2.0以上であることが好ましい。
Nz=(nx3−nz3)/(nx3−ny3) (4)
本発明の光学補償フィルムは、マレイミド系樹脂からなる塗工膜層(A)と延伸フィルム層(B)からなるものであり、その好ましい製造方法として、例えば1)ガラス基板やフィルム基材上にマレイミド系樹脂溶液を塗布することにより製造した塗工膜と延伸フィルムを積層する方法、2)液晶セルの片面にマレイミド系樹脂からなる塗工膜を配し、他面に延伸フィルムを配する方法、3)延伸フィルム上にマレイミド系樹脂溶液を塗布し乾燥し塗工膜を製造する方法、等をあげることができ、その中でも、より容易に本発明の光学補償フィルムを製造することが可能となることから、延伸フィルム上にマレイミド系樹脂溶液を塗布し乾燥し塗工膜を製造し、光学補償フィルムとする方法が好ましい。
そして、塗工膜層(A)の製造方法としては、マレイミド系樹脂を溶媒に溶解した溶液を、ガラス基板、フィルム基材、延伸フィルム上に塗工した後、加熱等により溶媒を除去する方法が挙げられる。その際の塗工方法としては、例えばドクターブレード法、バーコーター法、グラビアコーター法、スロットダイコーター法、リップコーター法、コンマコーター法等が用いられる。工業的には薄膜塗工はグラビアコーター法、厚膜塗工はコンマコーター法が一般的である。使用する溶剤については特に制限はなく、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、デカン等の炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらは2種類以上組み合わせて用いることが出来る。溶液塗布において、高い透明性を有し、且つ厚み精度、表面平滑性に優れた塗工を行い、優れた品質の光学補償フィルムとすることが可能となることから、マレイミド系樹脂溶液の溶液粘度を10〜10000cpsとすることが好ましく、特に10〜5000cpsとすることが好ましい。
また、マレイミド系樹脂の塗布厚は、塗工膜層(A)の厚み方向の位相差量により決められ、その中でも優れた表面平滑性、視野角改良効果を有する光学補償フィルムとなることから、乾燥後1〜200μm、好ましくは5〜100μm、特に好ましくは10μmから50μmの範囲である。
本発明の光学補償フィルムは、偏光板と積層して用いることもできる。
また、本発明の光学補償フィルムは、熱安定性を高めるために酸化防止剤が配合されていても良い。該酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独又は併用して用いても良い。そして、相乗的に酸化防止作用が向上することからヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用して用いることが好ましく、その際には例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤100重量部に対してリン系酸化防止剤を100〜500重量部で混合して使用することが特に好ましい。また、酸化防止剤の添加量としては、本発明の光学補償フィルムを構成する樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.5〜1重量部の範囲であることが好ましい。
さらに、紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエートなどの紫外線吸収剤を必要に応じて配合していてもよい。
本発明の光学補償フィルムは、発明の主旨を越えない範囲で、その他ポリマー、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等が配合されたものであってもよい。
本発明の光学補償フィルムは、光学補償機能を有する塗工膜層と延伸フィルム層からなり、液晶表示素子、特にVA−モードやOCB−モードの液晶ディスプレイのコントラストや視角特性の改良に有効な光学補償フィルムとして有用なものである。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
〜マレイミド系樹脂の数平均分子量の測定〜
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、ジメチルホルムアミドを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
〜ガラス転移温度の測定〜
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
〜光線透過率の測定〜
透明性の一評価として、JIS K 7361−1(1997年版)に準拠して光線透過率の測定を行った。
〜ヘーズの測定〜
透明性の一評価として、JIS K 7136(2000年版)に準拠してヘーズの測定を行った。
〜屈折率の測定〜
JIS K 7142(1981年版)に準拠してアッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。
〜3次元屈折率の計算〜
塗工膜層の3次元屈折率は、試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−WR)を用いて仰角を変えて測定波長589nmの光で測定した。さらに、3次元屈折率より下記式(5)に示される式により面外位相差(Rth)を算出した。
Rth=((nx1+ny1)/2−nz1)×d1 (5)
(ここで、nx1、ny1、nz1は、塗工膜層の面内で直交する任意の2軸をx1軸、y1軸とし、面外方向をz1軸とした際のx1軸方向の屈折率、y1軸方向の屈折率、z1軸方向の屈折率のそれぞれを示し、d1は塗工膜層の厚み(nm)を示す。)
位相差の波長依存性(R450/R589)は、塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示した。
延伸フィルム層の面内位相差量(Re)は、塗工膜層の3次元屈折率の測定と同様の測定を行い、下記式(6)により算出した。
Re=(nx2−ny2)×d2 (6)
(ここで、nx2、ny2、nz2は、延伸フィルムのフィルム面内の延伸方向をx2軸、延伸方向と直交するフィルム面内方向をy2軸、フィルム面外(厚み)方向をz2軸とした際のx2軸方向の屈折率、y2軸方向の屈折率、z2軸方向の屈折率のそれぞれを示し、d2は延伸フィルム層の厚み(nm)を示す。)
光学補償フィルムのフィルム面内の位相差量(Re1)は、塗工膜層の3次元屈折率の測定と同様の測定を行い、下記式(7)により算出した。
Re1=((nx3−ny3)×d3 (7)
(ここで、nx3、ny3、nz3は、光学補償フィルムのフィルム面内の遅相軸方向をx3軸、該x3軸に直交するフィルム面内方向をy3軸、フィルム面外(厚み)方向をz3軸とした際のx3軸方向の平均屈折率、y3軸方向の平均屈折率、z3軸方向の平均屈折率のそれぞれを示し、d3は光学補償フィルムの厚み(nm)を示す。)
光学補償フィルムの配向パラメーター(Nz)は下記式(8)により算出した。
Nz=(nx3−nz3)/(nx3−ny3) (8)
合成例1(N−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド32.4g、重合開始剤としてジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.054gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し20gのN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は120000であった。
合成例2(N−n−オクチルマレイミド重合体樹脂の製造例)
ガラス封管中に、N−n−オクチルマレイミド28g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.032gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し15gのN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は270000であった。
合成例3(N−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂の製造例)
ガラス封管中に、N−n−オクチルマレイミド26g、無水マレイン酸4.8g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.04gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し18gのN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂を得た。得られたN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂は、無水マレイン酸残基単位を20重量%含有するものであり、数平均分子量は140000であった。
製造例1(環状ポリオレフィン樹脂一軸延伸フィルムの製造例)
環状ポリオレフィン樹脂(エステル基を有するポリノルボルネンの水素添加体、アルドリッチ製)を塩化メチレン溶液に溶解し25%溶液とし、さらに環状ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.35重量部およびペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.15重量部、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール1重量部を添加した後、Tダイ法により溶液流延装置の支持体に流延し、40℃、80℃および120℃で乾燥した後、幅250mm、厚み100μmのフィルムを得た。得られたフィルムを一片50mmの正方形に裁断し、二軸延伸装置(井元製作所製)を用いて、温度180℃、延伸速度15mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し+100%延伸した。
得られた延伸フィルムは、正の複屈折性を示し、3次元屈折率はnx2=1.5124、ny2=1.5090、nz2=1.5090でありnx2>ny2=nz2であった。該延伸フィルムの面内位相差量(Re)は121nmであった。また、フィルム面内の位相差量の波長依存性(R450/R550)は1.01であった。
実施例1
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂をクロロホルムに溶解し12%溶液とし、コーターによりガラス基板に流延し、室温で24時間乾燥しガラス基板上に塗工膜を得た。そして、幅50mm、厚み20μmの塗工膜フィルムとし、塗工膜フィルムのガラス転移温度(Tg)を測定したところ179℃であった。
得られた塗工膜は、光線透過率91.6%、ヘーズ0.6であり、3次元屈折率はnx1=1.51607、ny1=1.51607、nz1=1.50954であった。また、フィルムの面内位相差量は0nmであり、Rth=130.6nmであった。さらに位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であり、光学補償膜としての機能を有するものであった。
得られた塗工膜と製造例1で得られた延伸フィルムとを積層し積層フィルムを製造した。
得られた積層フィルムは、光線透過率90.2%、ヘーズ0.8%、フィルムの面内位相差量(Re1)は121nm、配向パラメーター(Nz)は2.14であり、光学補償フィルムとしての機能を有するものであった。
実施例2
合成例2で得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂をクロロホルムに溶解し16%溶液とし、コーターによりガラス基板に流延し、室温で24時間乾燥しガラス基板上に塗工膜を得た。そして、幅50mm、厚み50μmの塗工膜フィルムとし、塗工膜フィルムのTgを測定したところ145℃であった。
得られた塗工膜は、光線透過率92.78%、ヘーズ0.9であり、3次元屈折率はnx1=1.51049、ny1=1.51049、nz1=1.50833であった。また、フィルムの面内位相差量は0nmであり、Rth=108nmであった。さらに位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であり、光学補償膜としての機能を有するものであった。
得られた塗工膜と製造例1で得られた延伸フィルムとを積層し積層フィルムを製造した。
得られた積層フィルムは、光線透過率90.2%、ヘーズ0.8%、フィルムの面内位相差量(Re1)は121nm、配向パラメーター(Nz)は1.36であり光学補償フィルムとしての機能を有するものであった。
実施例3
合成例3で得られたN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂をクロロホルムに溶解し16%溶液とし、コーターによりガラス基板に流延し、室温で24時間乾燥しガラス基板上に塗工膜を得た。そして、幅50mm、厚み50μmの塗工膜フィルムとし、塗工膜フィルムのTgを測定したところ156℃であった。
得られた塗工膜は、光線透過率92.0%、ヘーズ0.7であり、3次元屈折率はnx1=1.51593、ny1=1.51593、nz1=1.51193であった。また、フィルムの面内位相差量は0.3nmであり、Rth=200nmであった。さらに位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であり、光学補償膜としての機能を有するものであった。
得られた塗工膜と製造例1で得られた延伸フィルムとを積層し積層フィルムを製造した。
得られた積層フィルムは、光線透過率、90.4%、ヘーズ0.9%、フィルムの面内位相差量(Re1)は121nm、配向パラメーター(Nz)は2.53であり、光学補償フィルムとしての機能を有するものであった。
実施例4
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂をクロロホルムに溶解し12%溶液とし、製造例1で得られた延伸フィルム上に流延し、室温で24時間乾燥し環状ポリオレフィン系樹脂延伸フィルム上に塗工膜を有する積層フィルムを得た。そして、該積層フィルムの一部から塗工膜を剥離し、幅50mm、厚み20μmの塗工膜とし、塗工膜のガラス転移温度(Tg)を測定したところ179℃であった。
得られた塗工膜は、光線透過率91.5%、ヘーズ0.6であり、3次元屈折率はnx1=1.51606、ny1=1.51606、nz1=1.50954であった。また、フィルムの面内位相差量は0nmであり、Rth=130.4nmであった。さらに位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であり光学補償膜としての機能を有するものであった。これらの特性は、実施例1とほぼ同等の特性であった。さらに、得られた積層フィルムのまま光学特性を評価したところ光線透過率91.5%、ヘーズ0.6%、フィルムの面内位相差量(Re1)121nm、配向パラメーター(Nz)2.14であり、光学補償フィルムとしての機能を有するものであった。

Claims (12)

  1. マレイミド系樹脂からなる塗工膜層(A)であって延伸していない塗工膜層、および延伸フィルム層(B)からなることを特徴とする光学補償フィルム。
  2. 下記一般式(1)で示されるマレイミド残基単位よりなるマレイミド系樹脂からなる塗工膜層(A)であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
    Figure 0005158322
    (ここで、Rは、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基,分岐状アルキル基,環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基を示す。)
  3. 上記一般式(1)で示されるマレイミド残基単位及び無水マレイン酸残基単位よりなるマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂よりなる塗工膜層(A)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償フィルム。
  4. 塗工膜層の面内で直交する任意の2軸をx1軸、y1軸とし、面外方向をz1軸とし、x1軸方向の屈折率をnx1、y1軸方向の屈折率をny1、z1軸方向の屈折率をnz1とした際の3次元屈折率関係がnx1≒ny1>nz1である塗工膜層(A)からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償膜フィルム。
  5. 測定波長589nmの光で測定した際に下記式(2)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲内にある塗工膜層(A)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償フィルム。
    Rth=((nx1+ny1)/2−nz1)×d1 (2)
    (ここで、d1は塗工膜層(A)の膜厚(nm)を示す。)
  6. 塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が、1.1以下である塗工膜層(A)からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  7. 延伸フィルムのフィルム面内の延伸方向をx2軸、延伸方向と直交するフィルム面内方向をy2軸、フィルム面外(厚み)方向をz2軸とし、x2軸方向の屈折率をnx2、y2軸方向の屈折率をny2、z2軸方向の屈折率をnz2とした際の、フィルムの3次元屈折率の関係が、nx2>ny2≧nz2であり、測定波長589nmの光で測定した際に下記式(3)にて示される面内位相差(Re)が20nm以上の延伸フィルム層(B)からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学補償フィルム。
    Re=(nx2−ny2)×d2 (3)
    (ここで、d2は延伸フィルム層(B)の膜厚(nm)を示す。)
  8. ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びセルロース系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種類以上の樹脂よりなる延伸フィルム層(B)からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  9. 光学補償フィルムのフィルム面内の遅相軸方向をx3軸、該x3軸に直交するフィルム面内方向をy3軸、フィルム面外(厚み)方向をz3軸とし、x3軸方向の平均屈折率をnx3、y3軸方向の平均屈折率をny3、z3軸方向の平均屈折率をnz3とし、測定波長589nmの光で測定した際に下記式(4)より示される配向パラメーター(Nz)が、1.1以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学補償フィルム。
    Nz=(nx3−nz3)/(nx3−ny3) (4)
  10. 液晶表示素子用光学補償フィルムであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  11. 延伸フィルム層(B)上にマレイミド系樹脂溶液を塗工し乾燥した後に延伸しないことにより塗工層(A)とすることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
  12. 上記一般式(1)で示されるマレイミド残基単位よりなるマレイミド系樹脂の溶液であることを特徴とする請求項11に記載の光学補償フィルムの製造方法。
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