以下、本発明のインターホン装置を適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるインターホン装置の具体的な構成を示すブロック図である。このインターホン装置には、玄関又は門扉等の住戸外に設置され、来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させるとともに、呼出操作を行った来訪者の映像や住戸外の映像を撮像するための複数の子機、ここでは、2台の子機1a、1bと、個別の伝送路(以下、子機/センサラインという。)L1a、L1bにより子機1a、1bに有線又は無線接続され、住戸外における人の動きを検知するための滞留感知センサ2a、2bと、住戸内に設置され、個別の伝送路(以下、子機/親機ラインという。)L2a、L2bにより有線接続された子機1a、1bからの呼び出しが報知され、この呼び出しに応答した居住者が来訪者との間で通話を成立させるとともに、子機1a、1bにて撮像された映像を出画し、さらには、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が開始された旨又は終了した旨の確認報知、滞留感知センサ2a、2bにて検知される人の動きに異常が発生した旨の警報報知をそれぞれ行うための親機3とが設けられている。
また、子機1a、1bはそれぞれ、その構成として、子機操作部100、カメラ101、子機映像処理部102、子機マイク103、子機スピーカ104、子機音声処理部105、子機電源部106、電圧パターン化部107、子機制御部108、親機接続I/F(以下、親機側子機I/Fという。)109及びセンサ接続I/F(以下、センサ側子機I/Fという。)110が備えられている。
この子機1a、1bにおいて、子機操作部100は、子機制御部108によって操作検出され、住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために操作するものであり、例えば、呼出ボタン100aで構成されている。
カメラ101は、子機制御部108によって制御され、呼出操作を行った来訪者の映像や住戸外の映像を撮像するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像体で構成されている。また、子機映像処理部102は、子機制御部108によって制御され、カメラ101にて撮像された映像の映像信号について、例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
子機マイク103及び子機スピーカ104は、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。また、子機音声処理部105は、子機制御部108によって制御され、子機マイク103及び子機スピーカ104にて入出力される音声(送話音声、受話音声)の音声信号について、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
子機電源部106は、親機3から個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して電源供給されてくる子機電源(子機待受給電、子機本給電)を受電し、子機1a、1bの構成各部に電源供給するためのものである。
電圧パターン化部107は、子機制御部108によって制御され、子機電源部106にて受電される子機電源(子機待受給電)の電圧レベルを、子機操作部100を構成する呼出ボタン100aの操作により生成される呼出信号、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が開始されたことを示す警戒開始信号又は終了したことを示す警戒終了信号、滞留感知センサ2a、2bにて検知される人の動きに異常が発生したことを示す警報信号をそれぞれ判別可能にするために電圧変化させてパターン化するものである。
子機制御部108は、子機1a、1bの構成各部を制御するためのものである。この子機制御部108には、親機3から個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して電源供給されてくる子機電源(子機待受給電、子機本給電)の有無を検知するための電圧監視回路108aと、電圧監視回路108aにて電源供給が有ることを検知したとき、電圧パターン化部107により子機電源の電圧レベルを変化させてパターン化された前述の呼出信号、警戒開始信号、警戒終了信号及び警報信号を、個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して親機3に送信するとともに、親機3から個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して送信されてくる信号(例えば、居住者による応答操作があった旨の応答信号、終話操作があった旨又は通話時間がタイムアップとなった旨の終話信号等)を受信するためのデータ送受信回路(以下、子機データ送受信回路という。)108bとが備えられている。
また、子機制御部108は、電圧監視回路108aにて子機電源(子機本給電)の電源供給が有ることを検知したとき、カメラ101及び子機映像処理部102が能動となるように制御することができる。また、子機制御部108は、親機3の親機操作部300を構成する通話ボタン300aにて応答操作が行われたとき、子機音声処理部105が能動となるように制御する一方、この通話ボタン300aにて終話操作が行われたとき、又は後述する親機制御部312にて計時される所定の通話時間のタイムアップが検出されたとき、子機音声処理部105が非能動となるように制御することができる。さらに、子機制御部108は、子機電源部106から当該子機の構成各部に供給される子機電源(子機待受給電、子機本給電)の電圧レベルを可変させることができる。
親機側子機I/F109は、子機映像処理部102から個別の子機/親機ラインL2a、L2bへの信号伝送路と、子機音声処理部105及び個別の子機/親機ラインL2a、L2b間の双方向の信号伝送路、すなわち、通話路と、個別の子機/親機ラインL2a、L2bから子機電源部106への電源供給路と、子機制御部108(の子機データ送受信回路108a)及び個別の子機/親機ラインL2a、L2b間の双方向の信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものである。
センサ側子機I/F110は、子機制御部108及び個別の子機/センサラインL1a、L1b間の信号伝送路を形成するためのものである。
さらに、親機3には、その構成として、親機操作部300、モニタ301、親機映像処理部302、親機マイク303、親機スピーカ304、親機音声処理部305、親機電源部306、子機電源供給部307、電源供給制限抵抗308a、308b、電源スイッチ309、子機接続切替スイッチ310、電圧検出部311a、311b、親機制御部312及び親機I/F313が備えられている。
この親機3において、親機操作部300は、親機制御部312によって操作検出され、来訪者からの呼び出しに居住者が応答し、親機マイク303及び親機スピーカ304の使用による通話を成立させるとともに、成立中の通話を終了させるために操作を行うものであり、例えば、通話ボタン300aで構成されている。なお、親機操作部300の態様としては、モニタ301の前面に配置されるタッチパネル(図示せず。)も好適である。
モニタ301は、親機制御部312によって制御され、子機1a、1bのカメラ101にて撮像された映像を出画するためのものであり、例えば、LCD、PDP、TFT、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
親機映像処理部302は、親機制御部312によって制御され、来訪者による子機1a、1bからの呼出時にカメラ101にて撮像され、個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して送信されてくる映像信号について、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、モニタ301に出画させるためのものである。
親機マイク303及び親機スピーカ304は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。また、親機スピーカ304は、前述の通話機能のみならず、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を出力する呼出報知機能と、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が開始された旨又は終了した旨の確認音や音声メッセージ等を出力する確認報知機能と、滞留感知センサ2a、2bにて検知される人の動きに異常が発生した旨の警報音や音声メッセージ等を出力する警報報知機能とが備えられており、これらの呼出報知機能、確認報知機能及び警報報知機能は、親機制御部312によって制御されるものである。
親機音声処理部305は、親機制御部312によって制御され、親機マイク303及び親機スピーカ304にて入出力される音声(送話音声、受話音声)の音声信号について、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
親機電源部306は、親機制御部312によって制御され、例えば、商用電源の整流・平滑により親機電源(親機待受給電、親機本給電)を生成し、当該親機の構成各部に供給するためのものである。
子機電源供給部307は、親機制御部312によって制御され、親機電源部306にて生成された親機電源(親機待受給電、親機本給電)の電圧レベルを可変させて、子機電源を生成するためのものである。
電源供給制限抵抗308a、308bはそれぞれ、子機電源供給部307にて生成された子機電源の電圧レベルを降下させ、子機待受給電となるように制御するためのものであり、個別の子機/親機ラインL2a、L2bに接続されている。
電源スイッチ309は、親機制御部312の制御によって切り替えられ、子機電源供給部307にて生成された子機電源(子機本給電)の電源供給ラインを、形成又は遮断するためのものである。
子機接続切替スイッチ310は、親機制御部312の制御によって切り替えられ、個別の子機/親機ラインL2a及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路と、個別の子機/親機ラインL2b及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路とのうち、何れか一方の当該信号伝送路を形成し、他方の信号伝送路は遮断するためのものである。
電圧検出部311aは、子機1aから子機/親機ラインL2aを経由して送信されてくる電圧レベルが変化されパターン化された信号(呼出信号、警戒開始信号、警戒終了信号及び警報信号)を検出し、その検出結果であるパターン情報を親機制御部312に送出するためのものである。また、電圧検出部311bは、子機1bから子機/親機ラインL2bを経由して送信されてくる電圧レベルが変化されパターン化された信号(呼出信号、警戒開始信号、警戒終了信号及び警報信号)を検出し、その検出結果であるパターン情報を親機制御部312に送信するためのものである。
親機制御部312は、親機3の構成各部を制御するためのものである。この親機制御部312には、電圧検出部311a、311bにて検出される電圧変化のパターンを識別するためのパターン識別回路312aと、子機1a、1bから個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して送信されてくる電圧レベルが変化されパターン化された信号を判別し、その信号が呼出信号、警戒開始信号、警戒終了信号及び警報信号のうち何れかの当該信号であるのかを識別するとともに、個別の子機/親機ラインL2a、L2bを経由して子機1a、1bへの信号(例えば、居住者により親機操作部300を構成する通話ボタン300aにて応答操作があった旨の応答信号、終話操作があった旨又は通話時間がタイムアップとなった旨の終話信号等)を送信するためのデータ送受信回路(以下、親機データ送受信回路という。)312bとが備えられている。
また、親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて呼出信号が識別されたとき、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがあることを検出し、その旨の呼出音や音声メッセージ等を親機スピーカ304から出力させることができる。また、親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて警戒開始信号が識別されたとき、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が開始されたことを検出し、その旨の確認音や音声メッセージ等を親機スピーカ304から出力させることができる。また、親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて警戒終了信号が識別されたとき、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が終了したことを検出し、その旨の確認音や音声メッセージ等を親機スピーカ304から出力させることができる。また、親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて警報信号が識別されたとき、滞留感知センサ2a、2bにて検知される人の動きに異常が発生したことを検出し、その旨の警報音や音声メッセージ等を親機スピーカ304から出力させることができる。また、親機制御部312は、親機操作部300を構成する通話ボタン300aにて応答操作が行われたとき、親機音声処理部305が能動となるように制御する一方、この通話ボタン300aにて終話操作が行われたとき、又は所定の通話時間のタイムアップが検出されたとき、親機音声処理部305が非能動となるように制御することができる。
親機I/F313は、個別の子機/親機ラインL2a、L2bから(子機接続切替スイッチ310を経由して)親機映像処理部302への信号伝送路と、親機音声処理部305及び(子機接続切替スイッチ310を経由して)個別の子機/親機ラインL2a、L2b間の双方向の信号伝送路、すなわち、通話路と、子機電源供給部307から(電源スイッチ309及び子機接続切替スイッチ310を経由して)個別の子機/親機ラインL2a、L2bへの電源供給路と、親機制御部312(を構成する親機データ送受信回路312a)及び(子機接続切替スイッチ310を経由して)個別の子機/親機ラインL2a、L2b間の双方向の信号伝送路とをそれぞれ形成するためのものである。
このように構成された本発明の実施例によるインターホン装置において、以下、具体的な動作について、図1のブロック図及び図2(A)、(B)、(C)、(D)の各説明図を参照して説明する。なお、図2(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、子機1a、1b及び親機3の間を有線接続する子機/親機ラインL2a、L2bの当該ライン上に重畳される子機電源の電圧レベルの遷移を示すものである。
図1に示すインターホン装置が待受状態であるとき、親機3の子機接続切替スイッチ310は、子機/親機ラインL2a及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路と、子機/親機ラインL2b及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路とのうち、何れか一方の信号伝送路を形成し、他方の信号伝送路は遮断している。ここでは、子機/親機ラインL2a及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路のみが形成されているものとする。
また、前述の待受状態において、親機3の親機電源部306は、例えば、商用電源の整流・平滑により親機電源を生成し、親機待受給電として当該親機の構成各部に供給している。この電源を受電した子機電源供給部307は、電源供給制限抵抗308a、308bを経由して電源レベルが降下された子機待受給電として、例えば、図2(A)に示すDC10Vの子機電源を、個別の子機/親機ラインL2a、L2bの当該ライン上に重畳させることができる。
さらに、前述の待受状態において、個別の子機/親機ラインL2a、L2bの当該ライン上に重畳された子機待受給電は、子機1a、1bの子機電源部106にて受電された後、この子機電源部106から当該子機の構成各部に供給され、その電圧レベルは、子機制御部108の電圧監視回路108aにて監視されている。
なお、前述の待受状態において、親機3の電源スイッチ309は、親機制御部312によりオフ状態に制御されているものとする。
次に、前述の待受状態における動作(以下、第1の動作という。)として、住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために、子機1a、1bのうち、ここでは、子機1aの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作すると、この呼出操作を検出した子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(A)に示す第1のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
親機3の電圧検出部311aは、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが、図2(A)に示す第1のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下されたことを検出し、この電圧降下のパターン情報を親機制御部312に送信する。
親機3の親機制御部312において、パターン識別回路312aは、電圧検出部311aからのパターン情報が入力されたとき、来訪者による子機1aからの呼び出しがあること、又は滞留感知センサ2aにて検知される人の動きに異常が発生したことのうち、何れかの状態であると認識はできるものの、その特定はできない。そこで、親機制御部312は、電源スイッチ309がオン状態となるように制御し、子機本給電として、子機電源供給部307への制御により電圧レベルを上昇させた例えば、図2(A)に示すDC20Vの子機電源を、オン状態の電源スイッチ309、親機I/F313、子機接続切替スイッチ310を経由して子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳させることができる。
このとき、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳された図2(A)に示すDC20Vの子機本給電は、子機1aの子機電源部106にて受電されることにより、その電圧レベルを子機制御部108の電圧監視回路108aが検出し、子機データ送受信回路108bから親機側子機I/F109、子機/親機ラインL2a、親機3の子機接続切替スイッチ310、親機I/F313を経由して親機制御部312の親機データ送受信回路312bへと呼出信号が送信される。
親機3の親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて受信された呼出信号をもとに、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを検出し、その旨の呼出報知を、親機スピーカ304を使用して行うことができる。また、親機制御部312は、親機電源部306への制御により電圧レベルが上昇された親機本給電を生成させるとともに、モニタ301及び親機映像処理部302が能動となるように制御し、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出報知を、モニタ301を使用して行うこともできる。
また、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳された図2(A)に示すDC20Vの子機本給電が子機1aの子機電源部106にて受電されると、この子機電源部106からの電源供給が動作電源となるカメラ101及び子機映像処理部102が子機制御部108によって能動となり、呼出操作を行った来訪者の映像や住戸外の映像の撮像がカメラ101にて開始され、この撮像された映像の映像信号は、子機映像処理部102、子機側親機I/F109、子機/親機ラインL2a、親機3の子機接続切替スイッチ310、親機I/F313、親機映像処理部302を経由して適宜に信号処理された後、モニタ301へと送信され出画されることなる。
なお、親機3のモニタ301及び親機スピーカ304を使用した呼出報知、モニタ301に出画された映像をもとに、来訪者による子機1aからの呼び出しを当該来訪者の識別と併せて確認できた居住者は、通話を成立させるために親機操作部300を構成する通話ボタン300aを操作すると、この応答操作を検出した親機制御部312及び子機1aの子機制御部108の制御(詳述せず。)により、居住者が使用する親機マイク303及び親機スピーカ304と、親機音声処理部305、親機I/F313、子機接続切替スイッチ310、子機/親機ラインL2a、子機1aの親機側子機I/F109、子機音声処理部105を経由して来訪者が使用する子機マイク103及び子機スピーカ104との間の信号伝送路、すなわち、通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声信号を送受信させることで通話が成立する。
また、前述の通話時において、子機1aの子機電源部106には、親機3の子機電源供給部307からの電源供給として、図2(A)に示すDC20Vの子機本給電が継続しているものとする。
さらに、前述の通話路は、通話を終了させるために親機3の親機操作部300を構成する通話ボタン300aを居住者が再度操作する、又は前述の応答操作を検出してから親機制御部312にて計時が開始される所定の通話時間がタイムアップになるまで継続されるものである。
なお、前述までの第1の動作説明では、待受状態において住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたり、子機1aの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作した場合について説明したが、この態様に限定されず、子機1bの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作した場合についても、子機/親機ラインL2aを経由して有線接続される子機1a及び親機3の間で呼び出し、通話の動作が予め行われていない限り、同様な動作が行われることになる。
次に、前述の待受状態における動作(以下、第2の動作という。)として、滞留感知センサ2a、2bのうち、ここでは、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が開始されると、この動作開始をセンサ側子機I/F110を経由して検出した子機1aの子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(B)に示すように、前述の第1の動作時(呼出時)における第1のパターンとは異なる第2のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
親機3の電圧検出部311aは、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが、図2(B)に示す第2のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下されたことを検出し、この電圧降下のパターン情報を親機制御部312に送信する。
親機3の親機制御部312において、パターン識別回路312aは、電圧検出部311aからのパターン情報が入力されたとき、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が開始されたこと、又はその検知動作が終了したことのうち、何れかの状態であると認識はできるものの、その特定はできない。そこで、親機制御部312は、電源スイッチ309がオン状態となるように制御し、子機本給電として、子機電源供給部307への制御により電圧レベルを上昇させた例えば、図2(B)に示すDC20Vの子機電源を、オン状態の電源スイッチ309、親機I/F313、子機接続切替スイッチ310を経由して子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳させることができる。
このとき、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳された図2(B)に示すDC20Vの子機本給電は、子機1aの子機電源部106にて受電されることにより、その電圧レベルを子機制御部108の電圧監視回路108aが検出し、子機データ送受信回路108bから親機側子機I/F109、子機/親機ラインL2a、親機3の子機接続切替スイッチ310、親機I/F313を経由して親機制御部312の親機データ送受信回路312bへと警戒開始信号が送信される。
親機3の親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて受信された警戒開始信号をもとに、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が開始されたことを検出し、その旨の確認報知を、親機スピーカ304を使用して行うことができる。
なお、前述までの第2の動作説明では、待受状態において、滞留感知センサ2a、2bのうち、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が開始されたときの動作について説明したが、この態様に限定されず、滞留感知センサ2bにて人の検知動作が開始されたときの動作についても、同様に行われることになる。
また、前述までの第2の動作説明では、待受状態において、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が開始されたときの動作について説明したが、この検知動作が一定時間内継続し、その後、終了したときには、第2の動作説明と同一の図2(B)に示す第2のパターンで、子機/親機ラインL2a、L2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが降下し、これを検出した親機3の親機制御部32の制御により子機1a、1bへと子機本給電が行われる。これにより、子機1a、1bの子機制御部108を構成する子機データ送受信回路108aから親機3の親機制御部312を構成する親機データ送受信回路312bへと警戒終了信号が送信され、この警戒終了信号を検出した親機制御部312の制御によって、滞留感知センサ2a、2bにて人の検知動作が終了した旨の確認報知を、親機スピーカ304を使用して行うことができる。
次に、第3の動作として、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が継続して行われている状態において、検知される人が例えば、泥棒等の不審者で、その動作に異常が検知されると、この異常検知をセンサ側子機I/F110を経由して検出した子機1aの子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(A)に示すように、前述の第1の動作時(呼出時)における第1のパターンと同一のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
親機3の電圧検出部311aは、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが、図2(A)に示す第1のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下されたことを検出し、この電圧降下のパターン情報を親機制御部312に送信する。
親機3の親機制御部312において、パターン識別回路312aは、電圧検出部311aからのパターン情報が入力されたとき、来訪者による子機1aからの呼び出しがあること、又は滞留感知センサ2aにて検知される人の動きに異常が発生したことのうち、何れかの状態であると識別はできるものの、その特定はできない。そこで、親機制御部312は、電源スイッチ309がオン状態となるように制御し、子機本給電として、子機電源供給部307への制御により電圧レベルを上昇させた例えば、図2(A)に示すDC20Vの子機電源を、オン状態の電源スイッチ309、親機I/F313、子機接続切替スイッチ310を経由して子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳させることができる。
このとき、子機/親機ラインL2aの当該ライン上に重畳された図2(A)に示すDC20Vの子機本給電は、子機1aの子機電源部106にて受電されることにより、その電圧レベルを子機制御部108の電圧監視回路108aが検出し、子機データ送受信回路108bから親機側子機I/F109、子機/親機ラインL2a、親機3の子機接続切替スイッチ310、親機I/F313を経由して親機制御部312の親機データ送受信回路312bへと警報信号が送信される。
親機3の親機制御部312は、親機データ送受信回路312bにて受信された警報信号をもとに、滞留感知センサ2aにて検知される人の動きに異常が発生したことを検出し、その旨の警報報知を、親機スピーカ304を使用して行うことができる。
なお、前述までの第3の動作説明では、滞留感知センサ2aにて人の検知動作が継続して行われている状態において、滞留感知センサ2aにて検知される人の動きに異常があったときの動作について説明したが、この態様に限定されず、滞留感知センサ2bにて人の検知動作が継続して行われている状態において、滞留感知センサ2bにて検知される人の動きに異常があったときの動作についても同様に行われることになる。
次に、前述の第1の動作で明らかな子機1aの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作した来訪者と住戸内に在室中の居住者との間で通話が成立している場合の動作(以下、第4の動作という。)として、別途の来訪者が、子機1bの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作すると、この呼出操作を検出した子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(C)に示すように、前述の第1、第3の各動作時(呼出時、異常検知時)における第1のパターンと同一のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
同様に、前述の第1の動作で明らかな子機1aの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作した来訪者と住戸内に在室中の居住者との間で通話が成立している場合の動作(以下、第5の動作という。)として、滞留感知センサ2bにて人の検知動作が継続して行われており、検知される人が例えば、泥棒等の不審者で、その動作に異常が検知されると、この異常検知をセンサ側子機I/F110を経由して検出した子機1bの子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(C)に示すように、前述の第1、第3、第4の各動作時(呼出時、異常検知時)における第1のパターンと同一のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
親機3の電圧検出部311aは、子機/親機ラインL2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが、図2(C)に示す第1のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下されたことを検出し、この電圧降下のパターン情報を親機制御部312に送信する。
親機3の親機制御部312において、パターン識別回路312aは、電圧検出部311bからのパターン情報が入力されたとき、通話が成立している子機1aを使用した来訪者とは異なる別途の来訪者による子機1bからの呼び出しがあること、又は滞留感知センサ2bにて検知される人の動きに異常が発生したことのうち、何れかの状態であるとの認識について、子機接続切替スイッチ310のスイッチング状態、すなわち、子機/親機ラインL2a及び親機I/F313間の双方向の信号伝送路を形成するスイッチング状態を保持しつつ、また、子機電源供給部307から子機1aへの図2(A)、(B)に示すDC20Vの子機本給電の電源供給を保持した状態で行うことができる。これにより、親機制御部312は、子機/親機ラインL1aを経由して有線接続された子機1a及び親機3の間で成立中の通話動作を停止させることなく、さらには、子機1bへの子機本給電をせず省電力化が図られた状態で、親機スピーカ303の使用による呼出報知を行うことにより、通話が成立している子機1aを使用した来訪者とは異なる別途の来訪者による子機1bからの呼び出しがあること、又は滞留感知センサ2bにて検知される人の動きに異常が発生したことの報知が同一のパターンで行われることになる。
次に、前述の第1の動作で明らかな子機1aの子機操作部100を構成する呼出ボタン100aを操作した来訪者と住戸内に在室中の居住者との間で通話が成立している場合の動作(以下、第6の動作という。)として、滞留感知センサ2bにて人の検知動作が開始される、又は検知動作が終了すると、この動作開始又は動作終了をセンサ側子機I/F110を経由して検出した子機1bの子機制御部108は、電圧パターン化部107を制御して、子機/親機ラインL2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルを所定のパターンで降下させる。例えば、図2(D)に示すように、前述の第2の動作時(動作開始時)における第2のパターンと同一のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下させることができる。
親機3の電圧検出部311bは、子機/親機ラインL2bの当該ライン上に重畳されている子機待受給電の電圧レベルが、図2(D)に示す第2のパターンでDC10VからDC2.5Vに降下されたことを検出し、この電圧降下のパターン情報を親機制御部312に送信する。
親機3の親機制御部312において、パターン識別回路312aは、電圧検出部311bからのパターン情報が入力されたとき、滞留感知センサ2bにて人の検知動作が開始されたこと、又は検知動作が終了したことを識別できるものの、その識別結果についての確認報知は、子機/親機ラインL1aを経由して有線接続された子機1a及び親機3の間で成立中の通話動作を保持させることと比較して優先度が低いため、当該確認報知が行われることはない。
本発明のインターホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成のインターホン装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。例えば、複数の子機は、2台の子機1a、1bに限定されず、より複数台の子機を適用することもできる。また、子機に有線又は無線接続されるセンサは、滞留感知センサ2a、2bに限定されず、例えば、住戸外の照度レベルを検知する照度センサを適用することもできる。この照度センサを適用するにあたっては、照度レベルの相違に対応させた信号を親機に送信し、所定値以下の照度レベルの場合には照明を点灯させることができる。