JP5129558B2 - 標準ズームレンズ系 - Google Patents

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JP5129558B2 JP2007325840A JP2007325840A JP5129558B2 JP 5129558 B2 JP5129558 B2 JP 5129558B2 JP 2007325840 A JP2007325840 A JP 2007325840A JP 2007325840 A JP2007325840 A JP 2007325840A JP 5129558 B2 JP5129558 B2 JP 5129558B2
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Description

本発明は、デジタル一眼レフカメラ用に好適なズームレンズ系に関し、より詳しくは一般的に標準と称される35ミリ判フィルムフォーマット一眼レフカメラ換算で焦点距離50mm(画角45゜)を挟む焦点距離域を有する標準ズームレンズ系に関する。
標準ズームレンズ系としては従来、物体側から順に、負正または負正負正の順にレンズ群を配置した負レンズ先行型と、正負正正の順の正レンズ先行型が知られている。
負レンズ先行型は、低コスト、メカ構成が単純、感度が低く製造が容易という長所がある反面、ズーム比を大きくできない、ズーミングに伴うF値変動が大きい、前群フォーカスを採用するためフォーカス群が大きく重いという短所がある。
正レンズ先行型は、ズーム比を大きくできる、ズーミング時のF値変動が小さい、インナーフォーカス化することでフォーカス群を小さく軽くすることができるという長所がある反面、高コスト、メカ構成が複雑、誤差に対する感度が高く製造が困難という短所がある。
特開2002-6217号公報 特開2003-50350号公報 特開2004-37921号公報 特開2004-333770号公報
本発明は、物体側から順に、正負正正の正レンズ先行型であって、高変倍比でありながら、構成が簡単で(レンズ枚数が少なく)低コストの標準ズームレンズ系を得ることを目的とする。
また本発明は、焦点距離に対して比較的長いバックフォーカスを必要とするデジタル一眼レフカメラ用として好適な標準ズームレンズ系を得ることを目的とする。すなわち、デジタル一眼レフカメラの撮像素子サイズは、35ミリ判フィルムフォーマット一眼レフカメラの画面サイズに比較して小さいので、同じ焦点距離のレンズに対する画角が狭い。したがって、逆に同じ画角の撮影をする為には焦点距離をより短くしなければならない。一方、デジタル一眼レフカメラに、既に所有している35ミリ判用交換レンズを使いたいというユーザーの要望を満たすためには、デジタル一眼レフカメラにおいても従来の35ミリ判一眼レフカメラと同一のフランジバックを確保しなければならない。したがって、デジタルカメラ用交換レンズでは、短い焦点距離と長いバックフォーカスを両立させなければならない。
本発明は、ズーム比が約3.7倍と高変倍で、画角が短焦点距離端において23゜、長焦点距離端において80゜程度で、焦点距離に比較して長いバックフォーカスを有しながら、小型で、光学性能に優れた標準ズームレンズ系を得ることを目的とする。
本発明の標準ズームレンズ系は、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、及び正の屈折力の第4レンズ群からなり、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群が像側に移動してから物体側に移動する標準ズームレンズ系において、第1レンズ群は、1枚の負レンズと1枚の正レンズからなり、次の条件式(1)および(2)を満足することを特徴としている。
(1)7.5<f1/|f2|<9.5
(2)3.0<f1/f3<5.0
但し、
fi;第iレンズ群(i=1、2、3、4)の焦点距離、
である。
本発明の標準ズームレンズ系はまた、上記条件式(1)と(2)に代えて、あるいは条件式(1)と(2)に加えて、次の条件式(3)を満足する態様でも成立する。
(3)7.0<f1/fw<10.0
但し、
fi;第iレンズ群(i=1、2、3、4)の焦点距離、
fw;短焦点距離端における全系の焦点距離、
である。
第1レンズ群の1枚の負レンズと1枚の正レンズは、接合されていることが好ましい。
第2レンズ群は、2枚の負レンズと1枚の正レンズから構成することが好ましい。
より具体的には、第2レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとから構成するのがよい。
第2レンズ群が2枚の負レンズと1枚の正レンズからなる態様では、次の条件式(4)又は(及び)条件式(5)を満足することが好ましい。
(4)0.7<|f2|/fw<1.2
(5)1.68<Nn<1.79
但し、
fw;短焦点距離端における全系の焦点距離、
Nn;第2レンズ群中の全ての負レンズのd線に対する屈折率、
である。
第3レンズ群は、正レンズと、正負の接合レンズから構成することが好ましい。
第4レンズ群は、非球面成分をもつ正または負レンズと、正負の接合レンズから構成することが好ましい。
本発明の標準ズームレンズ系は、次の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6)1.0<f4/f3<3.0
本発明の標準ズームレンズ系は、次の条件式(7)を満足することが好ましい。
(7)0.6<|f12w|/f34w<0.8
但し、
f12w;短焦点距離端における第1・2レンズ群の合成焦点距離、
f34w;短焦点距離端における第3・4レンズ群の合成焦点距離、
である。
本発明によれば、画角が23゜から80゜程度で、焦点距離に比較して長いバックフォーカスを有しながら、小型で、光学性能に優れた標準ズームレンズ系を得ることができる。
本実施形態の標準ズームレンズ系は、図13の簡易移動図に示すように、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群10、負の屈折力の第2レンズ群20、正の屈折力の第3レンズ群30、及び正の屈折力の第4レンズ群40からなり、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍(ズーミング)に際し、第1レンズ群10、第3レンズ群30及び第4レンズ群40が単調に物体側に移動し、第2レンズ群20が一旦像側に移動してから物体側に移動する。可動絞り(開閉絞り)Sは第2レンズ群20と第3レンズ群30の間に配置され、第3レンズ群30と一緒に移動する。フォーカシングは、第2レンズ群20によって行う。Iは像面である。
図1(図3)、図5(図7)及び図9(図11)の各実施例に示すように、第1レンズ群10は、物体側に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズと像側に位置する物体側に凸の正メニスカスレンズとの接合レンズからなる。第2レンズ群20は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ、両凹負レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレンズからなる。第3レンズ群30は、物体側から順に、両凸正レンズ、及び両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズからなる。第4レンズ群40は、物体側から順に、像側に凸の正または負のメニスカスレンズ、及び像側に凸の正メニスカスレンズと像側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズからなる。
条件式(1)、(2)は、短焦点距離端において、短い焦点距離と長いバックフォーカスを有しながら収差補正するための条件である。正レンズ先行型ズームレンズは、負レンズ先行型ズームレンズに比べてバックフォーカスが短くなってしまうという欠点を有する。条件式(1)は、第1レンズ群の正のパワーに対する第2レンズ群の負のパワーの比を表し、条件式(2)は第1レンズ群の正のパワーに対する第3レンズ群の正のパワーの比を表す。条件式(1)を満たすことにより、正レンズ先行型を採用しながら、特に短焦点距離において負のパワーを物体側に配置することが可能となり、焦点距離の割には長いバックフォーカスを得ることが容易になる。しかし条件式(1)だけでは第2レンズ群の強い負のパワーで発生する収差が問題となる。そこで条件式(2)を満たし、第3レンズ群に最適な正のパワーを与えることにより、第2レンズ群で発生する収差を補正することができる。
条件式(1)の下限を越えると、従来の正レンズ先行型の光学系と同様となりバックフォーカスを長くし難くなる。この状態で必要なバックフォーカスを確保し、収差補正を試みると、第1レンズ群中に強い発散面を配置することになるが、その発散面で発生する収差、特に軸外収差を補正することが困難となる。条件式(1)の上限を越えると、今度は第2レンズ群の負のパワーが強くなり過ぎ、第2レンズ群内で発生する収差の補正が困難となる。
条件式(2)の下限と越えると、第3レンズ群の正のパワーが弱くなり、上述したように長いバックフォーカスを得るために与える第2レンズ群の強い負のパワーで発生する収差が補正できなくなる。条件式(2)の上限を越えると、今度は第3レンズ群のパワーが強くなりすぎ、第3レンズ群内で発生する収差の補正が難しくなる。
条件式(1)と(2)を同時に満たせば、相対的に第1レンズ群のパワーが第2、第3レンズ群に比べて弱くできるので、第1レンズ群内で発生する群内収差の補正が比較的容易となり、第1レンズ群は負レンズと正レンズの2枚で構成すれば十分である。
条件式(3)は、第1レンズ群のパワーが従来に比べて相対的に弱いことに着目して本発明を表現したもので、第1レンズ群を正負の2枚のレンズで構成しながら良好に収差補正をするための条件である。条件式(3)の下限を越えると、第1レンズ群の正のパワーが強くなり、必要なバックフォーカスを確保したとき、負正2枚の構成では第1レンズ群内で発生する収差を十分補正ができない。従来技術においては下限を越えた範囲に設定されていた。条件式(3)の上限を越えると、第1レンズ群のパワーが弱くなり過ぎるため、短焦点距離端における軸外収差の補正が困難になる。
第2レンズ群は、物体側から順に、負負正の3枚構成である。従来の正負正正の4群タイプでは、負負正負の4枚またはそれ以上とするのが一般的であるが、これを3枚構成にできれば、構成が簡単になり、コスト及び重量の低減が図れる。第2レンズ群はフォーカス群であるので、重量低減によりフォーカス機構の負担を減らすことができる。
条件式(4)は、第2レンズ群を3枚構成としながら、良好に収差補正を行うための条件である。条件式(4)の下限を越えると、第2レンズ群の負のパワーが強くなり、負負正の3枚の構成では十分な収差補正ができない。条件式(2)の上限を越えると、第2レンズ群のパワーが弱くなり、十分なバックフォーカスを確保するには第1レンズ群に強い発散面を配置することが必要となり、第1レンズ群内の収差補正が困難になる。
第2レンズ群の物体側から順に位置する負負正のレンズはそれぞれ、好ましくは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとするのがよい。
すなわち、最も物体側の負レンズは、物体側に凹面を向けていると、特に短焦点距離端における軸外光束の屈折が強く、歪曲収差・非点収差が大きく発生し好ましくない。したがって、物体側に凸面を向けているのが良い。2番目の負レンズは、十分な負の屈折力を有するために、像側に凹面を向けていることが望ましい。像側に凸面を向けていると、物体側の凹面の曲率が強くなり、歪曲収差・非点収差が大きく発生するため、好ましくない。像側の正レンズは、物体側に凹面を向けると、像側の凸面の曲率が強くなり、球面収差・コマ収差が大きく発生するため、好ましくない。
条件式(5)は、第2レンズ群中の負レンズの硝材に関する条件である。第2レンズ群中には、2枚の負レンズが存在するが、諸収差の補正のためには、この2枚の負レンズが条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の下限を越えると、所定のパワーを得るためには凹面の曲率が強くなり特に短焦点距離端において、歪曲収差・非点収差が大きく発生する。上限を越えると、アッベ数の大きい(=分散の小さい)硝材がないため、特に倍率色収差の補正が困難となる。また硝材が高価となってコスト低減が達成できない。
本発明の標準ズームレンズ系では、主たる結像を第3レンズ群で行っており、第4レンズ群では、像面湾曲・非点収差等の補正を行っている。主たる結像を第4レンズ群で行うと、軸上の収差補正(主に球面収差)と軸外の収差補正(主に像面湾曲や非点収差)をすべて第4レンズ群主体でおこなわなければならない。このため、第4レンズ群の構成が複雑になったり、組立感度が高くなるなどの問題が生じる。
条件式(6)は、第3レンズ群と第4レンズ群のパワーに関する条件である。
条件式(6)の上限を越えると、第3レンズ群の第4レンズ群に対するパワーが相対的に強くなり過ぎるため、球面収差、コマ収差の補正が困難になる。条件式(6)の下限を越えると、第4レンズ群の第3レンズ群に対するパワーが相対的に強くなり、球面収差・コマ収差の補正と像面湾曲・非点収差の補正との両立が困難になる。
第3レンズ群は、物体側から順に、正レンズと、正負の接合レンズからなっており、主に球面収差の補正がなされている。第3レンズ群は絞り近傍のため径が小さく、レンズ枚数を2枚から3枚に増やしても、重量・コストはほとんど変わらない。さらに、正レンズを2枚持つことでパワーを分担でき、感度低減の効果もある。第4レンズ群は、非球面成分をもつ正または負レンズと、正負の接合レンズからなっており、主に像面湾曲・非点収差の補正がなされている。いずれのレンズ群も像側の正負レンズを接合レンズとすることで組立感度を低減させることができる。
第4レンズ群については、接合レンズの物体側に、非球面成分をもつパワーの弱いレンズを配置している。この非球面レンズの弱いパワーは正負いずれでもよい。この非球面レンズによって、コマ収差を始めとする諸収差をバランス良く補正している。この非球面レンズは、ガラスモールド非球面レンズやガラスレンズに樹脂を結合したハイブリッドレンズに比べて製造コストが安く軽量なプラスチックモールドレンズから構成するのがよい。
本発明のズームレンズ系は、第1レンズ群と第2レンズ群の合成パワーと第3レンズ群と第4レンズ群の合成パワーについて、次の条件式(7)を満足させることが好ましい。
(7)0.6<|f12w|/f34w<0.8
但し、
f12w;短焦点距離端における第1・2レンズ群の合成焦点距離、
f34w;短焦点距離端における第3・4レンズ群の合成焦点距離、
である。
条件式(7)の上限を越えると、負の前群(第1・2レンズ群)のパワーが弱く、バックフォーカスの確保に不利である。バックフォーカスの確保のためには負の前群と正の後群(第3・4レンズ群)の距離を大きくとる必要があり、全長が長くなる、前玉径が大きくなるといった問題が生じる。また、正の後群のパワーが強く、球面収差が発生しやすい。条件式(7)の下限を越えると、負の前群のパワーが強く、歪曲収差・非点収差の補正が困難となる。
次に具体的な実施例を示す。以下の実施例はいずれも、デジタル一眼レフ用の標準ズームレンズ系である。諸収差図及び表中、SAは球面収差、SCは正弦条件、球面収差で表される色収差(軸上色収差)図及び倍率色収差図中のd線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、Wは半画角(゜)、FはFナンバー、fは全系の焦点距離、fBはバックフォーカス、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。F、f、W、fB、及び変倍に伴って間隔が変化するレンズ間隔の値(d値)は、短焦点距離端-中間焦点距離-長焦点距離端の順に示している。
また、回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・
(但し、xは非球面形状、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、
Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数)
図1ないし図4と表1は本発明による標準ズームレンズ系の実施例1を示している。図1は短焦点距離端におけるレンズ構成図、図2はその諸収差図、図3は長焦点距離端におけるレンズ構成図、図4はその諸収差図、表1はその数値データである。
本実施例1の標準ズームレンズ系は、物体側から順に、正の第1レンズ群10、負の第2レンズ群20、絞りS、正の第3レンズ群30、及び正の第4レンズ群40からなる。
第1レンズ群10は、物体側に位置する物体側に凸の負メニスカスレンズと像側に位置する物体側に凸の正メニスカスレンズとの接合レンズからなる。第2レンズ群20は、物体側から順に、物体側に凸の負メニスカスレンズ、両凹負レンズ及び物体側に凸の正メニスカスレンズからなる。第3レンズ群30は、物体側から順に、両凸正レンズ、及び両凸正レンズと両凹負レンズの接合レンズからなる。第4レンズ群40は、物体側から順に、両面非球面で像側に凸の弱い正のメニスカスレンズ、及び像側に凸の正メニスカスレンズと像側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズからなる。絞りSは、第10面(第3レンズ群30)の極から前方1.50にある。
(表1)
F = 1: 4.0 - 4.7 - 5.7
f = 18.50 - 35.08 - 68.00(ズーム比=3.68)
W = 38.8 - 21.9 - 11.6
fB = 39.44 - 54.59 - 72.10
面 No. r d Nd ν
1 75.622 2.00 1.80518 25.4
2 50.096 7.74 1.69680 55.5
3 378.488 2.50-21.00-45.46
4 40.372 1.40 1.77250 49.6
5 14.964 6.26 ‐ ‐
6 -193.508 1.30 1.77250 49.6
7 16.380 2.08 ‐ ‐
8 18.223 4.87 1.84666 23.8
9 44.373 25.99-11.50-3.50
10 39.754 1.94 1.50581 60.6
11 -58.667 0.22 ‐ ‐
12 18.643 4.69 1.48749 70.3
13 -72.867 1.00 1.80000 42.8
14 37.232 7.39-5.00-3.73
15* -50.229 2.00 1.52538 56.3
16* -46.570 2.58 ‐ ‐
17 -41.070 5.93 1.62935 59.0
18 -12.123 1.20 1.80500 25.4
19 -17.369 ‐ ‐ ‐
*は回転対称非球面。
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。):
面No. K A4 A6 A8
15 0.00 -0.26595×10-5
16 0.00 0.48429×10-4 0.28535×10-6 -0.16386×10-8
図5ないし図8と表2は本発明による標準ズームレンズ系の実施例2を示している。図5は短焦点距離端におけるレンズ構成図、図6はその諸収差図、図7は長焦点距離端におけるレンズ構成図、図8はその諸収差図、表2はその数値データである。基本的なレンズ構成は、第4レンズ群40中の物体側の像側に凸の弱い正のメニスカスレンズが片面(像側面)非球面である点を除き、実施例1と同様である。
可動絞りSは、第10面(第3レンズ群30)の極から前方1.50にある。
(表2)
F = 1: 4.1 - 4.8 - 5.8
f = 18.50 - 35.07 - 68.00(ズーム比=3.68)
W = 38.8 - 21.9 - 11.6
fB = 39.44 - 54.44 - 71.79
面 No. r d Nd ν
1 75.330 2.00 1.80518 25.4
2 49.958 7.77 1.69680 55.5
3 382.312 2.50-21.00-45.31
4 39.893 1.40 1.77250 49.6
5 14.901 6.14 ‐ ‐
6 -189.248 1.30 1.77250 49.6
7 16.310 2.12 ‐ ‐
8 18.232 4.87 1.84666 23.8
9 44.525 25.89-11.50-3.50
10 38.582 1.93 1.51823 59.0
11 -62.277 0.40 ‐ ‐
12 18.485 4.49 1.48749 70.2
13 -83.797 1.00 1.80610 40.9
14 35.970 7.10-5.00-3.64
15 -50.501 2.00 1.54358 55.7
16* -47.453 2.55 ‐ ‐
17 -40.422 5.91 1.62299 58.2
18 -11.985 1.20 1.80518 25.4
19 -17.101 ‐ ‐ ‐
は回転対称非球面。
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。):
面No. K A4 A6 A8
16 0.00 0.50660×10-4 0.28783×10-6 -0.17088×10-8
図9ないし図12と表3は本発明による標準ズームレンズ系の実施例3を示している。図9は短焦点距離端におけるレンズ構成図、図10はその諸収差図、図11は長焦点距離端におけるレンズ構成図、図12はその諸収差図、表3はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。
可動絞りSは、第10面(第3レンズ群30)の極から前方1.50にある。
(表3)
F = 1: 4.0 - 4.8 - 5.8
f = 18.50 - 34.87 - 68.02(ズーム比=3.68)
W = 38.8 - 22.0 - 11.6
fB = 39.44 - 56.32 - 74.97
面 No. r d Nd ν
1 85.488 2.00 1.80518 25.4
2 55.977 6.36 1.69680 55.5
3 678.470 2.50-19.00-45.66
4 51.189 1.40 1.77250 49.6
5 15.487 5.37 ‐ ‐
6 -256.735 1.30 1.77250 49.6
7 17.057 2.03 ‐ ‐
8 18.510 4.68 1.84666 23.8
9 46.571 26.88-11.50-3.50
10 24.526 2.58 1.48749 70.2
11 -76.618 2.32 ‐ ‐
12 19.014 2.80 1.48749 70.2
13 -44.479 1.00 1.74400 44.8
14 35.612 8.02-4.80-3.13
15* -35.677 2.00 1.52538 56.3
16* -33.862 0.91 ‐ ‐
17 -27.811 5.95 1.48749 70.2
18 -10.810 1.20 1.80518 25.4
19 -13.633 ‐ ‐ ‐
は回転対称非球面。
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。):
面No. K A4 A6 A8
15 0.00 -0.90398×10-5
16 0.00 0.64536×10-4 0.37474×10-6 -0.17095×10-8
各実施例の各条件式に対する値及び各群のパワー比を表4に示す。
(表4)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) 8.35 8.29 8.46
条件式(2) 3.83 3.82 4.31
条件式(3) 7.99 7.93 8.30
条件式(4) 0.96 0.96 0.98
条件式(5)(Nn1) 1.7725 1.7725 1.7725
条件式(5)(Nn2) 1.7725 1.7725 1.7725
条件式(6) 1.28 1.29 1.62
条件式(7) 0.73 0.73 0.71
各群パワー比(pi(i=1、2、3、4、p1=1.0)
p1 1.0 1.0 1.0
p2 8.3 8.3 8.5
p3 3.8 3.8 4.3
p4 3.0 3.0 2.7
比較として、従来技術による各条件式に対する値及び各群のパワー比を表5ないし表8に示す。
(表5)
特開2002-6217号公報(特許文献1)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) 4.19 4.23 3.65
条件式(2) 1.74 1.86 1.74
条件式(3) 3.29 3.40 3.35
条件式(4) 0.79 0.80 0.92
条件式(5)(Nn1) 1.8350 1.8350 1.8350
条件式(5)(Nn2) 1.4870 1.4870 1.4870
条件式(6) 1.05 1.20 1.04
条件式(7) 1.06 1.07 1.06
p1 1.0 1.0 1.0
p2 4.2 4.2 3.7
p3 1.7 1.9 1.7
p4 1.7 1.5 1.7
(表6)
特開2003-50350号公報(特許文献2)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) 4.26 4.18 4.53
条件式(2) 1.98 1.92 2.08
条件式(3) 2.89 2.87 3.06
条件式(4) 0.68 0.69 0.68
条件式(5)(Nn1) 1.8348 1.8348 1.8348
条件式(5)(Nn2) 1.8040 1.7725 1.8160
条件式(6) 1.12 1.11 1.02
条件式(7) 0.91 0.92 0.90
p1 1.0 1.0 1.0
p2 4.3 4.2 4.5
p3 2.0 1.9 2.1
p4 1.8 1.7 2.0
(表7)
特開2004-37921号公報(特許文献3)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
条件式(1) 6.00 5.84 5.90 5.88 6.01
条件式(2) 1.68 1.76 1.76 1.54 1.67
条件式(3) 4.25 4.16 4.15 4.21 4.33
条件式(4) 0.71 0.71 0.70 0.72 0.72
条件式(5)(Nn1) 1.6031 1.6031 1.6031 1.6031 1.6031
条件式(5)(Nn2) 1.8040 1.8040 1.8040 1.8040 1.8040
条件式(6) 0.43 0.40 0.49 0.40 0.42
条件式(7) 1.61 1.63 1.62 1.63 1.07
p1 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
p2 6.0 5.8 5.9 5.9 6.0
p3 1.7 1.5 1.8 1.5 1.7
p4 3.9 3.8 3.6 3.9 4.0
(表8)
特開2004-333770号公報(特許文献4)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
条件式(1) 4.75 4.85 4.65 4.85
条件式(2) 0.81 0.84 0.94 0.83
条件式(3) 3.40 3.51 3.54 3.44
条件式(4) 0.72 0.72 0.76 0.71
条件式(5)(Nn1) 1.7432 1.7432 1.7432 1.7432
条件式(5)(Nn2) 1.7130 1.7130 1.7130 1.7130
条件式(6) 0.29 0.29 0.31 0.30
条件式(7) 1.04 1.05 1.13 1.02
p1 1.0 1.0 1.0 1.0
p2 4.7 4.9 4.6 4.8
p3 0.8 0.8 0.9 0.8
p4 2.8 2.9 3.0 2.8
表4から明らかなように、実施例1ないし実施例3は条件式(1)〜(7)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差は比較的よく補正されている。また、表4と表5ないし表8とを比較すると明らかなように、本発明実施例と各先行特許文献の実施例とでは各レンズ群のパワー配置が全く異なることが分かる。即ち、本発明実施例によれば、第1レンズ群:第2レンズ群:第3レンズ群:第4レンズ群のパワー比はほぼ、1:8:4:3であるのに対して、従来の各実施例においては、第1レンズ群に対する第2レンズ群のパワーが弱く、また第3レンズ群と第4レンズ群とのパワー比はほぼ1:1か、本発明とは逆に第4レンズ群に強いパワーを配置していることが分かる。
更に具体的には、特許文献1は、本発明と同様デジタル一眼レフカメラ用の交換レンズの発明であるが、短焦点距離端の半画角Wが約27°と狭いので、各群のパワー配置が全く異なる。特許文献2ないし4は、各明細書に「スチルビデオカメラにも使える」というような記載があるが、各実施例は収差補正されている像高から考えていずれも35ミリ判一眼レフカメラ用で、本発明が課題とする短い焦点距離と長いバックフォーカスの両立については何の考慮もされていない。その結果、各群のパワー配置が全く異なる。
本発明による標準ズームレンズ系の実施例1の短焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図1の構成における諸収差図である。 同実施例1の長焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図3の構成における諸収差図である。 本発明による標準ズームレンズ系の実施例2の短焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図5の構成における諸収差図である。 同実施例2の長焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図7の構成における諸収差図である。 本発明による標準ズームレンズ系の実施例3の短焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図9の構成における諸収差図である。 同実施例3の長焦点距離端におけるレンズ構成図である。 図11の構成における諸収差図である。 本発明による標準ズームレンズ系のズーム軌跡を示す簡易移動図である。

Claims (11)

  1. 物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、及び正の屈折力の第4レンズ群からなり、短焦点距離端から長焦点距離端への変倍に際し、第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群が物体側に移動し、第2レンズ群が像側に移動してから物体側に移動する標準ズームレンズ系において、
    第1レンズ群は、1枚の負レンズと1枚の正レンズからなり、
    次の条件式(1)および(2)を満足することを特徴とする標準ズームレンズ系。
    (1)7.5<f1/|f2|<9.5
    (2)3.0<f1/f3<5.0
    但し、
    fi;第iレンズ群(i=1、2、3、4)の焦点距離。
  2. 請求項1記載の標準ズームレンズ系において、次の条件式(3)を満足することを特徴とする標準ズームレンズ系。
    (3)7.0<f1/fw<10.0
    但し、
    fw;短焦点距離端における全系の焦点距離。
  3. 請求項1または2記載の標準ズームレンズ系において、第1レンズ群の1枚の負レンズと1枚の正レンズは、接合されている標準ズームレンズ系。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の標準ズームレンズ系において、第2レンズ群は、2枚の負レンズと1枚の正レンズからなる標準ズームレンズ系。
  5. 請求項4記載の標準ズームレンズ系において、第2レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、像側に凹面を向けた負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとからなっている標準ズームレンズ系。
  6. 請求項4記載の標準ズームレンズ系において、次の条件式(4)を満足する標準ズームレンズ系。
    (4)0.7<|f2|/fw<1.2
    但し、
    fw;短焦点距離端における全系の焦点距離。
  7. 請求項4記載の標準ズームレンズ系において、次の条件式(5)を満足する標準ズームレンズ系。
    (5)1.68<Nn<1.79
    但し、
    Nn;第2レンズ群中の全ての負レンズのd線に対する屈折率。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の標準ズームレンズ系において、第3レンズ群は、正レンズと、正負の接合レンズからなる標準ズームレンズ系。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の標準ズームレンズ系において、第4レンズ群は、非球面成分をもつ正または負レンズと、正負の接合レンズからなる標準ズームレンズ系。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の標準ズームレンズ系において、次の条件式(6)を満足する標準ズームレンズ系。
    (6)1.0<f4/f3<3.0
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項記載の標準ズームレンズ系において、次の条件式(7)を満足する標準ズームレンズ系。
    (7)0.6<|f12w|/f34w<0.8
    但し、
    f12w;短焦点距離端における第1・2レンズ群の合成焦点距離、
    f34w;短焦点距離端における第3・4レンズ群の合成焦点距離。
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