JP5150365B2 - 光ファイバ用ガラス母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ製造用の気泡の混入が抑制されたガラス母材の製造装置及び製造方法に関する。
光ファイバ用ガラス母材(以下、母材と略記することがある)の製造方法としては、VAD法やOVD法等のスート法で作製された石英多孔質体を焼結ガラス化する方法が一般的に適用されている。この方法では、まず、バーナが発生させている酸水素火炎に、SiClやGeClなどのガラス原料ガスを供給し、ガラス微粒子を生成させる。そして、生成したガラス微粒子を、バーナと対向した位置で回転しているターゲットに堆積させることで、石英多孔質体が得られる。
一方、上記方法で製造された母材には、気泡の混入が認められることがあり、気泡が混入した母材を紡糸して光ファイバを製造しようとすると、光ファイバが断線し易いことが知られている。したがって、母材製造時における気泡混入は、母材の歩留まりを低下させる原因の一つとなっている。気泡混入の原因はいくつか挙げられるが、以下二つのものが主原因と考えられている。
まず、母材の製造に使用する反応容器内へ金属やその他の無機物等の異物が混入すると、これら異物が火炎中で粗大ガラス粒子生成の核となり、この粗大ガラス粒子が堆積中の石英多孔質体表面に付着することで、焼結ガラス化時に気泡が発生する。
また、火炎中で生成したガラス微粒子は、ターゲットに付着せずに一部は排気口から排出され、さらに一部は反応容器内で浮遊する。そして浮遊しているガラス微粒子の一部は、反応容器内壁に付着し、互いに結合して二次粒子となり、この二次粒子が堆積中の石英多孔質体表面に付着することで、焼結ガラス化時に気泡が発生する。
このように粗大ガラス粒子や二次粒子が気泡混入の原因となるのは、これらが、ターゲットに直接堆積するガラス微粒子よりも嵩密度が大きいためであると考えられている。
したがって、母材への気泡混入を抑制するためには、石英多孔質体の作製過程において、異物やガラス微粒子が浮遊して滞留しないように、反応容器内を常に清浄な状態に保つことが必要となる。そして、反応容器内を清浄な状態に保つ技術が、例えば、特許文献1及び2に開示されている。
特許文献1では、石英ガラスを製造する反応容器内及び該反応容器を囲うように配設された密閉外套の双方に、クリーンエアを一定流速で導入しながらガラス微粒子を堆積させることで、反応容器内への異物混入が抑制され、母材中への気泡の混入が低減できるとされている。
また、特許文献2では、反応容器の排気口側と対向する所定の領域に給気口を設け、その開口面の面積を特定の範囲とすることで、排気口側からバーナ側へのガラス微粒子の逆流が抑制され、これによりターゲットへの二次粒子の付着が抑制されるので、母材中への気泡の混入が低減できるとされている。
特開平9−188523号公報 特開2005−170704号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、確かにクリーンエアの導入で反応容器内への異物混入は抑制できるが、反応容器内で浮遊するガラス微粒子に由来する二次粒子の石英多孔質体表面への付着は必ずしも抑制できないという問題点があった。特に、石英多孔質体を大型化する目的で、ガラス原料ガスの供給量を多くした場合には、浮遊するガラス微粒子も多くなるので、二次粒子が石英多孔質体表面へ付着し易く、気泡が混入し易い。
また、特許文献2に記載の方法では、反応容器内におけるガス流の下流側(排気口近傍)に存在するガラス微粒子を効率良く排出することを想定しており、ガス流の上流側に存在するガラス微粒子を必ずしも低減できるものではないという問題点があった。例えば、クラッドバーナ側で生成したガラス微粒子は、石英多孔質体表面へ付着せずに跳ね返り、ガス流の上流側で浮遊することがある。すると、その一部は反応容器内壁に付着して二次粒子となり、これが石英多孔質体表面へ付着することで、気泡混入の原因となってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気泡の混入を抑制しながら光ファイバ用ガラス母材を製造する装置、及び該装置を使用する光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、ガラス原料ガスからガラス微粒子を生成させ、該ガラス微粒子をターゲット上に堆積させて石英多孔質体とするための反応容器を備えた光ファイバ用ガラス母材の製造装置であって、前記反応容器には、ガラス原料ガスを火炎中に供給してガラス微粒子を生成させるバーナと、反応容器内へ給気するための第一給気口が複数個開口された下部給気板および第二給気口が複数個開口された上部給気板が組み合わされた構成をなす給気板と、反応容器内のガスを排気する排気口が設けられ、前記給気板は、反応容器のバーナ設置側に設けられており、前記第一給気口および前記第二給気口は、その開口断面が反応容器の内側へ向けて漸次拡大するテーパ状とされており、前記第一給気口および前記第二給気口のテーパ角度が30〜60°であり、前記給気板が、反応容器に対して着脱可能とされており、前記下部給気板は、前記第一給気口と重ならない位置に、前記バーナを挿入するための挿入口が穿設され、前記第一給気口は、前記給気板の表面における開口面が略円形状であり、前記第二給気口は、前記給気板の表面における開口面が幅方向に細長いスリット状であり、前記第二給気口の開口面の面積は、前記第一給気口の開口面の面積よりも大きいことを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造装置である
求項にかかる発明は、請求項1に記載の製造装置を使用して光ファイバ用ガラス母材を製造する方法であって、前記反応容器内において、前記給気口からクリーンエアを給気しつつ、ガラス原料ガスをバーナの火炎中に供給し、生成したガラス微粒子をターゲット上に堆積させて石英多孔質体とし、該石英多孔質体を焼結炉で焼結ガラス化して光ファイバ用ガラス母材とすることを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法である。
本発明によれば、気泡の混入が抑制された光ファイバ用ガラス母材が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
<光ファイバ用ガラス母材の製造装置>
図1は、本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造装置を例示する概略断面図である。ここに例示する製造装置は、石英多孔質体を作製する工程におけるものである。
製造装置1は、ガラス原料ガスからガラス微粒子を生成させ、該ガラス微粒子をターゲット(図示略)上に堆積させて石英多孔質体10とするための反応容器2を備えている。
そして、反応容器2には、ガラス原料ガスを火炎中に供給し、ガラス微粒子を生成させてコアを作製するためのコア作製用バーナ3、火炎中にガラス原料ガスを供給し、ガラス微粒子を生成させてクラッドを作製するための複数個のクラッド作製用バーナ4、反応容器2内へ給気するための給気口が開口された給気板5、反応容器2内のガスを排気する排気口6がそれぞれ設けられている。
給気板5には複数の給気口が穿設されている。ここで使用される給気板5の側面図を図2に例示する。
給気板5は、第一給気口51が複数個設けられた下部給気板5Aと、第二給気口52が複数個設けられた上部給気板5Bとが組み合わされた構成となっている。
そして、下部給気板5Aには、第一給気口51と重ならない位置に、さらにクラッド作製用バーナ4を挿入するための三つの挿入口(第一挿入口53、第二挿入口54及び第三挿入口55)が穿設されている。
給気板5は、反応容器2において、クラッド作製用バーナ4の設置側に設けられている。
そして排気口6は、反応容器2において、給気板5と対向する側に設けられている。このように、ガス流の上流側に位置する給気板5と、ガス流の下流側に位置する排気口6との間に、クラッド作製用バーナ4の先端と石英多孔質体10とが位置するように配置されており、余剰のガラス原料ガスやターゲットに付着しなかったガラス微粒子は、速やかに排気口6から反応容器2外へ除去されるようになっている。
給気板5のサイズは、石英多孔質体10のサイズを考慮して適宜調整すれば良い。例えば、直径100〜120mm、長さ700〜900mm程度の母材を作製する場合であれば、給気板5の幅Wは400〜600mmであることが好ましく、高さHは800〜1000mmであることが好ましい。
第一給気口51は、給気板5表面における開口面が略円形状であり、給気板5の幅方向(以下、幅方向と略記する)及び高さ方向(以下、高さ方向と略記する)に所定の間隔で一直線上に設けられている。
そして、下部給気板5Aの幅方向略中央部には、第一挿入口53、第二挿入口54及び第三挿入口55がこの順で、高さ方向下から上へ向けて直列に設けられている。そしてこれら挿入口はいずれも、第一給気口51が設けられた領域内に配置されている。
一方、第二給気口52は、給気板5表面における開口面が幅方向に細長い略四角形状であり、高さ方向に所定の間隔で並設されている。そして、第二給気口52はいずれも平面視にて、上部給気板5Bにおいて、前記三つの挿入口の中心を通過する直線に対して略対称となっている。
給気口の上記開口面の面積は、給気口の配置形態や堆積中の石英多孔質体との位置関係、あるいは石英多孔質体のサイズ等に応じて適宜調整することが好ましい。
例えば、図1及び2に示すように、第一給気口51は、排気口6へのガス流の経路の途中に、成長過程初期〜中期の細い石英多孔質体が存在するように配置されている。このような場合、給気口の開口面の面積は5〜52mmであることが好ましく、12〜30mmであることがより好ましい。この範囲内で開口面を略円形状とする場合には、開口径を例えば、好ましくは3〜8mm、より好ましくは4〜6mmとすると良い。このようにしてクリーンエアの流量を小さくし、クラッド作製用バーナ4の火炎を安定化させることで、一層高品質の母材が得られる。
そして開口面は、第一給気口51のように、下部給気板5A表面のほぼ全域に渡って形成されていることが好ましい。このようにすることで、後記するように、下部給気板5A表面や反応容器2の内壁に対するガラス微粒子の付着を抑制する高い効果が得られる。
一方、第二給気口52は、排気口6へのガス流の経路の途中に、成長過程終期の太く成長した石英多孔質体が存在するように配置されている。このような場合、給気口の開口面の面積は3000〜6000mmであることが好ましく、4000〜5000mmであることがより好ましい。このようにしてクリーンエアの流量を大きくすることで、例えば、石英多孔質体に衝突したガスが、給気板5へ逆流することを抑制でき、母材への気泡混入を抑制する高い効果が得られる。
そして開口面は、第二給気口52のように、幅方向に細長い略四角形状をはじめとするスリット状であることが好ましく、上部給気板5Bのほぼ全域に渡って形成されていることが好ましい。このようにすることで、後記するように、上部給気板5B表面や反応容器2の内壁に対するガラス微粒子の付着を抑制する高い効果が得られる。
なお、第一給気口51及び第二給気口52は、これらが設けられている領域内においてそれぞれ、すべて同一形状、同一サイズであることが好ましい。このようにすることで、反応容器2内でのガス流の流れを安定化できる。ただし、製造する石英多孔質体10の最大径と反応容器2の大きさによっては、給気板5においてガラス微粒子が付着しやすい部分が生じる場合もあるので、各領域の端部付近に設けられている給気口には、一部異なる形状、異なるサイズの給気口を設けても良い。
給気板5を下部給気板5Aと上部給気板5Bとに分割する位置は、製造する石英多孔質体10の最大径と反応容器2の大きさ、クラッド作製用バーナ4の位置等に応じて決めれば良いが、簡易的には、以下のようにして決めることができる。
バーナ火炎の広がりは、ガス流量、ガス流速、バーナ最外径に依存するが、概ねバーナ先端面の領域と同程度の領域で石英多孔質体の表面温度が高くなるため、該領域でのガラス微粒子の堆積量が増加する。
結果として、第三挿入口55に挿入される、石英多孔質体10の最外層を作製するためのクラッド作製用バーナ4の近傍で石英多孔質体10の外径が大きく変化する。そのため、第三挿入口55の位置を基準として設定することで、石英多孔質体10の外径が大きく変化する位置を簡便に推定することができる。そして、この付近で給気口の開口面積を変化させることで、石英多孔質体10が太く成長した場合でも、反応容器内のガス流を安定化させることができる。
具体的には、図2に示すように、給気板5を下部給気板5Aと上部給気板5Bとに分割する方向が反応容器2に対して略水平方向であれば、第三挿入口55の下端位置550より上側で分割することが好ましい。第三挿入口55の下端位置550より下側に分割位置が有る場合には、開口面の面積が広い第二給気口52からのクリーンエアによって、バーナ火炎が乱れやすいため、スート割れなどの原因につながりやすい。
隣接する給気口について、開口面の周縁部間の最短距離は適宜調整し得るが、例えば、第一給気口51同士や第二給気口52同士の場合等、形状及びサイズが略同等である開口面間の場合には、通常、5〜50mmであることが好ましく、7〜35mmであることがより好ましい。
本発明において給気口は、その開口断面が反応容器の内側へ向けて漸次拡大するテーパ状とされている。図3に、第一給気口51の中心軸を含む平面を切断面とする拡大縦断面図を例示する。ここに例示する第一給気口51は、開口断面の形状が略円形状であって、反応容器2の内側へ向けて、開口径が漸次拡大されている。
先に述べた通り、堆積中の石英多孔質体表面に付着しなかったガラス微粒子の一部は、反応容器内で浮遊した後、反応容器内壁に付着して二次粒子となり、この二次粒子が石英多孔質体表面に付着することにより、母材に気泡が混入する。したがって、生成したガラス微粒子のうち、石英多孔質体表面に付着せずに反応容器内で浮遊しているものを、反応容器内壁に付着させないことが重要となる。
一方、従来の給気板における給気口は、図5の拡大縦断面図で例示するように、本発明における給気口のような形状を有していない。本発明者らは、鋭意検討の結果、このような従来の給気板7を使用した場合、たとえ給気板7に複数の給気口71を設け、該給気口71から反応容器内にクリーンエアを給気したとしても、給気口71が設けられていない領域の近傍ではガスの吹き溜りが生じ易く、その場合、吹き溜り近傍の給気板7表面にガラス微粒子が付着し易くなることを初めて見出した。吹き溜りが生じるのを抑制するために、給気口71の給気板7表面における開口面の面積を小さくして開口面間の間隔を小さくすると、ガスの配管抵抗が大きくなってしまい、必要なクリーンエアの流量が得られない。また、給気口71の上記開口面の面積を大きくすると、バーナの火炎が揺らいで不安定になるなど、石英多孔質体を安定して作製できない。
これに対し本発明では、給気口をテーパ状とすることで、開口面から広い角度でクリーンエアを反応容器内に給気し、給気板近傍にガスの吹き溜りが生じるのを抑制し、石英多孔質体表面に付着しなかったガラス微粒子を排気口から速やかに除去することで、給気板表面及び反応容器内壁へのガラス微粒子の付着を抑制するものである。
図3において、テーパ角度θは、クリーンエアの流量や開口面のサイズによって適宜設定すれば良いが、下限値は30°とすることが好ましい。テーパ角度θを30°以上とすることにより、一層高いガスの吹き溜り発生抑制効果が得られる。また、テーパ角度θの上限値は90°未満であれば良いが、60°とすることが好ましい。テーパ角度θを60°以下とすることにより、十分なガスの吹き溜り発生抑制効果を有する給気口を容易に加工できる。
給気板5の厚さTは、石英多孔質体10のサイズ等に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、直径100〜120mm、長さ700〜900mm程度の母材を作製する場合であれば、厚さTは3〜10mmであることが好ましく、4〜7mmであることがより好ましい。3mm以上とすることで、ガスの吹き溜り発生を抑制する一層高い効果が得られ、10mm以下とすることで給気板5を低コストで且つ容易に作製できる。
下部給気板5Aにおける第一給気口51が設けられた領域のサイズ、及び上部給気板5Bにおける第二給気口52が設けられた領域のサイズは、いずれも給気板5や石英多孔質体10のサイズに応じて適宜調製すれば良く、特に限定されない。
なお本発明において、給気口の形状は、図2及び3に例示するものに限定されない。例えば、給気口の開口断面は、円形状以外でも良く、四角形以外の多角形状でも良い。また、テーパ角度は、給気板の厚さ方向において一定でなくても良い。図4は、このような給気口を例示する図であり、給気口の中心軸を含む平面を切断面とする拡大縦断面図である。給気口のテーパ角度は段階的に変化していても良く、この場合、図4(a)に例示する給気口51’のように、給気板5の厚さ方向において、反応容器の内側へ向けてテーパ角度が段階的に増加することが好ましい。また、図4(b)に例示する給気口51’’のように、反応容器の内側へ向けてテーパ角度が連続的に増加するように内表面510’’が曲面を形成していても良い。
給気板5は、反応容器2と一体に設けられていても良いし、反応容器2に対して着脱可能とされていても良い。反応容器2と一体に設けることで、成形及び加工等、製造装置1の作製が容易となる。一方、反応容器2に対して着脱可能とすることで、形態の異なるその他の給気板も使用できるようになり、製造装置の汎用性が高まる。
製造装置1は、例えば、クリーンエア供給装置に接続されたブース内に設置すると良い。この場合、ブース内に供給されたクリーンエアが、給気板5に設けられた第一給気口51及び第二給気口52を介して、反応容器2内へ給気される。クリーンエアのクリーン度が高いほど、母材中への気泡混入の抑制効果が高くなるが、実用性も考慮すると、通常はクラス1000以下のクリーン度であれば良い。
本発明の製造装置は、ここまでに説明したものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、適宜異なる形態としても良い。
例えば、給気板としては、ここまで形状及びサイズが互いに異なる二種類の給気口を配置した例を示したが、給気口の配置形態はこれに限定されず、例えば、三種類以上の給気口を配置しても良く、目的に応じて適宜選択し得る。ただし、給気口の開口断面の形状は、加工が容易でかつ十分な効果が得られることから、略円形状又はスリット状であることが好ましい。また、一つの領域内に複数種類の給気口を配置しても良く、この場合、例えば、開口断面の形状が略円形状及びスリット状のものを組み合わせて配置することが好ましい。
給気口の数は、特に限定されないが、クリーンエアの流量、給気板のサイズ及び給気口の開口面の面積等を考慮して適宜調整することが好ましい。
また、給気口間の間隔は、必ずしも一様である必要性はないが、反応容器2内でのガス流の流れを安定化させるためには、少なくとも同一種類の給気口は所定の間隔で設けることが好ましい。
挿入口は、給気板の幅方向略中央部に直列に三個配置した例を示したが、配置場所及び配置数はこれに限定されず、クラッド作製用バーナの設置数及び設置場所に応じて、適宜調整すれば良い。
<光ファイバ用ガラス母材の製造方法>
上記本発明の製造装置を使用して、前記反応容器内において、前記給気口からクリーンエアを給気しつつ、ガラス原料ガスをバーナの火炎中に供給し、生成したガラス微粒子をターゲット上に堆積させて石英多孔質体とし、該石英多孔質体を焼結炉で焼結ガラス化することで、光ファイバ用ガラス母材を製造できる。
上記製造方法においては、本発明の製造装置を使用すること以外は、VAD法等の公知の方法を適用することで、気泡の混入が抑制された光ファイバ用ガラス母材が得られる。
本発明の製造装置は、給気板に設けられた給気口を、その開口断面が反応容器の内側へ向けて漸次拡大するテーパ状とすることにより、従来問題となっていた反応容器内におけるガスの吹き溜り発生を抑制し、反応容器内で浮遊しているガラス微粒子を速やかに除去できる。これにより、反応容器内壁や給気板表面へのガラス微粒子の付着を抑制できるので、堆積中の石英多孔質体表面へのガラス二次粒子の付着が抑制でき、母材中への気泡混入が抑制できる。そして例えば、ガラス原料ガスの供給量を多くしても、上記のように反応容器内で浮遊しているガラス微粒子の除去効率が高いので、石英多孔質体を大型化しても、気泡の混入が抑制された母材が得られる。このように本発明によれば、高品質の母材が製造できるので、母材の歩留まりを向上させることができる。
以下、具体的試験例により、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本試験例においては、気泡の混入が母材の品質へ及ぼす影響を、母材から作製した光ファイバにおける、下記式で定義される断線頻度で評価した。具体的には、断線頻度が1回/300km以下である母材は、品質が良好であると評価した。
断線頻度=断線回数(回)/1母材の紡糸長(km)
また、以下において、1Pam/sは、0.592SLMに相当する。
(試験例1)
図1に示すVAD装置を使用して、石英多孔質体を作製した。
給気板は、5mm×500mm×900mmのサイズで、図2に示す形態のものを使用した。第一給気口51は、開口面が直径6mmの円形状であり、これを給気板の幅方向及び高さ方向に10mmの間隔で(すなわち、前記方向の隣接する第一給気口の中心間距離が16mmとなるように)複数個配置した。第二給気口52は、開口面が13mm×350mmで幅方向に細長い四角形状であり、これを30mmの間隔で六個配置した。第一給気口51及び第二給気口52のテーパ角度は、いずれも45°とした。
コア作製用バーナには、SiClガスを0.34Pam/s、GeClガスを0.02Pam/s、水素ガスを16.9Pam/s、酸素ガスを33.8Pam/s、シールガスとしてアルゴンガスを1.69Pam/sの流量でそれぞれ供給した。また、クラッド作製用バーナには、各々のバーナごとにSiClガスを0.85〜16.9Pam/s、水素ガスを16.9〜118.3Pam/s、酸素ガスを25.35〜67.6Pam/s、シールガスとしてアルゴンガスを1.69〜5.07Pam/sの流量でそれぞれ供給した。また、排気口から反応容器内のガスを排気することにより、反応容器内部と反応容器外部との差圧が10〜15Paの陰圧となるようにした。
さらに、ここでは図示を省略するが、反応容器はクリーンブース内に設置し、クリーンエア供給装置からのクリーンエアの供給により、反応容器外部とクリーンブース外部との差圧が1〜3Paの陽圧となるようにした。
上記条件で作製した石英多孔質体を焼結炉で焼結ガラス化し、直径110mm×長さ800mmの母材を得た。
母材中の気泡の数を測定した結果、1mm以上の気泡は一個だけであり、気泡の混入が抑制されていた。この母材を直径30mmに延伸後、所定量のクラッドを外付けして、紡糸した。その際の断線頻度は、0.5回/300kmであり、良好な結果が得られた。
(試験例2)
第一給気口51及び第二給気口52のテーパ角度を、いずれも30°としたこと以外は、試験例1と同様の方法で母材を作製した。
母材中の気泡の数を測定した結果、1mm以上の気泡は認められず、気泡の混入が抑制されていた。この母材を使用した時の断線頻度は、0.3回/300kmであり、良好な結果が得られた。
(試験例3)
第一給気口51及び第二給気口52のテーパ角度を、いずれも60°としたこと以外は、試験例1と同様の方法で母材を作製した。
母材中の気泡の数を測定した結果、1mm以上の気泡は一個だけであり、気泡の混入が抑制されていた。この母材を使用した時の断線頻度は、0.7回/300kmであり、良好な結果が得られた。
(試験例4)
第一給気口51及び第二給気口52のテーパ角度を、いずれも20°としたこと以外は、試験例1と同様の方法で母材を作製した。
母材中の気泡の数を測定した結果、1mm以上の気泡は三個であり、この母材を使用した時の断線頻度は、1.2回/300kmであった。
(試験例5)
第一給気口51及び第二給気口52のテーパ角度をいずれも0°、すなわち、テーパ状ではない給気口を設けた給気板を使用したこと以外は、試験例1と同様の方法で母材を作製した。
母材中の気泡の数を測定した結果、1mm以上の気泡は五個であり、この母材を使用した時の断線頻度は、2.1回/300kmであって、良好な結果は得られなかった。
本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造装置を例示する概略断面図である。 本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造装置における給気板を例示する側面図である。 本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造装置における給気板に設けられた給気口を例示する拡大縦断面図である。 本発明に係る光ファイバ用ガラス母材の製造装置における給気板に設けられた他の給気口を例示する拡大縦断面図である。 従来の給気板に設けられた給気口を例示する縦断面図である。
符号の説明
1・・・製造装置、2・・・反応容器、3・・・コア作製用バーナ、4・・・クラッド作製用バーナ、5・・・給気板、5A・・・下部給気板、5B・・・上部給気板、6・・・排気口、10・・・石英多孔質体、51・・・第一給気口、52・・・第二給気口、53・・・第一挿入口、54・・・第二挿入口、55・・・第三挿入口

Claims (2)

  1. ガラス原料ガスからガラス微粒子を生成させ、該ガラス微粒子をターゲット上に堆積させて石英多孔質体とするための反応容器を備えた光ファイバ用ガラス母材の製造装置であって、
    前記反応容器には、ガラス原料ガスを火炎中に供給してガラス微粒子を生成させるバーナと、反応容器内へ給気するための第一給気口が複数個開口された下部給気板および第二給気口が複数個開口された上部給気板が組み合わされた構成をなす給気板と、反応容器内のガスを排気する排気口が設けられ、
    前記給気板は、反応容器のバーナ設置側に設けられており、
    前記第一給気口および前記第二給気口は、その開口断面が反応容器の内側へ向けて漸次拡大するテーパ状とされており、
    前記第一給気口および前記第二給気口のテーパ角度が30〜60°であり、
    前記給気板が、反応容器に対して着脱可能とされており、
    前記下部給気板は、前記第一給気口と重ならない位置に、前記バーナを挿入するための挿入口が穿設され、
    前記第一給気口は、前記給気板の表面における開口面が略円形状であり、
    前記第二給気口は、前記給気板の表面における開口面が幅方向に細長いスリット状であり、
    前記第二給気口の開口面の面積は、前記第一給気口の開口面の面積よりも大きいことを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造装置。
  2. 請求項1に記載の製造装置を使用して光ファイバ用ガラス母材を製造する方法であって、
    前記反応容器内において、前記給気口からクリーンエアを給気しつつ、ガラス原料ガスをバーナの火炎中に供給し、生成したガラス微粒子をターゲット上に堆積させて石英多孔質体とし、
    該石英多孔質体を焼結炉で焼結ガラス化して光ファイバ用ガラス母材とすることを特徴とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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