JP5549291B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

ここに開示する技術は、車両の制御に関し、特にエンジン及び変速機を含むパワートレインの制御を通じて、車両の発進時又は加速時において気持ちのよい加速感を演出し得る制御に関する。
従来より、アクセルペダルの踏み込み量に応じた目標加速度を設定して、実際の車両の加速度が目標加速度になるように、エンジン及び変速機を含むパワートレインを制御することで、加速時の加速感を向上するものが知られている。
ここで例えば特許文献1には、車両の加速感は、「加速の立ち上がりの応答性」と、「加速度のピーク値の大きさ」と、「加速の立ち下がりの持続性」の三点で、気持ちよさが変化するとの観点から、アクセル操作に対して独立に出力が制御可能なエンジンと、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを介してエンジンに駆動連結された自動変速機とを含むパワートレインの制御装置において、目標加速度を時系列で設定し、この時系列の目標加速度に追従するようにスロットル開度を制御する技術が記載されている。
特開2009−264304号公報
ところで、主に燃費改善の観点から、車両の発進時を含む低車速からロックアップクラッチを作動させる(ここでは、締結状態及びスリップ状態を含んでロックアップクラッチの作動状態といい、ロックアップクラッチの非締結の状態を、非作動状態という場合がある)ことが考えられ、前述したような特許文献1に記載された技術においては、目標加速度を時系列で設定すると共に、ロックアップクラッチの目標とする滑り量も時系列で設定し、発進又は加速時には、時系列の目標滑り量に基づくロックアップクラッチのスリップ制御を行いながら、時系列の目標加速度に基づくエンジン出力制御をすることが考えられる。
ところが、発進又は加速時に、時系列の目標加速度に基づくロックアップクラッチのスリップ制御を行うことによって、ロックアップクラッチは、高負荷のスリップ状態が、長時間継続することになるから、ロックアップクラッチのフェーシングの温度が高くなりすぎてしまい、信頼性を損ねる虞がある。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発進又は加速時に、時系列の目標滑り量に基づくロックアップクラッチのスリップ制御をする場合でも、ロックアップクラッチの温度の過剰な上昇を回避して、その信頼性を確保することにある。
ここに開示する技術は、アクセルの踏み込み操作時に目標加速度を時系列で設定すると共に、ロックアップクラッチの目標滑り量を時系列で設定したときには、その時系列の目標滑り量となるようにロックアップクラッチの作動制御を実行した場合に到達し得るロックアップクラッチの温度を事前に予測し、当該予測した到達温度が所定温度よりも高くなるときには、ロックアップクラッチの温度上昇を抑制するように目標滑り量を変更するようにした。
具体的に、ここに開示する車両の制御装置は、アクセル操作に対し独立にエンジン出力を制御可能なエンジンと、ロックアップクラッチ付きの、流体を介した動力伝達機構を含みかつ、当該動力伝達機構を介して前記エンジンに駆動連結された自動変速機と、発進又は加速時のアクセル踏み込み操作時に、目標加速度を時系列で設定する目標加速度設定手段と、実車両加速度が前記設定された時系列の目標加速度に追従するように、前記エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、を備え、前記エンジン出力制御手段は、加速開始から加速終了まで前記ロックアップクラッチを作動させた状態で、前記時系列の目標加速度に追従するように前記エンジン出力を制御する。
制御装置はさらに、前記加速開始からの、前記ロックアップクラッチの目標滑り量を時系列で設定する目標滑り量設定手段と、前記設定された時系列の目標滑り量に追従するように、前記ロックアップクラッチのスリップ制御を実行するスリップ制御手段と、前記設定された目標滑り量に基づく前記ロックアップクラッチのスリップ制御が行われることに起因して上昇する、前記ロックアップクラッチの到達温度を事前に予測する温度予測手段と、を備え、前記目標滑り量設定手段は、前記予測したロックアップクラッチの到達温度が所定温度よりも高くなるときには、その予測到達温度が高いほど滑り量が小さくなるように、前記時系列の目標滑り量を変更する。
ここで、「自動変速機」は、例えば歯車変速機構からなる多段変速機、及び、例えばベルト変速機構からなる無段変速機の双方を含み得る。また、「流体を介した動力伝達機構」には、トルクコンバータやフルードカップリング等が含まれ得る。
「ロックアップクラッチの作動」には、ロックアップクラッチを締結すること(滑り量がゼロ)の他、所定の滑り量でスリップさせることを含み得る。
前記の構成によると、発進又は加速時のアクセル踏み込み操作時には、目標加速度を時系列で設定し、実加速度が設定された時系列の目標加速度に追従するようにエンジンの出力が制御される。目標加速度を時系列で設定することは、所望の加速度波形を演出し得るため、車両の加速感を高め得る。
また、加速開始からの、ロックアップクラッチの目標滑り量が時系列で設定され、設定された時系列の目標滑り量に追従するようにロックアップクラッチのスリップ制御を実行しながら、前記エンジン出力の制御を実行することで、燃費改善の点で有利になる。
一方で、ロックアップクラッチの目標滑り量が設定されたときには、ロックアップクラッチのスリップ制御が行われることに起因して上昇する、ロックアップクラッチの、例えばフェーシングの到達温度が事前に予測され、予測した到達温度が所定温度よりも高くなるときには、予測到達温度が高いほど滑り量が小さくなるように、時系列の目標滑り量が変更される。つまり、ロックアップクラッチの滑り量を減らして、ロックアップクラッチの温度上昇を抑制することにより、ロックアップクラッチが所定温度を超えてしまうことを未然に回避する。その結果、発進又は加速時に、時系列の目標滑り量に基づいて、高負荷のスリップ状態が長時間継続するようなスリップ制御が行われる場合でも、ロックアップクラッチの信頼性が確保される。
前記の構成において、前記目標滑り量設定手段は、前記時系列の目標加速度における加速開始から加速度のピーク値に至る期間内の前記目標滑り量を、時系列で設定する。
このようにアクセル踏み込み操作時における、加速前半の加速度の立ち上がり領域において、ロックアップクラッチの作動制御、具体的には時系列の目標滑り量に基づくスリップ制御を実行することで、滑らかな加速が実現し得る。
前記制御装置は、前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、前記目標加速度設定手段及び目標滑り量設定手段は、前記時系列の目標加速度及び時系列の目標滑り量を、前記車両の走行状態に応じ互いに連係させて設定する、としてもよい。
つまり、基本的には、設定された時系列の目標加速度に応じて、時系列の目標滑り量が設定される一方で、例えば目標滑り量をどのように変更設定しても、ロックアップクラッチが所定温度を超えてしまうことが予想される場合には、目標滑り量に応じて、時系列の目標加速度が再設定されるようにしてもよい。そのように時系列の目標加速度と時系列の目標滑り量とは相互に連係して設定することが好ましく、そうすることによって、ロックアップクラッチの信頼性を担保することと、燃費改善を図りながら車両の加速感を高めることとが両立する。
また、時系列の目標加速度及び時系列の目標滑り量の設定に際しては、車両の走行状態を考慮することが好ましく、ここでいう走行状態には、例えば車両の走行負荷を例示することが可能である。すなわち、例えば登坂路走行時には、比較的高い駆動力が必要となる一方で、降坂路走行時には、高い駆動力は必要ない。このように目標加速度や目標滑り量は、走行状態に応じて適宜変更することが好ましく、そうすることによって、時系列の目標加速度や時系列の目標滑り量を、適切に設定し得るようになる。
以上説明したように、前記の制御装置によると、発進又は加速時のアクセル踏み込み操作時に、設定した時系列の目標加速度に実加速度が追従するようにエンジンの出力を制御することで、所望の加速度波形を演出して、車両の加速感を高め得る。一方で、加速開始からの、ロックアップクラッチの目標滑り量が時系列で設定され、ロックアップクラッチのスリップ制御が行われることで燃費改善の点で有利になる。それと共に、時系列の目標滑り量に基づくロックアップクラッチのスリップ制御を実行する際には、当該スリップ制御に起因して到達するロックアップクラッチの温度が事前に予測され、予測した到達温度が所定温度よりも高くなるときには、予測到達温度が高いほど滑り量が小さくなるように、時系列の目標滑り量が変更されることで、ロックアップクラッチが所定温度を超えてしまうことを未然に回避することができ、高負荷のスリップ状態が長時間継続するようなスリップ制御が行われる場合でも、ロックアップクラッチの信頼性を確保し得る。
車両のパワートレイン及び制御装置の全体ブロック図である。 コントローラの機能ブロック図である。 制御装置が実行する、パワートレインの制御に係るフローチャートである。 ロックアップクラッチのフェーシング温度の算出に係るフローチャートである。 ロックアップクラッチのフェーシング温度の予測に係るサブルーチンのフローチャートである。 滑り率補正係数のマップの一例である。 アクセル開度、目標加速度、エンジン回転数及びトルクコンバータの滑り率の変化の例を示す図である。
以下、車両の制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1は車両のパワートレイン及び制御装置の全体ブロック図である。図1においては、パワートレインPTにおける駆動力の伝達経路を示しており、このパワートレインPTは、駆動力を発生するエンジン11と、このエンジン11に対し、駆動力伝達経路の下流側に設置したトルクコンバータ(流体を介した動力伝達機構)12と、このトルクコンバータ12に、駆動力伝達経路の上では並列に配置されるロックアップクラッチ13と、トルクコンバータ12及びロックアップクラッチ13からの出力を受けて変速を行う歯車変速機構(例えば前進6速の多段自動変速機)14と、この歯車変速機構14からの出力を受けて左右に駆動力を配分する差動装置15と、差動装置15からの駆動力を受ける左右の駆動輪16,16とを備えている。
車両の制御装置CRは、エンジン11の出力やロックアップクラッチ13の断接、さらには歯車変速機構14の変速状態を制御する装置である。車両の制御装置CRは、ドライバのアクセルペダル(図示せず)の踏み込み状態や踏み込み量、踏み込み速度等を検出するアクセルセンサ31と、車両の前後G、具体的には車両の実加速度を検出する車両Gセンサ32と、これら各センサ31,32からのセンサ信号を取り入れて演算処理するコントローラ2とを備えている。
コントローラ2は、例えば通常のマイクロコンピュータであり、図示は省略するが、少なくともCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース回路、及びデータバスを備えて構成される。コントローラ2は、エンジン11、ロックアップクラッチ13、歯車変速機構14等に対して制御信号を出力するものであり、図2に示すように、その機能ブロックとして、エンジン出力制御部(エンジン出力制御手段)21、変速制御部22、目標加速度設定部(目標加速度設定手段)23、目標滑り量設定部(目標滑り量設定手段)24、クラッチ温度予測部(温度予測手段)25、及び、走行状態検出部(走行状態検出手段)26を少なくとも備えている。
このコントローラ2は、アクセルペダルの踏み込み量等を検出することで、ドライバの加速要求を判別して、このドライバの加速要求を満足するように、エンジン11や歯車変速機構14等を制御する。具体的にエンジン出力制御部21は、図示しないエレキスロットルのスロットル開度、点火プラグの点火タイミング、燃料噴射弁の燃料噴射量等を変化させることで、エンジン11の出力を制御するようにしている。より詳細には、アクセルペダルの踏み込み量と実加速度とを検出することで、車両の目標加速度を算出して、この車両の目標加速度に車両の実加速度が追従するように、いわゆるフィードバック制御で、エンジン11の出力を制御するようにしている。尚、フィードバック制御の制御方法は、一般的なPI制御で行う。もっとも、PID制御等で行ってもよい。また、コントローラ2は、予め設定されかつ、このコントローラ2に記憶されている変速マップに従って、車速及びスロットル開度に基づいて、歯車変速機構14の変速制御を実行すると共に、ロックアップクラッチ13の作動制御を行う(ロックアップクラッチ13のスリップ制御手段としての変速制御部22)。ここで、この車両では、燃費改善の観点から、車両の発進時を含めてロックアップクラッチを作動(スリップ状態を含む)させるような、ロックアップクラッチ13の常時作動を基本としている。
また、図示は省略するが、前記トルクコンバータ12及び歯車変速機構14を経由する作動油の循環回路が設けられており、トルクコンバータ12における作動油の出口(ロックアップクラッチ13の出口)には、その作動油の出口温度(油温To)を検出するセンサ(油温センサ)が取り付けられている。コントローラ2は、詳しくは後述するが、油温Toに基づいて、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度を算出する。
図3は、前記制御装置CRが実行する、パワートレインPTの制御フローチャートであり、以下、図2に示すコントローラ2の機能ブロックと、図3に示すフローチャートとを参照しながら、制御装置CRによるパワートレインPTの制御について説明する。先ず、ステップS31では、コントローラ2が各種信号を読み込む。アクセルセンサ31や車両Gセンサ32からドライバの加速要求や車両の運転状態を読み込む。尚、その他、図示しない車速センサやシフトセンサや舵角センサやクランク角センサ等から、車両の運転状態の各種信号を検出するようにしてもよい。さらに、詳細は後述するが車両の走行状態の検出に必要な各種の信号の読み込み(走行状態検出部26)、及び、前記油温センサからの油温に係る信号の読み込みも行われる。
次に、ステップS32ではアクセル踏み込みか否かを判定する。具体的には、ドライバが所定値以上にアクセルペダルを踏み込んでいるかを判定する。この時、アクセルペダルの開度は、中開度(パーシャル開度)でほぼ一定の状態であることが求められる(図7最上図のアクセル開度の変化も参照)。これは、アクセルペダルの全開時やアクセルペダルの開度変動時では、時系列の目標加速度に基づく加速制御を安定的に行うことができないからである。ステップS32で、アクセルペダルの踏み込みを検出しなかった場合(NOの場合)には、そのままリターンに移行して、次の制御に備える。一方、ステップS32でアクセルペダルの踏み込みを検出した場合(YESの場合)には、ステップS33に移行する。
ステップS33では、目標加速度を時系列で設定する(目標加速度設定部23)。目標加速度設定部23は、図示は省略するが、予め設定されてコントローラ2に記憶されているマップに基づいて、時系列の目標加速度を算出する。このマップでは、例えばアクセルの踏み込み量(アクセル開度)によって、加速度のピーク値の大きさと、加速後半の加速度の立ち下がり勾配が一定比率で変化するような目標加速度の時系列データ(時々刻々変化する複数の値)とを設定している。こうして、図7の上から2番目の図において実線で例示するように、加速度のピーク値に向かって加速度が立ち上がる(加速前半)と共に、そのピーク値以降は、直線状に緩やかな下り勾配となった(加速後半)目標加速度の時系列データが設定される。
続くステップS34では、ステップS33で設定した目標加速度の時系列データに基づいて、ロックアップクラッチ13の目標滑り量(目標滑り率)を、時系列で設定する(目標滑り量設定部24)。ここで設定される目標滑り率は、図7の最下図に示されるように、時系列の目標加速度では加速開始から加速度のピークに至るまでの加速前半に相当する領域での滑り率であり、目標滑り量設定部24は、このステップS34では、予め設定されてコントローラ2に記憶されているマップに基づいて、目標滑り率としての、基本滑り率時系列データSlip_bを設定する。例えば図7に示す例では、前述したように、ロックアップクラッチ13の常時作動を基本としていることから、加速開始時点では、ロックアップクラッチ13が締結状態である(滑り率がゼロ)とし、基本滑り率時系列データSlip_bは、ゼロから上昇してピークを経由した後に、目標加速度がピークに至る時点で滑り率が再びゼロになるように下降する、山なりの波形で設定される(図7の最下図の実線参照)。このように加速度の立ち上がり領域で、ロックアップクラッチのスリップ制御を行うことにより滑らかな加速が実現し得る。
ここで、ステップS33及びステップS34の目標加速度時系列データの設定及び目標滑り率の時系列データの設定に際しては、車両の走行状態、例えば走行負荷を考慮することが好ましい(走行状態検出部26)。例えば登坂路走行時には比較的高い駆動力が必要となる一方で、降坂路走行時には高い駆動力は必要ないことから、登坂路走行時と降坂路走行時とで、目標加速度や目標滑り率を適宜変更してもよい。尚、登坂路や降坂路の検出は、例えば路面勾配の情報を含んだ地図情報と自車両の走行位置を検出するGPS(Global Positioning System)との組み合わせによって検出が可能である。
ステップS35では、ステップS34で設定した基本滑り率時系列データSlip_bに基づいて、ロックアップクラッチ13のスリップ制御を実行した場合に到達する、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度を予測する(予測TL/U、クラッチ温度予測部25)。このフェーシング温度の予測の詳細については後述する。フェーシング温度の到達温度を予測すれば、ステップS36で、その予測TL/Uが予め設定しているロックアップクラッチ13の温度閾値Tthを超えたか否かを判定する。温度閾値Tthは、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度が過剰に高くならずにロックアップクラッチ13の信頼性を確保し得る範囲で適宜設定すればよい。予測TL/Uが温度閾値Tthを超えないとき(NOの場合)は、フローはステップS37に移行する一方、予測TL/Uが温度閾値Tthを超えるとき(YESの場合)は、フローはステップS310に移行する。
ステップS37では、ステップS34で設定した基本滑り率時系列データSlip_bを目標滑り率時系列データに設定し、この目標滑り率時系列データに追従するように、ロックアップクラッチ13のスリップ制御を実行する(変速制御部22)。また、このロックアップクラッチ13のスリップ制御と共に、ステップS313では、ステップS33で設定した目標加速度時系列データに基づいて、エンジン出力をフィードバック制御する。具体的には、車両の実加速度が目標加速度となるように、スロットル開度や点火タイミング等を変化させてエンジン出力を制御する(エンジン出力制御部21)。このエンジン出力のフィードバック制御と、ロックアップクラッチ13のスリップ制御とが実行されることにより、図7の最下図及び下から2番目の図において実線で示すように、エンジン回転数は、ロックアップクラッチ13のスリップ制御中の加速前半においては山なりに変化し、ロックアップクラッチ13の締結後の加速後半においては、エンジン回転数はタービン回転数と共に、時間に対し略直線状に上昇するようになる。
ステップS38及びS39では、検出したエンジン回転数及びタービン回転数から、滑り率を検出し、その検出した滑り率に応じて、前記コントローラ2に記憶されている基本滑り率時系列データ用のマップを学習補正する。この学習補正は車両の個体差を抑制乃至無くす上で有効である。
一方、前記ステップS36で予測TL/Uが温度閾値Tthを超えると判定されたときには、基本滑り率時系列データSlip_bのままでロックアップクラッチ13のスリップ制御を行ったのではフェーシング温度が過剰に高くなってしまう虞がある。そのため、ステップS310,S311で基本滑り率時系列データSlip_bを補正した上で、目標滑り率時系列データを設定する。具体的にステップS310では、予測TL/Uと温度閾値Tthとの偏差(TL/U−Tth)に基づき、予め設定されてコントローラ2に記憶されているマップに従って、補正係数Kslipを算出する。図6にマップの一例を示すように、補正係数Kslipは、0<Kslip<1に設定される係数であり、前記の偏差が大きいほど、換言すればフェーシング温度の予測到達温度が高いほど、補正係数Kslipは小さい値に設定される。ステップS311では、設定した補正係数Kslipによって、基本滑り率時系列データSlip_bを補正して、目標滑り率時系列データSlip_tを設定する。具体的は、Slip_t=Slip_b×Kslipとし、基本滑り率時系列データを一定割合で下げることになる。
こうして目標滑り率時系列データが設定されれば、ステップS312においては、この補正後の目標滑り率時系列データSlip_tに追従するように、ロックアップクラッチ13のスリップ制御を実行すると共に(変速制御部22)、ステップS313で、ステップS33で設定した目標加速度時系列データに基づいて、エンジン出力をフィードバック制御する(エンジン出力制御部21)。
このように、目標滑り率の補正が行われた場合には、図7の最下図及び下から2番目の図において破線で示すように、目標滑り率時系列データSlip_tが、基本滑り率時系列データSlip_bに対し一定割合で下げられるため、ロックアップクラッチ13の滑りが抑制される。これに伴い、エンジン回転数の上昇は、基本滑り率時系列データのままとき(同図の実線参照)と比べて抑制される。また、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度の上昇が抑制される結果、フェーシング温度が前記温度閾値Tthを超えてしまうことが未然に回避される。このことにより、ロックアップクラッチ13の信頼性が確保される。
次に、前記のフローにおけるロックアップクラッチ13の温度予測(ステップS35)について図4、5を参照しながら説明する。図4は、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度を演算するためのフローであり、このフローは、図3に示すパワートレインPTの制御フローに平行して実行されるフローである。つまり、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度は、常時演算されている。
図4のフローにおいて、ステップS41では、前記油温センサによって、トルクコンバータ12の出口での作動油の温度Toが検出され、続くステップS42で、ロックアップクラッチ13が作動中であるか否か判定される。ロックアップクラッチ13が作動中であるとき(YESのとき)には、ステップS43に移行する一方、ロックアップクラッチ13が作動中でないとき(NOのとき)には、ステップS48に移行する。
ステップS43では、タービントルクから換算して求められるロックアップクラッチ13の入力トルクと、タービン回転数とタービン回転数とから求まるロックアップクラッチ13の滑り回転数とを掛けた値(損失仕事量)に、単位サンプル時間(例えば、25ms)を掛けることにより、サンプル時間毎の発熱量を算出する。続くステップS44では、ロックアップクラッチ13が作動終了したか否かが判定され、作動終了するまで、ステップS43が繰返し実行される。そして、ロックアップクラッチ13が作動終了した場合に(YESのときに)、フローはステップS45に移行する。
ステップS45では、毎回のサンプル時間毎の発熱量を加算することによって総発熱量を算出し、ステップS46で、その総発熱量を実験的に求めた熱容量で割って、ロックアップクラッチ13の上昇温度ΔTL/Uを算出する。そうして、ステップS47で、ロックアップクラッチ13の温度TL/Uが、前回推定されたロックアップクラッチ13の温度TL/UにS46で算出した上昇温度ΔTL/Uを加算した温度(TL/U+ΔTL/U)として推定される。
一方、ロックアップクラッチ13が作動中でないとして移行したステップS48では、ロックアップクラッチ13の作動終了からの経過時間tが算出され、ステップS49で、その経過時間tが所定経過時間t1未満であるか否か判定される。この所定経過時間t1は、ロックアップクラッチ13の温度TL/Uが油温Toと略一致するのに要する時間に設定されており、t≧t1である場合(NOのとき)には、ステップS410に移行して、ロックアップクラッチ13の温度が油温Toに推定される。一方、t<t1である場合(YESのとき)には、ステップS411において、前回推定したロックアップクラッチ13の温度TL/Uと油温Toとの差から、経過時間tのマイナス値をロックアップクラッチ13の温度減衰時の時定数Cで割った値を変数とする減衰関数EXPを使用して、ロックアップクラッチ13の温度TL/Uが(TL/U−To)×EXP(−t/C)として推定される。
次に、図5は、前記図3のフローのステップS35に相当するサブルーチンのフローチャートであり、このロックアップクラッチ13の温度の予測は、図4のフローによって推定したロックアップクラッチ13の現在の温度TL/Uと、前記ステップS33で設定した目標加速度時系列データと、ステップS34で設定した基本滑り率時系列データと、に基づいて行われる。具体的にステップS51では、目標加速度時系列データと基本滑り率時系列データとに基づき、当該目標加速度時系列データに従ってエンジン出力制御を行うと共に、基本滑り率時系列データに従ってロックアップクラッチのスリップ制御を行った場合の、サンプリング時間毎のロックアップクラッチ13の発熱量(予測発熱量)を、図4のフローのステップS43に準じて算出する。
続くステップS52では、ステップS51で算出したサンプリング時間毎の予測発熱量を加算することによって予測総発熱量を算出し、ステップS53では、その予測総発熱量を実験的に求めた、前記熱容量で割ってロックアップクラッチ13の予測上昇温度(予測ΔTL/U)を算出する。そうして、ステップS54で、演算した現在のロックアップクラッチ13の温度TL/Uに、予測した上昇温度ΔTL/Uを加算することによって、ロックアップクラッチ13の予測到達温度(予測TL/U)を算出する。
前述したように、アクセルの踏み込み操作時には、設定した時系列の目標加速度の終了時点まで、例えば加速度が0になるまで、目標加速度の追従制御が実行されることになる。これにより、ドライバに気持ちのいい加速感を与えることが実現する。前記の構成では、この追従制御に際し、時系列の目標滑り率を設定して、その目標滑り率に追従するようにロックアップクラッチ13のスリップ制御を行うことで燃費改善の上で有利になる。
一方で、時系列の目標滑り率に基づくロックアップクラッチ13のスリップ制御は、高負荷のスリップ状態を、長時間継続させることになる。このことに伴い、ロックアップクラッチ13のフェーシング温度が過剰に高くなる虞があるものの、前記の構成では、アクセルの踏み込み操作時に、設定した目標滑り率、より正確には基本滑り率の時系列データに基づくロックアップクラッチ13のスリップ制御を実行した場合の、フェーシングの到達温度を事前に予測し、予測したフェーシング温度が所定の温度閾値Tthを超えるときには、目標滑り率を低下させる補正を行う。これによって、フェーシング温度が過剰に高くなってしまうことを未然に回避することが可能になり、ロックアップクラッチ13の信頼性確保と、燃費向上を図りつつも車両の加速感を高め得ることと、が両立する。
尚、前記の目標加速度の設定及び目標滑り率の設定に際しては、前記の構成のように、設定された時系列の目標加速度に応じて(ステップS33)、時系列の目標滑り量を設定する(ステップS34)ことを基本にしつつも、例えば目標滑り率をどのように変更設定しても、ロックアップクラッチ13が温度閾値Tthを超えることが避けられない場合には、目標加速度を、目標滑り率に応じて再設定するようにしてもよい。例えば図7の上から2番目の図において二点鎖線で示すように、必要となる目標滑り率が小さくなるように、加速度の立ち上がりを緩やかに(傾きを小さく)するようにしてもよい。このように時系列の目標加速度及び時系列の目標滑り率は相互に連係して設定することが好ましく、そうすることによって、ロックアップクラッチ13の信頼性を担保することと、燃費改善を図りながら車両の加速感を高めることとが、高い次元で両立する。また、そのように時系列の目標加速度と時系列の目標滑り率とを相互に連係して設定する際にも、前述した車両の走行状態を考慮することがより好ましい。
尚、前記のパワートレインPTにおいて、歯車式の多段変速機構14に代えて、例えばベルト式等の無段変速機構を採用してもよい。またエンジン11の出力制御も、エレキスロットルのスロットル開度制御に限定されず、種々の制御を採用し得る。例えば吸気タイミングや排気タイミングを位相可変装置によって変更したり、吸気の過給量を過給機によって変更したりすることで、エンジン11の出力制御を実現してもよい。
11 エンジン
12 トルクコンバータ(動力伝達機構)
13 ロックアップクラッチ
14 歯車変速機構(自動変速機)
2 コントローラ
21 エンジン出力制御部(エンジン出力制御手段)
22 変速制御部(スリップ制御手段)
23 目標加速度設定部(目標加速度設定手段)
24 目標滑り量設定部(目標滑り量設定手段)
25 クラッチ温度予測部(温度予測手段)
26 走行状態検出部(走行状態検出手段)
CR 制御装置
PT パワートレイン

Claims (2)

  1. アクセル操作に対し独立にエンジン出力を制御可能なエンジンと、
    ロックアップクラッチ付きの、流体を介した動力伝達機構を含みかつ、当該動力伝達機構を介して前記エンジンに駆動連結された自動変速機と、
    発進又は加速時のアクセル踏み込み操作時に、目標加速度を時系列で設定する目標加速度設定手段と、
    実車両加速度が前記設定された時系列の目標加速度に追従するように、前記エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、を備え、
    前記エンジン出力制御手段は、加速開始から加速終了まで前記ロックアップクラッチを作動させた状態で、前記時系列の目標加速度に追従するように前記エンジン出力を制御し、
    前記加速開始からの、前記ロックアップクラッチの目標滑り量を時系列で設定する目標滑り量設定手段と、
    前記設定された時系列の目標滑り量に追従するように、前記ロックアップクラッチのスリップ制御を実行するスリップ制御手段と、
    前記設定された目標滑り量に基づく前記ロックアップクラッチのスリップ制御が行われることに起因して上昇する、前記ロックアップクラッチの到達温度を事前に予測する温度予測手段と、をさらに備え、
    前記目標滑り量設定手段は、前記時系列の目標加速度における加速開始から加速度のピーク値に至る期間内の前記目標滑り量を、時系列で設定すると共に、前記予測したロックアップクラッチの到達温度が所定温度よりも高くなるときには、その予測到達温度が高いほど滑り量が小さくなるように、前記時系列の目標滑り量を変更する車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
    前記目標加速度設定手段及び目標滑り量設定手段は、前記時系列の目標加速度及び時系列の目標滑り量を、前記車両の走行状態に応じ互いに連係させて設定する制御装置。
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