JP6355399B2 - 加熱調理器及び加熱制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、米等の食品を入れた容器を加熱調理する加熱調理器及び加熱制御方法に関するものである。
以前から、かまどで炊飯したご飯は美味しいとよく言われているが、その理由はおねばの吹きこぼれを気にすることなく、高火力で炊飯することができるからである。高火力で炊飯した場合、ご飯の中にカニ穴と呼ばれる蒸気口が形成される。このカニ穴は、蒸らし工程において蒸気を釜内に均一に行き渡らせる役割を担っており、美味しさの目印としても知られている。
ところで、炊飯器では、吹きこぼれが安全性及び衛生面で懸念される。そのため、炊飯器が実行する沸騰維持工程において、炊飯器の加熱手段は、吹きこぼれ防止のために通電量が抑制されている。その結果、ご飯の中にカニ穴を作ることが困難であった。また、加熱手段への通電量の抑制が食味の低下を招いていた。
そこで従来、吹きこぼれを気にすることなく沸騰維持させることを目的に、おねば検知手段とおねば処理機能を備えた炊飯器が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007−135730号公報(例えば、第1の発明等参照) 特開平11−253307号公報(例えば、実施例1等参照)
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、おねば検知手段がおねば処理部(おねば誘導ファン17)へ動作信号を送るのみであり、特許文献2に記載の技術は、加熱手段へ加熱出力を下げる信号を発信しているだけであり、いずれの技術も加熱手段へ加熱出力を上げる信号は発信していなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、加熱出力のタイミングを調整することにより、飯の中に蒸気口(以下、カニ穴)を効率よく発生させて炊きムラのないふっくらしたご飯が炊飯できる加熱調理器および加熱制御方法を提供することを目的としている。
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物を収容する容器と、前記容器を加熱する第1加熱手段と、前記第1加熱手段を制御する制御手段と、前記被加熱物から発生するおねばを検知するおねば検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記容器内の被加熱物を沸騰温度以上で維持する沸騰維持工程において、前記おねば検知手段により前記おねばの発生が検知されると、前記第1加熱手段の加熱出力を上げるものである。
本発明に係る加熱制御方法は、第1加熱手段を制御することにより炊飯工程を実行する加熱制御方法であって、前記炊飯工程のうち容器内の被加熱物を沸騰温度以上で維持する沸騰維持工程において、前記容器に収容された被加熱物からおねばの発生を検知すると、前記第1加熱手段の加熱出力を上げ、前記被加熱物にカニ穴が形成されたことを検知すると、前記第1加熱手段の加熱出力を下げるものである。
本発明の加熱調理器及び加熱制御方法によれば、適切なタイミングで加熱出力を上げることで、ご飯の中に大きなカニ穴を均一に作ることができ、これにより炊きムラのないふっくらしたご飯を炊くことができる。
本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程と、被加熱物温度、鍋状容器温度、加熱コイルへの通電電力の推移と、の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。 図4A〜図4Fの各工程を、図2に反映させた図である。
以下、本発明に係る加熱調理器及び加熱制御方法の実施の形態について、家庭用IH式炊飯器に適用した場合を例に図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る家庭用IH式炊飯器(以下、炊飯器100と称する)の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。図1に基づいて、炊飯器100について説明する。この炊飯器100は、被加熱物(本実施の形態では米200及び水201)を入れた鍋状容器(容器)5を加熱コイル3で加熱することで被加熱物を炊き上げるものである。
図1に示すように、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状の本体1と、本体1に取り付けられ、本体1の上部開口部を開閉する蓋体10と、を備えている。
(本体1)
本体1は、容器カバー2と、加熱手段としての加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、蓋体10を開閉自在に支持するヒンジ部6と、少なくとも一つ以上の時間計測手段7と、おねば検知手段17と、各部及び各装置を駆動制御して炊飯工程を実行する制御手段8と、を備えている。
容器カバー2は、有底筒状に形成されていて、その内部に鍋状容器5が着脱自在に収容されるものである。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサー4が挿入される孔部2aが設けられている。
なお、鍋状容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体の金属を含む材料で構成され、有底円筒形状である。鍋状容器5の上端部外周には、フランジ部5aが形成されている。
加熱コイル3は、制御手段8により通電制御され、鍋状容器5を誘導加熱するものである。なお、加熱手段として、加熱コイル3に代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けてもよい。
また、図1の例では、鍋状容器5の底面近傍に加熱コイル3を配置しているが、加熱コイル3の配置は図示のものに限定されず、例えば鍋状容器5の底面近傍に加えて鍋状容器5の側面に沿って加熱コイル3を設けてもよい。
また、加熱コイル3を複数個設けてもよい。その場合、被加熱物に最も熱量を与える加熱手段が本発明の第1加熱手段に相当する。本発明の第2加熱手段は第1加熱手段以外の加熱手段に相当する。
加熱コイル3を複数個設ける場合、第1加熱手段は、前述のように代替としてシーズヒーター等の電気ヒーターを用いてもよく、また、底面近傍または側面近傍に設けてもよい。
加熱コイル3を複数個設ける場合、第2加熱手段は、前述のように代替としてシーズヒーター等の電気ヒーターを用いてもよく、また、第1加熱手段の位置に関わらず、底面近傍または側面近傍に設けてもよいし、または外蓋11あるいは内蓋12に設けてもよい。
鍋底温度センサー4は、例えばサーミスタで構成され、鍋状容器5の温度を検知するものである。鍋底温度センサー4は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、容器カバー2に収容された鍋状容器5の底面に接するように構成されている。鍋底温度センサー4が検知した鍋状容器5の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。なお、鍋底温度センサー4の具体的構成はサーミスタに限定されず、鍋状容器5に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の鍋状容器5の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用してもよい。
ヒンジ部6は、本体1の上部の一端側(紙面左側)に設けられ、蓋体10を開閉自在に支持するものである。
なお、本体1に、炊飯器100を運搬するためのハンドル(図示省略)を設けておいてもよい。ハンドルを設ける場合には、ハンドルを本体1の側面上部の略前後中央に軸支し、ハンドルの回転方向を蓋体10の回動方向と一致させるとよい。そうすれば、炊飯器100を運搬する際には、使用者はハンドルの軸支点のほぼ直上に位置するようにハンドルを回転させて持ち上げ、ハンドルのみを持って炊飯器100を運搬することが可能となる。
時間計測手段7は、制御手段8に指示されて経過時間をカウントするようになっている。そして、時間計測手段7がカウントした経過時間は、制御手段8に出力される。
おねば検知手段17は、例えば内部温度センサー16で構成するとよい。おねば検知手段17を内部温度センサー16で構成すれば、おねばの泡の発生を温度によって検知することができる。おねば検知手段17は、検知した温度を信号として制御手段8に発信する。
制御手段8は、鍋底温度センサー4、蓋体10に設けられた操作表示部15、内部温度センサー16ならびにおねば検知手段17からの出力に基づいて、加熱コイル3(加熱コイル3を複数個有する場合はそれら全てを含む)に通電する高周波電流を制御する。そのほか、制御手段8は、炊飯器100の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
(蓋体10)
蓋体10は、外蓋11と、内蓋12と、を有している。外蓋11には、後述するカートリッジ14が着脱自在に設けられ、外蓋11の上面には操作表示部15が設けられている。
外蓋11は、蓋体10の上部及び側部を構成し、外蓋11の下面(鍋状容器5に対向する面)には、内蓋12が着脱自在に取り付けられている。
内蓋12は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、外蓋11の本体1側の面に係止材13を介して取り付けられている。内蓋12の周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するためのシール材の蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋12には、内部温度センサー16を挿入させる孔部12aが設けられている。さらに、内蓋12には、鍋状容器5内で発生した蒸気が出入する蒸気口12bが設けられ、後述するカートリッジ14の蒸気取入口14aと通じている。
なお、外蓋11には、内蓋12の孔部12aに挿入された内部温度センサー16の外周の隙間を塞ぐパッキン11aが取り付けられている。
(カートリッジ14)
カートリッジ14は、外蓋11の上面に着脱自在に設けられている。カートリッジ14には、炊飯中に発生する蒸気圧に応じて上下動する弁(図示せず)を備えた蒸気取入口14aと、蒸気取入口14aの弁を通過した蒸気を外部へ排出する蒸気排出口14bとが設けられている。蒸気取入口14aは蒸気口12bに通じており、蒸気は、蒸気口12bを通過して蒸気取入口14aからカートリッジ14内に入ってカートリッジ14内を流れ、蒸気排出口14bからカートリッジ14の外へ流出する。カートリッジ14内を流れる過程において蒸気は冷却されて復水するので、炊飯器100の外へ流出する蒸気量を減らすことができる。
(操作表示部15)
操作表示部15は、外蓋11の上面に設けられている。この操作表示部15は、使用者からの各種指示(例えば、炊飯の開始、取り消し、予約など)を受け付けるとともに、各種情報(例えば、操作入力に関する情報、炊飯器100の動作状態など)、を表示するものである。
操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、炊飯の開始、取り消し、炊飯予約、炊飯メニューがある。炊飯メニューの具体例としては、白米炊飯又は玄米炊飯等の米200の種類に関するもの、標準炊飯又は早炊き炊飯等の炊飯時間に関するもの、かため又はやわらかめ等の炊き上がりの米飯のかたさに関するもの等が挙げられる。操作表示部15が表示する項目としては、例えば、炊飯中又は予約待機中等の炊飯器100の状態、設定されている炊飯メニューの内容、炊き上がりの予定時刻、現在時刻、炊飯する米200の量等が挙げられる。なお、ここで示した操作表示部15の具体的構成は一例であり、本発明を限定するものではない。
操作表示部15に対して使用者が操作入力を行うと、本体1に内蔵された制御手段8は、入力された炊飯メニュー及び炊飯する米200の量に合わせた炊飯プログラムに従って、加熱コイル3を動作させて炊飯工程を実行する。
(内部温度センサー16)
内部温度センサー16は、鍋状容器5内の温度を検知する温度検知手段であり、外蓋11に取り付けられている。内部温度センサー16の一部は内蓋12の孔部12aに挿入されており、内部温度センサー16は孔部12aを介して鍋状容器5内の温度を検知するようになっている。内部温度センサー16は、例えばサーミスタで構成することができる。内部温度センサー16が検知した鍋状容器5内の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。
次に、炊飯器100の炊飯工程の動作について説明する。
図2は、炊飯器100の炊飯工程と、被加熱物温度、鍋状容器温度、加熱コイルへの通電電力の推移と、の一例を示す図である。図3は、炊飯器100の炊飯工程を説明するフローチャートである。図4A〜図4Fは、炊飯器100の炊飯工程中にカニ穴が形成される過程を模式的に表した模式図である。図5は、図4A〜図4Fの各工程を、図2に反映させた図である。以下、炊飯器100の炊飯工程を図2と図3を参照し、鍋状容器5内の内部現象を図4A〜図5を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、被加熱物温度、すなわち鍋状容器5の内部温度を、内部温度センサー16の検出値に基づいて検出する。また、鍋状容器温度(鍋状容器5の温度)を、鍋底温度センサー4の検出値に基づいて検出する。
まず、炊飯器100の炊飯工程を構成する各工程について大まかに説明する。
図2、図3に示すように、炊飯器100の炊飯工程は、吸水工程(ステップS1)と、昇温工程(ステップS2)と、沸騰維持工程(ステップS3)と、蒸らし工程(ステップS10)と、を含んでいる。
吸水工程とは、米200に吸水を促す工程である。昇温工程とは、吸水工程終了後から鍋状容器5内の水201が沸騰に至るまでの工程である。鍋状容器5内の水201が沸騰に至ると、制御手段8は、次の沸騰維持工程に移行する。この沸騰維持工程では、鍋状容器5内の水201が沸騰温度以上を維持できるように加熱し、米200のデンプンの糊化を促進する。最後の蒸らし工程とは、鍋状容器5内の米200を蒸らすことにより米200の中心部まで糊化を促進させ、且つ、米粒内の水分分布を均一にする工程である。
次に、炊飯器100の炊飯工程の動作について説明する。
まず、使用者が、米200と水201を入れた鍋状容器5を、本体1内の容器カバー2に収納し、蓋体10を閉じ、操作表示部15で炊飯メニューを選択し、炊飯スイッチ(図示せず)を押下して、炊飯器100に動作指示を与える。炊飯器100は、炊飯スイッチが使用者によって押下され、動作指示が与えられることで、制御手段8が炊飯工程を開始する。
加熱が開始されると、ステップS1の吸水工程、ステップS2の昇温工程、ステップS3の沸騰維持工程と、炊飯工程が順次進んでいく。ステップS3の沸騰維持工程では、最初、出力Pで加熱が開始される(ステップS4)。制御手段8は、出力Pで加熱した後、おねば検知手段17から発信される信号によりおねば検知手段17がおねばの泡の発生を検知したかどうかを判断する(ステップS5)。おねばの泡の発生を検知した信号を受信した制御手段8は(ステップS5:YES)、加熱コイル3へ加熱出力を上げる制御を開始し、加熱出力を出力Pよりも大きい出力Pで加熱を開始する(ステップS6)。
制御手段8は、出力Pでの制御を継続した後、カニ穴が形成されたかどうかを判断する(ステップS7)。カニ穴が形成されたと判断すると(S7:YES)、制御手段8は、加熱コイル3へ加熱出力を下げる制御を行い、加熱出力が出力Pよりも小さい出力Pで加熱を開始する(ステップS8)。
なお、カニ穴が形成されたことを判断するカニ穴形成手段は、例えば鍋底温度センサー4及び制御手段8で構成するとよい。この構成を採用すれば、制御手段8は、鍋底温度センサー4で検知される検知温度Tが、予め設定されている設定温度Ta以上であるかどうかによりカニ穴が形成されたかどうかを判断することができる。
そして、制御手段8は、熱出力低下後、鍋状容器5または被加熱物の少なくとも一つが沸騰温度以上を維持できるように、加熱コイル3への通電量を制御する。その後、制御手段8は、鍋底温度センサー4で検知される検知温度Tが、予め設定されている設定温度Tb以上であるかどうかを判断する(ステップS9)。検知温度Tが設定温度Tb以上であると判断すると(S9:YES)、制御手段8は、釜底の水分がなくなりドライアップされたと判断し、沸騰維持工程が終了する。その後、制御手段8は、蒸らし工程へ移行し(ステップS10)、炊飯が終了する。
以上のように、炊飯器100によれば、おねばの泡の発生が検知された後、カニ穴が形成されるまで加熱出力を上げることにより、鍋状容器5内に大きなカニ穴を均一に作ることができ、ふっくら炊きムラのないご飯を炊飯できるという効果を奏する。
以下に、なぜ、おねば検知後に加熱出力を上げることによりカニ穴が作られるのか、そのメカニズムについて説明する。
図4Aは昇温工程の模式図である。この時点で炊飯液の粘性は低い。また、鍋状容器5の底から沸騰による水蒸気の泡発生はないため、米200は静止している。
図4Bは沸騰工程が開始された直後の鍋状容器5内の模式図である。沸騰が始まったため、鍋状容器5の底から水蒸気の泡が発生し、米200に対流が生じる。
図4Cは沸騰が継続された後の模式図である。沸騰温度が維持されると、米粒からの成分溶出と、蒸発や米粒内への吸水によって炊飯液内の水分量が減少することにより、炊飯液の粘性が上昇していく。そして、炊飯液の粘性が上がったことにより米200の対流は図4Bよりも激しさを増す。
図4Dは炊飯液の粘性が上がり、炊飯液が泡状に変化した時の模式図である。以下、この泡をおねばの泡と表現する。ここでは、炊飯液の粘性がかなり高く、液量も少ない。そのため、米200を押しのけて上部まで到達できる水蒸気の泡は減少し、結果、米200の流動は図4Bや図4Cと比較して小さくなっていく。
図4Eは表層のおねばの泡が消滅した時の模式図である。この時点で、炊飯液も消滅し、米200の流動は止まる。この瞬間に、水蒸気の泡の通り道が固定され、固定された穴から風船のようにおねばの泡の発生が続く。
図4Fはドライアップ後の模式図である。制御手段8はドライアップを検知すると加熱出力を下げるよう加熱コイル3への通電量を制御するので、鍋状容器5の温度は下がり、おねばの泡の発生は止まる。
なお、カニ穴とは、図4Eの説明で述べた『固定された水蒸気の泡の通り道』のうち、炊飯終了後まで残存していたものを指す。
本発明の発明者は、おねばの泡が発生した後に、米200の流動が止まり水蒸気の泡の通り道が固定される現象に着目した。そこで、炊飯器100では、制御手段8が、おねば検知手段17を介しておねばの泡が発生したことを検知した後、加熱出力を上げることにより、通り道が固定されるタイミングに大きく激しい泡を発生させることができる。その結果、炊飯器100によれば、カニ穴を多く作ることができることになる。
カニ穴とは、図4Eの説明で述べた『固定された水蒸気の泡の通り道』のうち、炊飯終了後まで残存していたものを指すが、通り道が炊飯終了後まで残存しない場合もある。図4Eの段階で固定された通り道のうち、大きさが十分でないものは、蒸らし工程で米200が膨潤することにより消滅してしまう。カニ穴を形成する、すなわち炊飯終了後まで残存できる大きな通り道をより多く作るためには、炊飯液が消滅するタイミングで大きな泡を発生させる必要があり、よっておねば検知後に加熱出力を上げることが有効である。
すべての米内を均一に糊化させるためには、一般的に沸騰温度を20分間保つことが必須条件とされている。しかし、おねば検知をして加熱出力を上げた後、その出力を維持したままドライアップしてしまうと、沸騰時間が短くなり、糊化不足になってしまう。よって、加熱出力を上げた後、カニ穴が形成されたと判断されたら加熱出力を下げる必要がある。加熱出力低下後は、鍋状容器5、または被加熱物の少なくとも一つが沸騰温度以上を維持できるように、制御手段8は、加熱コイル3への通電量を制御し、米200の内部で糊化が均一に進むよう促進させる。
また、炊飯器100によれば、加熱出力を上げる制御が継続された後、加熱出力を下げることにより、鍋状容器5が焦げ付くことを防ぐことができる。
また、炊飯器100によれば、加熱出力を上げる制御が継続された後、加熱出力を下げることにより、省エネ効果を奏する。
なお、おねば検知手段17がおねばを検知し、制御手段8が加熱コイル3へ加熱出力を上げる制御を開始するときに、間欠運転モード(加熱と休止を交互に繰り返す運転モード)で単位時間あたりの加熱出力を上げても良い。こうする場合、炊飯器100が過加熱になることを防ぐことができる。
あるいは、連続通電モード(加熱を連続的に行う運転モード)し、且つ単位時間あたりの加熱出力を上げても良い。こうする場合、沸騰の泡を激しくすることができ、大きなカニ穴を多く発生できる。
または、単位時間あたりの加熱出力を変えずに、連続通電しても良い。この場合、加熱出力を変えないことにより炊飯器100が過加熱になることを防ぐことができる。
前述のようにおねば検知後に加熱出力を上げる目的は、鍋状容器5の温度を上昇させることであるが、鍋状容器5の温度を上昇させるためには、加熱コイル3の数を増やしても良い。すなわち、複数の加熱コイル3を有する炊飯器において、通電させる加熱コイル3の数を増やすことによって、鍋状容器5の温度を上げても良い。加熱コイル3の数を増やし、鍋状容器5の複数の箇所を加熱することにより、鍋状容器5内に対流を生むことができるという効果を奏する。
加熱コイル3の数を増やす場合、たとえば、鍋状容器5の底面に沿って第1加熱手段である加熱コイル3を設け、側面に沿って第2加熱手段である加熱コイル3を設けるとよい。制御手段8は、おねば検知手段17がおねばを検知すると、鍋状容器5の底面に設置した加熱コイル3による加熱だけでなく、鍋状容器5の側面に設置した加熱コイル3による加熱も開始する。そして、制御手段8は、鍋状容器5の側面に設置した加熱コイル3による加熱を開始する際に、鍋状容器5の底面に設置した加熱コイル3の加熱出力を上げるよう制御するとよい。あるいは、制御手段8は、鍋状容器5の側面に設置した加熱コイル3による加熱を開始する際に、鍋状容器5の底面に設置した加熱コイル3の加熱出力を変えないように制御してもよい。
なお、前述の第2加熱手段に限定するものではない。例えば、第1加熱手段を鍋状容器5の底面に設置する場合、第2加熱手段は、底面のうち、第1加熱手段のない場所に配置してもよく、また、第2加熱手段は外蓋11あるいは内蓋12に設けてもよい。なお、第1加熱手段を鍋状容器5の底面に設置し第2加熱手段を側面に配置した場合、鍋状容器5の全体を加熱することができるので、むら無く炊き上げることができる。または、第1加熱手段と同様に第2加熱手段も底面に配置した場合、底面の火力が上がるため、より大きなカニ穴を作ることができる。または、第2加熱手段を外蓋11あるいは内蓋12に設けた場合、上部から飯を加熱するので蒸らし工程におけるカニ穴の消失を防ぐことができる。また、第2加熱手段の加熱出力を、おねば検知される前に開始しておき、おねばを検知すると第2加熱手段の加熱出力を上げるようにしてもよい。
なお、前述の加熱コイル3に限定するものではない。加熱コイル3の代替となる加熱手段、例えば電気ヒーター等でも良い。加熱コイル3の代替として電気ヒーターを使用した場合、コスト削減になる。
また、前述のおねば検知手段17、すなわち内部温度センサー16の検知温度に基づきおねばの泡の発生を判断する場合、おねば検知手段17として特別な装置を別途設置する必要がないため、コスト削減に寄与する。
なお、おねば検知手段17を圧力計測手段で構成し、おねばの泡が発生したことを圧力によって検知するようにしても良い。この場合、炊飯量や加水量の差異によらず、精度よくおねばの泡の発生を検知することができる。
または、おねば検知手段17を、圧力によって開閉自在な口を有する蓋体と口開閉検知手段とで構成し、おねばの泡が口を押しのけて開けたことを検知手段が検知することをもって、おねばの泡が発生したことを検知しても良い。この場合、おねばの泡が実際に検知手段に接触するので、正確におねばの泡の発生を検知することができる。
前述のカニ穴形成検知手段、すなわち鍋底温度センサー4の検知温度に基づきカニ穴形成を判断する場合、米200が沸騰温度以上になったこと、つまり炊飯液がなくなったことが鍋底温度センサーから判断できるため、精度良くカニ穴形成を判断できる。
なお、カニ穴形成検知手段の一部を時間計測手段7で構成し、時間経過からカニ穴形成を判断しても良い。この場合、例えば使用者がおかゆ炊飯のような多量の水201で炊飯してしまい長時間沸騰維持してもおねばの泡が発生しないような異常時においても、時間判定し次工程へ移行することにより安全性が確保される。
または、カニ穴形成検知手段の一部を蒸気量計測手段で構成し、蒸気を回収してその蒸気量からカニ穴形成を判断しても良い。この場合、釜内の水分量が判定できるので、精度良くカニ穴形成を判断できる。
なお、本実施の形態では本発明に係る加熱調理器及び加熱制御方法を家庭用IH式炊飯器を例にして説明したが、炊飯器に限るものではなく、たとえばIHクッキングヒーターやガスコンロなどの加熱調理器を用いた加熱制御方法に適用してもよい。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサー、5 鍋状容器、5a フランジ部、6 ヒンジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、11 外蓋、11a パッキン、12 内蓋、12a 孔部、12b 蒸気口、13 係止材、14 カートリッジ、14a 蒸気取入口、14b 蒸気排出口、15 操作表示部、16 内部温度センサー、17 おねば検知手段、100 炊飯器、200 米、201 水。

Claims (10)

  1. 被加熱物を収容する容器と、
    前記容器を加熱する第1加熱手段と、
    前記第1加熱手段を制御する制御手段と、
    前記被加熱物から発生するおねばを検知するおねば検知手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記容器内の被加熱物を沸騰温度以上で維持する沸騰維持工程において、前記おねば検知手段により前記おねばの発生が検知されると、前記第1加熱手段の加熱出力を上げる
    加熱調理器。
  2. 加熱と休止を交互に繰り返す間欠運転モードを有し、
    前記制御手段は、
    前記間欠運転モードの単位時間あたりの出力を上げる
    請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 加熱を連続的に行う連続通電モードを有し、
    前記制御手段は、
    前記連続通電モードの単位時間あたりの出力を上げる
    請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記第1加熱手段を前記容器の底部側に設け、
    前記容器の側面を加熱する第2加熱手段を設け、
    前記制御手段は、
    前記おねば検知手段により前記おねばの発生が検知されると、前記第2加熱手段による加熱を開始または加熱出力を上げる
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記被加熱物において形成されるカニ穴を検知するカニ穴形成検知手段を設け、
    前記制御手段は、
    前記カニ穴形成検知手段により前記カニ穴の形成が検知されると、前記第1加熱手段の加熱出力を下げる
    請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  6. 前記カニ穴形成検知手段は、
    時間の経過により前記カニ穴の形成を検知する
    請求項に記載の加熱調理器。
  7. 前記カニ穴形成検知手段は、
    前記容器の温度により前記カニ穴の形成を検知する
    請求項に記載の加熱調理器。
  8. 前記カニ穴形成検知手段は、
    蒸気量により前記カニ穴の形成を検知する
    請求項に記載の加熱調理器。
  9. 第1加熱手段を制御することにより炊飯工程を実行する加熱制御方法であって、
    前記炊飯工程のうち容器内の被加熱物を沸騰温度以上で維持する沸騰維持工程において、前記容器に収容された被加熱物からおねばの発生を検知すると、前記第1加熱手段の加熱出力を上げ、
    前記被加熱物にカニ穴が形成されたことを検知すると、前記第1加熱手段の加熱出力を下げる
    加熱制御方法。
  10. 前記容器を加熱する第2加熱手段を設け、
    前記容器に収容された前記被加熱物からおねばの発生を検知すると、前記第2加熱手段による加熱も開始する
    請求項に記載の加熱制御方法。
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