JP2004089254A - 炊飯器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炊飯器本体内に鍋21を着脱自在に収納し、この鍋21を鍋加熱コイル22により加熱し、炊飯時に供給する水を水タンク28に蓄え、水タンク28の水を水タンク加熱手段32により加熱して水供給装置30により鍋21に供給するようにし、記憶手段35に記憶した制御内容にしたがって制御手段34により水供給装置30、水タンク加熱手段32、鍋加熱手段22の動作を駆動制御する。制御手段34は、炊飯開始前後に水タンク加熱手段32を駆動して水タンク28内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、鍋21内の水が所定の温度に達したとき水タンク28内の湯を鍋21内に供給し、炊飯を続行する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋を鍋加熱手段により加熱して炊飯する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の炊飯器は図6に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図6に示すように、炊飯器本体1は上面が開口し、この炊飯器本体1内に米と水を入れる鍋2を着脱自在に収納している。また、炊飯器本体1内に、鍋2の底部を加熱する鍋加熱手段である鍋加熱コイル3を鍋底付近に配設している。この鍋加熱コイル3の中央部に、鍋2の温度を検出する鍋センサ4を配設している。蓋5は炊飯器本体1の上面開口部を開閉自在に覆うもので、この蓋5には鍋2内の温度を検知する蓋センサ6を取り付けている。
【0004】
制御手段7は、鍋加熱コイル3の動作を制御し、鍋2を加熱する。鍋加熱コイル3に高周波電流を供給し鍋2を加熱する際には、マイクロコンピュータに記憶された炊飯のシーケンスに基づいて、鍋加熱コイル3への通電状態や鍋センサ4と蓋センサ6からの信号および操作部8の信号を入出力制御するよう構成している。
【0005】
上記構成において、炊飯するときの炊飯工程について説明する。図7は、炊飯工程中の鍋温度T1、炊飯物温度T2、蓋センサ温度T3および通電率のタイムチャートを示している。
【0006】
図7に示すように、この炊飯工程は、米でんぷんの糊化開始温度より少し低い温度に水温を保ちながら米に水を吸わせる浸漬工程、最大出力にて鍋2内を沸騰させる炊き上げ工程、鍋2内の水がなくなるまで沸騰を維持し米を吸水糊化させる沸騰維持工程、飯粒表面に残存する遊離水を飯粒に吸収させ糊化を促進させる蒸らし工程からなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、炊き上げ工程を炊飯量にかかわらず同じ最大出力にて加熱するため、特に炊飯量が多いときほど沸騰までに時間がかかり、鍋2内に炊きむらができたり、ご飯の粒の表面が崩れたりしてご飯のできがよくないという問題があった。
【0008】
その理由としては、米の量に比して加熱の出力が弱いと、鍋2内の対流が不足し、米粒の間を縫って動く水の対流によって鍋2内に熱をまんべんなく伝えるという作用が不充分になるため、鍋2の中で加熱コイル3の近くの部分(主に下層部分)は早く温度が上昇するけれども、その他の部分はなかなか温度が上昇しないことになり、早く温度上昇する部分は過加熱になり、また温度上昇の遅い部分は炊き足りないという炊きむらにつながるからである。
【0009】
さらに、温度上昇が遅いとき、つまり60℃以上90℃未満の温度帯通過に時間がかかるときは、この温度帯で米の吸水膨潤が急激に進むため、ご飯の粒の表面が柔かくなりすぎ崩れてしまうからである。
【0010】
しかし、一方で、このような現象を避けるために、最大出力を上げることで沸騰までにかかる時間を短縮することは、焦げの発生の原因となるため、実施は困難であった。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇速度の部位差を解消し、炊飯量が多いときにも炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができるようにすることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、炊飯器本体内に鍋を着脱自在に収納し、この鍋を鍋加熱手段により加熱し、鍋の温度を鍋温度検知手段により検知するとともに、鍋内の調理物の温度を第2の温度検知手段により検知し、炊飯時に供給する水を水タンクに蓄え、水タンクの水を水タンク加熱手段により加熱し、水タンクの水を水供給装置により鍋に供給し、炊飯工程に対応した水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の制御内容を記憶手段に記憶し、この記憶手段の制御内容にしたがって制御手段により水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の動作を駆動制御するよう構成し、制御手段は、炊飯開始前後に水タンク加熱手段を駆動して水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、鍋内の水が所定の温度に達したとき水タンク内の湯を鍋内に供給し、炊飯を続行するよう構成したものである。
【0013】
これにより、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇速度の部位差を解消することができ、炊飯量が多いときにも炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、鍋内の調理物の温度を検知する第2の温度検知手段と、炊飯時に供給する水を蓄える水タンクと、前記水タンクの水を加熱する水タンク加熱手段と、前記水タンクの水を鍋に供給する水供給装置と、炊飯工程に対応した水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の制御内容を記憶した記憶手段と、この記憶手段の制御内容にしたがって水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の動作を駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、炊飯開始前後に前記水タンク加熱手段を駆動して前記水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、前記鍋内の温度が所定の温度に達したとき前記水タンク内の湯を鍋内に供給し、炊飯を続行するよう構成したものであり、米が水面上に出ない最小限の水量を加えて炊飯を開始し、残りの必要水量は炊飯開始後の沸騰前後の頃に所定温度に加温したものを水タンクから供給することにより、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、炊飯量が多いときにも炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、水タンクの温度を検知する水タンク温度検知手段を備え、制御手段は、炊飯開始前後に水タンク加熱手段を駆動して前記水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰点近傍の任意の所定の温度に維持し、かつ炊飯開始後の鍋内の調理物の温度が浸漬工程時より高く沸騰点より低い任意の所定の温度に達したとき、前記水タンクの湯を鍋内に供給するよう構成したものであり、炊きあげ工程において水タンクから湯を供給する以前は鍋内の「米+水」の量が少ないために、鍋を加熱する火力を強めることなく炊きあげ工程前半の鍋内温度上昇速度を早めて、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、適度な硬さで食味のよいご飯を炊くことができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、炊飯開始時に、鍋内に米が水面上に出ない最少限の水量を加え、残りの必要水量を炊飯開始後に水タンクから供給するよう構成したものであり、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3に記載の発明において、炊飯開始時に鍋内に加える水量に応じて、炊飯開始後に水タンクより鍋内に供給する湯の量を可変するよう構成したものであり、炊飯量に関係なく、沸騰維持工程にて米を吸水糊化させることができ、食味のよいご飯を炊くことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、上記請求項3または4に記載の発明において、炊飯開始時に使用者が加える最少限の水量を示す水位線を鍋に表示したものであり、使用者が洗米後水量調節する際に水量をあわせやすく、かつ、精度の高い水量調節をすることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1および図2に示すように、鍋21は米と水を入れ、鍋加熱手段である鍋加熱コイル22により加熱される。蓋23は鍋21の上部を覆うもので、この蓋23に、鍋21内の調理物の温度を検知する第2の温度検知手段である蓋センサ24を取り付けている。この蓋センサ24は鍋21内の温度が所定温度φ1(本実施例では、90℃)になったことを検知する。
【0021】
また、沸騰検知手段25は蓋センサ24が所定温度φ2(本実施例では、98℃)を検知した信号を受けて略沸騰を検知する。鍋センサ26は鍋温度検知手段を構成するもので、鍋21の底の温度を検知する。炊飯量判定手段27は、鍋センサ26の出力と蓋センサ24の出力とを入力し、鍋21内の米と水の量すなわち炊飯量を判定する。
【0022】
炊飯器本体の後方に水タンク28を配置し、この水タンク28の下部に流出口29を設けている。この流出口29に水供給装置30を連結し、その流出口31は鍋21内に臨んでいる。水タンク28の外底部にヒータにより構成した水タンク加熱手段32を配し、水タンク28の側面上部に水タンク28の温度を検知する水タンク温度検知手段33を配している。水タンク温度検知手段33の出力を制御手段34に入力し、制御手段34は、設定する水タンク温度と検出した水タンク温度を比較して、水タンク加熱手段32の加熱、加熱停止を行なう。
【0023】
制御手段34は、予め記憶手段35に記憶されている「浸漬工程」「炊き上げ工程」「沸騰維持工程」「蒸らし工程」からなる炊飯工程に対応した水供給装置30、水タンク加熱手段32、鍋加熱コイル22の制御内容にしたがい、炊飯量判定手段27の出力と鍋センサ26の出力と蓋センサ24の出力を入力として、鍋加熱手段22の加熱出力を制御し、また、水供給装置30、水タンク加熱手段32の動作を制御するものであり、通常はマイクロコンピュータに内蔵されている。
【0024】
この制御手段34は、炊飯開始前後に水タンク加熱手段32を駆動して水タンク28内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、鍋21内の水が所定の温度、すなわち、被調理物が浸漬工程時より高く沸騰点より低い任意の所定温度φ1に達したときに鍋21内に追加供給し、炊飯を続行するよう構成している。
【0025】
上記構成において図3を参照しながら動作について説明する。図3は、炊飯工程中の鍋温度T1、炊飯物温度T2、蓋センサ温度T3および通電率のタイムチャートを示している。また、水タンク加熱手段32と水供給装置30の出力を示している。
【0026】
まず、水タンク28には予め水を充填しておき、鍋21に米と米が水面上に出ない最小限の水量の水を鍋21に入れて鍋21を炊飯器本体内に載置する。炊飯を開始すると、制御手段34は、浸漬工程を行なうと同時に水タンク加熱手段32に通電し水タンク28の水を加温する。浸漬工程は、鍋センサ26の出力による鍋温度T1が所定の温度θ1より低い場合は鍋加熱手段22を作動し、所定の温度θ1以上の場合は鍋加熱手段22の作動を停止するようにしながら鍋21内の温度をθ1に保つ。
【0027】
一方、水タンク加熱手段32は水タンク28の温度が沸点100℃近傍の所定の温度θ3より低い場合は作動し、所定の温度θ3以上の場合は作動を停止するようにしながら水タンク28の温度をθ3に保つ。
【0028】
一定時間t1経過後に浸漬工程を終了し、浸漬工程と同じ加熱出力にて炊き上げ工程を開始し、加熱をフルパワーで続行し、この間に炊飯量判定手段27は、鍋センサ26が一定温度(本実施例では、80℃)に達した時点から蓋センサ24が所定温度φ1を検知した時点までの判定時間TGにより炊飯量を判定する。
【0029】
制御手段34は、蓋センサ24により検知した蓋センサ温度T3より、鍋21内の調理物が浸漬時よりも高く、沸騰点よりも低い所定の温度φ1に達したとき、水タンク28の流出口29を開き、水供給装置30を経由して水タンク28内の湯を鍋21内に供給する。
【0030】
また、制御手段34は、炊飯量判定手段27の判定結果を入力し水供給装置30を駆動し、(表1)に示すように、予め記憶手段35に記憶されている水供給量に応じて、該当量の湯を水タンク28より流出させて追加供給し、その後、制御手段34により水タンク28の流出口29を閉じる。
【0031】
【表1】
(表1)は、炊飯容量が1.0Lの炊飯器の場合と、1.8Lの炊飯器の場合において、水供給装置30を使用すると選択したとき、所定温度φ1を検知して鍋21内に追加供給する水の量を示しており、状況に応じて数値を設定できることはいうまでもない。
【0032】
沸騰検知手段25が鍋21内の略沸騰を検知すると、その後沸騰維持工程にすすみ、鍋21内の水がなくなって鍋温度T1が所定の温度θ2まで上昇し炊飯を終了するまで、炊飯量に応じた火力で加熱する。沸騰維持工程終了後は飯粒表面に残存する遊離水を飯粒に吸収させ、糊化を促進するために高温状態を維持する蒸らし工程を行なう。
【0033】
ここで、本実施例ではθ1、θ2、θ3、φ1、t1はそれぞれ56℃、132℃、90℃、90℃、21分であるが、この値は実施の一例であり、状況に応じて数値を設定できることはいうまでもない。
【0034】
このように、炊飯開始前後に水タンク加熱手段32を駆動して水タンク28内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、米が水面上に出ない最小限の水量を加えて炊飯を開始し、残りの必要水量は炊飯開始後の沸騰前後の頃に所定温度に加温したものを水タンク28から供給することにより、鍋21を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋21内の温度上昇の部位差を解消することができ、炊飯量が多いときにも炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができる。
【0035】
また、炊飯開始時に鍋21内に加える水量に応じて、炊飯開始後に水タンク28より鍋21内に供給する湯の量を可変するようしているので、炊飯量に関係なく、沸騰維持工程にて米を吸水糊化させることができ、食味のよいご飯を炊くことができる。
【0036】
(実施例2)
図4に示すように、鍋36は、使用者が炊飯開始前に加える水量の水位線37を印刷または刻印により表示している。図5は、鍋36の水位線37を示すもので、水供給装置30を選択した場合は左側の目盛り、水供給装置30を使用しないときは右側の目盛りを使用する。
【0037】
なお、この2種類の表示方法は適宜選択できる。炊飯量入力手段38は、炊飯開始前に使用者が炊飯量を入力するもので、その情報は制御手段39に出力している。
【0038】
水供給装置30を選択した場合は、炊飯開始時に、使用者が水位線37の左側の目盛りにより、米が水面上に出ない最小限の水量を加え、残りの必要水量を炊飯開始後に、制御手段39は炊飯量入力手段38の出力に基づいて、(表1)に示すように、予め記憶手段35に記憶されている追加供給水量を水タンク28から供給するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
上記構成において動作を説明する。使用者が炊飯開始前に予め炊飯量入力手段38に炊飯量を入力し、その情報は制御手段39に出力される。所定量の米と水位線37の左側の目盛りにより、米が水面上に出ない最小限の水量の水を鍋36に入れて、炊飯を開始すると、制御手段39は、上記実施例1と同様に制御を行ない、蓋センサ24が所定温度φ1を検知すると、水タンク28の流出口29を開き、水供給装置30を経由して水タンク内の湯を鍋36内に供給する。
【0040】
このとき、水供給装置30は、炊飯量入力手段38の入力に従い、予め記憶手段35に記憶されている追加供給水量の湯を水タンク28より流出させ、その後制御手段39により水タンク流出口29は閉じる。以降は上記実施例1の動作と同様に炊飯の動作を行う。
【0041】
これにより、使用者が洗米後、水量調節する際に水量をあわせやすく、かつ、精度の高い水量調節をすることができる。
【0042】
なお、上記各実施例では、鍋加熱手段22として、電磁誘導加熱の加熱コイルによる例を挙げているが、代わりにガス、鋳込みヒータ、シーズヒータなどでもよく、また、水タンク加熱手段32として、ヒータを例に挙げているが、代わりに電磁誘導加熱の加熱コイルを用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、炊飯開始前後に前記水タンク加熱手段を駆動して前記水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、鍋内の温度が所定の温度に達したとき水タンク内の湯を鍋内に供給し、炊飯を続行することにより、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、炊飯量が多いときにも炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよいご飯を炊くことができる。しかも、鍋を加熱する火力を強めて沸騰までの所要時間を早めるときのように、鍋底の温度が上がりすぎてご飯の焦げが発生する不具合がない。
【0044】
また、請求項2に記載の発明によれば、炊飯開始前後に水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰点近傍の任意の所定の温度に維持し、かつ炊飯開始後の鍋内の調理物の温度が浸漬工程時より高く沸騰点より低い任意の所定の温度に達したとき、水タンクの湯を鍋内に供給することにより、沸騰に至る過程の途中までは鍋内の「米+水」の量が少ないために、特に炊きあげ工程前半の鍋内温度上昇速度を早め、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、適度な硬さで食味のよいご飯を炊くことができる。
【0045】
また、請求項3に記載の発明によれば、炊飯開始時に、鍋内に米が水面上に出ない最少限の水量を加え、残りの必要水量を炊飯開始後に水タンクから供給することにより、鍋を加熱する火力を強めることなく沸騰までの所要時間を早めて、鍋内の温度上昇の部位差を解消することができ、炊きむらが少なく、粒の表面の崩れが少なく食味のよい、しかも焦げの少ないご飯を炊くことができる。
【0046】
また、請求項4に記載の発明によれば、炊飯開始時に鍋内に加える水量に応じて、炊飯開始後に水タンクより鍋内に供給する湯の量を可変することにより、炊飯量に関係なく、沸騰維持工程にて米を吸水糊化させることができ、食味のよいご飯を炊くことができる。
【0047】
また、請求項5に記載の発明によれば、炊飯開始時に使用者が加える最少限の水量を示す水位線を鍋に表示することにより、使用者が洗米後水量調節する際に水量をあわせやすく、かつ、精度の高い水量調節をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の炊飯器のブロック図
【図2】同炊飯器の断面図
【図3】同炊飯器の炊飯時の動作タイムチャート
【図4】本発明の第2の実施例の炊飯器のブロック図
【図5】同炊飯器の鍋の水位線の拡大正面図
【図6】従来の炊飯器の断面図
【図7】同炊飯器の炊飯時の動作タイムチャート
【符号の説明】
21 鍋
22 鍋加熱コイル(鍋加熱手段)
24 蓋センサ(第2の温度検知手段)
26 鍋センサ(鍋温度検知手段)
28 水タンク
30 水供給装置
32 水タンク加熱手段
34 制御手段
35 記憶手段
Claims (5)
- 炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、鍋内の調理物の温度を検知する第2の温度検知手段と、炊飯時に供給する水を蓄える水タンクと、前記水タンクの水を加熱する水タンク加熱手段と、前記水タンクの水を鍋に供給する水供給装置と、炊飯工程に対応した水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の制御内容を記憶した記憶手段と、この記憶手段の制御内容にしたがって水供給装置、水タンク加熱手段、鍋加熱手段の動作を駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、炊飯開始前後に前記水タンク加熱手段を駆動して前記水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰に至らせ、前記鍋内の温度が所定の温度に達したとき前記水タンク内の湯を鍋内に供給し、炊飯を続行するよう構成した炊飯器。
- 水タンクの温度を検知する水タンク温度検知手段を備え、制御手段は、炊飯開始前後に水タンク加熱手段を駆動して前記水タンク内の水の温度を上昇させて沸騰点近傍の任意の所定の温度に維持し、かつ炊飯開始後の鍋内の調理物の温度が浸漬工程時より高く沸騰点より低い任意の所定の温度に達したとき、前記水タンクの湯を鍋内に供給するよう構成した請求項1記載の炊飯器。
- 炊飯開始時に、鍋内に米が水面上に出ない最少限の水量を加え、残りの必要水量を炊飯開始後に水タンクから供給するよう構成した請求項1または2記載の炊飯器。
- 炊飯開始時に鍋内に加える水量に応じて、炊飯開始後に水タンクより鍋内に供給する湯の量を可変するよう構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
- 炊飯開始時に使用者が加える最少限の水量を示す水位線を鍋に表示した請求項3または4記載の炊飯器。
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