JP5145661B2 - 印刷配線板の製造方法及びめっき装置 - Google Patents

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本発明は、印刷配線板と、その製造方法並びにめっき装置に関し、特に、ガラス繊維入りの有機樹脂から成る厚さが0.2mm以下の薄いコア基板1を用い、そのコア基板1の表裏の配線パターン7を電気接続する、コア基板1を貫通する金属めっき柱5を形成した印刷配線板及びその製造方法並びにめっき装置に関する。
従来のこの種の印刷配線板は、特許文献1から特許文献4では、図8(a)に示すように、厚さが50μmから200μmの有機樹脂のコア基板1の下面に下地銅箔層27を形成し、次に、コア基板1の上面から炭酸ガスレーザーを、下面の下地銅箔層27に至るまで照射することで、直径が50μmから250μmの非貫通穴28を形成した。そして、その非貫通穴28を電解銅めっきの層で埋めることで金属めっき柱5を形成し、それと一体に形成された銅めっき層17をコア基板1の上面に形成した。次に、図8(b)に示すように、コア基板1の上面の銅めっき層17と下面の下地銅箔層27をエッチングすることで上下面に配線パターン7とランドパターン6を形成した。次に、コア基板1の両面に順次に、絶縁樹脂層18とビアホールめっき20−1を形成し、また、必要に応じ更に絶縁樹脂層18−1とビアホールめっき20−2を重ねて印刷配線板を形成していた。
特許文献5および特許文献6では、図9(a)に示すように、印刷配線板のコア基板1に貫通孔4を形成し、その貫通孔4を電解銅めっきの層で充填し金属めっき柱5を形成するとともにコア基板1の上下面にその金属めっき柱5と一体に形成された銅めっき層17を形成する。次に、図9(a)に示すように、コア基板1の上下面の銅めっき層17をエッチングすることで上下面に配線パターン7とランドパターン6を形成した。こうして、金属めっき柱5と上下面のランドパターン6および配線パターン7を一体の金属めっきで形成していた。
以下に公知文献を記す。
特開平1−89596号公報 特開平6−314883号公報 特開平10−247783号公報 特開2003−332739号公報 特開昭63−177586号公報 特開2005−12035号公報
しかし、特許文献1から特許文献4の技術では、炭酸ガスレーザーで有機樹脂のコア基板1の上面から下地銅箔層27に至る非貫通穴28を形成する際に、その非貫通孔15の底面の下地銅箔層27の表面に有機樹脂の残渣が残留し、その有機樹脂残渣が非貫通孔15に充填した電解銅めっきの層と下地銅箔層27の接続信頼性を損なう問題があった。また、下地銅箔層27の厚さは、炭酸ガスレーザーがそれを破損させて貫通しないために、厚さ25μm以上の厚い下地銅箔層27が必要であった。そのため、その下地銅箔層27をエッチングして形成する配線パターン7の配線幅と配線間隔は、その厚い下地銅箔層27の厚さの数倍以上に形成する必要があるため、高密度な配線パターン7を形成することを困難にするという欠点があった。
また、特許文献5から特許文献6では、貫通孔4が電解銅めっきの層で充填されるまで
銅めっきするため、その間にコア基板1の表裏の面に銅めっき層17が成長し、その結果形成される銅めっき層17の厚さは貫通孔4を充填するのに要するめっき時間に応じて厚くなり、結局、銅めっき層17が貫通孔4の半径程度に厚く形成されてしまう。例えば直径50μの貫通孔4を金属めっき柱5で充填すると、銅めっき層17の厚さは25μm程度に形成され、貫通孔4の直径がさらに大きい場合は、更に厚い銅めっき層17が形成される。そのため、その分厚い銅めっき層17をエッチングすることで配線パターン7を形成する場合に、その配線パターン7の配線幅と配線間隔が配線の厚さの数倍以上必要とされ、配線パターン7の配線密度を高くすることが難しい欠点があった。
係る従来の技術では、コア基板1に形成した貫通孔4内に電解めっきで金属めっき柱5を形成し、その際に、その金属めっき柱5と一体の薄い金属めっきにより上下のランドパターン6と配線パターン7を形成することで、その配線パターン7を高密度に形成する課題があった。
本発明は、この課題を解決するために、貫通孔を有し銅めっき皮膜を形成したコア基板をめっき陰極治具で保持しかつ電気接続させ、前記めっき陰極治具をめっき電源の陰極に電気接続させ、前記コア基板を、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に浸漬させ、前記コア基板の片面(第1の面)へ対向させて設置しためっき陽極板の電流密度を、前記第1の面の反対面(第2の面)へ対向させためっき陽極板よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ電解めっき処理を行うことで、前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞する第1の工程と、次に、前記コア基板の前記第2の面へ対向させためっき陽極板の電流密度を、前記第1の面へ対向させためっき陽極板よりも大きくした電解めっき処理を行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成する第2の工程と、前記コア基板の両面の配線パターンの形成工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
また、本発明は、上記第1の工程が、上記コア基板の上記第1の面側に上記第2の面側よりも厚い電解めっき層を形成し、上記第2の工程が、前記コア基板の前記第2の面側に第1の面側よりも厚い電解めっき層を形成し、前記第1の工程と前記第2の工程で形成した電解めっき層の厚さの合計を前記コア基板の両面で略同じ厚さに形成することを特徴とする上記の印刷配線板の製造方法である。
また、本発明は、貫通孔を有するコア基板に電気接続するとともに前記コア基板をめっき槽に満たされた、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に保持するめっき陰極治具を有し、前記めっき陰極治具に電気接続するめっき陰極リードを有し、前記めっき陰極リードに電気接続した陰極を有する高電流密度めっき電源と低電流密度めっき電源を有し、前記めっき陰極治具を前記めっき槽中の第1の位置に設置し、前記第1の位置では前記コア基板の第1の面が、前記高電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第1のめっき陽極板と対向し、前記コア基板の第2の面が前記低電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第2のめっき陽極板に対向し、前記高電流密度めっき電源の陽極電流を前記低電流密度めっき電源の陽極電流よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ前記コア基板に第1の電解めっき処理を行うことで前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞し、次に、前記めっき陰極治具を前記めっき槽中の第2の位置に移動させることで、前記電解めっき浴中で前記コア基板の第1の面が、前記低電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第4のめっき陽極板と対向し、前記コア基板の第2の面が前記高電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第3のめっき陽極板に対向し、前記コア基板に第2の電解めっき処理を行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成するように構成されていることを特徴とする印刷配線板のめっき装置である。
また、本発明は、貫通孔を有するコア基板に電気接続するとともに前記コア基板をめっき槽に満たされた、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に保持するめっき陰極治具を有し、前記めっき陰極治具を設置し電気接続するめっき陰極リードを有し、前記めっき陰極リードに電気接続した陰極を有する高電流密度めっき電源と低電流密度めっき電源を有し、前記めっき陰極治具で保持された前記コア基板の第1の面に対向するように配置した第1のめっき陽極板と前記コア基板の第2の面に対向するように配置された第2のめっき陽極板を有し、前記高電流密度めっき電源の陽極と前記低電流密度めっき電源の陽極を、前記第1のめっき陽極板あるいは前記第2のめっき陽極板へ切り替えて電気接続する電流切替スイッチを有し、前記高電流密度めっき電源の陽極電流を前記低電流密度めっき電源の陽極電流よりも大きくし、前記電流切替スイッチによる前記電気接続を一定時間毎に切り替える電極切替制御回路を有し、前記電流切替スイッチにより前記第1のめっき陽極板のめっき電流を前記第2のめっき陽極板のめっき電流よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ前記コア基板の貫通孔の片側の開口を金属めっきの閉塞栓で閉塞する第1の電解めっき処理を行うことで前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞し、次に、前記電流切替スイッチにより前記第2のめっき陽極板のめっき電流を前記第1のめっき陽極板のめっき電流よりも大きくし前記コア基板に第2の電解めっき処理とを行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成するように構成されていることを特徴とする印刷配線板のめっき装置である。
本発明は、平滑剤を含む電解銅めっき浴を用いる電解銅めっき処理により、コア基板1の貫通孔4を、先ず、第1の面2側の開口を電解銅めっきの層の閉塞栓で塞ぐ第1の工程と、次に、穴の開口部側のコア基板1の面への電解銅めっきの電流密度をその反対面より高くすることで、穴の底面を成す貫通孔4内の閉塞栓の面への電解銅めっきの成長を平滑剤によって抑制されずに最も速く成長させ貫通孔4内の閉塞栓の面から第2の面側の開口部まで電解銅めっきの層で充填した金属めっき柱5を形成し、その際のコア基板1の両面への電解銅めっきの成長を平滑剤によって抑制させ、コア基板1の両面の銅めっき層17による配線パターン7の厚さを貫通孔4の半径に比べ小さな厚さに形成するので、配線パターン7を高密度に形成できる効果がある。
以下に、図面を参照しながら、本実施形態に係る印刷配線板の製造方法およびそのめっき装置について説明する。なお、以下の説明において同一の要素については同一の符合を付してその説明を省略する。
本発明では、ガラス繊維、アラミド繊維、フレーク状の無機のフィラー入りの有機樹脂基板、あるいは、フィラー等を含有しない有機樹脂基板のコア基板1を用い、そのコア基板1にドリルあるいは炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等で第2の面3からその反対側の第1の面2まで貫通する貫通孔4を孔あけする。これ以外のコア基板1として、セラミックスのグリーンシートにドリルあるいは炭酸ガスレーザーで貫通孔4を形成し、そのグリーンシートを焼結したコア基板1を用いることもできる。あるいは、コア基板1として、貫通孔4を形成したシリコンウェハを用いることもできる。そのコア基板1に、電解銅
めっき処理により、貫通孔4を埋める金属めっき柱5を形成し、コア基板1の両面に金属めっき柱5の上下でランドパターン6を成す配線パターン7を、金属めっき柱5と一体構造に形成する。
コア基板1に形成した貫通孔4を電解銅めっきにより充填し金属めっき柱5を形成する技術については、以下の問題が考えられる。すなわち、ガラス繊維入り有機樹脂基板のコア基板1にドリルで、コア基板1の面に垂直な壁面を有する貫通孔4を形成する場合には、貫通孔4の孔壁にガラス繊維が突出する凹凸を生じることが考えられる。また、ガラス繊維入り有機樹脂基板のコア基板1にレーザー光で貫通孔4を形成する場合も、有機樹脂がレーザー光により蒸発されて消滅することで形成された貫通孔4に、蒸発せずに残留したガラス繊維が突出する凹凸を生じることが考えられる。そのため、金属めっき柱5を形成するために貫通孔4の壁面へ電解銅めっきの層を成長させると、貫通孔4の壁面の凹凸により、その壁面から成長させる電解銅めっきの層の表面は、凹凸を持つ壁面を成す。そして、更に貫通孔4に電解銅めっきの層を成長させると、貫通孔4内の電解銅めっきの層の表面の凸状の位置で貫通孔4の複数の壁面の凸部が電解銅めっきの層で形成された閉塞栓となり貫通孔4を塞ぎ、複数の閉塞栓の間に挟まれた空間が貫通孔4内に閉じ込められ、それが空洞として残る恐れがある。こうして貫通孔4内の金属めっき柱5に空洞が発生すると、それにより金属めっき柱5の機械的強度が弱くなり、電気接続信頼性も損なわれる問題を生じることが考えられる。
また、従来技術により、コア基板1の貫通孔4を電解銅めっきにより充填し金属めっき柱5を形成するとともにコア基板1の両面に銅めっき層17をコア基板1の半径以上の厚さに形成し、その銅めっき層17を研磨することで薄くし、それから銅めっき層17をエッチングすることで厚さが20μm以下の高密度な配線パターン7を形成することも考えられるが、銅めっき層17の研磨に用いる研磨布や研磨テープ表面に異物による汚染があり、研磨の際に、これらの異物により、銅めっき層17の表面に1.5μm程度の、すなわち、配線の厚さの8%近くの研磨傷を発生させ、その研磨傷が、銅めっき層のエッチングの際に配線パターン7を断線させる原因になる。また、配線パターン7がエッチング工程で断線させられ無くても、これにより製造された印刷配線板に電子部品をはんだ付けする熱ストレスを加えコア基板1を膨張させ配線パターン7を引き伸ばす力が加わるとその研磨傷が拡大して配線パターン7を断線させてしまう問題が考えられる。
鋭意研究の結果、この問題を解決する製造方法として、以下の製造方法を発明した。本発明の第1のポイントは、コア基板1の貫通孔4を充填するための電解銅めっき浴には、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーと、平滑剤と、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(SPS)などの促進剤などから成る添加剤を加えたことである。特に、この電解銅めっき浴は、硫酸銅の割合を200〜250g/Lに調整し、添加剤の平滑剤としてヤーヌスグリーンB(JGB)を1〜10mg/Lの濃度で添加することで、ポリマーと平滑剤の相乗効果により、コア基板1の両面への銅めっき層17の成長速度を貫通孔4への電解銅めっきの層の成長速度よりも遅くすることで、コア基板1の両面(第1の面2と第2の面3)の銅めっき層17の厚さを、貫通孔4の半径よりも薄く形成した。
(本発明の第1の実施形態のめっき装置)
本発明の第2のポイントは、コア基板1とその貫通孔4への電解銅めっき処理を、図1に示す第1の実施形態のめっき装置により行った。図1(a)に、このめっき装置の平面図の模式図を示し、図1(b)に側面図を示し、図1(c)に正面図を示す。コア基板1を、それに電気接続する銅のめっき陰極治具8で保持し、めっき槽9に満たした電解銅めっき浴中に保持する。めっき陰極治具8は、全面に無電解銅めっき皮膜を形成したコア基板1を挟み込んでコア基板1の面に電気接続するとともに、コア基板1を保持する。また、めっき陰極治具8は、図1(c)に示すように、鉄あるいは銅等の金属のガイドレールか
ら成るめっき陰極リード10上に吊り下げる吊り金具構造を有し、その吊り金具構造でめっき陰極リード10に電気接続する。また、めっき陰極リード10の一端は、めっき電源の陰極と電気接続する。このめっき陰極リード10は、めっき陰極治具8に電気接続する導線とし、めっき陰極治具は非金属のガイドレールに吊り下げ保持しても良い。
第1の実施形態のめっき装置では、めっき陰極治具8は、それが保持するコア基板1をめっき槽9に満たした電解銅めっき浴中の第1の位置に設置し、その第1の位置では、高電流密度めっき電源11に接続した銅板から成る第1のめっき陽極板13と、低電流密度めっき電源12に接続した銅板から成る第2のめっき陽極板14から成る第1のめっき陽極板対の間にコア基板1を配置する。これにより、コア基板1の第1の面2を第1のめっき陽極板13に対向させ、第2の面3を第2のめっき陽極板14に対向させコア基板1の両面に電解銅めっきを行う。次に、コア基板1を保持しためっき陰極治具8をめっき槽9の第2の位置に移動させることでコア基板1をめっき槽9の電解銅めっき浴中の第2の位置に移動させ、その第2の位置では、高電流密度めっき電源11に接続した銅板から成る第3のめっき陽極板15と、低電流密度めっき電源12に接続した銅板から成る第4のめっき陽極板16から成る第2のめっき陽極板対の間にコア基板1を配置する。これにより、コア基板1の第1の面2に第4のめっき陽極板16を対向させ、第2の面3に第3のめっき陽極板15を対向させコア基板1の両面に電解銅めっきを行う。こうして、めっき陽極板からコア基板1の第1の面2と第2の面3に加える電流密度を切り替えて電解銅めっきするめっき装置を用いる。
以下、第1の実施形態のめっき装置による印刷配線板の製造方法を説明する。その製造方法は、以下の2つの工程により製造することを特徴とする。すなわち、第1の工程では、コア基板1をこのめっき装置のめっき槽9に満たした電解銅めっき浴中に浸漬し、コア基板1をめっき槽9の第1の位置に設置することで第1のめっき陽極板対の間に設置し、電解銅めっきする。これにより、コア基板1の第1の面2への電解銅めっきの電流密度を第2の面3よりも高くし、第1の面2への電解銅めっきの層の成長速度を、第2の面3より速くした電解銅めっき処理を行う。この第1の工程により、コア基板1の貫通孔4の第1の面2側の壁面の電解銅めっきの層の成長速度を、第2の面3側の壁面より遅くし、貫通孔4内の壁面の内径を、第2の面3側から第1の面2側にかけて序々に小さくし、貫通孔4が、第1の面2側から閉塞するようにする。これにより、貫通孔4は先ず第1の面2側の開口が1つの閉塞栓で塞がれ、その閉塞栓が成長して厚さが増すようにし、貫通孔4内のある空洞を囲む両開口側の2つ以上の壁面箇所がその間の空洞より先に閉塞して空洞を生じるということが無いようにできる。
次に、第2の工程では、図1に示すように、コア基板1を引き続きめっき槽9の電解銅めっき浴中に保持しつつ、コア基板1を保持しためっき陰極治具8を移動させ、コア基板1を、めっき槽9の電解銅めっき浴中の第2の位置まで移動させ、コア基板1を第2のめっき陽極板対の間に設置し、第1の面2に第4のめっき陽極板16を対向させ、第2の面3に第3のめっき陽極板15を対向させる。この第2の工程の電解銅めっき処理では、第1の面2と第2の面3に加える電流密度を第1の工程の逆にして電解銅めっきすることにより、貫通孔4内の閉塞栓の面の上に第2の面3側まで電解銅めっきの層を成長させて貫通孔4を充填し金属めっき柱5を形成する。それとともに、第2の工程では、第1の工程でコア基板1の第1の面2側が第2の面3側より銅めっき層17の厚さが厚かった不釣合い状態を補うように、第2の面3側に第1の面2側よりも銅めっき層17を厚く形成し、結果として、第1の面2の銅めっき層17の厚さと第2の面3の銅めっき層17の厚さを略同じにする。こうして、貫通孔4に、空洞が発生しないように、最初に第1の面2側の開口部に電解銅めっきの層で形成された閉塞栓の貫通孔4内の面を、その後の電解銅めっき処理により第2の面3側の開口部まで成長させ、貫通孔4を充填した金属めっき柱5を形成する。この時に同時に、コア基板1の第1の面2と第2の面3に、平滑剤により電解
銅めっきの層の成長を抑制することで、貫通孔4の半径より薄い厚さの、貫通孔4の半径の4割から8割の厚さで、両面にほぼ同じ厚さの銅めっき層17を形成できる。次に、この銅めっき層17をエッチングする配線パターンの形成工程により高密度の配線パターン7を形成する。
以下、この実施形態のめっき装置による、実施例1の印刷配線板の製造方法を示す。
(ステップ1)図2(a)に示すように、厚さが50μmから100μmで縦横が500mm×600mmの寸法の、ガラス繊維入りのエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの有機樹脂のコア基板1に、ドリルにより直径100μmの円筒状の貫通孔4を数千個から数万個穴あけする。
また、このステップ1では、ドリルにより、ガラス繊維入り有機樹脂のコア基板1に円筒状の貫通孔4を開ける例を示したが、この他に、アラミド繊維入りの、あるいは細径のガラス繊維入りの、あるいは扁平なガラス繊維入りの有機樹脂のコア基板1に、炭酸ガスレーザーあるいはYAGレーザなどのレーザー穴あけ装置を用いて円錐状の壁面を有する貫通孔4を形成しても良い。
(ステップ2)次に、コア基板1と絶縁樹脂膜3の積層体の全面に触媒核を付与し、前記組成の無電解銅めっき浴に55℃で30分浸漬することで、貫通孔4の壁面とコア基板1の全面に、厚さ数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜を形成する。
(無電解銅めっき浴組成)
金属塩… 硫酸銅 :9〜12g/L
アルカリ… NaOH:10〜12g/L
還元剤…HCHO:3〜5g/L
錯化剤…EDTA:25〜40g/L以下
その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム等):少量。
(ステップ3)次に、図1に示すめっき装置により、図2(b)に示すように、第1の工程の電解銅めっき処理を行う。すなわち、めっき陰極治具8をめっき槽9の第1の位置に設置し、それが保持するコア基板1をめっき槽9に満たした下記の組成の電解銅めっき浴に浸漬して、めっき槽9中の電解銅めっき浴中の第1のめっき陽極板13と第2のめっき陽極板14から成る第1のめっき陽極板対の間に配置し、そのコア基板1の第1の面2を第1のめっき陽極板13に対向させ、第2の面3を第2のめっき陽極板14に対向させた状態で電解銅めっき処理を行う。これにより、貫通孔4の第1の面2側の開口部を電解銅めっきの層で塞いだ閉塞栓を形成する。
(電解銅めっき浴組成)
硫酸銅:200〜250g/L
硫酸 :30〜50g/L
塩素 :30〜60ppm
ポリエチレングリコール(PEG):0.5〜1g/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド(SPS):1〜10mg/L
平滑剤:ヤーヌスグリーンB(JGB)を1〜10mg/L。
平滑剤としては、JGBなどの4級化アミン化合物、あるいは、β−プロピオラクタムエトキシレート、γ−ブチロラクタム−ヘキサ−エトキシレート、δ−バレロラクタム−オクタ−エトキシレート、δ−バレロラクタム−ペンタ−プロポキシレート、ε−カプロラクタム−ヘキサ−エトキシレート、またはε−カプロラクタム−ドデカ−エトキシレートを用いることができる。また、式:[R2−O(CH2CH2O)m(CH(CH3)−CH2O)p−R3]aのポリアルキレングリコールエーテルが挙げられ、式中、mは1
4〜90の整数であり、pは20以下の整数であり、R2は(C1〜C4)アルキルであり、R3は脂肪族鎖または芳香族基であり、aは1または2である平滑剤を用いることもできる。また、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジンチオン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトチアゾリン、エチレンチオ尿素、チオ尿素、およびアルキル化ポリアルキレンイミンを用いることもできる。
ここで、平滑剤がコア基板1の両面、すなわち、第1の面2(図2の下面)と第2の面3(図2の上面)への銅めっき層17の成長を抑制し、一方、貫通孔4を埋める電解銅めっきの層の成長を抑制しないようにするために、コア基板1の両面における銅めっき浴の流動速度を速くし、めっき浴をよく攪拌することが望ましい。すなわち、めっき浴中で、コア基板1の両面に100〜200L/minの噴流ポンプで銅めっき浴を吹き付け良く攪拌しつつ電解銅めっきを行う。これにより、コア基板1の両面には平滑剤が十分よく供給されコア基板1の両面へ吸着され、平滑剤の消耗を十分補い十分な量の平滑剤が吸着される。その結果、表面に吸着した平滑剤によりコア基板1の両面への銅めっき層17の成長が抑制され、その厚さを薄くする。一方、コア基板1の貫通孔4内では、銅めっき浴の攪拌・流動速度が遅くなるため、平滑剤が貫通孔4の内部の壁面に十分供給されないため、平滑剤の消耗を補えず、貫通孔4の壁面への電解銅めっきの層の成長が平滑剤に抑制されずに、貫通孔4の壁面への銅めっきの層の厚さが厚くなる。このように、貫通孔4の内部の電解銅めっき浴のかくはん・流動速度を遅くし、コア基板1の両面の電解銅めっき浴の流動速度を速くすることで、コア基板1の第1の両面に形成される銅めっき層17の厚さを貫通孔4の半径よりも小さくする。
また、コア基板1の第1の面2に、第1のめっき陽極板13から約2A/平方dmの電流密度を加え、第2の面3に、第2のめっき陽極板14から約1A/平方dmの電流密度を加え、第1の面2と第2の面3の電流密度に差をつけて60分間電解銅めっきを行う。この際に、第1の面2のめっき析出量を第2の面3より多くすることで第1の面2側の貫通孔4の開口部が電解銅めっきの層が成長して成る閉塞栓で塞ぐ。一旦閉塞栓ができると、穴の底部の閉塞栓の面に対する電解銅めっきの層の成長速度が最も速くなるため、先ず、この貫通孔4内の閉塞栓の面に電解銅めっきの層が成長し閉塞栓が第2の面3側に厚さを増すので、貫通孔4の途中に新たな閉塞栓が発生することが妨げられ、空洞が発生しない機構が働く。ここで、コア基板1の貫通孔4がレーザー穴あけ処理で形成する場合のように、その孔の壁面が傾いて形成され、コア基板1の両面の開口径が異なる場合は、その貫通孔4の開口径が小さい側のコア基板1の面を第1の面2とし、開口径が小さい側の開口に電解銅めっきの層をより厚く成長させ貫通孔4を塞ぐ閉塞栓を形成する。
(ステップ4)次に、コア基板1を保持しためっき陰極治具8をめっき槽9の第2の位置に移動させることで、電解銅めっき浴中でコア基板1を、第1のめっき陽極板対の間から、第4のめっき陽極板16と第3のめっき陽極板15から成る第2のめっき陽極板対の間に移動させ、図2(c)に示すように、第1の面2に第4のめっき陽極板16を対向させ、第2の面3に第3のめっき陽極板15を対向させ、第2の工程の電解銅めっき処理を行う。ここで、第2のめっき陽極板対の間のコア基板1は、第1の面2と第2の面3に加える電流密度の大小関係を、ステップ3の場合と反対にし、第2の面3のめっき析出量を第1の面2より多くし、60分間電解銅めっきを行う。貫通孔4は、ステップ3の工程で第1の面2側の開口を電解銅めっきの層から成る閉塞栓で閉塞されているが、ステップ4では、貫通孔4の閉塞栓から第2の面3側の開口部まで貫通孔4を電解銅めっきの層で埋め込む。その際に、片端が閉塞栓で閉塞された貫通孔4内では、銅めっき浴の攪拌・流動速度が特に遅くなるため、平滑剤が貫通孔4の内部の壁面に十分供給されず平滑剤の消耗が補われず、貫通孔4の内部の壁面への電解銅めっきの層が平滑剤に抑制されないので、貫通孔4の壁面、特に、孔の底面の閉塞栓の面への電解銅めっきの層の成長速度がコア基板1の両面に形成される銅めっき層17に比べ、特に速く、その結果、直径100μmの
貫通孔4内を急速に電解銅めっきの層で充填し、それと同時に形成される両面の電気めっき層の厚さを貫通孔4の半径より薄くすることができる。以上のステップ3とステップ4により、貫通孔4を埋め込む金属めっき柱5を形成し、コア基板1の両面に貫通孔4の半径の4割の厚さの約20μmの厚さの銅めっき層17を形成する。
(ステップ5)次に、コア基板1の両面の銅めっき層17を、バフ研磨し清浄化し、次に、コア基板1の両面をエッチングレジストで保護し、次に、エッチングすることにより、図2(d)に示すように、コア基板1の両面に、その配線の厚さの1倍から2倍の20μmから40μmの幅および間隔を持つ高密度な配線パターン7を形成する。ここで行うバフ研磨では、銅めっき層17を薄化する必要は無く、銅めっき層17の表面を清浄化するために軽く行う。そのため、このバフ研磨により銅めっき層17へ形成される傷の深さは0.8μm以下にでき、銅めっき層17の厚さ20μmの4%以下に研磨傷を浅くできる。
(ステップ6)次に、図2(e)に示すように、コア基板1の両面を覆う絶縁樹脂層18を形成した後、紫外線レーザやYAG高調波レーザ等により絶縁樹脂層18に、コア基板1の配線パターン7の位置あるいはランドパターン6の位置にビアホール穴19をあける。図2(e)以降では、ビアホール穴19の穴あけ加工にはすべてレーザー穴あけ機を用いる。これにより、フォトビアホールの製造方法ではビアホール穴19を形成する際にビアホール穴19の底に残渣成分が残り易い問題を改善した。
(ステップ7)次に、図2(f)に示すように、絶縁樹脂層18上に無電解銅めっき処理と、それに続く電解銅めっき処理により銅めっき層17を形成するとともにビアホール穴19を電解銅めっきの層で充填しビアホールめっき20−1を形成し、次に、銅めっき層17をエッチングすることで配線パターン7−1を形成する。
(ステップ8)次に、図2(e)および図2(f)と同様に、以上で形成した基板の両面に絶縁樹脂層18−1を形成し、続いてビアホールめっき20−1あるいは配線パターン7−1上に紫外線レーザやYAG高調波レーザ等によりビアホール穴19をあける。
(ステップ9)次に、図2(g)に示すように、絶縁樹脂層18−1上に無電解銅めっき処理と、それに続く電解銅めっき処理により銅めっき層17を形成するとともにビアホール穴19を電解銅めっきの層で充填しビアホールめっき20−2を形成し、次に、銅めっき層17をエッチングすることで配線パターン7−2を形成する。以後、積層数に応じて同様の作製作業を行うことで、印刷配線板を製造する。
本実施例では、コア基板1に直径100μmの貫通孔4に金属めっき柱5を形成するとともにコア基板1の両面に金属めっき柱の半径の40%の約20μmの厚さの銅めっき層17を形成したが、これ以外に、コア基板1に直径50μmの貫通孔4を形成し、その貫通孔4に金属めっき柱5を形成するとともにコア基板1の両面に金属めっき柱の半径の40%から80%の約10μmから20μmの厚さの銅めっき層17を形成し、その銅めっき層17をエッチングすることで高密度な配線パターン7を形成することもできる。なお、本実施例では、金属めっき柱5,ビアホールめっき20−1,20−2がスタック状に積層した構造が形成されているが、その他に、金属めっき柱5に接続される複数のビアホールめっき20−1、20−2をスパイラル状に形成したスパイラルビアホールを形成することもできる。
以上の実施例1の製造方法、すなわち、電解銅めっき浴に平滑剤を添加し、第1の面2側の電解銅めっきの電流密度を第2の面3側より高くし第1の面2側の貫通孔4の開口部を電解銅めっきの層の閉塞栓で塞ぐ第1の工程(ステップ3)と、その次に、第2の面3側のめっき電流密度を第1の面2側より高くし、貫通孔4の閉塞栓の開口の反対側の面を主体に電解銅めっきする第2の工程(ステップ4)を併用することで、以下の効果を生じる。第1の工程と第2の工程は何れも、貫通孔4への平滑剤の補充が妨げられることで貫
通孔4への銅めっきの成長速度がコア基板1の両面より速くなり、貫通孔4の銅めっきによる充填速度が速くなる効果がある。特に、第2の工程では、第1の工程で、貫通孔4の第1の面2側の開口部が銅めっきで形成された閉塞栓で閉塞されているため、その閉塞栓から第2の面3側の開口部までの領域への平滑剤の補充が大きく妨げられ、特に、貫通孔4に残った穴の底部の閉塞栓の部分で平滑剤の補充が妨げられ、穴の底部の銅めっきの成長速度が最も速くなる効果がある。この効果と、第2の面3側の電解銅めっきの電流密度を高めたことによる効果とが重なり合い、貫通孔4の電解銅めっきの層による充填速度がとても速くなる効果がある。その結果、コア基板1の両面に形成する銅めっき層17の厚さに比べ大きな半径を有する貫通孔4を電解銅めっきの層で充填し金属めっき柱5を形成できる効果がある。
また、第1の工程では、コア基板1の第1の面2への電解銅めっきの電流密度を第2の面3より大きくし、両面の電解銅めっきの電流密度を異ならせて電解銅めっき処理をするので、貫通孔4内の壁面への電解銅めっきの層の成長速度が、第1の面2側の開口側から第2の面3側の開口にかけて除々に遅くなり、貫通孔4内の電解銅めっきの層が形成された壁面の内径が、第2の面3側の開口側から第1の面2側の開口にかけて除々に小さくされるため、貫通孔4が、第1の面2側の開口部が最初に閉塞され、貫通孔4のある空間の両端がその空間より先に複数の閉塞栓で閉塞されることが無く金属めっき柱5内に空洞を発生することがない効果がある。
更に、本実施例では、貫通孔4の半径よりも十分薄い銅めっき層17を直接に電解銅めっきにより形成し、その銅めっき層17をエッチングすることで薄い配線パターン7を形成できるので、従来技術では高密度の配線パターン7を得るためには電解銅めっき処理後に銅めっき層17を研磨することで銅めっき層17を薄くする工程を加える必要があったが、その工程を加えないで薄い銅めっき層17を得られるので、印刷配線板の製造コストを上げずに高密度の配線パターン7を得られる効果がある。また、本実施例の印刷配線板は、従来技術では銅めっき層17を研磨することで20μm以下に薄くし、それをエッチングして配線パターン17を形成することで、その配線パターン7の表面に研磨傷が1.5μm、すなわち8%程の研磨傷が発生するので印刷配線板の信頼性が悪かった問題を改善した。すなわち、本発明は、研磨工程に依存せずに厚さが20μm以下の薄い配線パターン7を形成するので、その配線パターン7の表面の研磨傷の深さを従来技術の半分の4%以下に浅くできる。このように本実施例により得る印刷配線板は、厚さが20μm以下の高密度な配線パターン7の研磨傷の深さを配線パターン7の厚さの4%以下にし、印刷配線板の信頼性を高くする効果がある。なお、従来技術で、配線パターン7の厚さが20μmより薄い場合に、空調管理した室内で研磨紙を扱い研磨傷の深さを配線パターン7の厚さに応じて浅くする場合も、通常の製造条件では、その配線パターン7の研磨傷はその配線パターンの厚さの8%程度に形成され易いため、研磨傷を配線パターン7の厚さの4%以下にする印刷配線板は通常の製造工程ではコスト高になるため製造が困難であり実用的ではなかったのを、本実施例により、研磨傷が配線パターン7の厚さの4%以下の高い品質の印刷配線板が得られる効果がある。
更に、電解銅めっきの析出量を各面毎の電流密度により制御するため、銅めっきの析出量を正確に制御でき、銅めっき層17の厚さを安定させ、印刷配線板の製造上のバラツキが小さく製造品質の安定性を向上できる効果がある。
(本発明の第2の実施形態のめっき装置)
実施例2では、図3に平面図の模式図を示す第2の実施形態のめっき装置を用いる。すなわち、このめっき装置では、実施例1と同様の組成の電解銅めっき浴を用い、コア基板1を、めっき陰極リード10に電気接続した銅から成るめっき陰極治具8で保持するととも
に電気接続し、コア基板1をめっき槽9に満たした電解銅めっき浴に浸漬する。そして、コア基板1の第1の面2に銅から成る第1のめっき陽極板13を対向させて、第2の面3に銅から成る第2のめっき陽極板14を対向させる。そして、めっき陽極板に約2A/平方dmの電流密度でめっき電流を供給する高電流密度めっき電源11と、めっき陽極板に約1A/平方dmの電流密度でめっき電流を供給する低電流密度めっき電源12と、それらのめっき電源の陽極に第1のめっき陽極板13と第2のめっき陽極板14を接続し、その接続を切り替える電極切替スイッチ21と、めっき陽極板に電気接続するめっき電源の陽極を一定時間毎に切り替える電極切替制御回路22を有する。すなわち、電極切替スイッチ21が高電流密度めっき電源11の陽極に第1のめっき陽極板13を電気接続し、低電流密度めっき電源12の陽極に第2のめっき陽極板14を電気接続し電解銅めっき処理し、コア基板1の貫通孔4の第1の面2側の開口を電解銅めっきの層から成る閉塞栓で塞ぐ第1の電解銅めっき処理を行う。次に、電極切替制御回路22が、電極切替スイッチ21により、めっき電源の陽極に接続するめっき陽極板を切り替えて、高電流密度めっき電源11の陽極に第2のめっき陽極板14を電気接続し、低電流密度めっき電源12の陽極に第1のめっき陽極板13を電気接続し電解銅めっき処理し、コア基板1の、閉塞栓で塞がれた貫通孔4の穴の底部の閉塞栓の面からその穴の開口部まで金属めっき柱5を成長させる第2の電解銅めっき処理を行う。
以下に、図4により、第2の実施形態のめっき装置により、印刷配線板を製造する方法を示す。この印刷配線板のめっき方法以外の製造方法は、実施例1と同様の製造方法でも行えるが、以下では、他に実施可能な製造方法の実施例を示す。
(ステップ1)図4(a)に示すように、実施例1のステップ1と同様にして、厚さが50μmから100μmのガラス繊維入り有機樹脂のコア基板1に、ドリルにより直径100μmの貫通孔4を開ける。
(ステップ2)次に、実施例1のステップ2と同様にして、コア基板1の貫通孔4の壁面とコア基板1の全面に、厚さ数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜を形成する。
(ステップ3)次に、図4(b)に示すように、そのコア基板1の上下面に感光性めっきレジスト膜23をラミネートする。
(ステップ4)次に、図4(c)に示すように、感光性めっきレジスト膜23を露光・現像することで、コア基板1の上下に、配線パターン7の逆版のめっきレジストパターン24を形成する。
(ステップ5)次に、コア基板1を、第2の実施形態のめっき装置のめっき槽9中の電解銅めっき浴に浸漬し、図4(d)に示すように、めっき陰極治具8でコア基板1の無電解銅めっき皮膜を挟んで電気接続し、コア基板1を第1のめっき陽極板13と第2のめっき陽極板14の間に設置し、コア基板1の第1の面2に第1のめっき陽極板13を対向させ、第2の面3に第2のめっき陽極板14を対向させる。そして、電極切替制御回路22が、電極切替スイッチ21により、高電流密度めっき電源11の陽極に第1のめっき陽極板13を電気接続し、低電流密度めっき電源12の陽極に第2のめっき陽極板14を電気接続し、この状態で60分間電解銅めっきを行う。これにより、第1の面2側のめっき析出量を第2の面3側より多くすることで第1の面2側の貫通孔4の開口部を電解銅めっきの層から成る閉塞栓で塞ぐ。同時に、めっきレジストパターン24で覆われないで露出した部分、すなわち逆版の配線パターン7の領域に銅めっき層17を成長させる配線パターンの形成工程により、コア基板1の第1の面2側の銅めっき層17を、第2の面3側より厚く成長させる。
(ステップ6)次に、図4(e)に示すように、電極切替制御回路22が、電極切替スイッチ21により、高電流密度めっき電源11の陽極に第2のめっき陽極板14を電気接続し、低電流密度めっき電源12の陽極に第1のめっき陽極板13を電気接続することで
コア基板1の両面に対向させる高電流密度のめっき陽極板と低電流密度のめっき陽極板を切り替え、60分間電解銅めっきを行う。これにより、貫通孔4を、閉塞栓から第2の面3の開口部まで電解銅めっきの層で充填し金属めっき柱5を形成する。同時に、めっきレジストパターン24で覆われず露出した部分、すなわち逆版の配線パターン7の領域に、ステップ5で形成した厚さの銅めっき層17の上に更に銅めっき層17を成長させる。ステップ6では、配線パターン7の銅めっき層17は、コア基板1の第2の面3側が第1の面2側より厚く成長させる配線パターンの形成工程により、ステップ5で形成された両面での銅めっき層17の厚さのアンバランスを補い、最終的な配線パターン7の銅めっき層17の厚さを、両面でほぼ同じ厚さに、貫通孔4の半径以下の厚さの、半径の40%から80%の、約20μmから40μmの薄い厚さに形成する。
(ステップ7)次に、図4(f)に示すように、めっきレジストパターン24を剥離し、次に、数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜をフラッシュエッチングにより除去する配線パターンの形成工程により、めっきレジストパターン24の逆版のパターンで形成された配線パターン7を得る。
(ステップ8)次に、実施例1のステップ6と同様にして、図2(e)のように、コア基板1の両面に、多層構造を実現するためにコア基板1の両面を覆う絶縁樹脂層18を形成した後、ビアホール穴19をあける。
(ステップ9)次に、実施例1のステップ7と同様にして、図2(f)のように、コア基板1の両面に形成した絶縁樹脂層18の両面に配線パターン7−1を形成するとともに、ビアホール穴19には銅めっきの層で充填したビアホールめっき20−1を形成する。以後、積層数に応じて同様の作製作業を行うことで、図2(g)のような印刷配線板を製造する。
以上の実施例2の製造方法により、以下の効果を生じる。すなわち、実施例2は、コア基板1の第1の面に電流を供給する第1のめっき陽極板13と、第2の面に電流を供給する第2のめっき陽極板14に接続するめっき電源を、電極切替制御回路22が電極切替スイッチ21を制御して切り替えるため、めっき装置内に第1のめっき陽極板対の領域と第2のめっき陽極板対の領域との2つの領域の設置を不要にしたため、めっき装置を小型にできる効果がある。
図5に、本発明の実施例3の平面図を示し、図6に、本発明の実施例3の製造方法を示す。実施例3は、コア基板1の有機樹脂基板に予めドリルにより直径が140μmの貫通孔4を穿孔し、その貫通孔4とコア基板1の両面に数マイクロメートルの無電解銅めっき膜を形成し、次に、コア基板1の両面に感光性めっきレジスト膜23をラミネートし、露光・現像することでめっきレジストパターン24を得る。本実施例では、貫通孔4の位置に、図5の平面図に示すように、貫通孔4の直径より狭い100μmの開口幅のレジスト開口部25を持つめっきレジストパターン24を形成する。レジスト開口部25の形状は、図5のように、コア基板1に、貫通孔4の一部に貫通孔4の壁面から最大20μmオーバーハングして貫通孔4の開口の一部を塞ぐオーバーハング部26を有する長方形状のレジスト開口部25を形成する。このレジスト開口部25では、貫通孔4の開口の端からレジスト開口部25までめっきレジストパターン24が突出するオーバーハング部26があり、このオーバーハング部26は、レジスト開口部25の開口の端を除く3方向で貫通孔4の外側のめっきレジストパターン24に接続して機械的に強固に支えられ、コア基板1から剥がれにくい構造を成す。オーバーハング部26およびレジスト開口部25の他の形状としては、めっきレジストパターン24が厚く剥がれにくく強固にコア基板1に接着される場合は、レジスト開口部25を、貫通孔4の壁面から同心円状に形成し、オーバーハング部26を、レジスト開口部25を囲む円輪に形成することも可能である。
次に、第1の実施形態のめっき装置あるいは第2の実施形態のめっき装置により、コア基板1をめっき槽9に満たした電解銅めっき浴中に浸漬して電解銅めっき処理し、貫通孔4を充填した金属めっき柱5を形成し、それと一体になった配線パターン7を形成する。この電解銅めっき処理は、実施例1あるいは実施例2と同様に、先ず、コア基板1の第1の面2への電解銅めっきの電流密度を第2の面3より大きくした電解銅めっき処理を行い、コア基板1の貫通孔4の第1の面2側の開口を先に電解銅めっきの層から成る閉塞栓を形成し閉塞させるが、レジスト開口部25の開口幅が貫通孔4よりも小さい100μmであるため、貫通孔4の開口部が更に狭くなる。そのため、このレジスト開口部25の狭さが、めっき槽9の電解銅めっき浴中の平滑剤のコア基板1の貫通孔4への拡散を妨害し、貫通孔4の内壁に平滑剤を吸着させず、貫通孔4の内壁への電解銅めっきの層の成長速度を速くするため、貫通孔4が電解銅めっきの層で速く充填される効果がある。
こうして、本実施例では、金属めっき柱5の外側のランドパターン6の幅が100μmで内部の金属めっき柱5の直径が140μmの金属めっき柱5が形成される。その後、めっきレジストパターン24を剥離し、数マイクロメートルの無電解銅めっき膜をフラッシュエッチングで除去することで、めっきレジストパターン24の逆版で形成された配線パターン7とランドパターン6を得る。
以下、実施例3の製造方法を説明する。
(ステップ1)先ず、実施例1のステップ1と同様にして、ガラス繊維入りエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの有機樹脂基板からなる厚さが60μmのコア基板1に、図6(a)に示すように、ドリルにより直径が約140μmの貫通孔4を穿孔する。
(ステップ2)次に、実施例1のステップ2と同様にして、厚さ数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜を形成する。
(ステップ3)次に、実施例2のステップ3と同様にして、図6(b)に示すように、そのコア基板1の両面に感光性めっきレジスト膜23をラミネートする。
(ステップ4)次に、コア基板1の両面の感光性めっきレジスト膜23を露光・現像することで図5に平面図を示し、図6(c)に断面図を示すめっきレジストパターン24を形成する。ここでは、貫通孔4の直径より狭い幅の開口幅を有するレジスト開口部25を形成しためっきレジストパターン24を形成する。
(ステップ5)次に、図6(d)に示すように、第1の実施形態の電解層めっき装置あるいは第2の実施形態のめっき装置により、第2の実施例のステップ5と同様にして、コア基板1の第1の面への電流密度を第2の面3への電流密度より大きくした電解銅めっき処理により、貫通孔4の第1の面2側の開口を電解銅めっきから成る閉塞栓で閉塞させる。それとともに、コア基板1の両面へ、めっきレジストパターン24の逆版の配線パターン7の銅めっき層17を形成し、第1の面2側の銅めっき層17を第2の面3側より厚く成長させ形成する。ここで、めっきレジストパターン24のレジスト開口部25の開口幅が貫通孔4の開口径より小さいため、貫通孔4への平滑剤の吸着を抑制し、電解銅めっきの層が貫通孔4を閉塞する閉塞栓を形成する速度を速め、また、閉塞栓が形成された後に貫通孔4を閉塞栓から開口部まで電解銅めっきの層で充填し金属めっき柱5を形成する速度を速める効果がある。
(ステップ6)次に、図6(e)に示すように、前記コア基板1の第2の面3への電解銅めっきの電流密度を第1の面2より大きくした電解銅めっき処理により、貫通孔4が閉塞栓で塞がれた穴の底部の閉塞栓の面から第2の面3側の開口部まで電解銅めっきの層で充填する。ここで、同時に、コア基板1のめっきレジストパターン24から露出した逆版の配線パターン7の銅めっき層17を、第2の面3側が第1の面2側より厚く成長させる。本実施例では、めっきレジストパターン24のレジスト開口部25の開口幅が、第2の
面3側でも、貫通孔4の開口径より小さいため、貫通孔4への平滑剤の吸着を抑制し、電解銅めっきの層が貫通孔4を充填する速度を速める効果がある。こうして、貫通孔4に、外側でのランドパターン6の幅が100μmで内部の直径が140μmの金属めっき柱5を形成し、同時に、それと一体にコア基板1の両面に形成された銅めっき層17の配線パターン7で、めっきレジストパターン24の逆版で形成された厚さが20μmから40μm程度の配線パターン7を形成する。
(ステップ7)次に、図6(f)に示すように、めっきレジストパターン24を剥離し、次に、数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜をフラッシュエッチングにより除去することでめっきレジストパターン24の逆版で形成された配線パターン7を得る。このフラッシュエッチングの際に、金属めっき柱5の、めっきレジストパターン24の下側の部分の表面も少しエッチングされ低くなる。この金属めっき柱5の上側のめっきレジストパターン24は、コア基板1の貫通孔4の開口部から少しコア基板1の内側まで食い込むため、その下側の金属めっき柱5の高さは、もともとコア基板1の表面よりも低い。その金属めっき柱5の部分の高さがコア基板1の表面より更に低くなるため、めっきレジストパターン24の下側のその金属めっき柱5の部分、すなわち、直径が大きい部分は、コア基板1の表面から低くなり、コア基板1の表面に形成された配線パターン7から遠ざかり、良く絶縁される効果がある。
(ステップ8)次に、図6(g)から図6(h)で、第1の実施例と同様な製造方法により、印刷配線板を製造する。
(実施例3の効果) 実施例3では、貫通孔4の直径が大きめであっても、めっきレジストパターン24によりオーバーハング部26を形成し、レジスト開口部25の幅を貫通孔4の直径より小さくし、貫通孔4の壁面に供給される平滑剤の供給を妨げ、平滑剤による貫通孔4の壁面への電解銅めっき層の成長の抑制作用を弱くするため、コア基板1の両面の銅めっき層17の厚さを増さずに、より大きな直径の貫通孔4を電解銅めっきの層で充填することができる効果がある。
また、貫通孔4の直径が大きくても、その貫通孔4を充填してなる金属めっき柱5は、その先端部ではその貫通孔4の開口の直径より小さな幅のランドパターン6を形成でき、配線パターン7をランドパターン6が妨害しない。そして、金属めっき柱5の直径の大きな部分は配線パターン7から遠ざけられ良く絶縁されるため、配線パターン7を高密度に形成した印刷配線板が得られる効果がある。
更に、コア基板1に形成した貫通孔4の位置には±10μm程度のずれがあって位置精度が良くない場合でも、めっきレジストパターン24に形成したレジスト開口部25と配線パターン7との相対位置を±5μm程度の精度で形成することができるので、コア基板1の両面の配線パターン7とランドパターン6を高い位置精度で形成できる効果がある。
図7に、本発明による実施例4の製造方法を示す。実施例4は、実施例3と類似する製造方法で製造するが、有機樹脂基板のコア基板1に、第2の面3側からレーザで第2の面3側の面の開口径が第1の面2側の面の開口径より大きい傾斜した壁面を有する貫通孔4を形成することが異なる。また、実施例3のステップ4に対応する処理で、コア基板1の両面にめっきレジストパターン24を形成する際に、第2の面3の側のめっきレジストパターン24には、貫通孔4の位置に、貫通孔4のその面での開口の直径より小さい幅のレジスト開口部25を形成しめっきレジストパターン24によるオーバーハング部26を形成するが、第1の面2の側では、貫通孔4の開口の直径より大きな直径のレジスト開口部25を形成し、オーバーハング部26を持たないめっきレジストパターン24を形成する点が異なる。
以下、実施例4の製造方法を説明する。
(ステップ1)先ず、ガラス繊維入りエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの有機樹脂基板からなる厚さが60μmのコア基板1に、図7(a)に示すように、第2の面3側から第1の面2まで炭酸ガスレーザーを照射し、第2の面3の開口の直径が100μmで、第1の面2側の開口の直径がそれより約30μm程度小さい70μmの貫通孔4を穿孔する。(ステップ2)次に、コア基板1と絶縁樹脂膜3の積層体の全面に触媒核を付与し、次に、前記組成の無電解銅めっき浴に55℃で30分浸漬することで、厚さ数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜を形成する。
(ステップ3)次に、図7(b)に示すように、そのコア基板1の両面に感光性めっきレジスト膜23をラミネートする。
(ステップ4)次に、図7(c)に示すように、コア基板1の両面の感光性めっきレジスト膜23に配線パターン7の逆版のパターンを露光・現像し、めっきレジストパターン24を形成する。その際に、第2の面3の側のめっきレジストパターン24には、貫通孔4の位置に、図5の平面図の様に、貫通孔4を形成したコア基板1に貫通孔4の一部に10μmの幅でめっきレジストパターン24が重なるように幅80μmの長方形状のレジスト開口部25を形成する。一方、第1の面2の側のめっきレジストパターン24には、貫通孔4の位置に、貫通孔4のその面での開口の直径より大きな、例えば40μm程度大きい直径110μmの、レジスト開口部25を形成する。
(ステップ5)次に、図7(d)に示すように、第1の実形態あるいは第2の実施形態のめっき装置を用い、実施例1のステップ3のように、コア基板1の貫通孔4の開口径の小さい側の面を第1の面2とし、第1の面2への電解銅めっきの電流密度を第2の面3への電流密度より大きくした電解銅めっき処理により、先ずコア基板1の貫通孔4と小さい方の開口を、すなわち第1の面2側の開口に電解銅めっきの層から成る閉塞栓を形成して閉塞し、同時に、コア基板1の両面に、めっきレジストパターン24の逆版の配線パターン7の銅めっき層17を形成する。この際に、貫通孔4の第1の面2側の開口径は貫通孔4の第2の面3側の開口径より小さく、また、貫通孔4の第2の面3側の開口はめっきレジストパターン24でより狭い開口を残して塞いだため、貫通孔4の開口部が全開する場合よりも貫通孔4への平滑剤の吸着を抑制し、電解銅めっきの層が貫通孔4を埋め込む速度を速くする効果がある。
(ステップ6)次に、図7(e)に示すように、前記コア基板1の第1の面2への電解銅めっきの電流密度を第2の面3への電流密度より低くした銅めっきを行なう。これにより、貫通孔4を閉塞栓から第2の面3側の開口部まで電解銅めっきの層を成長させ貫通孔4を電解銅めっきの層で埋め込んだ金属めっき柱5を形成するともに、コア基板1の両面に同等の厚さの銅めっき層17を形成する。こうして、第1の面側の端部の直径が70μmで第2の面側の端部のランドパターン6の幅が80μmで、内部の直径が100μmの金属めっき柱5が形成されるとともに、コア基板1の両面に、めっきレジストパターン24の逆版で形成された20μm程度の厚さの銅の配線パターン7が形成される。それと同時に、その配線の銅めっき層17の厚さの1倍から2倍の20μmから40μmの幅および間隔を持つ高密度な配線パターン7を形成する。
(ステップ7)次に、図7(f)に示すように、めっきレジストパターン24を剥離し、次に、数マイクロメートルの無電解銅めっき皮膜をフラッシュエッチングにより除去することでめっきレジストの逆版で形成された配線パターン7とランドパターン6を得る。(ステップ8)次に、図7(g)から図7(h)で、第1の実施例と同様な製造方法により、印刷配線板を製造する。
(実施例4の効果) 実施例4では、レーザにより、傾斜した壁面を有する貫通孔4を形成するため、貫通孔4の直径を低コストで小さく形成でき、また、貫通孔4の第1の面2側の開口の直径を第2の面3側の直径より小さくし、その貫通孔4の第1の面2側の開口を早期に電解銅めっきの層から成る閉塞栓で閉塞し、しかも、貫通孔4の壁面が傾斜しているため、貫通孔4を充填して形成される金属めっき柱5の中に空洞を生じにくく、金属めっき柱5の電気接続信頼性が高い効果がある。
なお、本発明では、平滑剤を加えた硫酸銅の電解銅めっき浴を用いてコア基板1の貫通孔4を銅の金属めっき柱5で充填する実施例を主に例示したが、平滑剤を加えたシアン化銅の電解銅めっき浴によっても同様の効果を得ることができる。また、平滑剤を加えたニッケルめっき浴により電解ニッケルめっきをしニッケルの金属めっき柱5でコア基板1の貫通孔4を形成する場合も同様な効果を得ることができる。それ以外に平滑剤を加えた金めっき浴でも同様な効果を得ることができる。
本発明の第1の実施形態のめっき装置の模式図である。 本発明の実施例1の印刷配線板の製造手順を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態のめっき装置の平面図の模式図である。 本発明の実施例2の印刷配線板の製造手順を示す断面図である。 本発明の実施例3の印刷配線板の製造方法におけるレジスト開口部の形状を示す平面図である。 本発明の実施例3の印刷配線板の製造手順を示す断面図である。 本発明の実施例4の印刷配線板の製造手順を示す断面図である。 コア基板を貫通する金属めっき柱を有する印刷配線板の、従来の第1の製造手順を示す断面図である。 コア基板を貫通する金属めっき柱を有する印刷配線板の、従来の第2の製造手順を示す断面図である。
符号の説明
1・・・コア基板
2・・・第1の面
3・・・第2の面
4・・・貫通孔
5・・・金属めっき柱
6・・・ランドパターン
7、7−1、7−2・・・配線パターン
8・・・めっき陰極治具
9・・・めっき槽
10・・・めっき陰極リード
11・・・高電流密度めっき電源
12・・・低電流密度めっき電源
13・・・第1のめっき陽極板
14・・・第2のめっき陽極板
15・・・第3のめっき陽極板
16・・・第4のめっき陽極板
17・・・銅めっき層
18・・・絶縁樹脂層
18−1・・・絶縁樹脂層
19・・・ビアホール穴
20−1、20−2・・・ビアホール
21・・・電極切替スイッチ
22・・・電極切替制御回路
23・・・感光性めっきレジスト膜
24・・・めっきレジストパターン
25・・・レジスト開口部
26・・・オーバーハング部
27・・・下地銅箔層
28・・・非貫通穴

Claims (4)

  1. 貫通孔を有し銅めっき皮膜を形成したコア基板をめっき陰極治具で保持しかつ電気接続させ、前記めっき陰極治具をめっき電源の陰極に電気接続させ、前記コア基板を、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に浸漬させ、前記コア基板の片面(第1の面)へ対向させて設置しためっき陽極板の電流密度を、前記第1の面の反対面(第2の面)へ対向させためっき陽極板よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ電解めっき処理を行うことで、前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞する第1の工程と、次に、前記コア基板の前記第2の面へ対向させためっき陽極板の電流密度を、前記第1の面へ対向させためっき陽極板よりも大きくした電解めっき処理を行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成する第2の工程と、前記コア基板の両面の配線パターンの形成工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  2. 前記第1の工程が、前記コア基板の前記第1の面側に前記第2の面側よりも厚い電解めっき層を形成し、前記第2の工程が、前記コア基板の前記第2の面側に第1の面側よりも厚い電解めっき層を形成し、前記第1の工程と前記第2の工程で形成した電解めっき層の厚さの合計を前記コア基板の両面で略同じ厚さに形成することを特徴とする請求項1記載の印刷配線板の製造方法。
  3. 貫通孔を有するコア基板に電気接続するとともに前記コア基板をめっき槽に満たされた、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に保持するめっき陰極治具を有し、前記めっき陰極治具に電気接続するめっき陰極リードを有し、前記めっき陰極リードに電気接続した陰極を有する高電流密度めっき電源と低電流密度めっき電源を有し、前記めっき陰極治具を前記めっき槽中の第1の位置に設置し、前記第1の位置では前記コア基板の第1の面が、前記高電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第1のめっき陽極板と対向し、前記コア基板の第2の面が前記低電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第2のめっき陽極板に対向し、前記高電流密度めっき電源の陽極電流を前記低電流密度めっき電源の陽極電流よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ前記コア基板に第1の電解めっき処理を行うことで前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞し、次に、前記めっき陰極治具を前記めっき槽中の第2の位置に移動させることで、前記電解めっき浴中で前記コア基板の第1の面が、前記低電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第4のめっき陽極板と対向し、前記コア基板の第2の面が前記高電流密度めっき電源の陽極に電気接続した第3のめっき陽極板に対向し、前記コア基板に第2の電解めっき処理を行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成するように構成されていることを特徴とする印刷配線板のめっき装置。
  4. 貫通孔を有するコア基板に電気接続するとともに前記コア基板をめっき槽に満たされた、時間とともに消耗する平滑剤を含む電解めっき浴中に保持するめっき陰極治具を有し、前記めっき陰極治具を設置し電気接続するめっき陰極リードを有し、前記めっき陰極リードに電気接続した陰極を有する高電流密度めっき電源と低電流密度めっき電源を有し、前記めっき陰極治具で保持された前記コア基板の第1の面に対向するように配置した第1のめっき陽極板と前記コア基板の第2の面に対向するように配置された第2のめっき陽極板を有し、前記高電流密度めっき電源の陽極と前記低電流密度めっき電源の陽極を、前記第1のめっき陽極板あるいは前記第2のめっき陽極板へ切り替えて電気接続する電流切替スイッチを有し、前記高電流密度めっき電源の陽極電流を前記低電流密度めっき電源の陽極電流よりも大きくし、前記電流切替スイッチによる前記電気接続を一定時間毎に切り替える電極切替制御回路を有し、前記電流切替スイッチにより前記第1のめっき陽極板のめっき電流を前記第2のめっき陽極板のめっき電流よりも大きくし、前記コア基板に対して前記電解めっき浴を流動させることで前記コア基板の両面における前記平滑剤の消耗を補いつつ前記コア基板の貫通孔の片側の開口を金属めっきの閉塞栓で閉塞する第1の電解めっき処理を行うことで前記コア基板の前記貫通孔の前記第1の面側の開口部を電解めっきの層から成る閉塞栓で閉塞し、次に、前記電流切替スイッチにより前記第2のめっき陽極板のめっき電流を前記第1のめっき陽極板のめっき電流よりも大きくし前記コア基板に第2の電解めっき処理とを行うことで、前記貫通孔内の前記電解めっきの層から成る閉塞栓を前記第2の面側に成長させて前記貫通孔を充填する金属めっき柱を形成するように構成されていることを特徴とする印刷配線板のめっき装置。
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