JP4935897B2 - 歪補償装置及びその遅延時間推定方法 - Google Patents
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Description
図9は従来の無線送信機における送信装置の一例を示すブロック図であり、送信信号発生装置1はシリアルのディジタルデータ列を送出し、シリアル/パラレル変換器(S/P変換器)2はディジタルデータ列を1ビットづつ交互に振り分けて同相成分信号(I信号:In-phase component)と直交成分信号(Q信号:Quadrature component)の2系列に変換する。DA変換器3はI信号、Q信号のそれぞれをアナログのベースバンド信号に変換して直交変調器4に入力する。直交変調器4は入力されたI信号、Q信号(送信ベースバンド信号)にそれぞれ基準搬送波とこれを900移相した信号を乗算し、乗算結果を加算することにより直交変調を行って出力する。周波数変換器5は直交変調信号と局部発振信号をミキシングして周波数をアップコンバートし、電力増幅器(HPA)6は周波数変換器5から出力された無線信号を電力増幅して空中線(アンテナ)7より空中に放射する。
Pout=k・Pin (1)
であらわせるように線形であることが望ましい。ただし、Poutは出力電力、Pinは入力電力、kは比例定数である。しかし、送信装置の送信電力は10W〜数10Wと大きく、電力増幅器6の入出力特性は実際には次式
Pout=fNL・k・Pin (2)
で与えられ、図10(a)の(2)で示すように非直線性になる。ただし、fNLは歪関数である。この非直線特性により非線形歪が発生し、送信周波数f0周辺の周波数スペクトラムは図10(b)の実線に示すようにサイドローブが持ち上がり、隣接チャネルに漏洩し、ACLR(Adjacent Channel Leakage Ratio)が増大し、隣接妨害を生じる。すなわち、非線形歪により図10(b)に示すように送信波が隣接周波数チャネルに漏洩する電力が大きくなってしまう。この漏洩電力は、他チャネルに対して雑音となり、そのチャネルの通信品質を劣化させてしまう。よって、厳しく規定されている。
漏洩電力は、例えば電力増幅器の線型領域で小さく、非線形領域で大きくなる。そこで、高出力の電力増幅器とするためには、線形領域を広くする必要がある。しかし、このためには実際に必要な能力以上の増幅器が必要となり、コスト及び装置サイズにおいて不利となる問題がある。そこで、電力増幅器の非直線性に起因する歪を補償する歪補償機能つきの送信装置が採用されている。この歪補償は、前もって入力信号にfNL -1の歪補償係数を乗算することにより行う。
歪補償係数記憶部8a、送信信号のパワーレベルに応じた歪補償係数h(pi)を用いて該送信信号に歪補償処理(プリディストーション)を施すプリディストーション部8b、送信信号x(t)と後述する直交検波器で復調された復調信号(フィードバック信号)y(t)を比較し、その差が零となるように歪補償係数h(pi)を演算、更新する歪補償係数演算部8cを備えている。
歪補償部8でプリディストーション処理を施された送信信号はDA変換器3に入力する。DA変換器3は入力されたI信号とQ信号をアナログのベースバンド信号に変換して直交変調器4に入力する。直交変調器4は入力されたI信号、Q信号にそれぞれ基準搬送波とこれを900移相した信号を乗算し、乗算結果を加算することにより直交変調を行って出力する。周波数変換器5は直交変調信号と局部発振信号をミキシングして周波数をアップコンバートし、電力増幅器(HPA)6は周波数変換器5から出力された無線信号を電力増幅して空中線(アンテナ)7より空中に放射する。
15hはLMSアルゴリズムにより歪補償係数hn+1(p)を演算する歪補償係数演算部、15iは歪補償係数hn+1(p)を歪補償係数記憶部15gに書き込む書き込みアドレス発生用の遅延回路であり、パワー演算部15fとでアドレス生成部15jを構成する。15kは送信信号x(t)の遅延時間を調整する遅延回路であり、送信信号x(t)とフィードバック信号y(t)が同時に歪補償係数演算部15hに入力するよう送信信号x(t)の遅延時間を制御する。15mは送信信号x(t)の遅延時間を設定するDLL(Delay Locked Loop)回路である。
hn+1(p)=hn(p)+μe(t)u*(t)
e(t)=x(t)−y(t)
y(t)=hn(p)x(t)f(p)
u(t)=x(t)f(p)=hn(p)y*(t)
p=|x(t)|2
ただし、x,y,f,h,u,eは複素数、*は共役複素数である。上記演算処理を行うことにより、送信信号x(t)とフィードバック信号y(t)の差信号e(t)が最小となるように歪補償係数h(p)が更新され、最終的に最適の歪補償係数値に収束し、電力増幅器6の歪が補償される。
DS-CDMA技術を用いた通信において、移動局は送信側拡散符号の位相を1チップ以内の精度で検出し(同期捕捉)、以後、該位相に同期して受信側における逆拡散のための拡散符号列を発生して逆拡散を行う。ところで、同期捕捉しても何もしなければ変調や雑音の影響で同期位置を見失ってしまう。このため、一度同期捕捉に成功した受信信号に対して受信側の拡散符号列が時間ずれを起こさないように制御する必要がある(同期追跡)。かかる同期追跡回路としDLL回路が知られている。図14はこのDLL回路を使用して遅延時間の変動に対する制御を行う。なお、はじめに図15、図16を参照してDLLの原理を説明する。
乗算器31c及びローパスフィルタ31fはPN系列Aと受信拡散データ列Bの相関を演算する機能を備え、PN系列Aと受信拡散データ列Bの位相が一致していれば最大になり図16(A)に示すように1シンボル(=Nチップ)毎に1チップ周期幅の相関値R(τ)=1を出力し、位相が1チップ周期以上ずれると相関値R(τ)は1/Nになる。乗算器31d及びローパスフィルタ31fは1チップ周期遅延したPN系列A′と受信拡散データ列Bの相関を演算する機能を備え、PN系列A′と受信拡散データ列Bの位相が一致していれば最大になり図16(B)に示す相関値R(τ)を出力し、位相が1チップ周期以上ずれると相関値R(τ)は1/Nになる。加算器31eは乗算器31cの出力と乗算器31dの出力の符号を反転したものを加算することにより、位相差τに対して図16(C)に示すSカーブ特性を有する信号を、ローパスフィルタ31fを介して出力する。
電圧制御発振器31gは、ローパスフィルタ出力に基づいて位相差τが0となるようにクロック周波数を制御する。例えば、PN系列(参照拡散符号)Aの位相が受信拡散符号Bに対して進めばクロック周波数を小さくして位相差が0となるように制御し、又、PN系列(参照拡散符号)Aの位相が受信拡散符号Bに対して遅れればクロック周波数を高くして位相差が0となるように制御する。
予め遅延部15kに遅延時間誤差が所定%になるように遅延時間を設定し、かかる状態においてDLL回路15mを作動させる。DLL回路15mは、DLLの原理でローパスフィルタ31fを介してA′×B−A×Bの差信号Cを出力し、該差信号Cを遅延時間推定値として遅延部15kに設定する。DLL回路15mは、A′×B−A×B=0となるようにフィードバック制御を継続し、差信号Cが送信電力増幅器(HPA)6とフィードバック系で生じる遅延時間Δと一致すれば、A′×B−A×B=0となる。
以上から、本発明の目的は、DLL回路を構成するゲート数を減少することである。
本発明の別の目的は、DLL回路の構成を簡単化でき、しかも、DLL回路より乗算器を不要にすることである。
本発明の別の目的は、初期遅延誤差が広くても、該誤差を効率よく補正することである。
本発明の第1の態様は、入力信号に歪補償係数を用いて歪補償処理を施すプリディストーション部、歪補償前の入力信号を遅延する遅延部、前記遅延部から出力する歪補償前の入力信号と歪デバイスの出力側からフィードバックされるフィードバック信号とに基づいて歪補償係数を更新する歪補償係数更新部、更新された歪補償係数を入力信号に対応させて記憶する歪補償係数記憶部、前記歪デバイスとフィードバックループで生じる遅延時間を推定して前記遅延部に設定するDLL(Delay Locked Loop)回路を備えた歪補償装置である。
この歪補償装置において、DLL回路は、隣接する2つの入力信号を前信号、後信号と定義するとき、前信号、後信号および前記フィードバック信号の振幅をそれぞれ抽出する振幅抽出部、前記入力信号とフィードバック信号の振幅積(第1振幅積)、後信号とフィードバック信号の振幅積(第2振幅積)を演算する演算部、前記振幅積の差を前記遅延時間推定値として出力する遅延時間推定部を備えている。
前記振幅抽出部は、前記各信号のI軸およびQ軸の振幅を該I軸成分およびQ
軸成分の絶対値により算出する絶対値回路、前記信号のI軸およびQ軸の振幅を
加算することにより該信号の振幅を抽出する加算部、を備えている。
前記演算部は、信号毎に、前記信号振幅より一定値を減算する減算部、前記減算部の減算結果の符号を抽出する符号抽出部、前記前信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第1振幅積として出力すると共に、前記後信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第2振幅積として出力する論理回路、を備えている。
前記遅延時間推定部は、前記第1振幅積に応じた論理積と、前記第2振幅積に応じた論理積との排他的論理和演算結果を前記遅延時間推定値として出力する排他的論理和演算回路を備えている。
本発明の第2の態様は、前記歪補償装置の遅延時間推定方法であり、(1)隣接する2つの入力信号を前信号、後信号と定義するとき、前信号、後信号および前記フィードバック信号の振幅をそれぞれ抽出する第1ステップ、(2)前記入力信号とフィードバック信号の振幅積(第1振幅積)、後信号とフィードバック信号の振幅積(第2振幅積)を演算する第2ステップ、(3)前記振幅積の差を前記遅延時間推定値として出力する第3ステップを備えている。
前記第1ステップは、(1)前記各信号のI軸成分およびQ軸成分の絶対値によ
り害I軸およびQ軸の振幅を算出するステップ、(2)前記信号のI軸およびQ
軸の振幅を加算することにより該信号の振幅を抽出するステップを備え、前記第2ステップは、(1)信号毎に、前記信号振幅より一定値を減算するステップ、(2)m前記減算部の減算結果の符号を抽出するステップ、(3)前記前信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第1振幅積として出力すると共に、前記後信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第2振幅積として出力するステップを備え、前記第3ステップは、(1)前記第1振幅積荷応じた論理積と、前記第2振幅積に応じた論理積との排他的論理和演算結果を前記遅延時間推定値として出力するステップ、を備えている。
図1は本発明のDLL回路を適用する歪補償装置の全体の構成図である。
図示しない送信信号発生装置から送出される送信信号x(t)(=I(t)+jQ(t))は、歪補償部51に入力される。歪補償部51は、歪補償係数記憶部(LUT)51a、プリディストーション部51b、歪補償係数演算部51c、アドレス生成部51d、遅延回路51e、DLL(Delay Locked Loop)回路51fを備えている。歪補償係数記憶部(LUT)51aは、送信信号x(t)のパワーレベルpi (i=0〜1023)に応じた歪補償係数h(pi)を記憶し、プリディストーション部51bは、送信信号のパワーレベルに応じた歪補償係数を用いて該送信信号に歪補償処理を施す。歪補償係数演算部51cは、送信信号x(t)と後述する直交検波器で復調された復調信号(フィードバック信号)y(t)(=I′(t)+jQ′(t))を比較し、その差が零となるように歪補償係数h(pi)を演算し、歪補償係数記憶部(LUT)51aに記憶されている歪補償係数を更新する。アドレス生成部51dは、送信信号x(t)のパワーレベル(=I*I+Q*Q)を計算し、該パワーを歪補償係数記憶部51aへの読み込み/書き込みアドレスとして発生する。遅延回路51eは送信信号x(t)の遅延時間を調整し、送信信号x(t)とフィードバック信号y(t)が同時に歪補償係数演算部51cに入力するよう送信信号x(t)の遅延時間を制御し、DLL(Delay Locked Loop)回路51fは送信信号x(t)の遅延時間を設定する。
歪補償係数記憶部(LUT)51aは複素の入力信号のI成分、Q成分毎に歪補償係数を出力し、プリディストーション部51bは入力信号のI成分、Q成分に歪補償係数をそれぞれ乗算する乗算器MP1,MP2を備え、遅延回路51eも入力信号のI成分、Q成分をそれぞれ遅延する遅延部DL1,DL2を有している。歪補償係数演算部51cは、送信信号x(t)とフィードバック信号y(t)(=I′(t)+jQ′(t))の実数部、虚数部の差ER1,ER2を演算する誤差演算部SB1,SB2と、それぞれの差が零となるように歪補償係数を演算、更新する歪補償係数更新部DCUを備えている。
送信信号の一部は直交復調部54に入力され、直交復調部54は入力信号を無線信号からベースバンド信号に周波数変換し、しかる後、基準搬送波とこれを900移相した信号を乗算して直交検波を行い、送信側におけるベースバンドのI、Q信号を再現して歪補償部51に入力する。歪補償部51は、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いた適応信号処理により歪補償前の送信信号と直交検波部54で復調したフィードバック信号を比較し、その差が零となるように歪補償係数を演算して更新する。以後、上記動作を繰り返すことにより、電力増幅器(HPA)53の非線形歪を抑えて隣接チャネル漏洩電力を低
減する。
図2は本発明の非コヒーレント(non-coherent)なDLL回路の第1の構成図である。このDLL回路は時間領域のアーリ/レート技術(early-late technique)に基づいた位相ロックループであり、ゆっくりと変わる遅延変動に自動的に追跡するための良好な追跡能力を有している。なお、時間間隔Tの送信信号x(t)の隣接する2つの信号のうち、前の信号x1(t)を前信号(early signal)、後の信号x2(t)を後信号(late signal)と定義し、前信号x1(t)をx1(t)=I1(t)+jQ1(t)、後信号x2(t)をx2(t)=I2(t)+jQ2(t)、フィードバック信号y(t)をy(t)= I(t)+jQ(t)とする。
減算器66((図14の加算器31eに対応)は次式
第1のDLL回路によれば、振幅情報のみを考慮するだけでよく、位相情報を考慮しないでよいためDLL回路の構成を簡略化できる利点がある。
図2のDLL回路はゆっくりと変わる遅延変動に自動的に追跡するための良好な追跡能力を有しているが、回路構成が十分に簡略化されていない問題がある。すなわち、図1のDLL回路は8個の乗算器と3つのルート計算器を必要とする。各乗算器は12ビット以上のデータバスを有しているから乗算結果は少なくとも25ビット以上となる。このように乗算器やルート計算器は多くのゲートを必要とし、FPGAにおけるゲート数が増大し、回路が高価となる。
そこで、乗算器やルート計算器を必要としないDLL回路を提案する。図4はかかる本発明の第2のDLL回路の構成図である。このDLL回路の第1の特徴は、振幅を図5に示す構成により近似的に計算する点である。すなわち、振幅抽出部を、2つの絶対値回路ABS1,ABS2と加算器ADDで構成している。絶対値回路ABS1,ABS2は複素入力信号のI軸成分およびQ軸成分の絶対値により各軸の振幅を計算
し、加算器ADDはI軸およびQ軸の振幅を加算することにより複素入力信号の振
幅を抽出する。すなわち、図5の振幅抽出部は次式
図4のDLL回路の第2の特徴は、図6に示すように図5で計算された振幅(positive value)から減算器SBTで一定値Constを減算し、符号抽出部SIGNで減算結果の符号(サインビット)を抽出し、一定振幅のバイポラー信号を出力する点である。これには以下の2つの目的がある。第1の目的は、振幅変調を除去する点にあり、第2の目的は、図2の第1のDLL回路における相関演算用の乗算器64,65をより簡単なブロック、たとえばAND回路で構成する点にある。なお、送信信号がOFDM変調した信号である場合には、OFDM信号平均部70で1OFDMシンボルの平均値を計算し、該平均値を前記の一定値Constとする。
バイポラー信号発生部74〜76はそれぞれ図6に示す構成を備え、振幅抽出部71〜73から出力される振幅信号を入力され、入力振幅より一定値Constを減算し、減算結果の符号を抽出することにより、一定振幅のバイポラー信号BEARLY、BLATE、Bをそれぞれ出力する。
しかる後、排他的論理和回路79は、第1、第2のAND回路77、78の出力信号の排他的論理和演算を行い、演算結果を出力する。増減部80は排他的論理和演算回路79の出力が”1”であるか“0”であるかに基づいて遅延時間推定値を1増加、あるいは1減少することにより、遅延時間を推定し、遅延回路51eに設定する。
OFDM信号振幅はすべて正値(all-positive value)のランダム変数であり、平均値Constは非零である。OFDM変調送信の場合、図4の第1のDLL回路は、遅延時間推定値を得るために、入力信号振幅(all-positive value)と前信号/後信号振幅(all-positive value)を乗算しなければならなかった。しかし、乗算は複雑な計算を必要とし、このため乗算を複雑でない演算、たとえば論理AND演算で置き換えることが望ましい。論理AND演算はall-positive valueに対して演算不可能であるが、バイポラー信号であれば演算可能である。そこで、図4の第2のDLL回路のバイポラー信号発生部74〜76はall-positive valueからバイポラー信号を生成する。そのために、一定値ConstをOFDM信号の平均値とすることにより、OFDM信号のall-positive 振幅を零平均でないバイポラー信号に変換する。そして、次の符号抽出により一定振幅で、かつシャープな自己相関機能を備えたバイポラー擬似雑音(bipolar pseudo−noise)に変換する。このシャープな自己相関機能は良好な遅延時間追跡能力を有している。
すなわち、符号抽出処理は一定振幅のバイポラー信号を生成する。バイポラー信号は振幅が+1または−1を有するMシーケンスの擬似雑音信号(pseudo-noise signal)に類似しているため、シャープな自己相関機能を有し、振幅情報が無くても良好な遅延時間追跡のパーフォーマンスが可能になる。補足的にいえば、入力信号より振幅変調を除去することは、サイドローブレベルを減少し、遅延時間推定の誤りが次第に減少してゆく。
図7より、第2DLL回路によれば、初期遅延時間を1サンプルクロックの−40%〜+
30%の場合であっても、DLL回路のフィードバック制御によりACLRレベルを−50dB以下に制御することができる。
以上本発明によれば、DLL回路を構成するゲート数を減少することができる。特に、第2のDLL回路より乗算器を不要にすることができ、ASICやFPGAにおけるゲート数を減少でき、回路を安価にすることができる。
また、本発明によれば、DLLのループゲインを大きくでき、初期遅延誤差が広くても、該遅延誤差を速やかに補正してACLRレベルを減少することができる。
Claims (6)
- 入力信号に歪補償係数を用いて歪補償処理を施すプリディストーション部、歪補償前の入力信号を遅延する遅延部、前記遅延部から出力する歪補償前の入力信号と歪デバイスの出力側からフィードバックされるフィードバック信号とに基づいて歪補償係数を更新する歪補償係数更新部、更新された歪補償係数を入力信号に対応させて記憶する歪補償係数記憶部、及び前記歪デバイスとフィードバックループで生じる遅延時間を推定して前記遅延部に設定する設定回路を備えた歪補償装置において、
前記設定回路は、隣接する2つの入力信号を前信号、後信号と定義するとき、前信号、後信号および前記フィードバック信号の振幅をそれぞれ抽出する振幅抽出部と、
該前信号とフィードバック信号との第1振幅積と、該後信号とフィードバック信号との第2振幅積とを演算する演算部と、
前記振幅積の差をもとに推定された前記遅延時間を出力する遅延時間推定部と、
を備え、前記演算部は、
信号毎に、前記信号振幅より一定値を減算する減算部、
前記減算部の減算結果の符号を抽出する符号抽出部、
前記前信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第1振幅積として出力すると共に、前記後信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第2振幅積として出力する論理回路、
を備えたことを特徴とする歪補償装置。 - 前記入力信号がOFDM変調信号の場合、前記一定値は該OFDM変調信号の1OFDMシンボルの平均値を演算する平均値演算部、
を有することを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。 - 前記遅延時間推定部は、前記第1振幅積に応じた論理積と、前記第2振幅積に応じた論理積との排他的論理和演算結果を前記遅延時間推定値として出力する排他的論理和演算回路、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の歪補償装置。 - 前記遅延時間推定部は、前記排他的論理和演算回路の出力が”1”であるか“0”であ
るかに基づいて遅延時間推定値を増減する増減回路、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の歪補償装置。 - 入力信号に歪補償係数を用いて歪補償処理を施すプリディストーション部、歪補償前の入力信号を遅延する遅延部、前記遅延部から出力する歪補償前の入力信号と歪デバイスの出力側からフィードバックされるフィードバック信号とに基づいて歪補償係数を更新する歪補償係数更新部、更新された歪補償係数を入力信号に対応させて記憶する歪補償係数記憶部、前記歪デバイスとフィードバックループで生じる遅延時間を推定して前記遅延部に設定する設定回路を備えた歪補償装置における遅延時間推定方法において、
隣接する2つの入力信号を前信号、後信号と定義するとき、前信号、後信号および前記フィードバック信号の振幅をそれぞれ抽出する第1ステップ、
前記前信号とフィードバック信号の振幅積(第1振幅積)、後信号とフィードバック信号の振幅積(第2振幅積)を演算する第2ステップ、
前記振幅積の差を前記遅延時間推定値として出力する第3ステップ、
を備え、
前記第2ステップは、
信号毎に、前記信号振幅より一定値を減算するステップ、
前記減算部の減算結果の符号を抽出するステップ、
前記前信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第1振幅積として出力すると共に、前記後信号とフィードバック信号のそれぞれに対応する前記符号の論理積を前記第2振幅積として出力するステップ、
を備え、前記第3ステップは、
前記第1振幅積に応じた論理積と、前記第2振幅積に応じた論理積との排他的論理和演算結果を前記遅延時間推定値として出力するステップ、
を備えることを特徴とする遅延時間推定方法。 - 前記排他的論理和演算の出力が”1”であるか“0”であるかに基づいて前記遅延時間推定値を増減して前記遅延部に設定する第4ステップ、
を有することを特徴とする請求項5記載の遅延時間推定方法。
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