JP5143983B2 - 排ガス処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガスの脱硫、脱硝処理を行う排ガス処理方法に関し、特に、排ガス中にアンモニアを添加し、炭素質吸着材を充填した移動層式反応塔を用いて脱硫、脱硝を行う排ガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種のボイラ排ガス、或は製鉄所の焼結炉排ガス等、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理方法として、活性炭等の炭素質吸着材を用いて脱硫及び脱硝処理を行う方法がある。
【0003】
この方法は、炭素質吸着材を充填した移動層式反応塔にアンモニアを添加した排ガスを導入し、移動層を流下する吸着材に対して前記アンモニアを添加した排ガスを直交流で通過させ、排ガスを吸着材に接触させるものである。これにより、硫黄酸化物を吸着材に吸着させて除去すると共に、炭素質吸着材の触媒機能によって窒素酸化物をアンモニアと反応させ、窒素と水に分解させて除去する。
【0004】
炭素質吸着材は、硫黄酸化物を吸着することにより、次第に触媒機能が低下していくので、反応塔の下部からこれを排出して再生塔へ送り、ここで高温加熱して再生処理を行い、吸着材から硫黄酸化物を放出させて再生させる。
【0005】
このとき、硫黄酸化物は高濃度で吸着材から放出されるので、この硫黄酸化物は硫酸等の副産物の原料とすることができる。
【0006】
再生した炭素質吸着材は、冷却した後再生塔から排出し、機械的磨耗等により粉化した微粉を除去した後、再び反応塔の上部に供給して循環使用する。しかし、炭素質吸着材は、機械的粉化及び化学的損耗により減量するので、新たな吸着材を補給する必要がある。
【0007】
上記排ガス処理方法の具体的な操作条件は、排ガス条件及び処理目標(脱硫率、脱硝率等)によって様々に変化する。
【0008】
例えば、排ガス中に含まれる硫黄酸化物の濃度が高く、かつ、高い脱硫率と脱硝率が求められるときは、2個の移動層反応塔を使用し、第1の反応塔で主として脱硫処理を行って排ガス中の硫黄酸化物の濃度を100ppm程度に減少させた後、その排ガスにアンモニアを添加して、第2の反応塔で主として脱硝処理を行う。
【0009】
一方、排ガス中に含まれる硫黄酸化物の濃度が低く(例えば、300ppm以下)、かつ、脱硝率を高くする必要がないときは、2個の反応塔を使用することは不経済となることから、これを解消することが要求される。
【0010】
このような処理方法の例として、特公平1―54089号、WO98/15340等に開示された方法がある。
【0011】
代表的な処理方法としては、排ガス流を複数の排ガス流に分割し、反応塔の上部にアンモニアを添加した排ガス流を供給し、反応塔の下部にアンモニアを添加していない排ガス流を供給する方法がある。
【0012】
本発明者らは、これらの技術を参考にして種々の条件において脱硫、脱硝のテストを行った結果、排ガスの温度が比較的低い(例えば100℃)場合には、使用する炭素質吸着材の粉化が著しく、この問題については別途解決する必要があることに気が付いた。
【0013】
炭素質吸着材が粉化する問題は、硫黄酸化物とアンモニアが反応することにより吸着材内部に硫安又は酸性硫安が生成し、これらが固体となって吸着材内部に機械的な応力を発生させ、これにより吸着材が破壊する現象である。上記排ガス処理方法においては、粉化した吸着材は処理系内から抜出して、その分新しい吸着材を系内に補給することになるので、運転コストが上昇する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記粉化の問題を解決するために、鋭意研究を進めた。まず最初に、以下の実験を行った。
【0015】
実験例1
炭素質吸着材を充填した固定層式反応塔を用いて、以下の条件で排ガス処理の実験を行った。
【0016】
排ガス条件は、
排ガス温度:120℃
SOX濃度:220ppm(dry base)
NOX濃度:250ppm(dry base)
酸素濃度:15.0容積%(dry base)
水分:10.0容積%(wet base)
である。
【0017】
処理条件は、
SV値:400h―1
通ガス時間:150h
NH3添加量:546ppm(dry base)相当分
である。
【0018】
固定層式反応塔に150時間継続して排ガスを流し、脱硫率及び脱硝率を測定した。その後、吸着材を500℃で加熱再生し、再度150時間排ガスを流した。
この結果、1回目及び2回目の通ガス時における脱硫率は90%以上であった。また、脱硝率は図1に示す通りであった。
【0019】
図1において、横軸は通ガス時間であり、縦軸は脱硝率の積分平均値を示す。脱硝率を積分平均値で示すことにより、移動層式反応塔を使用した場合の脱硝率を直ちに得ることができる。
【0020】
例えば、通ガス時間150時間に対応する脱硝率55%は、移動層式反応塔を同じSV値で使用した場合に、炭素質吸着材の滞留時間を150時間としたときの脱硝率が55%となることを意味する。
【0021】
上記の実験において、脱硫率及び脱硝率の結果は、ほぼ予想した値であった。
また、処理した排ガス中にはアンモニアが殆ど検出されず、リークアンモニアの問題も無いことを確認した。しかし、加熱再生した炭素質吸着材について調べた結果、著しい粉化を確認でき、これは解決すべき課題であることを確認した。
【0022】
実験例2
実験例1において、2回目の通ガスを行った後の吸着材を、同様にして加熱再生し、同じ排ガスを用いて、アンモニアの添加を行わずに通ガスを行ったときの、脱硫率及び脱硝率を測定した。この結果、通ガス時の脱硫率は90%以上であった。また、このときの脱硝率は図2に示す通りであった。
【0023】
このように、排ガス中にアンモニアの添加を行わなくても、ある程度は窒素酸化物の除去を行うことができる。これは、加熱再生を行う際に、吸着材にアンモニア又はアンモニウム塩が多く含まれると吸着材に脱硝能力を有する窒素官能基が結合するためと考えられる。
【0024】
この場合、アンモニアを添加しないので、当然のことであるが、処理された排ガス中にはアンモニアが殆ど検出されず、リークアンモニアの問題はない。また、アンモニアを添加していないので、これと反応して生じる硫安等の固体も生成しない。従って、炭素質吸着材の粉化の問題も全くない。
【0025】
例えば、排ガス温度が高い場合等のように、実験例1において粉化の問題がないならば、実験例1と実験例2とを組合せた処理方法を考えることができる。
【0026】
例えば、排ガス流を複数の排ガス流に分割し、反応塔の一部にアンモニアを添加した排ガス流を供給し、反応塔の他部にアンモニアを添加しない排ガス流を供給する方法が考えられる。
【0027】
しかし、排ガス温度を高くする方法や吸着材の滞留時間を短くする方法は、経済的ではない。また、排ガスに添加するアンモニア量を低減すると、粉化量は低減するが、同時に脱硝率の低下が著しくなる。結局、粉化を低減する効果的な方法は見当らなかった。
【0028】
そこで、本発明者らは、これに変わる方法として一定時間ごとに実験例1の操作と実験例2の操作を繰り返すことを試みた。即ち、排ガスに対するアンモニアの添加を連続して行うのではなく、断続的に行うことにした。
【0029】
この場合、炭素質吸着材の粉化に関しては、実験前には全く予想する材料を持っていなかったが、粉化を起こさない実験例2の効果を少しでも反映できることを期待していた。また、脱硝率に関しては実験例1と実験例2の中間の値となることを期待していた。
【0030】
実験例3
実験例1と同じ条件で、アンモニアの添加を30分間ごとに断続的に行った。即ち、30分間はアンモニアの添加を全く行わず、続く30分間はアンモニアの添加を行い、これを交互に繰り返した。但し、アンモニアの全添加量を実験例1と同量にするために、添加時には実験例1の2倍のアンモニア(1092ppm相当)を添加した。
【0031】
結果は、通ガス時における脱硫率は90%以上であった。また、脱硝率は図3に示すように図1に示す結果よりは多少劣るものの、ほぼ同等の、予想を上回る良好な結果が得られた。
【0032】
更に、処理された排ガス中にはアンモニアが殆ど検出されず、リークアンモニアの問題も無いことが確認された。
【0033】
そして、加熱再生された炭素質吸着材の粉化について調べた結果、実験例1の場合と比較して著しく軽減されていることが確認された。
【0034】
実験例4
実験例3と同じ条件で、添加するアンモニアの量を実験例3の半分として(添加時546ppm相当)処理を行った。
【0035】
この結果、実験例3とほぼ同様の結果が得られた。即ち、粉化が著しく軽減され、脱硝率についても図4に示す通り満足できるものであった。
【0036】
以上、実験例3及び4の結果から、排ガスに対するアンモニアの添加を断続的に行う場合には、炭素質吸着材の粉化が著しく抑制されることが確認された。
【0037】
そこで、様々な条件下における粉化量を細かく測定することにより、粉化抑制のメカニズムを解明し、実用化を図る研究を重ねた。
【0038】
実験例5
炭素質吸着材をロータップで篩い分けすることにより、粒径を3〜5.66mmとしたもの50ccをカラムに充填し、所定の時間通ガスを行った。
【0039】
処理後の吸着材を500℃で加熱再生し、これをロータップで篩い分けして粒径が2mm以下、及び1mm以下となった割合を粉化率として求めた。
【0040】
通ガス時の条件は以下の通りであった。
排ガス温度:120℃
SOX濃度:220ppm(dry base)
酸素濃度:15.0容量%(dry base)
水分:10.0容積%(wet base)
処理条件
SV値:3200h―1
通ガス時間:20h
NH3添加量:NH3/SOX比=0.5、1.0、1.5、2.0(モル基準)
図5に示すようにNH3/SOX比を高くするに従って、粉化率が大きくなることが確認された。
【0041】
実験例6
実験例5の条件で、まず最初にアンモニアの添加を行わずに24時間通ガスを行った。その後、実験例5と同じ条件でアンモニアの添加を行い、粉化率を求めた。
図6に示すようにNH3/SOX比を高くしても、粉化率はあまり増加せず、実験例5と比較して著しく良好であることが確認された。
【0042】
実験例5及び6の結果から、予め硫黄酸化物を吸収した炭素質吸着材は、粉化が著しく抑制されることが明らかになった。
【0043】
この理由は、次のように推測することができる。
【0044】
1)硫黄酸化物と水が、共に吸着材に吸着された場合、水は吸着材粒子の表面付近で液化する傾向がある。一方、硫黄酸化物は水に対する溶解度が低いので、吸着材粒子の表面付近に止まらず、粒子の中心部まで広がる内部細孔によって、粒子全体に吸着される。
【0045】
2)粒子内細孔において硫黄酸化物は酸化されて硫酸となる。生成した硫酸は吸水性が高いので、粒子表面に吸着された水分も粒子の内部細孔に浸透する。
【0046】
3)アンモニアと水が、共に吸着材に吸着された場合、水に対するアンモニアの溶解度は高いので、吸着材の表面付近でアンモニア水が生成し、アンモニアは内部細孔にまで達することはできない。
【0047】
4)硫黄酸化物とアンモニアが、水と共に吸着材に吸着された場合には、硫黄酸化物は吸着材の表面付近に生成したアンモニア水に溶解するので、内部細孔にまで達することはできない。この結果、吸着材の表面付近に集中して酸性硫安又は硫安が生成することになる。
【0048】
5)予め硫黄酸化物を吸収した炭素質吸着材に、硫黄酸化物とアンモニアが、水と共に吸着された場合には、吸着した水が内部細孔の硫酸によって吸引されるので、これに伴ってアンモニアも内部細孔にまで到達することになる。この結果、酸性硫安又は硫安は吸着材の内部細孔で平均的に生成することになり、吸着材の表面付近に集中して吸着材の粉化を起すことが抑制される。
【0049】
本発明は、上記の実験結果を総合して完成されたものであり、次の技術内容を含むものである。
【0050】
1)吸着材の加熱再生を行う際に、アンモニア又はアンモニウム塩を含ませることにより、吸着材に脱硝能力を有する窒素官能基を結合させること。
【0051】
2)窒素官能基の脱硝能力を利用して、排ガス中にアンモニアの添加を行わないで脱硝処理を行うこと。
【0052】
3)排ガス中にアンモニアの添加を行わない脱硝処理を行うことにより、炭素質吸着材に硫酸を生成させること。
【0053】
4)排ガス中にアンモニアを添加する脱硝処理を行うこと。この場合において、炭素質吸着材に生成した硫酸の作用により。吸着材の粉化を抑制すること。
【0054】
従って、本発明の目的とするところは、比較的低温の排ガス中の脱硫、脱硝を行うに際し、吸着材の粉化を防止した排ガス処理方法を提供することにある。
【0055】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は以下に記載するものである。
【0056】
〔1〕 硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加し、これを炭素質吸着材が充填された移動層式反応塔に導入して脱硫及び脱硝処理を行い、反応塔から排出される吸着材は加熱再生した後再び反応塔へ供給する排ガス処理方法において、アンモニアの添加を断続的に行うことを特徴とする排ガス処理方法。
【0057】
〔2〕 反応塔を複数個に分割すると共に、排ガス流を分割して夫々の反応塔に導入し、少なくとも1の排ガス流に対して、アンモニアの添加を断続的に行う〔1〕に記載の排ガス処理方法。
【0058】
〔3〕 移動層式反応塔に導入する排ガス温度が80〜140℃である〔1〕又は〔2〕に記載の排ガス処理方法。
【0059】
〔4〕 排ガスに添加するアンモニア添加量が、再生塔で再生処理される炭素質吸着材に含まれるアンモニアと硫酸(共に塩を含む)とのモル比(アンモニア/硫酸)で0.3〜1.5である〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載の排ガス処理方法。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する排ガス処理装置、及び排ガスの運転条件は、従来公知の炭素質吸着材、及びアンモニアを用いる排ガス処理装置及びその操作条件とほぼ同一であるが、アンモニアの添加が間欠的である点で相違する。
【0061】
本発明の処理対象である排ガスは特に制限がないが、硫黄酸化物濃度が50〜300ppmのものが好ましく、100〜250ppmがより好ましい。硫黄酸化物としては、SO2、SO3等のいわゆるSOxである。また、窒素酸化物としては、NO、NO2等のいわゆるNOxである。窒素酸化物濃度は50〜300ppmが好ましく、100〜250ppmがより好ましい。
【0062】
本発明の処理対象である排ガス温度は、特に制限がないが、炭素質吸着材の粉化を防止する本発明の目的の観点からは、80〜140℃が好ましく、特に90〜130℃が好ましい。
【0063】
本発明において、具体的な排ガスの処理方法としては、排ガス中へのアンモニアの添加を断続的に行うことが基本となる。即ち、アンモニアの添加と不添加を交互に行う。添加と不添加の切換え時間は、適宜定めることができる。
【0064】
アンモニア不添加による粉化抑制の効果は、短時間(例えば1分)でも発現する。逆に、長時間(例えば10時間以上)とした場合には、粉化抑制作用を阻害する問題は生じないが、添加と不添加との切換え時の脱硝率の変動が顕著となる可能性がある。操作条件によっても異なるが、操作性等の実用上からは添加時間は1分間〜10時間が好ましく、10分間〜2時間がより好ましい。また、不添加時間は1分間〜10時間が好ましく、10分間〜2時間がより好ましい。
【0065】
添加するアンモニアの量は、従来の連続して添加する場合と同様に考えることができる。即ち、再生塔で再生処理する炭素質吸着材に含まれるアンモニアと硫酸(共に塩を含む)とのモル比(アンモニア/硫酸)として、0.3〜1.5になるように添加することが好ましい。
【0066】
このモル比は、脱硝性能から言えば高い方が好ましく、再生塔におけるアンモニアの発生量を抑える必要がある場合は、低い方が好ましい。また、このモル比が低すぎる場合には、硫酸の還元反応で消費される炭素量が多くなり、吸着材の強度が低下することがあるので、0.3以上とすることが好ましい。
【0067】
本発明において使用する炭素質吸着材としては、活性炭又は活性コークス等が好ましい。
【0068】
再生塔の操作温度としては450〜550℃が好ましい。
【0069】
以下に本発明の実施例を詳しく説明する。
【0070】
【実施例】
実施例1
図7は、本発明の実施に用いる排ガス処理装置の一例を示す工程図である。
【0071】
移動層式反応塔10には炭素質吸着材が充填され、上から下方向に移動する移動層を形成している。反応塔10の下部から抜出された吸着材は、ライン60により再生塔20へ送られて加熱再生される。再生された吸着材は、ライン70により反応塔10の上部に戻される。
【0072】
一方、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガスは、ライン30より反応塔10へ供給される。反応塔10において、排ガスは吸着材の移動層を水平方向に通過した後、処理済ガスはライン40により排出される。排ガスライン30には、ライン50からアンモニアが添加される。
【0073】
本発明の特徴は、アンモニアの添加を連続的に行うのではなく、断続的に行うことである。即ち、アンモニアの添加と不添加を交互に行う。前述のように、添加と不添加の切換え時間、及びアンモニアの添加量については、装置の処理量、処理対象の状態、硫黄酸化物や窒素酸化物の除去レベル等に応じて適宜定める。
【0074】
なお、図においてライン80は、吸着材の再生によって発生する高濃度硫黄酸化物の排出ラインを示す。
【0075】
以下に、上記排ガス処理装置の操作条件及び得られた排ガス処理結果を記載する。
【0076】
(操作条件)
排ガス量: 1500Nm3/h
排ガス温度: 125℃
SOx濃度: 180ppm(dry base)
NOx濃度: 180ppm(dry base)
酸素濃度: 15容積%(dry base)
水分: 13容積%(wet base)
吸着材、粒径: 活性コークス、9mmφ
反応塔形式: 移動層式
反応塔SV値: 400h-1
吸着材滞留時間: 150時間
NH3添加時間: 30分間
NH3不添加時間: 30分間
NH3添加量: 470ppm(dry base)(添加時)
NH3/SOx比: 約1.0(反応塔出口)
再生塔加熱温度: 500℃
再生塔加熱時間: 3時間
(結果)
脱硫率: 99%以上
脱硝率: 40%以上
粉化率: 1〜1.5%(機械的に粉化したものを含む)
実施例2
図8は、本発明の実施に用いる排ガス処理装置の他の例を示す工程図である。
【0077】
移動層式反応塔は、第1の反応塔11と第2の反応塔12で構成されている。このように塔を別個に設けてもよいが、1個の反応塔を垂直方向に2つに区画し、第1の移動層と第2の移動層を構成してもよい。
【0078】
反応塔11及び12の吸着材は、ライン61及び62で抜出され、一括してライン60により再生塔20に送られて加熱再生される。
再生された吸着材は、ライン70により再生塔から抜出され、ライン71及び72によって反応塔11及び12の上部に戻される。
【0079】
従って、反応塔11及び12において吸着材は上から下に向って下降する移動層を形成する。
【0080】
一方、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガスは、ライン30から分割されたライン31及び32により反応塔11及び12へ供給される。
反応塔11及び12において、排ガスは吸着材の移動層を水平方向に通過した後、ライン41及び42により排出され、合流してライン40で排出される。
【0081】
排ガスライン31及び32には、ライン51及び52からアンモニアが添加される。
【0082】
本発明の特徴は、アンモニアの添加を連続的に行うのではなく、断続的に行うことである。即ち、アンモニアの添加と不添加を交互に行う。添加と不添加は各反応塔において別個に行ってもよいし、相互に関連して、例えば反応塔11が添加のときに反応塔12を不添加とし、反応塔11が不添加のときに反応塔12を添加とすることもできる。
【0083】
或は、一方の反応塔においてのみアンモニアの添加を断続的に行い、他方の反応塔においてはアンモニアを不添加としてもよい。
【0084】
前述のように、添加と不添加の切換え時間、及びアンモニアの添加量については、適宜定めることができる。
【0085】
本例では反応塔又は区画された移動層が2個の場合を示したが、3個以上とすることも可能である。また、アンモニアの添加は全ての排ガス供給ラインに行う必要はなく、不添加の排ガスラインを設けることもできる。
【0086】
実施例3
図9は、本発明の実施に使用する排ガス処理装置の更に他の例を示す工程図である。
【0087】
移動層式反応塔は、第1の反応塔11と第2の反応塔12を直列に連結して構成されている。このように塔を別個に設けてもよいが、1個の反応塔を上下2つに区画してもよい。
【0088】
反応塔11の下部から抜出された吸着材は、反応塔12の上部に供給される。
反応塔12の下部から抜出された吸着材はライン60により再生塔20へ送られて加熱再生される。
【0089】
再生された吸着材は、ライン70により反応塔11の上部に戻される。
従って、反応塔11及び12において吸着材は上から下に向って下降する移動層を形成する。
【0090】
一方、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含有する排ガスは、ライン30から分割されたライン31及び32により反応塔11及び12へ供給される。
【0091】
反応塔11及び12において、排ガスは吸着材の移動層を水平方向に通過した後、ライン41及び42により排出され、合流してライン49で排出される。
【0092】
排ガスライン31及び32には、ライン51及び52からアンモニアが添加される。
【0093】
本発明の特徴は、アンモニアの添加を連続的に行うのではなく、断続的に行うことである。即ち、アンモニアの添加と不添加を交互に行う。添加と不添加は各反応塔において別個に行ってもよいし、相互に関連して、例えば反応塔11が添加のときに反応塔12を不添加とし、反応塔11が不添加のときに反応塔12を添加とすることもできる。
【0094】
前述のように、添加と不添加の切換え時間、及びアンモニアの添加量については、適宜定めることができる。
【0095】
本例では反応塔又は区画された移動層が2個の場合を示したが、3個以上とすることもできる。
【0096】
また、アンモニアの添加は全ての排ガス供給ラインに行う必要はなく、不添加の排ガスラインを設けることもできる。
【0097】
更に、上方の移動層において、一旦断続的なアンモニアの添加又は不添加の処理を受けた場合には、それよりも下方の移動層において、連続的なアンモニアの添加を行うこともできる。
【0098】
これは、移動層を下降する炭素質吸着材が、断続的なアンモニアの添加を受ける前にアンモニアの不添加の過程を経ているために、粉化抑制の作用を受けていることになるためである。
【0099】
【発明の効果】
本発明においては、硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加し、これを炭素質吸着材で脱硫及び脱硝処理を行う排ガス処理方法において、アンモニアの添加を断続的に行う様にしたので、炭素質吸着剤の粉化が低減できる。このため、本発明方法によれば、補充する炭素質吸着剤量が減り、運転コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニアを連続的に添加して排ガス処理を行った場合の、積分平均脱硝率と通ガス時間の関係を示すグラフである。
【図2】アンモニアを添加して排ガス処理を行った後、アンモニアを添加することなく排ガス処理を行った場合の積分平均脱硝率と通ガス時間の関係を示すグラフである。
【図3】30分毎に断続的にアンモニアを添加して排ガス処理を行った場合の積分平均脱硝率と通ガス時間の関係を示すグラフである。
【図4】アンモニアを添加を図3の場合の1/2にしたときの積分平均脱硝率と通ガス時間の関係を示すグラフである。
【図5】アンモニアを連続的に添加して排ガス処理を行った場合の、NH3とSO2との割合と粉化率との関係を示すグラフである。
【図6】最初にアンモニアを添加することなく排ガス処理をした後、アンモニアを添加して排ガス処理を行った場合の、NH3とSO2との割合と粉化率との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施に用いる排ガス処理装置の一例を示す工程図である。
【図8】本発明の実施に用いる排ガス処理装置の他の例を示す工程図である。
【図9】本発明の実施に用いる排ガス処理装置の更に他の例を示す工程図である。
【符号の説明】
10 移動層式反応塔
11 第1の反応塔
12 第2の反応塔
20 再生塔
30、31、32、40、41、42、50、51、52、60、61、62、70、71、72、80 ライン

Claims (4)

  1. 硫黄酸化物及び窒素酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加し、これを炭素質吸着材が充填された移動層式反応塔に導入して脱硫及び脱硝処理を行い、反応塔から排出される吸着材は加熱再生した後再び反応塔へ供給する排ガス処理方法において、硫黄酸化物濃度が180〜250ppmである前記排ガスに対し、アンモニアの添加を添加時間1分間〜10時間と不添加時間1分間〜10時間とを交互に切り替えて断続的に行うことを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 反応塔を複数個に分割すると共に、排ガス流を分割して夫々の反応塔に導入し、少なくとも1の排ガス流に対して、アンモニアの添加を断続的に行う請求項1に記載の排ガス処理方法。
  3. 移動層式反応塔に導入する排ガス温度が80〜140℃である請求項1又は2に記載の排ガス処理方法。
  4. 排ガスに添加するアンモニア添加量が、再生塔で再生処理される炭素質吸着材に含まれるアンモニアと硫酸(共に塩を含む)とのモル比(アンモニア/硫酸)で0.3〜1.5である請求項1乃至3の何れかに記載の排ガス処理方法。
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