JP5153933B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、米等の食品を入れた鍋状容器を本体内に収容して加熱調理する炊飯器に関する。
米飯の美味しさには、食感、特に硬さが大きく影響する。しかし、米飯の硬さの好みは、地方や家庭、個人によって異なる。また、すし飯やカレーに合わせるご飯としては硬めに炊きあげた米飯の方が好まれるなど、用途によっても米飯の最適な硬さは異なる。このため、米飯の硬さを炊き分けることができる炊飯器が望まれている。
そこで従来、硬さを炊き分けることができる炊飯器として、「鍋22内の米重量を計測する重量計測手段26と、合数に合った最適な電力量とご飯のかたさを炊き分ける制御手段29と、本体21の前部に炊きあがりご飯のかたさを示す表示部28とを有し、使用者は今までのように米を計量カップ等で計量し、洗米後、水量を鍋の水位線に大まかに合わせて本体21に設置すると、表示部28に炊飯量、ご飯のかたさが表示されるので、好みのかたさになるように水量を合わせることにより、加熱量が制御されて設定のかたさのご飯が炊きあがる。」という技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−490号公報(要約、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の炊飯器では、使用者は、水量を鍋の水位線に大まかに合わせて鍋を炊飯器本体に設置した後、さらに、表示部の表示にしたがって所望の硬さとなるように水量を調整する必要があり、水位合わせに手間がかかっていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、水位合わせの手間を増加させることなく、米飯の硬さを炊き分けることができる炊飯器を提供するものである。
本発明に係る炊飯器は、本体と、前記本体に収容される鍋状容器と、前記鍋状容器の開口部を覆う蓋と、前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を駆動制御して予熱工程と昇温工程とを含む炊飯工程を実行する制御手段と、炊きあがりの硬さを選択する硬さ選択手段と、前記鍋状容器内の炊飯対象物の内容量を検知する炊飯量検知手段と、表示部と、を備え、前記制御手段は、前記硬さ選択手段により選択された硬さ及び前記炊飯量検知手段の検知結果に基づいて、前記炊飯対象物が炊飯量によらず前記硬さ選択手段により選択された硬さとなるように、前記予熱工程での加熱温度及び前記予熱工程の時間のうちいずれか一方もしくは両方を可変とし、かつ、前記昇温工程で前記加熱手段に投入する電力を可変として、前記炊飯工程を実行し、前記表示部は、前記炊飯工程の実行中において、炊飯終了までの時間を表示するものである。
本発明によれば、使用者の水位合わせの手間を増加させることなく、米飯の硬さを炊き分けることができる。
実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。 実施の形態1に係る炊飯器の操作/表示部の正面図である。 実施の形態1に係る炊飯工程における、鍋状容器の内部温度及び鍋底温度の推移と加熱コイルへの通電電力を示す図である。 実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る炊飯器の炊飯工程の他の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。 実施の形態3に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。 実施の形態4に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。 実施の形態5に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。 実施の形態6に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る炊飯器の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。
図1において、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状に形成された本体1と、外蓋10aと内蓋10bとで構成される蓋体10とを備える。本体1は、容器カバー2と、加熱手段として加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、蓋体を開閉自在に支持するヒンジ部6と、時間計測手段7と、制御手段8とを備えている。なお、加熱手段として、加熱コイル3に代えてシーズヒーターを設けてもよい。
容器カバー2は、有底筒状に形成されていて、その内部に鍋状容器5が着脱自在に収容される。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサー4を挿入させる孔部2aが設けられている。鍋底温度センサー4は、例えばサーミスタからなる。
外蓋10aは、上面に操作/表示部13が設けられているとともに、内蓋10bまで貫通するカートリッジ12が着脱自在に取り付けられている。このカートリッジ12には、炊飯中に発生する蒸気圧に応じて上下動する弁を備えた蒸気取入口12aと、蒸気取入口12aの弁を通過した蒸気を外部へ排出する蒸気排出口12bとが設けられている。
内蓋10bは、外蓋10aの本体1側の面に係止材11を介して取り付けられている。内蓋10bの周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するためのシール材の蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋10bには、鍋状容器5内の温度を検知する例えばサーミスタからなる内部温度センサー14が取り付けられている。
制御手段8は、鍋底温度センサー4、操作/表示部13、及び内部温度センサー14からの出力に基づいて加熱コイル3へ通電する高周波電流を制御するほか、炊飯器の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
次に、操作/表示部13について説明する。
図2は、実施の形態1に係る炊飯器の操作/表示部13の正面図である。操作/表示部13のほぼ中央には、液晶表示板31が配置されている。液晶表示板31には、時刻と、米種表示32と、硬さ表示33と、メニュー表示34とが表示される。また、液晶表示板31の左側には、米種スイッチ35と、硬さスイッチ36と、メニュースイッチ37と、切/保温スイッチ38が設けられ、液晶表示板31の右側には、炊飯スイッチ39と、予約スイッチ40と、時刻スイッチ41とが設けられている。
米種スイッチ35は、炊飯する米の種類を設定するための入力手段である。米種スイッチ35が押下される度に、これに対応して米種表示32の表示が「白米」、「無洗米」、「玄米」、「発芽玄米」に切り替わる。米種スイッチ35により設定された米の種類に関する情報は、制御手段8に出力される。
硬さスイッチ36は、炊きあがりの硬さを設定するための入力手段である。硬さスイッチ36が押下される度に、これに対応して硬さ表示33の表示が「かため」、「やわらか」に切り替わる。硬さスイッチ36に入力された炊きあがりの硬さに関する情報は、制御手段8に出力され、制御手段8が炊きあがりの硬さを選択する。「かため」が設定された場合には、後述する「硬めモード」で炊飯動作を行い、「やわらか」が設定された場合には、後述する「軟らかめモード」で炊飯動作を行う。なお、本実施の形態では、硬さスイッチ36及び制御手段8により本発明の硬さ選択手段が構成されている。
本実施の形態1及びこれ以降の実施の形態で説明する炊飯器は、「軟らかめモード」と、この軟らかめモードよりも硬めに米飯を炊きあげる「硬めモード」の2種類の炊き分けが可能であるものとする。
メニュースイッチ37は、炊飯メニューを設定するための入力手段である。メニュースイッチ37が押下される度に、これに対応してメニュー表示34の表示が「リゾット」、「おかゆ」、「炊き込み」に切り替わる。また、メニュースイッチ37により設定された炊飯メニューに関する情報は、制御手段8に出力される。
切/保温スイッチ38は保温動作の終了/開始を切り替えるための入力手段、炊飯スイッチ39は炊飯開始を指示するための入力手段、予約スイッチ40は炊飯予約を設定するための入力手段、時刻スイッチ41は現在時刻や予約時刻などの時刻を設定するための入力手段である。切/保温スイッチ38、炊飯スイッチ39、予約スイッチ40、時刻スイッチ41により設定された情報は、制御手段8に出力される。
次に、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係る炊飯工程と、炊飯工程における鍋状容器5の内部温度、鍋底温度の推移、及び加熱コイル3への通電電力を示す図である。また、図4は、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程を示すフローチャートである。以下、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程の動作を、適宜図3を参照しつつ、図4に沿って説明する。
まず、炊飯工程を構成する各工程について大まかに説明する。
図3と図4に示すように、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程は、予熱工程(図4のステップS2又はステップS6)、昇温工程(図4のステップS3)、沸騰工程(図4のステップS4)、及び蒸らし工程(図4のステップS5)により構成される。
予熱工程とは、鍋状容器5内の水が沸騰する前の段階で、鍋状容器5を所定温度で、所定時間加熱して米の吸水を促進し、甘味成分である糖や旨味成分であるアミノ酸などの呈味成分を生成する工程である。予熱工程では、鍋状容器5の温度が所定温度となるよう、所定の電力Paで加熱コイル3への通電と電力遮断を繰り返しながら温調する。
昇温工程とは、予熱工程終了後から、鍋状容器5内の水が沸騰するまでの工程である。
鍋状容器5内の水が沸騰すると、沸騰工程に入り、この沸騰工程では米と水が沸騰温度を維持することで米の澱粉の糊化が促進される。沸騰工程において、鍋状容器5内の水が米に吸水されて余剰な水分がなくなると、蒸らし工程に移行する。
次に、図4に沿って、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯動作について更に説明する。使用者が、所定量の米とその米量に応じた水量の水を入れた鍋状容器5を本体1内の容器カバー2に収納し、外蓋10aを閉じ、操作/表示部13の炊飯スイッチ39を押して炊飯開始の動作指示を行うと、炊飯工程が開始される。
使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により設定された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、硬めモードが選択されたと判定した場合(S1;Yes)、ステップS2の予熱工程に進み、「硬めモード」が選択されていない(「軟らかめモード」が選択された)と判定した場合には(S1;No)、ステップS6の予熱工程に進む。すなわち、「硬めモード」が選択されたか否かにより、予熱工程の動作が異なる。
ステップS2の予熱工程は、硬めモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、時間計測手段7による予熱の経過時間の計測を開始する(S21)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約40℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S22)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が20分に達すると(S23;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。
ステップS6の予熱工程は、軟らかめモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、時間計測手段7による予熱の経過時間の計測を開始する(S61)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約65℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S62)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が20分に達すると(S63;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。
ステップS3の昇温工程は、予熱工程終了後から、制御手段8が内部温度センサー14の検知情報に基づいて鍋状容器5内の沸騰を検知するまでの間の工程である。昇温工程では、制御手段8は、電力Paよりも大きい電力である電力Pbで加熱コイル3への間欠通電を行う(図3参照)。この昇温工程では、予熱工程よりもさらに米の吸水が進み、米の澱粉の糊化が始まる。制御手段8は、内部温度センサー14の検知温度に基づいて鍋状容器5内が沸騰したことを検知すると、沸騰工程(S4)に進む。
米を糊化させるには98℃以上を20分間保つことが必要である。そこで、ステップS4の沸騰工程では、制御手段8は、内部温度センサー14の検知温度が98℃以上を保持し、かつ、鍋状容器5内の被加熱物(米と水)が焦げ付かないように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う。
具体的には、図3に記載のように、沸騰工程を開始すると所定時間の間、電力Pbで加熱コイル3への連続通電を行うことにより、鍋状容器5内の内容物(米と水)の揺動を促して内容物を均一化する。このようにすることで、米粒同士の間に空隙のあるふっくらとしたご飯を炊きあげることができる。
その後、電力Pbよりも小さく電力Paよりも大きい電力である電力Pcで加熱コイル3への間欠通電を行うことで、火力を低下させ、鍋状容器5内の米と水の焦げ付きを抑制しつつも内部温度センサー14の検知温度が98℃以上を保持するようにする。
その後の沸騰工程の最後には、通電時間を長くして電力Pcで加熱コイル3への間欠通電を行うことにより火力を上げ、ドライアップを行う。沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。
ステップS5の蒸らし工程では、制御手段8は、鍋状容器5内の被加熱物(米と水)が焦げ付かず、かつ、内部温度センサー14の検知温度が90℃以上を保持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う。蒸らし工程が終了すると、炊飯工程が終了する。
以上のように本実施の形態1では、ステップS1において硬めモードが選択されたか否かにより予熱工程における加熱温度が異なり、軟らかめモードが選択された場合には、硬めモードが選択された場合よりも予熱工程の加熱温度を高くする(ステップS22、S62参照)。すなわち、炊きあげの硬さが軟らかいほど予熱工程での加熱温度を高くし、炊きあげの硬さが硬いほど予熱工程の加熱温度を低くする。これは、予熱工程における加熱温度が高ければ高いほど、米の吸水が進みやすく、炊きあがりの米飯が軟らかくなるためである。したがって、設定された米飯の炊きあげの硬さに基づいて予熱工程の加熱温度を可変制御することで、米飯の硬さの炊き分けを実現することができる。
従来より、昇温工程における加熱時間の長さが、炊きあがりの米飯の硬さに影響し、この時間が長いほど米飯が軟らかく炊きあがることが知られていた。しかし、軟らかく炊くために、昇温工程の加熱時間が長くなるように加熱量を小さくしすぎると、鍋状容器5の底部付近の米ばかりに火が通って吸水ムラができうる。その結果、鍋状容器5の底部付近の米飯は軟らかく、上部は硬いという炊きムラのある状態に米飯が炊きあがるおそれがあった。このため、昇温工程における加熱時間の長さを調節するだけでは、米飯を軟らかめに炊くにも限界があった。逆に、硬く炊くために、昇温工程の加熱時間が短くなるよう加熱量を大きくしすぎると、加熱コイル3が過加熱状態になってしまうおそれがあった。また、例えば定格電圧100V、定格電流15Aの炊飯器の場合には、最大電力で加熱したとしても、昇温工程の加熱時間をそれほど短くできない。このため、昇温工程における加熱時間の長さを調節するだけでは、米飯を硬めに炊くにも限界があった。
つまり、昇温工程の加熱時間を調節するだけでは、硬さの炊き分けのレベルに幅を持たせることができなかった。
しかし、本実施の形態1のように炊きあげる米飯の硬さに基づいて予熱工程における加熱温度を可変とすることで、上述したような昇温工程での加熱時間調節による硬さの炊き分けの不都合を生じさせることなく、米飯の硬さを炊き分けることができる。また、予熱工程では、鍋状容器5の温度が所定温度(40℃又は65℃)となるよう温調して加熱するため、鍋状容器5の内部での吸水ムラも小さく、炊きムラにもつながりにくい。また、予熱工程における加熱温度は、昇温工程や沸騰工程における加熱温度に比べると低いので、図4のステップS62のようにステップS22よりも加熱温度を高くしても、加熱コイル3が過加熱状態になったり、電力不足になったりということもない。このように、本実施の形態1によれば、精度よく米の吸水状態を調整でき、また、昇温工程の加熱時間を調節するのに比べて、炊き分けの硬さのレベルに幅を持たせることができる。したがって、使用者の好みや用途に沿った複数種類の硬さに米飯を炊き分けることができ、使い勝手のよい炊飯器を得ることができる。また、使用者は、一般的な炊飯時と同様、炊飯開始前に水位合わせを一度行えばよく、上記特許文献1のように使用者の水位合わせの手間を増加させることもない。なお、実験では、米と水の温度が50〜90℃を通過する時間が長いほど炊き上がりの米飯が軟らかくなることを確認している。
また、軟らかめモードの場合、予熱温度を上げることで吸水を促進し軟らかく炊きあげるため、必要以上に予熱工程の時間を延ばす必要はなく、炊飯時間が長くなることはない。また、硬めモードの場合にも、加熱温度を低くして予熱工程を実行するため、甘味成分や旨味成分を生成する温度域を通過する時間を確保することができ、甘味と旨味のある美味しい硬めのご飯を使用者に提供することができる。
なお、本実施の形態1では、「硬めモード」と「軟らかめモード」の2種類の炊き分けが可能な炊飯器を例に示したが、炊きあがりの硬さの種類はこれに限定されるものではなく、3種類以上の硬さの炊き分けを行うこともできる。硬さの種類を3種類以上設ける場合には、炊きあがりの硬さが軟らかいほど、予熱工程での加熱温度を高くする。例えば、硬さスイッチ36で設定可能な炊きあがりの硬さを、「ふつうモード」、ふつうモードよりも軟らかい「軟らかめモード」、ふつうモードよりも硬い「硬めモード」の3種類から選択可能とした場合には、「硬めモード」、「ふつうモード」、「軟らかめモード」の順に、予熱工程での加熱温度が高くなるように設定する。このようにすることで、米飯の硬さを炊き分けることができる。
また、上記実施の形態1では、米飯の硬さを炊き分けるための炊飯制御について述べているが、米飯の粘りの炊き分けも合わせて選択できるようにしてもよい。米飯の粘りの炊き分けのためには、粘りを高くするモードは沸騰工程と蒸らし工程で鍋状容器5が高温(例えば105℃以上)を保持する時間を長くすればよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、炊きあげる米飯の硬さにより予熱工程における加熱温度を可変としたが、本実施の形態2は、予熱工程の時間を可変とすることにより米飯の硬さの炊き分けを行う。
なお、本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図4と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図5は、実施の形態2に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。図5に沿って、本実施の形態2に係る炊飯器の炊飯動作について説明する。
まず、使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により設定された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、「硬めモード」が選択されたと判定した場合(S1;Yes)、ステップS2aの予熱工程に進み、「硬めモード」が選択されていない(「軟らかめモード」が選択された)と判定した場合(S1;No)、ステップS6の予熱工程に進む。すなわち、「硬めモード」が選択されたか否かにより、予熱工程の動作が異なる。
ステップS2aの予熱工程は、硬めモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、時間計測手段7による予熱の経過時間の計測を開始する(S21)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約65℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S22a)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が10分に達すると(S23a;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。
ステップS6の予熱工程は、軟らかめモードが選択された時に実行する工程である。まず、制御手段8は、時間計測手段7による予熱の経過時間の計測を開始する(S61)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約65℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S62)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が、ステップS23aよりも長い時間である20分に達すると(S63;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。
なお、ステップS3の昇温工程から炊飯終了までの工程は、前述の実施の形態1と同様である。
ステップS2a、S6に示したように、ステップS1において硬めモードが選択されたか否かにより、予熱工程の時間が異なり、軟らかめモードが選択された場合には、硬めモードが選択された場合よりも予熱工程の時間を長くする(ステップS23a、S63参照)。このように、軟らかめモードが選択された場合には、予熱工程の時間を長くすることで、予熱工程における米の吸水時間を長くすることができ、米飯を軟らかく炊きあげることができる。また、硬めモードが選択された場合には、予熱工程の時間を短くするので、米の吸水時間も短くできて硬めに米飯を炊きあげることができる。また、炊飯開始から炊飯終了までの全体時間も短くなり、炊飯の時間短縮につながる。
また、使用者によっては、炊きあがりの硬さではなく炊飯時間の短さを優先して炊飯を行いたい場合があるが、本実施の形態2の炊飯器によれば、炊きあがりの硬さごとに炊飯時間の長さの異なる複数の炊飯モードを備えることができる。このようにすることで、使用者は、炊きあがりの硬さと炊飯時間とを比較考量しながら好みの炊飯モードを選択できる。したがって、使用者の炊飯モードの選択の幅が広がって、炊飯器の使い勝手を向上させることができる。
なお、本実施の形態2では、炊きあげる硬さによって予熱時間が異なるので、炊飯終了までの時間も異なる。そこで、炊飯終了までの予定時間を、操作/表示部13に表示することとしてもよい。このようにすることで、使用者は炊飯終了時間を容易に把握でき、例えば炊飯終了時刻に合わせて他の調理を行うなど、使用者の利便性を向上させることができる。また、炊飯時間の短さを優先して炊飯を行いたい使用者にとっては、炊飯終了の予定時間を表示することで、炊きあがりの硬さと炊飯時間とを比較考量しやすく、更に使い勝手を向上させることができる。
また、本実施の形態2では、硬めモードでの炊飯時には、軟らかめモードのときよりも時間は短いものの、予熱工程(S2a)を経てから昇温工程(S3)に進むようにした。このように予熱工程を設けることで、硬めであっても米の中心部まで吸水された状態に米飯を炊きあげることができる。
しかし、図6に示すように、予熱工程を経ないモードを設けてもよい。図6は、実施の形態2に係る炊飯器の炊飯工程の他の動作例を示すフローチャートである。図6に示すように、硬めモードが選択された場合には(S1;Yes)、予熱工程を経ないで、昇温工程(S3)に進むように構成されている。炊飯開始してすぐに急激に温度を上げると、米の内部まで吸水が進む前に米の表面部分の澱粉が糊化し、炊きあがりの米飯の中心部はあまり吸水されていない状態になるので、より硬く炊きあげることができる。このように、硬めモードが選択された場合には予熱工程を設けないことで、米の吸水時間が短くなって米飯を硬く炊きあげることができ、また、炊飯時間をより短縮することができる。
なお、本実施の形態2では、「硬めモード」と「軟らかめモード」の2種類の炊き分けが可能な炊飯器を例に示したが、炊きあがりの硬さの種類はこれに限定されるものではなく、3種類以上の硬さの炊き分けを行うこともできる。硬さの種類を3種類以上設ける場合には、炊きあがりの硬さが軟らかいほど、予熱工程の時間を長くする。例えば、硬さスイッチ36で設定可能な炊きあがりの硬さを、「ふつうモード」、ふつうモードよりも軟らかい「軟らかめモード」、ふつうモードよりも硬い「硬めモード」の3種類から選択可能とした場合には、「硬めモード」、「ふつうモード」、「軟らかめモード」の順に、予熱工程の時間が長くなるように設定する。また、3種類以上の硬さのモードを設けた場合には、最も硬く炊きあげたい場合にのみ予熱工程を設けないこととしてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3で説明する炊飯器は、炊飯量検知手段として重量センサー50を備え、検知した炊飯量に応じた炊飯制御を実行するものである。
なお、本実施の形態3では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図3と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図7は、実施の形態3に係る炊飯器の構成を示す断面模式図である。
図7において、本体1の底部には、鍋状容器5の重量を検出する重量センサー50が設けられている。重量センサー50は、鍋状容器5が空の状態をゼロ点とし、鍋状容器5の中に入れられた米、水の量を検出する。重量センサー50の検出値は、制御手段8に出力される。
制御手段8は、鍋底温度センサー4、操作/表示部13、及び内部温度センサー14からの出力に加え、重量センサー50からの出力に基づいて、加熱コイル3へ通電する高周波電流を制御するほか、炊飯器の動作全般を制御する。
図8は、実施の形態3に係る炊飯器の炊飯工程を示すフローチャートである。
まず、使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により選択された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、「硬めモード」が選択されたと判定した場合(S1;Yes)、重量センサー50が検知した重量に基づいて、炊飯量の判定を行う(S11)。ステップS11において、炊飯量が所定量Vより多いと判断した場合には(S11;Yes)、ステップS12の予熱工程に進み、炊飯量が所定量V以下であると判断した場合には(S11;No)、ステップS14の予熱工程に進む。
ステップS12の予熱工程においては、制御手段8は、時間計測手段7により予熱の経過時間の計測を開始する(S121)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約40℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S122)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が30分に達すると(S123;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S13)。
ステップS13の昇温工程では、制御手段8は、電力P1(例えば、1200W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S131)。ステップS13の昇温工程は、硬めモードが選択され(S1;Yes)、かつ、炊飯量が所定量Vより多い(S11;Yes)場合に実行される工程であるので、できるだけ大きな電力P1で加熱を行う。これは、昇温工程における加熱量が小さいほど、沸騰に至るまでの時間が長くなってその間に米の吸水が進んで軟らかく炊きあがるためであり、硬めモードが選択されている場合には昇温工程での加熱量を大きくすることで沸騰に至るまでの時間を短くしている。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P1での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S132;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
ステップS14の予熱工程においては、まず、制御手段8は時間計測手段7により、予熱の経過時間の計測を開始する(S141)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約40℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S142)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が20分に達すると(S143;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S15)。
ステップS15の昇温工程では、制御手段8は、電力P1’(例えば1000W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S151)。この電力P1’は、ステップS13の昇温工程での電力P1より小さい電力である。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P1’での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S152;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
ステップS1において「かため(硬めモード)」が選択されていないと判定した場合(S1;No)、制御手段8は、重量センサー50が検知した重量に基づいて、炊飯量の判定を行う(S21)。ステップS21において、炊飯量が所定量Vより多いと判断した場合には(S21;Yes)、ステップS22の予熱工程に進み、炊飯量が所定量V以下であると判断した場合には(S21;No)、ステップS24の予熱工程に進む。
ステップS22の予熱工程においては、まず、制御手段8は時間計測手段7により、予熱の経過時間の計測を開始する(S221)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約65℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S222)。すなわち、ステップS22の予熱工程では、硬めモードでの予熱工程であるステップS122及びステップS142における予熱温度(40℃)よりも高い温度で予熱を行う。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が30分に達すると(S223;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S23)。
ステップS23の昇温工程では、制御手段8は、電力P2(例えば600W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S231)。この電力P2は、ステップS13の昇温工程の電力P1より小さい電力である。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P2での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S232;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
ステップS24の予熱工程においては、まず、制御手段8は時間計測手段7により、予熱の経過時間の計測を開始する(S241)。次に、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約65℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S242)。そして、時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が20分に達すると(S243;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S25)。
ステップS25の昇温工程では、制御手段8は、電力P2’(例えば500W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S251)。この電力P2’は、ステップS23の昇温工程での電力P2より小さく、かつ、ステップS15の昇温工程の電力P1’より小さい電力である。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P2’での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S252;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
このように、本実施の形態3では、炊きあがりの硬さに加え、重量センサー50が検知した値に基づいて判定した炊飯量に基づいて炊飯制御を行い、高精度な炊き分けを実現している。
図8について、予熱工程の時間に着目して説明する。
本実施の形態3では、炊飯量が少ない場合は、炊飯量が多い場合よりも予熱工程の時間を短くしている(ステップS123とS143、ステップS223とステップS243参照)。これは、炊飯量が少ない場合は、炊飯量が多い場合と比べて、加熱により鍋状容器5内の米と水が所定の温度帯(ステップS122、S142の40℃、又はステップS222、S242の65℃)に到達するまでの時間が短いためである。
すなわち、炊飯量が少ない場合の方が予熱工程全体の時間を短くすることで、炊飯量が少ない場合と多い場合とで、所定の温度帯に到達してから維持する時間を同等に確保することができる。米の吸水は、温度が高いほど、また時間が長いほど進むので、所定の温度帯を同じ時間だけ維持することで、米の吸水量は同等になる。したがって、上記のように炊飯量に基づいて予熱工程の時間を可変とすることで、炊飯量によらず同じ程度の硬さに米飯を炊きあげることができる。また、炊飯量が少ない場合は、必要以上に予熱工程が長くなることがなく、炊飯時間を短縮することができる。
次に、図8について、昇温工程での加熱コイル3への通電電力に着目して説明する。ここでは、炊きあげの硬さに基づいて通電電力を可変としている点について説明する。
本実施の形態3では、硬めモードが選択されている場合には、硬めモードが選択されていない場合より大きい電力で昇温工程での加熱を行うようにしている。すなわち、ステップS131での電力P1とステップS231での電力P2は、電力P1>電力P2という関係であり、また、ステップS151での電力P1’とステップS251での電力P2’は、電力P1’>電力P2’という関係である。このように、硬めモードが選択されている場合には、昇温工程での通電電力をより大きくするようにして、より短時間で沸騰するようにしている。このように沸騰までの時間を短くすることで、昇温工程における米の吸水時間を短くしている。したがって、予熱工程における加熱温度と加熱時間を制御することによる米の硬さ炊き分けだけでなく、昇温工程においても吸水量を調整することができる。このため、より精度よく米飯の硬さを炊き分けることができ、また、炊き分けの硬さのレベルに幅を持たせることもできる。
なお、本実施の形態3では、「硬めモード」と「軟らかめモード」の2種類の炊き分けが可能な炊飯器を例に示したが、3種類以上の硬さの炊き分けを行うこともできる。硬さの種類を3種類以上設ける場合には、炊きあがりの硬さが軟らかいほど、昇温工程の加熱コイル3への通電電力を小さくする。例えば、硬さスイッチ36で設定可能な炊きあがりの硬さを、「ふつうモード」、ふつうモードよりも軟らかい「軟らかめモード」、ふつうモードよりも硬い「硬めモード」の3種類から選択可能とした場合には、「硬めモード」、「ふつうモード」、「軟らかめモード」の順に、昇温工程の通電電力が小さくなるように設定する。
次に、図8について、昇温工程での加熱コイル3への通電電力に着目して説明する。ここでは、炊飯量に基づいて通電電力を可変としている点について説明する。
本実施の形態3では、炊飯量が多い場合は、炊飯量が少ない場合より大きい電力で昇温工程での加熱を行うようにしている。より具体的には、ステップS131での電力P1とステップS151での電力P1’は、電力P1>電力P1’という関係であり、また、ステップS231での電力P2とステップS251での電力P2’は、電力P2>電力P2’という関係である。これは、炊飯量が少ない場合は、炊飯量が多い場合と比べて、鍋状容器5内が沸騰するまでの時間が短いためである。
すなわち、炊飯量に基づいて加熱コイル3への通電電力を制御することで、昇温工程において沸騰が検知されるまでの時間(昇温工程の時間に等しい)を、炊飯量が多い場合と少ない場合とでほぼ同等とすることができる。このように、同じ硬さに炊きあげたい場合には、炊飯量に基づいて昇温工程の時間を制御することで、昇温工程における米の吸水量を同等にすることができる。したがって、炊飯量によらず、同程度の硬さの炊きあがりを実現できる。
なお、本実施の形態3では、炊飯量を2種類に分け、この炊飯量に基づいて通電電力を可変とする炊飯器を例に示したが、炊飯量を3種類以上に分類して通電電力を可変としてもよい。炊飯量の種類を3種類以上設ける場合には、炊飯量が少ないほど、昇温工程の加熱コイル3への通電電力を小さくする。
また、本実施の形態3では、硬さスイッチ36で設定された炊きあがりの硬さと、重量センサー50で検出した炊飯量の双方に基づいて昇温工程での加熱電力を制御する例を示した。しかし、重量センサー50を設けず、硬さスイッチ36で設定された炊きあがりの硬さに基づいて、昇温工程での加熱電力を可変制御してもよい。この場合、硬さスイッチ36で設定された炊きあがりの硬さが軟らかいほど昇温工程での加熱電力を小さくし、炊きあがりの硬さが硬いほど昇温工程での加熱電力を大きくする。このようにしても、米飯の硬さを炊き分けることができる。
また、本実施の形態3では、炊飯量に基づいて予熱工程での予熱時間を可変とする例を示したが、予熱時間の可変制御に代えて、あるいは予熱時間の可変制御に加えて、予熱工程での予熱温度を可変としてもよい。具体的には、炊飯量が多い場合は、炊飯量が少ない場合と比べて予熱工程の予熱温度を高くする。
すなわち、予熱工程での鍋底温度センサー4の検知温度が同じであっても、炊飯量が多い場合は、鍋状容器5内の下部と上部とで温度差があり、鍋状容器5内の米と水全体が所定の温度帯に到達するのに時間がかかる。このため、同じ時間だけ予熱工程を実行した場合には、炊飯量が多い方が米の吸水量が少なくなる。そこで、炊飯量が多い場合は、炊飯量が少ない場合と比べて予熱工程での予熱温度を高くするのである。このようにすることで、炊飯量が多い場合と少ない場合とで米の吸水量をほぼ同等とすることができる。
このように、炊飯量に基づいて予熱工程での予熱温度を可変制御することで、炊飯量によらず同じ程度の硬さに米を炊き上げることができる。また、炊飯量が多い場合には、予熱工程での予熱温度を高くすることで、必要以上に予熱工程が長くなることがなく、炊飯時間を短縮することができる。
また、実施の形態3では、重量センサー50を設けたが、重量センサー50に代えて、使用者が炊飯量を入力するための入力手段を操作/表示部13に設けてもよい。
また、重量センサー50は、炊飯量の検知だけでなく、保温中の鍋状容器5内のご飯残量の測定に使用してもよい。この場合、ご飯残量が少ない場合は、保温時の入力電力を小さくすることで、米飯の乾燥といった劣化を抑えることができるとともに、省エネにもつながる。また、鍋状容器5内のご飯残量を測定することで、茶碗によそったご飯の量を判定し、その分のカロリーを操作/表示部13に表示することもできる。また、重量センサー50で検出した鍋状容器5内の重量を操作/表示部13に表示できるようにしてもよく、これにより炊飯器を重量計代わりに使用することができる。このようにすることで、使用者の使い勝手を向上させることができる。
なお、上記実施の形態1〜3では、硬さ選択手段として、操作/表示部13に硬さスイッチ36を設け、硬さスイッチ36への使用者の入力に基づいて制御手段8が硬さモードを決定するようにしたが、硬さ選択手段の構成はこれに限定するものではない。例えば、新米は、同じ水加減であっても新米以外の米と比べて軟らかく炊きあがることから、炊飯器にカレンダー機能を備え、新米の時期には自動で硬めに炊きあげるモードを選択するようにしてもよい。また、メニュースイッチ37の設定により、炊きあげる硬さを選択してもよい。例えば、「カレー」や「すし飯」メニューを設け、これらのメニューが選択された場合には、通常よりも硬めに炊きあげるようにしてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4で説明する炊飯器は、被調理物(炊飯対象物)である米と水の温度が50〜60℃を保持する時間を可変することで、米飯の硬さの炊き分けを行う。
なお、本実施の形態4では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図3と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図9は、実施の形態4に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。図9に沿って、本実施の形態4に係る炊飯器の炊飯動作について説明する。
まず、使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により設定された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、「硬めモード」が選択されたと判定した場合(S1;Yes)、ステップS2bの予熱工程に進み、「硬めモード」が選択されていない(「軟らかめモード」が選択された)と判定した場合(S1;No)、ステップS6bの予熱工程に進む。すなわち、「硬めモード」が選択されたか否かにより、予熱工程の動作が異なる。
ステップS2bの予熱工程は、硬めモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S21b)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物である米と水の温度T(被調理物温度T)が予熱時目標温度(50℃)以上であるかどうかを判断する(S22b)。被調理物温度Tが予熱時目標温度(50℃)以上であれば(S22b;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S23b)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が3分に達すると(S24b;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS21b参照)、ステップS24bにおいては、被調理物温度Tは50℃以上60℃以下の温度帯(予熱時温度帯という)となる。すなわち、ステップS2bの予熱工程においては、被調理物温度Tが50℃以上60℃以下を保持する時間を3分間確保していることとなる。
ステップS6bの予熱工程は、軟らかめモードが選択された時に実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S61b)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物温度Tが予熱時目標温度(50℃)以上であるかどうかを判断する(S62b)。被調理物温度Tが予熱時目標温度(50℃)以上であれば(S62b;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S63b)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が13分に達すると(S64b;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS61b参照)、ステップS64bにおいては、被調理物温度Tは50〜60℃の温度帯(予熱時温度帯)となる。すなわち、ステップS6bの予熱工程においては、被調理物温度Tが50以上60℃以下を保持する時間を13分間確保していることとなる。
なお、ステップS3の昇温工程から炊飯終了までの工程は、前述の実施の形態1と同様である。
以上のように本実施の形態4では、被調理物である米と水の温度(被調理物温度T)を50〜60℃(予熱時温度帯)に保持する時間を調整することで、硬さの炊き分けを行っている。
実験により、被調理物である米と水の温度が50〜60℃に保持される時間が炊き上がりの硬さに影響しており、米と水の温度が50〜60℃の状態の時間が長いほど軟らかくなることを確認している。米と水の温度が50〜60℃のとき、一部の米デンプンの糊化が始まる。一部のデンプンの糊化が始まって米粒の中心部のデンプンが吸水し、膨潤することで組織構造が壊れ、炊き上がりの米飯の食感が軟らかくなるものと考えられる。
また、米は温度が高いほど吸水が進みやすく、糊化が進みやすい。その傾向は60℃を超えるとさらに顕著になる。そのため、米と水の温度が60℃を超えると、鍋状容器5内で温度ムラが発生した場合に少しの温度差で吸水量や糊化の程度に差が出やすい。吸水量や糊化の程度の差は、炊きムラにつながる。鍋状容器5内で部分的に温度が高くなったところは、吸水量が多く糊化の程度が高くなり、結果的には炊き上がりがぐちゃっとした軟らかすぎる米飯となり好ましくない。しかし、50〜60℃の温度であれば、鍋状容器5内で多少温度ムラがあったとしても急激に吸水や糊化が進まないため、軟らかめのご飯を炊くときに被調理物を50〜60℃に保つ時間を長くしても、上記のような吸水量や糊化の程度に大きな差が発生せず、結果的にぐちゃっとした軟らかすぎる米飯ができることはない。つまり、鍋状容器5全体で炊きムラのない好ましい状態の米飯を炊き上げることができる。
なお、ステップS24b、ステップS64bに示した「3分」、「13分」という時間は一例であって、これらの数値を限定するものではない。このことは、後述する実施の形態についても同様である。
実施の形態5.
前述の実施の形態4では、予熱時目標温度を50℃として、予熱工程において被調理物である米と水の温度が50〜60℃を保持する時間を可変するようにしたが、実施の形態5で説明する炊飯器は、予熱時目標温度を実施の形態4よりも高温とし、被調理物である米と水の温度が60〜70℃を保持する時間を可変することで米飯の硬さの炊き分けを行う。
なお、本実施の形態5では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図3と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図10は、実施の形態5に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。図10に沿って、本実施の形態5に係る炊飯器の炊飯動作について説明する。
まず、使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により設定された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、「硬めモード」が選択されたと判定した場合(S1;Yes)、ステップS2cの予熱工程に進み、「硬めモード」が選択されていない(「軟らかめモード」が選択された)と判定した場合(S1;No)、ステップS6cの予熱工程に進む。すなわち、「硬めモード」が選択されたか否かにより、予熱工程の動作が異なる。
ステップS2cの予熱工程は、硬めモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約70℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S21c)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物温度Tが予熱時目標温度(60℃)以上であるかどうかを判断する(S22c)。被調理物温度Tが予熱時目標温度(60℃)以上であれば(S22c;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S23c)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が3分に達すると(S24c;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。鍋底温度センサー4の検知温度が約70℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS21c参照)、ステップS24cにおいては、被調理物温度Tは60〜70℃の温度帯(予熱時温度帯)となる。すなわち、ステップS2cの予熱工程においては、被調理物温度Tが60℃以上70℃以下を保持する時間を3分間確保していることとなる。
ステップS6cの予熱工程は、軟らかめモードが選択された時に実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約70℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S61c)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物温度Tが予熱時目標温度(60℃)以上であるかどうかを判断する(S62c)。被調理物温度Tが予熱時目標温度(60℃)以上であれば(S62c;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S63c)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が8分に達すると(S64c;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3)。鍋底温度センサー4の検知温度が約70℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS61c参照)、ステップS64cにおいては、被調理物温度Tは60〜70℃の温度帯(予熱時温度帯)となる。すなわち、ステップS6cの予熱工程においては、被調理物温度Tが60以上70℃以下を保持する時間を8分間確保していることとなる。
なお、ステップS3の昇温工程から炊飯終了までの工程は、前述の実施の形態1と同様である。
以上のように、被調理物である米と水の温度(被調理物温度T)を60〜70℃(予熱時温度帯)に保持する時間を調整することで、硬さの炊き分けを行うこともできる。
実験により、被調理物である米と水の温度が60〜70℃に保持される時間が炊き上がりの硬さに影響しており、米と水の温度が60〜70℃の状態の時間が長いほど軟らかくなることを確認している。米と水の温度が60〜70℃では、ほとんどの米デンプンの糊化が起こり始める温度であり、前述したとおり、米と水の温度が60℃を超えると顕著に米の吸水が進みやすく、糊化が進みやすい。そのため、米と水の温度が60〜70℃になっている状態の方が、50〜60℃になっている状態よりも硬さへの影響が大きい。すなわち、米飯を炊き上げる場合、米と水の温度を60〜70℃に保持する時間は、50〜60℃に保持する時間よりも短時間でよい。なお、実験により、米と水の温度が60〜70℃の場合の方が、50〜60℃の場合よりも炊き上がりの硬さへの影響が約2倍も大きいことを確認している。
軟らかめに炊く場合には、硬めに炊く場合と比べて、炊飯工程中に米に吸水させる時間(予熱工程において米と水の温度を50〜60℃もしくは60〜70℃に保持する時間)を長くする必要があるが、このときの米と水の温度を60〜70℃にすれば、米と水の温度を50〜60℃にした場合よりも予熱工程の時間が短時間でよいため、トータルの炊飯時間が短くて済むという効果が得られる。
実施の形態6.
実施の形態6で説明する炊飯器は、被調理物である米と水の温度が所定の50〜沸騰温度(90℃)を保持する時間を可変することで米飯の硬さの炊き分けを行う。
なお、本実施の形態6では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図3と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図11は、実施の形態6に係る炊飯器の炊飯工程の動作を示すフローチャートである。図11に沿って、本実施の形態6に係る炊飯器の炊飯動作について説明する。
まず、使用者により炊飯スイッチ39がオンされて炊飯開始が指示されると、制御手段8は、硬さスイッチ36により設定された米飯の硬さを判定する(S1)。そして、制御手段8は、「硬めモード」が選択されたと判定した場合(S1;Yes)、ステップS2bの予熱工程に進み、「硬めモード」が選択されていない(「軟らかめモード」が選択された)と判定した場合(S1;No)、ステップS6bの予熱工程に進む。すなわち、「硬めモード」が選択されたか否かにより、予熱工程の動作が異なる。
ステップS2bの予熱工程は、硬めモードが選択されたときに実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S21b)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物温度Tが所定温度50℃以上であるかどうかを判断する(S22b)。米と水の温度Tが所定温度50℃以上であれば(S22b;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S23b)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が3分に達すると(S24b;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3a)。鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS21b参照)、ステップS24bにおいては、被調理物温度Tは50〜60℃の温度帯(予熱時温度帯)となる。すなわち、ステップS2bの予熱工程においては、被調理物温度Tが50℃以上60℃以下を保持する時間を3分間確保していることとなる。
なお、図11では、硬めモードが選択されたときには、実施の形態4と同様に米と水の温度を50〜60℃に保つようにした予熱工程を実行するものとして説明した。しかし、これに代えて、実施の形態5で説明したステップS2cと同様の予熱工程、すなわち、米と水の温度を60〜70℃に保つようにした予熱工程を実行してもよい。
ステップS3aの昇温工程では、制御手段8は、電力P3(例えば900W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S31a)。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し(S32a)、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P3での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S32a;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
ステップS6bの予熱工程は、軟らかめモードが選択された時に実行する工程である。まず、制御手段8は、鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように、加熱コイル3への通電・電力遮断を繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(S61b)。そして、内部温度センサー14により検知される被調理物温度Tが所定温度50℃以上であるかどうかを判断する(S62b)。被調理物温度Tが所定温度50℃以上であれば(S62b;Yes)、時間計測手段7による経過時間の計測を開始する(S63b)。時間計測手段7により計測された予熱の経過時間が13分に達すると(S64b;Yes)、制御手段8は、昇温工程に進む(S3b)。鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃を維持するように加熱コイル3による加熱が行われていることから(ステップS61b参照)、ステップS64bにおいては、被調理物温度Tは50〜60℃の温度帯(予熱時温度帯)となる。すなわち、ステップS6bの予熱工程においては、被調理物温度Tが50℃以上60℃以下を保持する時間を13分間確保していることとなる。
なお、図11では、軟らかめモードが選択されたときには、実施の形態4と同様に米と水の温度を50〜60℃に保つようにした予熱工程を実行するものとして説明した。しかし、これに代えて、実施の形態5で説明したステップS6cと同様の予熱工程、すなわち、米と水の温度を60〜70℃に保つようにした予熱工程を実行してもよい。
ステップS3bの昇温工程では、制御手段8は、電力P3‘(例えば600W)を加熱コイル3に投入して、鍋状容器5を加熱する(S31b)。この電力P3’は電力P3よりも小さい。制御手段8は、内部温度センサー14の検出値に基づいて鍋状容器5内が沸騰したか否かを判断し(S32b)、鍋状容器5内が沸騰するまで電力P3’での加熱を継続する。そして、鍋状容器5内の沸騰を検知すると(S32b;Yes)、沸騰工程(S4)に進み、沸騰工程が終了すると、蒸らし工程(S5)に進む。蒸らし工程(S5)が終了すると、炊飯工程が終了する。
本実施の形態6では、軟らかめモードが選択された場合には、硬めモードに比べて、予熱工程の時間を長くするだけでなく、昇温工程の電力を小さくした。このため、軟らかめモードでは、昇温工程において被調理物が沸騰に至るまでの時間が、硬めモードの場合よりも長くなる。すなわち、軟らかめモードの場合は、(1)被調理物である米と水の温度が予熱時温度帯(50〜60℃、もしくは60〜70℃)に維持される時間、及び、(2)被調理物が予熱時温度帯(50〜60℃、もしくは60〜70℃)から沸騰に至るまでの時間、の両方が、硬めモードの場合よりも長くなる。
実験により、被調理物である米と水の温度が50℃から沸騰するまで時間が硬さに影響しており、前述のとおり予熱工程において被調理物が予熱時温度帯(50〜60℃もしくは60〜70℃)に維持される時間だけでなく、予熱時温度帯(50〜60℃もしくは60〜70℃)から沸騰するまでの時間も長くなるほど米飯が軟らかくなることを確認している。
米と水の温度が70℃以上であれば、予熱工程における被加熱物の温度(50〜60℃、もしくは60〜70℃)に比べてさらに吸水と糊化が進みやすくなっている。そして、米と水の温度が70℃以上となっている状態では、50〜60℃や60〜70℃の状態と比べて、米粒が吸水できる上限量が大きくなっており、吸水によって米粒が膨らんで組織構造が崩れやすくなる。したがって、本実施の形態6のように、軟らかめモードの場合には昇温工程における入力電力を硬めモードの場合よりも小さくして昇温工程の時間を長くすることで、予熱工程において被加熱物の温度を60〜70℃に保持する時間を長くするよりも、さらに短時間で米飯を軟らかくすることができる。
このように、被加熱物が、予熱工程において所定温度(50〜60℃もしくは60〜70℃)に維持される時間及びその状態から沸騰するまでの時間を可変にすることにより、(1)予熱工程において被加熱物が所定温度(50〜60℃もしくは60〜70℃)に維持される時間、(2)被加熱物が予熱工程における温度から沸騰するまでの時間、のいずれか一方の時間だけを可変とするよりも、さらに炊き分けできる硬さの幅を広げることができる。また、(2)被加熱物が予熱工程における温度(50〜60℃もしくは60〜70℃)から沸騰するまでの時間だけを可変とするよりも、炊きムラを抑えることができ、食味の良い米飯を炊き上げることができる。
これまで述べたように、炊き上がりの米飯に大きな影響を与えているのは、米と水の温度が50℃から沸騰温度の範囲となる時間、すなわち、(1)予熱工程において被調理物が予熱時温度帯(50〜60℃もしくは60〜70℃)に保持される時間、及び(2)被調理物が予熱時温度帯から沸騰に至るまでの時間である。そのため、硬めモードでは軟らかめモードに比べて、予熱工程における鍋底温度センサー4の検知温度が高温で維持されるようにしてもよい。例えば、硬めモードは鍋底温度センサー4の検知温度が約70℃になるようにするとともに、軟らかめモードは鍋底温度センサー4の検知温度が約60℃になるようにし、硬めモードの場合には、予熱工程において米と水の温度が50℃まで上がったときに昇温工程に移ることで、米と水の温度が50℃から沸騰するまでの時間を、軟らかめモードの場合と比べて短くなるようにすればよい。このようにすることで、予熱工程終了時点での米と水の温度が50℃より低い場合よりも短時間で昇温工程が終わる、すなわち短時間で沸騰するため、米と水の温度が50℃から沸騰温度の範囲となる時間という炊き上がりの硬さに大きな影響を及ぼす時間を、短くすることができる。例えば、50℃から沸騰するまでの時間を短くするために昇温工程での加熱量を大きくすることもできるが、特に炊飯量が多い場合には、そのようにすると加熱コイル3が過熱されることがある。しかし、上述のように予熱工程の終了時点での米と水の温度を50℃付近まで上げておくと、加熱コイル3の過熱を抑制できる。また、硬めモードにおいて予熱工程での鍋底温度センサー4の検知温度を高温で維持することで、米と水の温度がより短時間で50℃まで上がるため、予熱工程の時間を短くでき、ひいてはトータルの炊飯時間を短くできるというメリットが得られる。
また、硬めモードでは軟らかめモードに比べて、予熱工程の時間を長くしてもよい。たとえば、硬めモードでは鍋底温度センサー4の検知温度が45℃となるようにして30分加熱し、軟らかめモードでは鍋底温度センサー4の検知温度が60℃となるようにして20分加熱するようにしてもよい。この場合、硬めモードでは、米と水の温度は、炊き上がりの硬さに大きな影響のある温度帯(50℃〜沸騰温度)、すなわち、米をより軟らかくする温度帯に保持されないため、軟らかく炊きあがることはない(つまり、硬く炊きあがる)。また、この場合、予熱工程の時間が長いため、予熱工程中にデンプン分解酵素が働く時間が長くなり、甘味成分が多く作られ、硬めモードであっても甘みのある米飯を炊き上げることができる。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサー、5 鍋状容器、5a フランジ部、6 ヒンジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、10a 外蓋、10b 内蓋、11 係止材、12 カートリッジ、12a 蒸気取入口、12b 蒸気排出口、13 操作/表示部、14 内部温度センサー、31 液晶表示板、32 米種表示、33 硬さ表示、34 メニュー表示、35 米種スイッチ、36 硬さスイッチ、37 メニュースイッチ、38 切/保温スイッチ、39 炊飯スイッチ、40 予約スイッチ、41 時刻スイッチ、50 重量センサー、100 炊飯器。

Claims (6)

  1. 本体と、
    前記本体に収容される鍋状容器と、
    前記鍋状容器の開口部を覆う蓋と、
    前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を駆動制御して予熱工程と昇温工程とを含む炊飯工程を実行する制御手段と、
    炊きあがりの硬さを選択する硬さ選択手段と、
    前記鍋状容器内の炊飯対象物の内容量を検知する炊飯量検知手段と、
    表示部と、を備え、
    前記制御手段は、前記硬さ選択手段により選択された硬さ及び前記炊飯量検知手段の検知結果に基づいて、前記炊飯対象物が炊飯量によらず前記硬さ選択手段により選択された硬さとなるように、前記予熱工程での加熱温度及び前記予熱工程の時間のうちいずれか一方もしくは両方を可変とし、かつ、前記昇温工程で前記加熱手段に投入する電力を可変として、前記炊飯工程を実行し、
    前記表示部は、前記炊飯工程の実行中において、炊飯終了までの時間を表示する
    ことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記制御手段は、前記硬さ選択手段で選択された炊きあがりの硬さが軟らかいほど、前記炊飯工程において前記鍋状容器に入れられた炊飯対象物の温度が50〜60℃に保持される時間を長くする
    ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記制御手段は、前記硬さ選択手段で選択された炊きあがりの硬さが軟らかいほど、前記炊飯工程において前記鍋状容器に入れられた炊飯対象物の温度が60〜70℃に保持される時間を長くする
    ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  4. 前記制御手段は、前記硬さ選択手段で選択された炊きあがりの硬さが軟らかいほど、前記炊飯工程において前記鍋状容器に入れられた炊飯対象物の温度が50℃から沸騰温度に至るまでの時間を長くする
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。
  5. 炊飯対象物の炊き上がりの粘りを選択する粘り選択手段を備え、
    前記炊飯工程は、前記昇温工程の後の工程である沸騰工程、及び前記沸騰工程の後の工程である蒸らし工程を含み、
    前記制御手段は、前記粘り選択手段により選択された粘りに基づいて、前記沸騰工程と前記蒸らし工程の少なくともいずれかにおいて、前記鍋状容器が所定の高温を保持する時間を可変とする
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の炊飯器。
  6. 前記制御手段は、前記粘り選択手段で選択された粘りが高いほど、前記所定の高温を保持する時間を長くする
    ことを特徴とする請求項5記載の炊飯器。
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