JP5144497B2 - 局所脳血流診断用放射性医薬品製造用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、脳機能イメージング法を用いた脳血流診断のために利用されるテクネチウム標識放射性医薬品の製造用組成物に関する。
脳は、生命維持を司る重要な臓器であり、脳に恒常的に送られた正常な量の血液からの酸素を取り込むことで活動する。ところが、脳血管に何らかの異常が生じることにより脳への血流量が低下又は途絶すると脳の働きが低下するだけでなく脳細胞が壊死することになる。そこで、脳の血流を診断する方法が考案されている。
脳血流イメージング剤として、従来、ジアミンジチオール(以下DADTとする)化合物が放射性テクネチウムと容易にキレートを形成することが知られており、その構造より脳イメージング剤として期待されてきた。しかしながら、脳への取り込みの高い化合物は、脳からの洗い出しも速いため、イメージング剤として利用できないという問題があった。
これに対し、米国デュポン社では、脳実質への保持機構としてエステル基に着目し、エステル基を導入したDADT化合物の検索を進めた。サルを用いたイメージングを指標として、種々のエステル基導入DADT化合物を検索した結果、脳血流イメージングに最適な化合物として脳内への取り込みが高く、脳内での保持時間が長い[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル(以下99mTc−ECDとする)をはじめとする種々の化合物がCheesmanらによって見出された(特許文献1)。エステル基導入DADT化合物は血液−脳関門を透過して脳実質に取り込まれた後、脳内で酵素的分解を受け、極性化合物に代謝されるため血液−脳関門透過性を失い、脳実質に保持されると考えられている。
脳ホモジネートを用いた種々の実験では、99mTc−ECDのエステル基が脳組織中で加水分解を受け、血液−脳関門透過性のない極性化合物に迅速に代謝され、脳血流に比例して脳実質へ集積し、細胞内に長く保持されることがWalovitchらにより確認されている。また、99mTc−ECDのエステル基は血球成分、軟部組織との親和性が低く、脳以外の臓器、血液からのクリアランスが早いため、バックグラウンドの低い画像が得られる。従って、99mTc−ECDは脳血流診断用放射性医薬品として有用であり、広く用いられている。
現在市販されている99mTc−ECD含有医薬品は、バイアルA及びバイアルBの2バイアルからなる用時調製用注射剤である。バイアルAは、N,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル(以下ECDとする)・二塩酸塩、塩化第一スズ、エデト酸ナトリウム、D−マンニトールを含む組成物Aの溶液を凍結乾燥したものであり、バイアルBは、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムからなる組成物Bの溶液である。99mTc−ECDの調製は、バイアルBに3mL以下の99mTc過テクネチウム酸ナトリウムを加え、3mLの溶液としたバイアルAから1mLをバイアルBに加え、十分に攪拌後、室温で30分静置することにより行う。
特公平7−64802号公報
しかしながら、かかる従来の市販品は、調製操作を行う術者(一般的には医師または放射線技師)に反応時間の測定等で必要以上に手間をかけるだけでなく、緊急検査を行う場合には、用時調製用注射剤の使用が限定的となる問題があった。このことから、医療現場では一刻を争う緊急検査に対応するためにも、99mTc−ECDの調製時間を大幅に短縮することができる医薬組成物が強く望まれていた。
本発明は、ECDを99mTcで効率良く短時間で標識するための医薬組成物を提供することを目的とする。
そこで本発明者は、ECDの99mTc標識反応の短縮を図るべく種々検討した結果、ECDと還元剤に加えて、酸性物質又はその塩を存在させて99mTc標識反応を行えば、反応時間が大幅に短縮され、緊急検査にも対応可能な局所脳血流診断用放射性医薬品が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、N,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル又はその塩、還元剤及び酸性物質又はその塩を含有することを特徴とする、[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc)ジエチルエステル製造用組成物を提供するものである。
また、本発明は、還元剤及び酸性物質又はその塩の存在下、N,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル又はその塩に99mTc過テクネチウム酸又はその塩を反応させることを特徴とする[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc)ジエチルエステルの製造法を提供するものである。
さらに、本発明は、上記製造法によって得られる[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc)ジエチルエステル含有注射液を提供するものである。
本発明の99mTc−ECD製造用組成物を用いれば、極めて短時間に、不純物が極めて少ない高純度な99mTc−ECDを製造することができる。
また、本発明により、脳血管障害や脳機能障害等の脳血流イメージング法を用いた緊急検査が可能となる。
バイアルBの内容物である組成物Bをアスコルビン酸溶液に変更した場合の標識後経過時間と99mTc−ECDの放射化学的純度との関係を示した図である。 バイアルBの内容物をアスコルビン酸溶液に変更し、標識後0.5,1,5分とした場合のアスコルビン酸溶液の濃度と99mTc−ECDの放射化学的純度との関係を示した図である。
本発明の99mTc−ECD製造法は、還元剤及び酸性物質又はその塩の存在下、ECD又はその塩に99mTc過テクネチウム酸又はその塩を反応させることにより行われる。ここで、ECDの塩としては、ECDの酸付加塩、例えばECD塩酸塩、ECD硫酸塩、ECD硝酸塩等が挙げられるが、ECD塩酸塩、特にECD二塩酸塩が好ましい。
還元剤としては、アルカリ金属亜ニチオン酸塩、第一スズ塩、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられるが、第一スズ塩が好ましく、さらに硝酸第一スズ、酒石酸第一スズ、塩化第一スズが好ましく、特に塩化第一スズが好ましい。
還元剤の使用量は、99mTc過テクネチウム酸又はその塩の使用量にもよるが、ECD又はその塩0.3mgに対して0.01〜0.10mg、さらに0.01〜0.05mg、特に0.024mgが好ましい。
本発明は、酸性物質又はその塩を使用する点に特徴がある。酸性物質又はその塩が、99mTc標識反応を大幅に短縮する理由は明らかではないが、前記還元剤による標識剤の還元反応を促進するものと考えられる。かかる酸性物質又はその塩としては、アスコルビン酸又はその塩、クエン酸又はその塩、亜硫酸又はその塩、ゲンチジン酸又はその塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。これらの酸性物質の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。これらのうち、アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、クエン酸又はそのナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、ゲンチジン酸又はそのナトリウム塩、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
これらの酸性物質又はその塩の使用量は、ECD又はその塩0.3mgに対して、1〜600mg、特に5〜150mgが好ましい。このうち、アスコルビン酸又はその塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して10〜600mg、特に50〜200mgが好ましい。クエン酸又はその塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して1〜100mg、特に10〜100mgが好ましい。亜硫酸又はその塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して、1〜100mg、特に20〜50mgが好ましい。ゲンチジン酸又はその塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して、1〜20mg、特に7.5mgが好ましい。チオ硫酸塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して1〜100mg、特に5〜20mgが好ましい。ピロ亜硫酸塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して1〜100mg、特に5〜20mgが好ましい。亜硫酸水素塩は、ECD又はその塩0.3mgに対して1〜100mg、特に10〜50mgが好ましい。なお、チオ硫酸塩を用いる場合は、ベンジルアルコールを併用するのが好ましい。
標識化剤である99mTc過テクネチウム酸又はその塩としては、99mTc過テクネチウム酸ナトリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。標識化剤の使用量は、ECD又はその塩0.3mgに対して、標識時37〜7400MBq、特に600MBqが好ましい。この標識化剤は、常法、例えば過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータにより反応前に調製するのが好ましい。
反応は、pH6〜9の溶液中で行うのが好ましく、特にpH6〜9の緩衝液中で行うのが反応効率、反応後注射液として使用する点、標識純度の点で好ましい。pH6〜9の緩衝液は、pHを6〜9にできる緩衝剤を含有する水溶液中であればよく、例えばリン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤等が挙げられる。このうち、反応効率及び注射液として使用する点から、pH6〜8の緩衝剤、特にリン酸緩衝剤がさらに好ましく、リン酸二水素ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウムの混合物が特に好ましい。
反応液中には、さらに、エデト酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、シクロヘキサンジアミン四酢酸等のキレート剤;D−マンニトール、乳糖、ブドウ糖等の安定化剤;ベンジルアルコール等の保存剤、塩化ナトリウムの等張化剤等が存在していてもよい。
反応は、ECD又はその塩の濃度として、0.03〜0.3mg/mL、特に0.06〜0.1mg/mLの条件で行うのが好ましい。ECD又はその塩以外の成分は、この濃度に従い、前記の量を添加して反応させるのが好ましい。また反応は、4〜70℃、特に10〜30℃の条件で行うのが好ましい。反応に要する時間は、5分以内、好ましくは1分以内で十分であり、従来法に比べて大幅に短縮される。
かかる反応により、99mTc−ECD含有注射液が、極めて短時間で、かつ簡便に製造できる。
前記のように、標識化剤の製造は通常、反応前に行われる。従って、本発明においては、ECD又はその塩、還元剤及び酸性物質又はその塩を含有する組成物を99mTc−ECD製造用組成物として予め調製しておくのが好ましい。また、液性をpH6〜9にするための緩衝剤も予めこの組成物に含有させておくこともできる。
ここで、緩衝剤を用いる場合には、少なくともECD又はその塩と緩衝剤とは、接触させておくと反応してしまうので、それぞれ別容器に収納されているか、互いに接触しない状態で一の容器に収納されているのが好ましい。
ECD又はその塩と緩衝剤とを別の容器に収納させれば、他の成分はいずれの容器に収納してもよい。従って、本発明の99mTc−ECD製造用組成物の形態としては次の形態が挙げられる。(1)ECD又はその塩を含有する組成物Aと、還元剤、酸性物質又はその塩及び緩衝剤を含有する組成物Bの組み合せ;(2)ECD又はその塩及び還元剤を含有する組成物Aと;酸性物質又はその塩及び緩衝剤を含有する組成物Bの組み合せ;(3)ECD又はその塩、還元剤、及び酸性物質又はその塩を含有する組成物Aと、緩衝剤を含有する組成物Bとの組み合せが挙げられる。これらのうち、緩衝剤を含む場合には上記(2)が特に好ましい。これらの組成物中には、エデト酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、シクロヘキサンジアミン四酢酸等のキレート剤;D−マンニトール、乳糖、ブドウ糖等の安定化剤;ベンジルアルコール等の保存剤、塩化ナトリウム塩の等張化剤等を配合することができる。また緩衝剤を含有しない場合には、前記(1)、(2)及び(3)から緩衝剤を除いた形態が好ましい。
これらの組成物を用いて99mTc−ECD注射液を製造するには、ECD又はその塩を含有する組成物を生理食塩液等で溶解し、次いで標識化剤を添加し、他の成分を添加すればよい。得られた99mTc−ECD含有液は、そのまま局所脳血流診断用放射性医薬品として用いることができる。
本発明によれば、標識反応が5分以内、さらには1分以内で95%以上の放射化学的純度の99mTc−ECDを得ることができる。また、反応効率が高いので、従来品よりも前記組成物Aの容量を1/2〜1/10に減量することもできる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
参考例1
既存の99mTc−ECDの調製は、ニューロライトTM第一(第一ラジオアイソトープ研究所)を用いて行った。ニューロライトTM第一は、バイアルA及びバイアルBの2つのバイアルからなる用時調製用注射剤である。バイアルAは、ECD・二塩酸塩、塩化第一スズ、エデト酸ナトリウム、D−マンニトールを含む組成物を凍結乾燥したものであり、バイアルBは、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムからなる溶液である。そして、標識の用法は次に示すように行った。ウルトラテクネカウTM(第一ラジオアイソトープ研究所)を用いて400〜800MBqの放射能を有する3mL以下の過テクネチウム酸塩溶液(99mTc)をバイアルBに加える。次に、生理食塩液3mLをバイアルAに加えて振り混ぜ、内容物を溶解させ、バイアルAの溶液1mLを直ちにバイアルBに加え混合し、室温で静置する。
参考例2
99mTc−ECDの分析方法
99mTc−ECDの放射化学的純度の分析は、薄層クロマトグラフ法にて行った。薄層板(Whatman社)、展開溶媒(アセトニトリル:酢酸アンモニウム=60:40の混合溶液)を用いたとき、参考例1の方法で調製した99mTc−ECDは、Rf値が0.30〜0.55に展開された。また、99mTc−ECDに含まれる非結合の99mTc過テクネチウム酸ナトリウム溶液はRfが0.8〜1.0に展開された。以上のことから、99mTc−ECDの放射化学的純度は、次の式で計算できる。
99mTc−ECDの放射化学的純度(%)=(A/A)×100
:Rfが0.30〜0.55のピークの放射能
:薄層板上の総放射能
実施例1
アスコルビン酸溶液の評価1
既存のニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物をpH8.0に調製したアスコルビン酸溶液1mLに変更した後、参考例1に従い99mTc−ECDを調製した。標識後経過時間と放射化学的純度を参考例2に示した方法により確認し、従来法の場合との比較を行った。このときのアスコルビン酸溶液の濃度は100mg/mLとし、この実施における放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。99mTc−ECDの調製において既存法とバイアルBの内容物をスコルビン酸溶液に変更したアスコルビン酸法の場合の標識経過時間と放射化学的純度の比較を図1に示す。
図1の結果より、従来法に比べて、バイアルBをアスコルビン酸溶液に変更すると、標識開始直後より高い放射化学的純度が得られることが解る。
実施例2
アスコルビン酸法の評価2
実施例1で行ったアスコルビン酸溶液の標識反応促進効果について、アスコルビン酸溶液のpHと濃度の変化が、標識経過時間と放射化学的純度に及ぼす影響について検討した。
アスコルビン酸溶液のpHを6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、アスコルビン酸溶液の濃度(mg/mL)は、100、150の2通りとし、pHと濃度の組み合わせについて、標識後0.5分、1分、3分、5分、30分経過後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。この実施における標識時の放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。
結果を表1に記す。アスコルビン酸溶液は広いpHの範囲において標識に要する時間の短縮効果が認められる。
Figure 0005144497
実施例3
アスコルビン酸法の評価3
参考例1のニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物に、アスコルビン酸溶液を添加した場合の標識経過時間と放射化学的純度について検討した。
ニューロライトTM第一のバイアルBにpHを6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0に調製したアスコルビン酸溶液1mLを添加した。
アスコルビン酸溶液の濃度(mg/mL)は、50、100、150の3通りとし、pHと濃度の組み合わせについて、標識後0.5分、1分、3分、30分経過後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。
この実施における標識時の放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。
結果を表2に記す。アスコルビン酸溶液は広いpHの範囲において標識に要する時間の短縮効果が認められる。
Figure 0005144497
実施例4
アスコルビン酸法の評価4
実施例1で行ったアスコルビン酸溶液の反応促進効果について、アスコルビン酸溶液の濃度変化による標識経過時間と放射化学的純度について検討した。
ニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物を濃度(mg/mL)50、100、150、200、400、600としたアスコルビン酸溶液(pH8.0)1mLに変更する。この実施における標識時の放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。標識後0.5分、1分、5分、経過後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。
この結果を図2に示す。いずれの場合も標識後より90%以上の高い純度であることが解る。
実施例5
チオ硫酸ナトリウムを用いたときの評価
参考例1のニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物に、チオ硫酸ナトリウム及びベンジルアルコールを添加した場合の標識経過時間と放射化学的純度について検討した。
既存ニューロライトTM第一のバイアルBの内容物(Eq)を1/10、1/4、1/2、1の4通りに変化させ、チオ硫酸ナトリウム10mg及びベンジルアルコール27.0μLを添加し、水を加えて1mLとした溶液を用いて、常法により99mTc−ECDを調製したときの標識後経過時間と放射化学的純度との関係を検討した。それぞれの場合について、標識後0.5分、1分、5分、30分経過後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。この実施における標識時の放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。その結果を表3に示す。
この結果から、チオ硫酸ナトリウム及びベンジルアルコールの添加により標識開始直後より高い放射化学的純度が得られ、標識時間短縮効果の大きいことが解る。
Figure 0005144497
実施例6
亜硫酸塩の評価
参考例1のニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物に、亜硫酸塩である亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムの溶解液1mLを添加した後、常法により99mTc―ECDを調製したときの標識後経過時間と放射化学的純度との関係を分析した。亜硫酸ナトリウムの添加量(mg/mL)は、40、50、亜硫酸水素ナトリウムの添加量(mg/mL)は、20、30、40、50、ピロ亜流酸ナトリウムの添加量(mg/mL)は、10、20とした。それぞれの場合について、標識後5分、30分経過後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。この実施における標識時の放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。
結果を表4に示す。この結果から、亜硫酸塩の添加により標識開始後から高い放射化学的純度が得られ、標識時間短縮効果の大きいことが解る。
Figure 0005144497
実施例7
クエン酸塩の評価
参考例1のニューロライトTM第一の調製用組成物であるバイアルBの内容物に、クエン酸、クエン酸ナトリウムの溶解液1mLを添加した後、常法により99mTc−ECDを調製したときの標識後経過時間と放射化学的純度との関係を分析した。クエン酸の添加量(mg/mL)は、20、50、100とし、クエン酸ナトリウムの添加量(mg/mL)は、10、50、100とした。それぞれの場合について、標識後の放射化学的純度を参考例2に示した方法により調べた。この実施における放射能及び液量は、それぞれ600MBq、4mLとした。
結果を表5に示す。この結果から、クエン酸又はその塩の添加により標識開始後から高い放射化学的純度が得られ、標識時間短縮効果の大きいことが解る。
Figure 0005144497

Claims (6)

  1. N,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル又はその塩、還元剤、並びにアスコルビン酸又はその塩、亜硫酸又はその塩、ゲンチジン酸又はその塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩から選ばれる1種又は2種以上の酸性物質又はその塩を含有することを特徴とする、[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc)ジエチルエステル製造用組成物。
  2. 還元剤が、アルカリ金属亜ニチオン酸塩、第一スズ塩又は水素化ホウ素ナトリウムである請求項1記載の組成物。
  3. さらに、液性をpH6〜9にするための緩衝剤を含有する請求項1又は2記載の組成物。
  4. 少なくともN,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル又はその塩と、前記緩衝剤とが別容器に収納されているか、互いに接触しない状態で一の容器に収納されているものである請求項記載の組成物。
  5. 還元剤、並びにアスコルビン酸又はその塩、亜硫酸又はその塩、ゲンチジン酸又はその塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩から選ばれる1種又は2種以上の酸性物質又はその塩の存在下、N,N’−(1,2−エチレン)ビス−L−システインジエチルエステル又はその塩に99mTc過テクネチウム酸又はその塩を反応させることを特徴とする[N,N’−エチレンジ−L−システイネート(3−)]オキソテクネチウム(99mTc)ジエチルエステルの製造法。
  6. 反応をpH6〜9の緩衝液中で行う請求項記載の製造法。
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