JP5245515B2 - 車両の制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Description
まず、「加速の立ち上がりの応答性」が高ければ、アクセルペダルの踏み込み操作に即応するように車両が加速するため、運転者は気持ちのよい加速感を得ることができる。
また、「加速度のピーク値の大きさ」が大きい場合も、アクセルペダルの踏み込み量に比較して大きな加速度が得られるため、運転者はトルクフルな加速感を得ることができる。
さらに、「加速の立ち下がりの持続性」が安定している場合には、アクセルペダルの踏み込み状態で長期間にわたり大きな加速度が得られるため、運転者は長期間気持ちのよい加速感を得ることができる。
このため、これら三点の判断基準の値を高めることで、運転者に気持ちのよい加速感を与えることができる。
このため、運転者の意図に応じて、車両加速度の立ち上がりを経由にした後の実車両加速度(加速後半の車両の実加速度)を、変化させることができる。
よって、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、加速前半から円滑、かつ精度よく加速後半の加速度変化が生じるように、目標車両加速度を設定することができる。
上記構成によれば、目標スリップ量設定手段で、運転者の走りに対する意図に応じて、ロックアップクラッチの時系列の目標スリップ量が変化するようにしている。
よって、運転者の意図に応じて、ロックアップクラッチのスリップ状態が変化するため、走り感の差別化を図ることができる。
上記構成によれば、締結タイミング変更手段で、運転者の走りに対する意図に応じて、ロックアップクラッチの締結時点までの時間が変化するようにしている。
よって、運転者の意図に応じて、ロックアップクラッチの締結タイミングが変化するため、走り感の差別化を効果的に行うことができる。
上記構成によれば、ロックアップクラッチの締結の時点の前後で、サンプリングタイミングを短縮することで、ロックアップクラッチの締結制御やエンジンの出力制御を、精度よく行なうことができる。
よって、ロックアップクラッチの締結時点での、エンジンの吹き上がりや締結ショックの低減を図ることができる。
上記構成によれば、運転者のモード選択で、運転者の意図を判断することになるため、明確に運転者の意図を制御装置内に取り込むことができる。
よって、運転者の意図という不明確な情報を、確実に反映して制御を行うことができるため、運転者に、不信感や不安感を与えることなく、加速後半の加速感を高めることができる。
上記構成によれば、アクセル踏み込み操作時のアクセル開速度で、運転者の意図を判断することになるため、別途、運転者の意図を入力操作することなく、運転者の意図を制御装置内に取り込むことができる。
よって、運転者の意図が自動的に制御に反映されるため、煩わしい操作を行なうことなく、加速後半の加速感を高めることができる。
上記構成によれば、運転者の走りに対する意図を判断して、この判断結果に応じて、時系列の目標車両加速度を変更するようにしている。
このため、運転者の意図に応じて、車両加速度の立ち上がりを経由にした後の実車両加速度(加速後半の車両の実加速度)を、変化させることができる。
しかも、実車両加速度履歴を獲得する工程で、アクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得して、この実車両加速度履歴に応じて、車両加速度の立ち上がりを経由した後における時系列の目標車両加速度を設定するようにしている。
よって、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、加速前半から円滑、かつ精度よく加速後半の加速度変化が生じるように、目標車両加速度を設定することができる。
よって、車両の制御装置及び制御方法において、加速ピーク後の立ち下がり時の加速度を制御することで、運転者の走り意図を踏まえて、トルク感のある加速度波形(G波形)を演出して、運転者の要求を満足できる。
しかも、車両発進時または加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時の実車両加速度履歴を獲得して、この実車両加速度履歴に応じて、車両加速度の立ち上がりを経由した後における時系列の目標車両加速度を設定するものであるから、加速時の過渡現象である加速度Gの立ち上がり履歴を踏まえた上で、加速後半の目標車両加速度を設定することが可能となり、加速前半から円滑、かつ精度よく加速後半の加速度変化が生じるように、目標車両加速度を設定することができる。
図1は本発明を採用した車両のパワートレインおよび制御装置の全体ブロック図である。
車両のパワートレインPTは、駆動力を発生するエンジン1と、このエンジン1の下流側に設置したトルクコンバータ2と、このトルクコンバータ2に並列に配置されるロックアップクラッチ3と、トルクコンバータ2およびロックアップクラッチ3からの出力を受けて変速を行なう歯車変速機構4と、この歯車変速機構4からの出力を受けて左右に駆動力を配分する差動装置5と、差動装置5からの駆動力を受けて車両を駆動する左右の駆動輪6,6とを備えている。
この場合、多くの場合は、エンジン出力を増加方向に制御することになる。なぜなら、一般的なエンジンは、加速後半にエンジントルクが低下するため、高めに設定した目標加速度Gより実加速度Gの方が低下するためである。
すなわち、図5の、エンジントルクとエンジン回転数の関係がスロットル開度によって変化する状態を示すグラフで示すように、一般的なエンジンでは、スロットル開度量(TVO)が一定であると、エンジン回転数が高回転側に移行すると、エンジントルクが低下するため、エンジン回転数が高回転側に移行する加速後半では、車両の実加速度Gが低下するのである。
ここで、パワフルモードであると判断した場合(YES判断)には、S16に移行して、ロックアップクラッチ3をスリップ制御する。このスリップ制御とは、ロックアップクラッチ3を略半クラッチ状態で滑らせて、トルク伝達する制御である。
このように、ロックアップクラッチ3を介してトルク伝達することで、エンジン回転数をやや下げることができるため、再度、エンジントルクを高める余地を確保でき(図5参照)、加速の立ち下がり時の加速度制御を、より確実に行なうことができる。
次に、S22では、アクセル踏込みか否かを判断する。ここでも、S2と同様に、運転者が所定値以上にアクセルペダルを踏込んでいるかを判断する。
よって、本実施形態によると、運転者の走りの意図に応じて、車両の加速感を変化させることができる。
ノーマルモードの際には、前述したように、ロックアップクラッチ3が、加速前半の立ち上がり時に開放制御されて、加速後半の立ち下がり時に締結制御されるため、トルクコンバータ2の回転数や、すべり率目標値は、ロックアップクラッチ3の締結状態に応じて変化する。
この実施形態の車両の制御装置は、アクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がりを経由にした後における時系列の目標加速度Gを設定して、この目標加速度に実加速度Gが追従するようにエンジン出力を制御するように設定するともに、パワフルスイッチ9で運転者の走りに対する意図を判断して(S2)、その判断結果に応じて、時系列の目標加速度Gを変更するようにしている(S7)。
これにより、運転者の走りの意図に応じて、ロックアップクラッチ3のスリップ状態が変化するため、走り感の差別化を図ることができる。
これにより、ロックアップクラッチ3の締結制御やエンジン1の出力制御を、精度よく行なうことができる。
よって、ロックアップクラッチ3の締結時点での、エンジン1の吹き上がりや締結ショックの低減を図ることができる。
これにより、運転者のスイッチ操作で、運転者の走りの意図を判断することができるため、明確に運転者の意図をコントローラ10内に取り込むことができる。
よって、運転者の意図という不明確な情報を、確実に反映して制御を行うことができるため、運転者に、不信感や不安感を与えることなく、加速後半の加速感を高めることができる。
また、この運転者の走りの意図判断は、例えば、アクセル踏み込み操作時のアクセル開速度であってもよい。
この場合には、別途、運転者の意図を入力操作することなく、運転者の意図をコントローラ10内に取り込むことができる。
よって、自動的に運転者の意図が反映されるため、煩わしい操作を行なうことなく、加速後半の加速感を高めることができる。
この発明の意図判断手段は、実施形態のパワフルスイッチ9と、ステップS2に対応し、
以下、同様に、
目標加速度設定手段は、コントローラ10と、ステップS7に対応し、
目標加速度変更手段は、コントローラ10と、ステップS7に対応し、
エンジン出力制御手段は、コントローラ10と、ステップS8に対応し、
実車両加速度履歴獲得手段は、車両Gセンサ8と、コントローラ10と、ステップS3、ステップS4に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両の制御装置及び制御方法に適用する実施形態を含むものである。
2…トルクコンバータ
3…ロックアップクラッチ
4…歯車変速機構
7…アクセルセンサ
8…車両Gセンサ(実加速度検出手段)
9…パワフルスイッチ
10…コントローラ
S2…意図判断手段
S3,S4…実車両加速度履歴獲得手段
S7…目標加速度設定手段、目標加速度変更手段
S8…エンジン出力制御手段
Claims (7)
- アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、
発進時または加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がりを経由にした後における時系列の目標車両加速度を設定する目標加速度設定手段と、
実車両加速度が前記設定された時系列の目標車両加速度を追従するようにエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段と、
運転者の走りに対する意図を判断する意図判断手段と、
前記意図判断手段の判断結果に応じて前記時系列の目標車両加速度を変更する目標加速度変更手段と、
車両の実加速度を検出する実加速度検出手段と、
車両発進時または加速時のアクセル踏み込み操作時の車両加速度の立ち上がり時の前記実加速度検出手段から得られる実車両加速度履歴を獲得する実車両加速度履歴獲得手段と、を備え、
前記実車両加速度履歴に応じて上記車両加速度の立ち上がりを経由した後における時系列の目標車両加速度を設定する
車両の制御装置。 - 前記トルクコンバータにスリップ量が可変となるロックアップクラッチを備えて、
前記運転者の走りに対する意図に応じて、前記ロックアップクラッチの前記立ち上がりを経由した後における時系列の目標スリップ量を設定する目標スリップ量設定手段を設けた
請求項1記載の車両の制御装置。 - 前記運転者の走りに対する意図に応じて、前記実車両加速度のピーク値時点からロックアップクラッチの締結時点までの時間を変更する締結タイミング変更手段を設けた
請求項2記載の車両の制御装置。 - 前記ロックアップクラッチの締結の時点の前後で、サンプリングタイムを他の時点よりも短縮し、上記サンプリングタイムは、ロックアップクランチの締結またはスリップの出力制御のサンプリングタイムである。
請求項3記載の車両の制御装置。 - 前記意図判断手段は、運転者のモード選択である
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の制御装置。 - 前記意図判断手段は、アクセル踏み込み操作時のアクセル開速度である
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の制御装置。 - アクセル操作に対して独立にエンジン出力を制御するエンジンと、トルクコンバータを有する自動変速機とを備えた車両の制御方法であって、
発進時または加速時のアクセル踏み込み操作時における車両加速度の立ち上がり時を経由にした後における時系列の目標車両加速度を設定する工程と、
実車両加速度が前記設定された時系列の目標車両加速度を追従するようにエンジン出力を制御する工程と、
運転者の走りに対する意図を判断する工程と、
前記意図判断結果に応じて前記時系列の目標車両加速度を変更する工程と、
車両の実加速度を検出する工程と、
車両発進時または加速時のアクセル踏み込み操作時の車両加速度の立ち上がり時の前記実加速度検出結果から得られる実車両加速度履歴を獲得する工程とを備え、
前記実車両加速度履歴に応じて上記車両加速度の立ち上がりを経由した後における時系列の目標車両加速度を設定する
車両の制御方法。
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