JP5148103B2 - シートトラックのロック解除機構 - Google Patents

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本発明は、シートの前後方向位置を調整するシートトラック装置に関し、特にシートトラックのスライドロック状態を解除するロック解除機構に関する。
シートを前後方向に移動させるシートトラックには、その移動を禁止するロック機構と、ロック解除操作を行うロック解除機構が設けられる。一般的なシートトラックは次のような構造になっている。床面側に固定されたロアレールに対して、シート側のアッパレールが摺動可能に支持されている。アッパレールにはロアレール側のロック孔に対して係脱可能なロックレバーが設けられており、このロックレバーはロック付勢ばねによりロック孔との係合方向に付勢されている。ロック解除機構として、操作用のループハンドル(ハンドル部材)と、このループハンドルのロック解除操作力をロックレバーに伝達するオープンレバーが設けられている。シートの前後位置を調整するときには、ループハンドルを操作するとオープンレバーがロック解除方向に回動され、これに応じてロック付勢ばねの付勢力に抗してロックレバーがロック孔との係合を解除して、アッパレールの移動が可能になる。
以上のようなシートトラックでは、特許文献1のように、ロックレバーにロック方向の付勢力をかけるのみならず、ロック付勢ばねとは逆方向への付勢力をオープンレバーに付与することが好ましい。この逆付勢ばねは、ロック機構とロック解除機構の間における精度誤差を吸収してオープンレバーをロックレバーに確実に当接させるためのものであり、これによりガタつきや不要な空走区間がなくなるので、操作レスポンスが良好になり、また確実なアンロック動作を行わせることができる。なお、意図せぬロック解除が生じないように、逆付勢ばねの付勢力はロック付勢ばねの付勢力よりも小さく設定される。
ところで、ロック解除機構においてはさらに、オープンレバーとループハンドルの確実な結合が要求される。具体的には、オープンレバーとループハンドルの間の遊び(ガタつき)をなくしたり、オープンレバーに対するループハンドルの抜け止めを行うことが必要とされる。しかし、これらを満たすための遊び除去手段や抜け止め手段を独自に設けると部品点数が多く構造が複雑になり、組立性やコスト面の観点からは不利になる。
特開2005−225415号公報
本発明は、簡単かつ安価な構成でありながら、オープンレバーとロック部材の連動操作性、オープンレバーとハンドル部材の連動操作性及び結合安定性のいずれにおいても優れたシートトラックのロック解除機構を提供することを目的とする。
本発明は、ロアレールと、該ロアレールに移動可能に係合するアッパレールと、ロアレールに対するアッパレールの移動を規制するロック位置と該規制を解除したアンロック位置とに移動可能なロック部材と、該ロック部材をロック方向に付勢するロック付勢ばねと、ロック部材のアンロック操作を行うロック解除機構とを有するシートトラックに適用されるものである。本発明のロック解除機構は、アッパレール上に回動可能に支持され、ロック部材に対してアンロック方向の回動力を伝達するオープンレバーと、このオープンレバーに形成したハンドル支持孔に挿入され、該ハンドル支持孔を介してオープンレバーにアンロック方向の回動操作力を伝達するハンドル部材と、このハンドル部材の外面に形成した係合溝に係合する付勢アーム部とアッパレール側のばね掛け部に係合する支点アーム部とを有し、ハンドル部材をアンロック方向に押圧付勢して該ハンドル部材とオープンレバーのハンドル支持孔との間のアンロック方向の遊びをとるとともに、ハンドル支持孔に対してハンドル部材を抜け止めする、ロック付勢ばねよりも小さい付勢力のハンドル部材付勢ばねを備えていることを特徴としている。この構成によれば、オープンレバーの逆方向付勢、ハンドル部材とオープンレバーの間の遊び除去及びハンドル支持孔に対するハンドル部材の抜け止め、という複合的な機能をハンドル部材付勢ばねが担うため、構造が簡略になり、ロック解除機構の小型化や製造コストの削減といった効果が得られる。
アッパレール上に、その移動方向と略直交する側方へ向けて突設され、オープンレバーの軸孔が相対回動自在に嵌まる軸突起を備え、ハンドル部材付勢ばねは、この軸突起に嵌まるコイル部と、コイル部から延出されアッパレール側のばね掛け部に係合する支点アーム部と、コイル部から延出されハンドル部材の係合溝に係合する付勢アーム部とを有するトーションコイルばねからなることが好ましい。
オープンレバーは、ハンドル部材の組み付け前にハンドル部材付勢ばねの付勢アーム部を仮係合させる仮保持部を有し、オープンレバーにおけるハンドル支持孔へのハンドル部材の挿入動作に応じて、ハンドル部材付勢ばねの撓み量を大きくさせながら付勢アーム部が仮保持部との係合位置からハンドル部材の係合溝との係合位置へ変位されるようにすると、組み付け作業が容易になる。この場合、オープンレバーの仮保持部を、開口部を通して付勢アーム部が係脱可能なばね進入溝とした上で、ハンドル部材の係合溝とオープンレバーのばね進入溝を互いの開口方向を共通とした同方向の溝として形成することが好ましい。また、ハンドル部材の端部には、ハンドル支持孔への挿通動作に応じてハンドル部材付勢ばねの付勢アーム部に当接して前記変位方向への分力を生じさせるテーパー面が形成されていることが好ましい。
以上の本発明によれば、簡単かつ安価な構成でありながら、オープンレバーとロック部材の連動操作性、オープンレバーとハンドル部材の連動操作性及び結合安定性のいずれにおいても優れたシートトラックのロック解除機構を得ることができる。
図1に分解状態で示すシートトラック装置は、図示を省略したシートクッションの下部に取り付けられるアッパレール15と、車両のフロア側に固定されるロアレール16とを備えている。ロアレール16は、上面の中央に開口部を有するコ字状の断面形状をなし、該開口部の両側に抜止部16aが形成され、さらに一方の側面に複数のロック孔18が形成されている。アッパレール15は、ロアレール16の上面開口部から上方に突出する逆U字状断面の中央突出部15aと、抜止部16aに係合して抜け止めされる抜止腕部15bとを有している。アッパレール15は、複数のガイドボール17(図4、図5、図12、図14)を介して、ロアレール16に対して車両の前後方向(レールの長手方向)に移動可能に支持されており、アッパレール15の移動によりシートの前後方向位置を変化させることができる。なお、図では一組のアッパレール15とロアレール16のみを示しているが、シートトラック装置は、シート左右方向に位置を異ならせて設けた二組のアッパレール15とロアレール16を備えている。
アッパレール15には、ロックレバーブラケット19とクランク軸20を介して回動可能にロックレバー21が軸支されている。ロックレバー21は複数のロック爪21aを有し、該ロック爪21aをロアレール16のロック孔18に係合させるロック位置(図4の実線位置)と、ロック爪21aをロック孔18から離脱させるアンロック位置(図4の二点鎖線位置)とに回動することができる。ロックレバー21の支持構造の詳細は次のようになっている。クランク軸20は同軸上に位置する第1直線部20a及び第2直線部20bと、該第1直線部20aと第2直線部20bの間のU字状をなす中間クランク部20cと、第2直線部20bの前端部に位置する先端曲げ部20dを有している。アッパレール15の中央突出部15aの上面にはロックレバーブラケット19が固定され、ロックレバーブラケット19には前後方向に位置を異ならせて一対の軸支持孔19aが形成されている。軸支持孔19aにはクランク軸20の第1直線部20aが相対回動可能に挿入されている。第1直線部20aは同時に、ロックレバー21に一対設けた軸受部21bに対して相対回動自在に支持(挿入)されている。ロックレバー21はさらに、前方に突出する回動伝達腕21cを中間クランク部20cに係合させている。この回動伝達腕21cと中間クランク部20cの係合位置は、第1直線部20aの軸線に対して偏心している。そのため、クランク軸20が第1直線部20a(及び同軸の第2直線部20b)を中心とする回動を行うと、その回動中心から偏心した中間クランク部20cを介して回動伝達腕21cに回動力が伝達され、ロックレバー21は第1直線部20aを回動中心として回動される。ロックレバー21は、第1直線部20aの軸回りに設けたトーションコイルばねからなるロック付勢ばね22によって、前記のロック位置(図4の時計方向)へ回動付勢されている。ロック付勢ばね22のコイル部から延出される一方のアーム部(ばね端部)はロックレバーブラケット19に係合し、他方のアーム部(ばね端部)はロックレバー21の側部に係合している。
ロック位置に回動付勢されたロックレバー21をアンロック位置へ回動させるロック解除機構は、オープンレバーブラケット30、オープンレバー31、ハンドル付勢ばね32、ループハンドル(ハンドル部材)33によって構成される。
オープンレバーブラケット30は、アッパレール15の上面側に固定される固定部30aと、クランク軸20の第2直線部20bを回動自在に支持する一対の軸支持腕部30bと、ロアレール16の側方に沿うように固定部30aから垂下形成された側方垂下部30cと、側方垂下部30cから側方に向けて突設された軸突起30dと、側方垂下部30cの前端部に設けた回動規制突起30eと、側方垂下部30cの後端部に設けたばね掛け突起30fを有している。ばね掛け突起30fは、先端が下方に向けて折り曲げられた鈎状の形状をしている。
オープンレバー31は、上面部31aと、該上面部31aより低い位置に形成された回動伝達片31bと、軸孔31c及び回動制御孔31dが貫通形成されオープンレバーブラケット30の側方垂下部30cに対向する側壁部31eと、上面部31aの前端部から下方に垂下形成され円形のハンドル支持孔31fを有する前方垂下部31gと、上面部31aの後端部から下方に垂下形成され円形のハンドル支持孔31hを有する後方垂下部31iと、該後方垂下部31iの側方に設けらればね進入溝31jを有する仮ばね掛け部(仮保持部)31kと、側壁部31eから片持ち梁状の形態で前方へ延出されるハンドル保持腕31mを有している。ハンドル保持腕31mは、側壁部31eとの接続部分を支点として上下方向へ弾性変形可能である。また、前後のハンドル支持孔31f、31hは同軸上に並ぶ位置関係にある。
ハンドル付勢ばね32は、軸突起30dに嵌まるコイル部32aと、該コイル部32aから後方に延出されオープンレバーブラケット30のばね掛け突起30fに係合する支点アーム部32bと、コイル部32aから側方に延出される付勢アーム部32cとを有するトーションコイルばねである。付勢アーム部32cの先端部はさらに略直角に折り曲げられた折曲部32dとなっている。図15に単体形状を示すループハンドル33は、中空の円筒部33aにおける後端部が、先にいくほど徐々に径が小さくなるように絞り込まれた円錐状のテーパー面33bとなっている。このテーパー面33bの若干前方には、外周面の一部を切り欠いてばね係合溝部(係合溝)33cが形成されている(図16参照)。
オープンレバーブラケット30に突設した軸突起30dの軸線は、アッパレール15の移動方向(前後方向)に対して略直交するシート左右方向に向いている。そしてオープンレバー31は、軸突起30dに対して円形の軸孔31cを挿通させ、該軸突起30dを中心として回動可能に支持される。回動制御孔31dは、このオープンレバー31の回動方向に沿う(軸孔31cを中心とする)弧状の長孔であり、その内部にオープンレバーブラケット30の回動規制突起30eが挿入される。回動規制突起30eが該回動制御孔31dの端部に当て付くことにより、オープンレバーブラケット30(アッパレール15)に対するオープンレバー31の回動が規制される。
オープンレバーブラケット30の軸支持腕部30bは、クランク軸20の第2直線部20bを回動自在に保持している。前述の通り、クランク軸20は第2直線部20bと同軸上に位置する第1直線部20aがロックレバーブラケット19の軸支持孔19aによって回動自在に支持されており、したがってクランク軸20全体は、第1直線部20aと第2直線部20bの共通軸線を中心としてロックレバーブラケット19及びオープンレバーブラケット30に対して回動する。
図2に示すように、クランク軸20の先端曲げ部20dはオープンレバー31の回動伝達片31bに係合している。クランク軸20とロックレバー21は、前述の回動伝達腕21cと中間クランク部20cの係合によって一体的に回動するようになっており、ロックレバー21をロック位置方向に回動付勢するロック付勢ばね22の付勢力はクランク軸20に対しても作用し、このロック付勢ばね22の付勢力は、先端曲げ部20dを回動伝達片31bに当て付ける方向に作用する。但し、ロックレバー21はロック位置よりさらにロック方向には回動しないように回動端が定められており、クランク軸20の先端曲げ部20dは、回動伝達片31bへの接近方向へ無制限に回動することはできない。そしてハンドル付勢ばね32は、ロック付勢ばね22の付勢力と反対方向、すなわち回動伝達片31bを先端曲げ部20dに当て付ける方向(図3の時計方向)へとオープンレバー31を回動付勢する。ハンドル付勢ばね32がオープンレバー31に及ぼす回動付勢力は、ロック付勢ばね22がロックレバー21やクランク軸20に及ぼすロック方向の回動付勢力よりも小さく設定されている。ループハンドル33は、ハンドル支持孔31fとハンドル支持孔31hに対して挿入された状態で、ハンドル付勢ばね32を介してオープンレバー31に対する抜け止め及びガタ止めがなされ、オープンレバー31と一体化される。このハンドル付勢ばね32の具体的な支持構造と機能については後述する。
以上のロック解除機構は、次のように組み立てられる。まず、オープンレバーブラケット30をアッパレール15に固定した状態で、軸突起30dに軸孔31cを挿通させ、かつ回動規制突起30eを回動制御孔31d内に進入させてオープンレバー31を軸支する。このとき、オープンレバー31の側壁部31eがオープンレバーブラケット30の側方垂下部30cに対面するが、側壁部31eと側方垂下部30cは互いに平行な平面状部のため、側壁部31eと側方垂下部30cが接した状態でもオープンレバー31の回動は妨げられない。続いて、軸突起30dにコイル部32aを嵌め、支点アーム部32bをばね掛け突起30fに掛け、付勢アーム部32cをばね進入溝31jに進入させてハンドル付勢ばね32を取り付ける。
図9ないし図11、図14は、ハンドル付勢ばね32の組み付けまでが完了した状態を示している。なお、これらの図ではクランク軸20は図示されていない。ばね掛け突起30fは先端部が下方に向けて曲折されており、当該曲折部分に支点アーム部32bが係合することによって、軸突起30dの先端部方向へのハンドル付勢ばね32の移動(脱落)が防止される。この保持状態でハンドル付勢ばね32は若干量撓ませられており、その撓み解放力によって、図10及び図11に示すように、付勢アーム部32cがばね進入溝31jの最奥部(上端部)に当接している。また、軸突起30dには、オープンレバー31の側壁部31eとハンドル付勢ばね32のコイル部32aの間に位置する大径の鍔部が設けられ、この鍔部が側壁部31eを押さえて、軸突起30dからのオープンレバー31の脱落を防止する。
以上の状態では、ループハンドル33はまだ取り付けられていない。続いて、ループハンドル33を取り付ける。ループハンドル33は、後端のテーパー面33bを挿入方向の先端部としてまず前方のハンドル支持孔31fに挿入され、続いて後方のハンドル支持孔31hに挿入される。このとき、図7に示すように、ハンドル保持腕31mの先端部付近がループハンドル33の外周面に接触して下方に弾性変形され、復元しようとするハンドル保持腕31mによってループハンドル33が上方へ押圧される。ループハンドル33がハンドル支持孔31hを貫通してさらに挿入されると、ばね進入溝31jに進入しているハンドル付勢ばね32の付勢アーム部32cに対してテーパー面33bが当接する。ここでループハンドル33の挿入方向の力が加わると、テーパー面33bの傾斜形状により、付勢アーム部32cに対して下方(ばね進入溝31jの開口方向)へ押し下げる分力が作用し、該付勢アーム部32cが下方に弾性変形されてハンドル付勢ばね32の撓み量が大きくなる。
さらにループハンドル33の挿入を継続すると、テーパー面33bに代わってばね係合溝部33cがばね進入溝31jと重なる位置に達する。すると、撓み復元力によってハンドル付勢ばね32の付勢アーム部32cがばね係合溝部33cに係合する。ばね進入溝31jとばね係合溝部33cはそれぞれ下方に向けて開口された同方向の溝であるため、ばね係合溝部33cに係合させる際の付勢アーム部32cの撓み変形をスムーズに行わせることができる。付勢アーム部32cがばね係合溝部33cに係合するとき、付勢アーム部32cはばね進入溝31j内には位置しているが、その付勢力はばね係合溝部33cで受けることになる。つまり付勢アーム部32cとばね進入溝31jは実質的には係合していない。これが図6ないし図8、図12及び図13の状態である。なお、先の図9ないし図11、図14と同様に、これらの図でもクランク軸20は図示されていない。
この状態では、まず、付勢アーム部32cとばね係合溝部33cの係合によって、ループハンドル33はその軸方向の移動が規制され、ループハンドル33がハンドル支持孔31fやハンドル支持孔31hから前方に抜けないように抜け止めがなされる。また、図8及び図13に示すように、ばね係合溝部33cにおける付勢アーム部32cとの当接面(ばね受け面)は、ばね進入溝31jの最奥部よりも下方に位置しており、したがってループハンドル33を組み付ける前よりも組み付けた後の方が、ハンドル付勢ばね32の撓み量が大きい状態に維持される。このハンドル付勢ばね32の撓み状態からの復元力により、ループハンドル33は上方に押圧付勢され、ループハンドル33における円筒部33aの外周面がハンドル支持孔31fやハンドル支持孔31hの内縁部(特に上面部31aに近い側の領域)に押し付けられて、アンロック方向の遊びが除去された状態でループハンドル33とオープンレバー31が結合される。なお、ハンドル付勢ばね32に加えて、弾性変形された状態でループハンドル33に当接しているハンドル保持腕31mも、ループハンドル33とオープンレバー31の間の遊びをとる補助的な機能を有している。
このときハンドル付勢ばね32(付勢アーム部32c)とオープンレバー31には実質的な係合関係はないが、ループハンドル33における円筒部33aとハンドル支持孔31f、ハンドル支持孔31hとの当接箇所を介して、オープンレバー31にもハンドル付勢ばね32の付勢力が間接的に作用する。この付勢力は、オープンレバー31を図7の時計方向へ回動付勢する。前述のように、クランク軸20には、ロック付勢ばね22によって、先端曲げ部20dを回動伝達片31bに接近させるロック方向の付勢力が作用している。このロック方向の付勢力を正方向の付勢力とした場合、ハンドル付勢ばね32がオープンレバー31に及ぼす付勢力は、当該正方向付勢力とは逆に、回動伝達片31bを先端曲げ部20dに接近させる方向の付勢力である。前述のように、クランク軸20の先端曲げ部20dの角度位置はロックレバー21に依存して決まる。そのため、例えば、ロックレバー21がロック位置にあるときに、クランク軸20が設計上の角度位置よりも先端曲げ部20dをアンロック方向に立ち上げた状態で停まってしまう可能性がある。ここで、本実施形態とは異なり、オープンレバー31が逆付勢されていないと、先端曲げ部20dが回動伝達片31bとの間に過大な遊びができ、ガタつきによる異音を生じたり、アンロック操作時において回動伝達片31bが先端曲げ部20dに当接するまでに遅延が生じて操作応答性が悪くなってしまうなどの不具合が起こりうる。これに対し、オープンレバー31を逆付勢することにより、回動伝達片31bを先端曲げ部20dに確実に当接させ、以上のような不具合を防ぐことができる。すなわち、ハンドル付勢ばね32の逆方向付勢力により、回動伝達片31bと先端曲げ部20dを遊びなく確実に当接させ、アンロック操作時のレスポンスや作動性能を良好なものにすることができる。なお、前述のように、ハンドル付勢ばね32の付勢力はロック付勢ばね22の付勢力よりも小さく設定されているため、アンロック操作しないにも関わらずオープンレバー31がハンドル付勢ばね32の付勢力でクランク軸20(ロックレバー21)をアンロック方向に回動させてしまうおそれはない。
以上のように、オープンレバー31に対してループハンドル33を抜け止めする(結合させる)機能、オープンレバー31とループハンドル33の間の遊びを取る機能、オープンレバー31に対してロック付勢ばね22とは逆方向の付勢力を与えて確実なアンロック操作を行わせる機能、といった複合的な機能を、ハンドル付勢ばね32は単独で担っている。
以上の構造のシートトラック装置は、次のように動作する。ループハンドル33をアンロック操作していないときは、ロック付勢ばね22の付勢力によってロックレバー21は図4に実線で示すロック位置に保持される。また、先端曲げ部20dと回動伝達片31bがハンドル付勢ばね32の付勢力によって当接した状態を保っている。シートスライドを行うときには、ループハンドル33を上方に引き上げ操作する。すると、ハンドル支持孔31f、31hといったループハンドル33との係合箇所を介して当該引き上げ操作力がオープンレバー31に伝わり、軸突起30dを中心としてオープンレバー31が図3及び図7(図3ではループハンドル33が図示されておらず、図7ではクランク軸20が図示されていないが、組み立てられた状態ではこれら2部材とも取り付けられている)の時計方向に回動する。オープンレバー31の当該回動により回動伝達片31bが先端曲げ部20dを上方に押し上げ、クランク軸20はロック付勢ばね22の付勢力に抗して第1直線部20a、第2直線部20bの軸線を中心としてアンロック方向へ回動する。すると、ロックレバー21が図4の実線で示すロック位置から同図に二点鎖線で示すアンロック位置へ回動され、ロック爪21aがロック孔18との係合位置から離脱する。これにより、ロアレール16に対するアッパレール15の前後摺動が可能になる。所望のシートスライド位置を得たら、ループハンドル33に対する引き上げ操作を解除する。すると、クランク軸20及びロックレバー21はロック付勢ばね22の回動付勢力によって再びロック位置に戻り、ロック爪21aがロック孔18に係合してアッパレール15の前後移動が規制される。つまりスライドロック状態となる。
以上のように、本実施形態によれば、オープンレバー31に対するループハンドル33の抜け止め、オープンレバー31とループハンドル33の間のアンロック方向の遊び除去、オープンレバー31に対する逆付勢、といった機能をハンドル付勢ばね32が単独で担うため、ロック解除機構の構造を極めて簡略化することができる。特に、ハンドル付勢ばね32自体は一般的なトーションコイルばねを用いることができ、かつループハンドル33にばね係合溝部33cという単純な加工を施すのみでよいから、ブラケットやレバーといった複雑な形状の部材の加工で同等の機能を得ようとする場合に比して、製造コストを低く抑えることができ、製造も容易であるという利点がある。
以上、図示実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、図示実施形態では、組み立てやすさを考慮して、ループハンドル33の取り付け前の段階でハンドル付勢ばね32の付勢アーム部を仮係合させておく仮ばね掛け部31k(ばね進入溝31j)をオープンレバー31に形成してあるが、こうした仮係合部を省略した態様とすることも可能である。
本発明によるロック解除機構を適用したシートトラック装置の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1のシートトラック装置の組立完了状態における平面図である。 ループハンドルを取り除いた状態のシートトラック装置の側面図である。 図3のA−A断面線に沿うロック機構付近の断面図である。 図3のB−B断面線に沿うロック機構付近の断面図である。 ループハンドル取り付け状態におけるロック解除機構付近を拡大して示す平面図である。 ループハンドル取り付け状態におけるロック解除機構付近を拡大して示す側面図である。 図7においてループハンドルとハンドル付勢ばねの係合箇所付近を拡大して示した側面図である。 ループハンドル取り外し状態におけるロック解除機構付近を拡大して示す平面図である。 ループハンドル取り外し状態におけるロック解除機構付近を拡大して示す側面図である。 図10において仮保持部とハンドル付勢ばねの係合箇所付近を拡大して示した側面図である。 図7における矢印C方向から見た、ループハンドル取り付け状態におけるロック解除機構付近の背面図である。 図8のD−D断面線に沿う位置におけるループハンドルとハンドル付勢ばねの係合箇所の拡大断面図である。 図10における矢印E方向から見た、ループハンドル取り外し状態におけるロック解除機構付近の背面図である。 ループハンドルの単体形状を示す図である。 図15のF−F断面線に沿うループハンドルの係合溝付近の断面図である。
符号の説明
15 アッパレール
16 ロアレール
19 ロックレバーブラケット
20 クランク軸
21 ロックレバー
22 ロック付勢ばね
30 オープンレバーブラケット
30d 軸突起
30f ばね掛け突起
31 オープンレバー
31b 回動伝達片
31f 31h ハンドル支持孔
31j ばね進入溝
31k 仮ばね掛け部(仮保持部)
31m ハンドル保持腕
32 ハンドル付勢ばね
32a コイル部
32b 支点アーム部
32c 付勢アーム部
32d 折曲部
33 ループハンドル(ハンドル部材)
33a 円筒部
33b テーパー面
33c ばね係合溝部(係合溝)

Claims (5)

  1. ロアレールと、該ロアレールに移動可能に係合するアッパレールと、ロアレールに対するアッパレールの移動を規制するロック位置と該規制を解除したアンロック位置とに移動可能なロック部材と、該ロック部材をロック方向に付勢するロック付勢ばねと、前記ロック部材のアンロック操作を行うロック解除機構とを有するシートトラックにおいて、
    前記ロック解除機構は、
    前記アッパレール上に回動可能に支持され、前記ロック部材に対してアンロック方向の回動力を伝達するオープンレバーと、
    前記オープンレバーに形成したハンドル支持孔に挿入され、該ハンドル支持孔を介してオープンレバーにアンロック方向の回動操作力を伝達するハンドル部材と、
    前記ハンドル部材の外面に形成した係合溝に係合する付勢アーム部と、前記アッパレール側のばね掛け部に係合する支点アーム部とを有し、該ハンドル部材を前記アンロック方向に押圧付勢して該ハンドル部材と前記ハンドル支持孔の間のアンロック方向の遊びをとるとともに、ハンドル支持孔に対してハンドル部材を抜け止めする、前記ロック付勢ばねよりも小さい付勢力のハンドル部材付勢ばねと、
    を備えたことを特徴とするシートトラックのロック解除機構。
  2. 請求項1記載のシートトラックのロック解除機構において、アッパレール上に、その移動方向と略直交する側方へ向けて突設され、前記オープンレバーの軸孔が相対回動自在に嵌まる軸突起を備え、
    前記ハンドル部材付勢ばねは、前記軸突起に嵌まるコイル部と、前記コイル部から延出され前記アッパレール側のばね掛け部に係合する前記支点アーム部と、前記コイル部から延出され前記ハンドル部材の係合溝に係合する前記付勢アーム部とを有するトーションコイルばねからなることを特徴とするシートトラックのロック解除機構。
  3. 請求項2記載のシートトラックのロック解除機構において、オープンレバーは、ハンドル部材の組み付け前に前記ハンドル部材付勢ばねの付勢アーム部を仮係合させる仮保持部を有し、付勢アーム部は、前記ハンドル支持孔へのハンドル部材の挿入動作に応じて、ハンドル部材付勢ばねの撓み量を大きくさせながら仮保持部との係合位置からハンドル部材の前記係合溝との係合位置へ変位することを特徴とするシートトラックのロック解除機構。
  4. 請求項3記載のシートトラックのロック解除機構において、前記ハンドル部材の係合溝は、前記付勢アーム部を弾性変形させながら係脱させる開口部を有し、前記オープンレバーの仮保持部は、前記付勢アーム部を弾性変形させながら係脱させる開口部を有するばね進入溝であり、前記係合溝と前記ばね進入溝が互いの開口方向を共通とした同方向の溝であることを特徴とするシートトラックのロック解除機構。
  5. 請求項3または4記載のシートトラックのロック解除機構において、ハンドル部材の端部に、前記ハンドル支持孔への挿通動作に応じて前記付勢アーム部に当接して前記変位方向への分力を生じさせるテーパー面が形成されていることを特徴とするシートトラックのロック解除機構。
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