JP3272485B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP3272485B2 JP15862493A JP15862493A JP3272485B2 JP 3272485 B2 JP3272485 B2 JP 3272485B2 JP 15862493 A JP15862493 A JP 15862493A JP 15862493 A JP15862493 A JP 15862493A JP 3272485 B2 JP3272485 B2 JP 3272485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機を備えた自動車で
は、エンジンの出力トルクがトルクコンバータで変速さ
れ、この後さらに変速歯車機構で変速段に応じて変速さ
れて駆動輪側に出力されるようになっている。ここで、
トルクコンバータ及び変速歯車機構は、普通、油圧機構
から供給される作動油ないしは作動油圧によって動作さ
せられるようになっている。なお、トルクコンバータで
は作動油を介してトルクが伝達される関係上、作動油の
粘性抵抗によって比較的大きな動力損失が生じるので、
トルクコンバータに対しては所定の運転領域で入力部材
と出力部材とをロックアップさせるロックアップクラッ
チが設けられる。
【0003】ところで、このような自動変速機を備えた
自動車において、エンジンが冷機状態にあるときすなわ
ち冷間時には作動油ないしは潤滑油の粘度が高いので、
これに起因して種々の不具合が生じる。そこで、冷間時
にはかかる不具合の発生を防止するための制御すなわち
冷間時制御が行われる。例えば、自動変速機の油圧機構
においては冷間時には各種油圧機器の動作がにぶくなる
ので、自動変速機の変速時の応答性が悪くなる。そこ
で、通常、冷間時には応答性を高めるために油圧機構の
ライン圧を高めるといった冷間時制御が行われる(例え
ば、特開昭62−63248号公報参照)。
【0004】また、冷間時にはエンジン系の潤滑性が悪
くなりかつ混合気の燃焼性が不安定となるので、エンジ
ンの出力トルクの変動が大きくなる。そして、このよう
にトルク変動が大きいときに変速歯車機構を高速段(例
えば、4速)に設定すると走行性(走行フィーリング)が
悪くなるので、通常、冷間時には変速マップを変更する
などして、かかる高速段へのシフトを抑制あるいは禁止
するといった冷間時制御が行われる。
【0005】さらに、冷間時にトルクコンバータをロッ
クアップすると、エンジンのトルク変動が直接的に変速
歯車機構に伝達され、走行性が悪くなる。そこで、通
常、冷間時にはトルクコンバータのロックアップを禁止
するといった冷間時制御が行われる。なお、エンジン側
では、通常、冷間時には燃料を増量(空燃比をリッチ化)
するなどして混合気の燃焼性を高め、トルク変動を抑制
するとともにエンストの発生を防止するといった冷間時
制御が行われる。
【0006】そして、このような従来の冷間時制御にお
いては、冷間時であるか否か、すなわちエンジンが冷機
状態にあるか否かは、水温センサでエンジンの冷却水温
度を検出し、該冷却水温度が所定の基準冷却水温(例え
ば、60℃)以下であるか否かで判定するようにしてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にエン
ジンの冷却系統においては、冷却水温度はワックスタイ
プのサーモスタットによって適温(基準冷却水温よりは
高温側)に保持されるようになっている。すなわち、か
かる冷却系統においては、冷却水を冷却するラジエータ
と該ラジエータをバイパスする冷却水バイパス通路とが
設けられ、サーモスタットは、冷却水温度が適温よりも
高いときにはラジエータに流入する冷却水の割合を多く
し、他方適温よりも低いときには冷却水バイパス通路に
流入する(ラジエータをバイパスする)冷却水の割合を多
くして冷却水温度を適温に保持するようになっている。
【0008】しかしながら、かかるサーモスタットの劣
化度が大きくなったときには、該サーモスタットによる
冷却水温度の調節がうまくゆかず、冷却水温度が大きく
変動するようになる。そして、このように冷却水温度が
大きく変動すると、冷却水温度がしばしば上記の基準冷
却水温以下となり、このためエンジンが完全な暖機状態
にあるのにもかかわらず頻繁に冷間時制御が実行されて
しまうことになる。したがって、この場合所定の高速段
(例えば、4速)へのシフトが禁止され、あるいはロック
アップが禁止されるので燃費性が悪くなるといった問題
がある。なお、すでに高速段で走行していた場合は突然
低速段にシフトダウンされてショックが生じ、またすで
にロックアップされていた場合は突然ロックアップが解
除されてショックが生じるので、運転者に違和感を与え
るといった問題がある。さらに、不必要な燃料の増量
(空燃比のリッチ化)によって燃費性が悪くなるといった
問題がある。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、サーモスタットが劣化した
場合に、不必要な冷間時制御が行われるのを防止して走
行性と燃費性とを高めることができる自動変速機の制御
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1にその構成を示すように、第1の発明は、エン
ジンAの冷却水温度を検出する冷却水温検出手段Bと、
該冷却水温検出手段Bによって検出される冷却水温度が
所定の基準冷却水温以下であるときには所定の冷間時制
御を行う冷間時制御手段Cとが設けられている車両の自
動変速機の制御装置において、エンジン始動後冷却水温
検出手段Bによって検出される冷却水温度が上記基準冷
却水温を超えた後、サーモスタットの劣化度が大きくて
冷却水温度の低下が所定値以上となったときには、冷間
時制御手段Cによる冷間時制御を停止する冷間時制御規
制手段Dが設けられていることを特徴とする自動変速機
の制御装置を提供する。
【0011】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、冷間時制御規制手段Dが、エ
ンジン始動後冷却水温度が上記基準冷却水温を超えた後
は、エンジンAが停止されるまで冷間時制御を無条件に
停止させるようになっていることを特徴とする自動変速
機の制御装置を提供する。
【0012】第3の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、冷却水温検出手段Bによって
検出される冷却水温度に基づいて冷却水温度低下量を演
算する冷却水温度低下量演算手段Eが設けられ、冷間時
制御規制手段Dが、エンジン始動後冷却水温度が上記基
準冷却水温を超えた後、冷却水温度低下量演算手段Eに
よって演算される冷却水温度低下量が所定値以上である
ときには冷間時制御を停止させるようになっていること
を特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0013】第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、冷間時
制御手段Cによる冷間時制御に、変速機Fのロックアッ
プ禁止と、変速機Fの所定の高速段での運転の禁止とが
含まれていることを特徴とする自動変速機の制御装置を
提供する。
【0014】第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、冷間時
制御手段Cによる冷間時制御に、エンジンAの燃料増量
が含まれていることを特徴とする自動変速機の制御装置
を提供する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、自動車用のパワートレインPは、エ
ンジン1の出力トルクを、トルクコンバータ2と変速歯
車機構3とを備えた自動変速機4で変速して変速機出力
軸5に出力するようになっている。
【0016】トルクコンバータ2は、詳しくは図示して
いないが、エンジン1の出力軸と一体的に回転するポン
プと、変速歯車機構3の入力軸と一体的に回転するター
ビンと、ワンウェイクラッチを介して変速機ケースに固
定されるステータとを備えていて、ポンプとタービンと
の間の回転数差に応じた変速比でエンジン1の出力トル
クを変速するようになっている。そして、所定の運転領
域ではポンプとタービンとを直結させてトルクコンバー
タ2をロックアップさせるロックアップ機構が設けられ
ている。なお、ロックアップ機構は、後で説明する変速
機コントロールユニット16からの信号に従って、油圧
機構によって制御されるようになっている。
【0017】変速歯車機構3は、詳しくは図示していな
いが、サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ、キャリア
等の各種ギヤと、クラッチ、ブレーキ等の各種摩擦締結
要素とを備えた普通のプラネタリギヤシステムであっ
て、前進4段(1速〜4速)、後退1段の変速段を備えて
いる。なお、変速歯車機構3の変速段の切り替えは、変
速機コントロールユニット16からの信号に従って、油
圧機構によって行われるようになっている。
【0018】エンジン1には、該エンジン1を冷却する
ための冷却水を通すウォータジャケット6が設けられて
いる。ここで、ウォータジャケット6内の冷却水は、基
本的には冷却水排出通路7を通してラジエータ8に送ら
れ、ここで冷却された後冷却水戻り通路9を通してウォ
ータジャケット6に戻されるようになっている。このよ
うな冷却水の循環は、冷却水戻り通路9に介設されたウ
ォータポンプ10によって行われるようになっている。
なお、ラジエータ8には、ラジエータファン11が設け
られている。
【0019】そして、冷却水排出通路7内の冷却水をラ
ジエータ8をバイパスして冷却水戻り通路9に流入させ
る冷却水バイパス通路13が設けられている。ここで、
冷却水排出通路7と冷却水バイパス通路13との接続部
にはワックスタイプのサーモスタット12が設けられて
いる。このサーモスタット12は、詳しくは図示してい
ないが、冷却水温度に対応するワックスの熱膨張によ
り、冷却水温度が適温(基準冷却水温よりも高い)よりも
高いときにはラジエータ8に流入する冷却水の割合を多
くし、他方適温よりも低いときには冷却水バイパス通路
13に流入する(ラジエータ8をバイパスする)冷却水の
割合を多くして冷却水温度を適温に保持するようになっ
ている。
【0020】エンジン1近傍において冷却水排出通路7
には、該冷却水排出通路7内の冷却水温度を検出する水
温センサ14が設けられ、この水温センサ14の出力信
号はエンジンコントロールユニット15に入力されるよ
うになっている。なお、水温センサ14は、特許請求の
範囲に記載された「冷却水温検出手段」に相当する。
【0021】パワートレインPに対して、夫々マイクロ
コンピュータを備えた、エンジン1を制御するためのエ
ンジンコントロールユニット15と、自動変速機4を制
御するための変速機コントロールユニット16とが設け
られている。なお、エンジンコントロールユニット15
と変速機コントロールユニット16とからなる組立体
は、特許請求の範囲に記載された「冷間時制御手段」と
「冷間時制御規制手段」と「冷却水温度低下量演算手段」と
を含む、パワートレインPの総合的な制御装置である。
【0022】しかしながら、エンジンコントロールユニ
ット15あるいは変速機コントロールユニット16によ
るパワートレインPの一般的な制御は、よく知られた普
通の手法で行われ、また本願発明の要旨とするところで
もないのでその説明を省略し、以下では図3に示すフロ
ーチャートに従って、本願発明にかかる、サーモスタッ
ト異常時に冷間時制御を規制するための制御についての
み説明する。
【0023】制御が開始されると、まずステップ#1で
コントロールユニット15,16の初期化が行われ、暖
機完了フラグFとサーモスタット異常フラグFとに
0がセットされる。ここで、暖機完了フラグFは、エ
ンジン始動後冷却水温度THWが所定の基準冷却水温α
(例えば、60℃)を超えたとき、すなわち暖機が完了し
たときに1がたてられるフラグである。また、サーモス
タット異常フラグFは、サーモスタット12が所定の
程度以上に劣化していると判定されたときに1がたてら
れるフラグである。
【0024】次に、ステップ#2で水温センサ14によ
って検出された冷却水温度THWが読み込まれる。続い
て、ステップ#3で暖機完了フラグF1が1であるか否
か、すなわち前回以前にすでにエンジン1の暖機が完了
しているか否かが比較・判定される。ここで、F1≠1
(F1=0)であると判定された場合は(NO)、前回では
まだ暖機が完了していないので、ステップ#4で冷却水
温度THWが基準冷却水温αを超えているか否か、すな
わち今回で暖機が完了したか否かが比較・判定される。
【0025】ステップ#4でTHW≦αであると判定さ
れた場合は(NO)、まだエンジン1が冷機状態にあるの
で、すなわち冷間時であるので、ステップ#5で所定の
冷間時制御が実行される。具体的には、エンジン1側で
は、燃料が増量され(冷間時増量)、空燃比がリッチ化さ
れる。これによって、混合気の燃焼性が高められ、エン
ジン1の出力トルクの変動が抑制されるとともに、エン
ストの発生が防止される。他方、自動変速機4側では、
トルクコンバータ2のロックアップが禁止されるととも
に、変速歯車機構3の4速(最高速段)での運転が禁止さ
れる。これによって、走行性(走行フィーリング)が高め
られる。この後、ステップ#2に復帰して制御が続行さ
れる。なお、ステップ#2への復帰は一定時間毎(例え
ば10秒毎)に行われる。
【0026】他方、ステップ#4でTHW>αであると
判定された場合は(YES)、エンジン1が冷機状態から
脱しており、したがって暖機が完了しているので、ステ
ップ#6で暖機完了フラグF1に1がたてられる。続い
てステップ#7で冷間時制御が停止される。具体的に
は、エンジン1側では燃料の冷間時増量が停止され、自
動変速機4側ではロックアップの禁止と4速での運転の
禁止とがともに解除される。この後、ステップ#2に復
帰して制御が続行される。
【0027】ところで、前記のステップ#3でF1=1
であると判定された場合は(YES)、ステップ#8で
サーモスタット異常フラグFが1であるか否かが判定
される。ここで、F2≠1(F2=0)であると判定された
場合は(NO)、少なくとも前回まではサーモスタット1
2が異常であるとは判定されていないので、ステップ#
9でサーモスタット12が異常であるか否かが判定され
る。なお、サーモスタット12の異常とは、劣化度が大
であるか、又は故障しているかであるが、実際には劣化
度が大である場合が多いので、以下では劣化度が大であ
る場合を例にとって説明する。具体的には、冷却水温度
低下量ΔTHWが所定の基準冷却水温度低下量βを超え
ているか否かが判定される。ここで、冷却水温度低下量
ΔTHWは、前回の冷却水温度THW1から今回の冷却
水温度THW2を引いた値すなわちTHW1−THW2
ある(図4参照)。したがって、ΔTHWは、該制御ルー
チンを1回実行するために要する一定の時間(例えば、
10秒)あたりの冷却水温度低下量となり、実質的には
冷却水温度THWの低下速度をあらわすことになる。
【0028】図4に、エンジン始動後における、サーモ
スタット12が正常であるか又は劣化度が小さい場合の
冷却水温度THWの時間に対する変化特性(G1)と、劣
化度が大きい場合の冷却水温度THWの時間に対する変
化特性(G2)とを示す。なお、図4において、t1は前回
の時刻を示し、t2は今回の時刻を示している。図4から
明らかなとおり、劣化度が大きい場合は、サーモスタッ
ト12の感度がにぶくなり、あるいは動作が緩慢化する
ので、冷却水温度THWを適温に保持することができ
ず、冷却水温度THWは大きく変動する。
【0029】このため、t1〜t2において、サーモスタッ
ト12が正常であるか又は劣化度が小さい場合の冷却水
温度低下量d1は非常に小さいが、劣化度が大きい場合の
冷却水温度低下量d2はかなり大きくなる。したがって、
冷却水温度低下量ΔTHWからサーモスタット12の劣
化度が把握できることになる。
【0030】サーモスタット12のこのような冷却水温
度低下量ΔTHWは、例えば図5中の曲線G3で示すよ
うに、サーモスタット12の劣化度が大きいときほど大
きくなる。そこで、本実施例では、図5に示すように、
ΔTHW=βをサーモスタット12の劣化度のスライス
レベル(許容限界)としている。なお、この図5中のβ
が、ステップ#9の基準冷却水温度低下量βである。
【0031】ステップ#9で、ΔTHW>βであると判
定された場合は(YES)、サーモスタット12の劣化度
が大であるので、ステップ#11でサーモスタット異常
フラグF2に1がたてられた後、ステップ#7で冷却水
温度THWにかかわりなく冷間時制御が停止(禁止)され
る。すなわち、サーモスタット12の作動不良により、
冷却水温度THWが基準冷却水温α以下になったときで
も冷間時制御は行われない。したがって、エンジン1が
暖機完了状態にあるのにもかかわらずロックアップ及び
4速での運転が禁止されあるいは燃料の冷間時増量が行
われるなどといった不具合が生じない。このため、燃費
性と走行性とが高められる。
【0032】ステップ#9で、ΔTHW≦βであると判
定された場合は(NO)、サーモスタット12は正常であ
るか又は劣化度が小であるので、ステップ#10で冷却
水温度THWが基準冷却水温αを超えているか否かが判
定され、THW≦αであると判定された場合は(NO)、
ステップ#5で冷間時制御が実行される。他方、ステッ
プ#10でTHW>αであると判定された場合は(YE
S)、ステップ#7で冷間時制御が停止される。この
後、ステップ#2に復帰して制御が続行される。
【0033】なお、前記のステップ#8でF=1であ
ると判定された場合は(YES)、前回以前にすでにサー
モスタット12が異常であると判定されているので、ス
テップ#7で冷間時制御が停止(禁止)される。この後、
ステップ#2に復帰して制御が続行される。このよう
に、サーモスタット12が劣化した場合には冷間時制御
が禁止されるので、不必要な冷間時制御が頻繁に行われ
るのが防止され、燃費性及び走行性が高められる。
【0034】なお、エンジン1の始動後において冷却水
温度THWが基準冷却水温αを超えた後、すなわちエン
ジン1の暖機が完了した後は、エンジン1が停止される
まで冷間時制御を無条件に停止(禁止)させるようにして
もよい。この場合は、図3のフローチャートにおいて、
ステップ#8〜ステップ#11を削除した上で、ステッ
プ#3でF1=1であると判定された場合に(YES)、
ステップ#7を実行させるようにすればよい。このよう
にすれば、制御ロジックが簡素化されるので、コントロ
ールユニット15,16の容量が小さくてすむ。
【0035】また、サーモスタット12の異常の判定を
冷却水温度低下量ΔTHWで判定するのではなく、冷却
水温度THWが基準冷却水温αよりは低い所定の限界温
度γ以下であるか否かで判定するようにしてもよい。こ
の場合は、図3のフローチャートにおいて、ステップ#
9を「冷却水温度THWがγ以下であるか(THW≦γ
か)」というふうに変えればよい。この場合も、図3のフ
ローチャートの場合とほぼ同様の効果が得られるが、制
御ロジックはやや簡素化される。
【0036】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、冷却水温度
が基準冷却水温を超えた後、サーモスタットの劣化度が
大きくて冷却水温度の低下が所定値以上となったときに
は、冷間時制御手段による冷間時制御が停止されるの
で、不必要な冷間時制御の実行が規制され、燃費性と走
行性とが高められる。
【0037】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、エンジン始
動後において冷却水温度が基準冷却水温を超えた後は、
エンジンが停止されるまで冷間時制御が無条件に停止さ
せられるので、サーモスタットの劣化度が大きくなって
冷却水温度が基準冷却水温以下となったときには冷間時
制御が実行されない。このため、不必要な冷間時制御の
実行が防止され、燃費性と走行性とが一層高められる。
【0038】第3の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、エンジン始
動後において冷却水温度が基準冷却水温を超えた後、冷
却水温度低下量が所定値以上であるとき、すなわちサー
モスタットが異常であるときには冷間時制御が停止させ
られる。したがって、サーモスタットの劣化度が大きく
なって冷却水温度が低下したときにのみ冷間時制御が禁
止される。したがって、不必要な冷間時制御の実行のみ
が防止され、燃費性と走行性とがより一層高められる。
【0039】第4の発明によれば、基本的には第1〜第
3の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、冷間時制御には、ロックアップ禁止と、所
定の高速段での運転の禁止とが含まれているので、サー
モスタットの劣化度が大きくなって冷却水温度が低下し
たときにはロックアップの禁止あるいは高速段での運転
の禁止が解除され、走行性と燃費性とが高められる。
【0040】第5の発明によれば、基本的には第1〜第
4の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、冷間時制御には、エンジンの燃料増量が含
まれているので、サーモスタットの劣化度が大きくなっ
て冷却水温度が低下したときには燃料の冷間時増量が解
除され、燃費性が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1〜請求項5に対応する第1〜第5の
発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施例を示す、パワートレインの模
式図である。
【図3】 冷間時制御を規制するための制御の制御方法
を示すフローチャートである。
【図4】 冷却水温度の時間に対する変化特性を示す図
である。
【図5】 冷却水温度低下量のサーモスタット劣化度に
対する特性を示す図である。
【符号の説明】
P…パワートレイン 1…エンジン 2…トルクコンバータ 3…変速歯車機構 4…自動変速機 12…サーモスタット 14…水温センサ 15…エンジンコントロールユニット 16…変速機コントロールユニット

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの冷却水温度を検出する冷却水
    温検出手段と、該冷却水温検出手段によって検出される
    冷却水温度が所定の基準冷却水温以下であるときには所
    定の冷間時制御を行う冷間時制御手段とが設けられてい
    る車両の自動変速機の制御装置において、 エンジン始動後冷却水温検出手段によって検出される冷
    却水温度が上記基準冷却水温を超えた後、サーモスタッ
    トの劣化度が大きくて冷却水温度の低下が所定値以上と
    なったときには、冷間時制御手段による冷間時制御を停
    止する冷間時制御規制手段が設けられていることを特徴
    とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 冷間時制御規制手段が、エンジン始動後冷却水温度が上
    記基準冷却水温を超えた後は、エンジンが停止されるま
    で冷間時制御を無条件に停止させるようになっているこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 冷却水温検出手段によって検出される冷却水温度に基づ
    いて冷却水温度低下量を演算する冷却水温度低下量演算
    手段が設けられ、 冷間時制御規制手段が、エンジン始動後冷却水温度が上
    記基準冷却水温を超えた後、冷却水温度低下量演算手段
    によって演算される冷却水温度低下量が所定値以上であ
    るときには冷間時制御を停止させるようになっているこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載された自動変速機の制御装置において、 冷間時制御手段による冷間時制御に、変速機のロックア
    ップ禁止と、変速機の所定の高速段での運転の禁止とが
    含まれていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記
    載された自動変速機の制御装置において、 冷間時制御手段による冷間時制御に、エンジンの燃料増
    量が含まれていることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
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