JP3930032B2 - 排ガス処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素質材を用いて排ガスを処理する乾式排ガス処理方法に関する。本発明方法により、窒素酸化物(NOX)、塩化水素(HCl)、ダイオキシン類等を含む排ガスが処理できる。
従来から、硫黄酸化物(SOX)や窒素酸化物を含有する排ガスの処理装置として、炭素質材を用いる乾式排ガス処理装置が知られており、ボイラー排ガスや焼結機排ガス等がこの装置を用いて処理されている。
この排ガス処理装置は、図4に示されるように、反応塔40と再生塔42とからなる。反応塔40は、その内部に緩やかに流下する炭素質材からなる移動層が形成され、前記移動層の流下方向と直交(水平方向)して排ガス44が供給される。これにより、移動層炭素質材と排ガスとが固気接触し、排ガスの浄化が行われる。前記炭素質材は反応塔内で硫黄酸化物等を吸着し及びダストが付着することによって次第に不活性化するので、反応塔の底部から連続的に、又は断続的に抜出される。この不活性化した炭素質材は、その後再生塔42の塔頂46に送られ、再生塔内部を流下しながら、高温(例えば、350〜450℃)に加熱され、吸着した硫黄酸化物を放出せしめられて再び活性化される。即ち、再生される。再生された炭素質材は、冷却されて再生塔の底部から排出され、その後篩分けによって付着したダスト及び微粉が除去された後、反応塔40の塔頂48に返送され循環使用される。
なお、50は処理済ガス、52は硫黄酸化物、塩化水素等を含む放出ガスである。
排ガス中にアンモニア(NH3)を注入すると、排ガス中に存在する窒素酸化物は、反応塔内で炭素質材の触媒作用によって窒素と水に分解される。更に、排ガス中のダストも、炭素質材の濾過作用によって除去される。これらの処理は100〜200℃程度の比較的低温で行われる。
上記操作中に、炭素質材は、再生塔内で一部が化学的に消費され、また磨耗により発生する微粉は系外に排出される。このため、新たな炭素質材を追加してこれを補う。
再生塔内で炭素質材から放出された硫黄酸化物は、硫酸製造の原料等に利用できる。
上記のように、炭素質材は硫黄酸化物の吸着と放出を繰り返すが、炭素質材には、この繰り返しによって活性化され、特に脱硝性能が高められるという重要な特性がある。即ち、建設直後の反応塔に最初に充填される炭素質材は、賦活処理によって十分に活性化されたものでなくても、その後の実際の排ガス処理運転において賦活作用を受け、次第にその活性が高められる。また、運転中に追加される炭素質材も同様である。
このように、実際の排ガス処理運転において炭素質材の活性化が図られる賦活方法はインプラント賦活と称せられ、排ガス処理の経済性を高める上で重要な要素となっている。
炭素質材を用いることにより、排ガス中に含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物、塩化水素、ダイオキシン類が吸着除去される。吸着された塩化水素は、再生塔において高温加熱されて炭素質材から放出され、ダイオキシン類は高温加熱により分解される。
従って、上記排ガス処理方法によれば、排ガス中に含まれるこれらの有害物質を反応塔で一括して除去することも可能であり、例えばゴミ焼却炉の排ガスやRDF(廃棄物燃料)を燃料とするボイラー排ガス等の処理として有効である。
しかし、排ガスの種類によっては、窒素酸化物やダイオキシン類の除去を必要とするが、硫黄酸化物を殆ど含まない排ガスもある。例えば、既設のゴミ焼却炉において、硫黄酸化物及び塩化水素を除去する排ガス処理設備が既に設けられている場合等である。この場合の処理設備としては、例えば排ガス中に石灰を噴霧して酸性ガスを石灰に吸着させ、ダストと共にバグフィルタや電気集塵機で捕集する設備等が想定される。
上記石灰を噴霧する処理が行われる場合、排ガス中の硫黄酸化物及びダスト含有量は非常に低減される。しかし、上記方法では塩化水素は充分に除去されず、その結果処理対象となる残りの有害物質は、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類となる。
この場合は、排ガス中の硫黄酸化物が少ないので、上記のインプラント賦活を利用できない。このため、窒素酸化物が効果的に除去されず、従来問題となっている。
また、ダイオキシン類の除去に関しては、従来その除去率が非常に不安定であり、安定した除去率を得る方法が求められている。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは排ガス中の硫黄酸化物が少ない場合に、効率良く、安定して窒素酸化物及びダイオキシン類を除去できる排ガス処理方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は以下に記載するものである。
〔1〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に、少なくとも窒素酸化物及び塩化水素を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間RTを下記(1式)
RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔2〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に、少なくとも窒素酸化物及び塩化水素を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物及び塩化水素の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(1式)及び(2式)
RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
RT≦5.0×106/(SV×CHCl) (2式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔3〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に、少なくともダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、ダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(3式)
RT≧6.7H (3式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
H:移動層の高さ (m)
を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔4〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(1式)及び(3式)
RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
RT≧6.7H (3式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
H:移動層の高さ (m)
を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔5〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(1式)、(2式)及び(3式)
RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
RT≦5.0×106/(SV×CHCl) (2式)
RT≧6.7H (3式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
H:移動層の高さ (m)
を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔6〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記移動層を排ガスの通過方向に複数個の室に区画し、少なくとも1つの室における炭素質材の滞留時間(但し、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は平均滞留時間)を下記(1式)及び(2式)を満たす範囲とし、他の少なくとも1つの室における炭素質材の滞留時間を下記(3式)を満たす範囲
RT≧1.5×106/(SV×CHCl)(1式)
RT≦5.0×106/(SV×CHCl)(2式)
RT≧6.7H (3式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
H:移動層の高さ (m)
とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔7〕 2つ以上の室で、定期的に各室の炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値を、少なくとも1つの室と他の少なくとも1つの室との間で定期的に交替する〔6〕に記載の排ガス処理方法。
〔8〕 定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値の少なくとも1つが無限大値(炭素質材の降下速度が0m/h)である〔6〕又は〔7〕に記載の排ガス処理方法。
〔9〕 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる複数の反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔を排ガスの通過方向に複数個連設し、少なくとも1つの反応塔における炭素質材の滞留時間(但し、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は平均滞留時間)を下記(1式)及び(2式)を満たす範囲とし、他の少なくとも1つの反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(3式)を満たす範囲
RT≧1.5×106/(SV×CHCl)(1式)
RT≦5.0×106/(SV×CHCl)(2式)
RT≧6.7H (3式)
ここで、RT:滞留時間 (h)
SV:排ガス空塔速度 (h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
H:移動層の高さ (m)
とすることを特徴とする排ガス処理方法。
〔10〕 2つ以上の反応塔で、定期的に各反応塔の炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値を、少なくとも1つの反応塔と他の少なくとも1つの反応塔との間で定期的に交替する〔9〕に記載の排ガス処理方法。
〔11〕 定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値の少なくとも1つが無限大値(炭素質材の降下速度が0m/h)である〔9〕又は〔10〕に記載の排ガス処理方法。
〔作用〕
本発明者らは、硫黄酸化物及びダストの含有量が少なく、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的とする排ガス処理について研究した結果、排ガス中に含まれる塩化水素が窒素酸化物の除去に影響を与えることを発見した。
そこで、更に研究を進めた結果、窒素酸化物とアンモニアとの反応においては、炭素質材の触媒効果が炭素質材に吸着された塩化水素によって促進されること、塩化水素の吸着量が多いほど促進効果が大きいことを見出した。
即ち、窒素酸化物のアンモニアによる除去効率(脱硝性能)は、炭素質材に吸着された塩化水素の量が多いほど高くなる。
一方、塩化水素の除去率は、炭素質材に吸着された塩化水素の量が多いほど低くなる。
これらの結果から、窒素酸化物の除去と塩化水素の除去の双方の要請を満たすためには、炭素質材に吸着された塩化水素の量を一定の範囲に制御すれば良いことになる。
このように、塩化水素の吸着量が増加すると炭素質材の脱硝性能が向上することは、従来全く知られていなかったことである。塩化水素は、硫黄酸化物と同じ酸性ガスであるために、従来は硫黄酸化物と同様の作用をすると考えられ、塩化水素の吸着量が増加すると炭素質材の脱硝性能が低下すると考えられていたのである。しかし、炭素質材の脱硝性能について、塩化水素は硫黄酸化物とは全く逆の作用を発現することが本発明者らの実験結果により明らかになった。
この理由を、本発明者らは以下のように考えた。
硫黄酸化物は、アンモニアと反応し、アンモニアと強固に結合するため、注入したアンモニアは、脱硝に使用される前に消費されて硫安になる。硫安生成でアンモニアが消費された分、脱硝効率は低下する。
さらに、硫黄酸化物は窒素酸化物の酸化活性点でもあるカルボニル基(C=O)などの塩基性官能基に、硫酸あるいは硫安の形態で強固に吸着保持される。そのため、窒素酸化物の吸着活性点は、硫黄酸化物の吸着量が増加するにつれ減少し、炭素質材の脱硝性能の低下を引き起こす。
これに対し、塩化水素は、アンモニアと反応し、塩安の形態でアンモニアを保持する。この塩安のアンモニアは、硫安のアンモニアに比べ塩化水素との結合状態が弱く、このため容易に脱硝反応に寄与できる。
つまり、炭素質材に対する塩化水素の吸着量が増えた分、脱硝に有効なアンモニアの吸着量も増加し、その結果炭素質材の脱硝性能は向上する。さらに、塩化水素の吸着は主に物理吸着であり、その吸着点は、硫黄酸化物と異なり 、カルボニル基などの酸化活性点である必要はない。また、仮に、カルボニル基などの酸化活性点に吸着したとしても、その吸着力の強さは、硫黄酸化物や窒素酸化物に比べ弱いため、これらの吸着に影響しない。即ち、塩化水素の吸着は、窒素酸化物の吸着に影響を及ぼさず、従って炭素質材の脱硝性能の低下を引き起こすことはない。
よって、塩化水素の炭素質材に対する吸着は、硫黄酸化物の吸着と異なり、脱硝に必要なアンモニアの吸着量を増加させ、また、窒素酸化物の吸着活性点を減少させることもない。このため、炭素質材においては、塩化水素の吸着量が増加するに従い、脱硝性能が向上することになる。
以上の考察から、炭素質材の脱硝性能は、塩化水素の吸着量が大きく影響することが推測される。
この塩化水素の脱硝反応促進効果を有効に利用する方法として、最初からなんらかの方法で塩化水素を吸着させた炭素質材を排ガスの脱硝へ使用する方法が考えられるが、この方法は、炭素質材に吸着している塩化水素が脱離し、大気へ放出されることが考えられ、この場合は新たな汚染源となる危険性を有している。
また、脱硝性能向上を目的に、塩化水素を排ガス中に注入する方法も考えられるが、この方法を行うには、新たな設備の追加を必要とし、さらに大気への塩化水素の放出量を増やす可能性を有していることから現実的ではない。
本発明方法においては、炭素質材に吸着される塩化水素量を炭素質材の反応塔内滞留時間で調節しているので、排ガス中の窒素酸化物及び塩化水素の処理を効率よく行える。特に、排ガス中の硫黄酸化物が少ない場合に、効率よく窒素酸化物を除去することが出来る。同様に、本発明方法においては炭素質材の滞留時間を調節しているので、ダイオキシン類の吸着除去を効率よく行える。
本発明の排ガス処理方法において使用する排ガス処理装置は、図4に示す従来の反応塔と再生塔を有する排ガス処理装置がそのまま使用できる。
排ガス処理装置の運転条件、処理できる排ガスの条件等もほぼ従来と同様である。
具体的には、排ガス中の硫黄酸化物濃度は50ppm以下、窒素酸化物濃度は30〜300ppm程度、塩化水素濃度は30〜500ppm程度、ダイオキシン類は80ng−TEQ/Nm3以下の排ガスが本発明の処理対象に適している。反応塔におけるSV値は300〜800h-1程度、反応塔温度は130〜200℃、再生塔温度は350℃以上が好ましい。
本発明において使用する炭素質材としては、従来の排ガス処理装置において用いている炭素質材をそのまま用いることが出来る。炭素質材としては、石炭を原料とする活性コークス(例えば、特開昭57−100910号公報に記載されている)等が好ましい。炭素質材の平均粒径は3〜10mmが好ましい。
本発明においては、この炭素質材の反応塔内の滞留時間を制御するものである。
前述のように、炭素質材は反応塔と再生塔との間を循環している。この循環量を決定する要因としては、従来は炭素質材に吸着された硫黄酸化物の量又は炭素質材に付着したダストの量であった。
即ち、窒素酸化物の除去を目的とする排ガス処理において、排ガス中に硫黄酸化物又はダストが多く含まれる場合には、炭素質材に吸着された硫黄酸化物の量、又は炭素質材に付着したダストの量を少なくすることが脱硝性能を高める上で好ましいと考えられていた。従って、循環量を多くして、反応塔内における炭素質材の滞留時間を短くすることが好ましいとされていた。
又、排ガス中の塩化水素は硫黄酸化物と同様の作用をすると考えられていた。
従って、排ガス中に含まれる硫黄酸化物及びダストが少ない場合でも、排ガス中に塩化水素が含まれるときは、単純に反応塔内における炭素質材の滞留時間を短くすることが好ましいとされていた。
そこで、本発明者らは実際の排ガス処理装置における設計方法及び運転方法について各種データを蓄積して検討した結果、反応塔内における炭素質材の滞留時間を次のように決定し、これに応じた循環量を採用することによって、最適な運転が得られることを確認した。
窒素酸化物の除去に好ましい炭素質材の反応塔内滞留時間RT
RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
塩化水素の除去に好ましい炭素質材の反応塔内滞留時間RT
RT≦5.0×106/(SV×CHCl) (2式)
ここで、RT:炭素質材の反応塔内滞留時間 (h)
SV:反応塔における排ガスの空塔速度(h-1
HCl:塩化水素濃度 (ppm)
従って、少なくとも窒素酸化物と塩化水素とを含む排ガスを処理する際に、窒素酸化物の除去のみを目的とする場合には、前記の(1式)を満たす滞留時間とする。
また、窒素酸化物と塩化水素を共に除去する必要がある場合には、前記の(1式)及び(2式)を同時に満たす滞留時間とする。
上記の窒素酸化物の除去に関する研究と併せて、排ガス中のダイオキシン類の除去について検討を行った。
従来、ダイオキシン類の除去効率を測定すると、その値にバラツキが多く見られるので、その原因を究明し、好ましい処理条件を見つけることを課題とした。
研究を重ねた結果、上記の問題は、反応塔における炭素質材からなる移動層の降下速度に関係することを見出した。即ち、移動層の降下速度が速いほど、反応塔出口ガスに含まれるダイオキシン類の量が大きく変化し、安定した除去率が得られない。特に、粒径の大きな炭素質材、例えば平均粒径8mm以上のものは、この傾向が顕著である。
逆に、降下速度が遅いほど、除去率が高くなると共に変動幅が小さくなる。これは、移動層の降下速度が速いほど、炭素質材の移動が不均一となると共に、炭素質材間の間隙が大きくなることにより、ダイオキシン類が炭素質材に吸着されることなく、吹き抜けしやすい状態になることが原因になっていると考えられる。
特に、粒径の大きな炭素質材は、粒径の小さいものに比べて炭素質材間の空隙が大きく、移動層の緻密さは低くなる。そのため、移動層の降下速度増加によるダイオキシン類の吹き抜けが大きくなりやすいと思われる。
即ち、炭素質材の濾過作用によって捕集されるダストと同様に、ダイオキシン類も炭素質材間の間隙が大きいと吹き抜けしやすく、特に降下速度が速い場合にはその傾向が顕著なものになると推察される。
検討の結果、炭素質材の平均粒径が10mm以下の場合、実用的な降下速度は、0.15m/h以下であることが判明した。
反応塔内の炭素質材の滞留時間と降下速度とは反比例の関係にある。反応塔内の移動層の高さをH(m)、降下速度をV(m/h)、滞留時間をRT(h)とすると、RT=H/Vであり、V≦0.15とするためには、
RT≧6.7H (3式)
ということになる。
従って、少なくともダイオキシン類を含む排ガスを処理する際に、ダイオキシン類の除去のみを目的とする場合には、前記の(3式)を満たす滞留時間とする。
なお、ダイオキシン類の除去率は比較的高いので移動層のSV値を大きくすることが可能であり、この場合のSV値は3000h-1以下であることが好ましい。
また、少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを処理する際に、窒素酸化物及びダイオキシン類の除去を目的とする場合には、(1式)及び(3式)を同時に満たす滞留時間とする。
更に、少なくとも窒素酸化物、塩化水素およびダイオキシン類を含む排ガスを処理する際に、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的とする場合には、(1式)、(2式)及び(3式)を同時に満たす滞留時間とする。
なお、(1式)及び(2式)によって求めた滞留時間が、同時に(3式)による滞留時間を満たさないこともあり得る。このような場合は、排ガスの通過方向に反応塔を複数個連設するか、或は、反応塔内に複数個の室に区画された移動層を設けて排ガス処理を行うことが好ましい。
以下、移動層を複数個の室に区画した場合について説明するが、本発明には複数の反応塔を用いる場合も含むこととする。
移動層を複数個の室に区画することにより、炭素質材の滞留時間を各室毎に異なる設定値とすることができる。即ち、(1式)及び(2式)を満たす室と(3式)を満たす室とを設け、(1式)及び(2式)を満たす室においては主として窒素酸化物及び塩化水素の除去を行い、(3式)を満たす室においては主としてダイオキシン類の除去を行うことにより、夫々高い除去率を得ることができる。
なお、この(3式)を満たす移動層のSV値は、10000h-1以下であることが好ましい。
図3は反応塔内を区画した例を示す。図3中、30は反応塔、32は再生塔である。反応塔30内は内部に配設したパンチングプレート2により、排ガス流路方向に沿って上流側反応室4と、下流側反応室6とに分割してある。
再生塔32で加熱されて硫黄酸化物、塩酸等を放出して再生された炭素質材は、再生塔32の塔底から反応塔30の塔頂10に送られ、前記上流側反応室4、下流側反応室6に供給される。供給された炭素質材は、各室を所定の速度で塔底12、14に向って緩やかに移動させられる。各室4、6を移動する移動層の滞留時間は各塔底12、14から取出す炭素質材の取出し速度により制御できる。
塔底12、14から取出された炭素質材は合流された後、再生塔32の塔頂32に送られることを繰返す。
なお、20は未処理の排ガス、22は処理済ガス、24は硫黄酸化物や塩化水素等の放出ガスである。
この例では、上流側反応室4においては、移動層の滞留時間は(1式)及び(2式)を満たすもので、これにより窒素酸化物、硫黄酸化物、塩化水素が主として処理される。下流側反応室6においては、移動層の滞留時間は(3式)を満たすもので、これにより主としてダイオキシン類が処理される。
しかしながらこの方法は、上記2つの処理を2つの室で個別に行うことになるので、反応塔30全体が大きくなる。
次に、上記の様に滞留時間を一定とする代りに、滞留時間を定期的に設定変更する場合を説明する。
設定変更は1つの周期においてn回行われるものとし、滞留時間がRT1、RT2、…、RTnと順次変更され、これに対応する降下速度をV1、V2、…、Vn、各設定時間をT1、T2、…、Tnとする。
(1式)及び(2式)は、炭素質材中に含まれる塩化水素の量を制限する式であるから、炭素質材が移動層内に滞留する時間を規定するのであって、炭素質材の降下速度を規定するものではない。
従って、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は、(1式)及び(2式)の滞留時間を、その平均値、即ち平均滞留時間に置換えることができる。また、平均滞留時間が(1式)及び(2式)を満たしている限り、個々の滞留時間は必ずしも(1式)及び(2式)を満たす滞留時間の範囲に限定されず、(3式)を満たす設定値を含むことができる。
なお、平均滞留時間(RTav)は、平均降下速度(Vav)を求めた後に、前述の式RT=H/Vで計算して求められる。即ち、Vav及びRTavは、
av=ΣVnn/ΣTn
RTav=H/Vav
の式から求められる。
まず、図3の上流側反応室4において、定期的に滞留時間の設定変更を行う場合を説明する。
定期的な設定変更により、滞留時間を(1式)及び(2式)を満たす範囲に設定する期間と、(3式)を満たす範囲に設定する期間とを設けることができる。また、その平均滞留時間を(1式)及び(2式)を満たす範囲に設定した場合には、全ての期間に亘って窒素酸化物及び塩化水素の除去率を確保することができる。
更に、(3式)を満たす範囲に設定された期間においては、窒素酸化物や塩化水素と共にダイオキシン類を同時に除去することができる。即ち、その期間内においては、ダイオキシン類の除去率が向上する。
従って、上流側反応室4において、移動層の滞留時間を一定とするよりも、定期的な設定変更を行うことが好ましい。
次に、上流側反応室4と下流側反応室6の両方において、定期的に滞留時間を設定変更する場合を説明する。
この場合、両方の室において、滞留時間を(1式)及び(2式)を満たす範囲に設定する期間と、(3式)を満たす範囲に設定する期間とを設けることができる。また、夫々の平均滞留時間を(1式)及び(2式)を満たす範囲に設定した場合は、両室共に、全ての期間に亘って窒素酸化物及び塩化水素の除去率を確保することができる。
更に、(3式)を満たす範囲とする滞留時間の設定値を、上流側反応室4と下流側反応室6との間で定期的に交替することができる。即ち、上流側反応室4と下流側反応室6との間で常に少なくとも一方の室が(3式)を満たす範囲となるように、炭素質材の滞留時間を設定する。これにより、全ての期間に亘ってダイオキシン類の除去率を確保することができる。
従って、2つ以上の室において定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は、反応塔32全体を小さくすることができる。
その理由の1つは、2つ以上に区画した全ての室において炭素質材の平均滞留時間を(1式)及び(2式)を満たす範囲とすることにより、反応塔全体で窒素酸化物の高い除去率と塩化水素の高い除去率とを確保することができるためである。
上記理由の他の1つは、上述のように、ダイオキシン類を除去する場合のSV値は他と比べて非常に大きいので、区画した各室が単独でダイオキシン類を除去することが可能であり、上記2つ以上の室の間でダイオキシン類の除去を定期的に交替して行うことができるためである。
移動層を区画して設ける室の数は2つ以上であればよいが、2つ乃至3つが実用的である。各室の容量は、単独でダイオキシン類の高い除去率を確保できるように、そのSV値は10000h-1以下であることが好ましい。即ち、ダイオキシン類の除去は、全ての室を使用して定期的に順次交替して行われることが好ましい。
炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合、区画した室の1つの室における炭素質材の滞留時間の設定値は、(2式)を満たす点と(3式)を満たす点の少なくとも2点が必要であるが、これらの点は3点以上あってもよい。
また、常に何れかの室が(3式)を満たす設定値でなければならないが、2つ以上の室において同時に(3式)を満たす期間が存在してもよい。
各設定時間は1時間以上100時間以下とすることが好ましく、また、平均滞留時間以下とすることが好ましい。なお、1周期における炭素質材の滞留時間の設定変更回数は2〜5回が好ましい。
(3式)を満たす炭素質材の滞留時間として、無限大値(炭素質材の降下速度が0m/h、降下停止)を採用することが可能である。一時的な降下停止は、長期的な連続運転には全く影響を与えないからである。また、降下停止により炭素質材の層が緻密になり、比較的粒径の大きな炭素質材を用いる場合でも、安定した処理が得られるからである。
滞留時間を無限大値とする際には、速い降下速度からいきなり降下停止とするのではなく、一旦(3式)を満たす遅い降下速度を経た後に降下停止とすることが好ましい。降下停止における層の状態は、停止直前の移動層における状態が維持されるので、直前の降下速度が遅いほど緻密な層が形成されるからである。
以上のように、本発明の排ガス処理方法における上記形態は、移動層を複数の室に分割すると共に、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行っているので、一段と優れた効果を発揮することができる。
即ち、窒素酸化物と塩化水素の除去については、移動層全体を有効に活用することが可能となる。また、ダイオキシン類の除去については、複数の室で交替して行っているので、無限大値の炭素質材の滞留時間を採用することが可能となると共に、高い効率で安定して除去することができる。
上記方法は、反応塔内に複数個の室に区画された移動層を設ける場合について説明したが、本発明は、排ガスの通過方向に反応塔を複数個連設する場合を含むものとする。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
炭素質材を充填した移動層による排ガス処理の試験を、図4に示す構成の排ガス処理装置を用いて行った。
(排ガス)
排ガス量 8000 Nm3/h
排ガス温度 150 ℃
窒素酸化物 100 ppm
アンモニア添加量 100 ppm 相当
塩化水素 100 ppm
ダイオキシン類 0.13 ng−TEQ/Nm3
排ガス条件はいずれも多少変動したので平均値を示す。
反応塔 SV値 500 h-1
温度 150 ℃
移動層高さ 9.0 m
塔断面積 1.8 m2
炭素質材 活性コークス
平均粒径 6.2 mm
再生塔 温度 450 ℃
滞留時間を変化させて窒素酸化物及び塩化水素の除去率を測定した。その結果を図1に示す。滞留時間が30時間から100時間の間で高い除去率が得られた。
また、移動層の降下速度とダイオキシン類の除去率の関係を図2に示す。降下速度が速くなるほど除去率が低下し、150mm/h以上で除去率が不安定になり、200mm/h以上では著しく不安定となった。
(実施例2)
炭素質材を充填した移動層による排ガス処理の試験を、図3に示す構成の排ガス処理装置を用いて行った。
(排ガス)
排ガス量 8000 Nm3/h
排ガス温度 150 ℃
窒素酸化物 100 ppm
アンモニア添加量 100 ppm 相当
塩化水素 100 ppm
ダイオキシン類 0.13 ng−TEQ/Nm3
排ガス条件はいずれも多少変動したので平均値を示す。
反応塔 SV値 500 h-1
温度 150 ℃
移動層高さ 9.0 m
塔断面積(上流側) 0.9 m2
塔断面積(下流側) 0.9 m2
塔断面積(合計) 1.8 m2
炭素質材 活性コークス
平均粒径 6.2 mm
再生塔 温度 450 ℃
上流側反応室及び下流側反応塔室において、それぞれ以下のように、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行い、窒素酸化物、塩化水素、及びダイオキシン類の除去率を測定した。
上流側反応室における滞留時間設定変更第1期
設定時間 20 h
滞留時間 30 h
上流側反応室における滞留時間設定変更第2期
設定時間 5 h
滞留時間 200 h
上流側反応室における滞留時間設定変更第3期
設定時間 20 h
滞留時間 無限大 h
上流側反応室における滞留時間設定変更第4期
設定時間 5 h
滞留時間 200 h
上流側反応室における1周期(第1〜4期)全体
設定時間(合計) 50 h
平均滞留時間 69.8 h
下流側反応室における滞留時間設定変更第1期
設定時間 20 h
滞留時間 無限大 h
下流側反応室における滞留時間設定変更第2期
設定時間 5 h
滞留時間 200 h
下流側反応室における滞留時間設定変更第3期
設定時間 20 h
滞留時間 30 h
下流側反応室における滞留時間設定変更第4期
設定時間 5 h
滞留時間 200 h
下流側反応室における1周期(第1〜4期)全体
設定時間(合計) 50 h
平均滞留時間 69.8 h
なお、上流側反応室の第1期の開始時刻と下流側反応室の第1期の開始時刻は同時刻に設定し、且つ、上流側反応室の第4期の終了時刻と下流側反応室の第4期の終了時刻も同時刻に設定した。
以上のように、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行い、窒素酸化物、塩化水素、及びダイオキシン類の除去率を測定した。
上記排ガス処理試験の結果、窒素酸化物、塩化水素、及びダイオキシン類の除去率は、それぞれ83〜88%、81〜87%、及び93〜97%の範囲内にあり、高く且つ安定した除去率が得られた。
反応塔の炭素質材の滞留時間と窒素酸化物及び塩化水素の除去率との関係を示すグラフである。 反応塔の炭素質材の降下速度とダイオキシン類の除去率との関係を示すグラフである。 本発明の実施に用いる排ガス処理装置の一例を示す概略フロー図である。 従来の排ガス処理装置の構成の一例であり、また本発明の実施にも使用できる排ガス処理装置を示すフロー図である。
符号の説明
2 パンチングプレート
4 上流側反応室
6 下流側反応室
10 塔頂
8、12、14 塔底
20 未処理の排ガス
22 処理済ガス
24 放出ガス
30 反応塔
32 再生塔
40 反応塔
42 再生塔
44 排ガス
46、48 塔頂
50 処理済ガス
52 放出ガス

Claims (9)

  1. 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に、少なくともダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、ダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(3式)
    RT≧6.7H (3式)
    ここで、RT:滞留時間 (h)
    H:移動層の高さ (m)
    を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(1式)及び(3式)
    RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
    RT≧6.7H (3式)
    ここで、RT:滞留時間 (h)
    SV:排ガス空塔速度 (h-1
    HCl:塩化水素濃度 (ppm)
    H:移動層の高さ (m)
    を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  3. 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(1式)、(2式)及び(3式)
    RT≧1.5×106/(SV×CHCl) (1式)
    RT≦5.0×106/(SV×CHCl) (2式)
    RT≧6.7H (3式)
    ここで、RT:滞留時間 (h)
    SV:排ガス空塔速度 (h-1
    HCl:塩化水素濃度 (ppm)
    H:移動層の高さ (m)
    を満たす範囲とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  4. 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記移動層を排ガスの通過方向に複数個の室に区画し、少なくとも1つの室における炭素質材の滞留時間(但し、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は平均滞留時間)を下記(1式)及び(2式)を満たす範囲とし、他の少なくとも1つの室における炭素質材の滞留時間を下記(3式)を満たす範囲
    RT≧1.5×106/(SV×CHCl)(1式)
    RT≦5.0×106/(SV×CHCl)(2式)
    RT≧6.7H (3式)
    ここで、RT:滞留時間 (h)
    SV:排ガス空塔速度 (h-1
    HCl:塩化水素濃度 (ppm)
    H:移動層の高さ (m)
    とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 2つ以上の室で、定期的に各室の炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値を、少なくとも1つの室と他の少なくとも1つの室との間で定期的に交替する請求項4に記載の排ガス処理方法。
  6. 定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値の少なくとも1つが無限大値(炭素質材の降下速度が0m/h)である請求項4又は5に記載の排ガス処理方法。
  7. 流下する炭素質材からなる移動層を内部に形成してなる複数の反応塔に少なくとも窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類を含む排ガスを前記移動層に対して直交流で供給して処理する排ガス処理方法において、窒素酸化物、塩化水素及びダイオキシン類の除去を目的として、前記反応塔を排ガスの通過方向に複数個連設し、少なくとも1つの反応塔における炭素質材の滞留時間(但し、定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合は平均滞留時間)を下記(1式)及び(2式)を満たす範囲とし、他の少なくとも1つの反応塔における炭素質材の滞留時間を下記(3式)を満たす範囲
    RT≧1.5×106/(SV×CHCl)(1式)
    RT≦5.0×106/(SV×CHCl)(2式)
    RT≧6.7H (3式)
    ここで、RT:滞留時間 (h)
    SV:排ガス空塔速度 (h-1
    HCl:塩化水素濃度 (ppm)
    H:移動層の高さ (m)
    とすることを特徴とする排ガス処理方法。
  8. 2つ以上の反応塔で、定期的に各反応塔の炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値を、少なくとも1つの反応塔と他の少なくとも1つの反応塔との間で定期的に交替する請求項7に記載の排ガス処理方法。
  9. 定期的に炭素質材の滞留時間の設定変更を行う場合であって、炭素質材の滞留時間の設定値の少なくとも1つが無限大値(炭素質材の降下速度が0m/h)である請求項7又は8に記載の排ガス処理方法。
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