JP5131423B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二つのモータを備えた電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用のパワーステアリング装置には、モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置(EPS)があり、こうしたEPSには、油圧式のパワーステアリング装置と比較して、レイアウト自由度が高く、且つエネルギー消費量が小さいという特徴がある。このため、近年では、小型車両のみならず大型車両においても、EPSの採用が検討されるようになっており、これに対応すべく、その出力性能の更なる向上が強く求められている。
ところが、現実には、EPSアクチュエータを設置可能な車両スペースは限られており、特に、所謂ラック型やピニオン型のEPSにおいては、その駆動源であるモータを大型化する余地は、既にほとんど残されていないのが実情である。そして、比較的設置スペースに余裕のあるコラム型のEPSについても、その大出力化に対応すべくステアリングシャフトを強化することによって大幅な重量増を招くという問題がある。
そこで、従来、二つのモータを駆動源として用い、一方のモータによってラック軸にアシスト力を付与するとともに、他方のモータによってステアリングシャフトにアシスト力を付与するEPSが提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、このようなEPSを採用することで、設置スペースや重量増の問題を回避しつつ大出力化に対応することが可能になるとともに、冗長性を確保して高い信頼性を確保することができるようになる。
しかしながら、二つモータを駆動源とした場合、その制御上の位相を一致させることが難しく、当該位相のずれにより両モータの制御が互いに干渉するおそれがある。特に、上記のように、一方がラック軸をアシストし他方がステアリングシャフトをアシストする構成では、ステアリングシャフトの捩れ等により、両者の位相を一致させることが難しい。
そこで、更に、二つのモータのうちの何れか一方をメインモータとし、要求されるアシスト力が小さい領域においては、このメインモータのみによりアシスト力を発生させる構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、メインモータの対応範囲においては、サブモータによるアシスト力付与を行わず、メインモータの対応範囲を超える領域でのみ、二つのモータによってアシスト力付与を行う。そして、これにより、上記のような相互干渉の発生の抑制を図るのである。
特開2004−82798号公報 特開2004−32941号公報
ところで、EPSにおいては、多くの場合、その駆動源であるモータには、小型高出力という特徴を有する永久磁石型モータ(BLDC等)が採用されている。そして、各モータへの電力供給は、目標アシスト力に対応する電流指令値に実電流値を追従させるべく、電流フィードバック制御を実行することにより行われる。
しかしながら、このような永久磁石型モータには、回転により生ずる逆起電力に基づく回生ブレーキ作用があり、上記のように二つのモータの何れか一方をメインモータとする構成では、当該メインモータのみによるアシスト付与時、サブモータに生ずる回生ブレーキ作用が問題となる。即ち、メインモータによるアシスト付与時には、サブモータは、従動的に回転することになり、当該サブモータには、その回転に基づく回生ブレーキ作用が発生する。もちろん、非アシスト力付与時においても、サブモータ側の電流フィードバック制御は、電流指令値を「0」として継続されるため、当該サブモータには、その従動的回転に伴い生ずる回生電流を打ち消すような電流が通電される。しかし、こうしたフィードバック制御には追従遅れが存在することから、当該追従遅れの存在により打ち消すことのできない回生電流がこうした回生ブレーキ作用を引き起こすのである。このため、上記従来の構成では、メインモータのみによるアシスト付与時、サブモータに生ずる回生ブレーキ作用が、所謂引っ掛かり感となって操舵フィーリングに影響を与えるおそれがあり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、非アシスト付与側のモータに生ずる回生ブレーキ作用を抑制して良好な操舵フィーリングを実現することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ラック軸にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与すべく設けられた第1の操舵力補助装置と、ステアリングシャフトに前記アシスト力を付与すべく設けられた第2の操舵力補助装置と、対応する前記各操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより該各操舵力補助装置の作動を制御する第1及び第2の制御手段とを備え、前記各制御手段は、目標アシスト力に対応する電流指令値に実電流値を追従させるべく、電流フィードバック制御により、対応する各操舵力補助装置のモータへの駆動電力の供給を行うとともに、前記第1及び第2の操舵力補助装置のうちの何れか一方が主操舵力補助装置、他方が副操舵力補助装置として位置付けられ、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、該主操舵力補助装置により前記アシスト力を付与し、前記副操舵力補助装置は、前記主操舵力補助装置の対応範囲を超える場合に前記アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置であって、前記各制御手段のうち前記副操舵力補助装置に対応する制御手段は、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、副操舵力補助装置のモータに生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分を演算し、該回生電流補償成分を前記電流指令値とすること、を要旨とする。
即ち、電流フィードバック制御には追従遅れが存在するため、非アシスト力付与時、電流指令値を「0」とするだけでは、副操舵力補助装置のモータに生ずる回生電流を有効に打ち消すことができない。この点、上記構成のように、モータに生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分を演算し、当該回生電流補償成分を電流指令値とすることで、速やかに、モータに生ずる回生電流を打ち消すことができる。そして、これにより、副操舵力補助装置のモータにおける回生ブレーキ作用の発生を抑制して良好な操舵フィーリングを確保することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記副操舵力補助装置に対応する制御手段は、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、オープンループ制御により前記駆動電力の供給を行うこと、を要旨とする。
即ち、回生電流補償成分を電流指令値とするフィードフォワード的な制御により、モータに生ずる回生電流を速やかに打ち消すことができるものの、その後に行われるフィードバック制御の追従遅れ自体は完全には排除することはできない。しかしながら、オープンループ制御によりモータ制御信号の出力を行うこととすれば、こうした追従遅れの問題を解消することができる。加えて、主操舵力補助装置側のモータ制御との相互干渉もまた、より起こりにくくなる。
本発明によれば、非アシスト付与側のモータに生ずる回生ブレーキ作用を抑制して良好な操舵フィーリングを実現することが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。具体的には、本実施形態のステアリングシャフト3は、自在継手7a,7bを介して、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなり、上記ラックアンドピニオン機構4は、ピニオンシャフト10の一端に形成されたピニオン歯10aとラック軸5側のラック歯5aとを噛合させることにより構成される。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角、即ち車両の進行方向が変更されるように構成されている。
本実施形態のEPS1は、上記のように構成された操舵系に対し、ステアリング操作を補助するアシスト力を発生させるための駆動源として複数(二つ)のモータ21,22を有している。具体的には、EPS1は、モータ21を駆動源としてラック軸5にアシスト力を付与する第1の操舵力補助装置としてのラックアクチュエータ23と、モータ22を駆動源としてコラムシャフト8にアシスト力を付与する第2の操舵力補助装置としてのコラムアクチュエータ24とを備えている。
詳述すると、本実施形態では、ラックアクチュエータ23は、駆動源であるモータ21と、ボール螺子機構26とを備えており、モータ21のモータトルクをボール螺子機構26により軸方向の押圧力に変換してラック軸5に伝達する。そして、そのモータトルクによってラック軸5を軸方向に移動させることにより同ラック軸5にアシスト力を付与するように構成されている。
一方、コラムアクチュエータ24は、駆動源であるモータ22と、変速機構(ウォーム&ホイール)27とを備えて構成されている。そして、コラムアクチュエータ24は、モータ22のモータトルクを、変速機構27を介してコラムシャフト8に伝達することにより、同コラムシャフト8(ステアリングシャフト3)にアシスト力を付与するように構成されている。
また、本実施形態のEPS1は、ラックアクチュエータ23の作動を制御する第1の制御手段としてのラックECU31、及びコラムアクチュエータ24の作動を制御する第2の制御手段としてのコラムECU32を備えている。
本実施形態では、ステアリングシャフト3(コラムシャフト8)には、トルクセンサ35が設けられており、ラックECU31及びコラムECU32には、このトルクセンサ35により検出された操舵トルクτが入力される。加えて、ラックECU31及びコラムECU32には、車速センサ37により検出された車速Vが入力される。尚、本実施形態では、ラックECU31及びコラムECU32は、図示しない車内ネットワークを介して相互通信を行う。そして、ラックECU31及びコラムECU32は、これらの状態量に基づいて、目標アシスト力を演算し、当該目標アシスト力に応じた駆動電力を各モータ21,22に供給する。尚、本実施形態では、ラックアクチュエータ23及びコラムアクチュエータ24のモータ21,22には、ブラシレスモータが採用されており、ラックECU31及びコラムECU32は、各モータ21,22に対して三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。そして、各ラックECU31及びコラムECU32は、その駆動電力の供給を通じて、対応するラックアクチュエータ23及びコラムアクチュエータ24に上記の目標アシスト力を発生させるべく、その作動を制御する。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図2は、本実施形態のEPSの制御ブロック図である。尚、以下に示す各制御ブロックは、後述するマイコン41,42が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
同図に示すように、ラックECU31及びコラムECU32は、それぞれ、モータ制御信号を出力するマイコン41,42と、そのモータ制御信号に基づいて、対応する各アクチュエータの駆動源であるモータ21,22に駆動電力を供給する駆動回路43,44とを備えて構成されている。
本実施形態では、ラックECU31及びコラムECU32には、各モータ21,22に通電される実電流値I_r,I_cを検出するための電流センサ45,46、及び各モータ21,22の回転角θm_r,θm_cを検出するための回転角センサ47,48が接続されている。そして、各マイコン41,42は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ21,22の実電流値I_r,I_c及び回転角θm_r,θm_c、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、駆動回路43,44にモータ制御信号を出力する。
詳述すると、各マイコン41,42は、それぞれが対応するラックアクチュエータ23及びコラムアクチュエータ24に発生させるべき目標アシスト力に対応した電流指令値I_r*,I_c*を演算する電流指令値演算部51,52と、電流指令値演算部51,52により算出された電流指令値I_r*,I_c*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部53,54とを備えている。
本実施形態では、各電流指令値演算部51,52は、目標アシスト力の基礎的制御成分である基本アシスト成分Ias_r*,Ias_c*を演算するアシスト制御演算部55,56を備えており、該各アシスト制御演算部55,56は、操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、基本アシスト成分Ias_r*,Ias_c*を演算する。具体的には、各アシスト制御演算部55,56は、検出される操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな基本アシスト成分Ias_r*,Ias_c*を演算する。そして、各電流指令値演算部51,52は、この基本アシスト成分Ias_r*,Ias_c*に基づいて、目標アシスト力に対応する電流指令値I_r*,I_c*を演算し、これを各モータ制御信号出力部53,54に出力する。
各モータ制御信号出力部53,54には、各電流指令値演算部51,52が出力する電流指令値I_r*,I_c*とともに、各電流センサ45,46により検出された実電流値I_r,I_c、及び回転角センサ47,48により検出された回転角θm_r,θm_cが入力される。そして、各モータ制御信号出力部53,54は、目標アシスト力に対応する電流指令値I_r*,I_c*に実電流値I_r,I_cを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算し、これを駆動回路43,44に出力する。
具体的には、本実施形態では、各モータ制御信号出力部53,54は、実電流値I_r,I_cとして検出された各モータ21,22の各相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、各電流指令値I_r*,I_c*は、q軸電流指令値として各モータ制御信号出力部53,54に入力され、各モータ制御信号出力部53,54は、回転角センサ47,48により検出された回転角θm_r,θm_cに基づいて各相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部53,54は、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより各相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該各相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、ラックECU31及びコラムECU32は、その各マイコン41,42が、そのモータ制御信号出力部53,54において演算されたモータ制御信号を各駆動回路43,44に出力し、各駆動回路43,44が、その当該モータ制御信号に基づく三相の駆動電力を各モータ21,22に供給することにより、対応する各アクチュエータの作動を制御する構成となっている。
さて、上述のように、駆動源として二つのモータを有するEPSにおいては、これら二つのモータ制御の相互干渉、及びそれに伴う操舵フィーリングの悪化を抑制することが重要な課題となる。
この点を踏まえ、本実施形態のEPS1では、ラックアクチュエータ23がメインアクチュエータ、コラムアクチュエータ24がサブアクチュエータとして位置付けられている。即ち、本実施形態では、要求されるアシスト力が、メインアクチュエータ、即ち主操舵力補助装置であるラックアクチュエータ23の対応範囲内にある場合には、ラックアクチュエータ23のみにより、操舵系へのアシスト力の付与を行う。そして、サブアクチュエータ、即ち副操舵力補助装置であるコラムアクチュエータ24は、要求されるアシスト力が、ラックアクチュエータ23の対応範囲を超える場合に、ラックアクチュエータ23とともに操舵系へのアシスト力の付与を行うように構成されている。
詳述すると、本実施形態では、コラムECU32側のマイコン42には、ラックアクチュエータ23の駆動源であるモータ21に通電される実電流値I_rが入力されるようになっている。そして、本実施形態では、マイコン42の電流指令値演算部52は、検出される操舵トルクτが所定の閾値よりも小さい、又はモータ21に通電される実電流値I_rが所定の閾値よりも小さい場合には(τ<τ0、又はI_r<I0)、アシスト制御演算部56により演算された基本アシスト成分Ias_c*に基づく電流指令値I_c*の演算を行わない。即ち、本実施形態では、ラックアクチュエータ23の対応範囲は、操舵トルクτ及びモータ21の実電流値I_rにより規定されている。そして、電流指令値演算部52は、上記判定によりラックアクチュエータ23の対応範囲を超えた場合(τ≧τ0、且つI_r≧I0)に、アシスト制御演算部56により演算された基本アシスト成分Ias_c*に基づく電流指令値I_c*の演算を実行する。
また、本実施形態では、電流指令値演算部52は、ラックアクチュエータ23のみによるアシスト力付与時、コラムアクチュエータ24のモータ22が従動的に回転することにより生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分Ireg*を演算する回生電流補償制御演算部57を備えている。具体的には、回生電流補償制御演算部57には、モータ22のモータ回転速度ωm_cが入力されるようになっており、回生電流補償制御演算部57は、入力されるモータ回転速度ωm_cが速いほど、より大きな値(絶対値)の回生電流補償成分Ireg*を演算する(図3参照)。そして、電流指令値演算部52は、ラックアクチュエータ23のみによるアシスト力付与時には、この回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*として出力するように構成されている。
即ち、モータ制御信号出力部54において行われる電流フィードバック制御には追従遅れが存在するため、非アシスト力付与時、電流指令値I_c*を「0」とするだけでは、コラムアクチュエータ24のモータ22に生ずる回生電流を有効に打ち消すことができない。この点、上記のように、モータ22に生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分Ireg*を演算し、当該回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とすることで、速やかに、モータ22に生ずる回生電流を打ち消すことができる。そして、これにより、モータ22における回生ブレーキ作用の発生を抑制して良好な操舵フィーリングを確保する構成となっている。
次に、コラムECU32側のマイコン42におけるモータ制御信号出力の処理手順について説明する。
図4のフローチャートに示すように、マイコン42は、各状態量として操舵トルクτ、車速V、モータ回転速度ωm_c、及び実電流値I_c,I_rを取得すると(ステップ101)、先ず、要求されるアシスト力がラックアクチュエータ23の対応範囲を超えるか否かを判定する。具体的には、マイコン42は、検出される操舵トルクτが所定の閾値τ0以上、且つラックアクチュエータ23の駆動源であるモータ21の実電流値I_rが所定の閾値I0以上であるかを判定する(ステップ102)。そして、ラックアクチュエータ23の対応範囲を超えると判定した場合(τ≧τ0且つI_r≧I0、ステップ102:YES)には、操舵トルクτ及び車速Vに応じて演算される基本アシスト成分Ias_c*に基づいて電流指令値I_c*を演算する(ステップ103)。
一方、上記ステップ102において、ラックアクチュエータ23の対応範囲内であると判定した場合(τ<τ0、又はI_r<I0、ステップ102:NO)、マイコン42は、コラムアクチュエータ24の駆動源であるモータ22のモータ回転速度ωm_cに基づき演算される回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とする(ステップ104)。そして、マイコン42は、上記ステップ104又はステップ105において演算された電流指令値I_c*に基づく電流フィードバック制御を実行することにより、モータ制御信号を出力する(ステップ105)
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
ラックアクチュエータ23はメインアクチュエータ、コラムアクチュエータ24はサブアクチュエータとして位置付けられ、要求されるアシスト力がラックアクチュエータ23の対応範囲内にある場合には、ラックアクチュエータ23のみによりアシスト力の付与が行われる。そして、コラムアクチュエータ24の作動を制御するコラムECU32(のマイコン42)は、当該ラックアクチュエータ23のみによるアシスト力付与時、コラムアクチュエータ24のモータ22に生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分Ireg*を演算し、当該回生電流補償成分Ireg*をモータ22に供給する駆動電力の電流指令値I_c*とする。
即ち、モータ制御信号出力部54において行われる電流フィードバック制御には追従遅れが存在するため、非アシスト力付与時、電流指令値I_c*を「0」とするだけでは、コラムアクチュエータ24のモータ22に生ずる回生電流を有効に打ち消すことができない。この点、上記構成のように、モータ22に生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分Ireg*を演算し、当該回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とすることで、速やかに、モータ22に生ずる回生電流を打ち消すことができる。そして、これにより、モータ22における回生ブレーキ作用の発生を抑制して良好な操舵フィーリングを確保することができるようになる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、EPS1は、ラックアクチュエータ23の作動を制御する第1の制御手段としてのラックECU31、及びコラムアクチュエータ24の作動を制御する第2の制御手段としてのコラムECU32を備えることとした。しかし、これに限らず、ラックアクチュエータ23及びコラムアクチュエータ24を一のECUにより制御する構成に適用してもよい。即ち、第1及び第2の制御手段は、物理的に別体である必要はない。
・本実施形態では、本発明を、ステアリングシャフト3にアシスト力を付与する操舵力補助装置として、コラムシャフト8にアシスト力を付与するコラムアクチュエータ24を備えたEPS1に具体化した。しかし、これに限らず、ステアリングシャフト3にアシスト力を付与する操舵力補助装置として、ピニオンシャフトにアシスト力を付与するピニオン型のEPSアクチュエータを備えたもの具体化してもよい。
・本実施形態では、ラックアクチュエータ23がメインアクチュエータ、コラムアクチュエータ24がサブアクチュエータとして位置付けられることとした。しかし、これに限らず、コラムアクチュエータ24をメインアクチュエータとして位置づけたものに適用してもよい。
・本実施形態では、要求されるアシスト力が、メインアクチュエータであるラックアクチュエータ23の対応範囲内にあるか否かの判定は、検出される操舵トルクτが所定の閾値よりも小さい、又はモータ21に通電される実電流値I_rが所定の閾値よりも小さいか否か(τ<τ0、又はI_r<I0)により行われることとした。しかし、これに限らず、メインアクチュエータの対応範囲内にあるか否かの判定は、例えば、操舵トルクのみに基づいて行う等、その他の方法により行ってもよい。
・更に、本実施形態では、回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とした場合も、基本アシスト成分Ias_c*に基づいて電流指令値I_c*を演算した場合と同様に、電流フィードバック制御によりモータ制御信号の出力を行うこととした。しかし、これに限らず、図5のフローチャートに示すように、回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とした場合(ステップ205)には、オープンループ制御によりモータ制御信号の出力を行う(ステップ206)構成としてもよい。尚、図5のフローチャートにおいて、ステップ201〜ステップ204の処理は、図4に示すフローチャートのステップ101〜ステップ103、及びステップ105の処理を同様であるため、その説明は省略する。
即ち、回生電流補償成分Ireg*を電流指令値I_c*とするフィードフォワード的な制御とすることで、速やかに、モータ22に生ずる回生電流を打ち消すことができるが、その後に行われるフィードバック制御の追従遅れ自体は完全に排除することはできない。しかしながら、オープンループ制御によりモータ制御信号の出力を行うこととすれば、こうした追従遅れの問題を解消することができる。加えて、メインアクチュエータ側のモータ制御との相互干渉もまた、より起こりにくくなる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの制御ブロック図。 回生電流補償成分とモータ回転速度との関係を示す説明図。 モータ制御信号出力の処理手順を示すフローチャート。 別例のモータ制御信号出力の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、3…ステアリングシャフト、5…ラック軸、8…コラムシャフト、10…ピニオンシャフト、12…転舵輪、21,22…モータ、23…ラックアクチュエータ、24…コラムアクチュエータ、31…ラックECU、32…コラムECU、41,42…マイコン、51,52…電流指令値演算部、55,56…アシスト制御演算部、57…回生電流補償制御演算部、I_r,I_c…実電流値、I_r*,I_c*…電流指令値、Ias_r*,Ias_c*…基本アシスト成分、Ireg*…回生電流補償成分。

Claims (2)

  1. ラック軸にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与すべく設けられた第1の操舵力補助装置と、ステアリングシャフトに前記アシスト力を付与すべく設けられた第2の操舵力補助装置と、対応する前記各操舵力補助装置の駆動源であるモータに対して駆動電力を供給することにより該各操舵力補助装置の作動を制御する第1及び第2の制御手段とを備え、前記各制御手段は、目標アシスト力に対応する電流指令値に実電流値を追従させるべく、電流フィードバック制御により、対応する各操舵力補助装置のモータへの駆動電力の供給を行うとともに、前記第1及び第2の操舵力補助装置のうちの何れか一方が主操舵力補助装置、他方が副操舵力補助装置として位置付けられ、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、該主操舵力補助装置により前記アシスト力を付与し、前記副操舵力補助装置は、前記主操舵力補助装置の対応範囲を超える場合に前記アシスト力を付与する電動パワーステアリング装置であって、
    前記各制御手段のうち前記副操舵力補助装置に対応する制御手段は、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、副操舵力補助装置のモータに生ずる回生電流を打ち消すための回生電流補償成分を演算し、該回生電流補償成分を前記電流指令値とすること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記副操舵力補助装置に対応する制御手段は、要求される前記アシスト力が前記主操舵力補助装置の対応範囲内にある場合には、オープンループ制御により前記駆動電力の供給を行うこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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