JP2022073726A - 加熱調理器 - Google Patents

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ちひろ 伊藤
Chihiro Ito
杏子 石原
Kyoko Ishihara
成彦 小池
Narihiko Koike
憲一 逸見
Kenichi Hemmi
毅 内田
Takeshi Uchida
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Abstract

【課題】より質の良好な冷凍用の米飯を炊き上げることができる加熱調理器を提供する。【解決手段】加熱調理器は、米および水を収容する容器を備える。また、加熱調理器は、この容器を昇温させることによって米飯を炊き上げる炊飯手段を備える。炊飯手段は、米のデンプンの糊化温度以上で水の沸騰温度未満である第1温度まで容器を昇温させる昇温工程を実施することによって冷凍用の米飯を炊飯可能に構成される。昇温工程において、容器の側面部の温度は、容器の底部の温度に比べて高くなっている。【選択図】図7

Description

本開示は、加熱調理器に関するものである。
特許文献1に、炊飯を行う加熱調理器の一例として、炊飯器が記載されている。この炊飯器は、通常米飯よりも糊化度の低い冷凍用米飯を、冷凍後に使用者が手で分割できる冷凍用に適した米飯として炊き上げるものである。
特開2020-065736号公報
上記特許文献1には、水を沸点以下の温度で維持して米飯を炊き上げることによって糊化度の低い冷凍用米飯を得る技術が開示されている。しかしながら、水を沸騰させずに加熱した場合、米と水とを収容した容器の中における温度ムラが生じやすい。このため、特許文献1に記載の技術においては、炊き上げられた冷凍用米飯の仕上がりがばらつくという課題が生じてしまう。
本開示は、上記のような課題を解決するためのものである。本開示の目的は、より質の良好な冷凍用の米飯を炊き上げることができる加熱調理器を提供することである。
本開示に係る加熱調理器は、米および水を収容する容器と、容器を昇温させることによって米飯を炊き上げる炊飯手段と、を備える。炊飯手段は、米のデンプンの糊化温度以上で水の沸騰温度未満である第1温度まで容器を昇温させる昇温工程を実施することによって冷凍用の米飯を炊飯可能に構成される。昇温工程において、容器の側面部の温度は、容器の底部の温度に比べて高くなっている。
本開示によれば、より質の良好な冷凍用の米飯を炊き上げることができる加熱調理器を提供することができる。
実施の形態1の炊飯器の断面構造に制御系統の構成を併せて示す概略図である。 比較例における通常の炊飯工程を説明する図である。 図2の時点(a)における鍋状容器内の米と水面との関係を示す図である。 図2の時点(b)における鍋状容器内の米と水面との関係を示す図である。 図2の時点(c)における鍋状容器内の米と水面との関係を示す図である。 図2の時点(d)における鍋状容器内の状態を示す図である。 実施の形態1の炊飯器が冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程を説明する図である。 実施の形態1の炊飯器が冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程の変形例を説明する図である。
以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。また、本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下の実施の形態によって開示される構成のあらゆる変形およびあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の炊飯器100の断面構造に制御系統の構成を併せて示す概略図である。図1に示すように、炊飯器100は、鍋状容器1、本体10および蓋体20を備えている。
炊飯器100は、米および水を含む被加熱物を加熱することによって炊飯を行う加熱調理器である。なお、炊飯器100は、炊飯機能のみを有するものでもよいし、炊飯機能を有した上でその他の機能を有するものであってもよい。また、本開示に係る加熱調理器は、いわゆる「炊飯器」に限られるものではなく、少なくとも炊飯機能を有するものであればよい。本開示に係る加熱調理器は、米以外の食品を被加熱物として加熱調理する機能を有するものであってもよい。以下の実施の形態においては、米および水を含む各種の食品の加熱調理を行うことができる炊飯器100を、本開示に係る加熱調理器の一例として説明する。
鍋状容器1は、上方に開口した鍋状の容器である。鍋状容器1は、被加熱物を収容する容器の一例である。鍋状容器1に収容される被加熱物は、主に米および水等の食品である。炊飯器100が備える鍋状容器1は、「炊飯釜」とも称されるものである。なお、鍋状容器1は、例えば、肉および野菜等の、米以外の食品を被加熱物として収容してもよい。
本体10は、炊飯器100の主要構造部分である。本体10は、その外観が有底の筒状である。本体10は、図1に示すように、上方に開口した形状をしている。鍋状容器1は、この本体10に着脱自在に収容される。本体10は、当該本体10に収容された鍋状容器1を加熱する。鍋状容器1が本体10によって加熱されることで、当該鍋状容器1に収容された被加熱物が加熱調理される。炊飯器100は、米および水が収容された鍋状容器1を本体10で加熱することによって米飯を炊き上げる加熱調理器である。
蓋体20は、開閉自在に本体10に取り付けられている。蓋体20は、本体10の上部の開口を開閉可能に構成されている。蓋体20は、本体10の上部の開口を開閉すると同時に、当該本体10に収容された鍋状容器1の上部の開口も開閉する。図1に示される状態において、蓋体20は、本体10の上部の開口を閉じると同時に、鍋状容器1の上部の開口を閉じている。
なお、図1では炊飯器100の制御系統の一部の構成および信号線が本体10の外側に描かれているが、これは図示の便宜上のものである。これらの構成および信号線も、実際には炊飯器100の本体10または蓋体20に備え付けられる。以下、鍋状容器1、本体10、蓋体20等の、炊飯器100が備える各構成要素についてより詳細に説明する。
鍋状容器1は、被加熱物を収容する有底の円筒形状の容器である。鍋状容器1は、例えば、電磁誘導によって発熱する磁性体の金属を含む。一例として、鍋状容器1の上端部は、フランジ状に形成されている。
本体10は、容器カバー11、底部加熱コイル12、側面部加熱コイル15、鍋底温度センサ13およびヒンジ部14を備える。また、炊飯器100は、制御系統の一例として、時間計測部17および制御部18を備える。時間計測部17および制御部18は、例えば、本体10の内部に設けられている。
容器カバー11は、有底の筒状に形成されている。容器カバー11の内側には、鍋状容器1が着脱自在に収容される。容器カバー11の底部の中央には、孔部11aが形成されている。孔部11aの内側には、鍋底温度センサ13が挿入されている。
鍋底温度センサ13は、鍋状容器1の温度を検出するためのものである。鍋底温度センサ13は、例えば、サーミスタ等の部材によって構成される。孔部11aに挿入された鍋底温度センサ13は、弾性部材であるばね等の手段によって、上方に付勢されている。上方に付勢されている鍋底温度センサ13は、容器カバー11に鍋状容器1が収容されると、当該鍋状容器1の底面に押し付けられる。鍋底温度センサ13は、鍋状容器1の底面に接触した状態で、当該鍋状容器1の特に底面の温度を検出する。鍋底温度センサ13は、検知した鍋状容器1の温度に関する温度情報を検知信号として制御部18に送る。このようにして、鍋底温度センサ13は、鍋状容器1の温度を検出する温度検出手段の一例を構成している。
底部加熱コイル12は、鍋状容器1を加熱するためのものである。本実施の形態における底部加熱コイル12は、被加熱物を収容する容器を加熱する加熱手段の一例を構成している。底部加熱コイル12は、例えば、容器カバー11の底部において孔部11aの周囲に円環状に配置されている。底部加熱コイル12は、鍋状容器1の底部に対向するように配置されている。底部加熱コイル12は、制御部18の制御により通電されることで、鍋状容器1を誘導加熱する。底部加熱コイル12は、通電によって鍋状容器1の底部を昇温させる第1加熱部の一例である。
側面部加熱コイル15は、底部加熱コイル12と同様に、鍋状容器1を加熱するためのものである。本実施の形態における側面部加熱コイル15は、底部加熱コイル12と共に、被加熱物を収容する容器を加熱する加熱手段の一例を構成している。側面部加熱コイル15は、例えば、容器カバー11の側面部において円環状に配置されている。側面部加熱コイル15は、鍋状容器1の側面部に対向するように配置されている。側面部加熱コイル15は、炊飯を開始するときの米の高さから水面の高さの範囲に相当する位置に配置されることが好ましい。側面部加熱コイル15は、制御部18の制御により通電されることで、鍋状容器1を誘導加熱する。側面部加熱コイル15は、通電によって鍋状容器1の側面部を昇温させる第2加熱部の一例である。
なお、本開示に係る加熱手段、第1加熱部および第2加熱部は、底部加熱コイル12および側面部加熱コイル15のような誘導加熱を用いるものに限定されない。加熱手段、第1加熱部および第2加熱部は、例えば、電気ヒーターであるシーズヒーター等であってもよい。
制御部18は、炊飯器100の動作全般を制御するためのものである。特に、制御部18は、炊飯器100の炊飯工程における各種の機器の動作を制御する。炊飯工程とは、炊飯器100が米飯を炊き上げる際に実施される工程を意味する。制御部18は、本開示に係る加熱調理器が備える制御手段の一例である。本実施の形態において、制御手段の一例である制御部18は、加熱手段の一例である底部加熱コイル12および側面部加熱コイル15の動作を制御する。
時間計測部17は、時間計測手段の一例であり、制御部18による機器制御等に必要な経過時間を計測する。時間計測部17は、制御部18の指示を受けて経過時間を計測し、計測した経過時間に関する時間情報を制御部18に送る。
なお、制御部18および時間計測部17の一方または両方は、その機能を実現する制御回路のようなハードウェアで構成してもよい。また、制御部18および時間計測部17の一方または両方を、半導体メモリ等の記憶部に記憶されたソフトウェアプログラムと、このソフトウェアプログラムを実行するマイコン又はCPU(中央演算装置)のような演算装置とによって構成してもよい。
ヒンジ部14は、本体10の上部の一端側に設けられる。ヒンジ部14は、蓋体20を開閉自在な状態で支持する。蓋体20は、ヒンジ部14を支点として回動することで開閉する。ヒンジ部14は、蓋体20が本体10の上部の開口を開閉できるように、当該蓋体20を支持している。
蓋体20は、外蓋21および内蓋22を備えている。外蓋21は、蓋体20の上部および側部を構成している。例えば、外蓋21のヒンジ部14とは反対側の側面には、図示を省略する開ボタンが設けられている。この開ボタンが押されると、ばね等の力によって、ヒンジ部14を中心に蓋体20が開く。
内蓋22は、例えば、ステンレス等の金属材料から形成されている。内蓋22は、外蓋21の本体10側の面に、係止材23を介して取り付けられている。蓋体20が閉じられた状態において、内蓋22は、外蓋21よりも内側、すなわち被加熱物に近い側に位置する。
内蓋22の周縁部には、シール材である蓋パッキン22aが取り付けられている。蓋パッキン22aは、蓋体20が閉じられたときに、鍋状容器1の上端部の内側の部分と密着して鍋状容器1内を外部から密閉する。なお、本開示における「鍋状容器1内」または「鍋状容器1の内部」とは、蓋体20が閉じられたときに鍋状容器1と内蓋22とで囲まれる領域のことを意味する。
内蓋22には、内蓋蒸気口22bが形成されている。外蓋21には外蓋蒸気口26が形成されている。内蓋蒸気口22bおよび外蓋蒸気口26は、鍋状容器1内で発生した蒸気を炊飯器100の外部へ排出するための開口である。
外蓋21には、カートリッジ24が着脱自在に取り付けられている。カートリッジ24には、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bが形成されている。内蓋蒸気口22b、外蓋蒸気口26、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bは、一続きになって、鍋状容器1の内部と外部とを連通している。カートリッジ24に形成された容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bは、容器側孔24aおよび蒸気排出孔24bと共に、鍋状容器1内で発生する蒸気を外部に排出するための蒸気口を構成している。
外蓋21の内蓋22側には、内部温度センサ43が取り付けられている。内部温度センサ43は、内蓋22に形成された貫通孔内を通されるように配置されている。内部温度センサ43は、鍋状容器1の内部空間の温度すなわち鍋状容器1内の被加熱物の上方における温度を検出する。内部温度センサ43は、例えば、サーミスタ等の部材によって構成される。内部温度センサ43は、検知した鍋状容器1内の温度に関する温度情報を制御部18に送る。
また、本実施の形態の炊飯器100は、操作表示部42を備えている。操作表示部42は、例えば、外蓋21の上面に設けられる。この操作表示部42は、操作部と表示部とを有している。
操作表示部42の操作部は、炊飯器100の使用者が行う各種の指示の操作を受け付けるものであり、例えば、スイッチ等から構成されている。操作表示部42の操作部でできる各種の指示には、具体的に、例えば、調理の開始および取り消し、調理される食材の種類の設定、予約設定等が該当する。操作表示部42は、使用者によって入力された各種の指示を、指示情報として制御部18に送る。
操作表示部42の表示部は、炊飯器100に関する各種の情報を表示するものである。表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成される。表示部が表示する情報には、例えば、調理メニュー、時間および調理する食材の量等が含まれる。調理メニューとは、例えば、煮物またはカレー等の料理名、また、標準炊飯または冷凍用炊飯等の炊飯種類の選択結果、等を示すものである。表示部には、現在の行われている工程の情報、また、調理完了までの残り時間等を表示する機能も備えられている。また、表示部は、音または光等により報知する機能を備えていてもよい。
操作表示部42の表示部は、上述したように、各種情報を表示する液晶ディスプレイを一例として備えている。表示部に表示する情報には、例えば、炊飯メニュー、時間、炊飯する米の量等が含まれる。炊飯メニューとは、例えば、標準炊飯か早炊き炊飯か、仕上がりはかためかやわらかめか、米の種類は白米炊飯か無洗米炊飯か等の選択結果を示すものである。また、本実施の形態において、表示部には、現在の調理工程、調理完了までの残り時間等を表示、音または光等により報知する機能も備えられている。
本体10には、炊飯器100を運搬するための図示しないハンドルを設けてもよい。ハンドルは、例えば、本体10の一端側と他端側との2箇所を繋ぐように設けられる。ハンドルは、例えば、本体10の側面上部の略前後中央において回転可能に軸支される。この際、ハンドルの回転軸は、ヒンジ部14の回転軸と平行となるようにすることが望ましい。このようにすることで、炊飯器100の運搬者がハンドルを持って炊飯器100を持ち上げると、ハンドルはその回転軸の直上の位置まで回転する。これにより、運搬者はハンドルのみを持って容易に炊飯器100を運搬することができる。
次に、以上に説明したように構成された炊飯器100の動作について説明する。本実施の形態に係る炊飯器100は、冷凍用の米飯を炊き上げることができるものである。実施の形態において、制御部18と、底部加熱コイル12および側面部加熱コイル15とは、本開示に係る炊飯手段の一例を構成している。炊飯手段は、鍋状容器1を昇温させることによって米飯を炊き上げるものである。本開示に係る炊飯手段は、冷凍用の米飯を炊飯可能に構成されているものである。
ここで、比較例として、通常の米飯を炊飯するための炊飯工程について説明する。図2は、比較例における通常の炊飯工程を説明する図である。図2は、炊飯工程における鍋状容器1の底部の温度と側面部の温度と当該鍋状容器1内の米飯の温度との履歴を示したものである。
図2に示すように、炊飯工程は、予熱工程、炊き上げ工程および蒸らし工程で構成される。また、図2に示す比較例において、炊き上げ工程は、昇温工程と沸騰工程とから構成される。
予熱工程は、米および水を含む被加熱物を予熱する工程である。予熱工程では、鍋状容器1内の水を沸騰させる前の段階で、鍋状容器1を予め設定された温度で予め設定された時間だけ加熱する。予熱工程における加熱により、米の吸水が促進される。
予熱工程の終了後に、昇温工程が実施される。昇温工程は、鍋状容器1内の被加熱物が沸騰するまで鍋状容器1を加熱する工程である。図2の比較例における昇温工程では、鍋状容器1は100℃以上まで加熱される。
昇温工程の次に、沸騰工程が実施される。沸騰工程では、鍋状容器1内の水の沸騰を維持するように鍋状容器1を加熱する。図2の比較例における沸騰工程では、鍋状容器1内の米飯の温度は、常圧における沸点である100℃で維持される。
炊き上げ工程において米の吸水が進み、また、鍋状容器1内で米に吸水されずに残った余分な水分がなくなって鍋状容器1の温度が所定の温度まで上昇すると、沸騰工程から蒸らし工程へ移行する。蒸らし工程は、米を蒸らすように鍋状容器1を加熱する工程である。蒸らし工程では、米飯粒内の水分の分布を均一化するように、余熱によって鍋状容器1を加熱する。なお、以下の説明においては、鍋状容器1内で米に吸水されずに残った水分を「残存水」とも称することがある。
図3は、図2の時点(a)における鍋状容器内の米と水面との関係を示すである。図4は、図2の時点(b)における鍋状容器内の米と水面との関係を示す図である。図5は、図2の時点(c)における鍋状容器内の米と水面との関係を示す図である。図6は、図2の時点(d)における鍋状容器内の状態を示す図である。時点(a)、時点(b)、時点(c)および時点(d)は、それぞれ、図2の下部に矢印で示している。
予熱工程の開始から終了までのタイミングである時点(a)では、図3に示すように、鍋状容器1内の水面の高さは、米の高さよりも高い。昇温工程での加熱が進むと、米の吸水によって、残存水が減るという現象と、米粒が膨らむという現象が起こる。沸騰工程の開始の直前から直後にかけてのタイミングである時点(b)においては、図4に示すように、水面の高さと米の高さとは、同等になる。
時点(b)から加熱がさらに進められた時点(c)において、仮に加熱を停止した場合、図5に示すように、鍋状容器1内の水面の高さは米の高さよりも低くなる。
ただし、通常の炊飯における時点(c)は、沸騰工程における時点である。時点(c)においては、加熱を停止しなかった場合、沸騰で生じる気泡と共に残存水が大きく動く。図5において拡大して示すように、沸騰で生じる気泡が上部にせりあがる動きによって、残存水が持ち上げられる。このため、実際には、図5において水面として示している位置よりも高い位置まで、残存水が存在する。
一方で、図5において水面として示している位置よりも下方であっても、沸騰による気泡によって残存水が存在しなくなる部分が発生する。すなわち、鍋状容器1内の水面の高さが米の高さよりも低い状態であっても、当該鍋状容器1内の水が沸騰した状態であれば、残存水は、鍋状容器1の下部に留まり続けずに米粒同士の間を移動する。また、鍋状容器1内の水が沸騰すると、対流によって、鍋状容器1内の被加熱物の温度ムラを抑制することができる。以上に説明したように、鍋状容器1内の水面の高さが米の高さよりも低い状態において当該鍋状容器1内の水を沸騰させることで、鍋状容器1内の温度ムラおよび米の吸水ムラを抑制することができる。すなわち、鍋状容器1内の水面の高さが米の高さよりも低い状態において当該鍋状容器1内の水を沸騰させることで、より質の良好な米飯を炊き上げることが可能となる。
時点(c)から加熱がさらに進められて、沸騰工程の終了時点に近い時点(d)になると、図6に示すように、米の吸水が完了して残存水がなくなった状態となる。
次に、本実施の形態の炊飯器100が冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程の具体例について説明する。図7は、実施の形態1の炊飯器100が冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程を説明する図である。図7は、鍋状容器1の底部温度と、鍋状容器1の側面部温度と、底部加熱コイル12の動作電力(通電量)と、側面部加熱コイル15の動作電力(通電量)と、の履歴を示したものである。図7の下部に矢印で示している時点(a)から時点(d)は、それぞれ、図2における時点(a)から時点(d)に対応する。
図7に示すように、冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程においては、鍋状容器1の温度は100℃未満に維持されている。すなわち、冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程においては、鍋状容器1内の被加熱物は、沸騰しない。このため、図7の時点(c)においては、図5のように気泡によって残存水が米の高さよりも上に持ち上がることはない。
図7の例において、冷凍用の米飯を炊き上げる際の昇温工程では、鍋状容器1の温度を100℃まで昇温させない。本開示に係る炊飯手段は、米のデンプンの糊化温度以上で水の沸騰温度未満である第1温度まで鍋状容器1の温度を昇温させる昇温工程を実施することによって、冷凍用の米飯を炊飯することができる。冷凍用の米飯を炊き上げる際の昇温工程では、鍋状容器1の温度を、100℃未満の温度Tとする。一例として、温度Tは、70℃以上95℃以下の範囲内の温度に設定される。本実施の形態における温度Tは、本開示に係る第1温度の一例である。
そのまま食べることに適する通常の米飯の糊化度は、95%前後である。一方、本実施の形態において炊き上げられる冷凍用の米飯の糊化度は、通常の米飯の糊化度に比べて低い。冷凍用の米飯の糊化度は、例えば、75%から90%の範囲である。冷凍用の米飯とは、糊化が不十分な状態の米飯である。米飯を糊化不十分な状態にしつつ、且つ必要な量の水を吸水した状態にさせるためには、上記の温度Tは、70℃以上95℃以下であることが好ましい。ただし、温度Tが70℃のように低温である場合には、炊飯時間が長くなる。また、温度Tが95℃のように高温である場合には、米の品種および米の保存状態のよっては、米飯の糊化が進んで当該米飯の糊化度が95%付近までなってしまう可能性がる。上記の理由から、温度Tは90℃または90℃前後として設定されることが、より好ましい。
図7に示す例において、予熱工程では、鍋状容器1の側面部温度は底部温度とほぼ同等である。予熱工程では、米のデンプンの糊化温度である60℃前後よりも低い温度での加熱が行われる。これにより、甘味成分を生成しつつ、米の吸水を促進する。予熱工程における加熱温度は糊化温度よりも低い温度であり、米の吸水もある程度までしか進むことはない。具体的には、予熱工程における米の吸水は、米の水分含量が30%程度となるまで進む。
昇温工程では、予熱工程の終了時点での温度、すなわち糊化温度よりも低い温度から温度Tまでへの鍋状容器1の昇温が実施される。昇温工程においては、鍋状容器1および当該鍋状容器1内の温度が糊化温度を超え、米の吸水が大きく進む。昇温工程では、図3のように米の高さは水面よりも低い位置であり、すべての米粒が水に浸っている状態になっている。
本実施の形態において、冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される昇温工程では、鍋状容器1の側面部の温度を、鍋状容器1の底部の温度よりも高くなっている。具体的には、制御部18が、鍋状容器1の側面部の温度を鍋状容器1の底部の温度よりも高くするように、底部加熱コイル12および側面部加熱コイル15を制御する。底部加熱コイル12による鍋状容器1の加熱量は、底部加熱コイル12の動作電力すなわち底部加熱コイル12への通電量を制御することによって調整される。同様に、側面部加熱コイル15による鍋状容器1の加熱量は、側面部加熱コイル15の動作電力すなわち側面部加熱コイル15への通電量を制御することによって調整される。図7に示す例では、昇温工程において、側面部加熱コイル15の通電量は底部加熱コイル12の通電量よりも大きい。
すべての米粒が水に浸っている状態において、鍋状容器1の底部よりも鍋状容器1の側面部を高温とすることで、当該側面部付近の米粒、すなわち鍋状容器1内の上部の米粒は、鍋状容器1内の下部の米粒に比べて、吸水と糊化とが大きく進む。昇温工程の後、炊き上げ工程の後半になると、図5のように米の高さが水面よりも上回る。炊き上げ工程の後半になると、図5のように鍋状容器1内の上部の米粒は水に浸っておらず、鍋状容器1内の下部の米粒だけが水に浸った状態となる。この状態においては、鍋状容器1内の下部の米粒の吸水と糊化とが進み、やがて、鍋状容器1内の上部の米粒の吸水度合および糊化度合は、鍋状容器1内の下部の米粒の吸水度合および糊化度合と同程度になる。
鍋状容器1内で沸騰しないまま米飯が炊き上げられる場合、鍋状容器1内の水面の高さは、米の高さを徐々に下回っていくことになる。このため、鍋状容器1内の上部の米粒は、下部の米粒よりも水に浸っている時間が短くなるので,例えば、鍋状容器1内の上部の米粒と下部の米粒とが同等に加熱された場合、すなわち上部と下部とで同等の速度での吸水が進行する条件で加熱が実施された場合、結果として下部の米粒の吸水量は下部の米粒よりも少なくなってしまう。また、上部の米粒の糊化は、下部の米粒よりも進みにくくなってしまい。言い換えると、鍋状容器1内の下部の米粒は、水に浸っている時間が長くなることによって、上部の米粒に比べて吸水と糊化とが大きく進む。このように、水を沸点以下の温度で維持して米飯を炊き上げることによって糊化度の低い冷凍用米飯を得る従来の技術では、鍋状容器1内の上部と下部との間で、吸水度合および糊化度合に大きな差が生じてしまう。
一方、本実施の形態では,昇温工程において、鍋状容器1の底部よりも側面部を高温とすることで、鍋状容器1内の上部の米粒を、下部の米粒よりも先に、吸水および糊化を進行させることができる。その後、追って下部の米粒の吸水および糊化が進行する。これにより、最終的に、鍋状容器1内の上部の米粒と下部の米粒との、吸水度合および糊化度合を同程度にすることができる。本実施の形態によれば、より質の良好な冷凍用の米飯を炊き上げることができる炊飯器100を提供することができる。
なお、図4のように米の高さが水面の高さと同等になるのは,昇温工程よりも後の工程である。このため、昇温工程直後においても、鍋状容器1の側面部は、鍋状容器1の底部よりも高温であることが望ましい。炊き上げ工程の後半における図5のように米の高さが水面の高さを超えた状態において、鍋状容器1の側面部温度と鍋状容器1の底部温度とが同等となることが、より好ましい。
そのまま食べることに適した米飯を炊き上げる通常の炊飯は、糊化度が95%前後である糊化が十分に進んだ状態の米飯、すなわち芯のない適度な粘りのある米飯を得ることが目的である。通常の炊飯では、鍋状容器1内の上部と下部とで吸水のムラが多少あったとしても、100℃近傍の高温を長時間維持することで、米飯全体を糊化が十分に進んだ状態にすることができる。
一方、冷凍用の米飯は,冷凍後に使用者が手で分割できる状態となる米飯を得ることが目的である。冷凍用の米飯は、冷凍後に再加熱されたときに糊化が十分に進んだ状態になっていればよく。冷凍用の米飯は、炊き上げられた状態においては、通常の米飯よりも糊化度の低い状態となっていることが求められる。ムラなく糊化度を低い状態とし、また、ムラなく吸水が進んだ状態の冷凍用の米飯を炊き上げるためには、通常の炊飯を炊き上げる場合と比べて、鍋状容器1内の吸水のムラおよび糊化のムラを小さくすることがシビアに求められる。本実施の形態の炊飯器100によれば、鍋状容器1の底部よりも側面部を高温とすることで、吸水のムラおよび糊化のムラの小さい、より質の良好な冷凍用の糊化度が低い米飯を炊き上げることができる。
上述したように、図7に示す例では、昇温工程において、側面部加熱コイル15の通電量は底部加熱コイル12の通電量よりも大きい。底部加熱コイル12による加熱量の制御と側面部加熱コイル15による加熱量との制御は、通電量の調節に限られず、例えば、通電時間の調節によって行われてもよい。例えば、昇温工程において、側面部加熱コイル15の通電時間を底部加熱コイル12の通電時間よりも長くしてもよい。また、上述したように、本開示に係る加熱手段、第1加熱部および第2加熱部は、底部加熱コイル12および側面部加熱コイル15のような誘導加熱を用いるものに限定されるものではない。
上記の実施の形態において、加熱手段は、鍋状容器1の底部を昇温させる底部加熱コイル12と側面部加熱コイル15という複数のコイルから構成されている。上記の実施の形態の変形例として、底部加熱コイル12と側面部加熱コイル15とは、1つのコイルとして構成されていてもよい。本変形例における底部加熱コイル12は、鍋状容器の底部を昇温させる第1部分である。また、本変形例における側面部加熱コイル15は、鍋状容器の側面部を昇温させる第2部分である。本変形例において、加熱手段は、誘導加熱によって鍋状容器1を昇温させるコイルとして構成され、第1部分と第2部分とを含んでいる。
図8は、実施の形態1の炊飯器が冷凍用の米飯を炊き上げる際に実施される炊飯工程の変形例を説明する図である。図8は、加熱手段が1つのコイルとして構成される変形例における温度履歴を示している。加熱手段が1つのコイルとして構成される場合、鍋状容器1の底部に対向する第1部分と側面部に対向する第2部分とによらず、当該コイルへの通電量は全体で同じになる。そこで、鍋状容器1の側面部を底部よりも高温にするため、側面部を昇温させる第2部分のコイルターン数を、底部を加熱する第1部分よりも多くすると良い。本変形例によれば、複数のコイルを通電制御する場合に比べて、制御基板等のサイズを小さくすることができる。そして、炊飯器100本体のサイズを小さくすることができる。炊飯器100は、キッチンという限られたスペースに置くことになるため、使用者からはコンパクトな機体が求められる。本変形例によれば、コンパクトで設置性の良い炊飯器100を使用者に提供することができる。
また、鍋状容器1の温度を検出するセンサとして、鍋底温度センサ13だけでなく、側面部加熱コイル15の近傍に、鍋状容器1の側面部の温度を検出する図示しない鍋側面温度センサを更に設けても良い。鍋状容器1の側面部の温度を検出することで、鍋状容器1の側面部の過加熱または加熱不足をより確実に防ぐことができる。これにより、より確実に質の良い冷凍用の米飯を炊き上げることができる。
1 鍋状容器、 10 本体、 11 容器カバー、 11a 孔部、 12 底部加熱コイル、 13 鍋底温度センサ、 14 ヒンジ部、 15 側面部加熱コイル、 17 時間計測部、 18 制御部、 20 蓋体、 21 外蓋、 22 内蓋、 22a 蓋パッキン、 22b 内蓋蒸気口、 23 係止材、 24 カートリッジ、 24a 容器側孔、 24b 蒸気排出孔、 26 外蓋蒸気口、 42 操作表示部、 43 内部温度センサ、 100 炊飯器

Claims (4)

  1. 米および水を収容する容器と、
    前記容器を昇温させることによって米飯を炊き上げる炊飯手段と、
    を備え、
    前記炊飯手段は、米のデンプンの糊化温度以上で水の沸騰温度未満である第1温度まで前記容器を昇温させる昇温工程を実施することによって冷凍用の米飯を炊飯可能に構成され、
    前記昇温工程において、前記容器の側面部の温度は、前記容器の底部の温度に比べて高くなっていることを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記炊飯手段は、誘導加熱によって前記容器を昇温させるコイルを有し、
    前記コイルは、前記容器の底部を昇温させる第1部分と前記容器の側面部を昇温させる第2部分とを含み、
    前記第2部分は、前記第1部分に比べてコイルターン数が多いことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記炊飯手段は、通電によって前記容器の底部を昇温させる第1加熱部と、通電によって前記容器の側面部を昇温させる第2加熱部と、を有し
    前記昇温工程において、前記第2加熱部の通電量を前記第1加熱部の通電量よりも多くすることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記炊飯手段は、通電によって前記容器の底部を昇温させる第1加熱部と、通電によって前記容器の側面部を昇温させる第2加熱部と、を有し
    前記昇温工程において、前記第2加熱部の通電時間を前記第1加熱部の通電時間より長くすることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
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