JP5146404B2 - 歪補償装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号を増幅する電力増幅器の歪み特性に対する歪補償処理を行う歪補償装置に関する。
線形変調信号を増幅する電力増幅器や線形変調信号の受信機に用いる低雑音増幅器として、スペクトラム特性や信号の歪みに起因する伝送特性の劣化を抑えるために線形性の高い増幅器が要求される。
特に、無線通信に多値振幅変調方式を適用する場合、送信側において、電力増幅器の増幅特性を直線化して、非線形歪を抑え、近接チャネル漏洩電力を低減する技術が必要である。また、一般に、増幅器には常に高い電力効率が求められるが、増幅器の線形性と効率は一般に相反する特性であり、線形性に劣る増幅器を使用し電力効率の向上を図る場合は、それによる歪を補償する技術が必須である。
かかる歪補償方式の一つとしてプリディストーション方式が知られている。プリディストーション方式の原理は、増幅器の入力信号に対して増幅器の歪み特性と逆の特性をあらかじめ付加しておくことにより、増幅器の出力において歪みのない所望信号を得る方式である。
具体的には、プリディストーション方式による歪補償処理は、歪補償前の送信信号(参照信号)と電力増幅器から出力されたフィードバック信号とを比較し、その誤差(電力差)を用いて、歪補償係数を算出、更新する。歪補償係数は参照信号の振幅、電力又はそれらの関数をアドレスとしてメモリに記憶される。そして、更新された歪補償係数を次の送信すべき参照信号に乗算することで、参照信号のゲインが電力増幅器の歪み特性の逆特性になるように調整され、そのゲイン調整された送信信号が電力増幅器に入力される。この動作を繰り返すことにより、最終的に最適の歪補償係数に収束し、電力増幅器の歪が補償される。
この歪補償処理では、フィードバック信号の遅延時間を測定し、送信信号とそのフィードバック信号の時間を一致させることで、正確な歪補償係数を求めることができる。
フィードバック信号の遅延時間は、電力増幅器での遅延及びフィードバック信号の経路上のアナログ回路での遅延を含み、外部温度や経年変化などの様々な要因により変化する。
このフィードバック信号の遅延時間の変化を調整するための第一の方法として、フィードバック信号を高速フーリエ変換(FFT)して、このFFT演算結果を用いた遅延調整を行う手法が知られている(特許文献1)。具体的には、歪補償装置は、FFT演算結果を用いて、信号ノイズ比又は隣接チャネル漏洩電力比又はノイズレベルのいずれかの値を計算し、現時刻の計算値と一つ前の時刻の計算値との比較により、フィードバック信号の遅延が調整される。
また、第二の方法として、歪補償前の参照信号とフィードバック信号の一定の時系列範囲を抽出し、両信号の時間を相対的に変化させつつ、両信号の自己相関値を求め、これが最大となる時間差をフィードバック信号の遅延時間とする。
国際公開WO2002/087097号公報
しかしながら、上記第一の方法は、フィードバック信号の遅延時間そのものを定量的に求めるものではなく、計算値の差分がゼロになるように遅延時間を調整するフィードバック制御であるため、遅延時間を最適化するのに時間がかかる。
また、上記第二の方法は、参照信号の自己相関性が比較的弱く、自己相関値の最大値付近で明確なピーク値が求められず、自己相関値の最大値に誤差を含み、正確な遅延時間を求めることができない。そのため、自己相関演算を複数回実行して自己相関値を累積することで、自己相関値から誤差をできるだけ排除する処理を行うが、処理時間が増大し、追従速度が低下する問題がある。
そこで、本開示は、フィードバック信号の遅延に合わせて正確な遅延時間を迅速に設定することができる歪補償装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本開示の歪補償装置の構成は、信号を増幅する増幅器の歪特性を補償する歪補償装置において、増幅器の歪特性を補償するための歪補償係数を記憶し、増幅器に入力前の信号と増幅器から出力される信号のフィードバック信号とに基づいて、増幅器の歪特性を補償するための歪補償係数を演算し、記憶している歪補償係数を当該演算された歪補償係数に更新する歪補償係数更新部と、歪補償係数を用いて増幅器に入力前の信号を歪補償処理する歪補償部と、増幅器に入力前の信号が入力され、設定された遅延時間分遅延させて歪補償係数更新部に出力する遅延部と、増幅器に入力前の信号の電力成分を実部とし、フィードバック信号の電力成分を虚部とする複素数の位相に基づいて、遅延部に設定される遅延時間を制御する遅延制御部とを備える。
遅延制御部は、例えば、複素数を高速フーリエ変換して複素数の位相を求め、当該複素数の位相に基づいて、遅延部に設定されている遅延時間とフィードバック信号の実際の遅延時間との遅延時間差を検出し、遅延部に設定されている遅延時間を当該遅延時間差分調整する。
本開示の歪補償装置は、フィードバック信号の正確な遅延時間を迅速に求めることができ、送信信号とフィードバック信号のタイミングを正確に合わせることができる。これにより、歪補償係数の精度も向上し、安定した歪補償動作が実現される。
複素数g(t,T)を説明する図である。 遅延時間差ΔTを含む複素数g(t,T+ΔT)を示す図である。 高速フーリエ変換値G(ω)の成分G(2F)とG(-2F)の位相が描く円周を示す図である。 周波数成分G(2F)の点及びG(-2F)の点の位相と遅延時間差ΔTの関係を説明する図である。 遅延時間差ΔTと位相φとの関係を説明する図である。 φ≒tanφと近似した場合の位相φの誤差を示す図である。 本実施の形態における歪補償装置の構成例を示す図である。 遅延制御部30の処理フローチャートである。
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
まず、本実施の形態における歪補償装置の遅延時間検出処理の原理について説明する。歪補償前の送信信号(参照信号)Rf(t)の電力成分を実部とし、遅延時間Tのときのフィードバック信号Fb(t+T)の電力成分を虚部とする複素数g(t,T)を求める。複素数g(t,T)は(1)式で表される。参照信号Rf(t)の電力成分は、参照信号Rf(t)とその複素共役の乗算により求められ、フィードバック信号Fb(t+T)の電力成分は、フィードバック信号Fb(t+T)とその複素共役の乗算により求められる。
Figure 0005146404
図1は、複素数g(t,T)を説明する図である。図1(a)は参照信号Rf(t)の電力成分、図1(b)はフィードバック信号Fb(t+T)の電力成分、図1(c)は複素数g(t,T)を模式的に示す図である。図1(c)に示される複素数g(t,T)では、参照信号Rf(t)と遅延時間Tだけ遅れたフィードバック信号Fb(t+T)の遅延時間差ΔTが複素平面上の位相として表れる。すなわち、設定される遅延時間がフィードバック信号Fb(t)の正しい遅延時間Tと一致している場合は、遅延時間差ΔTはゼロとなり、図1(c)に示されるように、実部と虚部の電力成分が一致するので、複素数g(t,T)は45°の直線上にて振幅する。一方、設定される遅延時間がフィードバック信号の実際の遅延時間Tに対してずれている時間T+ΔTである場合は、複素数g(t,T+ΔT)の振幅は45°の直線からずれる。以下、設定される遅延時間とフィードバック信号の実際の遅延時間Tとの差分ΔTを遅延時間差と称する。
図2は、遅延時間差ΔTを含む複素数g(t,T+ΔT)を示す図である。フィードバック信号の遅延時間が遅延時間差ΔTを含むT+ΔTである場合に、複素数g(t,T+ΔT)の振幅が45°の直線からずれている状態が表されている。
複素数g(t,T)の位相成分は、複素数g(t,T)を高速フーリエ変換(FFT)することで求めることができる。遅延時間が不明なフィードバック信号Fb(t)を虚部とする複素数をg(t)とすると、そのフーリエ変換結果G(ω)は(2)式で表される。
Figure 0005146404
高速フーリエ変換値G(ω)から参照信号Rf(T)の電力成分の周波数成分、すなわち参照信号Rf(t)の周波数Fの2倍の周波数成分G(2F)とG(-2F)が選択される。周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相には、複素数g(t)の位相が反映されており、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相は、遅延時間差ΔTの大きさに応じて円を描く。
図3は、高速フーリエ変換値G(ω)の成分G(2F)とG(-2F)の位相が描く円周を示す図である。周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相を複素平面上でみると、遅延時間差ΔTの大きさに応じて、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相は所定の円周上の点として表される。円は、中心座標Oから右上に延ばした45°の直線Lとの交点Pを有し、その交点Pから実軸に対して垂直に降ろした直線と実軸が交わる点Qを中心とする円である。従って、円は、複素平面の中心座標Oに接し、中心座標Oでも直線Lと交わる。この点Pと円の中心点Qを結ぶ線分PQに対する円周上の成分G(2F)の点とG(-2F)の点の角度(位相)φが遅延時間差ΔTを表す。なお、円の半径(線分PQ及び線分OQの長さ)は電力成分の振幅に依存する。
図4は、周波数成分G(2F)の点及びG(-2F)の点の位相と遅延時間差ΔTの関係を説明する図である。図4(a)は、遅延時間差ΔT=0(遅延時間差なし)の場合の円周上の周波数成分G(2F)の点とG(-2F)の点を示し、図4(b)は、遅延時間差ΔTがある場合の円周上の周波数成分G(2F)の点とG(-2F)の点示す。図4(a)に示されるように、遅延時間差ΔT=0の場合は、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相は交点Pで一致し、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相φはともに0°となる。
これに対して、遅延時間差ΔTがある場合であって、参照信号を遅延時間Tだけ遅らせてもフィードバック信号がさらに遅延時間差ΔT分遅れている場合、その遅延時間差ΔTが大きくなるに従って、正の周波数成分G(2F)は右回りに、負の周波数成分G(-2F)は左回りに点Pに対して左右対称に円周上を回転する。周波数成分G(2F)とG(-2F)の回転は、周期1/2Fの遅延時間差で一周する。 図4(b)に示されるように、遅延時間差ΔT=1/8×1/2Fの場合、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相φは2π/8となり、遅延時間差ΔT=1/4×1/2Fの場合、周波数成分G(2F)とG(-2F)の位相φは2π/4となる。
反対に、遅延時間差ΔTがある場合であって、参照信号を遅延時間Tだけ遅らせたときにフィードバック信号が遅延時間差ΔT分進んでいる場合が、その遅延時間差ΔTが大きくなるに従って、正の周波数成分G(2F)は左回りに、負の周波数成分G(-2F)は右回りに点Pに対して左右対称に円周上を回転する。周波数成分G(2F)とG(-2F)の回転は、周期-1/2Fの遅延時間差で一周する。従って、本実施の形態では、遅延時間差ΔTは、周期-1/2F乃至+1/2Fの範囲で求めることができる。遅延時間差ΔTが当該範囲を超えている場合は、別の手段により当該範囲内に収めた後、本処理が適用される。
周波数成分G(+2F)とG(-2F)の位相φは、以下の手順で求めることができる。まず、円の中心点Qを複素平面の中心座標Oに移動し、G(+2F)の実部Re[G(+2F)]とG(-2F)の実部Re[G(-2F)] を複素平面の中心座標Oに対する値に変換する。具体的には、中心点Qの実部は(Re[G(+2F)] +Re[G(-2F)]))/2で表されるので、以下の変換式の通り、G(+2F)の実部Re[G(+2F)]とG(-2F)の実部Re[G(-2F)]からそれぞれ中心点Qの実部は(Re[G(+2F)]+Re[G(-2F)])/2を減算することで、G(+2F)の実部Re[G(+2F)]とG(-2F)の実部Re[G(-2F)]を複素平面の中心座標Oに対する値に変換することができる。
G(+2F)の実部Re[G(+2F)] ⇒ Re[G(+2F)]-(Re[G(+2F)]+Re[G(-2F)])/2
=(Re[G(+2F)]-Re[G(-2F)])/2(「a」とする)
G(-2F)の実部Re[G(-2F)] ⇒ Re[G(-2F)]-(Re[G(+2F)]+Re[G(-2F)])/2
=(Re[G(-2F)]-Re[G(+2F)])/2
なお、G(+2F)の虚部Im[G(+2F)]とG(-2F)の虚部Im[G(-2F)]は同一の値であり、上記座標変換では、実部のみをスライドさせているので、虚部の値は変化しない。
上記した座標変換されたG(+2F)の実部(Re[G(-2F)]-Re[G(+2F)])/2を「a」とし、G(+2F)の虚部Im[G(+2F)]を「b」とすると、位相φは、次の(3)式で表される。
φ=tan-1(b/a) …(3)
逆正接関数tan-1(b/a)のテーブルをあらかじめ用意し、当該テーブルを参照することで位相φが求められる。そして、遅延時間差ΔTは、位相φを用いて次の(4)式により求められる。
ΔT=1/2F×φ/2π …(4)
遅延時間差ΔTを定量的に求めることができるので、現在設定されている遅延時間を遅延時間差ΔT分調整することで、1回の検出処理により、正確な遅延時間をダイレクトに設定することができる。
図5は、遅延時間差ΔTと位相φとの関係を説明する図である。図5(a)に示すように、遅延時間差ΔTが-1/2F〜1/2Fの範囲において、遅延時間差ΔTは、位相φ対してほぼ直線的な比例関係を有し、位相φから遅延時間差ΔTを正確に求めることができる。図5(b)は、従来技術で説明した自己相関値から遅延時間差を求める第二の方法における自己相関値と遅延時間差との関係を示す図であり、本実施の形態との比較のために利用される図である。図5(b)では、遅延時間差に対して自己相関値はなだらかなカーブを描き、自己相関値の最大値付近で明確なピーク値が得られず、正確な遅延時間差を求めることができない。
なお、フィードバック信号に歪みが残る状態で遅延時間差を測定する場合、周波数成分G(+2F)及びG(-2F)が誤差を含むため、位相φの計算値に誤差が生じる。しかしながら、周波数成分G(+2F)及びG(-2F)の対称性により遅延時間差ΔTが0近傍での誤差は無視できるほど非常に小さい。ただし、フィードバック信号の歪みが未補正のため比較的大きく、位相φの計算値に誤差が含まれると判断される場合は、複数回の遅延時間差ΔTの測定により、遅延時間差ΔTを0に漸近させるアルゴリズムを採用してもよい。
また、位相φが十分小さい場合は、位相を正接関数(tan)で近似することができる(φ≒tanφ)。これにより、逆正接関数tan-1(b/a)のテーブルが不要となり、回路規模の縮小、処理の簡素化を図ることができる。
図6は、φ≒tanφと近似した場合の位相φの誤差を示す図である。図6において、「Step」は、遅延調整をτ/128単位とした場合の遅延調整単位を表し、図6では、128ステップのうちの最初の16Stepにおける誤差を示す。φ中央値は、左列Stepの遅延調整単位に対応するφを示す。φ上限閾値は、求められたφに対し必要な誤差調整Step数を求めるために参照する閾値になり、tanφがφ上限閾値を超えた場合は、次Stepが適用される。Step n(nは整数)のφ上限閾値は、Step nのφ中央値とStep (n+1)のφ中央値の中間値である。tanφは、φ中央値をtanで表わした場合の値を示し、誤差は中央値φとtanφの誤差率を表す。
例えば、φが0.44179であった場合、実際に必要な遅延調整Step数は9であるが、tanφでφを近似した場合0.47496となるので、Step9のφ上限閾値0.46633を超えているので、遅延調整Step数は10と判定されることになり、遅延時間差ΔTに誤差が生じる。
なお、上述の説明では、参照信号Rf(t)とフィードバック信号Fb(t)の電力成分を用いた例を説明したが、電力成分の代わりに、エンベロープ値(電力成分の平方根)を使用しても同様の効果が得られる。エンベロープ値も実質的に電力成分に関するパラメータである。続いて、上述した遅延時間差ΔTの検出処理を実行する歪補償装置に構成について説明する。
図7は、本実施の形態における歪補償装置の構成例を示す図である。歪補償部12は、歪補償係数更新部14から出力される歪補償係数を送信信号に乗算する。歪補償係数更新部14は、送信信号の電力に応じた歪補償係数のテーブルを記憶し、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いた適応信号処理により、送信信号とフィードバック信号の差がゼロになるように歪補償係数を演算して歪補償係数を更新する。歪補償係数更新部14は、遅延部16により遅延された後に入力される送信信号の電力に応じた歪補償係数を歪補償部12に出力する。遅延部16は例えば遅延FIFOバッファであり、設定された遅延時間分だけ、入力された送信信号をクロック単位で遅延させ、送信信号を出力する。
D/A変換器(DAC)18は、歪補償部12から出力されたデジタルの送信信号をアナログ信号に変換する。電力増幅器20は送信信号を増幅し、電力増幅器20から出力される送信信号はアンテナから無線出力される。方向性結合器22は、電力増幅器20から出力される送信信号の一部を抽出し、フィードバック信号を生成する。アナログのフィードバック信号は、A/D変換器(ADC)24によりデジタル信号に変換され、復調部26により復調処理された後、補間フィルタ28に入力される。補間フィルタ28は、フィードバック信号の遅延を微調整する機能を有するLPFであり、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。補間フィルタ28は、フィードバック信号の遅延時間におけるクロック単位未満の時間を調整する。クロック単位で遅延時間を調整する遅延部16とクロック単位未満の時間を調整する補間フィルタ28とにより、フィードバック信号の遅延時間が高精度に調整される。
遅延制御部30は、上述した本実施の形態の遅延時間差検出処理を実行する。遅延制御部30は、電力成分検出部32、複素数生成部34、FFT部36及び遅延時間差検出部38を備える。
図8は、遅延制御部30の処理フローチャートである。電力成分検出部32は、送信信号Rf(t)とフィードバック信号Fb(t+T+ΔT)それぞれの電力成分を検出する(S100、S102)。複素数生成部34は、歪補償前の送信信号(参照信号)Rf(t)の電力成分を実部とし、遅延時間Tのときのフィードバック信号Fb(t+T)の電力成分を虚部とする複素数g(t,T)を生成する(S104)。FFT部36は、複素数g(t,T)を高速フーリエ変換(FFT)し、フーリエ変換値G(ω)を求める(S106)。
遅延時間差検出部38は、フーリエ変換結果G(ω)のうちの周波数成分G(2F)とG(-2F)を求め(S108)、周波数成分G(2F)とG(-2F)を用いて、上記(3)式と(4)式から遅延時間差ΔTを検出する(S110)。遅延時間差検出部38は、検出した遅延時間差ΔTに基づいて、遅延部16及び補間フィルタ28に設定する遅延時間を制御する遅延制御信号を出力し、現在設定されている遅延時間(T+ΔT)をフィードバック信号の正しい遅延時間Tに調整する(S112)。
以上、本実施の形態によれば、一回の遅延時間検出処理で、設定される遅延時間を正しい遅延時間Tにダイレクトに調整することができ、正しい遅延時間に収束させるために演算処理を繰り返す必要もなくなるので、正確な遅延時間を短時間で設定することが可能となる。従来の自己相関値に基づいて遅延時間を調整する場合と比較して、1000倍以上のオーダーでの短縮化が実現される。また、フィードバック信号の遅延時間の変動に対しても、タイムラグなしに即時に追従できる。演算処理の負荷も軽減される。
また、高速フーリエ変換処理は、送信信号の2倍の周波数成分(±2F)のみを求めることで足り、FFT部のバッファを不要とし、回路規模の縮小化できる。
複素数のフーリエ変換値から求められる位相を正接関数(tan)で近似することで、逆正接関数のテーブルを不要とすることができる。
本実施の形態における歪補償装置は、好ましくは、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)システムやLTE(Long Term Evolution)システムなどの移動通信システムにおける基地局装置又は移動局装置に適用される。
12:歪補償部、14:歪補償係数更新部、16:遅延部、18:DAC、20:電力増幅部、22:方向性結合器、24:ADC、26:復調部、28:補間フィルタ、30:遅延制御部、32:電力成分検出部、34:複素数生成部、36:FFT部、38:遅延時間差検出部

Claims (5)

  1. 信号を増幅する増幅器の歪特性を補償する歪補償装置において、
    前記増幅器の歪特性を補償するための歪補償係数を記憶し、前記増幅器に入力前の信号と前記増幅器から出力される信号のフィードバック信号とに基づいて、前記増幅器の歪特性を補償するための歪補償係数を演算し、記憶している歪補償係数を当該演算された歪補償係数に更新する歪補償係数更新部と、
    前記歪補償係数を用いて前記増幅器に入力前の信号を歪補償処理する歪補償部と、
    前記増幅器に入力前の信号が入力され、設定された遅延時間分遅延させて前記歪補償係数更新部に出力する遅延部と、
    前記増幅器に入力前の信号の電力成分を実部とし、前記フィードバック信号の電力成分を虚部とする複素数の位相に基づいて、前記遅延部に設定される遅延時間を制御する遅延制御部とを備えることを特徴とする歪補償装置。
  2. 請求項1において、
    前記遅延制御部は、前記複素数を高速フーリエ変換して前記複素数の位相を求め、当該複素数の位相に基づいて、前記遅延部に設定されている遅延時間と前記フィードバック信号の実際の遅延時間との遅延時間差を検出し、前記遅延部に設定されている遅延時間を当該遅延時間差分調整することを特徴とする歪補償装置。
  3. 請求項1において、
    前記遅延制御部は、前記複素数を高速フーリエ変換し、高速フーリエ変換値における前記増幅器に入力前の信号の2倍の周波数成分の位相に基づいて、前記遅延部に設定されている遅延時間と前記フィードバック信号の実際の遅延時間との遅延時間差を検出し、前記遅延部に設定されている遅延時間を当該遅延時間差分調整することを特徴とする歪補償装置。
  4. 請求項3において、
    前記遅延制御部は、前記2倍の周波数成分の位相の逆正接関数に基づいて、前記遅延時間差を検出することを特徴とする歪補償装置。
  5. 請求項3において、
    前記遅延制御部は、前記2倍の周波数成分の位相の正接関数に基づいて、前記遅延時間差を検出することを特徴とする歪補償装置。
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