JP5428264B2 - 光学補償膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位におけるR1は、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基,分岐状アルキル基,環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基であり、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ラウリル基等が挙げられ、炭素数1〜18の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜18の環状アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基が挙げられ、ハロゲン基としては、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等があげられる。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (2)
(ここで、dは光学補償膜の膜厚(nm)を示す。)
また、測定波長589nmの光で測定した際の下記式(3)で示される面外複屈折(ΔP)は0.007以上であり、好ましくは0.007〜0.5、特に好ましくは0.007〜0.03である。
ΔP=((nx+ny)/2−nz) (3)
該マレイミド系樹脂からなる塗工膜の各層の厚みは、位相差フィルムとしての適応が期待できる光学補償膜となることから10μm以下であり、1〜10μmが好ましく、特に2〜10μmが好ましい。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、ジメチルホルムアミドを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、商品名DSC2000)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
透明性の一評価として、JIS K 7361−1(1997年版)に準拠して光線透過率の測定を行った。
透明性の一評価として、JIS K 7136(2000年版)に準拠してヘーズの測定を行った。
JIS K 7142(1981年版)に準拠してアッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−WR)を用いて仰角を変えて測定波長589nmの光で3次元屈折率を測定した。さらに、3次元屈折率より面外位相差量(Rth)を算出した。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド32.4g、重合開始剤としてジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.054gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し20gのN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は120000であった。また、ガラス転移温度は185℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ヘキシルマレイミド40g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.05gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し32gのN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は160000であった。また、ガラス転移温度は148℃であった。
ガラス封管中に、N−n−オクチルマレイミド28g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.032gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し15gのN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂を得た。得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂の数平均分子量は270000であった。また、ガラス転移温度は138℃であった。
ガラス封管中に、N−n−オクチルマレイミド26g、無水マレイン酸2.4g、重合開始剤として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.036gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間5時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することにより重合体を析出させた。得られた重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し19gのN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂を得た。得られたN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂は、無水マレイン酸残基を20重量%含有するものであり、数平均分子量は120000であった。また、ガラス転移温度は150℃であった。
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂を50重量%のトルエンと50重量部のメチルエチルケトンからなる混合溶剤に溶解し、10重量%の樹脂固形分溶液を調整し、フィルムコーターを用いて厚み100μmのガラス基板の両面に塗工し、室温にて24時間乾燥することでそれぞれ幅270mm、厚み4μmの塗工膜を2層形成した。得られた塗工膜フィルム(基材+塗工膜)の物性を以下に示す。
ガラス基材の両面にそれぞれ幅270mm厚み7μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
ガラス基材の片面に2回に分けてそれぞれ幅270mm厚み4μm、両面の合計厚み8μmの塗工膜を形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
厚さ80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルムの両面にそれぞれ幅270mm厚み5μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
厚さ80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルムの片面に2回に分けてそれぞれ幅270mm厚み5μmの塗工膜を合計2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
合成例2で得られたN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂を用い、溶剤としてクロロホルムを用いて、ガラス基材の両面にそれぞれ幅270mm厚み2μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
合成例3で得られたN−n−オクチルマレイミド重合体樹脂を溶剤としてクロロホルムを用いて、ガラス基材の両面にそれぞれ幅270mm厚み2μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
合成例4で得られたN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂を溶剤としてクロロホルムを用いて、ガラス基材の両面にそれぞれ幅270mm厚み3μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
予め同時二軸延伸により160℃にてフィルム面内方向へそれぞれ1.25倍延伸したトリアセチルセルロース樹脂フィルムの両面にそれぞれ幅270mm厚み5μmの塗工膜を2層形成した以外は、実施例1と同様の方法により塗工膜フィルム(基材+塗工膜)を得、物性を評価した。その結果を以下に示す。
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体樹脂をクロロホルムに溶解し12%溶液とし、フィルムコーターによりガラス基板に塗工し、室温で24時間乾燥しガラス基板の片面に幅50mm、厚み20μmの塗工膜を1層コートしたフィルムを得た。得られた塗工膜フィルムの物性を以下に示す。
合成例2で得られたN−n−ヘキシルマレイミド重合体樹脂をクロロホルムに溶解し15%溶液としフィルムコーターによりガラス基板に塗工し、室温で24時間乾燥しガラス基板の片面に幅50mm、厚み30μmの塗工膜を1層コートしたフィルムを得た。得られた塗工膜フィルムの物性を以下に示す。
合成例4で得られたN−n−オクチルマレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂をクロロホルムに溶解し16%溶液としフィルムコーターによりガラス基板に塗工し、室温で24時間乾燥しガラス基板の片面に幅50mm、厚み50μmの塗工膜を1層コートしたフィルムを得た。得られた塗工膜フィルムの物性を以下に示す。
Claims (10)
- 基材上に少なくとも2層以上のマレイミド系樹脂からなる塗工膜であって、当該マレイミド系樹脂がN−置換マレイミド重合体樹脂又はN−置換マレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂であり、塗工膜の面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向をz軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとした際の3次元屈折率関係がnx≒ny>nzであり、各塗工膜の厚さが10μm以下において、面外複屈折ΔPが0.007以上であって、測定波長589nmの光で測定した際の下記式(2)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲内にあることを特徴とする光学補償膜。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (2)
(ここで、dは光学補償膜の膜厚(nm)を示す。) - 塗工膜を40度傾斜させ、測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が、1.1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償膜。
- 塗工膜が未延伸膜であることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償膜よりなることを特徴とする液晶表示素子用光学補償フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償膜とセルロース系樹脂製フィルムとの積層体であることを特徴とする光学補償フィルム。
- 液晶表示素子用光学補償膜フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
- 基材上にN−置換マレイミド重合体樹脂又はN−置換マレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂のマレイミド系樹脂溶液を塗工し、乾燥することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学補償膜を作製する光学補償膜の製造方法。
- マレイミド系樹脂溶液が、上記一般式(1)で示されるマレイミド残基単位よりなるマレイミド系樹脂の溶液であることを特徴とする請求項8に記載の光学補償膜の製造方法。
- 基材上にN−置換マレイミド重合体樹脂又はN−置換マレイミド−無水マレイン酸共重合体樹脂のマレイミド系樹脂溶液を塗工し、乾燥して得られる光学補償膜が2層以上であり、塗工する基材の片面または両面に形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光学補償膜を作製する光学補償膜の製造方法。
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