JPH0460974B2 - - Google Patents

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JPH0460974B2
JPH0460974B2 JP58068851A JP6885183A JPH0460974B2 JP H0460974 B2 JPH0460974 B2 JP H0460974B2 JP 58068851 A JP58068851 A JP 58068851A JP 6885183 A JP6885183 A JP 6885183A JP H0460974 B2 JPH0460974 B2 JP H0460974B2
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radioactive metal
technetium
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Yasushi Arano
Yasuhiro Makata
Akira Yokoyama
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Nihon Medi Physics Co Ltd
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Nihon Medi Physics Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、特定臓器の描出、特定疾患の検出お
よび生理活性化合物の動態検査などを目的とした
核医学的用途に有用な、新しい安定な放射性金属
標識つき放射性診断剤に関するものである。すな
わち、本発明は、化学式 (式中nは0〜4の整数、Rは水素もしくは炭素
数1〜3のアルキル基を表す)で示されるチオセ
ミカルバゾン誘導体(以下、GPTSと略称する)
を特定臓器および特定疾患部位への局在性を有す
る生理活性化合物と結合させて形成することから
なる化合物を含むことを特徴とする非放射性組成
物に関するものであり、また他の点からは、
GPTSを該生理活性化合物と結合させて形成する
ことからなる化合物を含むことを特徴とする非放
射性組成物を、放射性金属イオンを含有する溶液
と接触させて形成することからなる放射性金属標
識つきの安定な放射性診断剤に関するものであ
る。 特定臓器の描出、特定疾患の検出および動態検
査などを目的とした非侵襲的核医学診断のため
に、従来、ヨード−131で標識された生理活性化
合物が汎用されて来た。例えば、血液循環系の描
出および動態検査に用いられるヨード−131標識
人血清アルブミン、血栓の検出を目的としたヨー
ド−131標識フイブリノーゲンなどが挙げられる。
しかしながら、ヨード−131は、半減期が約8日
と長く、かつ、核医学診断に有用なガンマ線の他
に、ベータ線を放出するため、被験者に多量の放
射性被曝を与える欠点があることが指摘されてい
る。 核医学診断により適した物理的特性を有する放
射性金属を、他の方法により生理活性化合物に導
入し、有用な放射性診断剤を得ようとする試みが
続けられている。すなわち、キレート結合の形成
を期待して、生理活性化合物に直接、放射性金属
塩を作用させておこなう標識法である。例えば、
人血清アルブミンに適当な還元剤の存在下に、過
テクネチウム酸塩の形でテクネチウム−99mを含
む水溶液を作用させて、テクネチウム−99m標識
人血清アルブミンを得る方法、ブレオマイシン
に、塩化インジウムの形でインジウム−111を含
む水溶液を作用させて、インジウム−111標識ブ
レオマイシンを得る方法などがこれにあたる。し
かしながら、これら、標識されるべき生理活性化
合物のキレート形成性は、必ずしも大きくなく、
前記のテクネチウム−99m標識人血清アルブミ
ン、インジウム−111標識ブレオマイシンの場合
においても、体内投与後の安定性が低く、放射能
の体内挙動が、生理活性化合物の挙動と一致せ
ず、核医学診断を目的とする用途において、満足
すべきものでないことが指摘されてきた。 ここで言う生理活性化合物とは、特定臓器また
は特定疾患部位に特異な集積性を示し、または、
生体内における生理的な諸状態に対応した特異な
動態をとるような化合物を指すものであり、その
体内挙動を追跡することにより、各種の診断に有
用な情報を提供することが期待されるような化合
物である。このような生理活性化合物に、優れた
物理的特性を有する放射性金属を安定に、しか
も、該化合物の生理活性をそこなうことなく導入
することができれば、核医学診断において、極め
て有用な用途が期待され、核医学界においてその
ような放射性診断剤の出現が強く要望されている
ところである。 本発明者らは、前記の要望に応えて、各種の生
理活性化合物の、優れた物理的性質を持つ放射性
金属標識化合物であるような、かつ、安定であり
更には、より容易な手法によつて得られるよう
な、更には、該生理活性化合物の活性を保持した
標識化合物であるような放射性診断剤を提供すべ
く鋭意研究を進め、3−オキソブチラールビス
(N−メチルチオセミカルバゾン)カルボン酸を
二官能配位子化合物として導入した種々の生理活
性化合物が放射性診断剤を与える組成物として有
用であり、この組成物を放射性金属溶液と接触し
て得られる放射金属標識化合物が核医学的用途に
有用であることを見い出した(特開昭56−
34634)。 今回、本発明者らは以下の観点からさらに研究
を進めた。 1 二官能配位子化合物の導入される生理活性化
合物と二官能配位子化合物の配位部位との相互
作用を可能なかぎりおさえ、該生理活性化合物
の活性を保持する。 2 より簡便な方法により得られる二官能配位子
化合物の追求。 その結果、本発明者らは、本発明に係わる
GPTSを二官能配位子化合物として用いるとき、
非常に優れた非放射性組成物および放射性診断剤
を製造し得ることを発見した。すなわち、GPTS
をタンパクの化学修飾法として通常用いられる混
合酸無水物法、アジド法およびカルボジイミド法
でアミノ基を有する生理活性化合物と接触させる
という極めて穏和な方法によつて生理活性化合物
の変性および矢活をともなうことなく、GPTSの
未端カルボキシル基を介して生理活性化合物との
間に化学結合を形成せしめ、非常に強いキレート
形成能を持つた化合物を含む非放射性組成物を製
造しうることを見い出した。ついで、これらの非
放射性組成物に、放射性金属イオンを接触させる
という極めて簡便な方法によつて、放射性金属標
識つき生理活性化合物であるような放射性診断剤
を製造し得ることを見い出した。 なお、核医学診断において汎用される過テクネ
チウム塩酸の形で市販されているテクネチウム−
99mなどの放射性金属イオンのように、そのまま
の原子価状態では前記の非放射性組成物と強固に
結合しない場合、このような放射性金属イオン
を、強固な結合の形成に有利な低原子価状態に還
元するために、塩化第一スズ塩等の還元剤をその
ままの形で、又はイオン交換樹脂に吸着した形で
あらかじめ非放射性組成物中に含有させておけ
ば、前述と同様の簡便な方法により放射性金属標
識つき放射性診断剤を製造し得る。 本発明の方法により製造される非放射性組成物
および放射性診断剤は特定臓器の描出、特定疾患
の検出および動態検査を目的とした核医学的用途
に極めて有利な利点を有する。 まず、非放射性組成物の特長について述べると
以下のごとくである。 (a) 製造後、充分な期間、安定である。 (b) GPTSが未端カルボキシル基を有するため、
一般にタンパクの化学修飾に用いられる極めて
穏和な方法により製造しうるので、生理活性化
合物の失活、変性、分解など好ましくない副反
応をともなわない。 (c) 生理活性化合物の分子中に、アミノ基を有し
ていれば、容易に目的とする非放射性組成物を
製造し得る。 (d) アミノ基を有しない生理活性化合物の場合に
は、適当な方法によりアミノ基を導入した生理
活性化合物誘導体を前駆体として用意すること
により、同様に非放射性組成物を製造し得る。 (e) 放射性金属イオンを接触させるという操作だ
けで極めて簡便に放射性金属標識つき放射性診
断剤を調製することができる。 (f) 二官能配位子化合物の導入される生理活性化
合物と二官能配位子化合物の配位部位との相互
作用をおさえることができ、該生理活性化合物
の活性を保持し得る。 次ぎに、放射性金属標識つき放射性診断剤につ
いての特長をあげれば、以下のごとくである。 (a) 製造後、充分な期間、安定である。 (b) 放射性金属による標識はほぼ100%であり極
めて高い。 (c) 標識操作による、生理活性化合物の失活、変
性、分解などの好ましくない副反応はともなわ
ない。 (d) 半減期、放出ガンマ線エネルギーなどの物理
的特性の面で核医学診断に適した種々の放射性
金属のうちから、目的とする核医学的診断に最
も適した放射性金属を選ぶことができ、したが
つて、核医学診断における情報量、精度を向上
させ、かつ患者の被曝線量を軽減することがで
きる。 本発明にかかわる生理活性化合物について例示
すると、人血清アルブミン、ウロキナーゼ、フイ
ブリノーゲン、免疫抗体であるIgGのごときタン
パク、ブレオマイシン、カナマイシンのごとき抗
生物質、ホルモン類、糖類、脂肪酸およびそれら
の誘導体が挙げられる。しかし、これらに限ら
ず、特定臓器または特定疾患部位に特異な集積性
を示し、または、生体内における生理的な諸状態
に対応した動態をとり、その体内挙動を追跡する
ことにより、各種の診断に有用な情報を提供する
ことが期待されるような化合物であれば、本発明
にかかわる生理活性化合物として使用できる。 また、本発明にかかわる放射性金属について
は、核医学診断に適した物理的特性を有し、その
ままの形で、もしくは適当な還元剤の存在下に、
GPTSと安定なキレートを形成するような放射性
金属であればよく、例えば、ガリウム−67、ガリ
ウム−68、イジウム−111、タリウム−201、テク
ネチウム−99mなど、現在、核医学分野で汎用さ
れている放射性金属を挙げることができる。 本発明の実施について具体的に説明すると下記
のようになる。まず、本発明に使用するGPTSの
製造方法についてであるが、下記の反応式で示す
ように、p−アセチルフエニルカルボン酸誘導体
をセレン酸化することによつて得られたp−グリ
オキサルフエニルアルキルカルボン酸誘導体を単
離することなく、その誘導体にチオセミカルバジ
ドもしくはそのN−アルキル誘導体を酸性触媒下
で縮合させることにより、実質的に一段階の反応
で簡便に得ることができる。 (式中のnは0〜4の整数、Rは水素もしくは炭
素数1〜3のアルキル基を表す) アジド法による製造において用いられるアジド
化合物としては、ジフエニルリン酸アジドもしく
はヒドラジンのような一般にタンパク修飾剤とし
て用いられる化合物が適している。カルボジイミ
ド法による製造において使用される水溶性カルボ
ジイミドは、1−シクロヘキシル−3−(2−モ
ルホリニル−4−エチル)カルボジイミド
(CMC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド(EDC)のような、
一般に、タンパクの修飾剤として用いられるよう
なカルボジイミド化合物が用いられる。同様に混
合酸無水物法も該組成物の製造に際して有効に使
用し得る。 アジド法、カルボジイミド法および混合酸無水
物法のいずれの場合においても、反応の終了後の
精製には、該生理活性化合物の化学的、物理的性
質を勘案して選択されるカラムクロマトグラフ
法、ゲル濾過法、透析法などの通常の精製法が探
られる。 また、所望により、標識すべき放射性金属イオ
ンの原子価状態を調整するための還元剤を、あら
かじめ非放射性組成物に含有させておくことがで
きる。ここで言う還元剤としては、薬剤学上、容
認される還元剤が使用されるが、好ましくは第一
スズ塩が挙げられる。本発明実施において有用な
第一スズ塩は、二価のスズが形成する塩であつ
て、具体的に例えば、塩素イオン、フツ素イオン
などのハロゲン陰イオン、硫酸イオン、硝酸イオ
ンなどの複素無機酸残基イオン、酢酸イオン、ク
エン酸イオンなどの有機酸残基イオンと形成する
塩をいう。 このようにして得られる非放射性組成物は、そ
のまま溶液の形で放射性金属による標識化に供し
てもよく、また、凍結乾燥法または低温減圧蒸発
法などの方法により溶媒を除去した乾燥品の形に
した後、放射性金属による標識化に供してもよ
い。 製造にあたつて、例えば、PHを調整するための
酸、塩基または適当な緩衝液の添加、アスコルビ
ン酸の如き参加防止作用を有する化合物の安定化
剤としての添加、また塩化ナトリウムの如き等張
化剤、ベンジルアルコールのような保存剤を添加
することは、本非放射性組成物の目的とする用途
をなんら妨げるものではない。 次に放射性金属標識つき放射性診断剤について
であるが、非放射性組成物と接触させる放射性金
属イオンを含む水溶液への、PHを調整するための
酸、塩基または適当な緩衝液の添加、放射性金属
イオンの原子価状態を調整するための還元剤又は
酸化剤の添加、および安定化剤、等張化剤、保存
剤の添加は、本放射性金属標識つき放射性診断剤
の目的とする用途をなんら妨げるものではない。 非放射性組成物の量については、放射性金属と
のキレート形成性を考慮して決定すればよく、か
つ薬剤学上許容される範囲であることが望ましい
ことはいうまでもない。また、所望により加えら
れる第一スズ塩については、放射性金属イオンを
適当な原子価状態に還元するのに充分な量で、し
かも薬剤学上許容される範囲であればよい。 接触させる放射性金属の放射能は任意である
が、目的とする核医学診断を実施するに際して、
充分な情報が得られるような放射能であり、か
つ、被検者の放射線被曝を可能な限り低くするよ
うな放射能の範囲であることが望ましいのはいう
までもない。 投与方法については、一般に静脈内投与が行わ
れるが、標識されるべき生理活性化合物の投与後
その活性が発現されるに有利な投与方法であれば
よく、他の投与方法も実施し得る。 以下に実施例をあげながら、本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 p−グリオキサルフエニルプロピオン酸ビス
(N−メチルチオセミカルバゾン)を人血清ア
ルブミンに結合させて形成する化合物を含む非
放射性組成物の製造(1) 氷浴上、人血清アルブミン(凍結乾燥品)170
mgをPH9.5の0.01Mホウ酸緩衝液10mlに溶解する。
この溶液をA液とする。別に、氷浴上、p−グリ
オキサルフエニルプロピオン酸ビス(N−メチル
チオセミカルバゾン)19.0mgをジメチルホルムア
ミド0.5mlに溶解する。この溶液にトリエチルア
ミン7μl、ジフエニルリン酸アジド11.86μlを順次
加え、氷浴上、約1時間撹拌した。この溶液をB
液とする。氷浴上、A液にB液の全量を加え、約
1時間撹拌反応した。この反応混合物を通常の透
析チユーブに入れ、PH5.0、イオン強度0.025の酢
酸緩衝液に対して約24時間透析した後、遠心分離
により(10000rpm、30分間)固型成分を沈澱さ
せた。この遠心上清をDEAEセフアロースカラム
(5φ×30cmカラム)に添加し、PH5.0、イオン強度
0.025の酢酸緩衝液でカラムを洗浄した。この後、
PH4.65、イオン強度0.025の酢酸緩衝液をカラム
に流しその溶出液を、人血清アルブミンとして10
mg/mlになるように液量を調整し、1mlずつ内部
を窒素置換したバイアルに充填し、凍結乾燥して
目的とする非放射性組成物を得た。以上の操作は
すべて無菌的に行つた。 本実施例により得られた非放射性組成物は、白
色の綿状の結晶であり、水を加えて溶解すると
き、ごく薄い淡黄色の澄明な液を与える。 実施例 2 p−グリオキサルフエニルプロピオン酸ビス
(N−メチルチオセミカルバゾン)を人血清ア
ルブミンに結合させて形成する化合物を含む非
放射性組成物の製造(2) 実施例1の製造において、内部を窒素置換した
バイアル充填する直前に5.7μg/mlの濃度になる
ように塩化第一スズを加え、同様なバイアルに充
填し目的とする非放射性組成物を得た。以上の操
作はすべて無菌的に行つた。本実施例により得ら
れた非放射性組成物はごく薄い淡黄色の澄明な液
であつた。 実施例 3 p−グリオキサルフエニル吉草酸ビス(N−
メチルチオセミカルバゾン)を人血清アルブミ
ンに結合させて形成する化合物を含む非放射性
組成物の製造 氷浴上、人血清アルブミン(凍結乾燥品)170
mgを10mlの水に溶解し、0.1N水酸化ナトリウム
水溶液でPHを8.2に調節する。この液をA液とす
る。 別に、p−グリオキサルフエニル吉草酸ビス
(N−メチルチオセミカルバゾン)20.4mgを無水
ジメチルホルムアミド0.5mlに溶解する。この溶
液を−5℃〜−10℃に冷却し、塩化ぎ酸イソブチ
ル7.2μl、トリ−n−ブチルアミン13.1μlを順次加
え、30分間撹拌した。この溶液をB液とする。 氷浴上、A液にB液の全量を加え、約1時間撹
拌反応させた。この反応混合物を実施例1に示し
た方法により精製し、人血清アルブミンとして10
mg/mlになるように液量を調整し、さらに5.7μ
g/mlの濃度になるように塩化第一スズを加え、
バイアルに充填し、凍結乾燥を行い目的とする非
放射性組成物を得た。以上の操作はすべて無菌的
に行つた。 本実施例により得られた非放射性組成物は、水
を加えて溶解するとき、ごく薄い淡黄色の澄明な
液を与える。 実施例 4 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の製
造(1) 実施例1の方法によつて得た非放射性組成物を
PH3.4の酢酸緩衝液1mlに溶解し、これに塩化第
一スズとして7μgに相当する第一スズイオンを
吸着した陽イオン交換樹脂(3mg)を加え、つい
で過テクネチウム酸ナトリウムの形でテクネチウ
ム−99m1.0mCiを含む生理食塩水溶液1.0mlを加
え、15分間撹拌した。この溶液を室温で3時間以
上放置した後、孔径0.22μmのメンブレンフイル
ターを通すことにより、目的とするテクネチウム
−99m標識つき放射性診断剤を得た。 本実施例で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤は、ごく薄い淡黄色の澄明な液で
あり、PHは約3.4である。 実施例 5 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の製
造(2) 実施例2の方法によつて得た非放射性組成物に
過テクネチウム酸ナトリウムの形でテクネチウム
−99m、1.0mCiを含む生理食塩水溶液1.0mlを加
え、15分間撹拌することにより目的とするテクネ
チウム−99m標識つき放射性診断剤を得た。以上
の操作は無菌的に行つた。 本実施例で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤は、ごく薄い淡黄色の澄明な液で
あり、PHは約4.5である。 実施例 6 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の性
質 実施例4及び5の方法で製造されたテクネチウ
ム−99m標識つき放射性診断剤の標識率を調べる
ため、シリカゲルを保持層とし、n−ブタノー
ル:酢酸:水:4:1:1の混合溶媒を展開溶媒
とする薄層クロマトグラフイーを行い、ラジオク
ロマトスキヤナーで走査した。この時、放射能は
原点に単一なピークとして描出され、遊離の過テ
クネチウム酸イオンに相当する放射線ピーク
(Rf=0.8)など放射性侠雑物の存在を認めなかつ
た。次いで、ベロナール緩衝液(PH8.6、イオン
強度0.07)を展開液とし、セルロースアセテート
を泳動膜(膜巾2cm)とする電気泳動(500V、
15分間)を行つた後、ラジオクロマトスキヤナー
で走査した。放射能の位置は、原線から正側に
0.8cmの位置に単一ピークとして認め、かつ、こ
の放射能ピークの位置は、ポンソ−3Rによる人
血清アルブミンの発色バンドと一致した。 上記の結果から、本発明の方法で製造されたテ
クネチウム−99m標識つき放射性診断剤の標識率
は、ほぼ100%であり、かつ、その電荷状態につ
いても人血清アルブミンと差異を認めなかつた。 実施例 7 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の
動物体内分布 実施例4及び5の方法で製造されたテクネチウ
ム−99m標識つき放射性診断剤の各々0.05mlずつ
をとり、複数のDDY系雄マウスの尾静脈に投与
し、血中濃度および体内分布の経時変化を調べ
た。結果を表1及び表2に示した。また、実施例
4で得られた放射性診断剤に関する血中濃度と胃
中放射能濃度の経時変化を図1に、他法によつて
得られた結果と比較して示した。
【表】
【表】 本発明により得られたテクネチウム−99m標識
人血清アルブミンは、従来法で得られるテクネチ
ウム−99m標識人血清アルブミンに比して高い初
期血中濃度を示し、かつ長時間にわたつてこの血
中濃度が維持されることを確認した。また、ヨー
ド−131標識人血清アルブミンと同等の血中濃度
および長時間の血中保持率を示した。さらに、遊
離の過テクネチウム酸イオンあるいはヨードイオ
ンの出現を示す胃中放射能も他法と比べ低い値を
示し、本品の体内安定性が示された。 以上の結果より、本発明により得られたテクネ
チウム−99m標識人血清アルブミンの高い体内安
定性が証明されると共に、血液循環系の描出、動
態検査および定量的測定を目的とする核医学診断
の用途に極めて適したものであることが示され
た。 実施例 8 非放射性組成物の安定性(その1) 実施例1の方法で製造された非放射性組成物
を、冷蔵庫(4℃〜8℃)中で30日間保存した
後、実施例4の方法によりテクネチウム−99m標
識つき放射性診断剤とし、これについて、実施例
6の方法により薄層クロマトグラフイー及び電気
泳動を実施し、さらに実施例7の方法によりマウ
スにおける体内挙動を調べた。 いずれの場合も、製造直後の非放射性組成物を
用いて行つた実験の結果と同様の結果が得られ、
製造直後および30日間保存後の非放射性組成物の
間に差を認めなかつた。 実施例 9 非放射性組成物の安定性(その2) 実施例2の方法で製造された非放射性組成物
を、冷蔵庫(4℃〜8℃)中で30日間保存した
後、実施例5の方法によりテクネチウム−99m標
識つき放射性診断剤とし、これについて、実施例
6の方法により薄層クロマトグラフイーおよび電
気泳動を実施し、さらに実施例7の方法によりマ
ウスにおける体内挙動を調べた。 いずれの場合も、製造直後の非放射性組成物を
用いて行つた実験の結果と同様の結果が得られ、
製造直後及び30日間保存後の非放射性組成物の間
に差を認めなかつた。 実施例 10 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の安
定性 実施例5の方法で製造した、テクネチウム−
99m標識つき放射性診断剤を常温(24℃〜27℃)
で36時間保存した実施例6の方法により薄層クロ
マトグラフイーおよび電気泳動を実施し、さらに
実施例7の方法によりマウスにおける体内挙動を
調べた。 いずれの場合も、製造直後のテクネチウム−
99m標識つき放射性診断剤について得られた結果
と同様の結果が得られ、製造直後および36時間保
存後のテクネチウム−99m標識つき放射性診断剤
の間に差を認めなかつた。 実施例 11 非放射性組成物の毒性 実施例2に示した方法により得られた非放射性
組成物を、S.D.系ラツト各10匹の各群に対し、体
重100gあたり1mlを(予定している人体投与量
の400倍相当)、またICR系雌雄マウス各10匹の各
群に対し体重10gあたり0.5ml(予定している人
体投与量の2000倍)を、いずれも静脈内投与し
た。別に対照群として同数の各動物に対して、同
容量の生理食塩水を静脈内投与した。以上の各動
物を10日間飼育し、毎日体重変化を記録した。体
重変化において、非放射性組成物を投与した群と
対照群の間には有意の差は認められなかつた。10
日間の飼育観察の後、すべての動物を解剖し、各
臓器について異常の有無を観察したが異常を認め
た動物はいなかつた。すなわち、本発明の製剤は
予定している人体投与量の400ないし2000倍を2
種の実験動物に投与した場合においても全く異常
は認められなかつた。 実施例 12 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の毒
性 実施例5に示した方法により得られたテクネチ
ウム−99m標識つき放射性診断剤を、放射能を適
度に減衰させた後、実施例11と同様の方法により
試験を行うとき、テクネチウム−99m標識つき放
射性診断剤を投与した群と対照群の間には有意の
差は認められなかつた。10日間の飼育観察の後、
すべての動物を解剖し、各臓器について異常の有
無を観察したが異常を認めた動物はなかつた。す
なわち、本発明の製剤は予定している人体投与量
の300ないし1500倍を2種の実験動物に投与した
場合においても全く異常は認められなかつた。 以上の実施例を示して本発明を説明してきた
が、当業者は、これらの実施例が、本発明を例示
するために意図されたものであり、その範囲をな
んら制限するものではないことを理解すべきであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例6で得られたテクネチウム−
99m標識人血清アルブミン、テクネチウム−99m
で直接的に標識されたテクネチウム−99m標識人
血清アルブミン(市販の調製用キツトを使用)お
よびヨード−131で標識されたヨード−131標識人
血清アルブミン(市販品を使用)についてのマウ
スにおける血中濃度と胃中放射能の経時変化を示
すグラフである。 横軸:投与後の経過時間(分) 縦軸:投与放射能に対する単位重量当りの分布率
(%/g) ○:本発明の化合物を用いて得られたテクネチウ
ム−99m標識人血清アルブミンのマウス血中濃
度(%/g)。 △:テクネチウム−99mで直接的に標識されたテ
クネチウム−99m標識人血清アルブミン(市販
の調製用キツトを使用)のマウス血中濃度
(%/g)。 □:ヨード−131で標識されたヨード−131標識人
血清アルブミン(市販品を使用)のマウス血中
濃度(%/g)。 ●:本発明の化合物を用いて得られたテクネチウ
ム−99m標識人血清アルブミンのマウス胃中放
射能濃度(%/g)。 ▲:テクネチウム−99mで直接的に標識されたテ
クネチウム−99m標識人血清アルブミン(市販
の調製用キツトを使用)のマウス胃中放射能濃
度(%/g)。 ■:ヨード−131で標識されたヨード−131標識人
血清アルブミン(市販品を使用)のマウス胃中
放射能濃度(%/g)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 (式中、nは0〜4の整数、Rは水素原子または
    炭素数1〜3のアルキル基を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体にそのカル
    ボキシル基を介して生理活性化合物を化学結合さ
    せて形成された物質からなる放射性金属標識用担
    体。 2 生理活性化合物が蛋白、抗生物質、ホルモ
    ン、糖および脂肪酸ならびにそれらの誘導体から
    なる群より選択されたものである、特許請求の範
    囲第1項記載の放射性金属標識用担体。 3 式 (式中、nは0〜4の整数、Rは水素原子または
    炭素数1〜3のアルキル基を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体にそのカル
    ボキシル基を介して生理活性化合物を化学結合さ
    せて形成された物質からなる放射性金属標識用担
    体と、放射性金属を当該担体とキレート結合可能
    な原子価状態に還元することができる量の還元剤
    を含有してなる、放射性金属標識用担体組成物。 4 還元剤が第1スズ塩である、特許請求の範囲
    第3項記載の放射性金属標識用担体組成物。 5 式 (式中、nは0〜4の整数、Rは水素原子または
    炭素数1〜3のアルキル基を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体にそのカル
    ボキシル基を介して生理活性化合物を化学結合さ
    せて形成された物質からなる放射性金属標識用担
    体に、放射性金属を担持させてなる、放射性診断
    剤。 6 放射性金属がテクネチウムである、特許請求
    の範囲第5項記載の放射性診断剤。 7 テクネチウムが過テクネチウム酸イオンであ
    る、特許請求の範囲第6項記載の放射性診断剤。
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