JP5148036B2 - 燃料電池用電極および燃料電池用電極ペーストの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質膜、電極基材などの表面に、少なくとも導電材粒子および樹脂を含有するペーストを塗布して塗膜層を形成する燃料電池用電極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高効率化を望まれている燃料電池、特に固体高分子電解質型燃料電池やダイレクトメタノール型燃料電池の電極には、高分子電解質膜、電極基材または転写用支持体の表面に、カーボン粒子などの導電材粒子を含有する塗膜層を塗布して形成する電極製造方法がとられている。この塗膜層を形成するために、導電材粒子を含有するペーストを作製して塗布する工程が必要である。また、塗膜層は必ずしも一層である必要はなく、高分子電解質膜側から外側に向かって、粒子の平均粒径を変更していくように塗膜層を設けたり、撥水層と親水層が存在するように塗膜層を設けたりする多層構造も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
塗膜層を形成するためのペーストを作製するには、塗膜の固形成分の一部である導電材粒子の二次粒子化を促進するために、強い剪断力で混合処理する必要がある。また、電極を作製する際、ガス拡散層には撥水性樹脂を、触媒層にはイオン交換樹脂をそれぞれ添加するのが一般的である。ここで添加する樹脂としては、フッ素系樹脂、イオン交換樹脂、アクリル/スチレン系共重合樹脂、スチレン/ブタジエン系共重合樹脂、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ホルマール系樹脂、アセタール系樹脂等を溶解した樹脂溶液あるいはエマルジョン化した樹脂溶液を用いることができる。
【0004】
しかしながら、一般にエマルジョン樹脂はフッ素系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂等の合成樹脂を界面活性剤や分散剤で水溶液中に分散した樹脂溶液で、剪断応力や温度及びpHの微小な変化により合成樹脂自身の凝集が発生しやすく、取り扱いに注意が必要である。ここで、凝集とは、コロイド状態で存在する樹脂同士の分子間および分子内相互作用が強くなり絡み合うことをいう。それゆえにペースト作製工程中で、エマルジョン樹脂添加前に導電材等の固形成分の混合が不十分であると、エマルジョン樹脂添加後にさらに二次粒子化を達成する必要が生じ、そのために強い剪断力を付加するとエマルジョン樹脂の凝集が発生するという問題が生じる。また、樹脂の凝集が発生したペーストを用いると、精製工程や塗布工程中に、凝集物が詰まってフィルター圧力が増加したり、塗工スジが発生したり、それら電極を巻取る工程を経て電池を作製した場合、本来必要な樹脂が精製工程時に取り除かれて結合力がなくなるので塗膜欠落の原因になったりする等の問題が生じる。
【0005】
また、ペーストの作製工程において、混合撹拌機の機械的な撹拌作用や粉体の湿潤により、ペースト中に気泡を巻き込む問題がある。この気泡を含有したまま塗布を行うと、塗布乾燥後の塗膜層上に高分子電解質膜、電極基材などの下地が見えるようなピンホールが発生したり、塗膜層にひび割れが発生したりする等の問題がある。そのため、ピンホール部での電荷の移動が妨げられることによる電池出力電圧の低下が発生したり、ひび割れしている部分から塗膜が欠落し、短絡による不良が発生したり出力が低下したりする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電材粒子および樹脂を含むペーストを調製する工程、ならびに調製されたペーストを高分子電解質膜、電極基材または支持体の表面に塗布して塗膜層を形成する工程を有する燃料電池用電極の製造方法であって、前記ペーストを調製する工程が、導電材粒子のほとんどが二次粒子化するように、第1の剪断力で前記導電材粒子および分散媒を混合処理する第1混合工程と、次いで、前記導電材粒子および前記分散媒の混合物に樹脂分を添加し、前記樹脂の凝集が発生しないように、前記第1の剪断力より弱い第2の剪断力で、前記樹脂、前記導電材粒子および前記分散媒を混合処理してペーストを調製する第2混合工程と、を有する燃料電池用電極の製造方法を提供する。
ただし、ペーストを高分子電解質膜、電極基材または支持体の表面に塗布する前に、前記ペーストを60torr以下の減圧下に保持する工程を有する。
前記塗膜層を形成する工程の後に、熱風乾燥を行う工程を有することが好ましい。
また、本発明は、導電材粒子のほとんどが二次粒子化するように、第1の剪断力で前記導電材粒子および分散媒を混合処理する第1混合工程と、次いで、前記導電材粒子および前記分散媒の混合物に樹脂を添加し、前記樹脂の凝集が発生しないように、前記第1の剪断力より弱い第2の剪断力で、前記樹脂、前記導電材粒子および前記分散媒を混合処理してペーストを調製する第2混合工程と、前記ペーストを60torr以下の減圧下に保持する工程と、を有する燃料電池用電極ペーストの製造方法をも提供する。
本発明の燃料電池用電極または燃料電池用電極ペーストの製造方法の一態様において、前記導電材粒子は、カーボン粒子を含む触媒粒子であることが好ましく、前記樹脂は、イオン交換樹脂であることが好ましい。
また、別の一態様において、前記導電材粒子は、カーボン粒子であることが好ましく、前記樹脂は、撥水性樹脂であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1はペースト作製工程の一例を示す。
まず、導電材粒子のカーボンブラックとその分散媒である界面活性剤の水溶液とを混合し、これに第1の混合処理を施す(混合I)。次いで、界面活性剤の水溶液を追加し、同様の混合処理を施す(混合II)。次に、撥水剤のエマルジョン樹脂を添加し、第2の混合処理を施す(混合III)。その後、真空脱泡処理をし、フィルターで濾過して精製する。
この一連のペースト調製工程において、第1の混合処理の工程(混合IおよびII)では、強い剪断力で混合処理して、ペースト中の固形成分であるカーボンのニ次粒子化を促進する。一方、樹脂分添加後の混合処理の工程(混合III)では、弱い剪断力で混合処理して、前記樹脂の凝集が発生しないようにしてペーストを作製する。これにより、精製工程や塗布工程中に凝集物が詰まってフィルター圧力が増加したり、塗工スジが発生したりすることがなくなる。また、そのようなペーストからつくられた塗膜層を有する電極を巻取る工程を経て電池を作製した場合、本来必要な樹脂が精製工程時に取り除かれて結合力がなくなり、そのために塗膜が欠落する等の問題をも防止することが可能となる。
【0008】
また、上のようにして調製されたペーストを、減圧脱泡装置を用いて脱泡処理すると、ペースト塗布し、乾燥した後の塗膜層上に、下地が見えるようなピンホールが発生したり、塗膜層にひび割れが発生する等の問題を防止することが可能となる。
以上のように、樹脂分の添加前では強い剪断力で混合処理してペースト中の固形成分の二次粒子化を促進し、樹脂分の添加後は弱い剪断力で混合処理して前記樹脂の凝集が発生しないようにしてペーストを作製することにより、欠陥のない燃料電池用電極を作製することができる。また、ペーストを減圧脱泡処理して泡沫を破裂させて崩落させるように脱泡することにより、ピンホールやひび割れのない極板を製造することができ、短絡不良がなく出力電圧の向上した燃料電池を得ることができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
電極の撥水層を形成するペーストを次のようにして調製した。
導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製の商品名デンカブラック)、その分散媒として界面活性剤の1wt%水溶液、撥水剤の樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略。)を水に分散したPTFEエマルジョン樹脂(ダイキン工業(株)製、商品名D1)を用いた。まず、図1に示す工程において、混合Iと混合IIの工程ではアセチレンブラックと界面活性剤水溶液を混合処理し、混合IIIの工程ではPTFEエマルジョン樹脂を混合処理してぺーストを作製した。混合Iと混合IIの工程で強い剪断力を加えてアセチレンブラックの二次粒子化を図った。混合IIIの工程はPTFEエマルジョン樹脂を添加した後なので、樹脂の凝集を防ぐように弱い剪断力を加えた。
【0010】
上記の混合I、IIおよびIIIの工程では、撹拌混合機として特殊機化(株)製のプラネタリーミキサー3D−5を用いた。撹拌機構として自転と公転機能を有する2つのブレードが一対となったプラネタリーミキサ部と、プラネタリー部と同様に自転しながら公転するディゾルバー部を有している混合撹拌機である。ペーストに加えられる剪断力は、プラネタリーミキサ部のブレードの最外周部において自転回転数が20rpmの時、剪断速度(周速)は約15m/sとなる。また、ディスパー部のディスクの最外周部において回転数が2000rpmの時、剪断速度(周速)は約15m/sとなる。ディスパー部のディスク回転数が2000rpmより低いと樹脂の凝集は見られず良好なペーストを得ることができるが、2000rpmより高いと樹脂の凝集が発生しやすくなる。ディスパーを用いた場合、ペーストに与えられる負荷は、ペーストの液面高さや粘性に影響され、特に気泡を巻き込むような状況で混合撹拌しているときに樹脂の凝集が発生しやすく、必ずしも剪断速度により限定されるものではない。また、本実施例に用いた撹拌混合機とは別にスケールアップした混合機で、ディスパー周速が15m/sであっても樹脂の凝集は見られなかった。
【0011】
電極の触媒層を形成するペーストは、カーボン(ライオン(株)製、商品名ケッチェンブラックEC)に白金を重量比50:50の割合で担持させた触媒粒子、樹脂にはパーフルオロスルフォネートイオノマー(以下PFSIと略。)をアルコールに分散したPFSIエマルジョン樹脂(米国デュポン社製PFSIエマルジョン樹脂、商品名ナフィオン)を用いた。ここでも、撥水層形成用ペーストと同様、樹脂添加前の混合工程において、強い剪断力で混合処理してペースト中の、白金を担持したカーボンの二次粒子化を促進し、前記樹脂の添加後の混合工程では、弱い剪断力で混合処理して樹脂の凝集が発生しないようにしてペーストを作製した。
また、比較例として混合I、混合IIと混合IIIの混合条件を変化させて数種の触媒層ペーストを作製した。
【0012】
以上のようにして調製したペーストについて、減圧脱泡装置を用いて目標真空度を変化させて脱泡処理した。この処理では、泡沫が自然に破裂して崩落し始めてから10分間減圧状態を保持して脱泡を行った。泡沫の自然な破裂による崩落が見られない条件では、目標真空度に達してから10分間減圧状態を保持して脱泡を終了した。また、比較例として、真空脱泡を行っていないペーストも作製した。
ピンホールは、塗膜表面上から見て基材が見えるような孔が開いている状態をいう。泡沫とは、ペースト液面上に集まった泡を言う。脱泡では、ペースト液面上で泡沫が発生して体積が増加するだけでなく、ペースト中に含まれる気泡が膨脹することでペースト全体の体積が増加することもある。
【0013】
以上のようにして作製した撥水層形成用ペーストは、カーボンペーパ(東レ(株)製、商品名TGPH060)の片面にドクターブレード法を用いて塗工し、60℃で30分間乾燥した後、熱風乾燥機を用いて380℃で15分熱処理した。こうして撥水層を有するガス拡散層を作製した。触媒層形成用ペーストは、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略。)(東レ(株)製)からなる支持体に、塗工機を用いて塗工し、乾燥した。この触媒層を形成した転写用支持体シートは、ロールに巻き取った。
【0014】
次に、ロールから繰り出した支持体シート上の触媒層を、イオン交換膜(米国デュポン社製、商品名ナフィオン112)の両面に、150℃で熱転写させた。
その後、前記のガス拡散層をその撥水層側が触媒層と接するように、前記イオン交換膜へ150℃で10分間熱溶着させた。このようにして作製した膜−電極接合体(MEA)を導電性セパレータ板を介して積層し、その両端を集電板および絶縁板を介して端板で挟み、所定の荷重で締め付けて燃料電池を作製した。
【0015】
表1および表2にそれぞれ撥水層形成用ペーストおよび触媒層形成用ペーストの製造条件を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
得られたペースト、同ペーストを塗工して作製した撥水層および触媒層、並びに前記の撥水層および触媒層を用いて作製した極板を備える燃料電池について、以下の評価を行った。
(1)フィルター目詰まり
作製したペーストを塗布前に目開き100メッシュのフィルターで濾過し、フィルターの目詰まり状態を目視観察した。
(2)ピンホールの発生
撥水層および触媒層を目視観察してピンホールの発生状況を確認した。
(3)塗工スジ
撥水層および触媒層を目視観察してスジの発生状況を確認した。
(4)撥水層および触媒層のひび割れ
撥水層および触媒層を目視観察してひび割れの発生状況を確認した。
(5)短絡不良
作製した燃料電池中のMEA1000個の内部抵抗を測定し、リークしている個数をカウントした。
【0019】
(6)電池出力電圧
作製した燃料電池を75℃に保持し、燃料極側に露点が70℃となるように加湿した水素ガスを、空気極側に露点が60℃となるように加湿した空気をそれぞれ供給し、燃料ガスの利用率70%、空気の利用率40%で作動させ、電流密度200mA/cm2と800mA/cm2における電池出力電圧を測定した。
表3および表4に撥水層および触媒層の評価結果を示し、表5に燃料電池の評価結果を示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
混合IおよびIIにおいて、強い剪断力をかけていない比較例のペーストNo.1〜5、15〜19を塗工したものは、塗工スジが発生している。また、混合IIIで強い剪断力をかけたため凝集が発生した比較例のペーストNo.8〜11、22〜25を塗工したものは、スジ、ピンホール、ひび割れなどが生じている。一方、混合I、IIおよびIIIにおいて、適正な剪断力をかけた実施例のペーストNo.6、7、14、20、21、および28を塗工したものは、スジ、ピンホール、ひび割れなどの欠陥が生じていない。表5からわかるように、撥水層ペーストNo.14および触媒層ペーストNo.28を用いた電池は、内部短絡もなく、高い電池電圧を示している。なお、ペーストNo.12、26は比較例であり、ペーストNo.13、27は実施例である。
【0024】
樹脂添加前の混合工程で強い剪断力、例えば剪断速度(周速)75m/minで混合処理してペースト中の固形成分の二次粒子化を促進し、樹脂添加後の混合工程では弱い剪断力、例えば剪断速度(周速)11m/minで混合処理して樹脂の凝集が発生しないようにしてペーストを作製することにより、フィルター圧力が増加したり、塗工スジが発生したり、塗膜が欠落したりする等の問題を防止することが可能となった。また、前記ペーストを脱泡処理することにより、塗布乾燥後の塗膜層上に下地が見えるようなピンホールが発生したり、塗膜層にひび割れが発生したりする等の問題を防止することが可能となった。また、樹脂添加前の混合工程で強い剪断力で混合処理してペースト中の固形成分の二次粒子化を促進することにより、塗膜の導電性が向上し、樹脂添加後の混合工程では弱い剪断力で混合処理して樹脂の凝集が発生しないようにペーストを作製することにより、電極内での電流密度偏りが低減可能となり、電池出力電圧が向上した。
【0025】
実施例では、撹拌機としてプラネタリーミキサを用いたが、連続式二軸混練装置、バッチ式混練装置等の混練装置や、圧力式ホモジナイザ、超音波式ホモジナイザ、ラインミル、サンドミル、ビーズミル、遊星ボールミル、他の分散装置を用いることもできる。塗工方法としてドクターブレード法を用いたが、この方法に限定されるものではなく、他の方法、たとえば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法、コータ塗工法、スプレー塗工法でも同様な結果が得られる。
実施例では、反応ガスとして、水素と空気を用いたが、水素は改質水素として炭酸ガスや窒素、一酸化炭素などの不純物を含む燃料においても同様の結果が得られ、水素の代わりにメタノール、エタノール、ヂメチルエーテルなどの液体燃料およびその混合物を用いても同様の結果が得られる。また、液体燃料はあらかじめ蒸発させ、上記として供給してもよい。
【0026】
ガス拡散層の材料は、実施例に示した炭素微粉末やカーボンペーパーに限定されるものではなく、他のカーボン粒子やカーボンクロス、カーボン不織布等を用いることもできる。また触媒層や膜の構成も実施例のものに限定されるものではない。本発明の高分子電解質と電極との接合体を用いて、酸素、オゾン、水素などのガス発生機やガス精製機および酸素センサ、アルコールセンサなどの各種ガスセンサへの応用も可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、欠陥のない塗膜を有する燃料電池用電極を得ることができる。その結果、短絡不良や電池出力電圧の低下が発生しない燃料電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるペーストの作製工程を示す図である。
Claims (7)
- 導電材粒子および樹脂を含むペーストを調製する工程、ならびに調製されたペーストを高分子電解質膜、電極基材または支持体の表面に塗布して塗膜層を形成する工程を有する燃料電池用電極の製造方法であって、
前記ペーストを調製する工程が、導電材粒子のほとんどが二次粒子化するように、第1の剪断力で前記導電材粒子および分散媒を混合処理する第1混合工程と、
次いで、前記導電材粒子および前記分散媒の混合物に樹脂を添加し、前記樹脂の凝集が発生しないように、前記第1の剪断力より弱い第2の剪断力で、前記樹脂、前記導電材粒子および前記分散媒を混合処理してペーストを調製する第2混合工程と、を有し、
前記塗膜層を形成する工程の前に、前記ペーストを60torr以下の減圧下に保持する工程を有する燃料電池用電極の製造方法。 - 前記塗膜層を形成する工程の後に、熱風乾燥を行う工程を有する、請求項1記載の燃料電池用電極の製造方法。
- 前記導電材粒子が、カーボン粒子を含む触媒粒子であり、前記樹脂が、イオン交換樹脂である、請求項1または2記載の燃料電池用電極の製造方法。
- 前記導電材粒子が、カーボン粒子であり、前記樹脂が、撥水性樹脂である、請求項1または2記載の燃料電池用電極の製造方法。
- 導電材粒子のほとんどが二次粒子化するように、第1の剪断力で前記導電材粒子および分散媒を混合処理する第1混合工程と、
次いで、前記導電材粒子および前記分散媒の混合物に樹脂を添加し、前記樹脂の凝集が発生しないように、前記第1の剪断力より弱い第2の剪断力で、前記樹脂、前記導電材粒子および前記分散媒を混合処理してペーストを調製する第2混合工程と、
前記ペーストを60torr以下の減圧下に保持する工程と、を有する燃料電池用電極ペーストの製造方法。 - 前記導電材粒子が、カーボン粒子を含む触媒粒子であり、前記樹脂が、イオン交換樹脂である、請求項5記載の燃料電池用電極ペーストの製造方法。
- 前記導電材粒子が、カーボン粒子であり、前記樹脂が、撥水性樹脂である、請求項5記載の燃料電池用電極ペーストの製造方法。
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