JP5153482B2 - 湿度センサの寿命予測装置 - Google Patents
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Description
Trest=(tssum−tsum)Tn/tn ・・・・(A)
Trest=(ts・Ttlu/Ts−tsum)Tn/tn ・・・・(B)
以下、図3に示すタイムチャートを用いて、CPU8−1がROM8−2に格納されたプログラムに従って行う湿度計測処理の第1例(基本例)を説明する。
この湿度計測処理の第1例では、湿度センサ1,2を加熱する毎に、今回加熱された側の湿度センサを計測センサ、加熱されなかった側の湿度センサを非計測センサとし、使用する湿度の計測値を非計測センサからの湿度の実測値から計測センサからの湿度の実測値に切り替える。
また、この湿度計測処理の第1例では、非計測センサからの湿度の実測値から計測センサからの湿度の実測値への切り替えを行う際、非計測センサからの湿度の実測値と計測センサからの湿度の実測値との差を時間をかけて徐々に縮めて行くスムージング処理を行うようにする。
また、この湿度計測処理の第1例では、湿度センサ1,2の劣化の度合いを判断し、その劣化の度合いに応じて湿度センサ1,2の次回の加熱条件を変更するようにする。
例えば、運用開始時、最初の加熱クリーニング時にその加熱クリーニング中の湿度センサ1からの湿度の実測値(ヒータによって150〜180℃の高温で加熱すると、周囲環境の雰囲気の影響が小さくなりほぼ湿度0%になるが、その時の 湿度センサの出力値)HR1を初期値HR10 として記憶しておく。以降、加熱クリーニングした後に、その加熱クリーニング中の湿度センサ1からの湿度の実測値(ほぼ湿度0%時の値)HR1と初期値HR10 との差から、湿度センサ1の劣化の度合いを判断する。
例えば、湿度センサ1,2を加熱する毎に、今回加熱された側の湿度センサからの加熱終了後の湿度の実測値(安定時間経過後の実測値)と加熱されなかった側の湿度センサからの同タイミングでの湿度の実測値との差に応じて、加熱されなかった側の湿度センサの次回の加熱条件を変更する。
次に、図5に示すタイムチャートを用いて、CPU8−1がROM8−2に格納されたプログラムに従って行う湿度計測処理の第2例(実例)を説明する。図5(a)は第1のヒータ3への通電状況を示し、図5(b)は第2のヒータ4への通電状況を示し、図5(c)は第1の湿度センサ1の温度の実測値TR1(実線)および第2の湿度センサ2の温度の実測値TR2(点線)を示し、図5(d)は第1の湿度センサ1からの湿度の実測値HR1(実線)、第2の湿度センサ2からの湿度の実測値HR2(点線)および使用する湿度の計測値HR(太線)を示す。
CPU8−1は、ヒータ駆動回路7へ指令を送り、第1のヒータ3への通電を行って、第1の湿度センサ1を加熱する(図5(a):t1〜t2点)。これにより、加熱時間をtとして、第1の湿度センサ1の加熱クリーニングが行われる。この加熱クリーニング中、第1の湿度センサ1の温度の実測値TR1は上昇し、第1の湿度センサ1からの湿度の実測値HR1は低下する。この場合、CPU8−1は、使用する湿度の計測値HRとして第2の湿度センサ2からの湿度の実測値HR2を選択している。
CPU8−1は、第1の湿度センサ1の加熱クリーニングが終了すると、今回加熱された側の湿度センサ1を計測センサ、加熱されなかった側の湿度センサ2を非計測センサとし、使用する湿度の計測値HRを非計測センサ2からの湿度の実測値HR2から計測センサ1からの湿度の実測値HR1に切り替える実測値の切替処理を開始する。
この場合、CPU8−1は、第1の湿度センサ1の温度の実測値TR1と第2の湿度センサ2の温度の実測値TR2との差ΔTを監視し、この差ΔTが所定値ΔTth(例えば、ΔTth=0.3)以下となるまで待つ(図5(c):t2〜t3点(安定時間))。
そこで、CPU8−1は、非計測センサ2からの湿度の実測値HR2から計測センサ1からの湿度の実測値HR1に切り替える際、非計測センサ2からの湿度の実測値HR2と計測センサ1からの湿度の実測値HR1との差を時間をかけて徐々に縮めて行くスムージング処理を行う(図5(d):t3〜t4点(移行期間))。
HRn=(1−k)・HRn-1+k・HR1n-1・・・・(1)
ただし、n=0のとき、HR0 =HR2i・・・・(2)
そして、CPU8−1は、所定の待ち時間TWの経過を待って(図5(d):t4〜t5点、図6:ステップS101のYES)、ヒータ駆動回路7へ指令を送り、第2のヒータ4への通電を行って、第2の湿度センサ(非計測センサ)2を加熱する(図5(b):t5〜t6点、図6:ステップS102,S103)。
CPU8−1は、湿度センサ2の加熱クリーニングが終了すると(図6:ステップS103のYES)、今回加熱された側の湿度センサ2を計測センサ、加熱されなかった側の湿度センサ1を非計測センサとし、使用する湿度の計測値HRを非計測センサ1からの湿度の実測値HR1から計測センサ2からの湿度の実測値HR2に切り替える実測値の切替処理を開始する。
この場合、CPU8−1は、湿度センサ2の温度の実測値TR2と湿度センサ1の温度の実測値TR1との差ΔT(ΔT=|ΔTR2−ΔTR1|)を監視し、この差ΔTが所定値ΔTth(例えば、ΔTth=0.3)以下となるまで待つ(図5(c):t6〜t7点(安定時間)、図6:ステップS104,S105)。
CPU8−1は、ΔT≦ΔTthとなると(図6:ステップ105のYES)、湿度センサ2の加熱による影響がなくなったと判断し、前述と同様にして、非計測センサ1からの湿度の実測値HR1と計測センサ2からの湿度の実測値HR2との差を時間をかけて徐々に縮めて行くスムージング処理を行う(図5(d):t7〜t8点(移行期間)、図6:ステップS106)。
HRn=(1−k)・HRn-1+k・HR2n-1 ・・・・(3)
ただし、n=0のとき、HR0=HR1i・・・・(4)
CPU8−1は、上述した湿度計測処理において、加熱クリーニングの終了後、移行期間(スムージング処理)の開始点(図5:t3点、t7点(安定時間の経過後の点))において、それまで計測値として使用していた非計測センサからの湿度の実測値と今回計測値として使用しようとする計測センサからの湿度の実測値との差ΔHに基づいて、非計測センサの次回の加熱クリーニングの条件の変更を行う。
湿度計測装置100において、残り寿命確認スイッチSW1がオンとされると、CPU8−1は湿度センサ1,2の残り寿命を予測する。この場合、CPU8−1は、現在の加熱周期をTn、現在の加熱時間をtnとし、この現在の加熱周期Tnおよび現在の加熱時間tnを含む所要の情報を予め定められている寿命予測の算出式に代入して、湿度センサ1,2の残りの寿命Trestを予測する。すなわち、現在の加熱周期Tn、現在の加熱時間tnを含む所要の情報から、このままのペースで行くとあとどのくらいで寿命が尽きるかを予測する。
第1の方式として、CPU8−1は、現在の加熱周期Tn、現在の加熱時間tn、標準加熱周期Tsおよび標準加熱時間tsを継続した場合の湿度センサ1,2の耐用期間の終了までに受ける加熱時間の総和tssum、現在までの湿度センサ1,2の実際の加熱時間の積算値tsumを下記の寿命予測の算出式(A)に代入して、湿度センサ1,2の残りの寿命Trestを予測する。そして、この予測した湿度センサ1,2の残りの寿命Trestを表示部9に表示する。
Trest=(tssum−tsum)Tn/tn ・・・・(A)
上記(A)式において、耐用総加熱時間tssumは、tssum=(Ttlu/Ts)・ts=ts・Ttlu/Tsと表すことができる。すなわち、上記(A)式は、tssumをts・Ttlu/Tsに置き換えることによって、下記(B)式のように変形することができる。
Trest=(ts・Ttlu/Ts−tsum)Tn/tn ・・・・(B)
湿度計測装置100において、キャリブレーション開始指示スイッチSW2がオンとされると、すなわちキャリブレーション開始指令を受けると、CPU8−1は湿度センサ1,2のキャリブレーションを開始する。なお、このキャリブレーション開始指令は、上位装置からオンラインで与えられものとしてもよい。
CPU8−1は、キャリブレーション開始指令を受けると、ヒータ(加熱素子)3への通電を行って、湿度センサ1を加熱する。この湿度センサ1の加熱中、湿度センサ1の温度の実測値TR1に基づいて、湿度センサ1の温度が飽和状態に達したことを確認し、この時の湿度センサ1からの湿度の実測値HR1を低湿度基準値として不揮発性のメモリ8−4に記憶させる。この低湿度基準値に対応する湿度としては、ほぼ湿度0%であることが望ましく、必ずしも湿度0%でなくても良いが、それに近い低湿度であることが重要である。以降、CPU8−1は、不揮発性のメモリ8−4に記憶されている低湿度基準値を参照して、湿度センサ1からの湿度の実測値HR1に対してオフセット調整処理を施す。
CPU8−1は、キャリブレーション開始指令を受けると、ヒータ(加熱素子)4への通電を行って、湿度センサ2を加熱する。この湿度センサ2の加熱中、湿度センサ2の温度の実測値TR2に基づいて、湿度センサ2の温度が飽和状態に達したことを確認し、この時の湿度センサ2からの湿度の実測値HR2を低湿度基準値として不揮発性のメモリ8−4に記憶させる。この低湿度基準値に対応する湿度としては、ほぼ湿度0%であることが望ましく、必ずしも湿度0%でなくても良いが、それに近い低湿度であることが重要である。以降、CPU8−1は、不揮発性のメモリ8−4に格納されている低湿度基準値を参照して、湿度センサ2からの湿度の実測値HR2に対してオフセット調整処理を施す。
上述においては、使用する湿度の計測値を非計測センサからの湿度の実測値から計測センサからの湿度の実測値に切り替える際、非計測センサからの湿度の実測値と計測センサからの湿度の実測値との差を時間をかけて徐々に縮めて行くスムージング処理を行うものとしたが、このスムージング処理は温度についても適用することができる。
Claims (3)
- 計測環境雰囲気中に設置される湿度センサと、この湿度センサに付設されたヒータと、このヒータへの通電を行って前記湿度センサを定期的に加熱するヒータ駆動手段と、このヒータ駆動手段による前記湿度センサに対する加熱条件として設定されている加熱周期および加熱時間の少なくとも一方を変更する加熱条件変更手段とを備えた湿度計測装置における前記湿度センサの寿命を予測する湿度センサの寿命予測装置であって、
現在の前記加熱周期をTn、現在の前記加熱時間をtnとし、この現在の加熱周期Tnおよび現在の加熱時間tnと、標準値として定められる標準加熱周期Tsおよび標準加熱時間tsを継続した場合の前記湿度センサの耐用期間の終了までに受ける加熱時間の総和tssumと、現在までの前記湿度センサの実際の加熱時間の積算値tsumとに基づいて、前記湿度センサの残りの寿命Trestを予測する残寿命予測手段
を備えることを特徴とする湿度センサの寿命予測装置。 - 請求項1に記載された湿度センサの寿命予測装置において、
前記残寿命予測手段は、
現在の加熱周期Tn、現在の加熱時間tn、標準値として定められる標準加熱周期Tsおよび標準加熱時間tsを継続した場合の前記湿度センサの耐用期間の終了までに受ける加熱時間の総和tssum、現在までの前記湿度センサの実際の加熱時間の積算値tsumを下記の寿命予測の算出式(A)に代入して、前記湿度センサの残りの寿命Trestを予測する
ことを特徴とする湿度センサの寿命予測装置。
Trest=(tssum−tsum)Tn/tn ・・・・(A) - 計測環境雰囲気中に設置される湿度センサと、この湿度センサに付設されたヒータと、このヒータへの通電を行って前記湿度センサを定期的に加熱するヒータ駆動手段と、このヒータ駆動手段による前記湿度センサに対する加熱条件として設定されている加熱周期および加熱時間の少なくとも一方を変更する加熱条件変更手段とを備えた湿度計測装置における前記湿度センサの寿命を予測する湿度センサの寿命予測装置であって、
現在の前記加熱周期をTn、現在の前記加熱時間をtnとし、この現在の加熱周期Tnおよび現在の加熱時間tnを含む所要の情報を予め定められている寿命予測の算出式に代入して、前記湿度センサの残りの寿命Trestを予測する残寿命予測手段を備え、
前記残寿命予測手段は、
現在の加熱周期Tn、現在の加熱時間tn、標準値として定められる標準加熱周期Tsおよび標準加熱時間ts、標準加熱周期Tsおよび標準加熱時間tsを継続した場合の前記湿度センサの耐用期間Ttlu、現在までの前記湿度センサの実際の加熱時間の積算値tsumを下記の寿命予測の算出式(B)に代入して、前記湿度センサの残りの寿命Trestを予測する
ことを特徴とする湿度センサの寿命予測装置。
Trest=(ts・Ttlu/Ts−tsum)Tn/tn ・・・・(B)
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