JP5157620B2 - 車両の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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この発明は、車両の制御装置及び制御方法に関し、特に、エンジンや変速機等のパワートレインを制御して、車両の発進時または加速時において気持ちのよい加速感を演出する車両の制御装置及び制御方法に関する。
従来より、アクセルペダルの踏み込み量に応じた目標加速度を設定して、実際の車両加速度が目標加速度になるように、エンジンや変速機等のパワートレインを制御して、加速時の加速感を向上するものが知られている。
例えば、下記特許文献1には、さらに登坂路や降坂路の路面環境の変化に応じて目標加速度を変化させることで、ドライバに道路環境の変化を体感させて運転感覚を向上させるものが記載されている。
特開2001−173474号公報
ところで、車両の加速感は、「加速の立ち上がりの応答性」と、「加速度のピーク値の大きさ」と、「加速の立ち下がりの持続性」の三点で、気持ちよさが変化する。
まず、「加速の立ち上がりの応答性」が高ければ、アクセルペダルの踏み込み操作に即応するように車両が加速するため、ドライバは気持ちのよい加速感を得ることができる。
また、「加速度のピーク値の大きさ」が大きい場合も、アクセルペダルの踏み込み量に比較して大きな加速度が得られるため、ドライバはトルクフルな加速感を得ることができる。
さらに、「加速の立ち下がりの持続性」が安定している場合には、アクセルペダルの踏み込み状態で長期間にわたり大きな加速度が得られるため、ドライバは長期間気持ちのよい加速感を得ることができる。
このため、これら三点の判断基準の値を高めることで、ドライバに気持ちのよい加速感を与えることができる。
この判断基準によって、前述の特許文献1の車両の制御装置を判断すると、「加速の立ち上がりの応答性」や「加速度のピーク値の大きさ」については、目標加速度に追従するように車両の実加速度を制御するため、ある程度、高めることができると考えられる。
しかし、「加速の立ち下がりの持続性」については、加速後半の加速度が制御されていないため、エンジン特性と車体重量等に応じた、成り行きで加速するに過ぎないと考えられる。
このように、「加速の立ち下がりの持続性」が、成り行きで加速するに過ぎないことになると、目標加速度を設定して、加速度のピーク値を高くして、トルクフルな加速感を得られたとしても、加速後半で急激に加速感が落ち込んでしまい、トルク感を損なうといった問題があった。
そこで、本発明は、車両の制御装置及び制御方法において、加速ピーク後の立ち下がり時の加速度を制御することで、立ち下がり時のトルク感のある加速度波形(G波形)を演出して、車両の加速感を高めることができる車両の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
この発明による車両の制御装置は、アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、発進時又は加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得する実車両加速度履歴獲得手段と、前記実車両加速履歴に応じて上記立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する目標車両加速度設定手段と、実車両加速度が上記設定された時系列の目標車両加速度追従するようエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段とを備え、前記目標車両加速度設定手段は、発進時又は加速時の実車両加速度の立ち上がりの履歴に応じて加速後半の時系列の目標車両加速度を変更するものである。
上記構成によれば、実車両加速度履歴獲得手段で、アクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得して、この実車両加速度履歴に応じて目標車両加速度設定手段が、立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する。そして、この目標車両加速度に追従するように、エンジン出力制御手段でエンジン出力を制御することになる。
このため、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、この目標車両加速度によってエンジン出力を制御することで、所望の加速度Gを得ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記実車両加速度履歴は、実車両加速度のピーク値を含むように設定したものである。
上記構成によれば、実車両加速度履歴に、実車両加速度のピーク値を含むことで、加速度が増加から減少に転ずる頂点の値を取り込んで目標車両加速度を設定することになるため、より変動の少ない連続した目標車両加速度を設定することができる。
よって、より円滑な加速度変化によって所望の加速度Gを得ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記実車両加速度履歴獲得手段は、車両加速度の立ち上がり開始から車両加速度ピークまでの履歴を獲得し、上記目標車両加速度設定手段および上記エンジン出力制御手段を介して、当該履歴に応じて加速後半の車両加速度を制御するものである。
この発明の一実施態様においては、前記トルクコンバータにロックアップクラッチを備えて、実車両加速度のピーク値を越えてロックアップクラッチを締結するものである。
上記構成によれば、実車両加速度のピーク値を越えてトルクコンバータのロックアップクラッチを締結しているため、加速度の立ち下がり時には、トルクコンバータで滑りが生じない。
よって、トルクコンバータの滑りがない分、使用するエンジン回転数が低回転化して、エンジントルクを増加できる。これにより、エンジン出力制御の制御性を向上することができる。
この発明の一実施態様においては、前記ロックアップクラッチの締結不可能時に、エンジン出力制御の出力値を、増加方向に変更するものである。
上記構成によれば、冷間時等のロックアップクラッチの締結不可能時に、エンジン出力制御の出力値を増加方向に変更することで、トルクコンバータに滑りが生じてエンジントルクを確実に伝達できない分を、エンジン出力制御のエンジン出力で補うことができる。
よって、ロックアップクラッチの締結不可能時にであっても、所望の加速度Gを得ることができ、制御性を向上できる。
この発明による車両の制御方法は、アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御方法であって、発進時又は加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得する工程と、前記実車両加速履歴に応じて上記立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する工程と、実車両加速度が上記設定された時系列の目標車両加速度追従するようエンジン出力を制御する工程とを備え、前記目標車両加速度を設定する工程は、発進時又は加速時の実車両加速度の立ち上がりの履歴に応じて加速後半の時系列の目標車両加速度を変更するものである。
上記構成によれば、アクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得して、この実車両加速度履歴に応じて立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する。そして、この目標車両加速度に追従するように、エンジン出力を制御することになる。
このため、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、この目標車両加速度によってエンジン出力を制御することで、所望の加速度Gを得ることができる。
この発明によれば、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、この目標車両加速度によってエンジン出力を制御することで、所望の加速度Gを得ることができる。
よって、車両の制御装置及び制御方法において、加速ピーク後の立ち下がり時の加速度を制御することで、立ち下がり時のトルク感のある加速度波形(G波形)を演出して、車両の加速感を高めることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を採用した車両のパワートレインおよび制御装置の全体ブロック図である。
車両のパワートレインPTは、駆動力を発生するエンジン1と、このエンジン1の下流側に設置したトルクコンバータ2と、このトルクコンバータ2に並列に配置されるロックアップクラッチ3と、トルクコンバータ2およびロックアップクラッチ3からの出力を受けて変速を行なう歯車変速機構4と、この歯車変速機構4からの出力を受けて左右に駆動力を配分する差動装置5と、差動装置5からの駆動力を受けて車両を駆動する左右の駆動輪6,6とを備えている。
この車両のパワートレインPTは、車両の制御装置CRによって、エンジン1の出力やロックアップクラッチ3の断接、さらには歯車変速機構4の変速状態を制御するように構成している。そして、このうち、エンジン1の出力は、図示しないエレキスロットルのスロットル開度、点火プラグの点火タイミング、燃料噴射ノズルの燃料噴射量等を変化させることで制御するようにしている。
車両の制御装置CRは、ドライバのアクセルペダル(図示せず)の踏込み状態や踏込み量、踏込み速度等を検出するアクセルセンサ7と、車両の前後G、具体的には車両の実加速度Gを検出する車両Gセンサ8と、これら各センサ7,8からのセンサ信号を取り入れて演算処理するコントローラ9とを備えており、このコントローラ9から、エンジン1、ロックアップクラッチ3、歯車変速機構4等に対して制御信号を出力するように構成している。
このコントローラ9では、アクセルペダルの踏込み量等を検出することで、ドライバの加速要求を判別して、このドライバの加速要求を満足するように、エンジン1や歯車変速機構4等を制御している。
具体的には、アクセルペダルの踏込み量と実加速度Gを検出することで、車両の目標加速度Gを算出して、この車両の目標加速度Gに車両の実加速度Gが追従するように、いわゆるフィードバック制御で制御するようにしている。なお、フィードバック制御の制御方法は、一般的なPI制御で行なう。もっとも、PID制御等で行ってもよい。
この実施形態では、加速度の立ち下がり時(加速後半時)の制御方法について詳細に説明する。図2は、加速後半時の制御方法を中心に示した制御フローチャートであり、このフローチャートを参照して説明する。
まず、S1ではコントローラ9に各種信号を読み込む。アクセルセンサ7や車両Gセンサ8からドライバの加速要求や車両の運転状態を読み込む。なお、その他、図示しない車速センサやシフトセンサや舵角センサ等から、車両の運転状態の各種信号を検出するようにしてもよい。
次に、S2ではアクセル踏込みか否かを判断する。具体的には、ドライバが所定値以上にアクセルペダルを踏込んでいるかを判断する。この時、アクセルペダルの開度は、中開度(パーシャル開度)でほぼ一定の状態であることが求められる。これは、アクセルペダルの全開時やアクセルペダルの開度変動時では、立ち下がりの加速制御を安定的に行なうことができないからである。
ここで、アクセルペダルの踏込みを検出しなかった場合(NO判断)には、そのままリターンに移行して、次の制御に備える。一方、アクセルペダルの踏込みを検出した場合(YES判断)には、S3に移行する。
S3では、加速度Gの検出値を獲得する。すなわち、アクセルペダルが踏込まれた際には、エレキスロットルのスロットル開度が開放されて、エンジン出力が高まるため、このエンジン出力の高まりによって、大きくなる車両の実加速度Gを獲得するのである。
そして、S4ではこの加速度Gの検出値を蓄積する。この加速度Gの検出値を蓄積することで、実際に車両の生じた実加速度Gの履歴を持つことができる。このため、加速前半で、実際に車両にどのような加速度の立ち上がりが生じたかを判別できる。
その後、S5では加速度Gのピーク値か否かを判断する。具体的には、加速度Gの増加が少なくなり、加速度Gの値が変化しない、または減少する場合には、その時点を加速度Gのピーク値(図6のP参照)と判断する。
ここで、加速度Gのピーク値と判断しなかった場合(NO判断)には、まだ加速の立ち上がり状態であるため、再度、S3に戻って、加速度Gの検出値を獲得する。一方、加速度Gのピーク値と判断した場合(YES判断)には、S6に移行する。
S6では、加速度Gデータの履歴から目標加速度Gの時系列データを設定する。この目標加速度Gの時系列データは、図示しないマップデータで算出するようにしている。このマップデータでは、例えば、加速前半の加速度Gデータの履歴によって、加速後半の加速度Gの立ち下がり勾配がそれぞれ一定比率で変化するような目標加速度Gの時系列データ(時々刻々変化する複数の値)を設定している。
そして最後に、S7では、この目標加速度Gの時系列データをもとに、エンジン出力をフィードバック制御で制御する。具体的には、車両の実加速度Gが目標加速度Gとなるように、スロットル開度や点火タイミング等を変化させてエンジン出力を制御する。
この場合、多くの場合は、エンジン出力を増加方向に制御することになる。なぜなら、一般的なエンジンは、加速後半にエンジントルクが低下するため、高めに設定した目標加速度Gより実加速度Gの方が低下するためである。
すなわち、図5のように、エンジントルクとエンジン回転数の関係がスロットル開度によって変化する状態を示すグラフで示すように、一般的なエンジンでは、スロットル開度量(TVO)が一定であると、エンジン回転数が高回転側に移行すると、エンジントルクが低下するため、エンジン回転数が高回転側に移行する加速後半では、車両の実加速度Gが低下するのである。
こうした、加速後半の車両の実加速度Gの低下を補うため、本実施形態では、目標加速度Gに実加速度Gが追従するように、エンジン出力をフィードバック制御で制御しているのである。
図3は、この加速後半時の制御方法と同時に制御されるロックアップクラッチの制御方法を示した制御フローチャートである。このフローチャートを参照してロックアップクラッチの制御方法について説明する。
まず、S11では各種信号を読み込む。アクセルセンサ7や車両Gセンサ8から各種信号を読み込むと共に、さらに、歯車変速機構4の油温センサ(図示せず)から歯車変速機構4内の油温を読み込む。
次に、S12ではアクセル踏込みか否かを判断する。ここでも、S2と同様に、ドライバが所定値以上にアクセルペダルを踏込んで、アクセルペダルの開度が所定値以上になっているかを判断する。
ここで、アクセルペダルの踏込みを検出しなかった場合(NO判断)には、そのままリターンに移行して、次の制御に備える。一方、アクセルペダルの踏込みを検出した場合(YES判断)には、S13に移行する。
S13では、ロックアップクラッチ3を開放制御する。すなわち、ここではトルクコンバータ2を介してトルク伝達を行なうのである。このように、トルクコンバータ2を介してトルク伝達することで、エンジン出力をトルク増倍して、大きな駆動トルクを駆動輪6,6に伝達することができる。
このため、加速前半の加速の立ち上がり時の加速度を高めることができ、ドライバに与える加速感を、より高めることができる。
その後、S14では加速度Gのピーク値か否かを判断する。ここでも、加速度Gの増加が少なくなり、加速度Gの値が変化しない、または減少する場合に、加速度Gのピーク値(図6のP参照)と判断する。
ここで、加速度Gのピーク値と判断しなかった場合(NO判断)には、まだ加速の立ち上がり状態であるため、そのまま、S13に戻り、ロックアップクラッチ3を開放制御する。一方、加速度Gのピーク値と判断した場合(YES判断)には、S15に移行する。
S15では、歯車変速機構4が冷間時か否かを判断する。これは、前述した油温センサの信号により判断する。なお、歯車変速機構4自体が冷間制御モードを有する場合には、その信号によって冷間時か否かを判断するようにしてもよい。
ここで、冷間時であると判断した場合(YES判断)には、ロックアップクラッチ3を締結しないため、S16に移行して、エンジン出力を通常時よりも増加方向に補正するエンジン出力増加制御を行なう。なお、この増加制御は、エンジン出力のマップ値を変更したり、フィードバックゲインの係数を大きくすること等によって行なう。
ここで、冷間時にロックアップクラッチ3を締結しないのは、ロックアップクラッチ3自体の制御性能が低下すると共に、エンジン1の出力トルクも低下してロックアップクラッチ3を締結するとエンジン性能が低下するおそれがあるためである。
また、冷間時に、エンジン出力を増加方向に補正するエンジン出力増加制御を行なうのは、冷間時にはエンジン1の出力トルクが低下しており、この低下分を補う必要があるためである。
なお、冷間時にはトルクコンバータ2の容量係数やトルク比も低下しているため、この低下分をトルク補正で補うようにしてもよい。
一方、冷間時でないと判断した場合(NO判断)には、S17に移行して、ロックアップクラッチ3を締結制御する。すなわち、ここでは、ロックアップクラッチ3を介して、ダイレクトにトルク伝達を行なうのである。
このように、ロックアップクラッチ3を介してトルク伝達することで、エンジン回転数をやや下げることができるため、再度、エンジントルクを高める余地を確保でき(図5参照)、加速の立ち下がり時の加速度制御を、より確実に行なうことができる。
このように、ロックアップクラッチ3を制御することにより、加速前半の加速度の立ち上がり時には、トルクコンバータ2のトルク増倍機能を利用して、ピーク値前の加速感を高め、加速度Gのピーク値を高めている。一方、加速後半の加速度の立ち下がり時には、ロックアップクラッチ3を締結することで、エンジン回転数を低下させて、エンジン出力のフィードバック制御を行いやすくしている。
図4は、これらの制御方法のサンプリングタイミングを変更する制御フローチャートである。この図4を参照して、サンプリングタイミングの変更方法について説明する。
まず、このフローチャートでも、S21では各種信号を読み込む。アクセルセンサ7や車両Gセンサ8から各種信号を読み込む。
次に、S22では、アクセル踏込みか否かを判断する。ここでも、S2と同様に、ドライバが所定値以上にアクセルペダルを踏込んでいるかを判断する。
ここで、アクセルペダルの踏込みを検出しなかった場合(NO判断)には、そのまま、S23を飛び越してS24に移行する。一方、アクセルペダルの踏込みを検出した場合(YES判断)には、S23に移行する。
S23では、サンプリングタイミングを短縮する短縮Aモードを実行する。この短縮Aモードでは、例えば、サンプリングタイミングを10msから1msという短い時間に変更すると共に、この短縮期間を加速初期の短期間に設定している。
このように、短縮Aモードを、加速初期の短期間に設定しているのは、加速初期にロックアップクラッチ3を開放するため、エンジン1の吹き上がりを防止すべく、エンジン1の出力制御を精度よく行なうためである。
そして、S24では、加速度Gのピーク値か否かを判断する。ここでも、加速度Gの増加が少なくなり、加速度Gの値が変化しない、または減少する場合に、加速度Gのピーク値と判断する。
ここで、加速度Gのピーク値と判断しなかった場合(NO判断)には、そのまま、S25を飛び越してS26に移行する。一方、加速度Gのピーク値と判断した場合(YES判断)には、S25に移行する。
S25では、サンプリングタイミングを短縮する短縮Bモードを実行する。この短縮Bモードでは、例えば、サンプリングタイミングを10msから1msの短い時間に変更する共に、この短縮期間を加速度Gピーク後の比較的長い時間に設定している。
このように、短縮Bモードを、加速度Gピーク後の比較的長い時間に設定しているのは、加速度Gピーク後にロックアップクラッチ3を締結する際に、できるだけ長く精度よくロックアップクラッチ3を制御することで、エンジンの吹き上がりやクラッチジャダの発生等を防いで、ドライバに違和感を与えないようにするためである。
その後、S26では、サンプリングタイミングを通常状態にして制御する。例えば、サンプリングタイミングを10msとして制御する。このように、サンプリングタイミングを、通常時には10msと比較的長い時間に設定することで、通常制御時のコントローラの負荷を低減できる。
以上のように、サンプリングタイミングを、必要時のみ短縮するように制御することにより、コントローラ9の性能をさほど高めることなく、加速の立ち上がり時、立ち下がり時のエンジン出力制御、ロックアップクラッチ制御の制御性能を高めることができる。
このように、車両の制御装置を制御した場合のタイムチャートを、図6、図7で説明する。図6は、アクセルペダルの踏込み操作とロックアップクラッチの断接操作と車両の前後G(実加速度G)の状態との関係を示したタイムチャートである。
上段に示すように、アクセルペダル(アクセル)を全閉から中間域に開放操作すると、下段に示すように、車両の前後G(実加速度G)が上昇する。この上昇は、加速前半における加速制御によって生じ、目標加速度Gに追従するように制御されたエンジン出力によって生じるものである。
また、これと同時に、中端に示すように、ロックアップクラッチ(クラッチ)も、スリップ状態から完全開放状態のOFFに制御される。これにより、トルクコンバータを介してエンジン出力の伝達が行われ、トルク増倍で駆動輪側に伝達されることになる。
その後、車両の前後G(実加速度G)は、直線状に立ち上がっていき、上端近傍で湾曲してピーク値Pとなる。このピーク値Pを越えてから車両の前後G(実加速度G)は、滑らかに円弧状に湾曲して減少(立ち下がって)していく。
このピーク値Pを越えてから、中段に示すように、ロックアップクラッチがスリップ状態を経由して徐々に完全接続状態のONに制御される。これにより、エンジン回転数を低下させて、エンジン出力の制御幅を広げることができる。
その後、車両の前後G(実加速度G)は、加速後半となり、略直線状に立ち下がっていく。このため、ドライバには、長期間に亘り加速感を与えることができ、ドライバは、気持ちのよい加速感を長期間得ることができる。
このとき、本実施形態の制御方法を採用しない場合には、いわゆる「成り行き」状態となり、破線に示すように、急激に加速度が低下する。このように加速度が低下すると、ドライバは、加速後半の加速感が損なわれることで、不快感を覚えることになる。
図7は、車両の前後G(実加速度G)の状態とエンジン回転数とタービン回転数の変化と二歩率目標値の変化とサンプリングタイミングの変化と、
を示したタイムチャートである。
上段に示すような、車両の前後G(実加速度G)の変化に対応して、中段に示すトルクコンバータの状態(回転数、すべり率目標)も変化する。
すなわち、前述したようにロックアップクラッチが、加速前半の立ち上がり時に開放制御されて、加速後半の立ち下がり時に締結制御されるため、トルクコンバータの回転数やすべり率目標値は、ロックアップクラッチの締結状態に応じて変化するのである。
具体的に、加速初期には、すべり率目標値がスリップ状態(「約0.4」)から完全スリップ状態(「1」)に変化するため、エンジン回転数がターン回転数の上昇に比して大きく上昇する。その後の加速前半では、すべり率目標値が完全スリップ状態(「1」)を維持するため、エンジン回転数とタービン回転数は所定の回転数差のまま上昇していく。
その後、加速後半では、加速度Gのピーク値Pを越えると、すべり率目標値が徐々に完全スリップ状態(「1」)から完全締結状態(「0」)に変化していくため、エンジン回転数が低下する。そして、すべり率目標が完全締結状態(「0」)となると、このエンジン回転数は、タービン回転数と一致した状態で上昇して行く。
一方、サンプリングタイミングは、このすべり率目標値が変化する時に、短くなるように設定している。すなわち、加速初期のタイミングで一度短縮されるように制御して(短縮Aモードに相当)、加速度Gのピーク値P後のタイミングで、もう一度短縮されるように制御している(短縮Bモードに相当)。
このように、サンプリングタイミングを一時的に短縮することで、前述したように、コントローラ9の性能をさほど高めることなく、加速の立ち上がり時、立ち下がり時の制御性能を高めることができる。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この発明の車両の制御装置は、アクセル踏み込み操作時における、車両加速度の立ち上がり時の実加速度Gの履歴を獲得して(S3,S4)、この履歴に応じて立ち上がりを経由した後における時系列の目標加速度Gを設定して(S6)、実加速度Gがこの目標加速度Gを追従するようにエンジン出力を制御(S7)している。
これにより、加速時の過渡現象である実加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標加速度Gを設定することが可能となり、この目標加速度Gによってエンジン出力を制御することで、所望の加速度Gを得ることができる。
よって、車両の制御装置において、加速ピーク後の立ち下がり時の実加速度Gを制御することで、立ち下がり時のトルク感のある加速度波形(G波形)を演出でき、車両の加速感を高めることができる。
また、この実施形態では、実加速度Gの履歴は、実加速度Gのピーク値Pを含むように設定している。
これにより、実加速度Gが増加から減少に転ずる頂点の値を取り込んで目標加速度Gを設定することになるため、より変動の少ない連続した目標加速度Gを設定することができる。
すなわち、実加速度Gのピーク値Pの値は、加速度曲線の変曲点でもあるため、目標加速度Gの時系列データの演算を比較的容易に行なうことができるのである。
よって、より円滑な加速度変化によって所望の加速度Gを得ることができる。
また、この実施形態では、実加速度Gのピーク値Pを越えてロックアップクラッチ3を締結するようにしている。
これにより、加速後半の加速度の立ち下がり時には、原則としてトルクコンバータ2で滑りが生じない。
よって、トルクコンバータ2の滑りがない分、使用するエンジン回転数を低回転側に変化させることができ、エンジントルクを増加できる。これにより、エンジン出力の制御性を向上することができる。
また、この実施形態では、ロックアップクラッチ3の締結時点の前後で、サンプリングタイミングを他の時点よりも短縮している。
これにより、ロックアップクラッチ3の締結制御やエンジン1の出力制御を、精度よく行なうことができる。
よって、ロックアップクラッチ3の締結時点での、エンジン1の吹き上がりや締結ショックの低減を図ることができる。
また、この実施形態では、冷間時のロックアップクラッチ3の締結不可能時に、フィードバックゲイン等を変更することで、エンジン出力制御の出力値を増加方向に変更するようにしている。
これにより、ロックアップクラッチ3の締結不可能時には、トルクコンバータ2に滑りが生じて、エンジントルクを確実に伝達できない分を、エンジン出力の増加で補うことができる。
よって、ロックアップクラッチ3の締結不可能時にであっても、所望の加速度Gを得ることができ、加速の立ち下がり時の制御性を向上できる。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の実車両加速度履歴獲得手段は、実施形態の車両Gセンサ8と、コントローラ9と、ステップS3、ステップS4に対応し、
以下、同様に、
目標車両加速度設定手段は、コントローラ9と、ステップS6に対応し、
エンジン出力制御手段は、コントローラ9と、ステップS7に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両の制御装置および制御方法に適用する実施形態を含むものである。
なお、歯車変速機構4は、多段歯車式の変速機構だけでなく、無段変速式の変速機構であってもよい。また、エンジン1の出力制御も、エレキスロットルのスロットル開度制御等だけでなく、吸気タイミングや排気タイミングを位相可変装置で変更するものや、吸気の加給量を加給機等で変更するもの等であってもよい。
車両のパワートレインおよび制御装置の全体ブロック図。 加速後半時の制御方法を中心に示した制御フローチャート。 ロックアップクラッチの制御方法を示した制御フローチャート。 サンプリングタイミングを変更する制御フローチャート。 エンジントルクとエンジン回転数の関係がスロットル開度によって変化する状態を示すグラフ。 アクセルペダルの踏込み操作とロックアップクラッチの断接操作と車両の前後G(実加速度G)の状態との関係を示したタイムチャート。 車両の前後G(実加速度G)の状態とエンジン回転数とタービン回転数の変化とすべり率目標値の変化とサンプリングタイミングの変化を示したタイムチャート。
1…エンジン
2…トルクコンバータ
3…ロックアップクラッチ
4…歯車変速機構
7…アクセルセンサ
8…車両Gセンサ
9…コントローラ
S3,S4…実車両加速度履歴獲得手段
S6…目標車両加速度設定手段
S7…エンジン出力制御手段

Claims (6)

  1. アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、
    トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、
    発進時又は加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得する実車両加速度履歴獲得手段と、
    前記実車両加速履歴に応じて上記立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する目標車両加速度設定手段と、
    実車両加速度が上記設定された時系列の目標車両加速度追従するようエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段とを備え
    前記目標車両加速度設定手段は、発進時又は加速時の実車両加速度の立ち上がりの履歴に応じて加速後半の時系列の目標車両加速度を変更する
    車両の制御装置。
  2. 前記実車両加速度履歴は、実車両加速度のピーク値を含むように設定した
    請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 上記実車両加速度履歴獲得手段は、車両加速度の立ち上がり開始から車両加速度ピークまでの履歴を獲得し、
    上記目標車両加速度設定手段および上記エンジン出力制御手段を介して、当該履歴に応じて加速後半の車両加速度を制御する
    請求項1または2記載の車両の制御装置。
  4. 前記トルクコンバータにロックアップクラッチを備えて、
    実車両加速度のピーク値を越えてロックアップクラッチを締結する
    請求項1〜の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記ロックアップクラッチの締結不可能時に、エンジン出力制御の出力値を、増加方向に変更する
    請求項記載の車両の制御装置。
  6. アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、
    トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御方法であって、
    発進時又は加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得する工程と、
    前記実車両加速履歴に応じて上記立ち上がりを経由した加速後半の時系列の目標車両加速度を設定する工程と、
    実車両加速度が上記設定された時系列の目標車両加速度追従するようエンジン出力を制御する工程とを備え
    前記目標車両加速度を設定する工程は、発進時又は加速時の実車両加速度の立ち上がりの履歴に応じて加速後半の時系列の目標車両加速度を変更する
    車両の制御方法。
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