JP2006310216A - 触媒電極層形成用塗工液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の発電性能を向上させることが可能である触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液およびその製造方法を提供する。
【解決手段】上記目的を達成するために、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液の製造方法であって、電解質材料3を溶媒中に分散させて、前記電解質材料にミセルを形成させる電解質材料分散工程と、 前記ミセルのうち、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去する除去工程と 前記除去工程後に、前記溶媒中に触媒2担持カーボン1を分散させる触媒分散工程とを有し、触媒担持カーボンに均一電解質材料が付着した触媒電極層を形成し、触媒電極層における三相界面が増大し、発電性能が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池を製造する際に用いられる触媒電極層形成用塗工液およびその製造方法に関するものである。
固体高分子電解質型燃料電池の最小発電単位である単位セルは、一般に固体電解質膜の両側に触媒電極層が接合されている膜電極複合体を有し、この膜電極複合体の両側には拡散層が配されている。さらに、その外側にはガス流路を備えたセパレータが配されており、拡散層を介して膜電極複合体の触媒電極層へと供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスを通流させるとともに、発電により得られた電流を外部に伝える働きをしている。
このような固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と称する場合がある。)に用いられる触媒電極層は、触媒をカーボンに担持した触媒担持カーボンと電解質材料とを混ぜ合わせて形成されるのが一般的であり、発電反応は触媒電極層内の導電性材料に担持された触媒粒子と、電解質材料と、ガスが拡散する上記触媒粒子間の細孔との三相界面で起こる。発電反応を効率良く進行させるためには反応ガスの拡散やプロトンおよび電子の伝導が滞りなく行なわれることが必要であるが、このような触媒電極層内には水や電解質材料が存在するため、反応ガスを触媒電極層内に均一に分散させることは困難である。
そこで、発電反応を効率よく進行させるために、電解質粒子を用いて触媒担持カーボンの周りに電解質材料を付着させる方法が開示されている(特許文献1)。この方法によれば、電解質粒子を用いることで、電極全体に微細な間隙を形成して電極全体に均一的な三相界面を形成することができる。
しかしながら、電解質粒子を形成するために貧溶媒に電解質材料を分散させ、電解質粒子径(ミセル径)分布をとると、ミセル径の主なピークの他に、主なピークよりも大きいミセル径の部分に副ピークが生じる。また、電解質材料の主なミセルのミセル径を小さくすればするほど、より大きなミセル径をもつ電解質材料のミセルが形成される傾向がある。このような大きなミセル径を持つ電解質材料のミセルを用いた場合、触媒担持カーボンの周りに電解質材料が不均一に、または厚く付きやすくなり、最適な三相界面の形成が困難であるといった問題があった。
特開2003−123771号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、燃料電池の発電性能を向上させることが可能である触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液およびその製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液の製造方法であって、電解質材料を溶媒中に分散させて、上記電解質材料にミセルを形成させる電解質材料分散工程と、上記ミセルのうち、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去する除去工程と、上記除去工程後に、上記溶媒中に触媒担持カーボンを分散させる触媒分散工程とを有することを特徴とする触媒電極層形成用塗工液の製造方法を提供する。
本発明においては、上記方法を用いて触媒電極層形成用塗工液を製造することにより、所定値よりも小さく、かつ均一なミセル径を有する電解質材料のミセルを含む触媒電極層形成用塗工液とすることができる。したがって、触媒電極層形成用塗工液によって形成された触媒電極層は、触媒担持カーボンに均一電解質材料が付着した触媒電極層とすることができるため、触媒電極層における三相界面が増大し、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、上記溶媒は、n−ヘキサン、1−プロパノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルアミルケトン、シクロヘキサノールおよび水からなる群から選択される1種または2種以上の混合物を用いることが好ましい。上記溶媒の持つ極性およびSP値により、より小さいミセル径を有するミセルを得ることが可能となり、上記ミセル径が所定値よりも小さいミセルを含む触媒電極層形成用塗工液とすることができるからである。
さらに本発明においては、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液であって、上記触媒電極層形成用塗工液に含まれる電解質材料が形成するミセルの平均ミセル径が、150nm以下であり、上記ミセルの粒子径分布図においてピークが一つであることを特徴とする触媒電極層形成用塗工液を提供する。上記触媒電極層形成用塗工液を用いることにより、触媒担持カーボンの周りに電解質材料を均一にかつ薄く付着させた触媒電極層の形成が可能となり、三相界面を増大させることができる。したがって、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
本発明の触媒電極層形成用塗工液の製造方法を用いることで、燃料電池の発電性能を向上させることが可能である触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液とすることができるといった効果を奏する。
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池を製造する際に用いられる触媒電極層形成用塗工液とその製造方法に関するものである。以下、これらについて説明する。
A.触媒電極層形成用塗工液の製造方法
本発明の触媒電極層形成用塗工液の製造方法は、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液の製造方法であって、電解質材料を溶媒中に分散させて、上記電解質材料にミセルを形成させる電解質材料分散工程と、上記ミセルのうち、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去する除去工程と、上記除去工程後に、上記溶媒中に触媒担持カーボンを分散させる触媒分散工程とを有することを特徴とするものである。
本発明においては、上記方法を用いて触媒電極層形成用塗工液を製造することにより、所定値よりも小さく、かつ均一なミセル径を有する電解質材料のミセルを含む触媒電極層形成用塗工液とすることができる。図3は、上記電解質材料分散工程後に粒子径分布をとった図であるが、主なピークの他に、主なピークよりも大きいミセル径の部分に副ピークが生じている。本発明においては、この大きいミセル径を有する電解質材料のミセルを除去工程により除去することで、上記溶液中における電解質材料のミセルのミセル径を均一化することが可能となる。これにより、触媒電極層を形成する際に、触媒担持カーボンの周りに上記ミセルすなわち電解質材料を均一にかつ薄く付着させることができる。したがって、有効電極反応面積が大きくなるため、触媒電極層形成用塗工液によって形成された触媒電極層における三相界面を増大させることができ、最終的に得られる燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
図1は、従来の製造方法により作製した触媒電極層形成用塗工液を用いて形成した触媒電極層における三相界面を示した模式図である。図1(a)(b)は、触媒電極層形成用塗工液中に大きいミセル径をもつミセルが混じっているために、電解質材料が触媒担持カーボンに部分的にまたは厚く付着した例である。図1(a)では、触媒2を担持したカーボン1にミセルが部分的に付着するため、電解質材料領域3が部分的に形成されている。また、図1(b)は、触媒2を担持したカーボン1にミセルが厚く付着するため、電解質材料領域3が厚く形成されている。一方、図2は本発明で作製した触媒電極層形成用塗工液を用いて形成した触媒電極層における三相界面を示した模式図である。触媒2を担持したカーボン1には、ミセル径が所定値よりも小さいミセルが均一にかつ薄く付着するため、電解質材料領域3が均一にかつ、薄く形成されている。したがって、有効電極反応面積が大きくなるため、触媒電極層形成用塗工液によって形成された触媒電極層における三相界面を増大させることができ、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の触媒電極層形成用塗工液の製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
1.電解質材料分散工程
まず、本発明における電解質材料分散工程について説明する。本発明における電解質材料分散工程とは、電解質材料を溶媒中に分散させて、上記電解質材料のミセルを形成させる工程である。電解質材料を溶媒中に分散させる方法は、溶媒中で上記電解質材料のミセルが形成可能な分散方法であれば特に限定されるものではないが、本発明においては、例えば、電解質材料であるNafion(商品名、デュポン株式会社製)片をエタノール中に投入し、150℃のオートクレーブ中で溶解させ、その溶液を80℃に加熱することにより溶媒を蒸発させた後、固形分のみを取り出し、その固形分を所望の溶媒に浸漬させて加熱し、分散させる方法等を用いることができる。なお、固形分を所望の溶媒に浸漬させる際、温度条件および浸漬時間は、溶媒の種類により適宜選択することが好ましい。例えば、1−プロパノールおよびN,N−ジメチルホルムアミドを用いた場合は、100℃で24時間浸漬させることが好ましく、エタノールを用いた場合は、90度で24時間浸漬させることが好ましい。また、例えば、N,N−ジメチルアセトアミドを用いた場合は、90℃で3分浸漬させた後、160℃で40分浸漬させることが好ましい。
本発明に用いられる電解質材料は、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池の触媒電極層を形成する際に用いられる電解質材料を用いることができる。具体的には、パーフルオロスルホン酸系ポリマーのようなフッ素系の樹脂やプロトン伝導基を有するアロマティックポリマーなどの炭化水素系の樹脂が好ましく、特にパーフルオロスルホン酸系ポリマーが好ましい。
本発明に用いられる溶媒は、上記ミセルのうち主なミセルの平均ミセル径を150nm以下、特に50nm〜120nmの範囲内に制御できるものであれば特に限定されるものではないが、n−ヘキサン、1−プロパノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルアミルケトン、シクロヘキサノールおよび水からなる群から選択される1種または2種以上の混合物を用いることが好ましい。特に電解質材料として、パーフルオロスルホン酸系ポリマーであるNafion(商品名、デュポン株式会社製)を用いた場合は、エタノール/水/1−プロパノール=1:1:1の混合溶媒を用いることが好ましい。
一般的に、ミセル径は溶媒の極性やSP値の影響を大きく受け、様々な形状・大きさを示す。本発明においては、上記溶媒を用いることにより、上記溶媒の持つ極性およびSP値の影響を受け、より小さいミセル径を有する電解質材料のミセルを得ることが可能となる。したがって、上記ミセル径が所定値よりも小さいミセルを含む触媒電極層形成用塗工液とすることができるため、触媒電極層形成用塗工液によって形成された触媒電極層における三相界面を増大させることができ、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
2.除去工程
上記電解質材料分散工程の後に、除去工程が行われる。本発明における除去工程とは、上記電解質分散工程で形成された電解質材料のミセルのうち、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去する工程である。上記除去工程を用いることにより、所定値よりも小さく、かつ均一なミセル径を有する電解質材料のミセルを含む触媒電極層形成用塗工液とすることができる。
図3は、上記電解質材料分散工程により得られた溶液を用いて、電解質粒子径(ミセル径)分布をとった図である。図3に示すように、ミセル径の主なピークの他に、主なピークよりも大きいミセル径の部分に副ピークが生じている。本発明においては、上記除去工程を用いることにより、上記副ピークを除去することが可能となる。ここで、このように大きなミセル径を有するミセルが形成される原因は、衝突確率が大きくなるためと考えられるが、詳細は不明である。
ここで、上記所定値とは、粒子径分布図における主なピークの粒子径値と副ピークの粒子径値との間の範囲内に設定される値とする。
本発明における除去工程は、所定値以上のミセルを除去できる方法を用いるものであれば、特に限定されるものではないが、フィルターを用いてろ過する方法を用いることが好ましい。本発明で用いられるフィルターとしては、上述した溶媒に適した材質を用いたフィルターで、かつ所定値以上の粒子を通さないフィルターであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、例えば、ポリエーテルサルフォン製メンブレンフィルター等を用いることができる。上記フィルターを用いてろ過を行うことにより、効率よく上記副ピークを除去することが可能となるからである。これにより、上記溶液は確実に所定値よりも小さく、かつ均一なミセル径を有するミセルを含む溶液とすることができる。
3.触媒分散工程
上記除去工程の後に、触媒分散工程が行われる。本発明における触媒分散工程とは、前工程後に得られた溶液中に触媒担持カーボンを分散させる工程である。触媒担持カーボンを溶液中に分散させる方法は、一般的に用いられている分散方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、超音波ホモジナイザーおよび遠心攪拌機を用いて分散させる方法が挙げられる。
本発明で用いられる触媒担持カーボンに使われている触媒の種類は、特に限定されるものではなく、燃料電池の触媒電極層に一般的に用いられる触媒を用いることができる。具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、およびこれらの合金等を挙げることができ、本発明においては、白金を用いることが好ましい。
また、本発明に用いられるカーボンは特に限定されるものではなく、燃料電池の触媒電極層に一般的に用いられるカーボンブラックを用いることができる。本発明においては、導電性や空隙率の観点からカーボンブラックの粒子径は10nm〜50nm、中でも10nm〜30nmであることが好ましく、凝集せず、高比表面積のカーボンブラックが好ましい。このようなカーボンブラックの製造方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法により製造することができる。
B.触媒電極層形成用塗工液
本発明の触媒電極層形成用塗工液は、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液であって、上記触媒電極層形成用塗工液に含まれる電解質材料が形成するミセルの平均ミセル径が、150nm以下であり、上記ミセルの粒子径分布図においてピークが一つであることを特徴とするものである。上記触媒電極層形成用塗工液を用いることにより、触媒担持カーボンの周りに電解質材料を均一にかつ薄く付着させた触媒電極層の形成が可能となり、三相界面を増大させることができる。したがって、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。
本発明において、上記電解質材料が形成するミセルの平均ミセル径は、150nm以下とするものであるが、特に50〜120nmの範囲内、中でも50〜100nmの範囲内とすることが好ましい。これにより、電解質材料を触媒担持カーボンの周りにより均一に、かつ薄く付着させた触媒電極層の形成が可能となるからである。
また本発明において、粒子径分布図においてピークが一つであるということは、粒子径分布図において、高さが最大であるピークの高さの30%以上の高さを有するピークが他に存在しないことをいう。このような均一なミセル径を有する電解質材料のミセルを含む触媒電極層形成用塗工液を用いることにより、電解質材料を触媒担持カーボンの周りに均一に、かつ薄く付着させた触媒電極層の形成が可能となる。
上記範囲内のミセル径を有するミセルのみを含む上記触媒電極層形成用塗工液を形成する方法は、例えば上述した「A.触媒電極層形成用塗工液の製造方法」の項で説明した方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(電解質材料分散工程)
2cm×2cmのNafion(商品名、デュポン株式会社製)片をエタノール中に投入したものを150℃のオートクレーブ内に入れ、Nafion片をエタノール中に溶解させた後、80℃に加熱して溶媒のみを蒸発させ、Nafionの固形分のみを取り出す。Nafionの固形分を水/1−プロパノール/エタノール=1:1:1の混合溶媒中に浸漬させ、150℃のオートクレーブ内に24時間静置した後、得られた溶液をろ過し、不溶成分を除去した。得られたろ液のミセル径をレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定し、その結果の粒子径分布図を図3に示す。図3からこの時形成されたミセルの平均ミセル径は、100nmであることが分かった。
(除去工程)
前工程で得られたろ液をNALGENE(登録商標)のポリエーテルサルフォン製メンブレンボトルトップフィルターを用いてさらにろ過し、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去した。ここで得られた溶液をNafion溶液とする。
上記Nafion溶液の重量とNafion片を加える前の溶媒の重量との重量変化から、Nafion溶液の濃度を決定した。
(触媒分散工程)
前工程で得られたNafion溶液に、白金担持カーボンを投入し、攪拌して分散させ、触媒電極層形成用塗工液とした。
(膜電極複合体の作製)
上記触媒電極層形成用塗工液をテフロン(登録商標)シート上に展開し、固化した後、固体電解質膜とホットプレスにより結着し、膜電極複合体を得た。
[比較例1]
除去工程を用いなかったこと以外は、上記実施例と同様に膜電極複合体を作製した。
[比較例2]
(電解質材料分散工程)
2cm×2cmのNafion片をエタノール中に投入したものを150℃のオートクレーブ内に入れ、Nafion片をエタノール中に溶解させた後、80℃に加熱して溶媒のみを蒸発させ、Nafionの固形分のみを取り出す。Nafionの固形分をN,N−ジメチルアセトアミド中に浸漬させ、90℃のオートクレーブ内に3時間、次いで160℃のオートクレーブ内に40時間静置した後、得られた溶液をろ過し、不溶成分を除去した。この時形成されたミセルの平均ミセル径は、300nmであった。
(触媒分散工程)
前工程で得られたろ液を用いて、実施例と同様に触媒分散工程を行った。
(膜電極複合体の作製)
前工程で得られた触媒電極層形成用塗工液を用いて、実施例と同様に膜電極複合体を作製した。
[評価]
上記実施例および比較例において作製した膜電極複合体の発電性能の評価を同条件下(フル加湿条件下)で行った。その結果を図4に示す。図4から、ミセル径が小さい方の膜電極複合体の方が発電性能の向上がみられ、さらに、除去工程を行った膜電極複合体の方が発電性能の向上がみられた。
従来の製造方法により作製した触媒電極層における三相界面を示した模式図である。 本発明で作製した触媒電極層における三相界面を示した模式図である。 実施例における電解質材料分散工程後の溶液の粒子径分布図である。 本発明の実施例および比較例において作製された膜電極複合体の発電性能を示すグラフである。
符号の説明
1…カーボン
2…触媒
3…電解質材料領域

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液の製造方法であって、
    電解質材料を溶媒中に分散させて、前記電解質材料のミセルを形成させる電解質材料分散工程と、
    前記ミセルのうち、所定値以上のミセル径を有するミセルを除去する除去工程と、
    前記除去工程後に、前記溶媒中に触媒担持カーボンを分散させる触媒分散工程とを有することを特徴とする触媒電極層形成用塗工液の製造方法。
  2. 前記溶媒は、n−ヘキサン、1−プロパノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルアミルケトン、シクロヘキサノールおよび水からなる群から選択される1種または2種以上の混合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の触媒電極層形成用塗工液の製造方法。
  3. 固体高分子電解質型燃料電池に用いられる触媒電極層を形成する触媒電極層形成用塗工液であって、前記触媒電極層形成用塗工液に含まれる電解質材料が形成するミセルの平均ミセル径が、150nm以下であり、前記ミセルの粒子径分布図においてピークが一つであることを特徴とする触媒電極層形成用塗工液。
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