JP5157754B2 - シュリンクラベル及びその製造方法並びにその検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料分野、調味料分野、トイレタリー分野などにおけるPET容器やガラス瓶容器をはじめとする各種物品に巻付収縮するシュリンクラベル、及びその製造方法、並びにその検査方法に関するものである。
従来、各種飲料用のPETボトルやガラス瓶等の容器の胴部に装着されるラベルとしてシュリンクラベルが知られている。
通常このシュリンクラベルは、ポリ塩化ビニルやポリエステル等の熱収縮性樹脂を基材として製造され、シート状から筒状に形成した後に、該シュリンクラベルの筒内に各種物品を配置した後、該シュリンクラベルを構成する熱収縮性樹脂に応じたシュリンク温度(例えば70℃〜90℃)にて加熱収縮させて、該物品の外周に密にラベルを巻き付けるようにしたものである。
このようなシュリンクラベルには、種々の印刷が施されているが、さらに高意匠化せしめる目的でホログラムを利用した装飾効果を付加したシュリンクラベルが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特開平9−76396号公報 特開2003−177672号公報
ところで、ホログラム用のエンボス形状をラベル用樹脂基材層に形成するためには、一般的には熱硬化型のホログラム形成樹脂層を該ラベル用樹脂基材層へ積層し、200℃近い温度でホログラム成形用の金型を押圧してエンボス形状の加工を施す必要がある。
しかしながら、シュリンクラベルにおいてはホログラム形成樹脂層を硬化させる熱(例えば200℃)でシュリンクラベルを構成する熱収縮性樹脂基材層が収縮してしまうため、上記手法でシュリンクラベルにホログラム用エンボスを形成することは困難であった。
一方、熱収縮性樹脂基材層とは別に、ホログラム形成樹脂層に予めホログラム用のエンボス形状を形成しておき、その後、該ホログラム形成樹脂層と熱収縮性樹脂基材層とを貼り合わせることにより、ホログラム用エンボス形状を有するシュリンクラベルを得る手法では、工程が複雑になってしまうという問題があった。
また、先にホログラム用エンボス形状を形成した熱収縮性樹脂基材層に、後から絵柄印刷を行って、絵柄の画像検査を行うと、画像検査機ではホログラム用エンボス形状も絵柄として誤認してしまうため、全て絵柄異常と検知してしまうという問題があった。
また、ホログラム効果を高めるために反射層としてアルミ蒸着層を熱収縮性樹脂基材層に形成した場合は、その後のシュリンク工程によって蒸着層が割れてしまうという問題や、蒸着層が白化してしまうという問題があった。
さらに、ホログラム用エンボス形状の加工をした後に、ホログラム効果の輝度を高めるために透明蒸着層を形成した場合は、蒸着層の密着性が悪く、その後のシュリンク工程で蒸着層が剥離脱落してしまうという問題があった。
本発明は上記事情に対処してなされたものであり、熱収縮性樹脂基材層にホログラム用エンボス形状を有し、絵柄印刷後において絵柄の画像検査が可能で、シュリンク工程後においても蒸着層が剥離脱落せずにホログラム効果を維持できるシュリンクラベル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、シュリンクラベルについて詳細に検討した結果、
(1)例えばポリスチレン系の熱収縮性樹脂基材層を用いれば、該熱収縮性樹脂基材層のシュリンク温度(例えば90℃〜100℃)よりも低い温度(例えば70℃〜80℃)でホログラム成形用の金型を押圧する手法により、熱収縮性樹脂基材層に直接ホログラム用のエンボス形状を形成することが可能なこと、
(2)熱収縮性樹脂基材層への絵柄印刷後であって、ホログラム用のエンボス形状の形成前に画像検査を行うことで、ホログラム用エンボス形状による影響を受けずに、印刷により形成された絵柄の画像検査が出来ること、
(3)アルミ蒸着層に替えて透明蒸着層を形成することで蒸着層の割れや、白化を防げること、
(4)熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着層を形成した後にホログラム用のエンボス形状を形成することで、その後のシュリンク工程で該透明蒸着層が剥離脱落することを防ぎ、その結果ホログラム効果において輝度が低下するという問題を解決できること、
(5)白インキ層を所定の位置に設けることで、該シュリンクラベルが物品の周囲に取り付けられた際、その物品の色の影響を受けずに、絵柄印刷層の本来の色相を再現することができ、鮮明な絵柄が観察できるので好ましいこと、
(6)さらに、白インキ層を該シュリンクラベルの最内周の位置に設けることで、該白インキ層が該絵柄印刷層の保護層として作用すること、並びに該シュリンクラベルと物品との滑り性向上に作用することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルにおいて、外周側から、絵柄印刷層と、内周側の面にホログラム用のエンボス形状を有する熱収縮性樹脂基材層と、前記熱収縮性樹脂基材層の該エンボス形状に追従する薄膜形状で透明蒸着層が、順次積層されていることを特徴とする、シュリンクラベルである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシュリンクラベルであって、前記絵柄印刷層と前記熱収縮性樹脂基材層との間に、白インキ層が設けられていることを特徴とする、シュリンクラベルである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルにおいて、内周側から、絵柄印刷層と、外周側の面にホログラム用のエンボス形状を有する熱収縮性樹脂基材層と、
前記熱収縮性樹脂基材層の該エンボス形状に追従する薄膜形状で透明蒸着層が、順次積層されていることを特徴とする、シュリンクラベルである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項3に記載のシュリンクラベルであって、前記絵柄印刷層の上に、シュリンクラベルの最内周の位置として、白インキ層が設けられていることを特徴とする、シュリンクラベルである。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシュリンクラベルであって、前記熱収縮性樹脂基材層は、延伸ポリスチレン系フィルムであることを特徴とする、シュリンクラベルである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルの製造方法であって、熱収縮性樹脂基材層の片面に絵柄印刷を施し、該絵柄印刷を施した面とは反対側の面の該熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着層を形成した後に、該熱収縮性樹脂基材層の該透明蒸着層を設けた面に、該熱収縮性樹脂基材層のシュリンク温度より低い温度で熱圧を加えて、ホログラム用エンボス形状を形成することを特徴とする、シュリンクラベルの製造方法である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、請求項6に記載のシュリンクラベルの製造方法であって、前記熱収縮性樹脂基材層は、延伸ポリスチレン系フィルムであることを特徴とする、シュリンクラベルの製造方法である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、熱収縮性樹脂基材層の片面に絵柄の印刷を施し、該熱収縮性樹脂基材層の該絵柄の印刷を施した面とは反対側の面に、ホログラム用のエンボス形状を形成する方法によって製造されるシュリンクラベル検査方法であって、前記絵柄の印刷を施した後であって、前記ホログラム用のエンボス形状を形成する前に、印刷により形成された前記絵柄の画像検査を行うことを特徴とする、シュリンクラベルの検査方法である。
本発明によれば、熱収縮性樹脂基材層に直接、ホログラム用エンボス形状の形成を可能とし、また、ホログラム用エンボス形状による影響を受けずに絵柄印刷の画像検査を可能とし、さらにシュリンク工程を経た後もホログラムの効果を維持可能とするシュリンクラベルを提供することができる。これにより、絵柄印刷だけでは表現できない高意匠化をシュリンクラベルにもたらすことができる。また、白インキ層を所定の位置に設けることで、絵柄印刷の鮮明な色相を再現でき、絵柄印刷層の保護性を向上し、さらにはシュリンクラベルが巻き付く物品との滑り性が向上したシュリンクラベルを提供することができる。
具体的には、
(1)本発明によれば、例えば、延伸ポリスチレン系フィルムを熱収縮性樹脂基材層に用いるため、熱硬化型のホログラム形成樹脂層の積層を不要とし、シュリンク温度より低い温度で直接、熱収縮性樹脂基材層にホログラム用エンボスの形成が可能となる。
(2)また、本発明によれば、ホログラム用エンボス形状を熱収縮性樹脂基材層に形成する前に、該熱収縮性樹脂基材層に印刷した絵柄を画像検査するため、ホログラム用エンボス形状の影響を受けずに絵柄の画像検査が可能となる。
(3)また、本発明によれば、アルミ蒸着層に替えて透明蒸着層を形成するため、蒸着層の割れや、白化を防ぐことが可能となる。
(4)また、本発明によれば、熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着層を形成した後にホログラム用のエンボス形状を形成するため、その後のシュリンク工程で該透明蒸着層が剥離脱落することを防ぎ、その結果、ホログラム効果の輝度を維持することが可能となる。
(5)また、本発明によれば、白インキ層を所定の位置に設けることで、該シュリンクラベルが物品の周囲に取り付けられた際、その物品の色の影響を受けずに、絵柄印刷層の本来の色相を再現することができ、その結果、鮮明な絵柄が観察できるという好ましい結果が得られる。
(6)さらに、本発明によれば、白インキ層を該シュリンクラベルの最内周の位置に設けることで、該絵柄印刷層の保護性が向上する効果、並びに該シュリンクラベルと物品との滑り性が向上するという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[シュリンクラベル]
図1は、本発明のシュリンクラベルの一実施形態を示す部分断面図である。図1において、本発明のシュリンクラベル1は、熱収縮性樹脂基材層2の表面に部分的に白インキ層4、絵柄印刷層5を備えており、この白インキ層4と絵柄印刷層5を被覆するようにOPニス6が形成されており、熱収縮性樹脂基材層2の裏面にはホログラム用エンボスAを備えており、このホログラム用エンボスAの形状に追従するようにプライマー層3、透明蒸着層7が形成されており、さらにこの透明蒸着層7を被覆するようにインナーニス8が形成されているものである。
図2は、本発明のシュリンクラベルの他の実施形態を示す部分断面図である。図2において、本発明のシュリンクラベル9は、熱収縮性樹脂基材層10の表面にホログラム用エンボスBを備えており、このホログラム用エンボスBの形状に追従するようにプライマー層11、透明蒸着層14が形成されており、さらにこの透明蒸着層14を被覆するようにOPニス15が形成されており、熱収縮性樹脂基材層10の裏面には、絵柄印刷層12を備えており、この絵柄印刷層12を被覆するように白インキ層13が形成されているものである。
シュリンクラベル1,9を構成する熱収縮性樹脂基材層2,10はシュリンク基材としての作用の他に、印刷基材としての作用、並びにホログラム形成基材としての作用をなすものである。このような熱収縮性樹脂基材層2,10は例えば、延伸ポリスチレン系フィルムにより実現できる。
白インキ層4,13はシュリンクラベルが各種物品の周囲に巻付収縮して取り付けられた際に、その物品の周囲の色を隠蔽し、絵柄印刷層5,12の色相を際立たせる下地層として作用するものであり、シュリンクラベル1,9を各種物品に巻き付けた状態において内側に白インキ層4,13が、外側に絵柄印刷層5,12が配置されることとなる。ここで白インキ層13は、絵柄印刷層12の下地層としての作用のみならず、絵柄印刷層12の保護層としての作用、並びにシュリンクラベル9の裏面と物品との滑り性の向上にも作用するものである。一方、白インキ層4は必要に応じて設けられるものであり、絵柄に透明感を持たせる場合等には全部若しくは一部を省いても良い。
絵柄印刷層5,12は各種印刷により使用されるインキから成るものであり、例えばグラビア印刷に使用されるインキにより絵柄印刷層5,12を形成することができる。具体的には、樹脂と溶媒から通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を調製し、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の助剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練、調整して得たインキ組成物を使用することができる。
なお上記は、グラビア印刷を例に説明したが、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、等その他の印刷方式であってもよい。また、印刷は、裏印刷でも、表印刷でもよい。
プライマー層3,11は、熱収縮性樹脂基材層2,10と透明蒸着層7,14との密着性の向上に作用するものであり、その材料としては公知の透明インキを用いることが出来る。例えば、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース等の中から1種または2種以上を併用した物、さらに可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、充填剤、シリカ等の助剤の1種ないし2種以上を任意に添加し溶媒、希釈剤等で充分に混練、調整して得たインキ組成物を用いることが出来る。本発明におけるプライマー層には、例えば、ポリスチレン系、アクリル系、ニトロセルロース系の樹脂が好ましい。なお、このプライマー層3,11は必要に応じて設けられるものであり、熱収縮性樹脂基材層2,10と透明蒸着層7,14との密着性に応じて省くことができる。
透明蒸着層7,14は、ホログラム用エンボスA,Bのホログラム効果の輝度向上に作用するものであり、その膜厚は、例えば、10〜200nm程度の範囲で適宜設定することができる。その材料としては、例えば硫化亜鉛、シリカ、アルミナ、その他を用いることができる。本発明では、高い輝度が得られることから硫化亜鉛を用いることが望ましい。
なお、本発明においては、熱収縮性樹脂基材層2,10に必要に応じてプライマー層を形成し、続いて透明蒸着層を形成した後に、シュリンク温度より低い温度で、金型等を押圧することによりホログラム用のエンボス形状の形成を行うため、透明蒸着層7,14は、該金型等により規定されるホログラム用エンボスA,Bの形状に追従する形状の薄膜となる。
ここで、ホログラム効果の輝度を向上させる手法として、透明蒸着層の代りにアルミ蒸着層を用いる手法がある。しかし、アルミ蒸着層を用いた場合は、シュリンクラベルを容器に巻き付けてシュリンクさせる工程において、蒸着面が割れて白化してしまい、その結果、ホログラム効果を得ることは出来なかった。
一方、本発明の透明蒸着層であれば、上記シュリンク工程を経た後もホログラム効果を維持することができた。
ホログラム用エンボスA,Bは微小な凹凸形状であって、光の干渉や回折を引き起こしてホログラム効果を発揮するものであり、例えば、その凹凸の高低差は0.1μm〜1μm、ピッチは0.1〜2μmの範囲で適宜設定することができる。本発明では、例えば、温度80℃と圧力6kg/cm2でホログラム成形用の金型を押圧して、熱収縮性樹脂基材層2、10にホログラム用エンボスを形成する。
ここで、シュリンクラベルを巻き付ける容器に対し、絵柄印刷層を表側に配置する場合には、ホログラム用エンボス面Aは内側になり(図1)、絵柄印刷層の面を内側に配置する場合にはホログラム用エンボス面Bは外側になる(図2)。
OPニス層6は、白インキ層4や絵柄インキ5を被覆するように塗布形成され、絵柄印刷面を保護し、さらには光沢を与えるものである。
インナーニス層8、OPニス層15はそれぞれ、ホログラム・エンボスA,Bが形成された面を被覆するように塗布形成され、該ホログラム・エンボスA,Bが形成された面の保護や滑り性向上のために設けられるものである。
上記インナーニス層及びOPニス層には、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を調製し、必要に応じて、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他の助剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練して得たインキ組成物を使用することができる。
なお、OPニス層6,15、及びインナーニス層8は、本発明において省くこともできる。この場合、各表面の保護性等は劣ることになるが、工程短縮という効果が得られる。
[シュリンクラベルの製造方法]
次に本発明のシュリンクラベルの製造方法について説明する。
図3は、図1に示されるシュリンクラベルを例として本発明の製造方法を説明するための工程図である。
まず、基材に延伸ポリスチレン系フィルムからなる熱収縮性樹脂基材層2を用い(図3(a))、この熱収縮性樹脂基材層2の裏面にポリスチレン系樹脂からなるプライマー層3を塗布形成した後、熱収縮性樹脂基材層2の表面にグラビア印刷等の手法により、白インキ層4、並びに絵柄印刷層5を形成する(図3(b))。その後、白インキ層4、並びに絵柄印刷層5を被覆するようにOPニス層6を塗布形成する(図3(c))。
次に、熱収縮性樹脂基材層2の裏面に形成したプライマー層3の上に真空蒸着法等により硫化亜鉛からなる透明蒸着層7を形成し(図3(d))、その後、この透明蒸着層7の上からホログラム成形用の金型を押圧して、ホログラム・エンボスAを形成する(図3(e))。
最後に、ホログラム用エンボスAの形状に追従する形状に加工された透明蒸着層7を被覆するようにインナーニス層8を塗布形成し(図3(f))、シュリンクラベル1が得られる。
図4は、図2に示されるシュリンクラベルを例として本発明の製造方法を説明するための工程図である。
まず、基材に延伸ポリスチレン系フィルムからなる熱収縮性樹脂基材層10を用い(図4(a))、この熱収縮性樹脂基材層10の表面にポリスチレン系樹脂からなるプライマー層11を塗布形成した後、熱収縮性樹脂基材層10の裏面にグラビア印刷等の手法により絵柄印刷層12を形成する(図4(b))。その後、絵柄印刷層12を被覆するように白インキ層13を塗布形成する(図4(c))。
次に、熱収縮性樹脂基材層10の表面に形成したプライマー層11の上に真空蒸着法等により硫化亜鉛からなる透明蒸着層14を形成し(図4(d))、その後、この透明蒸着層14の上からホログラム成形用の金型を押圧して、ホログラム用エンボスBを形成する(図4(e))。
最後に、ホログラム用エンボスBの形状に追従する形状に加工された透明蒸着層14を被覆するようにOPニス層15を塗布形成し(図4(f))、シュリンクラベル2が得られる。
なお、上述のシュリンクラベルの製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
熱収縮性樹脂基材層として延伸ポリスチレン系フィルム(DXL270−41S 三菱樹脂製)を用い、この熱収縮性樹脂基材層の裏面にポリスチレン系の樹脂を組成物とする厚さ0.1μmのプライマー層を形成し、次に絵柄印刷層を形成するためのインキとしてアクリル系グラビアインキ(OSM 大日精化製)を用いて上記熱収縮性樹脂基材層の表面にグラビア印刷を行い、その後、絵柄印刷層の上にOPニス層を塗布形成した。
この段階で、この印刷後の熱収縮性樹脂基材層を画像検査機(株式会社ヒューテック製EasyMax)で絵柄検査したところ、良好に検査を遂行できた。この段階では熱収縮性樹脂基材層に未だホログラム加工を施していないため、ホログラム用エンボスの影響を受けることは起こり得ないためである。
次に、上記熱収縮性樹脂基材層のプライマー層を形成した面(裏面)に、硫化亜鉛を材料として厚さ50nmの透明蒸着層を形成し、この透明蒸着面の上から金型を用いて熱収縮性樹脂基材層にホログラム用エンボス加工(温度80℃、圧力6kg/cm2、エンボス深さ0.1μm)を行い、このホログラム用エンボスを形成した面の上にインナーニス層を塗布形成した。
その後、従来の方法でスリット加工やミシン目加工を行い、得られたシュリンクラベルをPETボトルに筒貼りし、このPETボトルを温度90℃のスチームトンネル(K&Uシステム製)に通すことによりシュリンクを行った。
得られたシュリンクラベルは、延伸ポリスチレン系フィルムから成る熱収縮性樹脂基材層にシュリンク温度より低い温度で直接ホログラム用エンボスを形成しているため、シュリンク工程の他にシュリンク温度より高温に晒されることはなく、当該シュリンク工程で良好にシュリンクし、PETボトルに巻着されるものであった。
また、得られたシュリンクラベルは、ホログラム用エンボス形状を熱収縮性樹脂基材層に形成する前に、熱収縮性樹脂基材層に印刷により施した絵柄を画像検査するため、ホログラム用エンボス形状の影響を受けずに絵柄の画像検査が可能であり、絵柄不良のないシュリンクラベルであった。
また、得られたシュリンクラベルは、アルミ蒸着層に替えて透明蒸着層を形成しているため、蒸着層の割れや、白化現象は確認されなかった。
さらに、得られたシュリンクラベルは、熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着層を形成した後にホログラム用エンボスの加工を施しているため、その後のシュリンク工程で該透明蒸着層が剥離脱落することは確認されず、輝度低下のないホログラム効果を有したものであった。
(実施例2)
実施例1と同様に、熱収縮性樹脂基材層として延伸ポリスチレン系フィルム(DXL270−41S 三菱樹脂製)を用い、絵柄印刷を施した。ただし、実施例1とは反対に、絵柄印刷面が各種物品に巻き付けられる内側の面となるため、白インキ層は絵柄印刷層の上に形成されることとなる。
その後、実施例1と同様に、絵柄印刷を施した面とは逆の面に対して熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着を施し、この透明蒸着面の上からホログラム加工を行い、このホログラム加工面の上にOPニス層を塗布形成した。
その後、実施例1と同様に、スリット加工やミシン目加工を行い、得られたシュリンクラベルをPETボトルに筒貼りし、スチームトンネル(K&Uシステム製)に通すことによりシュリンクを行った。
得られたシュリンクラベルは、延伸ポリスチレン系フィルムから成る熱収縮性樹脂基材層にシュリンク温度より低い温度で直接ホログラム用エンボスを形成しているため、シュリンク工程の他にシュリンク温度より高温に晒されることはなく、当該シュリンク工程で良好に収縮し、PETボトルに巻着されるものであった。
また、得られたシュリンクラベルは、ホログラム用エンボス形状を形成する前に、熱収縮性樹脂基材層に印刷により施した絵柄を画像検査するため、ホログラム用エンボス形状の影響を受けずに絵柄の画像検査が可能であり、絵柄不良のないシュリンクラベルであった。
また、得られたシュリンクラベルは、アルミ蒸着層に替えて透明蒸着層を形成しているため、蒸着層の割れや、白化現象は確認されなかった。
さらに、得られたシュリンクラベルは、熱収縮性樹脂基材層に透明蒸着層を形成した後にホログラム加工を施しているため、その後のシュリンク工程で該透明蒸着層が剥離脱落することは確認されず、輝度低下のないホログラム効果を有したものであった。
(比較例1)
熱収縮性樹脂基材層としてポリ塩化ビニル(軟質)を用いたことの他は、実施例1と同様にして、シュリンクラベルの作成を試みたが、当該熱収縮性樹脂基材層では、シュリンク温度(70℃〜90℃)より低い温度で所望のホログラム用のエンボス形状を加工形成することは出来なかった。
(比較例2)
熱収縮性樹脂基材層に対し、先にホログラム用エンボスの形成加工を施し、その後、ホログラム用エンボス加工を施した面とは反対側の面に絵柄をグラビア印刷するという工程順序を経ることの他は、実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作成した。
この方法でも、グラビア印刷を施すことは可能であった。しかし、このシュリンクラベルの絵柄を画像検査機(株式会社ヒューテック製EasyMax)により検査したところ、ホログラム用エンボス形状も絵柄と誤認してしまい、全て絵柄異常と検知してしまう結果となった。感度調整等も行ってはみたが、全く効果は得られなかった。
(比較例3)
熱収縮性樹脂基材層に対し、透明蒸着層の代りにアルミ蒸着層を形成した他は実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作成した。このシュリンクラベルをPETボトルに筒貼りし、スチームトンネル(K&Uシステム製)を通してシュリンクを行い、外観及び表面状態の確認を行ったところ、このシュリンクラベルには割れや白化が生じてしまい、ホログラムの効果が全く見られなくなってしまった。
(比較例4)
熱収縮性樹脂基材層に対し、先にホログラム用エンボス形状の形成加工をした後、透明蒸着を成膜するという工程順序を経ることの他は実施例1と同様にして、シュリンクラベルを作成した。
このシュリンクラベルをPETボトルに筒貼りし、スチームトンネル(K&Uシステム製)を通してシュリンクさせ、外観及び表面状態の確認を行ったところ、このシュリンクラベルにおいては蒸着層が剥げ落ちてしまい、輝度の点からホログラム効果が劣る結果となった。
本発明のシュリンクラベルの一例を示す断面図である。 本発明のシュリンクラベルの他の例を示す断面図である。 本発明のシュリンクラベルの製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明のシュリンクラベルの製造方法の他の例を説明する断面図である。
符号の説明
1,9・・・シュリンクラベル
2,10・・・熱収縮性樹脂基材層
3,11・・・プライマー層
4,13・・・白インキ層
5,12・・・絵柄印刷層
6,15・・・OPニス層
7,14・・・透明蒸着層
8・・・インナーニス層
A,B・・・ホログラム用エンボス

Claims (8)

  1. 各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルにおいて、
    外周側から、絵柄印刷層と、
    内周側の面にホログラム用のエンボス形状を有する熱収縮性樹脂基材層と、
    前記熱収縮性樹脂基材層の該エンボス形状に追従する薄膜形状で透明蒸着層が、
    順次積層されていることを特徴とする、シュリンクラベル。
  2. 前記絵柄印刷層と前記熱収縮性樹脂基材層との間に、白インキ層が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のシュリンクラベル。
  3. 各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルにおいて、
    内周側から、絵柄印刷層と、
    外周側の面にホログラム用のエンボス形状を有する熱収縮性樹脂基材層と、
    前記熱収縮性樹脂基材層の該エンボス形状に追従する薄膜形状で透明蒸着層が、
    順次積層されていることを特徴とする、シュリンクラベル。
  4. 前記絵柄印刷層の上に、シュリンクラベルの最内周の位置として、白インキ層が設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のシュリンクラベル。
  5. 前記熱収縮性樹脂基材層は、延伸ポリスチレン系フィルムであることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  6. 各種物品の周囲に巻付収縮するシュリンクラベルの製造方法であって、
    熱収縮性樹脂基材層の片面に絵柄印刷を施し、
    該絵柄印刷を施した面とは反対側の面の該熱収縮性樹脂基材層に
    透明蒸着層を形成した後に、
    該熱収縮性樹脂基材層の該透明蒸着層を設けた面に、
    該熱収縮性樹脂基材層のシュリンク温度より低い温度で熱圧を加えて、
    ホログラム用エンボス形状を形成することを特徴とする、シュリンクラベルの製造方法。
  7. 前記熱収縮性樹脂基材層は、延伸ポリスチレン系フィルムであることを特徴とする、請求項6に記載のシュリンクラベルの製造方法。
  8. 熱収縮性樹脂基材層の片面に絵柄の印刷を施し、該熱収縮性樹脂基材層の該絵柄の印刷を施した面とは反対側の面に、ホログラム用のエンボス形状を形成する方法によって製造されるシュリンクラベル検査方法であって、
    前記絵柄の印刷を施した後であって、
    前記ホログラム用のエンボス形状を形成する前に、
    印刷により形成された前記絵柄の画像検査を行うことを特徴とする、シュリンクラベルの検査方法。
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