JP2564459B2 - 放射性医薬品調製用キャリヤー - Google Patents

放射性医薬品調製用キャリヤー

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JP2564459B2 JP5087190A JP8719093A JP2564459B2 JP 2564459 B2 JP2564459 B2 JP 2564459B2 JP 5087190 A JP5087190 A JP 5087190A JP 8719093 A JP8719093 A JP 8719093A JP 2564459 B2 JP2564459 B2 JP 2564459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射性医薬品調製用キャ
リヤーに関する。
【0002】
【従来の技術】アシアロ糖蛋白質受容体は、動物レクチ
ンと呼ばれる分子識別能を有する蛋白質の一種であり、
動物細胞、特に肝細胞に広く見出だされている。人肝細
胞から単離されているアシアロ糖蛋白質受容体は分子量
約4万の単一なポリペプチドから構成されており、糖鎖
非還元末端にガラクトース残基を持つ糖蛋白質(アシア
ロ糖蛋白質)を識別する受容体である。
【0003】アシアロ糖蛋白質受容体の生理学的な機能
については不明な点が多いが、肝細胞表面に存在する受
容体は肝血流中の糖蛋白質と結合して複合体を形成し、
細胞内に取り込まれた後、細胞内を輸送され、ライソゾ
ームで解離することから、糖蛋白質の代謝過程を担って
いると信じられている。このため慢性肝炎、肝硬変、原
発性肝ガン等の肝疾患では、アシアロ糖蛋白質の血中濃
度が上昇すると言う現象が見られ、薬物投与によって作
成した実験的肝障害モデルでは肝臓のアシアロ糖蛋白質
受容体の量が低下する事実が認められている。
【0004】このことはアシアロ糖蛋白質様物質、すな
わちアシアロ糖蛋白質受容体指向性化合物を用いて、肝
臓中のアシアロ糖蛋白質受容体の量及び質を評価するこ
とにより肝疾患を診断することが可能であることを意味
する。
【0005】上記のような診断方法においては、放射性
同位元素を用いる核医学的手法が適しているが、従来標
識に用いられたきた核種としては、ヨウ素元素の放射性
同位体であるI−131及びI−125、放射性金属元素
であるテクネチウム(Tc−99m)等が知られている。し
かしながら、I−131やI−125は、物理学的半減期
が長く(8日及び60日)、かつ生体内において酵素的に
脱ヨード化反応をうけ、目的臓器以外の組織に放射性被
曝を与えると共に、動態検査や定量的評価に誤差を与え
るため、適当な核種とは言えない。
【0006】テクネチウム−99mにはそのような欠点
が認められないが、分子内にテクネチウムとキレート結
合を形成しうる配位子を持ち、結合部位を有するアシア
ロ糖蛋白質受容体指向性化合物に限り有効である。
【0007】このような観点から、専ら、分子内のシス
テイン、リジン、グルタミン酸残基等を介してテクネチ
ウムと結合することができるガラクトース結合血清アル
ブミン(以下「NGA」(ネオガラクトアルブミン)と略
す。)が前記診断法に使用し得るアシアロ糖蛋白質受容体
指向性化合物として考えられており、現にこの点に関す
る発表も少なくない(Stadalnik等:J.Nucl.Med., 2
6,1233(1985);Tanaka等:Proceedings of XVI Int.
Congress of Radiology, Hawaii, U.S.A.,159頁
(1985); Vera等: Radiology, 151, 191(1984);Vera
等: J.Nucl.Med.,26, 1157(1985))。
【0008】なお、NGAは血清アルブミンとガラクト
ースから合成することが可能であり、血清アルブミンも
ガラクトースもその高純度品を容易に入手出来るので、
その使用は工業的見地からも好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したとおり、NG
Aはそれ自体テクネチウム−99mの如き放射性金属元
素に対し結合する能力を有するものであるが、種々の研
究を行って見ると、その結合能や結合安定性は必ずしも
充分に満足出来るものではないことが明らかになった。
例えば代表的な放射性金属元素であるテクネチウム−9
9mを標識する場合、標識化のため過テクネチウム塩と
還元剤としての第一スズ塩を組み合わせて使用するのが
普通であるが、得られた標識体のイン・ビトロ並びにイ
ン・ビボにおける安定性が充分でないため、不安定化に
伴ってコロイド様の二酸化テクネチウム(99mTcO2)を
含む不純物が生成する。この物質は肝臓の網内系に取り
込まれるため、その存在はアシアロ糖蛋白質受容体の様
相を評価し得なくする。安定性を向上させるためには還
元剤である第一スズ塩の使用量を増加させればよいが、
第一スズ塩はテクネチウム標識が可能な弱酸性以上のp
H領域においてコロイド化し、精確なイメージングを困
難にする。これを防ぐには、NGAを過剰に使用して、
遊離の第一スズ塩をこれに結合させればよいが、この結
果、放射性比濃度を上げることが困難となる。このこと
はNGAのような受容体指向性化合物の場合その使用量
に制限があることを考えると、好ましいものではない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等はNGAと放
射性金属元素の結合をイン・ビトロ及びイン・ビボにお
いて強固かつ安定化ならしめ、比較的少量の使用で充分
かつ精確な診断を可能ならしめる放射性医薬品を提供す
べく種々研究を重ねた結果、NGAに2官能性配位子化
合物を結合させた高分子化合物が放射性金属元素のキャ
リヤーとして上記目的に適合しており、かかるキャリヤ
ーに放射性金属元素を結合させて得られた放射性金属元
素結合高分子化合物は前記欠点が克服された放射性医薬
品として有用であることを見出だした。
【0011】本発明の要旨は、NGA(2)と2官能性配
位子化合物(1)を化学結合させた構造を有する高分子化
合物(A)から成る、放射性金属元素(3)をキレート結合
させて放射性医薬品として有用なキレート錯体化合物
(B)を調製するために使用する、放射性医薬品調製用キ
ャリヤーに存する。
【0012】上記高分子化合物(A)及びキレート錯体化
合物(B)は文献未載の新規物質であり、アシアロ糖蛋白
質受容体を含む臓器の描出、アシアロ糖蛋白質受容体の
量及び質に変化を来す疾患の検出、アシアロ糖蛋白質受
容体の動態検査等の核医学的用途に適した放射性医薬品
を提供することができる。また、アシアロ糖蛋白質受容
体は主として肝細胞に存在するものであるから、従来品
とは異なった診断能力を有する肝イメージング剤を提供
することが出来る。
【0013】上記2官能性配位子化合物(1)としては、
放射性金属元素(3)に対して強固なキレート結合を形成
し得る2官能性配位子を有し、かつ比較的緩和な条件下
でNGA(2)と化学結合を形成することができる反応性
基を有するものが使用される。その具体例としては、式
【化1】 で表されるジエチレントリアミン五酢酸サイクリック酸
無水物、式
【化2】 で表されるエチレンジアミン四酢酸サクシンイミドエス
テル、式
【化3】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素、C1〜C3アルキル
またはフェニルを示す。)で表される3−アミノメチレン
−2,4−ペンタンジオン−ビス(チオセミカルバゾン)
誘導体、式
【化4】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素またはC1〜C3アル
キル、nは0〜3の整数を示す。)で表される1−(p−ア
ミノアルキル)フェニルプロパン−1,2−ジオン−ビス
(チオセミカルバゾン)誘導体、デフェロキサミン、式
【化5】 (式中、R1〜R5は水素またはC1〜C3アルキルを示
す。)で表される2−プロピオンアルデヒド−ビス(チオ
セミカルバゾン)誘導体などが挙げられる。なお、その
もの自体は反応性NGAと結合することができる官能基
を有していなくとも、容易にアミノ基、カルボキシル
基、アルデヒド基、チオール基等の官能基を導入し得る
基または構造を有している場合は、放射性金属元素を捕
捉する性質を有する限り、2官能性配位子化合物(1)と
して使用することができる。
【0014】例えばジメルカプトアセチルエチレンジア
ミン(Fritzberg等:J.Nucl.Med., 23, 917(1982))及
びビスアミノエタンチオール(Fritzberg等: J.Nucl.
Med., 25, 916(1984))に代表されるN22リガンド、
サイクラン(Keiring等:J.Nucl.Med., 23, 917(198
2))に代表されるN4リガンド、N,N'−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)エチレンジアミン(Wagner Jr.等: Pro
ceedings of the International Symposium on Tech
netium in Chemistry and Nuclear Medicine,Padov
a, Italy, 161頁(1982))に代表されるN22リガンド
などが挙げられる。なお、NGA(2)に対しこれら2官
能性配位子化合物(1)を結合させて得られた結合体の生
体内挙動がNGA自体と実質的に異なるようでは本発明
の目的に使用することは出来ない。従って、2官能性配
位子化合物(1)はそのような結果を生じないようなも
の、換言すればNGA(2)と結合させて後でもNGA
(2)自体と実質的に同じ生体内挙動を示すものを選んで
使用することが必要である。
【0015】高分子化合物(A)を製造するには、2官能
性配位子化合物(1)とNGA(2)とを自体常套の手段で
反応させて直接結合させるか、もしくは適当な架橋剤を
介して結合させ、透析法、塩析法、ゲルろ過法、イオン
交換クロマトグラフ法、電気泳動法など自体常套の手段
により精製すればよい。NGA(2)1分子当たりに結合
させる2官能性配位子化合物(1)の分子数は、NGA
(2)が生理活性を失わない限りにおいて制限はないが、
通常、30分子またはそれ以下が望ましい。なお、2官
能性配位子化合物(1)とNGA(2)もしくはそれらの反
応性誘導体を、直接反応させることは必ずしも必要では
ない。結果として分子中に2官能性配位子化合物(1)の
本質的部分とNGA(2)の本質的部分が存在するように
高分子化合物(A)を構成せしめればよい。例えば2官能
性配位子化合物(1)とNGA(2)を直接反応させる代わ
りに、まず2官能性配位子化合物(1)と血清アルブミン
を反応させて両者の結合体を得、次に得られた結合体の
血清アルブミン部分にガラクトースを結合せしめ、結果
として2官能性配位子化合物(1)とNGA(2)が結合し
た形の結合体、すなわち高分子化合物(A)を得ることも
可能である。
【0016】次に2官能性配位子化合物(1)としてジエ
チレントリアミン五酢酸サイクリック酸無水物(以下「D
TPA酸無水物」と略す。)を使用する場合を例に挙げ、
これとNGA(2)との結合体(すなわち高分子化合物
(A))を製造する場合の好ましい手法を説明する。すな
わち、人血清アルブミン(以下「HSA」と略す。)(市販の
注射用人血清アルブミン製剤を使用)にリン酸緩衝液及
びDTPA酸無水物を加え、室温で数分間撹拌する。こ
れにホウ酸緩衝液を加え、pHを調整してHSA−DTP
A溶液を得る。 別にシアノメチルチオガラクトースにナトリウムメトキ
サイドのメタノール溶液を加え、室温で数10時間反応
させた後、メタノールを蒸発させて2−イミノメトキシ
−1−チオガラクトースを得る。これに上記HSA−D
TPA溶液を加え、室温に24時間放置する。酢酸を加
えて反応を停止し、pHを調整してNGA−DTPA溶液
を得る。
【0017】このようにして製造されたNGA−DTP
A(ジエチレントリアミン五酢酸結合ネオガラクトアル
ブミン)は次の化学構造を有するものと考えられる:
【化6】
【0018】高分子化合物(A)は放射性医薬品調製用
キャリヤーとして有用なものである。すなわち、高分子
化合物(A)は、NGA(2)とこれに対し化学結合した2
官能性配位子化合物(1)から成るものであり、この2官
能性配位子化合物(1)に存在する2官能性配位子により
放射性金属元素(3)を捕捉し、強固なキレート結合を形
成することができる。従って、NGA(2)は2官能性配
位子化合物(1)を介してこれまでよりも一層強固に放射
性金属元素(3)と結合することが出来、その結果、イン
・ビトロでもイン・ビボでも極めて安定な放射性医薬品
を提供する。なお、放射性医薬品調製用キャリヤーとし
ての高分子化合物(A)は溶液の形で保存されてもよい
が、通常は凍結乾燥法、低温減圧蒸留法などにより粉末
状態に変換して保存され、用に臨み無菌水、生理食塩
水、緩衝液などに溶解される。粉末状態または溶解後の
高分子化合物(A)には、必要に応じ医薬的に許容し得る
溶解補助剤(例えば有機溶媒)、pH調節剤(例えば酸、塩
基、緩衝剤)、安定剤(例えばアスコルビン酸)、保存剤
(例えば安息香酸ナトリウム)、等張剤(例えば塩化ナト
リウム)などや放射性金属元素(3)の原子価状態を調整
するための還元剤や酸化剤が配合されてもよい。
【0019】上記した放射性金属元素(3)としては、放
射能を有する金属元素であって、核医学的手法に適した
物理的特性、化学的特性を有し、しかも2官能性配位子
化合物(1)の配位子構造により容易に捕捉され得るもの
が使用される。その具体例としては、ガリウム−67、
ガリウム−68、タリウム−201、インジウム−11
1、テクネチウム−99m、亜鉛−62、銅−62等が
挙げられる。これらは通常、塩、特に水溶性塩の形で使
用され、水性媒体中において、高分子化合物(A)と接触
せしめてその標識化を行う。ただし、放射性金属元素
(3)が安定なキレート錯体を形成し得る原子価状態にあ
る場合には(例えばガリウム−67、インジウム−11
1)、反応系に他の試剤を存在せしめる必要はないが、
安定なキレート錯体を形成するために原子価状態を変化
させる必要がある場合には(例えばテクネチウム−99
m)、反応系に還元剤または酸化剤を存在せしめる必要が
ある。還元剤の例としては2価の第一スズ塩(例えばハ
ロゲン化スズ、硫酸スズ、硝酸スズ、酢酸スズ、クエン
酸スズ)が挙げられる。酸化剤の具体例としては、過酸
化水素などがある。
【0020】例えば放射性金属元素(3)としてテクネチ
ウム−99mを使用する場合、高分子化合物(A)を水性
媒体中還元剤としての第一スズの存在下、過テクネチウ
ム酸イオンの形でテクネチウム−99mで処理すること
によってテクネチウム−99m標識高分子化合物、すな
わちキレート錯体化合物(B)を調製することができる。
上記調製に際し、各試剤の混合順序について格別の制限
はないが、通常、水性媒体中で最初に第一スズ塩と過テ
ク,ネチウム酸イオンを混合することは避けた方が望ま
しい。
【0021】このようにして得られたキレート錯体化合
物(B)が放射性医薬品として有用であるためには、核医
学的適用目的に充分な放射能量と放射性濃度を有するこ
とが必要である。例えば放射性金属元素(3)としてテク
ネチウム−99mを使用した場合、投与時に約0.5〜
5.0ml当たり、0.1〜50mCiの放射能濃度を有する
ことが望ましい。また、このようなキレート錯体化合物
(B)は調製後直ちに投与されてもよいが、好ましくは調
製後適当時間保存に耐えうる程度の安定性を有すること
が望ましい。なおまた、キレート錯体化合物(B)には、
必要に応じpH調節剤(例えば酸、アルカリ、緩衝剤)、安
定剤(例えばアスコルビン酸)、等張化剤(例えば塩化ナ
トリウム)などが配合されてもよい。
【0022】
【作用】本発明の放射性金属元素キャリヤーは分子中に
放射性金属元素と強固なキレート結合を形成する2官能
性配位子を有するため、これを放射性金属元素と結合せ
しめることにより、イン・ビトロ及びイン・ビボのいず
れにおいても安定な放射性医薬品を提供することが出来
る。
【0023】また、前記放射性金属元素キャリヤーと放
射性金属元素との結合体は従来のNGA自体をキャリヤ
ーとして使用した放射性金属元素との結合体に比して組
織細胞からの消失に長時間を要するから、診断に必要な
データを確実かつ充分に得ることが可能である。
【0024】なおまた、肝イメージング剤としての観点
からすれば、テクネチウム−99mを強固かつ安定に結
合出来ることに加え、肝臓における放射能の集積継続時
間が適当に長く、スペクト・イメージ撮造が容易に実施
出来、放射能の体外への排せつが診断上の目的を損ねな
い範囲で早く、しかも低毒性、低抗原性等の利点を有す
る。
【0025】実施例 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。 実施例1 NGA−DTPA結合体を含む組成物の製造:HSA注
射液(20%)50mlをとり、0.1mlリン酸緩衝液(pH
8.0)117mlを加え、マグネチックスターラーで撹拌
しながらDTPA酸無水物521mgを加える。4℃で約
5分間反応させ、0.05mlの試料を採取した後、1N
水酸化ナトリウム10mlと0.6Mホウ酸緩衝液(pH8.
5)23mlを加え、pHを調整する。試料0.05mlについ
ては、これに0.1Mクエン酸緩衝液0.1mlを加えて混
合し、この液0.1mlをとり、予め1mM塩化インジウム
0.3ml、2mCi/ml塩化インジウム(111In)液0.4m
l、0.1Mクエン酸緩衝液0.6mlの入ったバイアルに
加え、30分間室温で放置する。更に1mMジエチレン
トリアミン五酢酸(DTPA)溶液0.3mlを加えた後、
下記条件の電気泳動法によりHSA−DTPA−111In
と遊離のDTPA−111Inを分離し、それぞれの放射能
を計測する。 支持体 : セルロースアセテート膜 泳動緩衝液: 0.06Mバルビタール緩衝液
(pH8.6) 泳動条件 : 1mA/cm 30分間 ここで得られた結果を次式で計算し、HSA1分子当た
りのDTPAの結合率(P)を算出した。
【数1】P=0.2055×A/W ここでWはバイアルに加えたHSAのmg量、AはHSA
−DTPA−111Inの割合(%)を示す。上記反応条件で
得られる結合率は約5であった。
【0026】これとは別にシアノメチル−チオガラクト
ース10gをナシ型フラスコにとり、乾燥メタノール2
50mlを加え、50℃で溶解する。これにナトリウムメ
トキサイド270mgを加え、室温で48時間反応させた
後、メタノールを減圧蒸発させ、これに先にpH調整した
HSA−DTPAを加え、4℃で一夜反応させてNGA
−DTPAを得る。このNGA−DTPAは次の条件の
高速液体クロマトグラフィー法により精製する。 カラム :東洋ソーダ製TSK-3000SWカラム(0.75×6
0cm) 溶出液 :0.1M塩化ナトリウム溶液 溶出速度:0.75ml/分 上記操作のうち、結合率の測定以外はすべて無菌的に行
うほか、使用する器具類はすべて180℃4時間の加熱
処理によるパイロジエンバーンするか、もしくは注射用
蒸留水で洗浄した後、オートクレーブで滅菌して用い
た。また緩衝液は注射用蒸留水を用いて調製し、メンブ
ランフィルターを用いたろ過滅菌法により滅菌して用い
た。カラムは次亜塩素酸ナトリウム溶液で洗浄した後、
0.1M塩化ナトリウム溶液で平衡化した。ここで得た
精製NGA−DTPAは0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.
0)で希釈し、1mg/mlの濃度とした後、メンブランフ
ィルターでろ過しながら1mlづつ無菌バイアルに分注
し、目的とする組成物を得た。
【0027】実施例2 NGA−DTPA−111In注射液の製造及び性質:実施
例1で得た組成物を含むバイアルに市販の塩化インジウ
ム(111In)注射液(2mCi/ml)1.0mlを加え、目的と
する注射液を得た。以上の操作は無菌的に行う。ここで
得られた注射液25μlをとり、下記条件の高速液体ク
ロマトグラフィー法で分析したところ、2量体の存在率
は1%、未反応のDTPAは検出限界以下であった。ま
た、主成分の保持時間は約25分であり、別に得た検量
線から計算するとその平均分子量は約75,000であった。 カラム :東洋ソーダ製TSK-3000SW(0.75×60cm) 溶出液 :0.1M塩化ナトリウム溶液 溶出速度:0.75ml/分 また、標識体380μgをSD系雌ラットの尾静脈より
投与し、投与後の経時的な体内分布挙動を観察した。結
果を第1図に示す。また、対照として123I標識NGAの
結果を第2図に示す。その比較から明らかなように、N
GA−123Iは肝臓のアシアロ糖蛋白質受容体を介して
取り込まれた後、肝臓内で脱ヨード化反応をうけ、ここ
で生成した遊離のヨードは胃に集積したり、速やかに尿
中に排せつされるが、NGA−DTPA−111Inは肝臓
より主として腸管内に排せつされ、アシアロ糖蛋白質受
容体を介しての代謝の様相を示している。
【0028】実施例3 NGA−DTPA−(Sn)結合体を含む組成物の製造:実
施例1で得たNGA−DTPAを生理食塩水で希釈し、
15mg/mlとする。次に塩化第一スズとアスコルビン酸
をそれぞれ0.4mM、1.5mMになるように加え、塩酸
液でpHを3〜5に調整する。pHを調整したNGA−DT
PA−(Sn)液はメンブランフィルターでろ過しながら
無菌バイアルに1mlづつ分注し、目的とする組成物を得
た。以上の操作はすべて無菌的に行った。
【0029】実施例4 NGA−DTPA−99mTc注射液の製造及び性質:実施
例3で得た組成物を含むバイアルに標識時50mCi/ml
の過テクネチウム酸ナトリウム注射液1mlを加え、NG
A−DTPA−99mTc注射液を得た。以上の操作は無菌
的に行う。ここで得られた標識体について、実施例2で
示した雌ラットにおける体内分布の挙動を調べた。結果
を第3図に示す。この結果から明らかなように、NGA
−DTPA−99mTcは速やかに肝臓に取り込まれた後、
主に腸管より排せつされ、体内での安定な挙動が示され
た。また、標識後1時間、4時間及び24時間後におけ
る標識率を測定するために実施例1で示した電気泳動法
により分析を行った。結果を第1表に示す。この結果か
らNGA−DTPA−99mTcはDTPAを介さないで直
接標識したNGA−99mTcに比べ、明らかに安定で標識
率のよい放射性医薬品であることがわかる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】NGA−DTPA−111Inの雌ラットにおける
体内分布挙動を示すグラフである。
【図2】NGA−123Iの雌ラットにおける体内分布挙
動を示すグラフである。
【図3】NGA−DTPA−99mTcの雌ラットにおける
体内分布挙動を示すグラフである。
【符号の説明】
LIV 肝臓 FEC 糞 LIT 大腸 URN 尿 SIT 小腸 BLD 血液 STM 胃

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネオガラクトアルブミンと2官能性配位
    子化合物を化学結合させた構造を有する高分子化合物か
    ら成る、放射性金属元素をキレート結合させて放射性医
    薬品として有用なキレート錯体化合物を調製するために
    使用する、放射性医薬品調製用キャリヤー。
JP5087190A 1986-12-30 1993-04-14 放射性医薬品調製用キャリヤー Expired - Fee Related JP2564459B2 (ja)

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