JP5149809B2 - 眼鏡用プラスチックレンズ及びその製造方法並びにその方法に用いるコーティング液塗布具 - Google Patents

眼鏡用プラスチックレンズ及びその製造方法並びにその方法に用いるコーティング液塗布具 Download PDF

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Description

本発明は耐光性を向上した眼鏡用プラスチックレンズ及びその製造方法並びにその方法に用いるコーティング液塗布具に関する。
従来の眼鏡用プラスチックレンズが製造されてから眼鏡フレームに取付けられるまでの一般的な流れを以下に簡単に説明する。
はじめにプラスチックレンズ原料が、注型成形や射出成形などの公知の技術により成形型に注入され硬化されて所定の形状にレンズが成形される。成形されたレンズの形状としては、光学的に仕上げられていない面を少なくとも片面に有するレンズブランク(セミフィニッシュトレンズを含む)と、両面とも光学的に仕上げられた面を有するフィニッシュトレンズとがある。
フィニッシュトレンズの場合は、両光学面を含むレンズ表面にハードコート、反射防止膜、撥水膜、防曇膜、防汚膜、ミラーコートなどの各種コーティングが施された後、顧客のオーダに応じて玉形加工され、また必要に応じてフレーム取付用加工が施されて、その加工済みレンズが眼鏡フレームに取付けられて眼鏡が完成する。
また、レンズブランクの場合は、顧客のオーダに応じて、光学的に仕上げられていない光学面を切削、研磨して光学的に仕上げてフィニッシュトレンズが形成される。その後の工程は、前記フィニッシュトレンズの場合と同様に各種コーティングを施され、玉形加工され、必要によりフレーム取付用加工が施され、その加工済みレンズが眼鏡フレームに取付けられて眼鏡が完成する。
なお、前記玉形加工とは、レンズが取り付けられる眼鏡フレームのレンズ枠形状や指定された玉形形状へレンズの縁を加工するとともに、希望の端面形状(例えばヤゲン、平、溝、その他光学面と縁面との角の面取りなど)へ加工することを言うこととする。
また、前記フレーム取付用加工とは、縁無し枠のようにリムがレンズを取り巻かない眼鏡フレームにレンズを取付ける場合に、玉形加工後のレンズの縁部近くの光学面や縁面にフレーム(智やブリッジ)を取付けるための穴や溝などを形成するための切削加工を言うこととする。
そして、玉形加工とフレーム取付用加工とを総称して、レンズ加工と言うこととする。
前記例示した端面形状のうちヤゲンとは、例えばフルリム枠に取付ける場合に、レンズの縁面に周方向に沿って形成される断面V字形状の突条である。
また、前記例示した端面形状のうち溝とは、例えば溝掘り枠や、ワイヤー状あるい薄板状のリムを備えた眼鏡枠に取付ける場合に、レンズを保持する部材であるナイロン糸などのバンド、T溝、ワイヤー、薄板材などが嵌る溝であり、レンズ縁面の周方向に沿って部分的あるいは全周に渡って形成される。このような溝の断面形状は、通常、溝の幅は0.5〜1mm程度、深さが0.3〜0.6mm程度の底が半円形、V字形状、矩形、あるいは底の方の幅が狭い台形形状をしている。
前記例示した端面形状のうち平とは、例えば縁無し枠のようにリムがレンズを取り巻かない眼鏡フレームに取付ける場合に、レンズ縁面を凹凸なく断面が平らに加工された端面形状を言う。
なお、上記した製造工程を、全てレンズメーカーにおいて行ない、完成した眼鏡を眼鏡店や顧客に納品する場合の他に、各種コーティングが施された玉形加工前の眼鏡レンズをレンズメーカーから眼鏡店に納品し、眼鏡店において玉形加工以後の工程を行なう場合や、各種コーティングが施された玉形加工済みの眼鏡レンズをレンズメーカーから眼鏡店に納品し眼鏡店おいて玉形加工より後の工程を行なう場合もある。
図1は、従来の玉形加工後の眼鏡用プラスチックレンズの例であり、一般にツーポイントあるいはスリーピースと呼ばれている縁なし枠取付け用に切削加工が施されたレンズの例である。図1において、レンズ10は、両光学面が光学的に仕上げられハードコーティングを含む各種コーティングが施されているレンズが、指定された玉形に玉形加工して形成されているため、レンズ10の光学面(レンズ前面11とレンズ後面12)にはハードコートを含む各種コーティングが設けられており、レンズ10の縁面13は前記玉形加工によりレンズ基材がむき出しになっている。なお、この縁面13はつや無しの状態にしている場合と、研磨によりつや有りの状態にしている場合がある。レンズ10の左右周縁近傍には、レンズ前後面を貫通する直径1.4mm程度のビスを通すためのビス用孔14a、14b(通常直径1.6〜2.0mm程度)がドリルにより形成され、この孔14a、14bを利用してブリッジや智のレンズ保持部がレンズ前後面を挟むようにしてビス止めされる。
また、上記図1記載の例は、フレーム取付用加工が光学面に形成された穴の場合であるが、これ以外のフレーム取付用加工の例としては、レンズ縁面からレンズ内側に向かって形成された穴(特許文献5、特許文献7)、や、レンズ縁面に形成された溝(特許文献6)、レンズ光学面に形成された溝(特許文献7の図14)などがある。
ところで、眼鏡用プラスチックレンズに用いられるレンズ材料は、成形後、外界から放射される光(特に紫外放射)の影響により変色する。近年、高屈折率化の要求から硫黄含有率を高くしたレンズ(例えば40%以上)や、芳香環を有する成分を含有したレンズが有り、これらのレンズは、従来のレンズに比べ耐光性が低いという問題があった。このため、通常、眼鏡用プラスチックレンズには紫外線吸収能が付与されており、例えば、紫外線吸収剤を予めプラスチックレンズモノマーに混合し重合させたり(特許文献1,2)、紫外線吸収剤を分散させた水溶液にプラスチックレンズを浸漬させたり(特許文献3)、紫外線吸収及び/又は散乱する物質をプラスチックレンズ表面に塗布したり(特許文献4)して耐光性を向上させている。
このような紫外線吸収能の付与により、レンズの変色はかなり抑えられる。また、レンズの内部に比べ変色しやすい表面付近では、前記したとおり、ハードコートや反射防止膜などがコーティングされているので、これらに含まれているTiなどの成分が紫外線を反射や吸収する働きをしており、玉形加工前のレンズ表面の変色は抑えられている。
しかしながら、玉形加工されたレンズの縁面やフレーム取付用加工を施した面(以下、本明細書においては単にフレーム取付用加工面ともいう。また、このフレーム取付用加工面(例えば、上述のビス用孔14a、14bの内面)と前記玉形加工されたレンズ縁面(玉形加工面)を総称してレンズ加工面とも言う)は、ハードコートや反射防止膜などのコーティングが存在せず、基材がむき出しになっているため、それらの表面付近は、レンズ内部や、ハードコートや反射防止膜がコーティングされているレンズ表面(通常はレンズ光学面)に比べて変色し易いという問題があった。
特開昭58−122501号公報 特開2001−91906号公報 特開2001−91908号公報 特開平9−265059号公報 特開平7−230062号公報 特開平2002−14303号公報 国際公開番号WO2004/107021号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、レンズ加工後のレンズ縁面やフレーム取付用加工面の変色を防止する眼鏡用プラスチックレンズ及びその製造方法を提供することを目的とする。また、その製造方法で用いるのに適した塗布具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、レンズ加工面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布し硬化させ硬化コート層を形成することにより前記課題を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1.プラスチックレンズの玉形加工後の縁面上に、紫外線吸収剤を含有する透明な硬化コート層が形成されていることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズ、
2.プラスチックレンズのフレーム取付用加工後の加工面上に、紫外線吸収剤を含有する透明な硬化コート層が形成されていることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズ、
3.前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物であることを特徴とする上記1又は2に記載の眼鏡用プラスチックレンズ、
4.前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、ポリウレタンエマルジョンを含有する一液性の水性液であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ、
5.前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、2液硬化型の材料からなり、シロキサン架橋型反応性ポリマーを含有する第一液と有機シラン化合物を含有する第二液との混合液であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ、
6.前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、青色の染料を含有していることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ、
7.前記プラスチックレンズが、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、且つハードコートが施されていることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ、
8.プラスチックレンズを玉形加工する工程と、玉形加工後の該プラスチックレンズの縁面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含むことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
9.プラスチックレンズにフレーム取付加工を施す工程と、フレーム取付用加工後の加工面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含むことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
10.前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物であることを特徴とする上記8又は9に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
11.前記コーティング液が、ポリウレタンエマルジョンを含有する一液性の水性液であることを特徴とする上記8〜10のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
12.前記コーティング液が2液硬化型の材料からなり、シロキサン架橋型反応性ポリマーを含有する第一液と有機シラン化合物を含有する第二液との混合液であることを特徴とする上記8〜10のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
13.前記コーティング液が、青色の染料を含有していることを特徴とする上記8〜12のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
14.前記プラスチックレンズが、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、且つハードコートが施されていることを特徴とする上記8〜13のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法、
15.紫外線吸収剤を含有したコーティング液が充填された容器と、その容器に連なりコーティング液を容器外にしみ出させる塗布部と、非使用時に該塗布部を密閉する密閉部材とを備えたコーティング液塗布具であって、該コーティング液は水性であり、眼鏡用プラスチックレンズに該コーティング液を塗布するのに用いられることを特徴とするコーティング液塗布具、
16.前記眼鏡用プラスチックレンズのレンズ加工面に前記コーティング液を塗布するのに用いられることを特徴とする請求項15に記載のコーティング液塗布具。
17.前記レンズ加工面が玉形加工後の縁面であることを特徴とする上記16に記載のコーティング液塗布具、
18.前記レンズ加工面がフレーム取付用加工後の加工面であることを特徴とする上記16に記載のコーティング液塗布具、
19.前記塗布部が、筆穂体又は繊維芯からなることを特徴とする上記15〜18のいずれかに記載のコーティング液塗布具、
20.前記塗布部が、細い塗布部と、太い塗布部との少なくとも二種類を備えていることを特徴とする上記15〜19のいずれかに記載のコーティング液塗布具、
21.前記塗布部にレンズ縁面に形成されたヤゲンの表面を塗布するためのV字状溝が形成されていることを特徴とする上記15記載のコーティング液塗布具、及び
22.前記塗布部にレンズ縁面に形成された溝の内面を塗布するための突起部が形成されていることを特徴とする上記15記載のコーティング液塗布具である。
本発明によれば、レンズ玉形加工後のレンズ縁面やフレーム取付用加工後の加工面の変色(特に黄変)を効果的に防止する眼鏡用プラスチックレンズを得ることができる。レンズ縁面は、レンズの周囲に位置し面積も広いため、レンズ縁面が変色していると外部から光がこのレンズ縁面を透過してレンズ基材内に入射し、レンズ基材までもが変色しているように見えてしまう場合があるが、本発明によりレンズ縁面の変色が防止されるため変色が目立つことがない。特にリムに覆われていないレンズ縁面に本発明を適用すると効果的である。また、フレーム取付用加工後の加工面は、レンズ縁面よりレンズ中央側に近いことから、変色していると外部から目立ったり装用者自身の視界に入ったりする可能性もあるが、本発明により変色が防止されるため変色が目立たない。
また、玉形加工やフレーム取付用加工でレンズ縁面に形成された溝や穴は、眼鏡装用中に正面から見える部分であるので本発明を適用すると効果的である。
また、本発明の塗布具は、レンズの縁面やフレーム取付用加工面に容易に塗布できるので、紫外線吸収剤を含有した硬化コート層が容易に得られる。
従来の玉形加工後の眼鏡用プラスチックレンズの斜視図である。 本発明のコーティング液塗布具の一実施態様の断面概略図である。 本発明のコーティング液塗布具の他の実施態様の断面概略図である。 本発明のコーティング液塗布具に用いる塗布部の他の実施態様の側面図及び平面図である。 本発明のコーティング液塗布具に用いる塗布部の他の実施態様の側面図及び平面図である。
符号の説明
10 眼鏡用プラスチックレンズ
11 レンズ前面
12 レンズ後面
13 縁面
14a、14b ビス用孔
20 コーティング液塗布具
21 軸筒
21a 先端部
22 コーティング液収容部
23 コーティング液誘導管
24 塗布部
24a 筆穂体
24b 細径芯体
24c 太径芯体
25 弁体
26 弾性部材
27 筆穂体固定管
28 筒状部材
29 蛇腹状可動部材
30 ノック冠
40 キャップ
241 先端部のV字状溝
242 先端面
243 傾斜面
245 突起部
246a、246b 側面部のV字状溝
本発明の眼鏡用プラスチックレンズを以下説明する。
はじめに、本発明を適用するレンズ加工面が玉形加工のレンズ縁面(玉形加工面)である第1の実施態様について説明する。
本発明の第1の実施態様の眼鏡用プラスチックレンズは、玉形加工後の縁面に紫外線吸収剤を含有する硬化コート層を有することを特徴とする。プラスチックレンズの両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、少なくともハードコートが施されていることが好ましい。
本発明に用いられるプラスチックレンズは眼鏡用であれば特に限定しないが、例えば硫黄含有率(40重量%以上)が高いレンズのように、比較的耐光性の低いプラスチックレンズに対してはより優れた効果を奏し、そのようなレンズとしては、ポリチオウレタン系樹脂、ポリウレタンウレア系樹脂、エピスルフィド系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。アッベ数が40以下のプラスチックレンズに対しては特に優れた効果を奏することができる。アッベ数が40以下であるプラスチックレンズが特に変色(通常黄変)し易いからである。
ここで、アッベ数が40以下のプラスチックレンズとしては、ポリチオウレタン系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂のアッベ数の範囲は、通常、25〜40である。
上記レンズのうち屈折率(ne)が1.65以上のプラスチックレンズでより効果があり、そのようなレンズとしては、ポリチオウレタン系樹脂、エピスルフィド系樹脂が挙げられる。
また、プラスチックレンズの玉形加工後の縁面に形成される硬化コート層は、紫外線、SOX、NOXなどによる酸化劣化による変色を防止するためのものであり、後述するように紫外線吸収剤を含有するコーティング液が硬化することにより形成されるものであり、硬化樹脂層であることが好ましい。
次に、本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法を説明する。
本発明の第1の態様の製造方法は、プラスチックレンズを玉形加工する工程と、玉形加工後の該プラスチックレンズの縁面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含む。玉形加工する工程の前に、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有するプラスチックレンズの両光学面を含む表面に少なくともハードコートを含むコーティングを施す工程を付加しても良い。
上述のように、眼鏡用プラスチックレンズは、ハードコートや反射防止膜などの各種コートが施された後に玉形加工される。玉形加工する工程は、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、ハードコートを含む各種コーティングが施されたアンカットレンズを、取付けたい眼鏡フレームの枠形状や、希望する玉形形状であるとともに、受注内容に応じた端面形状に玉形加工(縁摺り加工)される。
このような玉形加工は、通常、眼鏡装用者の処方や選定された眼鏡フレームやレンズ種(材質や光学設計)や指定された加工方法などに基づいてレンズの加工仕様が決まり、それにしたがってレンズメーカー又は眼鏡店において加工が行なわれる。
このような玉形加工されたレンズ縁面は、コーティングが取り除かれ基材がむき出しになっている。
次のコーティング液塗布工程では、前記玉形加工工程による玉形加工後のプラスチックレンズの縁面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液が塗布される。
コーティング液の塗布は玉形加工された加工面についてだけ行ない、光学面に塗布されてしまったコーティング液は拭き取るなどして取り除くと良い。
このコーティング液に含有される紫外線吸収剤としては、紫外線吸収能力を有する物質であれば特に限定されないが、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物及びシアノアクリレート系化合物などの紫外線吸収剤が挙げられる。また、立体障害アミン系化合物である光安定剤も用いることができる。これらの内、紫外線吸収能力、耐久性、吸収波長範囲などの点から、ベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−デシルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メトキシ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−エトキシ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(4−オクチルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
これらの内、特に、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−デシルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−メトキシ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−エトキシ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールが好ましい。
また、ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン及び2,2’,4’−トリヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
シアノアクリレート系化合物の具体例としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
立体障害アミン系化合物の具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのHALSで総称される光安定剤が挙げられる。
本発明の製造方法に用いられるコーティング液は、(1)ポリウレタンエマルジョンを含有する一液性の水性液であっても良いし、(2)2液硬化型の材料からなり、シロキサン架橋型反応性ポリマーを含有する第一液(主剤)と有機シラン化合物を含有する第二液(硬化剤)とを混合した後に塗布するものであっても良い。一液性の水性液の場合は、指触乾燥(塗布面にふれても指先が汚れない状態になるとき)までの時間は、二液硬化型コーティング液に比べ長く、指触乾燥までの間は拭き取ったり水で洗うことにより容易に取り除くことができるので、光学面に付着したコーティング液を取り除いたり、塗り直しをしたりすることもでき、取り扱いが容易である。特に、眼鏡販売店で塗布する場合のように、技術的に熟練していない場合でも簡便に塗布できるという点においても好ましい。
2液硬化型の材料からなる液の場合は、指触乾燥(塗布面にふれても指先が汚れない状態になるとき)までの時間は、一液硬化型コーティング液に比べ短いので、乾燥時間が短くてすみレンズメーカーなどの工場において均一な品質で大量かつ比較的迅速に処理できるという点で好ましい。
上記一液性の水性液、二液硬化型の材料からなる液のいずれのコーティング液の場合も、室温下で硬化する常温乾燥型のものであると、室温下でも特別の装置を用いることなしに乾燥できるためより好ましい。
一液性の水性コーティング液に用いられるポリウレタンエマルジョンは、市販のポリウレタンエマルジョンであればいずれでも良く、カーボネート系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオキシポリアルキレンポリオール、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリオキシポリアルキレンジオールなどを用いたポリウレタンエマルジョンが挙げられる。具体的には、例えば、ディクソン社製(商品名)UVS−111Wが挙げられる。
2液硬化型の材料からなるコーティング液の第一液に用いられるシロキサン架橋型反応性ポリマー及び第二液に用いられる有機シラン化合物は、市販のものが利用でき、例えば、ディクソン社製(商品名)UVS−111Sが挙げられる。
これら、2液を混合してから使用可能であるおおよその時間(ポットライフ)は、室温下で4〜5時間程度まであると、作業性の面から好ましい。
また、紫外線吸収剤を含有した硬化コート層は、短波長域の光を吸収する特性から、淡黄色をしている場合が有る。このような場合は、青色の染料を、予めコーティング液に混入しておくと硬化コート層自体の着色が目立たなくなりより好ましい。このような青色の染料であるブル−イング剤としては、例えば商品名:ダイヤレジン ブルーG(三菱化学(株)製)が使用でき、予め塗布工程前にコーティング液に対して50〜500ppbとなる量を加え、撹拌溶解させると良い。
上述のコーティング液の塗布工程において、上記一液性の水性液、二液硬化型の材料からなる液のいずれのコーティング液の場合も、コーティング液を吸収・保持でき柔軟性のある材料からなる塗布剤保持部材と、眼鏡レンズの縁面とを相対的に接触移動させて、コーティング液を塗布すると、光学面にコーティング液が付着したり、光学面を傷つけることなく、所定の膜厚に均一に塗布することができるので好ましい。このような塗布剤保持部材としては、天然繊維、獣毛繊維、合成樹脂繊維、それらからなる繊維束や織布や不織布、多孔質性の樹脂、発泡樹脂などがあり、具体的には、刷毛、筆、スポンジ、発泡ゴム、不織布、フェルトなどを挙げることができる。
なお、一液性の水性コーティング液の場合は、上記したような塗布剤保持部材からなる塗布部と、この塗布部にコーティング液を提供するために、このコーティング液あるいはコーティング液を染みこませた上記塗布部材を保持する容器などを備えた塗布具を用いると、より塗布が容易になるという点で好ましい。特に後述する本発明の塗布具にコーティング液を注入し、その塗布具を用い塗布すると、眼鏡店などでも容易に塗布することができるという点で好ましい。
上記塗布工程において塗布された該コーティング液は、次の硬化工程において硬化される。一液性の水性コーティング液の場合は、硬化時間として、室温下において指触乾燥で30分程度、硬化乾燥で1〜48時間程度が好ましい。
また、2液硬化型の材料からなるコーティング液の場合は、硬化時間は、室温下で、
指触乾燥で15分程度、硬化乾燥で1〜48時間程度が好ましい。
一液性の水性液、二液硬化型の材料からなる液のいずれのコーティング液の場合も、膜厚は0.5〜10μmにすると紫外吸収剤の効果、硬化までの時間、膜の密着性などにおいて好ましい。より好ましくは1〜5μmである。この範囲で有れば、レンズ縁面をつや消し状態に加工している場合でも、つや消し状態をある程度維持できるというメリットもある。なお、コーティング液につや消し剤を添加したつや消し用のコーティング液を別途用意しても良い。
また、レンズに影響しない範囲で乾燥炉などを用いて高温雰囲気中にレンズを置いて乾燥時間を早めても良い。
次に、本発明を適用するレンズ加工面が、フレーム取付用加工面である第2の実施態様について説明する。
本発明の第2の実施態様の眼鏡用プラスチックレンズは、プラスチックレンズの玉形加工後にさらにフレーム取付用加工を施し、その加工面に紫外線吸収剤を含有する硬化コート層を有することを特徴とする。玉形加工前のプラスチックレンズは両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、少なくともハードコートが施されていることが好ましい。
第2の態様で用いる眼鏡用レンズ及びコーティング液は前記第1の態様と同じであるので説明を省略する。
本発明の第2の態様の製造方法は、プラスチックレンズにフレーム取付用加工を施す工程と、フレーム取付用加工面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含む。プラスチックレンズにフレーム取付用加工を施す工程の前に、前記プラスチックレンズを玉形加工する工程を付加しても良いし、さらに、玉形加工する工程の前に、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有するプラスチックレンズの両光学面を含む表面に少なくともハードコートを含むコーティングを施す工程を付加しても良い。
上述のように、眼鏡用プラスチックレンズは、ハードコートや反射防止膜などの各種コートが施された後に玉形加工され、その後フレーム取付用加工が施される。このフレーム取付用加工が施される工程は、例えばリムレス眼鏡フレームにレンズを取付ける場合の加工であり、両光学面やレンズ縁面に形成される穴や溝などである。取付けたいリムレス眼鏡フレームに応じてフレーム取付用加工が施される。このフレーム取付用加工はレンズメーカー又は眼鏡店においてなわれる。このようなフレーム取付用加工が施された加工面は、コーティングが取り除かれ基材がむき出しになっている。
この第2の実施態様において、玉形加工された面についても前記第1の態様と同様に硬化コート層を形成するとより好ましい。この場合は、玉形加工とフレーム取付用加工が行なわれた後にそれら加工面にコーティング液を塗布しても良いし、玉形加工後に上記第1の実施態様により硬化コート層を形成した後、フレーム取付用加工を施してからその加工面に硬化コート層を形成しても良い。
本発明のコーティング液塗布具は、紫外線吸収剤を含有したコーティング液が充填された容器と、その容器に連なりコーティング液を容器外にしみ出させる塗布部と、非使用時に該塗布部を密閉する密閉部材とを備えたコーティング液塗布具であって、眼鏡用プラスチックレンズに、好ましくはそのレンズ加工面に、該コーティング液を塗布するのに用いられるものである。両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、少なくともハードコートが施されている眼鏡用プラスチックレンズの玉形加工後の加工面(縁面)や玉形加工後の眼鏡用プラスチックレンズにフレーム取付用加工を施した後の加工面が好ましく挙げられる。また、前記コーティング液は、水性であることが好ましい。
また、塗布部は、細い塗布部と、太い塗布部の少なくとも二種類を備えていると、より好ましい。但し、塗布部が、例えば筆穂体の場合のように、先端が細くかつ胴体部が有る場合には、先端部(筆保体の場合は穂先)で穴や溝などの凹んだ部分を塗布でき、胴体部でレンズ縁面を幅広く塗布できるので、塗布部が一種類であっても様々な加工面に対応でき好ましい。
例えば、前記図1のような穴あけ加工されたビス用孔14a及び14bに挿入可能な太さの細い塗布部(例えば直径1.6〜2.0mmのビス用孔を塗布対象とする場合は、その塗布対象穴の最小径である直径1.6mm以下)を設けると前記孔の内面に塗布することが容易にでき好ましい。
また、前記塗布部に、レンズ縁面のレンズ周方向に形成された溝掘り枠用の溝の表面を塗布できるようにその溝の内部に挿入できる寸法(例えば、幅0.6〜1.0mm、深さ0.35〜0.5mmの溝を塗布対象にする場合は、その塗布対象溝の最小幅である幅0.6mm以下、塗布対象溝の最大深さである高さ0.5mm以上)の突起部を設けても良い。また、塗布対象の溝の形状にあわせた形状(例えば溝底が半円の場合は、突起部先端の断面形状も半円、溝底がV字形状の場合は突起部断面形状もV字形状)にしておくとより好ましい。
また、前記塗布部(例えばその先端や側面)にレンズ縁面とその幅方向で接触幅が大きい直線状部分もしくは平面部分を有していると端面形状が平の縁面(平削りされた縁面)などのレンズ縁面を一度に多くの面積を塗れるので好ましい。
また、前記塗布部にレンズのヤゲンと部分的に嵌り合うことができる溝を設けるとヤゲンが設けられているレンズ縁面に容易に塗布できるので好ましい。通常ヤゲンは断面が略V字状の突条に形成されているので、前記溝は断面が略V字状であるとより好ましい
また、前記容器は紫外線の透過を抑制できる材料や膜を有していると好ましい。このようにした場合、容器中の紫外線吸収剤のUV吸収による発熱が抑えられ、コーティング液の劣化を抑えられる。密閉機構としては、キャップやフタなどのように、非使用時には塗布部を密閉し、使用時には塗布部を露出することが出来る構造を備えていると好ましい。
次に、本発明のコーティング液塗布具を、図面に示す実施態様に基づいて説明する。
図2は、本発明のコーティング液塗布具の一実施態様の断面概略図であり、塗布部が筆穂体の場合を示す。
図2に示すコーティング液塗布具20は、塗布具の容器となる軸筒21、コーティング液収容部22、コーティング液誘導管23、塗布部24となる筆穂体24aとを備え、コーティング液収容部22内のコーティング液を軸筒21の先端部21aに備えた筆穂体24aに供給する構造である。
図2に示すコーティング液塗布具20には、ノック機構が具備されている。このノック機構は、軸筒21の先端部21aとコーティング液収容部22との間に配置される弁機構と、弁体25及び弾性部材26と接続している筒状部材28と、筒状部材28に接続しノックを伝える蛇腹状可動部材29と、ノック冠30とからなる。ここで、弁機構は、弁体25、コイルバネなどの弾性部材26、筆穂体固定管27及びコーティング液誘導管23からなる。
ノック機構において、ノック冠30を押圧すると、蛇腹状可動部材29が収縮し筒状部材28が前方に移動する。この筒状部材28の移動に伴って弁体25が弾性部材26の弾発力に抗して前方に移動し、コーティング液誘導管23との間に空隙が生じて弁機構が開放される。このとき、筆穂体24aは、筆穂体固定管27及び弁体25と連接しているので、共に前進する。弁機構が開放されると、コーティング液収容部22内のコーティング液は、軸筒21の先端部21a内に移動し、筆穂体繊維の間隙及び筆穂体と先端部21aの先端開口部内壁との隙間を通じて外部に吐出する。先端部21aの外部に吐出した塗布液は、筆穂体24aの先端部分に吸蔵され塗布が可能になる。なお、弁体25と筆穂体固定管27とは圧入、螺合、嵌合、接着などの手段により連接されている。
筆穂体固定管27の内部には、鼬、馬、豚などの動物の毛からなる天然繊維、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系繊維などの合成樹脂製繊維、あるいは前記天然筆毛と合成樹脂製筆毛とを混ぜたものなどの繊維を多数、長手方向に収束し、一方に、端面を熱溶着や接着などの方法で固着して鍔部を形成したストレート部を設け、他方に、端面に近づくほど外径が細くなるようなテーパー部を設けた筆穂体24aを、非固着端面を前方にして、前方部が軸筒21の先端部21aの先端開口部から突出し、後端部の鍔部が筆穂体固定管27に当接し、その段部と弁体25の前端面とで挟着固定されている。このように先端先細に筆穂体を形成すると、レンズ縁面とフレーム取付用加工面との両方を容易に塗布できるので好ましい。また、筆穂体は変形が容易なので様々な形状の加工面に対応できるという点で好ましい。なお、上記例では筆穂体の先端が先細の場合の例であるが、先端をまっすぐに切りそろえて縁面を幅広く塗布しやすいようにしても良い。
図3は、本発明のコーティング液塗布具20の他の実施態様の断面概略図であり、ツインタイプの塗布具を示す。
図3に示すコーティング液塗布具20は、塗布具の容器となる軸筒21、コーティング液収容部22、コーティング液誘導管23、塗布部24とを備え、コーティング液収容部22内のコーティング液を、コーティング液誘導管23を通じて軸筒21の両側の先端部21aに備えた塗布部24に供給する構造である。なお、コーティング液収容部22内に、所望によりコーティング液吸蔵体が配置されていても良い。
塗布部24は、細い塗布部と、太い塗布部の少なくとも二種類を備えることが好ましい。図3においては、塗布部24として、細径芯体24b及び太径芯体24cを具えている。細径芯体24bの寸法は前記したような一般的なビス用孔の形状や塗布対象とするビス用孔の形状を考慮して設定すると好ましい。例えばこの実施の形態では、1.6〜2.0mmのビス用孔を塗布対象とするために、直径は塗布対象穴の最小径である1.6mm以下に設定している。また長さ(略円柱面部分の高さ)は、塗布対象とするレンズの縁部の厚さの最大値と同程度かそれ以上にしておくとビス用孔の片方の開口から細径芯体を挿入することによりビス用孔の内面を全て塗布することができるので好ましい。なお、塗布対象とするレンズの縁部の厚さの最大値と同程度未満であってもその半分程度以上の長さにしておくとビス用孔の両側の開口から細径芯体を挿入することによりビス用孔の内面に塗布することができる。
また、太径芯体24cの寸法については、その長さ(略円柱面部分の高さ)は塗布対象とするレンズの縁面の幅の最大値かそれ以上にしておくとレンズ縁面に光学面の片側から太径芯体側面を接触させて縁面全てを塗布することができるので好ましい。なお、塗布対象とするレンズの縁部の厚さの最大値と同程度未満であってもその半分程度の長さにしておくとレンズ縁面に光学面の両側から太径芯体側面を接触させて塗布することができる。なお本実施の形態では、塗布部の先端は先細にした例を示しているが、先端に直線状部や平面部を形成してそれら部分をレンズ縁面に接触させて塗布するようにしても良い。この場合の直線状部や平面部の幅は、塗布対象とするレンズの縁部の厚さの最大値と同程度かそれ以上にしておくと好ましい。
細径芯体24b及び太径芯体24cは、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる平行繊維束、フェルトなどの繊維を加工又はこれらの繊維を樹脂加工した繊維芯、又は、各種のプラスチック粉末などを焼結や融結したポーラス体などからなる芯体を用いることができ、その形状も塗布具1の形態により選択されるものである。
即ち、軸筒21の両側の先端部21aに備える細径芯体24b及び太径芯体24cとしては、フェルト芯、スライバー芯、繊維束芯、焼結芯、などが利用できる。なお、ツインタイプの場合、各塗布部24が同じ機構であっても良いし、異なる機構であっても良い。
本発明においては、塗布部24は、上述の筆穂体又はフェルト芯などの繊維芯からなることが好ましい。
フェルト芯のような繊維芯であれば塗布されるコーティング液の膜厚を制御しやすく薄く均一に塗りやすいという点で好ましい。また、筆穂は、レンズ縁面の形状に凹凸があるような場合でも接触させやすいという点で好ましい。
上述の図2及び図3において示すように、コーティング液の蒸散や流出あるいは固化を防止するために、また、塗布部24の保護のために、塗布具20を使用しないときには軸筒21の先端部21aに塗布部24を密閉する密閉部材として軸筒21端部に着脱可能なキャップ40が取り付けられる。
次に、塗布部24の他の実施態様を説明する。図4及び図5は、塗布具20に搭載する塗布部24の他の例の側面図(a)及び平面図(b)であり、レンズ縁面13の周方向に形成されたヤゲンや溝を塗布する場合に適した塗布部24の例である。図4は塗布部24の先端にV字状溝241を設けた場合であり、図5は塗布部24の先端に突起部245、側面に複数のV字状溝246a及び246bを設けた場合の例である。
図4に示す塗布部24は、円柱状のフェルト芯からなり、その先端において、斜めに傾斜した先端面242とその両サイドで傾斜した傾斜面243とが形成されている。また、先端面242の略中央にはV字状溝241が形成されている。V字状溝241の角度A及び深さD1は塗布対象となるヤゲン形状に基づいて適宜設定されるが、例えば、ヤゲン角度が105度〜125度、ヤゲン高さが0.5〜0.9mmのヤゲンを塗布対象とする場合は、V字状溝241の角度Aはヤゲン角度の最小角度105度に設定し、V字状溝241の深さD1は対象範囲の中間付近の値である0.7mmに設定すれば良い。このようにすると、塗布部のV字状溝241とレンズ縁面13のヤゲンとを合わせた状態で塗布部24を押しつけながらレンズの周方向に摺動させることにより塗布部24が弾性・収縮変形して対象範囲内のヤゲン角度、ヤゲン高さのヤゲンの表面を塗布できる。また、ヤゲンの外側の部分も先端面242と接触することにより塗布される。
なお、塗布の際、塗布部24とレンズ縁面13との接触角度や向きを調整することによっても塗布可能なヤゲン角度を調整することができるので(傾斜させることにより大きい角度にも対応でき、ねじることにより小さい角度に対応できるので)、その点も考慮して塗布対象のヤゲン形状をカバーできるようにV字状溝の寸法を設定するようにしても良い。
図5に記載の塗布部24も図4の場合同様に円柱状のフェルト芯からなり、その先端において、斜めに傾斜した先端面242とその両サイドで傾斜した傾斜面243が形成されている。先端面242の略中央には、先端が半円形の断面形状の突起部245が先端面の垂直方向に突出するように形成されている。突起部245の高さH、幅Wは塗布対象となる溝形状に基づいて適宜設定されるが、例えば、溝掘り枠用の端面形状として深さ0.35〜0.5mm、溝幅0.6mmで溝底が半円形の溝を塗布対象とする場合は、突起部245の高さHは溝深さの最大寸法0.5mmに設定し、幅Wは溝幅とほぼ同じ0.6mm程度に設定すれば良い。このようにすると、塗布部の突起部245とレンズ縁面13の溝とを合わせた状態で塗布部24を押しつけながらレンズの周方向に摺動させることにより塗布部24が弾性・収縮変形して対象範囲内の寸法のレンズ縁面13の溝の内面を塗布できる。またレンズ縁面13の溝の両外側も先端面242と接触することにより塗布される。
なお塗布の際に突起部245の向きや接触角度を調整することにより塗布できるレンズ縁面13の溝の幅や深さを調整することもできるので、その点も考慮して塗布対象の溝形状をカバーできるように突起部の寸法を設定するようにしても良い。
塗布部24の側面には二つの異なるV字状溝246a、246bが形成されている。この実施の形態では、V字状溝角度Bは同じ角度に設定して深さが異なる形状にして深さが深い方をV字状溝246a、深さが浅い方をV字状溝246bとしている。二つのV字状溝246a及び246bの角度や深さは、塗布対象とするヤゲンの形状により適宜設定できるが、例えばヤゲン角度が105度〜125度、ヤゲン高さが0.5〜0.9mmのヤゲンを塗布対象とする場合は、V字状溝246a及び246bの角度Bはいずれもヤゲン最小角度の105度に設定し、V字状溝246aの深さD2は0.8mm、V字状溝246bの深さD3は6.0mmに設定すれば良い。このようにすると、塗布部の少ない変形量で広い塗布対象範囲に対応できる。なお、V字状溝246a及び246bの角度Bを異ならせても良い。
また、図4の塗布部24の先端面242の端部(角部)を図4に示すように角を取りRを付けて、略半円形の断面形状にすると、図5に示す突起部245と同様な効果を奏することができ、例えば図4の塗布部24を多機能化できるので好ましい。
図4及び図5では、塗布部24の材質としてフェルト芯を用いたが、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの繊維を成形した繊維芯や、有機高分子微粒子などを焼結させて成形した焼結芯を用いても良い。
本発明のコーティング液塗布具20の容器は汎用の合成樹脂を利用できるが、紫外線の透過を抑制するための顔料、例えば、カーボンブラック、酸化チタンなどを含有する材料であることが好ましい。
本発明のコーティング液塗布具20のコーティング液収容部22内に、所望により配置される、コーティング液を含浸するためのコーティング液吸蔵体は、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルトなどの繊維束を加工したものである。
コーティング液誘導管23の全長は、塗布部24の種類により適宜設定されるものである。コーティング液収容部22内にコーティング液吸蔵体を配置する場合は、コーティング液誘導管の全長はコーティング液吸蔵体の毛細管力によりコーティング液吸蔵体の夫々の前端から塗布部24までの長さが規定されるのでその長さの範囲内で規定すると良い。
また、コーティング液誘導管23の各コーティング液流路断面積は、コーティング液誘導管23内にコーティング液が更に円滑にスムーズに通過させるために、0.8〜80mm2、更に好ましくは、0.8〜20mm2であることが望ましい。
このコーティング液流路断面積が0.8〜80mm2の範囲内であれば、塗布部24から適量のコーティング液が流出することとなる。
また、コーティング液吸蔵体から塗布部24までのコーティング液の供給を更に円滑に、かつ、スムーズに行うために、コーティング液誘導管23のコーティング液と接する面又はコーティング液誘導管23の材質自体の表面張力がコーティング液の表面張力よりも小さくすることが好ましい。なお、コーティング液誘導管23のコーティング液と接する面がコーティング液の表面張力よりも大きい場合には、フッ素樹脂処理、シリコーンゴム又はシリコーン樹脂処理などを施すことにより、コーティング液誘導管23のコーティング液と接する面をコーティング液の表面張力よりも小さくすることができる。コーティング液誘導管は、塗布部と同じ材質でなお一体に形成しても良い。
なお、上記した塗布具及び塗布部の構成は適宜組み合わせても良い。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。
本実施例では、下記素材1〜4のレンズ素材を用いた。
素材1)
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド76.5質量部、硫黄23.5質量部と紫外線吸収剤2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.5質量部を加え減圧しながら加熱混合して溶解させた。次いで、ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを2.5質量部、2−メルカプト−N−メチルイミダゾール0.05質量部加え、窒素雰囲気下60℃でよく混合し屈折率を1.657近傍から1.710近傍まで反応させた後にジブチルチンジクロライド0.12質量部、城北化学製JP506H0.01質量部を加えて30℃まで冷却しさらにビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを2.5質量部とテトラブチルホスホニウムブロマイド0.003質量部を加えて撹拌しながら13.3hPaで30分間減圧して原料中に含まれるガスを除去した。
得られた原料を2枚のレンズ用モールドとガスケットからなる型に孔径5ミクロンのPTFE膜のフィルタでろ過をしながら注入し、10℃近傍から110℃まで20時間かけて加熱し、110℃で1時間保温した後70℃まで放冷してからガスケット及びモールドを取り外し、硬化した光学用樹脂を得た。得られた樹脂は屈折率(ne)1.756、アッベ数30であった。
素材2)
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド100質量部、ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを10質量部、紫外線吸収剤2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.5質量部、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.03質量部と城北化学製JP506H0.01質量部を加え、混合し13.3hPaで30分間減圧して原料中に含まれるガスを除去した。
得られた原料を2枚のレンズ用モールドとガスケットからなる型に孔径5ミクロンのPTFE膜のフィルタでろ過をしながら注入し、30℃近傍から100℃まで20時間かけて加熱し、100℃で1時間保温した後70℃まで放冷してからガスケット及びモールドを取り外し、硬化した光学用樹脂を得た。得られた樹脂は屈折率(ne)1.735、アッベ数33であった。
素材3)
ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド90.0質量部、ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート5.0質量部、メルカプトエチルスルフィド5.0質量部、紫外線吸収剤2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール0.5質量部、テトラブチルホスホニウムブロマイド0.05質量部混合し13.3hPaで30分間減圧し原料中に含まれるガスを除去した。
得られた原料を2枚のレンズ用モールドとガスケットからなる型に孔径5ミクロンのPTFE膜のフィルタでろ過をしながら注入し、20℃近傍から110℃まで20時間かけて加熱し、110℃で1時間保温した後70℃まで放冷してからガスケット及びモールドを取り外し、硬化した光学用樹脂を得た。得られた樹脂は屈折率(ne)1.706、アッベ数36であった。
素材4)
m−キシレンジイソシアネート(m−XDI)を52.0質量部、紫外線吸収剤2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾールを0.5質量部、城北化学製JP506Hを0.20質量部とジブチルチンジクロライドを0.01質量部加えて混合溶解した後、ビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパンを48.0質量部加えて均一混合し13.3hPaで30分間減圧し原料中に含まれるガスを除去した。
得られた原料を2枚のレンズ用モールドとガスケットからなる型に孔径5ミクロンのPTFE膜のフィルタでろ過をしながら注入し、20℃近傍から120℃まで20時間かけて加熱し、120℃で3時間保温した後70℃まで放冷してからガスケット及びモールドを取り外し、硬化した光学用樹脂を得た。得られた樹脂は屈折率(ne)1.665、アッベ数33であった。
実施例1
アクリル主鎖−Si(OH)3ポリマー20質量部と5−メチル−2−(2−ヒドロキシ−4−デシルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール5質量部をトルエン10質量部とキシレン50質量部に溶解させ、濡れ性を向上させるために有機変性ポリシロキサン型のレベリング剤2質量部を加えて液を安定化させた。さらに、塗布前に有機シラン化合物を5質量部加えて均一に混合し、コーティング液を得た。
このコーティング液を不織布に染み込ませて、前記素材1〜4の眼鏡用プラスチックレンズの玉形加工後の縁面にコーティング液を塗布し、23℃程度の室温下にて24時間反応させ硬化して硬化コート層である硬化樹脂層を形成した。
耐光性を評価するため、この硬化コート層を形成した眼鏡用プラスチックレンズをウェザーメーターに400時間投入し、劣化を確認したが、素材1〜4のいずれのレンズにおいても着色はほとんどなかった。
また、密着の評価を行うために、基材のみのプラスチックレンズの光学面に前記コーティング液をスピンコートして厚さ3μmの膜を形成し、レンズの加工面の処理と同様に23℃程度の室温下にて24時間反応させて硬化コート層として硬化樹脂層を形成した。この硬化コート層の密着を碁盤目テストにより評価したが素材1〜4のいずれのレンズにおいても膜ハゲはなかった。
実施例2
ポリウレタンエマルジョン15質量部に5−エトキシ−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール15質量部加えて、一液性の水性液であるコーティング液を得た。
このコーティング液を図2に示した塗布具に注入し、その塗布具を用いて、前記素材1〜4の眼鏡用プラスチックレンズの玉形加工後の縁面にコーティング液を塗布し、40℃の温度下にて5時間反応させ硬化して硬化コート層(硬化樹脂層)を形成した。この硬化コート層を形成した眼鏡用プラスチックレンズの耐光性及び密着を実施例1と同様に評価した所、素材1〜4のいずれのレンズにおいても着色及び膜ハゲはなく良好であった。
実施例3
実施例2と同じコーティング液を図3に示した塗布具に注入し、その塗布具を用いて、前記素材1〜4の眼鏡用プラスチックレンズの玉形加工後の縁面に実施例2と同様に塗布処理及び硬化処理をして硬化コート層を形成した。この硬化コート層(硬化樹脂層)を形成した眼鏡用プラスチックレンズの耐光性及び密着を実施例2と同様に評価した所、素材1〜4のいずれのレンズにおいても着色及び膜ハゲはなく良好であった。
本発明の製造方法は、眼鏡用プラスチックレンズ縁面の変色を簡便にかつ効果的に防止するので、得られた眼鏡用プラスチックレンズは、広く眼鏡用途に用いられる。
また、本発明のコーティング液塗布具は、本発明の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に好適に用いられる。

Claims (14)

  1. プラスチックレンズの玉形加工後の縁面上に、紫外線吸収剤を含有する透明な硬化コート層が形成されていることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズ。
  2. プラスチックレンズのフレーム取付用加工後の加工面上に、紫外線吸収剤を含有する透明な硬化コート層が形成されていることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズ。
  3. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡用プラスチックレンズ。
  4. 前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、ポリウレタンエマルジョンを含有する一液性の水性液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ。
  5. 前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、2液硬化型の材料からなり、シロキサン架橋型反応性ポリマーを含有する第一液と有機シラン化合物を含有する第二液との混合液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ。
  6. 前記硬化コート層の形成に用いるコーティング液が、青色の染料を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ。
  7. 前記プラスチックレンズが、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、且つハードコートが施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズ。
  8. プラスチックレンズを玉形加工する工程と、玉形加工後の該プラスチックレンズの縁面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含むことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  9. プラスチックレンズにフレーム取付加工を施す工程と、フレーム取付用加工後の加工面に紫外線吸収剤を含有するコーティング液を塗布する工程と、塗布された該コーティング液を硬化させて透明な硬化コート層を形成する工程とを含むことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  10. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合物であることを特徴とする請求項8又は9に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  11. 前記コーティング液が、ポリウレタンエマルジョンを含有する一液性の水性液であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  12. 前記コーティング液が2液硬化型の材料からなり、シロキサン架橋型反応性ポリマーを含有する第一液と有機シラン化合物を含有する第二液との混合液であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  13. 前記コーティング液が、青色の染料を含有していることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
  14. 前記プラスチックレンズが、両面とも光学的に仕上げられた光学面を有し、且つハードコートが施されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
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