JP2000109327A - ガラス微粒子堆積装置 - Google Patents

ガラス微粒子堆積装置

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JP2000109327A
JP2000109327A JP28173998A JP28173998A JP2000109327A JP 2000109327 A JP2000109327 A JP 2000109327A JP 28173998 A JP28173998 A JP 28173998A JP 28173998 A JP28173998 A JP 28173998A JP 2000109327 A JP2000109327 A JP 2000109327A
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JP
Japan
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reaction vessel
glass
gas
air supply
exhaust port
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JP28173998A
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Masahide Kuwabara
正英 桑原
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス微粒子堆積装置の反応容器内において、
気流が乱れ、流れの淀み等を防止して、ガラス微粒子等
の内壁面への付着を防止する。 【解決手段】気体を供給する給気口11a及び内部の気
体を排出する排気口11bを有する反応容器11と、反
応容器内にてガラス微粒子を生成するバーナ12と、バ
ーナにより生成されるガラス微粒子を堆積させる種棒1
3とを備え、反応容器のそれぞれの内壁面に沿う気体の
流れがお互いに干渉しないように、排気口11bを形成
する通路を反応容器11の内壁面に対して滑らかに接続
し、給気口11aから清浄気体を供給すると共に反応容
器内での気体の流れが層流となるように排気口11bか
ら強制排気する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VAD法等によ
り、火炎中で生成されたガラス微粒子をターゲットに堆
積させて、多孔質の光ファイバ母材などを製造するガラ
ス微粒子堆積装置に関する。
【従来の技術】
【0002】光ファイバ母材の製造を行なう装置とし
て、ガラス原料と燃焼用ガスをバーナから噴出させて形
成される火炎中で、ガラス原料を火炎加水分解させてガ
ラス微粒子を生成し、このガラス微粒子をターゲットに
堆積させるVAD法を採用したガラス微粒子堆積装置
が、例えば、特開昭61−247634号公報、特開平
2−283632号公報に記載されている。
【0003】上記特開昭61−247634号公報に開
示のガラス微粒子堆積装置は、図4に示すように、反応
容器1の上方からターゲット棒2を挿入し、このターゲ
ット棒2の下方斜め領域に配置されたバーナ3から火炎
加水分解反応により生成されたガラス微粒子を噴射させ
てターゲット棒2に堆積させる構成において、反応容器
1の上端から大気を導入し、反応容器1の略中間部に配
置された充填物4により、反応容器1内で渦が発生する
のを抑制することで、反応容器1内のガスの流れを安定
させつつ、ターゲット棒2に付着しなかったガラス微粒
子あるいは未反応のガスを排気口5から排出させるもの
である。
【0004】また、上記特開平2−283632号公報
に開示のガラス微粒子堆積装置は、図5に示すように、
反応容器6の上方からターゲット棒7を挿入し、このタ
ーゲット棒7の下方斜め領域に配置されたバーナ8から
火炎加水分解反応により生成されたガラス微粒子を噴射
させてターゲット棒7に堆積させる構成において、反応
容器6の一側面に形成された空気流入孔6aから空気を
導入し、この空気流入孔6aが設けられた一側面と対向
する他側面に形成された排気口9から、ターゲット棒7
に付着しなかったガラス微粒子あるいは未反応のガスを
強制的に排出させる際に、反応容器6内のガス等をスム
ーズに排気させることでバーナ8の炎8aの揺らぎを抑
えて安定させるようにするため、排気口9の内側開口部
に筒状の整流板9aを設けたものである。
【0005】このようなガラス微粒子堆積装置におい
て、反応容器としては、200〜300℃の高温塩素又
は高温塩化水素雰囲気で劣化しないこと、清浄な雰囲気
を維持できること、内部観察が可能なこと等を満たすこ
とが要求され、これらの要求を満たすべく、反応容器と
しては、一般に石英ガラス製のものが用いられ、又、大
型化に伴い水冷ジャケットを備えた金属製のもので、表
面にポリ四フッ化エチレン(PTFE)のコーティング
を施し、その一部に石英ガラス製の窓を設けたものが用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ガラス微粒子堆積装置においては、以下の如き問題があ
った。すなわち、上記特開昭61−247634号公報
に開示のガラス微粒子堆積装置においては、図4(b)
に示すように、排気口5付近で通路が急激に絞られてい
るため、排気口5に向けて一様に流れてきた気流は、互
いに干渉しあって流れが乱されることになる。これによ
り、排気が不十分となり、排気口5付近の内壁面Wにガ
ラス微粒子等が付着し、この付着したガラス微粒子等が
剥がれ、上記気流の乱れと相まってこの剥がれたガラス
微粒子等が逆流する気流に乗って運ばれ、ターゲット棒
2に堆積したガラス微粒子堆積体Gに再付着する場合が
生ずる。その結果、得られたガラス微粒子堆積体Gで
は、その後の加熱焼結処理により、その内部に泡や結晶
が残留するという問題があった。
【0007】また、上記特開平2−283632号公報
に開示のガラス微粒子堆積装置においては、排気口9の
内側開口部に整流板9aを設けたことにより、バーナ8
の炎8aの揺らぎを抑え安定したガラス微粒子の堆積を
図るものの、依然として、排気口9付近で通路が急激に
絞られているため、図5(a),(b)に示すように、
整流板9aの付け根部分では流れの淀み等が生じる。こ
の淀みを生じる領域の内壁面Wにガラス微粒子等が付着
し、この付着したガラス微粒子等が剥がれ、この剥がれ
たガラス微粒子等が浮遊しあるいは逆流する気流に乗っ
て運ばれ、ターゲット棒2に堆積したガラス微粒子堆積
体Gに再付着する場合が生ずる。その結果、上述同様
に、得られたガラス微粒子堆積体Gでは、その後の加熱
焼結処理により、その内部に泡や結晶が残留するという
問題があった。
【0008】さらに、上記従来のガラス微粒子堆積装置
においては、装置の大型化が行なわれたことも相まっ
て、反応容器内での反応時間が長くなり、反応容器の内
壁面へのガラス微粒子等の付着が助長されるという問題
があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
成されたものであり、その目的とするところは、反応容
器内において、気流が乱れないように、あるいは、流れ
の淀み等が生じないようにして、反応容器内壁面へのガ
ラス微粒子等の付着を抑制し、得られるガラス微粒子堆
積体Gの内部における泡あるいは結晶等の欠陥の発生を
抑制できるガラス微粒子堆積装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するべく鋭意検討を行なった結果、以下の構成を
なす発明を見出すに至った。すなわち、本発明のガラス
微粒子堆積装置は、気体を供給する給気口及び内部の気
体を排出する排気口を有する反応容器と、この反応容器
内にてガラス微粒子を生成するバーナと、このバーナに
より生成されるガラス微粒子を堆積させるべく上記反応
容器内に挿入されるターゲットとを備えて、このターゲ
ットを基にガラス微粒子堆積体を成長させるガラス微粒
子堆積装置であって、上記給気口から清浄気体を供給す
ると共に、上記反応容器内での気体の流れが層流となる
ように上記排気口から強制排気されてなる、構成を特徴
としている。
【0011】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
反応容器のそれぞれの内壁面に沿う気体の流れが互いに
干渉しないように、上記排気口を形成する通路が、上記
反応容器の内壁面に対して滑らかに接続された、構成を
採用することができる。
【0012】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
給気口は、上記ターゲットに対して上記排気口とは反対
側の上記バーナ側に設けられ、かつ、上記ターゲットの
軸線を含む面に対して対称的に配置された少なくとも2
つの給気口からなる、構成を採用することができる。
【0013】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
排気口は、上記少なくとも2つの給気口に対向するよう
に配置された少なくとも2つの排気口からなる、構成を
採用することができる。
【0014】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
少なくとも2つの排気口の間に、上記反応容器内の気流
を各々の排気口に向けて滑らかに分離するような流線形
状の表面をなす整流部を形成した、構成を採用すること
ができる。
【0015】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
給気口に、粒径が0.1μm以上の微粒子を遮断するフ
ィルタを配置した、構成を採用することができる。
【0016】上記ガラス微粒子堆積装置において、上記
給気口から供給される気体としては、空気、不活性ガ
ス、酸素、窒素のうちのいずれか1種又は複数種を採用
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガラス微粒子
堆積装置の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】図1(a),(b)は、本発明に係るガラ
ス微粒子堆積装置の第1の実施形態を示す横断面図及び
縦断面図である。この実施形態に係るガラス微粒子堆積
装置は、図1に示すように、気体を供給する給気口11
a及び内部の気体を排出する排気口11bを有する反応
容器11と、この反応容器11内にてガラス微粒子を生
成するバーナ12と、このバーナ12により生成される
ガラス微粒子を堆積させるべく、挿通口11cから反応
容器11の内部に挿入されるターゲットとしての種棒1
3とを、その基本構成として備えている。
【0019】上記反応容器11は、壁面にポリ四フッ化
エチレン(PTFE)をコーティングしたアルミニウム
板を用いて全体が略箱形の形状をなすように形成されて
おり、上部の挿通口11cから挿入された種棒13を挟
んで対向するように、2つの略矩形形状をなす給気口1
1a及び1つの略矩形形状をなす排気口11bが形成さ
れている。
【0020】ここで、反応容器11を形成する材料とし
ては、200〜300℃の温度に耐え得る耐熱性、塩化
水素、水分等を含む雰囲気内で劣化しない耐腐食性等を
備える材料あれば、石英ガラス等でもよく、又、反応容
器11の内壁材料としては、発塵性をチェックの上、ガ
ラス繊維製フィルタ材、ポリプロピレン多孔質材、ある
いは、風量が多い場合は塩酸による劣化が少なくなるた
め、カーボン繊維製フィルタ材等を用いることができ
る。
【0021】ここで、2つの給気口11aは、図2に示
すように、種棒13の軸線を含む面Fに対して、対称と
なる位置に配置されている。このように、給気口11a
を対称的に配置することで、種棒13周りの気流が排気
口11bに向けて対称的な流線を描いて流れるようにな
る。尚、給気口11aの形状としては、上記1つの矩形
形状に開口させる他に、複数の円形孔を設けて全体とし
て矩形形状となるように構成することも可能である。ま
た、給気口11aの輪郭形状は、上記矩形形状に限るも
のではなく、例えば楕円形状、湾曲形状等その他の形状
を採用することができる。さらに、給気口11aとし
て、1つの給気口を種棒13の軸線が含まれる面Fが交
差する領域、すなわち、中央部に形成することもでき
る。
【0022】また、上記給気口11aの部分には、粒径
が0,1μm以上の微粒子を捕らえて反応容器11内に
侵入するのを遮断するフィルタ14が、それぞれ配置さ
れている。これにより、給気口11aから反応容器11
内に供給される気体を清浄な気体とすることができる。
【0023】上記排気口11bを形成する通路は、図1
(a)に示すように、反応容器11の内壁面すなわち側
面に対して滑らかに接続され、それぞれの側面に沿う気
体の流れがお互いに干渉しないように、すなわち、乱流
を生ずることなく層流となって流れるように、湾曲した
流線形状部11dとして一体的に形成されている。この
湾曲した流線形状部11dは、流体力学の理論に基づい
て、その曲率半径R1,R2、幅寸法H等が選定され
る。その具体的な寸法としては、反応容器11の幅寸法
S1が500〜1000mmに対して、好ましくは、R
1及びR2が250〜500mm、Hが20〜200m
mである。
【0024】上記バーナ12は、反応容器11の下面か
ら反応容器11の内部に突出させられて、種棒13の下
方斜め領域でかつ種棒13と給気口11aとの間の領域
に先端が位置するように配置されている。また、このバ
ーナ12は、本実施形態において2個設けたが、必要に
応じて1個あるいは3個以上の複数個設けることが可能
である。尚、バーナ12を1個設ける場合は、その軸線
すなわち吹き出し方向が面F上に位置するように配置す
るのがよく、複数個設ける場合は、面F上に上下に配列
させるように、又は、面Fに対して対称となるように配
置するのがよい。このように配置することで、種棒13
周りの気流が排気口11bに向けて対称的な流線を描い
て流れるようにすることができる。
【0025】上記反応容器11内において、種棒13を
基にガラス微粒子堆積体Gを成長させる場合には、給気
口11aから清浄気体を供給手段(不図示)により供給
し、排気口11bから反応容器11内の気体を排出し、
排気処理手段(不図示)で後処理を行なった後、外気に
放出されることになるが、この反応容器11内での気体
の流れが乱流を生じることなく層流となるように、給気
量及びバーナ12からの噴射量との関係により得られる
相対的な排気量で強制排気される。
【0026】ここで、層流状態を発生させるには、例え
ば、給気口11aから反応容器11内への気体の給気量
を2〜10m3 /min、バーナ12から反応容器11
内へのガスの噴射量を0.05〜0.5m3 /min、
排気口11bからの排気量を2〜10m3 /min、反
応容器11内の圧力を1.0〜1.1atmの範囲でそ
れぞれ選定するのが好ましい。また、このような層流流
れを得るために、必要に応じて排気口11b側に吸引手
段(不図示)を採用することも可能である。尚、上記排
気処理手段による後処理は、未堆積のガラス微粒子、副
生成物である塩素あるいは塩酸、バーナ12にて反応し
なかった未反応原料等を除去し、無害化するためのもの
である。
【0027】また、反応容器11内での気体の流れを層
流とするには、上述の如く反応容器11の内壁面の形
状、特に排気口11bの領域の内壁面の形状の依存度が
大きく、この形状を上述のように湾曲した滑らかな形状
で形成することにより行なわれるが、給気口11a側と
排気口11b側との圧力差、レイノルズ数を左右する気
体の動粘度,反応容器11内の壁面形状,通路長さ等を
も考慮して種々選定して行なわれる。
【0028】上記反応容器11内に供給される気体とし
ては、空気、不活性ガス、酸素、窒素のうちのいずれか
1つの気体を採用することができ、又、これら空気、不
活性ガス、酸素、窒素のうちの少なくとも2種以上から
なる混合気体を採用することもできる。
【0029】次に、この第1の実施形態に係るガラス微
粒子堆積装置の動作について説明する。先ず、反応容器
11の挿通口11cから種棒13を挿入し、この種棒1
3の下端部領域に向けられたバーナ12に、気相のガラ
ス原料、気相のドープ原料、酸素、水素、アルゴン等の
緩衝ガス等を供給し、これらのガスの火炎加水分解反応
により生成されたガラス微粒子を、バーナ12から噴射
させる。
【0030】そして、この噴射させられたガラス微粒子
を種棒13の下端部に付着させ、種棒13を駆動手段
(不図示)により回転させながら上方に引き上げていく
ことにより、均一でムラの無いガラス微粒子堆積体を成
長させる。
【0031】一方、供給手段(不図示)により、給気口
11aから、気体ここでは清浄空気を反応容器11内に
供給し、反対側に位置する排気口11bから内部の気体
を排出させる。この際、反応容器11内の圧力は、外部
に比べて約+10-3atm に維持され、排気口11bから
の排気量は、約10m3 /minとなるように調整す
る。
【0032】これにより、給気口11aから供給された
空気は、種棒13及びガラス微粒子堆積体Gを挟み込む
ようにして、面Fに対して対称的な流線を描き、排気口
11bに向けて流れる。そして、排気口11bの領域で
は、この領域の内壁面が湾曲して滑らかに形成されてい
ることから、反応容器11の両側の内壁面に沿って流れ
てきた空気等は、お互いに干渉し合って乱流となること
なく、層流の状態で排気口11bに向けて流れ込むこと
になる。
【0033】したがって、未堆積の浮遊したガラス微粒
子等は、反応容器11の内壁面特に排気口11bの近傍
領域に付着することなく、気流に乗って排気口11bに
導かれることになる。これにより、生成されたガラス微
粒子堆積体Gは、その後の加熱焼結処理によりガラス化
しても泡あるいは結晶等を生ずることなく、この品質の
良いガラス微粒子堆積体を光ファイバ母材等として用い
ることができる。
【0034】ここで、上記実施形態に係るガラス微粒子
堆積装置により、ガラス微粒子堆積体を製造したとこ
ろ、反応容器11の内壁面へのガラス微粒子、未反応原
料等の付着はなく、又、得られたガラス微粒子堆積体G
のガラス化後においても、泡あるいは結晶等の欠陥の存
在は認められなかった。
【0035】図3(a),(b)は、本発明に係るガラ
ス微粒子堆積装置の第2の実施形態を示す横断面図及び
縦断面図である。この実施形態に係るガラス微粒子堆積
装置は、図3に示すように、気体を供給する給気口21
a及び内部の気体を排出する排気口21bを有する反応
容器21と、この反応容器21内にてガラス微粒子を生
成するバーナ22と、このバーナ22により生成される
ガラス微粒子を堆積させるべく、挿通口21cから反応
容器21の内部に挿入されるターゲットとしての種棒2
3とを、その基本構成として備えている。
【0036】上記反応容器21は、壁面にポリ四フッ化
エチレン(PTFE)をコーティングしたアルミニウム
板を用いて全体が略箱形の形状をなすように形成されて
おり、上部の挿通口21cから挿入された種棒23を挟
んで対向するように、2つの略矩形形状をなす給気口1
1a及び2つの略矩形形状をなす排気口21bが形成さ
れている。
【0037】ここで、2つの給気口21aと2つの排気
口21bとは、それぞれが対向して対となるように配置
されている。尚、反応容器21を形成する材料として
は、200〜300℃の温度に耐え得る耐熱性、塩化水
素、水分等を含む雰囲気内で劣化しない耐腐食性等を備
える材料あれば、石英ガラス等でもよく、又、反応容器
21の内壁材料としては、発塵性をチェックの上、ガラ
ス繊維製フィルタ材、ポリプロピレン多孔質材、あるい
は、風量が多い場合は塩酸による劣化が少なくなるた
め、カーボン繊維製フィルタ材等を用いることができ
る。
【0038】また、2つの給気口21aは、前述実施形
態と同様に、種棒23の軸線を含む面Fに対して、対称
となる位置に配置されている。このように、給気口21
aを対称的に配置することで、種棒23周りの気流が排
気口21bに向けて対称的な流線を描いて流れるように
なる。尚、給気口21aの形状としては、上記1つの矩
形形状に開口させる他に、複数の円形孔を設けて全体と
して矩形形状となるように構成することも可能である。
また、給気口21aの輪郭形状は、上記矩形形状に限る
ものではなく、例えば楕円形状、湾曲形状等その他の形
状を採用することができる。さらに、給気口21aとし
て、1つの給気口を種棒23の軸線が含まれる面Fが交
差する領域、すなわち、中央部に形成することもでき
る。
【0039】また、上記給気口21aの部分には、粒径
が0,1μm以上の微粒子を捕らえて反応容器21内に
侵入するのを遮断するフィルタ24が、それぞれ配置さ
れている。これにより、給気口21aから反応容器21
内に供給される気体を清浄な気体とすることができる。
【0040】一方、上記2つの排気口21bは、上述給
気口21aと同様に、種棒23の軸線を含む面Fに対し
て、対称となる位置に配置されている。このように、2
つの排気口21bを対称的に配置することで、種棒23
の周りを対称的な流線を描いて流れてきた気流同士を衝
突させることなく、それぞれの排気口21bに導くこと
ができる。
【0041】また、上記2つの排気口21bの間には、
反応容器21内の気流を各々の排気口21bに向けて滑
らかに分離するような流線形状の表面をなす整流部25
が形成されている。この整流部25は、図3(a)に示
すように、反応容器21の略中央部すなわち種棒23の
軸線を通る面F上に頂部25aを有し、この頂部25a
を起点として反応容器21内の気流が両側に分離され、
乱流を生ずることなく層流となって流れるように、湾曲
した流線形状部25bとして一体的に形成されている。
この湾曲した流線形状部25bは、流体力学の理論に基
づいて、その曲率半径R3,R4等が選定され、又、排
気口21bの幅寸法L等が選定される。その具体的な寸
法としては、反応容器21の幅寸法S2が500〜10
00mmに対して、好ましくは、R3及びR4が250
〜500mm、Lが10〜100mmである。
【0042】上記バーナ22は、前述実施形態と同様
に、反応容器21の下面から反応容器21の内部に突出
させられて、種棒23の下方斜め領域でかつ種棒23と
給気口21aとの間の領域に先端が位置するように配置
されている。また、このバーナ22は、本実施形態にお
いて2個設けたが、必要に応じて1個あるいは3個以上
の複数個設けることが可能である。尚、バーナ22を1
個設ける場合は、その軸線すなわち吹き出し方向が面F
上に位置するように配置するのがよく、複数個設ける場
合は、面F上に上下に配列させるように、又は、面Fに
対して対称となるように配置するのがよい。このように
配置することで、種棒23周りの気流が2つの排気口2
1bに向けて対称的な流線を描いて流れるようにするこ
とができる。
【0043】上記反応容器21内において、種棒23を
基にガラス微粒子堆積体Gを成長させる場合には、給気
口21aから清浄気体を供給手段(不図示)により供給
し、排気口21bから反応容器21内の気体を排出し、
排気処理手段(不図示)で後処理を行なった後、外気に
放出されることになるが、この反応容器21内での気体
の流れが乱流を生じることなく層流となるように、給気
量及びバーナ22からの噴射量との関係により得られる
相対的な排気量で強制排気される。
【0044】ここで、層流状態を発生させるには、例え
ば、給気口21aから反応容器21内への気体の給気量
を2〜10m3 /min、バーナ22から反応容器21
内へのガスの噴射量を0.05〜0.5m3 /min、
排気口21bからの排気量を2〜10m3 /min、反
応容器21内の圧力を1.0〜1.1atmの範囲でそ
れぞれ選定するのが好ましい。また、このような層流流
れを得るために、必要に応じて排気口21b側に吸引手
段(不図示)を採用することも可能である。尚、上記排
気処理手段による後処理は、未堆積のガラス微粒子、副
生成物である塩素あるいは塩酸、バーナ22にて反応し
なかった未反応原料等を除去し、無害化するためのもの
である。
【0045】また、反応容器21内での気体の流れを層
流とするには、上述の如く反応容器21の内壁面の形
状、特に排気口21bの領域の内壁面の形状の依存度が
大きく、この部分に上述のような整流部25を形成する
ことにより行なわれるが、給気口21a側と排気口21
b側との圧力差、レイノルズ数を左右する気体の動粘
度,反応容器21内の壁面形状,通路長さ等をも考慮し
て種々選定して行なわれる。
【0046】上記反応容器21内に供給される気体とし
ては、前述実施形態と同様に、空気、不活性ガス、酸
素、窒素のうちのいずれか1つの気体を採用することが
でき、又、これら空気、不活性ガス、酸素、窒素のうち
の少なくとも2種以上からなる混合気体を採用すること
もできる。
【0047】次に、この第2の実施形態に係るガラス微
粒子堆積装置の動作について説明する。先ず、反応容器
21の挿通口21cから種棒23を挿入し、この種棒2
3の下端部領域に向けられたバーナ22に、気相のガラ
ス原料、気相のドープ原料、酸素、水素、アルゴン等の
緩衝ガス等を供給し、これらのガスの火炎加水分解反応
により生成されたガラス微粒子を、バーナ22から噴射
させる。
【0048】そして、この噴射させられたガラス微粒子
を種棒23の下端部に付着させ、種棒23を駆動手段
(不図示)により回転させながら上方に引き上げていく
ことにより、均一でムラの無いガラス微粒子堆積体Gを
成長させる。
【0049】一方、供給手段(不図示)により、給気口
21aから、気体ここでは清浄空気を反応容器21内に
供給し、反対側に位置する排気口21bから内部の気体
を排出させる。この際、反応容器21内の圧力は、外部
に比べて約+10-3atm に維持され、排気口21bから
の排気量は、約10m3 /minとなるように調整す
る。
【0050】これにより、給気口21aから供給された
空気は、種棒23及びガラス微粒子堆積体Gを挟み込む
ようにして、面Fに対して対称的な流線を描き、排気口
21bに向けて流れる。この際、排気口21bの領域で
は、略中央部に形成された整流部25により、気流が2
つに分離され、その流線形状部25bの表面に沿って、
乱流を生じることなく層流状態で、それぞれの排気口2
1b内に流れ込むことになる。
【0051】したがって、未堆積の浮遊したガラス微粒
子等は、反応容器21の内壁面特に排気口21bの近傍
領域に付着することなく、気流に乗って排気口21bに
導かれることになる。これにより、生成されたガラス微
粒子堆積体Gは、その後の加熱焼結処理によりガラス化
しても、泡あるいは結晶等を生ずることなく、この品質
の良いガラス微粒子堆積体を光ファイバ母材等として用
いることができる。
【0052】ここで、上記実施形態に係るガラス微粒子
堆積装置により、ガラス微粒子堆積体Gを製造したとこ
ろ、反応容器21の内壁面へのガラス微粒子、未反応原
料等の付着はなく、又、得られたガラス微粒子堆積体G
のガラス化後においても泡、結晶等の欠陥の存在は認め
られなかった。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のガラス微粒
子堆積装置によれば、気体を供給する給気口及び内部の
気体を排出する排気口を有する反応容器と、この反応容
器内にてガラス微粒子を生成するバーナと、このバーナ
により生成されるガラス微粒子を堆積させるべく反応容
器内に挿入されるターゲットとを備え、給気口から清浄
気体を供給すると共に排気口から強制排気する際に、反
応容器内での気体の流れが層流となるような排気量で強
制排気するようにしたことにより、未堆積の浮遊したガ
ラス微粒子、未反応の原料等は、気流に乗って排気口に
導かれ、反応容器の内壁面特に排気口の近傍領域へ付
着、あるいは、浮遊によって逆流しガラス微粒子堆積体
へ再付着するのを防止することができる。これにより、
生成されたガラス微粒子堆積体を加熱焼結処理によりガ
ラス化しても、その内部に泡あるいは結晶等を生ずるこ
となく、品質の良いガラス微粒子堆積体を製造すること
ができる。
【0054】上記ガラス微粒子堆積装置において、反応
容器のそれぞれの内壁面に沿う気体の流れがお互いに干
渉しないように、排気口を形成する通路を、反応容器の
内壁面に対して滑らかに接続したことにより、排気口領
域での気流の乱れを防止でき、気流の層流化を一層確実
にすることができる。
【0055】上記ガラス微粒子堆積装置において、給気
口を、ターゲットである種棒に対して排気口とは反対側
のバーナ側に設け、かつ、ターゲットの軸線を含む面に
対して対称的に配置した少なくとも2つの給気口として
形成したことにより、ターゲットを基に生成さるガラス
微粒子堆積体の周りにおいて、気流を対称的な状態とす
ることができ、バーナから出る火炎の揺らぎ等を防止し
て安定したガラス微粒子の生成及び体積を行なわせるこ
とができる。
【0056】また、上記ガラス微粒子堆積装置におい
て、排気口を、少なくとも2つの給気口に対向するよう
に配置された少なくとも2つの排気口として形成したこ
とにより、各々の給気口から供給された気体の流れを、
それぞれに対応する各々の排気口に導くことができ、こ
れにより、反応容器内で両側面に沿う流れ同士が干渉す
るのを確実に防止して絞り損失等を低減させることがで
き、反応容器内での気流の層流化を促進させることがで
きる。
【0057】さらに、上記ガラス微粒子堆積装置におい
て、少なくとも2つの排気口の間に、反応容器内の気流
を各々の排気口に向けて滑らかに分離するような流線形
状の表面をなす整流部を形成したことにより、反応容器
内の流れを2分して流れの絞り損失等を一層低減させる
ことができ、反応容器内での気流の層流化を一層促進さ
せることができる。
【0058】上記ガラス微粒子堆積装置において、給気
口に、粒径が0.1μm以上の微粒子を遮断するフィル
タを配置したことにより、反応容器内に清浄な気体を供
給することができ、これにより、内壁面への付着の原因
となる微粒子、あるいは、ガラス微粒子等の付着の際の
核となる微粒子、さらには、ガラス微粒子堆積体内に入
り込む不要な微粒子等を予め取り除くことができる。
【0059】上記ガラス微粒子堆積装置において、給気
口から供給される気体として、空気、不活性ガス、酸
素、窒素のうちのいずれか、あるいは、これら空気、不
活性ガス、酸素、窒素のうちの少なくとも2種以上から
なる混合気体を用いることにより、不要な反応等を生ず
ることなく、安定してガラス微粒子堆積体を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス微粒子堆積装置の第1の実
施の形態を示すものであり、(a)は横断面図、(b)
は縦断面図である。
【図2】図1に示すガラス微粒子堆積装置の給気口側か
らの側面図である。
【図3】本発明に係るガラス微粒子堆積装置の第2の実
施の形態を示すものであり、(a)は横断面図、(b)
は縦断面図である。
【図4】従来のガラス微粒子堆積装置を示すものであ
り、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図5】従来のガラス微粒子堆積装置を示すものであ
り、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【符号の説明】
11 反応容器 11a 給気口 11b 排気口 11c 挿通口 12 バーナ 13 種棒(ターゲット) 14 フィルタ 21 反応容器 21a 給気口 21b 排気口 21c 挿通口 22 バーナ 23 種棒(ターゲット) 24 フィルタ 25 整流部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を供給する給気口及び内部の気体を
    排出する排気口を有する反応容器と、前記反応容器内に
    てガラス微粒子を生成するバーナと、前記バーナにより
    生成されるガラス微粒子を堆積させるべく前記反応容器
    内に挿入されるターゲットとを備えて、前記ターゲット
    を基にガラス微粒子堆積体を成長させるガラス微粒子堆
    積装置であって、 前記給気口から清浄気体を供給すると共に、前記反応容
    器内での気体の流れが層流となるように前記排気口から
    強制排気されてなる、ことを特徴とするガラス微粒子堆
    積装置。
  2. 【請求項2】 前記反応容器のそれぞれの内壁面に沿う
    気体の流れが互いに干渉しないように、前記排気口を形
    成する通路は、前記反応容器の内壁面に対して滑らかに
    接続されてなる、ことを特徴とする請求項1記載のガラ
    ス微粒子堆積装置。
  3. 【請求項3】 前記給気口は、前記ターゲットに対して
    前記排気口とは反対側の前記バーナ側に設けられ、か
    つ、前記ターゲットの軸線を含む面に対して対称的に配
    置された少なくとも2つの給気口からなる、ことを特徴
    とする請求項1又は2記載のガラス微粒子堆積装置。
  4. 【請求項4】 前記排気口は、前記少なくとも2つの給
    気口に対向するように配置された少なくとも2つの排気
    口からなる、ことを特徴とする請求項3記載のガラス微
    粒子堆積装置。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも2つの排気口の間には、
    前記反応容器内の気流を各々の排気口に向けて滑らかに
    分離するような流線形状の表面をなす整流部が形成され
    ている、ことを特徴とする請求項4記載のガラス微粒子
    堆積装置。
  6. 【請求項6】 前記給気口には、粒径が0.1μm以上
    の微粒子を遮断するフィルタが配置されている、ことを
    特徴とする請求項1ないし5いずれか1つに記載のガラ
    ス微粒子堆積装置。
  7. 【請求項7】 前記給気口から供給される気体は、空
    気、不活性ガス、酸素、窒素のうちのいずれか1種又は
    複数種である、ことを特徴とする請求項1ないし6いず
    れか1つに記載のガラス微粒子堆積装置。
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