JP2011090268A - 光学補償膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた透明性、耐熱性及び機械特性を有する光学補償膜を提供する。
【解決手段】 特定のN−置換マレイミド残基単位および特定のアクリレート残基単位を含むマレイミド系共重合体よりなる塗工膜であって、塗工膜の面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向をz軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとした際の3次元屈折率の関係がnx≒ny>nzであることを特徴とする光学補償膜。
【選択図】 なし
Description
本発明は、波長依存性等の光学特性及び伸度等の機械特性に優れた光学補償膜、特に塗工後未延伸の状態でも光学補償機能を有する液晶表示素子用の光学補償膜及びその製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイは、マルチメディア社会における最も重要な表示デバイスとして、携帯電話からコンピューター用モニター、ノートパソコン、テレビまで幅広く使用されている。液晶ディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。
特に光学補償膜は、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償などに大きな役割を果たしている。従来の光学補償膜としては、ポリカーボネートや環状ポリオレフィン、セルロース系樹脂の延伸フィルムが用いられている。しかしながらこれらのフィルムには延伸工程が必要となること、延伸工程での位相差の均一性を求めることが困難となる、等の課題がある。また、特に大面積のフィルムにおいては、延伸により発現する位相差の制御を行うことがよりいっそう困難となる。
この延伸による課題を解決する方法として、塗工(コーティング)により未延伸での光学補償機能を発現させる光学補償膜の検討がなされている。
アクロン大学のハリス及びチェンは、剛直棒状のポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(アミド−イミド)、ポリ(エステル−イミド)よりなる光学補償膜を提案しており(例えば特許文献1,2参照。)、これらの材料は、自発的な分子配向性を有していることから塗工により延伸工程を経ることなく位相差を発現するという特徴がある。
更に、ポリイミドの塗工性(溶剤への溶解性)を向上したポリイミドからなる光学補償膜(例えば特許文献3参照。)、ディスコティック液晶化合物を偏光板の保護フィルムに塗工した偏光板(例えば特許文献4参照。)、等が提案されている。
また、フェニルマレイミド−イソブテン共重合体からなる延伸フィルム(例えば特許文献5参照。)が提案されている。
しかし、特許文献1〜3において提案された方法で用いられるポリマーは、芳香族ポリマーであることから位相差の波長依存性が大きく、液晶表示素子の光学補償膜として用いた場合に色ずれなど画質低下の課題を有するものであった。
また、特許文献4に提案されているディスコティック液晶化合物を用いる方法は、液晶化合物を均一に配向させることが必要となり塗工プロセスが煩雑化する、配向ムラが大きい等の課題を有するばかりか、該液晶化合物も芳香族化合物が主体となることから位相差の波長依存性が大きいという品質上の課題も有するものであった。
特許文献5で得られる延伸フィルムは、塗工するだけでは位相差は発現しない(nx=ny=nz)。
そこで、波長依存性等の光学特性及び伸度等の機械特性に優れた光学補償膜、特に液晶表示素子用の光学補償に好適な塗工型光学補償膜が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、優れた透明性、耐熱性および機械的特性を有するマレイミド系共重合体からなる光学補償膜を提供することである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造単位を有するマレイミド系共重合体からなる塗工膜が光学補償機能を有し、機械的特性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基および下記一般式(2)で示されるアクリレート残基を含むマレイミド系共重合体よりなる光学補償膜であって、塗工膜の面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向をz軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとした際の3次元屈折率の関係がnx≒ny>nzであることを特徴とする光学補償膜に関するものである。
(ここで、R1は、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数1〜18の分岐状アルキル基、炭素数1〜18の環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基を示す。)
(ここで、R2は、水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数1〜18の分岐状アルキル基、炭素数1〜18の環状アルキル基を示す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体を構成する上記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位におけるR1は、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基、炭素数1〜18の分岐状アルキル基、炭素数1〜18の環状アルキル基、ハロゲン基、エーテル基、エステル基、アミド基であり、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等が挙げられ、炭素数1〜18の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜18の環状アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基等が挙げられ、ハロゲン基としては、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が挙げられ、特に位相差量が大きく、溶剤への溶解性、機械的強度に優れる光学補償膜となることから、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にエチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等が好ましい。
該N−置換マレイミド残基単位の具体的例示としては、例えばN−メチルマレイミド残基単位、N−エチルマレイミド残基単位、N−n−プロピルマレイミド残基単位、N−n−ブチルマレイミド残基単位、N−n−ヘキシルマレイミド残基単位、N−n−オクチルマレイミド残基単位、N−n−ドデシルマレイミド残基単位、N−イソプロピルマレイミド残基単位、N−イソブチルマレイミド残基単位、N−s−ブチルマレイミド残基単位、N−t−ブチルマレイミド残基単位、N−シクロヘキシルマレイミド残基単位等の1種又は2種以上が挙げられ、特に位相差量が大きく、溶剤への溶解性、機械的強度に優れる光学補償膜となることから、N−エチルマレイミド残基単位、N−n−ブチルマレイミド残基単位、N−n−ヘキシルマレイミド残基単位、N−n−オクチルマレイミド残基単位、N−イソプロピルマレイミド残基単位、N−イソブチルマレイミド残基単位、N−s−ブチルマレイミド残基単位、N−t−ブチルマレイミド残基単位、N−シクロヘキシルマレイミド残基単位等が好ましく、特にN−エチルマレイミド残基単位、N−n−ブチルマレイミド残基単位、N−n−ヘキシルマレイミド残基単位、N−イソプロピルマレイミド残基単位、N−シクロヘキシルマレイミド残基単位シクロヘキシル基等が好ましい。
本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体を構成する上記一般式(2)で示されるアクリレート残基単位におけるR2は水素原子又はメチル基、R3は炭素数1〜18の直鎖状アルキル基,炭素数1〜18の分岐状アルキル基,炭素数1〜18の環状アルキル基であり、炭素数1〜18の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等が挙げられ、炭素数1〜18の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、炭素数1〜18の環状アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、3−エチル−3−オキセタニルメチル基、テトラヒドロフルフリル基等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が挙げられ、特に位相差量が大きく、溶剤への溶解性、機械的強度に優れる光学補償膜となることから、メチル基、n−ブチル基、n−ドデシル基、3−エチル−3−オキセタニルメチル基等が好ましい。
該アクリレート残基単位の具体的例示としては、例えばメチルアクリレート残基単位、エチルアクリレート残基単位、n−プロピルアクリレート残基単位、イソプロピルアクリレート残基単位、n−ブチルアクリレート残基単位、イソブチルアクリレート残基単位、s−ブチルアクリレート残基単位、t−ブチルアクリレート残基単位、n−ヘキシルアクリレート残基単位、シクロヘキシルアクリレート残基単位、3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート残基単位、テトラヒドロフルフリルアクリレート残基単位、n−オクチルアクリレート残基単位、n−ドデシルアクリレート残基単位、メチルメタクリレート残基単位、エチルメタクリレート残基単位、n−プロピルメタクリレート残基単位、イソプロピルメタクリレート残基単位、n−ブチルメタクリレート残基単位、イソブチルメタクリレート残基単位、s−ブチルメタクリレート残基単位、t−ブチルメタクリレート残基単位、n−ヘキシルメタクリレート残基単位、シクロヘキシルメタクリレート残基単位、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート残基単位、テトラヒドロフルフリルメタクリレート残基単位、n−オクチルメタクリレート残基単位、n−ドデシルメタクリレート残基単位等の1種又は2種以上が挙げられ、特に位相差量が大きく、溶剤への溶解性、機械的強度に優れる光学補償膜となることから、メチルメタクリレート残基単位、n−ブチルメタクリレート残基単位、n−ドデシルメタクリレート残基単位、3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート残基単位等が好ましい。
本発明の一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位及び一般式(2)で示されるアクリレート残基単位を含むマレイミド系共重合体の具体例としては、例えばN−n−ブチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体、N−ブチルマレイミド/n−ブチルメタクリレート共重合体、N−n−ブチルマレイミド/n−ドデシルメタクリレート共重合体、N−n−ブチルマレイミド/3−エチルー3−オキセタニルメチルアクリレート共重合体、N−エチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体、N−n−ヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体、N−イソプロピルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
また、本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいてN−置換マレイミド残基単位、アクリレート残基単位以外の残基単位を含有するものであってもよく、該残基単位としては、例えばエチレン残基単位、プロピレン残基単位、1−ブテン残基単位、イソブテン残基単位等のオレフィン残基単位;スチレン残基単位、α−メチルスチレン残基単位等のスチレン類残基単位;酢酸ビニル残基単位、プロピオン酸ビニル残基単位等のビニルエステル類残基単位;メチルビニルエーテル残基単位、エチルビニルエーテル残基単位等のビニルエーテル残基単位;フマル酸ジイソプロピル残基単位、フマル酸ジ−tert−ブチル残基単位、フマル酸ジシクロヘキシル残基単位等のフマル酸ジエステル残基単位;イタコン酸ジブチル残基単位等のイタコン酸ジアルキル残基単位;アクリロニトリル残基単位;メタクリロニトリル残基単位;無水マレイン酸残基単位等の1種又は2種以上を挙げることができる。
本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体は、光学特性と機械的特性に優れる光学補償膜となることから上記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位と上記一般式(2)で示されるアクリレート残基単位のモル比が99:1〜60:40の範囲にあるものが好ましく、さらに98:2〜90:10であるものが好ましく、特に98:2〜95:5であるものが好ましい。
本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体の製造方法としては、該マレイミド系共重合体が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、例えばラジカル重合を行うことにより製造することができる。
ラジカル重合法としては、公知の重合方法で行うことが可能であり、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法としては、公知の重合方法で行うことが可能であり、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合法を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;エチルメチルケトン;アセトン;テトラヒドロフラン;酢酸エチル;ジメチルホルムアミド;N−メチルピロリドン、水等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種以上が好ましく、任意の割合で混合することができる。
また、ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
また、該マレイミド系共重合体としては、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103以上のものであることが好ましく、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れた光学補償膜となることから2×104以上2×105以下であることが好ましい。
本発明の光学補償膜に用いるマレイミド系共重合体は、液晶表示素子に用いた際の品質の安定性から耐熱性が高いものであることが好ましく、ガラス転移温度が100℃以上であるものが好ましく、さらに120℃以上であるものが好ましく、特に135℃以上であるものが好ましい。
本発明の光学補償膜は、マレイミド系共重合体からなる塗工膜であることを特徴とし、好ましい製造方法としては、ガラス基板、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのフィルム等の基材にマレイミド系共重合体からなる溶液を塗工し乾燥することにより製造する方法が挙げられる。塗布方法は、マレイミド系共重合体を溶媒に溶解した溶液をガラス基板、あるいはフィルム上に塗工後、加熱等により溶媒を除去する方法である。その際の塗工方法としては、例えばドクターブレード法、バーコーター法、グラビアコーター法、スロットダイコーター法、リップコーター法、コンマコーター法等が用いられる。工業的には薄膜塗工はグラビアコーター法、厚膜塗工はコンマコーター法が一般的である。
使用する溶剤については、マレイミド系共重合体が溶解する溶媒であれば特に制限はなく、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等の塩素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらは2種類以上組み合わせて用いることが出来る。溶液塗布においては、より容易に高い透明性を有し、且つ厚み精度、表面平滑性に優れた光学補償膜が得られることから、溶液粘度は10〜10000cpsであることが好ましく、特に10〜5000cpsであることが好ましい。
この際のマレイミド系共重合体からなる膜の塗布厚は、塗工膜の厚み方向の位相差量により決められ、その中でも優れた表面平滑性、視野角改良効果を有する光学補償膜が得られることから、乾燥後1〜200μmが好ましく、さらに好ましくは5〜100μm、特に好ましくは10〜50μmである。
本発明の光学補償膜は、マレイミド系共重合体からなる塗工膜であり、特に光学補償膜として用いる際の光学補償機能および機械的強度に優れたものである。そして高分子よりなるフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合、一般的にフィルムの3次元屈折率の制御をフィルムの延伸などにより行うが、該延伸工程には製造工程や品質の管理が複雑になったりする等の課題を有する。それに反し、本発明の光学補償膜は、マレイミド系共重合体からなる塗工膜であって、塗工膜の面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向をz軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny(nx、nyが異なる場合、最も小さい屈折率をnxとする)、z軸方向の屈折率をnzとした際の3次元屈折率関係がnx≒ny>nzであることを特徴とする光学補償膜であり、未延伸で膜の厚み方向の屈折率が小さくなるという特異な挙動を示すことを見出している。
本発明の光学補償膜の面外位相差量(Rth)は、マレイミド系共重合体からなる塗工膜の厚みにより容易に制御することが可能であり、位相差フィルムとしての適応が期待できる光学補償膜となることから、測定波長589nmの光で測定した際の下記式(3)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲にあることが好ましく、さらに液晶表示素子の視野角改善効果に優れたものとなることから50〜1000nm、特に80〜500nmの範囲にあることが好ましい。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (3)
(ここで、dは光学補償膜の膜厚(nm)を示す。)
本発明の光学補償膜は、機械的特性に優れたものとなることから、JIS K7113に準拠して測定した最大点伸度が5〜25%であることが好ましく、特に6〜20%であることが好ましい。また、最大点応力が20〜200MPaであることが好ましく、特に30〜150MPaであることが好ましい。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (3)
(ここで、dは光学補償膜の膜厚(nm)を示す。)
本発明の光学補償膜は、機械的特性に優れたものとなることから、JIS K7113に準拠して測定した最大点伸度が5〜25%であることが好ましく、特に6〜20%であることが好ましい。また、最大点応力が20〜200MPaであることが好ましく、特に30〜150MPaであることが好ましい。
本発明の光学補償膜は、液晶表示素子に用いた際に色ずれの小さい液晶表示素子となることから位相差量の波長依存性が小さいものであることが好ましく、特に塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が1.1以下、特に1.08以下であること好ましい。
本発明の光学補償膜は、液晶表示素子に用いた際に画質の特性が良好なものとなることから、JIS K 7361−1に準拠し測定した光学補償膜の光線透過率が85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。また、JIS K 7136に準拠し測定した光学補償膜のヘーズ(曇り度)が2%以下であることが好ましく、特に1%以下であることが好ましい。
本発明の光学補償膜は、基材から剥離し用いることもできるし、基材との積層体としても用いることもできる。
本発明の光学補償膜は、偏光板と積層して用いることもできる。
また、本発明の光学補償膜は熱安定性を高めるために酸化防止剤が配合されていても良い。該酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独又は併用して用いても良い。そして、相乗的に酸化防止作用が向上することからヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用して用いることが好ましく、その際には例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤100重量部に対してリン系酸化防止剤を100〜500重量部で混合して使用することが特に好ましい。また、酸化防止剤の添加量としては、本発明の光学補償膜を構成するマレイミド系共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.5〜1重量部の範囲であることが好ましい。
さらに、紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエートなどの紫外線吸収剤を必要に応じて配合していてもよい。
本発明の光学補償膜は、発明の主旨を越えない範囲で、その他ポリマー、可塑剤、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、架橋剤等が配合されたものであってもよい。
本発明の光学補償膜は、延伸する必要がなく塗工するだけで光学補償機能を発現するマレイミド系共重合体からなり、その光学補償機能の制御も容易で機械的強度に優れたものであることから、液晶表示素子、特にVAモードの液晶テレビのコントラストや視角特性の改良に有効な光学補償膜として有用なものである。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
〜マレイミド系共重合体の組成〜
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、13C核磁気共鳴分光(13C−NMR)スペクトル分析より求めた。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、13C核磁気共鳴分光(13C−NMR)スペクトル分析より求めた。
〜マレイミド系共重合体の数平均分子量の測定〜
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、テトラヒドロフランを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、テトラヒドロフランを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
〜ガラス転移温度の測定〜
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、商品名DSC2000)(DSC)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
示差走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製、商品名DSC2000)(DSC)を用い、10℃/min.の昇温速度にて測定した。
〜光線透過率の測定〜
透明性の一評価として、JIS K 7361−1に準拠して光線透過率の測定を行った。
透明性の一評価として、JIS K 7361−1に準拠して光線透過率の測定を行った。
〜ヘーズの測定〜
透明性の一評価として、JIS K 7136に準拠してヘーズの測定を行った。
透明性の一評価として、JIS K 7136に準拠してヘーズの測定を行った。
〜3次元屈折率の計算〜
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−WR)を用いて仰角を変えて測定波長589nmの光で3次元屈折率を測定した。さらに、3次元屈折率より面外位相差量(Rth)を算出した。位相差量の波長依存性(R450/R589)は、塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−WR)を用いて仰角を変えて測定波長589nmの光で3次元屈折率を測定した。さらに、3次元屈折率より面外位相差量(Rth)を算出した。位相差量の波長依存性(R450/R589)は、塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示した。
〜引張破断伸びの測定〜
JIS K7113に準拠してテンシロン型引張試験器(株式会社オリエンテック製、商品名UTM−2.5T)を用いて最大点伸度及び最大点応力を測定した。
JIS K7113に準拠してテンシロン型引張試験器(株式会社オリエンテック製、商品名UTM−2.5T)を用いて最大点伸度及び最大点応力を測定した。
合成例1(N−n−ブチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し33gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は210000、ガラス転移温度は173℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し33gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は210000、ガラス転移温度は173℃であった。
合成例2(N−n−ブチルマレイミド/n−ブチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、n−ブチルメタクリレート1.4g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し35gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とn−ブチルメタクリレート残基単位のモル比は97:3、数平均分子量は230000、ガラス転移温度は172℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、n−ブチルメタクリレート1.4g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し35gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とn−ブチルメタクリレート残基単位のモル比は97:3、数平均分子量は230000、ガラス転移温度は172℃であった。
合成例3(N−n−ブチルマレイミド/n−ドデシルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、n−ドデシルメタクリレート2.6g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し38gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とn−ドデシルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は270000、ガラス転移温度は170℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、n−ドデシルメタクリレート2.6g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し38gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位とn−ドデシルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は270000、ガラス転移温度は170℃であった。
合成例4(N−n−ブチルマレイミド/3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート1.7g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し36gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位と3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は220000、ガラス転移温度は171℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート1.7g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し36gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ブチルマレイミド残基単位と3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は220000、ガラス転移温度は171℃であった。
合成例5(N−n−ブチルマレイミド重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド重合体(N−n−ブチルマレイミド重合体)を析出させた。得られたマレイミド重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し37gのマレイミド重合体を得た。GPCおよびDSC測定より、得られたマレイミド重合体の数平均分子量は220000、ガラス転移温度は186℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ブチルマレイミド50g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド重合体(N−n−ブチルマレイミド重合体)を析出させた。得られたマレイミド重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し37gのマレイミド重合体を得た。GPCおよびDSC測定より、得られたマレイミド重合体の数平均分子量は220000、ガラス転移温度は186℃であった。
合成例6(N−エチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−エチルマレイミド40.8g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し27gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−エチルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は180000、ガラス転移温度は240℃であった。
ガラス封管中に、N−n−エチルマレイミド40.8g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し27gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−エチルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は180000、ガラス転移温度は240℃であった。
合成例7(N−n−ヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−n−ヘキシルマレイミド40.8g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し27gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ヘキシルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は200000、ガラス転移温度は145℃であった。
ガラス封管中に、N−n−ヘキシルマレイミド40.8g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し27gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−n−ヘキシルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は200000、ガラス転移温度は145℃であった。
合成例8(N−イソプロピルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−イソプロピルマレイミド45.3g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し29gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−イソプロピルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は170000、ガラス転移温度は155℃であった。
ガラス封管中に、N−イソプロピルマレイミド45.3g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し29gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−イソプロピルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は95:5、数平均分子量は170000、ガラス転移温度は155℃であった。
合成例9(N−シクロヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体の製造例)
ガラス封管中に、N−シクロヘキシルマレイミド59.1g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し29gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−シクロヘキシルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は160000、ガラス転移温度は160℃であった。
ガラス封管中に、N−シクロヘキシルマレイミド59.1g、メチルメタクリレート1.0g、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシピバレート0.12gを仕込み、窒素置換後、重合温度60℃、重合時間6時間の条件にてラジカル重合反応を行なった。反応後、クロロホルムを加えポリマー溶液とした後に、過剰のメタノールと混合することによりマレイミド系共重合体を析出させた。得られたマレイミド系共重合体を濾過後、メタノールで十分洗浄し80℃にて乾燥し29gのマレイミド系共重合体を得た。13C−NMRおよびGPC、DSC測定より、得られたマレイミド系共重合体のN−シクロヘキシルマレイミド残基単位とメチルメタクリレート残基単位のモル比は96:4、数平均分子量は160000、ガラス転移温度は160℃であった。
実施例1
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.7%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51714、ny=1.51713、nz=1.51126、Rthは117.5nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.3%、最大点応力は43MPaであった。
合成例1で得られたN−n−ブチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.7%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51714、ny=1.51713、nz=1.51126、Rthは117.5nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.3%、最大点応力は43MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例2
合成例2で得られたN−n−ブチルマレイミド/n−ブチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.2%、ヘーズ0.5%であり、3次元屈折率はnx=1.51329、ny=1.51329、nz=1.50756、Rthは114.7nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.8%、最大点応力は41MPaであった。
合成例2で得られたN−n−ブチルマレイミド/n−ブチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.2%、ヘーズ0.5%であり、3次元屈折率はnx=1.51329、ny=1.51329、nz=1.50756、Rthは114.7nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.8%、最大点応力は41MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例3
合成例3で得られたN−n−ブチルマレイミド/n−ドデシルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.3%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51864、ny=1.51864、nz=1.51283、Rthは116.2nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は9.1%、最大点応力は43MPaであった。
合成例3で得られたN−n−ブチルマレイミド/n−ドデシルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.3%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51864、ny=1.51864、nz=1.51283、Rthは116.2nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は9.1%、最大点応力は43MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例4
合成例4で得られたN−n−ブチルマレイミド/3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.0%、ヘーズ0.5%であり、3次元屈折率はnx=1.51907、ny=1.51907、nz=1.51317、Rthは118.0nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.5%、最大点応力は42MPaであった。
合成例4で得られたN−n−ブチルマレイミド/3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.0%、ヘーズ0.5%であり、3次元屈折率はnx=1.51907、ny=1.51907、nz=1.51317、Rthは118.0nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は8.5%、最大点応力は42MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例5
合成例6で得られたN−エチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.5%、ヘーズ0.7%であり、3次元屈折率はnx=1.52560、ny=1.52560、nz=1.51852、Rthは141.6nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.07であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は6.3%、最大点応力は50MPaであった。
合成例6で得られたN−エチルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.5%、ヘーズ0.7%であり、3次元屈折率はnx=1.52560、ny=1.52560、nz=1.51852、Rthは141.6nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.07であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は6.3%、最大点応力は50MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例6
合成例7で得られたN−n−ヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.0%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51113、ny=1.51113、nz=1.50608、Rthは101.0nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は9.7%、最大点応力は39MPaであった。
合成例7で得られたN−n−ヘキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.0%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51113、ny=1.51113、nz=1.50608、Rthは101.0nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は9.7%、最大点応力は39MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例7
合成例8で得られたN−イソプロピルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.2%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51714、ny=1.51713、nz=1.51108、Rthは121.2nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は6.8%、最大点応力は48MPaであった。
合成例8で得られたN−イソプロピルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.2%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51714、ny=1.51713、nz=1.51108、Rthは121.2nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.05であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は6.8%、最大点応力は48MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
実施例8
合成例9で得られたN−シクロへキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.9%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51325、ny=1.51325、nz=1.50813、Rthは102.4nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は7.1%、最大点応力は49MPaであった。
合成例9で得られたN−シクロへキシルマレイミド/メチルメタクリレート共重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し15%溶液とし、表面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は91.9%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51325、ny=1.51325、nz=1.50813、Rthは102.4nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は7.1%、最大点応力は49MPaであった。
これらの結果、得られた塗工膜は、nx≒ny>nzであり、波長依存性が小さいことから光学補償膜としての機能を有するものであり、さらに伸度に優れたものであった。
比較例1
合成例5で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し12%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.1%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51329、ny=1.51329、nz=1.50706、Rthは124.6nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は4.4%、最大点応力は46MPaであった。
合成例5で得られたN−n−ブチルマレイミド重合体をトルエン50重量%とエチルメチルケトン50重量%からなる溶剤に溶解し12%溶液とし、表面をシリコン処理したPETフィルム上にコーターを用いて塗工し、室温で24時間乾燥したのち剥離して幅50mm、厚み20μmの塗工膜を得た。得られた塗工膜の光線透過率は92.1%、ヘーズ0.6%であり、3次元屈折率はnx=1.51329、ny=1.51329、nz=1.50706、Rthは124.6nm、位相差量の波長依存性を示すR450/R589は1.06であった。また、得られた塗工膜の最大点伸度は4.4%、最大点応力は46MPaであった。
マレイミド単独重合体を用いたことから、塗工膜の最大点伸度が劣るものであった。
比較例2
1リットルオートクレーブ中に重合溶媒としてトルエン400ml、重合開始剤としてパーブチルネオデカノエート0.001モル、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド0.42モル、イソブテン4.05モルを仕込み、重合温度60℃、重合時間5時間で重合反応を行い、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体を得た。得られたN−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体は、Mw(標準ポリスチレン換算値)=170,000、Mw/Mn=2.6を有するものであった。
1リットルオートクレーブ中に重合溶媒としてトルエン400ml、重合開始剤としてパーブチルネオデカノエート0.001モル、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド0.42モル、イソブテン4.05モルを仕込み、重合温度60℃、重合時間5時間で重合反応を行い、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体を得た。得られたN−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体は、Mw(標準ポリスチレン換算値)=170,000、Mw/Mn=2.6を有するものであった。
得られたN−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体20重量%と塩化メチレン80重量%からなる溶液を調整し、さらにN−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体100重量部に対し、可塑剤としてトリクレジルホスフェート5重量部を添加した溶液をPETフィルム上に塗工し、溶液から塩化メチレンが揮発・固化した後に形成されるN−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド−イソブテン交互共重合体フィルムを剥離した。剥離後のフィルムを更に100℃にて4時間、120℃から160℃にかけて10℃間隔にてそれぞれ1時間乾燥し、その後、真空乾燥機にて180℃で4時間乾燥して約100μmの厚さを有するフィルムを得た。(得られたフィルムの3次元屈折率はnx=1.5400、ny=1.5400、nz=1.5400でnx=ny=nz)。また、得られたフィルムのガラス転移温度は135℃、最大点伸度は8.8%、最大点応力は132MPaであった。
該フィルムから5cm×5cmの小片を切り出し、二軸延伸装置(柴山科学機械製)を用いて、温度220℃、延伸速度15mm/min.の条件にて自由幅一軸延伸を施し+50%延伸することにより、延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの3次元屈折率はnx=1.53916、ny=1.54050、nz=1.54050、Rthはー67.0nmでnx<ny≒nzであった。
よって、塗工だけでは光学補償機能を有する光学補償膜が得られない。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位および下記一般式(2)で示されるアクリレート残基単位を含むマレイミド系共重合体よりなる塗工膜であって、塗工膜の面内で直交する任意の2軸をx軸、y軸とし、面外方向をz軸とし、x軸方向の屈折率をnx、y軸方向の屈折率をny、z軸方向の屈折率をnzとした際の3次元屈折率の関係がnx≒ny>nzであることを特徴とする光学補償膜。
- 上記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位と上記一般式(2)で示されるアクリレート残基単位のモル比が99:1〜60:40の範囲にあるマレイミド系共重合体よりなることを特徴とする請求項1に記載の光学補償膜。
- 塗工膜を測定波長589nmの光で測定した際の下記式(3)で示される面外位相差量(Rth)が30〜2000nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学補償膜。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d (3)
(ここで、dは光学補償膜の膜厚(nm)を示す。) - 塗工膜を40度傾斜させ測定波長450nmの光で測定した位相差量(R450)と測定波長589nmの光で測定した位相差量(R589)の比で示される位相差量の波長依存性(R450/R589)が、1.1以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償膜。
- 塗工膜が未延伸膜であることを特徴する請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償膜。
- 液晶表示素子用光学補償膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償膜。
- 基材上にマレイミド系共重合体溶液を塗工し乾燥することを特徴とする光学補償膜の製造方法。
- マレイミド系共重合体溶液が、上記一般式(1)で示されるN−置換マレイミド残基単位および上記一般式(2)で示されるアクリレート残基単位を含むマレイミド系共重合体の溶液であることを特徴とする請求項7に記載の光学補償膜の製造方法。
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JP2009245856A JP2011090268A (ja) | 2009-10-26 | 2009-10-26 | 光学補償膜及びその製造方法 |
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JP2013148655A (ja) * | 2012-01-18 | 2013-08-01 | Lg Chem Ltd | 光学フィルム用樹脂組成物、それを含む偏光子保護フィルム及び液晶表示装置 |
US8623960B2 (en) | 2012-01-20 | 2014-01-07 | Lg Chem, Ltd. | Resin composition for optical film, and polarizer protective film and liquid crystal display including the same |
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2009
- 2009-10-26 JP JP2009245856A patent/JP2011090268A/ja active Pending
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