JP5131437B2 - 溶接装置および溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接装置および溶接方法に関し、さらに詳しくは、溶接部位に熱エネルギを付与するトーチと、溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段とを備えており、ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給してトーチによって熱エネルギを付与しつつ溶接ラインに沿って移動させて接合対象を互いに接合する溶接装置および溶接方法に関するものである。
なお、ここでいう溶接とは、母材である接合対象を溶融する場合の他に、母材である接合対象をできるだけ溶融しない「ろう接」も本発明に含まれる。
接合対象を互いに接合するために、ワイヤ供給手段によってフィラーワイヤを供給しつつ、トーチによって溶接部位に熱エネルギを付与して溶接することが、従来から広く行われている。そして、産業界においては、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるよう制御して、自動的に接合対象を互いに溶接することが行われている(たとえば特許文献1を参照)。
特許文献1には、図13にも示すように、ワイヤ供給手段2’によって供給されるフィラーワイヤF’を使用して、エネルギビームB’、特にレーザービームの手段によってワークピース要素(接合対象)W’を接合するプロセスであって、ワークピースW’によって形成される接合部(溶接ライン)の形状を機械的スキャニングするための要素としてフィラーワイヤF’を使用して、前記接合部が少なくとも一つの側方ガイド表面を有していることにより、エネルギビームB’内で溶かされるフィラーワイヤF’の先端がワークピースW’の表面と側方ガイド表面に沿ってガイドされるようにしたものが開示されている。そして、特許文献1には、フィラーワイヤF’の接触圧力をセンサによって検出して、ワイヤ供給手段2’のワークピースW’表面に対する位置を自動制御すること(第6欄第9行〜同欄第13行)や、ワイヤF’がエネルギビームB’に対して移動させるワイヤ供給手段2’によって自動的にガイドされること(第6欄第20行〜同欄第22行)なども開示されている。
また、図14に示すように、ワイヤ供給手段2’などに接触子30’を設けて、接合対象W’に接触子30’を接触させて、トーチとワイヤ供給手段2’を溶接ラインY’に倣うよう移動させるメカニカルトラッキング機構3’が従来から知られている手段から考えられる。このメカニカルトラッキング機構3’は、接触子30’がワイヤ供給手段2’から所定長さで突出させた状態で固定されており、その先端が接合対象W’に接した状態で、ワイヤ供給手段2’が所定の角度および所定の長さでフィラーワイヤF’を溶接部位に供給することができるように構成される。
米国特許第6,596,962 B2号公報
しかしながら、上記従来の技術のうち、特許文献1に開示されたものにあっては、図13に示したように、一般にフィラーワイヤF’はロールが巻き取られた状態から展ばされてワイヤ供給手段2’に送られるために巻き癖がついていることが多く、また、接合対象W’に対して垂直方向(図13(A)の矢印を参照)や水平(左右)方向(図13(B)の矢印を参照)に強く押しつけるなど、接合対象W’に接触することなどによりコンタクトチップ20’から接合対象W’の間で曲がることがある。したがって、フィラーワイヤF’を接合対象W’に接触させても、トーチおよびワイヤ供給手段2’と溶接ラインY’の間にフィラーワイヤF’の曲りなどによる誤差が発生するという問題があった。また、特許文献1にあっては、フィラーワイヤF’が曲がることによってワイヤ供給手段2’を構成するコンタクトチップ20’の内周面に部分的に擦れて摩耗することとなり、コンタクトチップ20’の消耗が早いという問題があった。
また、上記従来の技術のうち、図14に示したようにワイヤ供給手段2’から所定長さで突出させた状態で接触子30’を固定したメカニカルトラッキング機構3’にあっては、溶接ラインYが図14において高さ方向に変化するような場合、接触子30’の先端を接合対象W’に接した状態でワイヤ供給手段2’を溶接部位に対して所定の角度および距離に保つような姿勢で移動させようとすると、エネルギービームB’の照射位置とフィラーワイヤF’の供給位置がずれるという問題や、またこれを回避するために溶接できる接合対象W’の溶接ラインY’が限定されるなどの問題があった。
さらに、たとえば、図9の(b)や図11および図12に参照されるように、接合対象Wが成形誤差などによりその間に隙間Sが生じる場合には、ビードCが凹んだり穴があくなどして外観が良好でなく接合強度が不足するなどの溶接不良が発生することとなるが、従来の技術では、生じた隙間に対応することができるものはなかった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに正確に倣って制御することができ、しかも、溶接ラインの高さ方向の変化にも追従して移動させて接合対象を適切に接合することができる溶接装置および溶接方法を提供することを目的とする。
また本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、成形誤差などによって接合対象間に隙間が形成される場合であっても、その隙間に応じて接合対象を互いに適切に接合することができる溶接装置および溶接方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の溶接装置に係る発明は、溶接部位に熱エネルギを付与するトーチと、溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段と、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるトラッキング手段とを備えており、ワイヤ供給手段によって溶接部位にフィラーワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接装置であって、トラッキング手段が、棒状に成形されてなり接合対象に対して弾性的に接触される接触子を有しており、該接触子は、前記ワイヤ供給手段に設けられており、且つ、該ワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能に設けられていることを特徴とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項2の溶接装置に係る発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出して、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
また、上記の課題を解決するために、請求項3の溶接方法に係る発明は、ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接方法であって、トラッキング手段として、棒状に成形されてなり溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能な接触子を、ワイヤ供給手段に設け、進退可能または回動可能な接触子を接合対象に対して弾性的に接触させることにより、トーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させることを特徴とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項4の溶接方法に係る発明は、請求項3に記載の発明において、さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御することを特徴とするものである。
請求項1に係る溶接装置によれば、トラッキング手段が、棒状に成形されてなり接合対象に対して弾性的に接触される接触子を有しており、該接触子は、前記ワイヤ供給手段に設けられており、且つ、該ワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能に設けられているという簡単な構成により、溶接ラインが高さ方向に変化する場合であっても、トーチおよびワイヤ供給手段を確実且つ正確に溶接ラインに倣って移動させて、ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給してトーチによって熱エネルギを付与して、接合対象を互いに適切に接合することが可能な溶接装置を提供することができる。
請求項2に係る溶接装置によれば、請求項1に記載の発明において、さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出して、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する制御手段を有するという簡単な構成により、成形誤差などによって接合対象間に隙間が生じている場合であっても、かかる隙間の大きさに応じて接合対象を互いに適切に接合することが可能な溶接装置を提供することができる。
また、請求項3に係る溶接方法によれば、トラッキング手段として、棒状に成形されてなり溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能な接触子を、ワイヤ供給手段に設け、進退可能または回動可能な接触子を接合対象に対して弾性的に接触させることにより、トーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させるという簡単な構成により、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに正確に倣わせることができ、したがって、接合対象を互いに適切に接合することが可能な溶接方法を提供することができる。
請求項4に係る溶接方法によれば、請求項3に記載の発明において、さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御するという簡単な構成により、成形誤差などによって接合対象間に隙間が生じている場合であっても、かかる隙間の大きさに応じて接合対象を互いに適切に接合することが可能な溶接方法を提供することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に相当し、(5)項が請求項3に相当し、(6)項が請求項4に相当する。
(1) 溶接部位に熱エネルギを付与するトーチと、溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段と、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるトラッキング手段とを備えており、ワイヤ供給手段によって溶接部位にフィラーワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接装置であって、
トラッキング手段が、進退可能または回動可能に設けられ接合対象に対して弾性的に接触される接触子を有することを特徴とする溶接装置。
(1)項に記載の発明では、進退可能または回動可能に設けられた接触子を接合対象に対して弾性的に接触させて、接触子を前方に配置してトーチおよびワイヤ供給手段とともに移動させ、ワイヤ供給手段によってフィラーワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを少なくともフィラーワイヤに付与して溶融させる。このとき、接触子は、進退可能または回動可能に設けられていることにより、トーチおよびワイヤ供給手段に対して相対的に左右方向(接合対象の溶接部位の幅方向)に変位不能に且つ高さ方向(接合対象の溶接部位の鉛直方向)に変位可能となっており、接合対象に接触されていることにより、溶接ラインに沿って移動される。そのため、トーチとワイヤ供給手段も同時に溶接ラインに正確に倣うように移動されることとなる。そして、接触子は、接合対象に対して弾性的に押し当るように接触されていることから、溶接ラインが高さ方向に変化する場合であっても、かかる高さ方向に追従する。したがって、接触子が接合対象に接触した状態を維持して移動するため、トーチとワイヤ供給手段も溶接ラインの高さ方向の変化に影響されることなく溶接ラインに正確に倣うように移動して、接合対象を適切に溶接することができる。
(2) 接触子が、その先端を接合対象に接触した状態で、移動方向前方に向かって傾斜していることを特徴とする(1)項に記載の溶接装置。
(2)項に記載の発明では、(1)に記載の発明において、接触子が、その先端を接合対象に接触した状態で、移動方向前方に向かって傾斜していることにより、接触子とトーチおよびワイヤ供給手段とが接合対象の形状により引っ掛かるなどして妨げられることなく、安定して移動することができる。
(3) 溶接部位に熱エネルギを付与するトーチと、溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段と、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるよう制御するトラッキング手段とを備えており、ワイヤ供給手段によって溶接部位にフィラーワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接装置であって、
進退可能または回動可能に設けられ接合対象に対して弾性的に接触される接触子と、該接触子の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出して、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する制御手段とを有することを特徴とする溶接装置。
(3)項に記載の発明では、接触子を接合する接合対象間に弾性的に接触させて、トーチおよびワイヤ供給手段とともに溶接ラインに沿って移動させる。このとき、接触子は、進退可能または回動可能に設けられ接合対象に対して弾性的に接触されていることにより、接合対象間に形成される隙間に応じて変位することとなる。制御手段は、この接触子の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、この検出された隙間の大きさに応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する。そのため、成形誤差などによって接合対象間に隙間が生じている場合であっても、かかる隙間の大きさに影響されることなく、適切に接合対象を互いに接合することができる。
(4) 接触子が、その先端を接合対象に接触した状態で、移動方向と交差する方向に向かって傾斜していることを特徴とする(3)項に記載の溶接装置。
(4)項に記載の発明では、(3)項に記載の発明において、接触子が、その先端を接合対象に接触した状態で、移動方向と交差する方向に向かって傾斜していることにより、接合対象間に形成される隙間に応じた接触子の変位が具現化される。
(5) ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接方法であって、
トラッキング手段として進退可能または回動可能な接触子を設け、
進退可能または回動可能な接触子を接合対象に対して弾性的に接触させることにより、トーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させることを特徴とする溶接方法。
(5)項に記載の発明では、トラッキング手段として進退可能または回動可能に設けられた接触子を接合対象に対して弾性的に接触させて、接触子を前方に配置してトーチおよびワイヤ供給手段とともに移動させ、ワイヤ供給手段によってフィラーワイヤを供給するとともに、トーチによって熱エネルギを少なくともフィラーワイヤに付与して溶融させる。このとき、接触子は、進退可能または回動可能に設けられていることにより、トーチおよびワイヤ供給手段に対して相対的に左右方向(接合対象の溶接部位の幅方向)に変位不能に且つ高さ方向(接合対象の溶接部位の鉛直方向)に変位可能となっており、接合対象に接触されていることにより、溶接ラインに沿って移動される。そのため、トーチとワイヤ供給手段も同時に溶接ラインに正確に倣うように移動されることとなる。そして、接触子は、接合対象に対して弾性的に押し当るように接触されていることから、溶接ラインが高さ方向に変化する場合であっても、かかる高さ方向に追従するため、接合対象に接触した状態を維持して移動することから、トーチとワイヤ供給手段も溶接ラインの高さ方向の変化に影響されることなく溶接ラインに正確に倣うように移動して、接合対象を適切に溶接することができる。
(6) ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接方法であって、
進退可能または回動可能に設けられ接合対象に対して弾性的に接触される接触子を設け、
該接触子の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、
該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御することを特徴とする溶接方法。
(6)項に記載の発明では、接触子を進退可能または回動可能に設けて接合する接合対象間に弾性的に接触させ、トーチおよびワイヤ供給手段とともに溶接ラインに沿って移動させる。このとき、接触子は、進退可能または回動可能に設けられ接合対象に対して弾性的に接触されていることにより、接合対象間に形成される隙間に応じて変位することとなる。そして、この接触子の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、この検出された隙間の大きさに応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する。そのため、成形誤差などによって接合対象間に隙間が生じている場合であっても、かかる隙間の大きさに影響されることなく、適切に接合対象を互いに接合することができる。
最初に、本発明の溶接装置の第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
本発明の溶接装置は、概略、溶接部位に熱エネルギを付与するトーチ1と、溶接部位にフィラーワイヤFを供給するワイヤ供給手段2と、トーチ1およびワイヤ供給手段2の移動軌跡を溶接ラインYに倣わせるよう制御するトラッキング手段3とを備えており、トラッキング手段3が、進退可能または回動可能に設けられ接合対象Wに対して弾性的に接触される接触子30Aまたは30Bを有しており、ワイヤ供給手段2によって溶接部位にフィラーワイヤFを供給するとともにトーチ1によって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段3の接触子30Aまたは30Bを接合対象Wに弾性的に接触させることによってトーチ1およびワイヤ供給手段2を溶接ラインYに倣うように移動させて、接合対象Wを互いに接合するものである。
この実施の形態におけるトーチ1は、図7に参照されるように、レーザ発振器10から所定の出力で発振されたレーザビームBを照射することにより熱エネルギを付与するものであり、かかるレーザビームBを所定の焦点距離および所定の径で制御可能に照射するためのレンズ群11を備えている。
ワイヤ供給手段2は、ロールに巻き取られた状態から展ばされたフィラーワイヤFを所定の速度で制御可能に送るための送り装置と、この送り装置によって送られたフィラーワイヤFをレーザビームBが照射される溶接部位に供給するコンタクトチップ20を備えている。
接触子30Aは、ほぼ棒状成形されたもので、この実施の形態の場合、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20と隣接して設けられたハウジング31内に保持されており、その軸方向にのみ進退移動可能とされている。そして、接触子30Aの基端とハウジング31との間にはスプリング32Aが介装されており、ハウジング31から接触子30Aが弾性的に突出するよう付勢されている。なお、接触子30Aは、スプリング32Aによりハウジング31から突出するように付勢されているが、ハウジング31から抜け出ることがないように抜け止め機構が設けられている。接触子30Aの接合対象Wに接触される先端の形状は、たとえば錐形や球状など、接合対象の断面形状などに応じて選択することができる。
図1に示すように、トーチ1と、コンタクトチップ20および接触子30Aを保持したハウジング31とは、ロボット4のアーム40に設けられたモータまたはバネなどからなる回動付勢手段36によって支持されており、図1(A)に一点鎖線で示した軸線の周りに回動して、図1(B)に矢印Xで示すように、接合対象Wの段差部にフィラーワイヤFおよび接触子30A、30Bが横方向から押し付けられるように付勢されており、且つ、共にロボット4のアームに溶接ラインYに対して左右方向(幅方向)に移動可能に支持されている。また、コンタクトチップ20および接触子30Aを保持したハウジング31は、トーチ1に設けられたバネなどを備えた伸長付勢手段37によって支持されており、図1(B)に矢印Zで示すように、接合対象Wに対して押し付けられるように付勢されている。回動付勢手段36と伸長付勢手段37は、トラッキング手段3に含まれる。トーチ1、コンタクトチップ20および接触子30Aの配置は、溶接ラインYの溶接終了位置から開始位置に向かって、接触子30A、コンタクトチップ20、トーチ1の順に並ぶよう配列されている。そして、この実施の形態では、レーザビームBを接合対象Wの表面に対してほぼ鉛直方向に照射するようトーチ1が配置されており、これに対して移動方向前方から傾斜させてフィラーワイヤFを供給するようコンタクトチップ20が配設されている。
次に本発明の溶接方法の第1の実施の形態を、上述したように構成された溶接装置を使用する場合により、その作動とともに詳細に説明する。
本発明の溶接方法は、概略、トラッキング手段3として進退可能または回動可能な接触子30Aまたは30Bを設けて、接合対象Wに対して弾性的に接触させ、ワイヤ供給手段2によって溶接部位に対してフィラーワイヤFを供給すると共にトーチ1によって熱エネルギを付与しつつ、溶接ラインYに倣うように移動させて接合対象Wを互いに接合するものである。
上述したように、トーチ1とコンタクトチップ20がロボット4のアーム40に支持されており、また、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20に設けられたハウジング31内に接触子30Aがその軸方向のみ進退移動できるよう保持されていることにより、接触子30Aは、トーチ1とコンタクトチップ20に対して相対的に左右方向(X方向)に変位不能で、高さ方向(Z方向)に変位することが可能となっている。また、トーチ1と、コンタクトチップ20および接触子30Aを保持したハウジング31とは、共にロボット4のアーム40により左右方向(X方向)に移動可能に支持されている。そのため、ロボット4の駆動により、接触子30Aの先端を接合対象Wに弾性的に押し当てるよう接触させた状態で、アーム40に共に支持されたトーチ1とコンタクトチップ20および接触子30Aとを溶接開始位置から終了位置に向かって移動させると、接触子30Aは接合対象Wの形状に応じた溶接ラインYに沿って移動されることとなる。そして、トーチ1とコンタクトチップ20は、接触子30Aと相対的に左右方向(X方向)に変位不能であるため、接触子30Aと同様に接合対象Wの形状に応じた溶接ラインYに沿って、すなわち、溶接ラインYに倣って左右方向(X方向)に変位しながら移動されることとなる。
さらに、図3に示すように、接合対象Wの形状によって溶接ラインYが高さ方向(図3における上下Z方向)に変化する場合には、接触子30Aは、その軸方向のみに進退移動を許容するようにハウジング31に保持されていると共にスプリング32Aによって弾性的に付勢されているため、溶接ラインYの高さZ方向への変化に追従して進退移動し、接合対象Wに常に接触する状態を維持している。したがって、トーチ1とコンタクトチップ20は、溶接ラインYの高さZ方向の変化に影響されることなく溶接ラインYに正確に倣うように移動して、接合対象Wを適切に溶接することができる。
さらに、接触子30Aは、所定の角度で傾斜するよう支持されたコンタクトチップ20に設けられていることにより、その先端を接合対象Wに接触した状態で移動方向前方に向かって傾斜している。そのため、接触子30Aをトーチ1およびコンタクトチップ20と共に移動させるときに、接合対象Wの形状により接触子30Aが引っ掛かることがなく、したがってその移動を妨げられることがない。
次に、本発明の第1の実施の形態における変形例を、図4に基づいて説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
上述した実施の形態においては、接触子30Aが進退可能に設けられていたのに対し、この実施の形態においては、接触子30Bを回動可能に設けている。
コンタクトチップ20には、ブラケット33が設けられており、接触子30Bの基端部または中間部には回動軸34が設けられており、回動軸34が溶接ラインYに対して直交する方向に延在するようブラケット33に回動可能に枢支されている。そして、回動軸34にはスプリング32Bが設けられており、スプリング32Bの一端はブラケット33に設けられたストッパ35に係合されており、これにより、接触子32Bは、トーチ1とコンタクトチップ20に対して相対的に左右方向に変位不能で、その先端が接合対象Wに弾性的に押し当てられるように回動付勢されており、移動方向Y前方に傾斜している。
このように構成された溶接装置では、図4に鎖線で示すように、溶接ラインYが高さZ方向に変化した場合であっても、接触子30Bの先端が接合対象Wに弾性的に押し当てられるように付勢されているため、溶接ラインYの高さZ方向への変化に追従して回動し、接合対象Wに常に接触する状態を維持している。したがって、トーチ1とコンタクトチップ20は、溶接ラインYの高さZ方向の変化に影響されることなく溶接ラインYに正確に倣うように移動して、接合対象Wを適切に溶接することができる。そして、先端が接合対象Wに接触した状態で移動方向前方に傾斜しているため、接触子30Bをトーチ1およびコンタクトチップ20と共に移動させるときに、接合対象Wの形状により接触子30Bが引っ掛かることがなく、したがってその移動を妨げられることがない。
なお、本発明は、接合対象Wを溶融させないろう付により接合する場合にも適用することができ、また、フィラーワイヤFと共に接合対象Wを溶融させる場合にも適用することができる。また、本発明は、突合せ継手、かど継手、T継手、へり継手、重ね継手などに適用することができる。さらに、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、図5に示すように、MIGアーク溶接に適用することもできる。また、本発明は、図6に示すようなタングステン電極6を有するTIGアーク溶接やプラズマ溶接にも適用することができる。
次に、本発明の溶接装置の第2実施の形態を、図7〜図12に基づいて詳細に説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
本発明の溶接装置は、概略、溶接部位に熱エネルギを付与するトーチ1と、溶接部位にフィラーワイヤFを供給するワイヤ供給手段2と、トーチ1およびワイヤ供給手段2の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるよう制御するトラッキング手段3と、進退可能または回動可能に設けられ接合対象Wに対して弾性的に接触される接触子30Aまたは30Bと、この接触子30Aまたは30Bの変位に基づいて接合対象W間に形成される隙間Sを検出して、この検出された隙間Sに応じてトーチ1による熱エネルギとワイヤ供給手段2によるフィラーワイヤFの供給速度との少なくとも一つを制御する制御手段7とを備えており、ワイヤ供給手段2によって溶接部位にフィラーワイヤFを供給するとともにトーチ1によって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段3によってトーチ1およびワイヤ供給手段2を溶接ラインYに沿って移動させて、接合対象Wを互いに接合するものである。
図7に示すように、トーチ1は、レーザ発振器10から所定の出力で発振されたレーザビームBを照射するものであり、かかるレーザビームBを所定の焦点距離および所定の径で制御可能に照射するためのレンズ群11を備えている。また、ワイヤ供給手段2は、フィラーワイヤFをレーザビームBが照射される溶接部位に供給するコンタクトチップ20を備えている。
接触子30Aは、ほぼ棒状成形されたもので、この実施の形態の場合、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20と隣接して設けられたハウジング31内に保持されており、その軸方向にのみ進退移動可能とされている。そして、接触子30Aの基端とハウジング31との間にはスプリング32Aが介装されており、ハウジング31から接触子30Aが弾性的に突出するよう付勢されている。
図1に参照されるように、トーチ1と、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20および接触子30Aを保持したハウジング31とは、共にロボット4のアーム40に矢印Xで示した左右方向に移動可能に支持されている。トーチ1、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20および接触子30Aの配置は、溶接ラインYの溶接終了位置から開始位置に向かって、接触子30A、ワイヤ供給手段2のコンタクトチップ20、トーチ1の順に並ぶよう配列されている。そして、図8および図9に示した実施の形態では、接合対象Wが屈曲された板材からなり、図8および図9における水平部Wa1、Wa2が高さを異なる状態で接合される。なお、溶接ラインYは、図7においては左右方向に、また、図8および図9においてはその紙面に対して垂直方向に延びている。
この実施の形態においては、図8に示したように、接触子30Aが溶接ラインYに対してほぼ直交する方向であって、低い方の水平部Wa2側に傾斜するよう配置されており、両接合対象Wの溶接部位に弾性的に接触されている。
次に、本発明の溶接方法の第2の実施の形態を、図7〜図9に示したように構成された溶接装置を使用する場合により、その作動とともに詳細に説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
本発明の溶接方法は、概略、ワイヤ供給手段2によって溶接部位にフィラーワイヤFを供給するとともにトーチ1によって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段3によってトーチ1およびコンタクトチップ20を溶接ラインYに沿って移動させて、接合対象Wを互いに接合するもので、進退可能または回動可能に設けられ接合対象Wに対して弾性的に接触される接触子30Aまたは30Bを設け、接触子30Aまたは30Bの変位に基づいて接合対象W間に形成される隙間Sを検出し、検出された隙間Sに応じてトーチ1による熱エネルギとワイヤ供給手段2によるフィラーワイヤFの供給速度との少なくとも一つを制御するものである。
図8および図9の(a)に示すように、接合対象である屈曲された板材Wは、通常、互いの溶接部位が近接するよう位置決め保持される。しかしながら、板材Wの成形精度などにより、図8および図9の(b)に示すように、互いの垂直部Wb1、Wb2が部分的または全体的に離れて隙間Sが生じる場合がある。そこで、この実施の形態では最初に、溶接する前に接触子30Aを両板材Wの溶接部位に弾性的に接触させたときに、接触子30Aの基端面とハウジング31との間の距離Lを検出する。すなわち、図8の(a)に示すように、両板材Wの溶接部位に隙間Sが生じていない状態では、接触子30Aの基端面とハウジング31との間が長さLaであるのに対して、図8の(b)に示すように、両板材Wの溶接部位に隙間Sが生じている状態では、接触子30Aがハウジング31からより突出するよう変位して接触子30Aの基端面とハウジング31との間が距離Lbとなる。
制御手段7では、この検出した距離Lを受けて、図10に示すように、距離Lが大きい場合にはその大きさに応じた隙間Sが生じていると判断して、フィードワイヤFの供給速度を速くして溶接部位に対する単位時間あたりの供給量を増加させることと、レーザビームBの溶接部位での径Dを隙間Sの大きさに応じてDaからDbに拡大し、および/または、レーザビームBの出力を隙間Sの大きさに応じて増大させる。これにより、図9の(b)に示すように、隙間Sが生じた両板材Wの溶接部位には、ビードCに凹みが生じたり穴あきが生じることなく外観が良好となり、適切に両板材Wを溶接することができる。
なお、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、図8に示したように接触子30Aを突出させるよう付勢するスプリング32Aの負荷あるいは圧力を検出することにより、接触子30Aの変位を検出することもできる。
また、本発明は、図8に示したように進退可能に設けられた接触子30Aに替えて、図4に示したように回動可能に設けられた接触子30Bを採用することもできる。この場合においては、接触子30Bの角度やスプリング32Bの負荷などに基づいてその変位を検出することができる。
図11は、接合対象Wを重ねすみ肉溶接する場合において、進退可能な接触子30Aを設けて、両接合対象Wの間に生じた隙間Sを検出する場合を説明するために示したものである。両接合対象Wの間に隙間Sが生じていない場合に、両接合対象Wに接している接触子30Aの位置は実線で示されている。これに対して、両接合対象Wの間に隙間Sが生じている場合に、両接合対象Wに接している接触子30Aの位置は鎖線で示されている。つまり、接合部材Wの間に生じる隙間Sに応じて接触子30Aの位置が異なることとなる。そこで、本発明では、この接触子30Aの突出している長さ或は接触子30Aの基端面とハウジング31との間の距離L、スプリング32Aの負荷など、接触子30Aの位置の変化すなわち変位を検知することにより、接合対象Wの間に生じた隙間Sを検出することとしたのである。
図12は、接合対象Wを重ねすみ肉溶接する場合において、回動可能な接触子30Bを設けて、両接合対象Wの間に生じた隙間Sを検出する場合を説明するために示したものである。両接合対象Wの間に隙間Sが生じていない場合に、両接合対象Wに接している接触子30Bの位置は実線で示されている。これに対して、両接合対象Wの間に隙間Sが生じている場合に、両接合対象Wに接している接触子30Bの位置は鎖線で示されている。つまり、接合部材Wの間に生じる隙間Sに応じて接触子30Bの位置が異なることとなる。そこで、本発明では、この接触子30Bの回動角度θや接触子30Bを付勢しているスプリング32Bの負荷など(図4を参照)、接触子30Bの変位を検知することにより、接合対象Wの間に生じた隙間Sを検出することとしたのである。
さらに、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはない。接合対象Wの間に生じる隙間Sを検出するために、接触子30Aまたは30Bを溶接ラインTに対して直交する方向に傾斜させることは必ずしも必要ではなく、接触子30Aまたは30Bの接合対象Wと接触する部分を想定される最大の隙間Sよりも大きく形成することにより、接触子30Aまたは30Bを接合対象Wの表面に対して鉛直方向に延在させるように設けた場合や、移動方向前方に傾斜させるよう設けた場合などでも、接合対象Wの間に生じる隙間Sを検出することができる。
さらにまた、本発明は、レーザビームBに替えて電子ビームなど他の高エネルギビームを照射する場合にも適用することができ、また、上述した実施の形態と同様に、MIGアーク溶接(図5を参照)や、TIGアーク溶接用あるいはプラズマ溶接(図6を参照)に採用することもできる。接触子30A、30Bは、スプリング30A、32Bによって付勢することにより接合対象Wに対して弾性的に接触するよう構成する場合に限定されることなく、たとえば接触子30A、30Bの自重などによって進退または回動することにより接合対象Wに対して弾性的に接触するよう構成することもできる。
本発明の溶接装置を説明するために概略で示した横方向から見た状態の図(A)とその進行方向正面から見た図(B)である。 本発明の溶接装置のトラッキング手段の要部を説明するために示した側面図である。 溶接ラインが高さ方向に変化する場合に、本発明による溶接装置が適応する状態を説明するために示した側面図である。 本発明の溶接装置の、図2とは別の実施の形態を示した要部側面図である。 本発明にMIGアーク溶接用のトーチを採用した場合を説明するために示した要部側面図である。 本発明にTIGアーク溶接用あるいはプラズマ溶接用のトーチを採用した場合を説明するために示した要部側面図である。 本発明の接合対象に生じた隙間を検出することが可能な溶接装置を説明するために示した概略図である。 接触子によって隙間を検出する状態を説明するための図である。 検出された隙間に応じて溶接されたビードの状態を示した図である。 検出された隙間と、トーチの出力、または、ワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度の制御との関係を説明するために示したグラフである。 重ねすみ肉溶接される接合対象の隙間を、進退可能に設けられた接触子により検出する状態を示した説明図である。 重ねすみ肉溶接される接合対象の隙間を、回動可能に設けられた接触子により検出する状態を示した説明図である。 フィラーワイヤを用いてトラッキングさせる従来の技術を説明するために概略で示した横方向から見た状態の図(A)とその進行方向正面から見た図(B)である。 接触子が固定された従来の技術を示した説明図である。
符号の説明
B:レーザビーム、 F:フィラーワイヤ、 W:接合対象、 Y:溶接ライン、 C:ビード、 S:隙間、 D:レーザビームの径、 1:トーチ、 2:ワイヤ供給手段、 3:トラッキング手段、 30A:進退可能に設けられた接触子、 30B:回動可能に設けられた接触子、 7:制御手段、 20:コンタクトチップ

Claims (4)

  1. 溶接部位に熱エネルギを付与するトーチと、溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段と、トーチおよびワイヤ供給手段の移動軌跡を溶接ラインに倣わせるトラッキング手段とを備えており、ワイヤ供給手段によって溶接部位にフィラーワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接装置であって、
    トラッキング手段が、棒状に成形されてなり接合対象に対して弾性的に接触される接触子を有しており、該接触子は、前記ワイヤ供給手段に設けられており、且つ、該ワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能に設けられていることを特徴とする溶接装置。
  2. さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出して、該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. ワイヤ供給手段によって溶接部位にワイヤを供給するとともにトーチによって熱エネルギを付与しつつ、トラッキング手段によってトーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させて、接合対象を互いに接合する溶接方法であって、
    トラッキング手段として、棒状に成形されてなり溶接部位にフィラーワイヤを供給するワイヤ供給手段に対して進退可能または回動可能な接触子を、ワイヤ供給手段に設け、
    進退可能または回動可能な接触子を接合対象に対して弾性的に接触させることにより、トーチおよびワイヤ供給手段を溶接ラインに沿って移動させることを特徴とする溶接方法。
  4. さらに、前記接触子の前記ワイヤ供給手段に対する進退または回動の変位に基づいて接合対象間に形成される隙間を検出し、
    該検出された隙間に応じてトーチによる熱エネルギとワイヤ供給手段によるフィラーワイヤの供給速度との少なくとも一つを制御することを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
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