JP5150763B2 - インフルエンザウイルス感染阻止剤及びインフルエンザウイルス感染阻止製品 - Google Patents

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Description

本発明は、インフルエンザウイルス感染阻止剤及びインフルエンザウイルス感染阻止製品に関する。
近年、季節性インフルエンザウイルスの流行に加え、高病原性のトリインフルエンザウイルスが変異してヒト間で感染し、世界的な大流行が懸念されている。
又、致死率のきわめて高いサ−ズウイルスの再発生も懸念されており、病原性の高いRNAウイルスへの不安感は高まる一方である。これらの問題に対して、例えば、特許文献1には、接触してウイルスを不活化するのに有用な製品であって、滲出があり得ない抗ウイルス活性を布生地に与える固定化高分子の被覆をもつ布生地を含む製品であって、高分子が複数の第四アンモニウム基を含む陽イオン側基と複数の炭化水素側基を含む抗ウイルス性側基を有する親水性高分子を含む製品が開示されている。
特許文献2には、少なくとも一箇所にフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とすることを特徴とする抗ウイルス剤が開示されている。特許文献3には、濾材の少なくとも1層に、水酸基(−OH)とカルボキシル基(−COOH)を同時に有するヒドロキシ酸が含有されてなり、ヒドロキシ酸としてクエン酸を用いた抗ウイルスマスクが開示されている。特許文献4には、ポリ−オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライドを含有する繊維用抗ウイルス加工剤が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている製品に含まれている第四級アンモニウム基はカチオン基であり、レ−ヨンなどの繊維に含有させる際には、界面活性剤などを共存させる必要があり、その結果、抗ウイルス性が低下するという問題点を有している。
特許文献2で開示されているフェノール性水酸基を有する、非水溶性の芳香族ヒドロキシ化合物は、白色の繊維に処理した場合に着色し或いは抗ウイルス性が十分でないという問題点を有している。
特許文献3で用いられているクエン酸は繰り返しの洗濯に弱く、洗濯によって抗ウイルス性が低下するという問題点を有している。又、特許文献4にて用いられているポリオキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライドは、ハロゲンが皮膚刺激性を持つため、常時着用する衣服などに適用しにくいという問題点がある。
又、特許文献5には、酸性基を有するビニル系モノマ−をグラフト重合することで繊維に抗菌性が備わることが開示されている。しかしながら、特許文献4の段落番号〔0005〕〜〔0006〕に記載されている通り、従来、抗菌性を有する種々の化合物が開発されて繊維製品にも多数応用されているが、抗菌性を示す化合物が、ウイルスの感染を阻止するとはいえず、繊維加工性に優れたウイルス感染阻止剤の開発が望まれている。
特表平11−507105号公報 特開2005−112748号公報 特開2005−198676号公報 特開2008−115506号公報 特開平6−128877号公報
本発明は、インフルエンザウイルスがヒトに感染するのを効果的に阻止して症状の発現の予防或いは症状が表れたとしても症状の軽減を図ることができると共に、不測の変色や日常の使用条件下での変色が生じにくいインフルエンザウイルス感染阻止剤及びインフルエンザウイルス感染阻止剤をインフルエンザウイルス対象物に処理して得られるインフルエンザウイルス感染阻止製品を提供する。
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤は、生活用品に噴霧、分散、塗布又は固着させることによって上記生活用品に供給して用いられるインフルエンザウイルス感染阻止剤であって、インフルエンザウイルス感染阻止化合物として、重量平均分子量が2万〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、又は、重量平均分子量が5000〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウムとこれと共重合可能な単量体との重合体を含有していることを特徴とする。
ここで、インフルエンザウイルス感染阻止剤とは、ウイルス感染阻止効果を有するものをいう。「ウイルス感染阻止効果」とは、インフルエンザウイルスが細胞に感染できないか又は感染後に細胞中で増殖できなくする効果をいう。このようなウイルスの感染性の有無を確認する方法としては、例えば、「医・薬科ウイルス学」(1990年4月初版発行)に記載されているようなプラック法や赤血球凝集価(HAU)測定法などが挙げられる。
そして、インフルエンザウイルス感染阻止化合物としては、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、又は、p−スチレンスルホン酸ナトリウムとこれと共重合可能な単量体との重合体が用いられる。
スチレンスルホン酸単独重合体のスルホン酸塩の重量平均分子量は、低いと、ウイルス感染阻止効果が低下することがあるので、2万以上に限定され、10万以上が好ましく、30万以上がより好ましいが、高過ぎると、インフルエンザウイルス感染阻止剤の取扱性が低下することがあるので、上限は500万に限定される
なお、本発明において重合体の重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーでポリエチレンオキシドを標準物質として測定したものをいう。重合体の重量平均分子量及びZ平均分子量は、例えば、下記の条件にて測定することができる。
カラム:(東ソー社製TSKgel GMPWXL 7.8mmI.D.×30cm 2本)
溶離液:(0.2M硫酸ナトリウム水溶液:アセトニトリル=9:1)
流速:1ミリリットル/分
温度:40℃
検出:UV(210nm)
標準ポリエチレンオキシド:(東ソー社製、SE-2,5,8,15,30,70,150の7種類を使用)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物としては、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体との共重合体が用いられる。このような共重合体としては、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよいが、ブロック共重合体が好ましい。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物が、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体とのブロック共重合体である場合、p−スチレンスルホン酸ナトリウムの重合度は、低いと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物がウイルス感染阻止効果を奏しないことがある一方、高いと、インフルエンザウイルス感染阻止剤の取扱性が低下することがあるので、5〜6000が好ましい。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物が、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体との共重合体である場合、この共重合体中、p−スチレンスルホン酸ナトリウムの含有量は、少ないと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物がウイルス感染阻止効果を奏しないことがあるので、5重量%以上が好ましい。
なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと共重合可能な単量体としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ジイソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2-ビニルナフタレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルトルエン、キシレンスルホン酸、ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルアルコール、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどが挙げられるが、p−スチレンスルホン酸ナトリウムとの相性や、インフルエンザウイルス感染阻止化合物に非水溶性を付与するという点から、スチレンが好ましい。
そして、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、及び、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体との共重合体の重量平均分子量は、低いと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物がウイルス感染阻止効果を奏しないことがある一方、高いと、インフルエンザウイルス感染阻止剤の取扱性が低下することがある。よって、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の場合は、2万〜500万に限定されるp−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体との共重合体の場合は、5000〜500万に限定され、5000〜200万が好ましい
上記インフルエンザウイルス感染阻止化合物としては、水溶性であっても非水溶性であってもよいが、インフルエンザウイルス感染阻止剤を衣料や布団などの耐洗濯性が要求されるインフルエンザウイルス対象物に処理する場合には、インフルエンザウイルス感染阻止化合物は非水溶性であることが好ましい。ここで、非水溶性とは、20℃で且つpHが5〜9である水100gに対して溶解可能なグラム数(以下「溶解度」という)が1以下であることをいい、1を超えるものを水溶性という。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物が非水溶性であると、インフルエンザウイルス対象物が水に接触した場合にあってもインフルエンザウイルス感染阻止剤が水に溶解して消失するのを抑制することができ、後述するインフルエンザウイルス感染阻止製品のウイルス感染阻止効果を長期間に亘って安定的に持続させることができる。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物を非水溶性にする方法としては、例えば、(1)水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物に硬化剤を含有させてインフルエンザウイルス感染阻止化合物を架橋させる方法、(2)水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を水中に溶解させてインフルエンザウイルス感染阻止化合物水溶液を作製し、このインフルエンザウイルス感染阻止化合物水溶液に電離性放射線を照射してインフルエンザウイルス感染阻止化合物を架橋させる方法、(3)水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持体に固定させる方法、(4)スチレン又はナフタレンと、ジビニルベンゼンとを水中で懸濁重合することによって網状に架橋された重合体を製造し、この重合体の芳香族環(ベンゼン環又はナフタレン環)にカルボキシ基、スルホン酸基又はその塩若しくは誘導体を導入する方法などが挙げられる。
水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を架橋させてインフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体を製造した場合、このインフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体には、架橋されて非水溶性となったインフルエンザウイルス感染阻止化合物と、水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物とが含有されている。従って、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体を水中に供給して分散させて分散水を作製する。次に、分散水を好ましくは4〜25℃にて1〜4時間に亘って撹拌し、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体中に含まれている水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を水中に溶出させる。なお、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体を供給する水の重量は、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の反応体の重量の50〜200倍が好ましい。次に、遠心分離方法などの汎用の方法を用いて、分散水から非水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を分離すればよい。遠心分離の回転数は3000〜10000rpmが好ましい。遠心分離時の分散水の温度は4〜25℃が好ましい。
電離性放射線としては、例えば、α線、γ線、β線、電子線、紫外線などが挙げられ、紫外線が好ましい。インフルエンザウイルス感染阻止化合物への電離性放射線の放射量は、少ないと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を非水溶性にすることができないことがあり、多いと、電離性放射線の照射時間が長くなり、インフルエンザウイルス感染阻止剤の生産効率が低下するので、5〜2000kGyが好ましく、50〜500kGyがより好ましい。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物に電離性放射線を照射する場合、電離性放射線をインフルエンザウイルス感染阻止化合物に直接照射しても或いは電離性放射線を透過する合成樹脂シートを介してインフルエンザウイルス感染阻止化合物に電離性放射線を照射してもよい。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物水溶液に電離性放射線を照射する際、インフルエンザウイルス感染阻止化合物水溶液中におけるインフルエンザウイルス感染阻止化合物の含有量は、低いと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の架橋が不充分となることがあるので、5重量%以上が好ましく、15〜30重量%がより好ましい。
水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物を電離性放射線の照射によって架橋して得られる非水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物の重量平均分子量は、小さいと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の非水溶化が不充分であることがあり、大きいと、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の取扱いが悪くなるので、5000〜500万が好ましく、5万〜200万がより好ましい。
水溶性のインフルエンザウイルス感染阻止化合物に電離性放射線を照射する際に架橋助剤を用いてもよい。架橋助剤としては、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の架橋を促進するものであれば、特に限定されず、例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能性単量体又はこれらのオリゴマーが挙げられる。インフルエンザウイルス感染阻止化合物水溶液中における架橋助剤の含有量は、1〜5重量%が好ましい。
又、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を非水溶性にするには、一部を脱スルホン化する方法や、スルホン酸塩部分の構造を一部変化させる方法、難水溶性の塩にする方法などが挙げられる。なお、脱スルホン化する方法としては、高温でインフルエンザウイルス感染阻止化合物と水蒸気とを反応させる方法などが挙げられ、スルホン酸塩部分の構造を変化させる方法としては、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を水酸化ナトリウム中で融解させ、その後にフェノール化する方法などが挙げられる。
インフルエンザウイルス感染阻止化合物が、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、これと共重合可能な単量体との共重合体である場合、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと共重合可能な単量体として、疎水性の高い単量体を選択し、疎水性の高い単量体の含有割合を大きくすることによって、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を非水溶性としてもよい。
上記インフルエンザウイルス感染阻止化合物の硬化剤としては、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を架橋させることができれば、特に限定されず、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成されるポリアミノアミド化合物などの化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合開始剤、ジシアンアミド及びその誘導体、ジビニルベンゼンなどが挙げられ、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
上記アミン化合物としては、特に限定されず、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミンなどの脂肪族アミン及びその誘導体;メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどの脂環式アミン及びその誘導体;m−キシレンジアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族アミン及びその誘導体などが挙げられる。
又、上記アミン化合物から合成される化合物としては、特に限定されず、例えば、上記アミン化合物と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジヒドロイソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などのカルボン酸化合物とから合成されるポリアミノアミド化合物及びその誘導体;上記アミン化合物と、ジアミノジフェニルメタンビスマレイミドなどのマレイミド化合物とから合成されるポリアミノイミド化合物及びその誘導体;上記アミン化合物とケトン化合物とから合成されるケチミン化合物及びその誘導体;上記アミン化合物と、エポキシ化合物、尿素、チオ尿素、アルデヒド化合物、フェノール化合物、アクリル化合物などの化合物とから合成されるポリアミノ化合物及びその誘導体などが挙げられる。
更に、上記3級アミン化合物としては、特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピコリン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1及びその誘導体などが挙げられる。
そして、上記イミダゾール化合物としては、特に限定されず、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及びその誘導体などが挙げられる。
又、上記ヒドラジド化合物としては、特に限定されず、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びその誘導体などが挙げられる。
更に、上記メラミン化合物としては、特に限定されず、例えば、2,4−ジアミノ−6−ビニル−1,3,5−トリアジン及びその誘導体などが挙げられる。
そして、上記酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリドデカン二酸無水物、クロレンド酸無水物及びその誘導体などが挙げられる。
又、上記フェノール化合物としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール及びその誘導体などが挙げられる。
更に、上記熱潜在性カチオン重合触媒としては、特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素などを対アニオンとした、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルピリジニウム塩、ベンジルホスホニウム塩などのイオン性熱潜在性カチオン重合触媒;N−ベンジルフタルイミド、芳香族スルホン酸エステルなどの非イオン性熱潜在性カチオン重合触媒が挙げられる。
そして、上記光潜在性カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、6フッ化アンチモン、6フッ化リン、4フッ化ホウ素などを対アニオンとした、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩及び芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩類、並びに、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体及びアリールシラノール−アルミニウム錯体などの有機金属錯体類などのイオン性光潜在性カチオン重合開始剤;ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどの非イオン性光潜在性カチオン重合開始剤が挙げられる。
又、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を固定させる担持体としては、特に限定されず、例えば、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、シリカ、バーミキュライト、パーライトなどの無機担体や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの有機高分子担体などが挙げられる。
有機高分子担体の形態としては、特に限定されず、例えば、微粒子状、繊維状、シート状、フィルム状、発泡体などが挙げられる。インフルエンザウイルス感染阻止化合物を発泡体に担持させる場合には、発泡体の原反となる発泡性成形体の発泡前にインフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持させても発泡後にインフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持させてもよい。
そして、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持体に固定する方法としては、特に限定されないが、例えば、インフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持体に吸着させる方法、グラフトなどの化学結合やバインダーによる結合によってインフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持体に固定する方法などが挙げられる。
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤には、ウイルス感染阻止効果の有効性を阻害しない範囲において、分散剤、乳化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、移染防止剤などの製剤用補助剤が配合されていてもよく、又、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤などが含有されていてもよい。
移染防止剤としては、特に限定されず、例えば、塩化カルシウムなどの塩類、水溶性カチオン化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジンベタイン、ポリアミンN−オキシド重合体などが挙げられる。
次に、上記インフルエンザウイルス感染阻止剤の使用要領について説明する。上記インフルエンザウイルス感染阻止剤は、スプレー型、エアゾール型、燻煙型、加熱蒸散型、マトリックスへの混合などの汎用の使用方法を用いることができる。
上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を溶媒に溶解或いは分散させてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液とし、このインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液に水溶剤、油剤、乳剤、懸濁剤などを配合することによって、インフルエンザウイルス感染阻止剤をスプレー型とすることができる。なお、スプレー型とは、常圧下にあるインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液に圧力を加えてインフルエンザウイルス感染阻止剤を霧状に噴霧する使用方法をいう。
なお、上記溶媒としては、例えば、水(好ましくは、イオン交換水)、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなど)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサンなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドなど)が挙げられる。
そして、上記スプレー型のインフルエンザウイルス感染阻止剤に、固体担体(タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、シリカ、バーミキュライト、パーライトなど)を添加することにより、インフルエンザウイルス感染阻止剤をエアゾール型とすることができる。
ここで、エアゾール型とは、容器内にインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を噴射剤と共に該噴射剤が圧縮された状態に封入しておき、噴射剤の圧力によってインフルエンザウイルス感染阻止剤を霧状に噴霧させる使用方法をいう。なお、噴射剤としては、例えば、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル、LPGなどが挙げられる。
そして、上記スプレー型のインフルエンザウイルス感染阻止剤に、酸素供給剤(過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、塩素酸カリウムなど)、燃焼剤(糖類、澱粉など)、発熱調整剤(硝酸グアニジン、ニトログアニジン、リン酸グアニル尿素など)、酸素供給剤分解用助剤(塩化カリウム、酸化銅、酸化クロム、酸化鉄、活性炭など)などを添加することにより、インフルエンザウイルス感染阻止剤を燻煙型することができる。なお、燻煙型とは、インフルエンザウイルス感染阻止剤を微粒子化して煙状とし、分散させる使用方法をいう。
又、インフルエンザウイルス感染阻止剤を混合させるマトリックスとしては、インフルエンザウイルス感染阻止剤を変性させないものであれば、特に限定されず、例えば、多糖類やその塩、デキストリン、ゼラチン、高級アルコール、油脂類、ステアリン酸などの高級脂肪酸、パラフィン類、流動パラフィン類、白色ワセリン、ハイドロカーボンゲル軟膏、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、各種塗料などが挙げられる。
そして、上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を、各種使用方法に応じて、生活用品のような、インフルエンザウイルスが存在し或いはインフルエンザウイルスが将来に存在する可能性のある対象物であって、この対象物に存在するインフルエンザウイルスが原因となって人間にインフルエンザウイルスが感染するのを防止したい対象物(以下、「インフルエンザウイルス対象物」という)に噴霧、分散、塗布又は固着させることによって供給することによりインフルエンザウイルス感染阻止製品とし、インフルエンザウイルス対象物に存在するインフルエンザウイルスが原因となって人間がインフルエンザウイルス感染するのを概ね阻止することができる。上記インフルエンザウイルス感染阻止剤は、単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。インフルエンザウイルス感染阻止剤は、上述のインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液に懸濁剤を配合して懸濁液とした場合の安定性に優れていることから、インフルエンザウイルス感染阻止剤を懸濁液としスプレー型としてインフルエンザウイルス対象物に噴霧することが好ましい。なお、インフルエンザウイルス感染阻止剤をインフルエンザウイルス対象物に化学的又は物理的に固着させる方法としては、後述するインフルエンザウイルス感染阻止化合物を繊維に化学的に結合させ或いは物理的に固着させる方法を用いることができる。
又、上記インフルエンザウイルス対象物としては、生活空間においてウイルスの温床となる生活用品などが挙げられる。この生活用品としては、例えば、畳、絨毯、家具(ソファー、ソファー内部の発泡体、布ばり椅子、テーブルなど)、寝具(ベッド、布団、布団の中綿、羽毛布団の羽毛、シーツ、マットレス、クッション及びこれらを構成している発泡体など)、車、飛行機、船などの車輛内用品及び車輛内装材(シート、チャイルドシート及びこれらを構成している発泡体など)、キッチン用品、ベビー用品、建築内装材(壁紙、床材など)、繊維製品(カーテン、タオル、衣類、ぬいぐるみなど)、網戸などのフィルター、網戸、建築内装材などが挙げられる。
特に、本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤は、不測の着色や、日常の生活環境における変色が殆どないことから、光による退色、変色が課題となる用途、例えば、建築内装材、車輛内用品、車輛内装材、フィルター、繊維製品などに適している。
上記フィルターとは、分離、濾過、異物を排除する能力を有するものをいい、例えば、空気清浄機、エアコン、掃除機、換気扇などのフィルターや、マスク、障子、虫などの進入を防ぐ網戸やカヤなどを挙げることができる。
上記建築内装材とは、特に限定されるものではなく、例えば、床材、壁紙、天井材、塗料、ドアノブ、スイッチ、スイッチカバー、ワックスなどを挙げることができる。
上記繊維製品とは、特に限定されるものではなく、例えば、寝具、カーペット、カーテン、タオル、衣類、ぬいぐるみなどを挙げることができる。
上記車輛内用品及び車輛内装材とは、特に限定されるものではなく、例えば、シート、チャイルドシート、シートベルト、カーマット、シートカバー、ドア、天井材、フロアマット、ドアトリム、インパネ、コンソール、グローブボックス、吊り革、手すりなどを挙げることができる。なお、シートやドアトリムなどの繊維にはインフルエンザウイルス感染阻止剤を上述の方法にて含有させることが可能であり、ドア、インパネ、コンソールなどの成形品には、インフルエンザウイルス感染阻止剤を含有した塗料で塗装する方法や予め合成樹脂にインフルエンザウイルス感染阻止剤を練り込む方法などによって含有させることが可能である。
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤におけるインフルエンザウイルス対象物に対する使用量としては、少ないと、インフルエンザウイルス感染阻止剤のウイルス感染阻止効果が発現しないことがある一方、多いと、インフルエンザウイルス対象物を痛めることがあるので、インフルエンザウイルス対象物100重量部に対して0.001〜100重量部が好ましく、0.01〜50重量部がより好ましく、0.02〜30重量部が特に好ましく、0.02〜20重量部が最も好ましい。
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤が対象とするインフルエンザウイルスとしては、例えば、パラミクソウイルス科(Parmyxoviridae)のヒトパラインフルエンザウイルス1,3、ヒトパラインフルエンザウイルス2,4、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)のインフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルスなどが挙げられる。
上述のインフルエンザウイルス感染阻止剤の使用要領によれば、インフルエンザウイルス対象物に必要に応じてインフルエンザウイルス感染阻止剤を供給することによって、インフルエンザウイルス対象物に存在し或いは将来、存在するであろうインフルエンザウイルスが原因となって人間がインフルエンザウイルスに感染するのを概ね阻止するものであった。
上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維に含有させてインフルエンザウイルス感染阻止繊維とし、繊維自体にウイルス感染阻止効果を付与してもよい。このインフルエンザウイルス感染阻止繊維を用いて上記生活用品を作製することによって、生活用品にウイルス感染阻止効果を予め付与しておくことができる。
インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維に含有させる方法としては、繊維にインフルエンザウイルス感染阻止剤を化学的に結合させ或いは物理的に固着させる方法、繊維にインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有させる方法が挙げられる。そして、繊維としては、インフルエンザウイルス感染阻止剤を含有させることができるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維などの合成繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、キュプラ、レーヨンなどの再生繊維、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、又は、これら各種繊維の複合化繊維、混綿などが挙げられる。
上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維に化学的に結合させる要領としては、グラフト化反応により繊維にインフルエンザウイルス感染阻止剤を化学的に結合させる方法が挙げられる。グラフト化反応としては、特に限定されず、例えば、(1)繊維となる幹ポリマーに重合開始点をつくり、インフルエンザウイルス感染阻止剤を枝ポリマーとして重合させるグラフト重合方法、(2)インフルエンザウイルス感染阻止剤を高分子反応によって繊維に化学的に結合させる高分子反応法などが挙げられる。
グラフト重合方法としては、例えば、(1)繊維への連鎖移動反応を利用し、ラジカルを生成し重合する方法、(2)第2セリウム塩や硫酸銀塩などをアルコール、チオール、アミンのような還元性物質を作用させて酸化還元系(レドックス系)を形成し、繊維にフリーラジカルを生成して重合を行う方法、(3)繊維と、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体とを共存させた状態で、繊維にγ線や加速電子線を照射する方法、(4)γ線や加速電子線を繊維だけに照射し、その後にインフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体を加えて重合を行う方法、(5)繊維を構成する高分子を酸化してペルオキシ基を導入し或いは側鎖のアミノ基からジアゾ基を導入して、これを重合開始点として重合する方法、(6)水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの側鎖の活性基によるエポキシ、ラクタム、極性ビニルモノマーなどの重合開始反応を利用する方法などが挙げられる。
更に、グラフト重合方法を具体的に列挙する。a)インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体中でセルロースを磨砕することによってフリーラジカルを生成させてグラフト重合を行う方法。b)インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体と、繊維として連鎖移動を受けやすい基を持つセルロース誘導体(例えば、メルカプトエチルセルロースなど)を用いてグラフト重合を行う方法。c)オゾンや過酸化物を酸化し、ラジカルを生成させる方法でグラフト重合を行う方法。d)アリルエーテル、ビニルエーテルまたはメタクリル酸エステルなどの二重結合を、セルロースの側鎖に導入してグラフト重合を行う方法。e)アントラキノン−2,7−ジスルホン酸ナトリウムなどを光増感剤として用い、繊維に紫外線を照射してグラフト重合を行う方法。f)カソードの周りに繊維を巻き、希硫酸中に、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体を加えて外部電圧を加えることにより電気化学的にグラフト重合を行う方法。
繊維へのグラフト重合であることを勘案すれば、下記方法が好ましい。g)メタクリル酸グリシジル(GMA)と過酸化ベンゾイルを塗った繊維を、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体溶液中で加熱することによりグラフト重合する方法。h)過酸化ベンゾイル、界面活性剤(非イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤)及びモノクロロベンゼンを水へ分散させた分散液に、インフルエンザウイルス感染阻止化合物の原料となる単量体を加え、繊維として、例えばポリエステル系繊維を浸漬して、加熱してグラフト重合を行う方法。
上記高分子反応法としては、汎用の方法が使用でき、例えば、(1)C−Hに対する連鎖移動反応、酸化反応、置換反応、(2)二重結合に対する付加反応、酸化反応、(3)水酸基のエステル化、エーテル化、アセタール化、エステル基やアミド基に対する置換反応、付加反応、加水分解反応、ハロゲン基に対する置換反応、脱離反応、(4)芳香環に対する置換反応(ハロゲン化、ニトロ化、スルホン化、クロルメチル化)などが挙げられる。
次に、インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維に物理的に固着させる方法について説明する。インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維に物理的に固着させる方法としては、例えば、(1)インフルエンザウイルス感染阻止剤を溶剤中に溶解或いは分散させてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を作製し、このインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液中に繊維を含浸させて、繊維にインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を含浸させる方法、(2)上記インフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を繊維表面に塗布する方法、(3)上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を溶解或いは分散させてなるバインダー中に繊維を浸漬させて、インフルエンザウイルス感染阻止剤をバインダーによって繊維に固着させる方法、(4)上記インフルエンザウイルス感染阻止剤を溶解或いは分散させてなるバインダーを繊維表面に塗布し、インフルエンザウイルス感染阻止剤をバインダーによって繊維に固着させる方法などが挙げられる。なお、上記(1)(2)の方法において、インフルエンザウイルス感染阻止剤溶液中に下記バインダーを含有させてもよい。
上記溶剤としては、特に限定されず、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコール類;トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類などが挙げられる。
上記バインダーとしては、インフルエンザウイルス感染阻止剤を繊維表面に固着できるものであれば、特に限定されず、例えば、合成樹脂からなるバインダーとしては、一液型ウレタン樹脂、二液型ウレタン樹脂などのウレタン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂などが挙げられ、ウレタン系樹脂が好ましい。
又、上記では、インフルエンザウイルス感染阻止剤を別途製造された繊維に化学的に結合させ或いは物理的に固着させることによって、繊維にインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有させる要領を説明したが、インフルエンザウイルス感染阻止剤を化学的に結合させた繊維原料を紡糸して繊維を作製し、或いは、繊維原料中にインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有させてなる紡糸原液を用いて防止して繊維を作成してもよい。
インフルエンザウイルス感染阻止剤を化学的に結合させた繊維原料の作製要領としては、特に限定されず、例えば、p−スチレンスルホン酸ナトリウムと、一般の繊維原料となる単量体とを共重合させて繊維原料を作製する方法が挙げられる。
繊維原料中にインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有させてなる紡糸原液を用いて防止して繊維を作製する方法としては、特に限定されず、例えば、インフルエンザウイルス感染阻止剤を必要に応じて水酸化ナトリウム水溶液中に溶解或いは懸濁させた上でセルロースを溶解させた液に添加して紡糸原液を作製し、この紡糸原液を再生浴に押出して繊維状に凝固再生させることによって、インフルエンザウイルス感染阻止剤を含む繊維を製造することができる。
セルロースを溶解させた液としては、例えば、ビスコースや、セルロースを銅アンモニア液に溶解させてなる液などが挙げられる。ビスコースは、例えば、下記の要領で製造される。針葉樹又は広葉樹材から亜硫酸法又は硫酸塩法で製造したレーヨン用溶解パルプ(α−セルロースを92〜93重量%含有する)をセルロース原料とし、このセルロース原料を水酸化ナトリウム水溶液と反応させてアルカリセルロースを製造する。次に、アルカリセルロースを25〜35℃にて24〜72時間放置して老成し、セルロースが紡糸に適した粘度となるように、セルロースの重合度を低下させる。しかる後、アルカリセルロースに二硫化炭素を加えてセルロースキサントゲン酸ナトリウムにすることによってビスコースを製造することができる。
又、セルロースを銅アンモニア液に溶解させてなる液は、例えば、下記の要領で製造される。セルロース原料として精製コットンリンター又は精製木材パルプを用い、特に、α−セルロース99重量%以上のリンターが好ましい。一方、硫酸銅溶液にアンモニア水を常温で反応させ、塩基性硫酸銅とし、次に、水酸化ナトリウムを加えて銅アンモニア液を作製する。この銅アンモニア液にセルロース原料を加えて、セルロースを銅アンモニア液に溶解させてなる液を作製することができる。
セルロースを溶解させた液に添加するインフルエンザウイルス感染阻止剤の量は、少ないと、インフルエンザウイルス感染阻止剤のウイルス感染阻止効果が低下することがあり、多いと、繊維の強力が低下し、実用上、問題を生じることがあるので、セルロース100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
上述のようにして得られた紡糸原液を再生浴に押出して繊維状に凝固再生させることによってインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有する繊維を得ることができる。具体的には、セルロースを溶解させた液としてビスコースを用いた場合には、紡糸原液中のビスコースを公知の要領で熟成させた後、紡糸原液を紡糸機に供給して口金から再生浴中に押出して繊維状に凝固再生させてインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有する繊維を得ることができる。なお、再生浴としては、一般的に、硫酸8〜12重量%、硫酸ナトリウム15〜40重量%及び硫酸亜鉛0〜2重量%を含有してなる。
又、セルロースを溶解させた液として、セルロースを銅アンモニア液に溶解させてなる液を用いた場合には、紡糸原液を必要に応じてアンモニア水で薄めてセルロース濃度、銅濃度及びアンモニア濃度などを調整して粘度を調整した上で金網を用いて濾過した上で脱泡する。次に、紡糸原液を用いて緊張紡糸法によって紡糸してインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有する繊維を得ることができる。具体的には、紡糸原液を0.5〜1.0mmの比較的孔の大きい口金から30〜45℃の温水中に押出して紡糸原液を凝固させて得られた糸をろうとに通過させ、ろうとの通過中に水流によって数百倍に引延した後、糸を硫酸浴に通して脱銅すると共にセルロースを再生させてインフルエンザウイルス感染阻止剤を含有する繊維を得ることができる。
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤は、インフルエンザウイルス感染阻止化合物として、重量平均分子量が2万〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、又は、重量平均分子量が5000〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウムとこれと共重合可能な単量体との重合体を含有するので、インフルエンザウイルスが人間に感染するのを概ね阻止して症状の発現を防止し或いは症状が表れたとしても症状の軽減を図ることができる。
そして、本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤は、不測の変色や日常の使用条件下での変色が生じにくく、各種生活用品に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマ−)の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「PS−1」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):2.5万、Z平均分子量(Mz):4.9万)20重量部をリン酸緩衝液(Phospate−Buffered Saline;以下「PBS」という)80重量部に添加して均一に混合させてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例2)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマ−)の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「PS−50」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):39万、Z平均分子量(Mz):61.8万)20重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例3)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマ−)の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「PS−100」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):52.9万、Z平均分子量(Mz):75.8万)20重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例4)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「ST−5005」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム成分:50重量%、スチレン成分:50重量%、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):2万2千)20重量を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例5)
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「ST−5008」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム成分:50重量%、スチレン成分:50重量%、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):6千)40重量を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例
インフルエンザウイルス感染阻止化合物であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸2−ヒドロキシエチルランダム共重合体の水溶液(東ソ−有機化学社製 商品名「HM−5030」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム成分:50重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル成分:50重量%、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸2−ヒドロキシエチルランダム共重合体含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):30万)20重量を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液を得た。なお、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸2−ヒドロキシエチルランダム共重合体は水溶性であった。p−スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸2−ヒドロキシエチルランダム共重合体中におけるナトリウム塩とされたスルホン酸基の割合は100モル%であった。
(実施例7〜11
インフルエンザウイルス感染阻止化合物である水溶性のp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマー)の水溶液(東ソー有機化学社製 商品名「PS−100」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体含有量:22重量%、重量平均分子量(Mw):52.9万、Z平均分子量(Mz):75.8万)をガラスシャーレに表2に示した厚みとなるように供給し、表2に示した量の電子線を照射してp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を架橋した。得られたp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の反応体はゲル化していた。
得られたp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の反応体をこの反応体の重量の100倍の重量を有する水に供給して分散水を作製し、この分散水を25℃にて撹拌しながら1時間に亘って放置し、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の反応体中に含まれている水溶性のp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を水中に溶出させた。
次に、分散水を遠心分離器を用いて15℃にて8000rpmの回転速度にて3分間に亘って遠心分離した。上述の工程を3回に亘って繰り返して行い、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の反応体から、架橋されたp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を分離し、この架橋されたp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体をインフルエンザウイルス感染阻止化合物として含有するインフルエンザウイルス感染阻止剤を得た。なお、架橋されたp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体は非水溶性であった。
(比較例1)
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル単独重合体(ALDRICH社製、重量平均分子量(Mw):30万)をジメチルスルホキシドに0.1重量%になるように溶解させた溶液を用意した。
(比較例2)
4−ビニルフェノ−ル単独重合体(丸善石油化学社製 商品名「マルカリンカ−M」 重量平均分子量(Mw):5500)をジメチルスルホキシドに0.1重量%になるように溶解させた溶液を用意した。
(比較例3)
コンドロイチン硫酸Aナトリウム(ナカライテスク社製)をPBSに1重量%になるように溶解させた溶液を用意した。
(比較例4)
コンドロイチン硫酸Cナトリウム(ナカライテスク社製)をPBSに1重量%になるように溶解させた溶液を用意した。
実施例1〜で得られたインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液及び比較例1〜4の溶液のインフルエンザウイルス感染阻止性1を下記の要領で評価し、その結果を表1に示した。
インフルエンザウイルス感染阻止性1)
1)試験標品の作製
実施例のインフルエンザウイルス感染阻止剤溶液及び比較例の溶液をDMEM培地にて10倍、100倍、1000倍、10000倍、100000倍にそれぞれ希釈して試験標品とした。なお、希釈に用いたDMEM培地のみを標品対照液とした。
2)ウイルス液の調整
10cmDishに培養したMDBK細胞にインフルエンザウイルスを接種し、37℃で1時間に亘って培養後に、培養上清(未感作ウイルス含む)を除去した。上清を除いた10cmDishに新たにDMEM培地を加え、37℃で4日間培養後に、培養上清を採取し、800rpmの回転速度で5分間に亘って遠心分離した。遠心分離後の上清をDMEM培地で10000倍に希釈した液をウイルス液として使用した。希釈に用いたDMEM培地のみをウイルス対照液とした。
3)試験方法
試験標品及び標品対照液とウイルス液及びウイルス対照液を表1の組合せにて50マイクロリットルずつ混合し、30分間に亘って室温で反応させた。次に、96穴マイクロプレートにまいたMDBK細胞に接種し、37℃で1時間に亘って培養した。培養後、培養上清(未感作ウイルス含む)を除去し、DMEM培地を加え、37℃で4日間に亘って培養した。培養上清を除去後、水溶性テトラゾリウム塩(同仁化学研究所社製 商品名「WST−8」)5重量%含むDMEM培地を添加し、37℃で3時間に亘って培養した。プレートリーダーにて450nmの吸光度を測定し、生存細胞の割合からウイルス感染阻止性を算出した。
なお、ウイルス対照液と標品対照液で反応させた場合をコントロール値100として相対値にて算出し、ウイルス液を反応させた場合は、85以上を有効とし、ウイルス対照液を反応させた場合は、75未満を細胞毒性有りとした。
比較例1〜3において、100000倍に希釈して得られた試験標品については希釈し過ぎてウイルス感染阻止性を測定することができなかった。
有効濃度と細胞毒性を示した濃度から、有効範囲は、実施例1では10〜1000倍、実施例2では1000〜10000倍、実施例3では1000倍、実施例4では100〜1000倍、実施例5では1000倍、実施例では10〜100倍であった。実施例1〜3を比較した場合、倍率の最も高い実施例2が最も高いウイルス感染阻止効果を有していた。
Figure 0005150763
インフルエンザウイルス感染阻止性2)
実施例7〜11で得られたインフルエンザウイルス感染阻止剤5重量部をエアゾール塗料(杵屋ケミカル社製 商品名「コスモカラー」)95重量部に添加して均一に混合させてインフルエンザウイルス感染阻止塗料を得た。インフルエンザウイルス感染阻止塗料20gをポリプロピレン樹脂成形板1m2に均一に塗布して室温にて5時間に亘って乾燥させ、ポリプロピレン樹脂成形板から一辺が1.5cmの平面正方形状の試験片を切り出した。又、インフルエンザウイルス感染阻止塗料の代わりにエアゾール塗料のみを用いたこと以外は上述と同様の要領で試験片を作製し、この試験片を比較例5とした。
1)ウイルス液の調整
10cmDishに培養したMDBK細胞にインフルエンザウイルスを接種し、37℃で1時間に亘って培養後に、培養上清(未感作ウイルス含む)を除去した。上清を除いた10cmDishに新たにDMEM培地を加え、37℃で4日間培養後に、培養上清を採取し、800rpmの回転速度で5分間に亘って遠心分離した。遠心分離後の上清をウイルス液として使用した。
2)試験方法
DMEM培地で30倍希釈したウイルス液を実施例7〜11及び比較例5で得られた試験片に0.1ミリリットル滴下し、試験片を1分間室温で静置した。しかる後、試験片上のウイルス液を回収し、DMEM培地と混合して、10倍、100倍、1000倍、10000倍希釈し、96穴マイクロプレートに撒いたMDBK細胞に0.1ミリリットルずつ接種し、37℃で1時間に亘って培養した。培養後、培養上清(未感作ウイルス含む)を除去し、DMEM培地を加え、37℃で4日間に亘って培養した。培養上清を除去後、水溶性テトラゾリウム塩(同仁化学研究所社製 商品名「WST−8」)5重量%含むDMEM培地を添加し、37℃で3時間に亘って培養した。プレートリーダーにて450nmの吸光度を測定し、生存細胞の割合から50%の細胞がウイルスに感染するウイルス量(TCID50:Tissue Culture Infectious Dose 50)を算出し、ウイルスの低減率を求めた。上述の要領を各実施例及び比較例で作製した6個の試験片のそれぞれについて行った。各試験片のウイルス量(TCID50)の相加平均値を「ウイルス量(TCID50)」として採用し、表2の「TCID50(log10)」の欄に示した。各試験片におけるウイルスの低減率の相加平均値を「ウイルスの低減率」として採用し、表2の「低減率」の欄に示した。
Figure 0005150763
本発明のインフルエンザウイルス感染阻止剤は、インフルエンザウイルスが人間に感染するのを概ね阻止して症状の発現を防止し或いは症状が表れたとしても症状の軽減を図ることができると共に、不測の変色や日常の使用条件下での変色が生じにくく、各種生活用品に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 生活用品に噴霧、分散、塗布又は固着させることによって上記生活用品に供給して用いられるインフルエンザウイルス感染阻止剤であって、インフルエンザウイルス感染阻止化合物として、重量平均分子量が2万〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、又は、重量平均分子量が5000〜500万であるp−スチレンスルホン酸ナトリウムとこれと共重合可能な単量体との重合体を含有していることを特徴とするインフルエンザウイルス感染阻止剤。
  2. インフルエンザウイルス感染阻止剤が非水溶性であることを特徴とする請求項1に記載のインフルエンザウイルス感染阻止剤。
  3. インフルエンザウイルス感染阻止化合物を架橋することによって非水溶性とされていることを特徴とする請求項に記載のインフルエンザウイルス感染阻止剤。
  4. インフルエンザウイルス感染阻止化合物を担持体に固定させて非水溶性とされていることを特徴とする請求項に記載のインフルエンザウイルス感染阻止剤。
  5. 請求項1乃至請求項の何れか1項に記載のインフルエンザウイルス感染阻止剤を生活用品に処理してなることを特徴とするインフルエンザウイルス感染阻止製品。
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