JP2011511205A - 内燃機関の少なくとも1つのグロープラグの監視方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための方法に関している。この方法では少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量が、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値及び/又は最大閾値と比較され、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値よりも小さい場合に、エラーが識別される。本発明によれば、前記時間依存性の特性量の一次導関数が、前記最大閾値の一次導関数と比較され、さらに前記時間依存性の特性量の二次導関数が、前記最大閾値の二次導関数と比較され、前記時間依存性の特性量の一次導関数が前記最大閾値の一次導関数よりも小さくかつ前記時間依存性の特性量の二次導関数が前記最大閾値の二次導関数よりも小さい場合に、エラーが識別される。
Description
本発明は、請求項1の上位概念による、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための方法に関しており、さらに請求項9の上位概念による、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための装置に関している。
内燃機関のグロープラグの監視は通常は、グロープラグを通って流れる電流を所定の固定閾値と比較することによって行われている。グロープラグによる電流消費が閾値よりも小さいと、このグロープラグには欠陥の疑いがありとしての評価が下される。これに対して例えばアナログ回路では、コンパレータや差動増幅器が用いられている。マイクロコンピュータをベースにグロー期間を制御している機器では、グロープラグを流れる電流に相応するデジタル値がアナログ/デジタル変換器を介して求められ、このデジタル値が、記憶されているデジタルの閾値と比較される。
ここで問題となることは、供給電圧印加後のグロープラグの電流経過が時間に強く依存していることであり、そのため、前述したような固定の電流値に基づいてグロープラグの監視を行う従来技法では、評価が非常に粗いものになってしまう。
図5のグラフには、少なくとも1つのグロープラグを監視するための、グロープラグを流れる通流電流IKerzeの経過が時間軸で示されている。このようなグラフは、従来方式による欠陥の生じたグロープラグを検出するための手法に頻繁に用いられている。このグラフでは、グロープラグの欠陥の可能性が時間の経過と共に増加し、その電流経過は低減している。特にこのような従来方式では下方の閾値IUを用いることがよく知られている。この下方の閾値IUはグロープラグのモデリングに基づいて定められるか、又は計算モデルから導出され得る。この下方の閾値IUはエラー識別のための閾値である。そのため従来技法では、電流経過がこの下方の閾値IUを下回ると、グロープラグにエラーが発生したことが識別される。さらにグロープラグの不所望な溶解ないしは金属コア部分の加熱部の不所望な溶解を避けるために、グロープラグの回路パスが中断される。このようなグロープラグの溶解はエンジン全体の故障につながりかねない。その他にも前記下方の閾値IUとは別に上方の閾値が定められてもよい。その場合には、電流経過がこの上方の閾値を上回ったときに、グロープラグに対するエラー判定が下される。
電流値の減少が大きくなるにつれて電流経過が非連続的に経過することは、欠点として判明していることである。当該の図面では、時点t1において、電流経過が電流値IBの下方側で跳躍的な経過をたどり、少なくとも強い波形状の形態で表されている。その際の電流値IBは、まだ下方の閾値IUよりは上に存在している。従来技法では電流値IBよりも上にある電流経過、すなわち時点t1までの時間領域において生じ得る電流経過はわかっている。より厳密に言えば、この時間領域における電流経過は予測若しくはモデリングが可能である。しかしながらそれに対して、時点t1以降の時間領域における、電流値IBよりも下方の電流経過は正確に予測することが困難である。このことは非常に不利となる。なぜならこの時間領域における、下方の閾値IUの下回りがほとんど識別できないか、かなりの遅延を伴なってしか識別できないからである。それにより、グロープラグのエラー識別に対する信頼性が損なわれ、それに伴って例えばグロープラグの溶融やエンジン全体の故障を引き起こすリスクも高まってしまう。
発明の開示
本発明の課題は、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグの信頼性の高い監視を可能にする方法を提供することである。また本発明のさらなる課題は、そのような方法に適した装置を提供することである。
本発明の課題は、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグの信頼性の高い監視を可能にする方法を提供することである。また本発明のさらなる課題は、そのような方法に適した装置を提供することである。
前記課題は本発明により、以下の方法によって解決される。すなわち、
内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための方法であって、
少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量が、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値及び/又は最大閾値と比較され、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値よりも小さい場合に、エラーが識別される形式の方法において、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が、前記最大閾値の一次導関数の値と比較され、さらに、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が、前記最大閾値の二次導関数の値と比較され、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が前記最大閾値の一次導関数の値よりも小さく、かつ前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値よりも小さい場合に、エラーが識別される、すなわちエラー判定が下されるようにして解決される。
内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための方法であって、
少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量が、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値及び/又は最大閾値と比較され、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値よりも小さい場合に、エラーが識別される形式の方法において、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が、前記最大閾値の一次導関数の値と比較され、さらに、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が、前記最大閾値の二次導関数の値と比較され、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が前記最大閾値の一次導関数の値よりも小さく、かつ前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値よりも小さい場合に、エラーが識別される、すなわちエラー判定が下されるようにして解決される。
この本発明による方法の重要な観点は、グロープラグのエラーが高い信頼性のもとで判定される点である。
本発明による方法の有利な実施例は、従属請求項2から8に記載されている。
それにより、本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量は、グロープラグに基づく抵抗モデルである。これにより、制御機器における回路コストないしはプログラムコストの著しい削減が可能となり、簡単で低コストな解決手段が実現される。
また有利には、前記時間依存性の閾値は、対応するグロープラグの時間的な特徴を表す抵抗経過を含んでいる。ここでも同じ様に、制御機器における回路コストないしプログラムコストの著しい削減が可能となり、簡単で低コストな手段が得られるようになる。
本発明によれば有利には、エラーが識別された際に、グロープラグ回路パスの遮断が行われる。これによりグロープラグの不所望な溶融、特に金属コアの加熱部の溶融が回避される。
有利には、エラー識別の際に、相応する情報がエラーメモリに記憶される。それにより、グロープラグの効果的な制御が保証される。
有利には、エラー識別の際に、診断通知が送信される。それにより、グロープラグのさらに効果的な制御が保証される。
有利には、前記診断通知に対する応答として、グロープラグの制御が変更される。これにより、グロープラグの制御が常に新しいパラメータに更新され得る。
有利には、前記診断通知に対する応答として、グロープラグの状態に関する指示情報がドライバーに表示される。それにより、ドライバは常にグロープラグの状態に関する情報の提供が受けられる。場合によってはその走行特性に関する設定も可能である。
さらに前述した本発明の課題は、請求項9に記載の本発明による、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための装置によって解決される。
本発明の有利な実施形態によれば、内燃機関の少なくとも1つのグロープラグを監視するための装置は、
評価ユニットを有しており、
前記評価ユニットは比較手段を含んでおり、
前記比較手段は、少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量を、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値及び/又は最大閾値と比較し、
前記評価ユニットは、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値よりも小さい場合に、エラーを識別する。さらにこの装置によれば、
前記評価ユニットはさらに別のさらなる比較手段を含んでおり、
前記さらなる比較手段は、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値を前記最大閾値の一次導関数の値と比較し、さらに、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値を前記最大閾値の二次導関数の値と比較し、
前記評価ユニットは、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が前記最大閾値の一次導関数の値よりも小さく、かつ前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値よりも小さい場合に、エラーを識別するように構成されている。これにより、制御機器の適用範囲におけるコストが著しく低減できるようになる。
評価ユニットを有しており、
前記評価ユニットは比較手段を含んでおり、
前記比較手段は、少なくとも1つのグロープラグを流れる電流を表している時間依存性の特性量を、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値及び/又は最大閾値と比較し、
前記評価ユニットは、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値よりも小さい場合に、エラーを識別する。さらにこの装置によれば、
前記評価ユニットはさらに別のさらなる比較手段を含んでおり、
前記さらなる比較手段は、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値を前記最大閾値の一次導関数の値と比較し、さらに、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値を前記最大閾値の二次導関数の値と比較し、
前記評価ユニットは、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が前記最大閾値の一次導関数の値よりも小さく、かつ前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値よりも小さい場合に、エラーを識別するように構成されている。これにより、制御機器の適用範囲におけるコストが著しく低減できるようになる。
有利には、前記複数の比較手段は、少なくとも1つの比較器を含んでいる。
この本発明による方法及び装置は、以下の明細書で、複数の実施例に基づいて詳細に説明される。
実施例
図1には、従来技法による、少なくとも1つのグロープラグの監視のための装置の実施形態が示されている。このような実施形態は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2006 005 711号明細書に開示されている。この明細書では、1つのグロープラグ100が、供給電圧の2つの端子の間で電流測定手段120とスイッチング手段110に直列に接続されている。図示の実施例では、各グロープラグ毎に1つの電流測定手段120と1つのスイッチング手段110が設けられている。本発明による装置の構成のもとでは、内燃機関の複数のグロープラグに対して、または内燃機関の全てのグロープラグに対して、1つの共通のスイッチング手段110及び/又は1つの共通の電流測定手段120が設けられている。各グロープラグ毎に1つの電流測定手段120と1つのスイッチング手段110が割り当てられている、図示の実施形態によれば、複数のグロープラグが個別に駆動制御でき、それぞれのグロープラグを流れる電流を評価することが可能になる利点が得られる。複数のグロープラグを1つのグループに統合すれば、全てのグロープラグを統括的に駆動制御すること、及び/又は電流を統括的に評価することができるようになる。それにより、例えばスイッチング手段などの高価な構成素子を節約することができ、このことは最終的に著しいコストの削減をもたらす利点となり得る。
図1には、従来技法による、少なくとも1つのグロープラグの監視のための装置の実施形態が示されている。このような実施形態は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2006 005 711号明細書に開示されている。この明細書では、1つのグロープラグ100が、供給電圧の2つの端子の間で電流測定手段120とスイッチング手段110に直列に接続されている。図示の実施例では、各グロープラグ毎に1つの電流測定手段120と1つのスイッチング手段110が設けられている。本発明による装置の構成のもとでは、内燃機関の複数のグロープラグに対して、または内燃機関の全てのグロープラグに対して、1つの共通のスイッチング手段110及び/又は1つの共通の電流測定手段120が設けられている。各グロープラグ毎に1つの電流測定手段120と1つのスイッチング手段110が割り当てられている、図示の実施形態によれば、複数のグロープラグが個別に駆動制御でき、それぞれのグロープラグを流れる電流を評価することが可能になる利点が得られる。複数のグロープラグを1つのグループに統合すれば、全てのグロープラグを統括的に駆動制御すること、及び/又は電流を統括的に評価することができるようになる。それにより、例えばスイッチング手段などの高価な構成素子を節約することができ、このことは最終的に著しいコストの削減をもたらす利点となり得る。
さらに制御ユニット130が設けられており、この制御ユニット130は、図には示されていないさらなる構成素子の他に、評価回路133、駆動制御回路135,エラー識別回路137を含んでいる。前記駆動制御回路135は、グロープラグに所望のエネルギーを供給するために、スイッチング手段110を駆動制御している。前記評価回路133は、電流測定手段120において降下する電圧を評価している。これはグロープラグを流れる電流を求めるためである。電流測定手段120は、有利にはオーム抵抗として構成されている。この電流測定手段120における電圧降下は測定側増幅器140に供給される。この増幅器140はその出力信号に対して、評価回路133からの出力信号も利用している。さらに前記測定側増幅器140の出力信号は比較器150に供給される。この比較器150の第2の入力側には、閾値設定回路160の出力信号が印加されている。
通常のグロープラグは、通電開始時点では非常に僅かな抵抗しか持たない。つまりこのことは、通電開始時点には非常にたくさんの電流が流れることを意味している。グロープラグの加熱によってその抵抗値は高まる。このことは電流の減少を引き起こす。これは欠点として捉えられる。なぜならここでは、電流値の減少が大きくなるにつれて電流経過が非連続的に経過するからである。
図2には従来技法、例えばドイツ連邦共和国特許出願第10 2006 005 711号明細書に開示されているようなグロープラグのシミュレーションが示されている。この図では図1の主要な構成要素、特に閾値設定回路160が、詳細に示されている。閾値設定回路160はこの実施形態では、実質的にRC回路によって形成されている。このRC回路は、抵抗201とコンデンサ205からなる直列回路で形成されており、この直列回路は、電流測定手段120とスイッチング手段110の間の接続点と測定端子の間に設けられている。すなわち、コンデンサ205には、実質的にグロープラグ100における電圧降下に比例した電圧が印加される。さらに抵抗201と、さらなる抵抗202,203,204からなる直列回路が設けられている。この直列回路も相応に、スイッチング手段110と電流測定手段120の間の接続点と、測定端子との間に設けられている。抵抗202と203の間の接続点からは、比較器150aに対する入力信号が取り出される。抵抗203と204の間の接続点からは、第2の比較器150bに対する入力信号が取り出される。これらの2つの比較器150aと150bは図1に示されている比較器150に相当する。
この実施形態においては、2つの比較器が設けられており、これによって、下方の閾値と上方の閾値を用いた閾値問い合わせが可能となる。より簡素な実施形態においては、2つの比較器のうちの1つと、3つの抵抗202,203,204のうちの1つが省略可能である。この実施形態においては、1つの閾値との比較だけが可能である。重要なことは、コンデンサ205と抵抗201からなる直列回路と、分圧器に同じ電圧が印加されることである。この電圧は監視すべきグロープラグに印加されるものである。
グロープラグを通って流れる電流に相応する電圧降下は、コンデンサ205における電圧降下と比較される。この場合は全電圧ではなく、抵抗202,203,204からなる分圧器によって分圧された電圧が評価される。比較器150a及び150bの出力側にはそれぞれ、比較結果に依存してエラーを指示する信号またはエラーなしの動作状態を表示する信号が印加される。
図示の回路はグロープラグの簡単なシミュレーションを表している。コンデンサの電圧はコンデンサの充電具合に依存する。コンデンサは積分作用を有しており、グロープラグにもたらされたエネルギーを蓄積する。このことは、グロープラグにおける電圧降下に比例した電圧をコンデンサ205に印加することによって達成される。コンデンサ205における充電状態ないし電圧は、グロープラグの抵抗ないし温度に対する尺度となる。コンデンサと抵抗の値の適切な選択によって、抵抗202,203,204によって形成される分圧器の出力電圧の時間特性は、グロープラグを通る正常な電流の時間特性に相応する。抵抗値の相応の分割によって、下方及び/又は上方の閾値が予め設定される。電流経過は電流値の減少が大きくなるにつれて益々非連続的に経過する。このことは欠点とみなされる。
図3には、少なくとも1つのグロープラグを監視するための本発明による装置の1つの実施形態が示されている。
この実施形態においては、グロープラグから測定された電流経過IKerzeとグロープラグを介して印加されて測定された電圧UKerzeとが、計算ユニット310に入力され、この計算ユニット310は、電圧UKerzeを電流IKerzeで割った商からグロープラグの測定された抵抗値RKerze=UKerze/IKerzeを算出する。この場合は比率的な電流測定か又は電圧補償された電流測定が行われる。
前記抵抗値RKerzeは、評価ユニット320に入力される。この評価ユニット320では抵抗値RKerzeが第1の比較ユニット330に直接入力される。比較ユニットは例えば2つの比較器を含んでいる。第1の比較ユニット330にはそれぞれグロープラグの最小抵抗閾値Rminと最大抵抗閾値Rmaxが入力される。この第1の比較ユニット330は、抵抗値RKerzeをグロープラグのそれぞれ最小抵抗値閾値Rmin及び最大抵抗値Rmaxと比較する。このことは既に図2及び図3に対する説明でも記載されている。
評価ユニット320はさらに一次導関数d/dtを算出する第1の導出ユニット340を含んでおり、このユニットも抵抗値RKerzeを供給するための信号パスに接続されている。つまりここでは第1の導出ユニット340は抵抗値RKerzeに対する一次導関数を算出し、その結果を第2の比較ユニット350に供給している。第2の比較ユニット350は、第1の導出ユニット340からの一次導関数の結果を、グロープラグの最大抵抗閾値の一次導関数の値R′maxと比較する。
さらに評価ユニット320は第2の導出ユニット360を含んでおり、この第2の導出ユニット360は第1の導出ユニット340の出力側と接続している。第2の導出ユニット360は抵抗値RKerzeの一次導関数に対するさらなる時間導関数を算出し、その結果、すなわち抵抗値RKerzeの二階の微分結果を第3の比較器370に供給している。この第3の比較器370は、第2の導出ユニット360からの抵抗値RKerzeの二次導関数の結果を、グロープラグの最大抵抗閾値の二次導関数の値R″maxと比較する。
前記評価ユニット320の第1の比較ユニット330は次のように構成されている。すなわち、抵抗値RKerzeが最小抵抗閾値Rminよりも大きいか、又は抵抗値RKerzeが最大抵抗閾値Rmaxよりも小さい場合には、グロープラグのエラーを示唆する信号を出力するように構成されている。それに対して評価ユニット320の第2の比較ユニット350は次のように構成されている。すなわち、グロープラグの抵抗値の一次導関数の値が最大抵抗閾値の一次導関数の値R′maxよりも小さい場合に、グロープラグのエラーを示唆する信号を出力するように構成されている。さらに評価ユニット320の第3の比較器370は次のように構成されている。すなわち、グロープラグの抵抗値の二次導関数の値が最大抵抗閾値の二次導関数の値R″maxの値よりも小さい場合に、グロープラグのエラーを示唆する信号を出力するように構成されている。
グロープラグのエラーを示唆すべく出力された信号は、それぞれ制御ユニット380に入力される。この制御ユニット380は、個々の入力された信号のみに応じて、グロープラグの回路パスを遮断するか、及び/又は、相応する情報をエラーメモリ382に記憶させるか、及び/又は、送信装置384を介して診断通知を送信する。前記エラーメモリ382と送信装置384は、この場合インターフェース386を介して接続され得る。このインターフェース386は複数の入力信号を制御ユニット380に取込み、それぞれエラーメモリ382や送信装置384に転送している。
前述の送信された診断通知に応じてグロープラグユニット400(このユニットは送信装置384と接続されている)内では、グロープラグ制御の変更が最適に制御される。さらに前述の送信された診断通知に応じてドライバーには、表示装置410を介してグロープラグの状態に関する指示情報が表示される。
図4には、本発明による実施形態におけるグロープラグを通る電流の一次導関数I′Kerzeの電流経過がダイヤグラムで示されている。ここでの本発明による実施形態における電流経過は、少なくとも1つのグロープラグの監視のために用いられている。ここではグロープラグを通って流れる電流の一次導関数の値I′Kerzeが、時間軸tに亘ってプロットされている。このダイヤグラム中には、可能な閾値I′Sがプロットされている。この場合グロープラグを通って流れる電流の一次導関数の値I′Kerzeが、前記閾値I′Sを上回った場合には、エラーを生じているグロープラグの状態が識別される。ここでは時点t1までの間は、グロープラグを通って流れる電流の一次導関数の値I′Kerzeの経過が、前記閾値I′Sの下方側で推移している。そして時点t1において、突然このグロープラグを通って流れる電流の一次導関数の値I′Kerzeの経過が急上昇している。これはグロープラグに突然の欠陥が生じたことを示唆するものである。そしてこの上昇曲線は、前記閾値I′Sを上回ることを表している。これにより、迅速で信頼性の高いグロープラグの欠陥識別が達成される。従ってこのような非常に迅速で信頼性の高いグロープラグの欠陥識別がエンジン制御において達成されるため、本発明によればエンジンの損傷も未然に防ぐことができる。
Claims (10)
- 内燃機関の少なくとも1つのグロープラグ(100)を監視するための方法であって、
少なくとも1つのグロープラグ(100)を流れる電流の特性を表している時間依存性の特性量が、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値(Rmin)及び/又は最大閾値(Rmax)と比較され、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値(Rmin)よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が最大閾値(Rmax)よりも小さい場合に、エラーが識別される形式の方法において、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が、前記最大閾値の一次導関数の値(R′max)と比較され、
前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が、前記最大閾値の二次導関数の値(R″max)と比較され、
前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が、前記最大閾値の一次導関数の値(R′max)よりも小さく、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値(R″max)よりも小さい場合に、エラーが識別されるようにしたことを特徴とする方法。 - 少なくとも1つのグロープラグ(100)を流れる電流を表している時間依存性の特性量は、グロープラグ(100)に基づく抵抗モデルである、請求項1記載の方法。
- 前記時間依存性の閾値は、対応するグロープラグの時間的な特徴を表す抵抗経過(RKerze)を含んでいる、請求項1または2記載の方法。
- エラー識別の際に、グロープラグの回路パスが遮断される、請求項1から3いずれか1項記載の方法。
- エラー識別の際に、相応する情報がエラーメモリ(382)に記憶される、請求項1から4いずれか1項記載の方法。
- エラー識別の際に、診断通知が送信される、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
- 前記診断通知に対する応答として、グロープラグの制御が変更される、請求項6記載の方法。
- 前記診断通知に対する応答として、グロープラグ(100)の状態に関する指示情報がドライバーに表示される、請求項6または7記載の方法。
- 内燃機関の少なくとも1つのグロープラグ(100)を監視するための装置であって、
評価ユニット(320)を有しており、
前記評価ユニット(320)は比較手段(330)を含んでおり、
前記比較手段(330)は、少なくとも1つのグロープラグ(100)を流れる電流を表している時間依存性の特性量を、エラー識別のために、少なくとも1つの時間依存性の最小閾値(Rmin)及び/又は最大閾値(Rmax)と比較し、
前記評価ユニット(320)は、前記時間依存性の特性量が前記最小閾値(Rmin)よりも大きい場合、及び/又は前記時間依存性の特性量が前記最大閾値(Rmax)よりも小さい場合に、エラーを識別する形式の方法において、
前記評価ユニット(320)はさらに別のさらなる比較手段(350,370)を含んでおり、
前記さらなる比較手段(350,370)は、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値を前記最大閾値の一次導関数の値(R′max)と比較し、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値を前記最大閾値の二次導関数の値(R″max)と比較し、
前記評価ユニット(320)は、前記時間依存性の特性量の一次導関数の値が前記最大閾値の一次導関数の値(R′max)よりも小さく、前記時間依存性の特性量の二次導関数の値が前記最大閾値の二次導関数の値(R″max)よりも小さい場合に、エラーを識別するように構成されていることを特徴とする装置。 - 前記複数の比較手段(330,350,370)は、少なくとも1つの比較器を含んでいる、請求項9記載の装置。
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