JP5148302B2 - 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置 - Google Patents

微小加工装置用プローブおよび微小加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5148302B2
JP5148302B2 JP2008012628A JP2008012628A JP5148302B2 JP 5148302 B2 JP5148302 B2 JP 5148302B2 JP 2008012628 A JP2008012628 A JP 2008012628A JP 2008012628 A JP2008012628 A JP 2008012628A JP 5148302 B2 JP5148302 B2 JP 5148302B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cantilever
probe
sample
contact detection
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008012628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009172703A (ja
Inventor
尚範 濱尾
寛 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2008012628A priority Critical patent/JP5148302B2/ja
Publication of JP2009172703A publication Critical patent/JP2009172703A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5148302B2 publication Critical patent/JP5148302B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、半導体集積回路の形成に用いるフォトマスクの加工修正、あるいは微細な構造物の形成など、ごく微小な加工に使用される微小加工装置用プローブおよび微小加工装置に関する。
一般に、半導体集積回路は、シリコンなどのウエハ等の基板上にフォトリソグラフィを用いて回路パターンを形成することによって作製される。
具体的には、シリコンなどのウエハに回路を焼き付けるため、ウエハ上にフォトレジストを塗布することによりフォトレジスト層を形成する。ここで、フォトレジストは光によって反応する化学物質を溶媒に溶かしたもので、現像時に感光した部分が溶解するポジタイプと、感光した部分が残るネガタイプのものがある。このフォトレジスト層に対して投影型露光装置を用いてフォトマスクのパターンを投影露光する。ここで、フォトマスクは、たとえば石英などからなる透光性の基板の表面のうち、露光パターンを構成する領域を除いた他の領域を、金属薄膜や酸化物薄膜等からなるいわゆる遮光パターンで覆ったものであり、基板が露出している領域、いわゆる透光パターンのみ露光光の透過を許容するものである。
このようにして、フォトレジスト層のうち所定の領域のみ感光させて、現像することでフォトレジスト層のうち不要部分のみを除去可能とする。そして、フォトレジスト層の不要部分を除去した状態、すなわち基板表面を所定のパターンのフォトレジスト層によって覆った状態で、各種の処理を施すことにより基板上に所望の形状の回路パターンを形成する。
近年、半導体集積回路の高集積化が進んだことにより、ステッパーと呼ばれる縮小投影型露光装置を用いることで、フォトマスクのパターンを投影レンズにより1/4〜1/5に縮小して露光するタイプのものが主流となってきてはいるものの、フォトリソグラフィに用いるフォトマスクのパターンには微細化が求められている。
上述のように、フォトマスクのパターンは基板上に形成する回路パターンの原型となるため、フォトマスク上のパターンに欠陥が存在すると、この欠陥が基板上に形成される回路パターンに反映されてしまうことが、歩止まりを悪化させる原因となっている。
このため、フォトマスクは、フォトリソグラフィに用いる前に、欠陥検査装置によって欠陥の有無や欠陥の位置が調べられ、欠陥が存在する場合には欠陥修正装置による欠陥修正が行われる。前述のように、近年はフォトマスクのパターン自体も微細化が進んでいるため、欠陥修正装置には、より微細な加工、修正に対応することが求められている。
ここで、フォトマスクのパターンの欠陥としては、本来遮光されるべき部分に遮光パターンが存在しないという、いわゆる白欠陥と、本来透光されるべき部分に遮光パターンが形成されているという、いわゆる黒欠陥とがある。
なかでも、黒欠陥の修正方法としては、例えば、レーザ光を用いて黒欠陥を加熱して蒸発させることによって黒欠陥を除去する方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、液体金属Ga(ガリウム)イオン源を用いた収束イオンビーム装置によって、黒欠陥に収束イオンビームを照射することで黒欠陥をスパッタリングして除去したり、アシストガス雰囲気下で黒欠陥に収束イオンビームを照射することで黒欠陥をエッチングして除去したりする方法(例えば、特許文献2参照)、あるいは、原子間力顕微鏡(AFM)等のプローブ顕微鏡の探針によって黒欠陥を擦って削り落とす方法(例えば、特許文献3参照)があげられる。
特開2000−155409号公報(段落[0002]〜[0005],及び図2) 特開平3−15068号公報(第2頁左上欄第6行〜第2頁右下欄第6行,及び図2) 特開2003−43669号公報(段落[0016]〜[0017],及び図1)
しかし、特許文献1のように、レーザ光を用いて黒欠陥を除去する手法では、レーザ光による加熱によってフォトマスクのパターンの加工エッジ部に歪みが生じ、加工後の形状が良好でなくなる場合がある。また、レーザ光の収束径には、回折現象に由来する限界があり、微細加工は困難という課題がある。
また、特許文献2のように、収束イオンビームを用いて黒欠陥を除去する手法では、フォトマスクのパターンが高密度化するにつれて、修正した黒欠陥周辺にエッチングされたパターンの材料の再付着が起こりやすくなる。この再付着物質は、フォトマスクの洗浄等を行っても容易に除去できない場合があり、この場合には、欠陥修正箇所周辺における石英基板の光透過率が低下してしまい、フォトレジスト層の露光を良好に行うことができなくなる可能性がある。
また、この手法では、イオン源として用いたGaのイオンがフォトマスクの石英基板に打ち込まれてガリウムステインを生じさせてしまうことや、黒欠陥周辺部の石英基板に対してもGaイオンが照射されることでスパッタリングを生じさせてしまうことにより欠陥修正箇所周辺における石英基板の光透過率を低下させてしまう場合がある。
特許文献3のように、プローブ顕微鏡のプローブに設けられた探針によって黒欠陥を擦って削り落とす手法では、上記特許文献1,2に記載の技術が有する問題は生じず、フォトマスクにダメージを与えずに、黒欠陥を除去することが可能である。しかしながら本方法では、黒欠陥除去のための加工時には、プローブに対して観察時と比較して大きな荷重をかけて黒欠陥をスクラッチして除去するため、プローブを構成するカンチレバー自体がスクラッチする方向にねじれてしまうことで、カンチレバー先端の探針部の位置が加工のたびにぶれてしまい、結果として加工部の修正精度が悪くなってしまう場合がある。更に微細な加工も困難となる。ねじれを防止するためにカンチレバーを硬く形成することも考えられるが、その場合、観察時にフォトマスクの欠陥以外の部分にダメージを与えてしまう可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、フォトマスクにダメージを与えず加工修正を行うこと、あるいは微細な構造物の形成など、ごく微小な加工を精度よく施すことができる微小加工装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の微小加工装置用プローブは、カンチレバーと、前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、前記カンチレバーの近傍に設けられたカンチレバー姿勢維持機構と、前記カンチレバーおよび前記カンチレバー姿勢維持機構の少なくとも一方に設けられた接触検知機構とを有している構造とした。例えば、前記カンチレバー姿勢維持機構は、前記カンチレバーの幅方向両側のそれぞれにおいて該カンチレバーの下面に対向するように、前記カンチレバーの長手方向に沿って延びているようにしてもよい。また、例えば前記接触検知機構は、前記カンチレバーおよび前記カンチレバー姿勢維持機構のそれぞれの少なくとも一部に設けられ、前記カンチレバーが撓むことにより該カンチレバーに設けられた接触検知機構と前記カンチレバー姿勢維持機構に設けられた接触検知機構が接触する状態に形成されていることとしてもよい。
上記発明に係る微小加工装置用プローブによれば、例えばフォトマスクなどの欠陥修正に用いる場合、欠陥部位特定など観察の際には、プローブを被加工物に押し付けることなく動作させるため、カンチレバーはカンチレバー姿勢維持機構と接触しない状態となる。つまり、この状態においては、カンチレバーの硬さはカンチレバー自体のバネ定数によることとなり、被加工物にダメージを与えることなく観察することが可能である。さらに欠陥部の修正などの加工の際には、プローブを欠陥部に接触させて更に押し付けることによりカンチレバーが撓み、カンチレバーがその近傍に設けられたカンチレバー姿勢維持機構と接触した状態で一体で加工を行うことで、カンチレバーのねじれが防止できるため、探針部の位置が安定し、精度の高い加工が可能となる。また、カンチレバーおよびカンチレバー姿勢維持機構の少なくとも一方に設けられた接触検知機構により、カンチレバーとカンチレバー姿勢維持機構の接触状態が検知できるため、観察時にはカンチレバーとカンチレバー姿勢維持機構が接触していない状態にあることを確認して動作させ、加工時にはカンチレバーとカンチレバー姿勢維持機構が接触した状態にあることを確認して動作させるというように、プローブの状態をモニタリングしながらの作業を可能とする。これにより観察と加工を交互に行う際にも、それぞれの作業を確実に行うことを可能とする。
さらに、本発明の微小加工装置用プローブは、上記微小加工装置用プローブにおいて、カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有する構成とした。
この発明に係る微小加工装置用プローブによれば、カンチレバー姿勢維持機構の働きにより、加工時には大きな荷重をかけて加工を行ってもカンチレバーの安定した動作を可能とするため、観察時などカンチレバー姿勢維持機構と接触しない状態で動作させる場合においてはカンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部が設けられていることにより、カンチレバーをバネ定数の低いやわらかい状態に形成しておくことを可能とし、被加工物にダメージを与えることなく高精度に観察することを可能とする。
また、本発明の微小加工装置は、前述した微小加工装置用プローブと、探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する探針部の変位データを検出する変位検出手段と、探針部を試料表面に平行で互いに直交する二方向及び試料表面に垂直な方向に試料に対して相対的に移動させる移動手段とを備える構成とした。
この発明に係る微小加工装置によれば、凹凸を表面に有する試料表面の微小領域の形状を感度良く測定し、また、観察の結果特定した修正部位を精度よく加工することができる。
また、本発明の微小加工装置用、探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、変位検出手段は、探針部の振動状態を検出する構成とした。
この発明に係わる微小加工装置によれば、DFM(Dynamic Force Mode)などのカンチレバーを振動させて試料の表面形状を測定する場合において、カンチレバーの共振周波数が高まり、試料との相互作用を感度良く測定することができる。
また、本発明の微小加工装置用プローブは、変位検出手段が、カンチレバー内に設けられた変位検出部に接続されている構成とした。さらには、変位検出部はピエゾ抵抗素子であることとした。
この発明に係る微小加工装置用プローブによれば、カンチレバーにレーザ光を反射させる反射面を設ける必要がないので、カンチレバーの形状に制限を受ける必要がなく、プローブの設計の自由度が向上し、製造し易い。また、レーザ光源等の大がかりな装置が不要なので、装置コスト及び装置スペースの削減を図ることができる。
本発明によれば、フォトマスクにダメージを与えず加工修正を行うこと、あるいは微細な構造物の形成など、ごく微小な加工を精度よく施すことができる。
以下に本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6は、この発明に係る第1の実施形態を示している。図1に微小加工装置のブロック図を示す。図2にプローブの斜視図、図3から図6には部分断面図を示す。
図1に示すように、微小加工装置1は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ20と、プローブ20の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段500とを備えている。プローブ20は、探針部21が先端に突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を、該カンチレバー22の先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。なお、図1及び図2では、カンチレバー22の上面が下向きとなるように図示されている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に試料を移動させるものであり、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4に接続されている。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構と、微小移動させるXYスキャナ及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段500は、プローブ20に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ20を加振するPZTからなる圧電素子であり、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5に接続されている。
さらに、図1に示すように、微小加工装置1は、加振手段500によって加振されたプローブ20の探針部21の振動状態を検出する変位検出手段6を備える。変位検出手段6からプローブ20のカンチレバー22の反射面にレーザ光を照射させる。カンチレバー22は加振手段500から伝達される振動によって上下に振動し、これによりカンチレバー22で反射され変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光は一定の振幅及び周波数の振動波形を形成する。この状態で、コンピュータ7による制御のもと、駆動装置4を駆動させて、試料100をX、Y方向に走査させて試料100の表面形状を測定する。
このように構成される微小加工装置1では、まず、微小加工装置1をプローブ顕微鏡として利用して試料100の表面Sを観察し、試料100の欠陥の有無や欠陥の存在場所を調べる。
具体的には、まず、コンピュータ7による制御のもとに加振電源5で加振手段500を振動させるとともに、変位検出手段6からプローブ20のカンチレバー22の反射面にレーザ光を照射させる。カンチレバー22は加振手段500から伝達される振動によって上下に振動し、これによりカンチレバー22で反射され変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光は一定の振幅及び周波数の振動波形を形成する。この状態で、コンピュータ7による制御のもと、駆動装置4を駆動させて、試料100をX、Y方向に走査させて試料100の表面形状を測定する。
プローブ20の探針部21が走査された位置に凹凸があると、変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光の振動振幅が減衰される。この振動振幅は、DIF信号としてプリアンプで増幅され、交流−直流変換器によって直流変換され、コンピュータ7に入力される。コンピュータ7には前述のZ電圧フィードバック回路が備えられており、DIF信号化された振動振幅がしきい値を超えた場合、入力されたDIF信号に基づいて駆動装置4を駆動させ、振動振幅がしきい値内で一定となるように試料移動手段3をZ方向に移動し、調整する。これを駆動装置4によって試料100をX、Y方向に移動させて、繰り返すことによって試料100の表面形状の測定を行う。
この試料100の表面形状の測定結果は、試料100のX、Y方向の走査位置とともにコンピュータ7によって表示される。
上記試料100の欠陥の有無や欠陥の存在場所を調べる観察工程にて、試料100に黒欠陥が発見された場合には、加工を行って、黒欠陥を削り取る。
加工工程では、駆動装置4を駆動させ、試料移動手段3をZ方向に移動し、黒欠陥に対して試料100の欠陥の有無や欠陥の存在場所を調べて観察する際の圧力よりも強い所定の圧力で当接させる。このとき、後述するが、カンチレバーおよびカンチレバー姿勢維持機構のそれぞれに設けられた接触検知機構とこれら接触検知機構に接続された接触検出手段8により、カンチレバーとカンチレバー姿勢維持機構が接触した状態にあることを確認する。この状態で駆動装置4によって試料100をX、Y方向に移動させて、繰り返すことによって試料100の表面の黒欠陥を削り取る。
そして、ある程度切削加工を行ったのち、再度試料100の加工領域を観察して、黒欠陥の除去状態を観察する。観察時には、カンチレバーおよびカンチレバー姿勢維持機構に設けられた接触検知機構とこれら接触検知機構に接続された接触検出手段8により、カンチレバーとカンチレバー姿勢維持機構が接触していない状態にあることを確認して動作させる。修正状況により再度加工工程以降の工程を繰り返し、黒欠陥を完全に除去して、試料100の加工を終了する。
次に、このような微小加工装置1に搭載されるプローブ20の詳細の構成について説明する。
図2はプローブ20の要部を示す部分斜視図である。
図2に示すように、プローブ20は、カンチレバー22と、カンチレバー姿勢維持機構30と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。また、カンチレバー22の先端には、尖鋭化された探針部21がカンチレバー22の上面から突出して設けられている。カンチレバー姿勢維持機構30は、カンチレバー22の幅方向両側のそれぞれにおいて該カンチレバー22の面に対向するように、カンチレバー22の長手方向に沿って延びるとともに片持ち状態で本体部23に一体的に固定されている。カンチレバー姿勢維持機構30は、前述した加工時にカンチレバー22が撓んだときに、カンチレバー22の面における幅方向両側に接触してこれを拘束するための拘束部31を有している。なお、図2における拘束部31は、カンチレバー22の下面に対して傾斜する傾斜面として形成されている。また、カンチレバー22の少なくとも一部およびカンチレバー姿勢維持機構30の少なくとも一部のそれぞれには、接触検知機構10が形成されている。接触検知機構10は、カンチレバー22が撓んだときにカンチレバー22に形成された接触検知機構10とカンチレバー姿勢維持機構30に形成された検知機構10が接触したことを検知機構10に接続された接触検出手段により検出できるように形成してある。
プローブ20のカンチレバー22及び本体部23とカンチレバー姿勢維持機構30とは、例えばシリコン基板から形成されている。探針部21は、例えばシリコンあるいは窒化シリコンあるいはそれらを基材とし、その表面にダイヤモンドなどの硬質コーティングを施したものである。あるいはダイヤモンドにより作製した探針部21をカンチレバー22に接合、接着して形成してもよい。接触検知機構10が導電性を有する材料、例えばアルミなどの金属材料からなる薄膜などがあげられる。カンチレバー22に形成された接触検知機構10とカンチレバー姿勢維持機構30に形成された接触検知機構10が同一の材料であっても、あるいは異なる材料であってもともに導電性を有する材料であればよい。
また、図3は本実施形態に係るプローブ20の観察時と加工時を示した部分断面図である。
図3(a)に示すように観察時にはカンチレバー22はカンチレバー姿勢維持機構30に干渉しない状態で動作する。この状態においては図示したとおり、カンチレバー22に形成された接触検知機構10とカンチレバー姿勢維持機構に形成された接触検知機構10とは接触しない状態であり、この状態を接触検出手段で検出している。
加工時には図3(b)に示すようにカンチレバー22がカンチレバー姿勢維持機構30に接触した状態で動作することにより加工時にカンチレバー22がねじれてしまうことを防止できるため、探針部21の位置がぶれることを防止でき、探針部21が安定して黒欠陥を加工することを可能とする。この状態においてはカンチレバー22に形成された接触検知機構10とカンチレバー姿勢維持機構に形成された接触検知機構10が接触した状態であり、この状態を接触検出手段で検出している。
また、図4は、本実施形態に係るプローブの変形例を示す部分断面図であり、カンチレバー姿勢維持機構の形状の変更例を示したものである。図4におけるカンチレバー姿勢維持機構30の拘束部31は、カンチレバー22の下面に対して傾斜する傾斜面に段差が形成されることにより、カンチレバー22の下面に対して略平行な面として形成されている。動作については図3において示したものと同様であるので説明は省略する。
また、図5は、本実施形態に係るプローブの変形例を示す部分断面図であり、カンチレバー姿勢維持機構の形状の変更例を示したものである。図5におけるカンチレバー姿勢維持機構30の拘束部31は、カンチレバー22の下面に対して略垂直な面に段差が形成されることにより、カンチレバー22の下面に対して略平行な面として形成されている。動作については図3において示したものと同様であるので説明は省略する。
また、図6は本実施形態に係るプローブの変形例を示す部分断面図である。図6(a)、(b)、(c)ともまずカンチレバー姿勢維持機構30aをまず形成し、後のプロセスで例えば接合などの方法によりカンチレバー姿勢維持機構30bをカンチレバー姿勢維持機構30a上に形成することとした形成例を示したものである。本変形例によれば、カンチレバー姿勢維持機構30bの形状およびカンチレバー22とカンチレバー姿勢維持機構30bとの間隙も制御しやすくなることから、精度の高い加工が可能なプローブの作製を容易に行うことが可能となる。
図7から図8は、この発明に係る第2の実施形態を示している。図7に微小加工装置のブロック図を示す。図8は本第2実施形態のプローブの要部を示す部分斜視図である。この第2実施形態において前述した第1実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施の形態における微小加工装置2は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ201と、プローブ201の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段500とを備えている。プローブ201は、探針部21が先端の上面から突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に移動する試料移動手段3と、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4とを備える。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構及び微小移動させるXYスキャナ、及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段500は、プローブ201に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ201を加振するPZTからなる圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5とを備える。
また、探針部21の変位を測定する変位検出手段60は、カンチレバー22の基端部に備えられ、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子により検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定するものとした。
図8はプローブ201の要部を示す部分斜視図であるが、微小加工装置2に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図8に示すように、プローブ201は、尖鋭化された探針部21と、探針部21が先端の上面から突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー姿勢維持機構30と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備える。カンチレバー22およびカンチレバー姿勢維持機構30および本体部23の表面(上面)には絶縁層28が形成されている。絶縁層28は、例えばSiO2からなるシリコン酸化膜である。カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40がその一部を本体部23に跨らせるようにして形成され、本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41及び42が形成されている。ピエゾ抵抗素子40は、例えば、シリコン基板にボロンをイオンインプラントすることで形成されている。また、本体部23からカンチレバー22の基端部までに亘って、カンチレバー22の長手方向に延びる素リッド24が形成されている。
図8に示すように、カンチレバー22の基端部に、スリット24が形成されている構造とすることにより、カンチレバー22の基端部が撓み易い応力集中部となり、更に精度の高い測定を可能とする。
なお、本実施形態においては、探針部の断面形状を円形つまり円錐状の探針としたが、これに限られることはなく、四角形や半円形などいずれの形状でも良い。
本発明の第1の実施形態に係る微小加工装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分斜視図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部の変形例を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る微小加工装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの要部を示す部分斜視図である。
符号の説明
1、2 微小加工装置
3 試料移動手段
4 駆動装置
5 加振電源
500 加振手段
6、60 変位検出手段
7 コンピュータ
8 接触検出手段
9 試料支持部
10 接触検知機構
20、201 プローブ
21 探針部
22 カンチレバー
23 本体部
24 スリット
30、30a、30b カンチレバー姿勢維持機構
31 拘束部
28 絶縁層
40 ピエゾ抵抗素子
41、42 ピエゾ抵抗素子用電極配線
100 試料

Claims (7)

  1. カンチレバーと、
    前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、
    前記カンチレバーの近傍に設けられたカンチレバー姿勢維持機構と、
    前記カンチレバーおよび前記カンチレバー姿勢維持機構のそれぞれに設けられた接触検知機構と、
    を有し
    前記接触検知機構は、前記カンチレバーが撓むことにより該カンチレバーに設けられた接触検知機構と前記カンチレバー姿勢維持機構に設けられた接触検知機構が接触する状態に形成されていることを特徴とする微小加工装置用プローブ。
  2. 前記カンチレバー姿勢維持機構は、前記カンチレバーの幅方向両側のそれぞれにおいて該カンチレバーの面に対向するように、前記カンチレバーの長手方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の微小加工装置用プローブ。
  3. 前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の微小加工装置用プローブ
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微小加工装置用プローブと、
    前記探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する前記探針部の変位データを検出する変位検出手段と、
    前記探針部を前記試料表面に平行で互いに直交する二方向及び前記試料表面に垂直な方向に前記試料に対して相対的に移動させる移動手段と、
    を備える微小加工装置。
  5. 前記探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段をさらに備え、
    前記変位検出手段は、前記探針部の振動状態を検出する請求項に記載の微小加工装置。
  6. 前記変位検出手段が、前記カンチレバー内に設けられた変位検出部に接続されている請求項または請求項に記載の微小加工装置。
  7. 前記変位検出部はピエゾ抵抗素子である請求項に記載の微小加工装置。
JP2008012628A 2008-01-23 2008-01-23 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置 Expired - Fee Related JP5148302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008012628A JP5148302B2 (ja) 2008-01-23 2008-01-23 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008012628A JP5148302B2 (ja) 2008-01-23 2008-01-23 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009172703A JP2009172703A (ja) 2009-08-06
JP5148302B2 true JP5148302B2 (ja) 2013-02-20

Family

ID=41028400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008012628A Expired - Fee Related JP5148302B2 (ja) 2008-01-23 2008-01-23 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5148302B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6241402B2 (ja) * 2014-10-06 2017-12-06 Jfeスチール株式会社 接触検知装置、接触検知方法および疵検出器

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2653575B2 (ja) * 1991-08-30 1997-09-17 株式会社東芝 カンチレバー体及びこれを用いた表面修正装置
WO1997009584A1 (en) * 1995-09-01 1997-03-13 International Business Machines Corporation Cantilever with integrated deflection sensor
US6884999B1 (en) * 2000-10-24 2005-04-26 Advanced Micro Devices, Inc. Use of scanning probe microscope for defect detection and repair
JP4426730B2 (ja) * 2001-01-12 2010-03-03 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 マスクの黒欠陥修正方法
JP2002333395A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Canon Inc 走査型プローブを備えた情報検出装置、該情報検出装置を用いて構成した加工装置、表面観察装置、及び走査型プローブを備えた情報検出方法
JP3908526B2 (ja) * 2001-12-10 2007-04-25 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 フォトマスクの欠陥修正方法
JP4361403B2 (ja) * 2004-03-15 2009-11-11 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 加工用プローブ
JP2005266650A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Sii Nanotechnology Inc スクラッチ修正加工方法及びそれに用いるspm
JP2006258429A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Sii Nanotechnology Inc 走査型プローブ顕微鏡
JP4676237B2 (ja) * 2005-04-12 2011-04-27 エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 Afmを用いたフォトマスク欠陥修正装置及び方法
JP4559928B2 (ja) * 2005-08-11 2010-10-13 セイコーインスツル株式会社 カンチレバー
JP2007320017A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Sii Nanotechnology Inc 原子間力顕微鏡微細加工装置を用いた加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009172703A (ja) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7107826B2 (en) Scanning probe device and processing method by scanning probe
JP5337974B2 (ja) 微小構造を修正するためのスタイラス・システム
US7716970B2 (en) Scanning probe microscope and sample observation method using the same
KR101598832B1 (ko) 기판의 결함 검사 방법
JP2009160689A (ja) 走査型プローブ顕微鏡を用いた異物除去方法
JP5148302B2 (ja) 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置
JP2007320017A (ja) 原子間力顕微鏡微細加工装置を用いた加工方法
JP4676237B2 (ja) Afmを用いたフォトマスク欠陥修正装置及び方法
JP2007205849A (ja) 多機能カンチレバー及び走査型プローブ顕微鏡並びに加工対象物の切削方法
JP4995466B2 (ja) 走査型プローブによる加工方法
US20090092905A1 (en) Photomask defect correction device and photomask defect correction method
JP4811568B2 (ja) パターン寸法計測方法およびパターン寸法計測装置
JP2009198202A (ja) 異物除去装置および異物除去方法
JP2009125898A (ja) 微小加工装置用プローブおよび微小加工装置
JPWO2005020243A1 (ja) 走査型プローブ顕微鏡のプローブおよびその製造方法
JP4751190B2 (ja) 温度測定用プローブ
JP4692960B2 (ja) 微小加工装置及び微小ワーク加工方法
JPH06258072A (ja) 圧電体薄膜評価装置、原子間力顕微鏡
JP4931708B2 (ja) 顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡
JP4931640B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP4785537B2 (ja) プローブ、走査型プローブ顕微鏡、及びプローブの製造方法
JP2009300322A (ja) 走査プローブ顕微鏡及びそのプローブの洗浄方法
JP4405607B2 (ja) スキャニングプローブ、走査装置、露光装置、および近接場顕微鏡
JP2007111805A (ja) 多機能プローブ及び微細加工装置並びに微細加工方法
US20240133919A1 (en) Method of removing and collecting particles from photomask and device for removing and collecting particles therefrom

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091108

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151207

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees