JP5129417B2 - ハイレトルト用アルミ箔積層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイレトルト用アルミ箔積層フィルムに関するものである。具体的には、油分を含有する食品のハイレトルト包装に用いられるハイレトルト用アルミ箔積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油分を含有する食品のレトルト包装には、保存性を良好にするために、アルミ箔を積層させた多層フィルムが用いられてきた。しかも、包装される食品の味等を損なわないようにするために、高温短時間の処理、所謂、ハイレトルト処理(120乃至130℃、30秒乃至20分)が施されている。ハイレトルト処理を施す包装用フィルムのシーラントフィルムには、120乃至130℃の高温でも破袋を生じさせない樹脂が用いられている。具体的には、ポリプロピレン系樹脂が好適に用いられている。即ち、ハイレトルト処理用の包装フィルムの多くは、耐熱性に優れた表面層となるフィルムにアルミ箔を積層し、更に、アルミ箔層側にシーラントフィルムとしてポリプロピレン系樹脂等からなるシーラントフィルムが貼り合わされている。
【0003】
しかし、シーラントフィルムがポリプロピレンホモポリマーからなる場合は勿論、一般フィルム用エチレン−プロピレンブロック共重合体からなる場合でも、低温ヒートシール性に劣り、高速で良好なヒートシールを施すことが困難であった。そこで、これらの問題を解決するために、シーラントフィルムのポリプロピレン系樹脂にエラストマー成分を混合させたエラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムが用いられてきた。確かに、ポリプロピレン系樹脂にエラストマー成分を含ませたシーラントフィルムを用いると低温ヒートシール性が向上し、高速包装適性を改良することができる。また、低温での耐衝撃も改善させることができる。そこで、このようなエラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムは、製膜安定性等の面からキャスト法によって製膜されていた。
【0004】
所が、キャスト法により製膜されたエラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムを用い、耐熱性に優れた樹脂からなる表面層とアルミ箔層からなる中間層を有するハイレトルト用のフィルムは、油分を含有する食品を包装し、ハイレトルト処理を施した場合、包装体の表面にゆず肌状の凹凸(以下、単に「ゆず肌」と称する。)が生じていた。特に、調理カレーやチンジャオロウスーに使用される中華合わせ調味料等の食品をハイレトルト処理した際、包装体の表面がゆず肌になっていた。そして、ハイレトルト処理された包装体の表面がゆず肌になると、商品としての価値が無くなってしまっていた。
【0005】
尚、油分を含有する食品を包装してハイレトルト処理を施した場合、包装体の表面がゆず肌になるのは、食品中の油分がシーラントフィルムに移行し、ポリプロピレン系樹脂組成物相に分散しているエラストマー成分が膨潤して大きくなり、包装体の表面に凹凸を生じさせ、ゆず肌になっていると云われている。そして、アルミ箔層を有するハイレトルト用フィルムの場合、シーラントフィルムに移行した食品の油分が表面層やアルミ箔層に移行せずにシーラントフィルムに留まり、該層の油分濃度が高くなってエラストマー成分を膨潤させ易くなり、包装体の表面がゆず肌になるものと思われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハイレトルト用アルミ箔積層フィルムで油分を含有する食品を包装し、ハイレトルト処理を施しても、包装体の表面にゆず肌を生じさせないハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを提供しようとするものである
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したハイレトルト用アルミ箔積層フィルムが、次のような手段によって提供される。即ち、
(1)少なくともアルミ箔、シーラントフィルムを有する積層フィルムであって、該シーラントフィルムは、エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるとともに、空冷インフレーション方式により製膜されていることを特徴とするハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
(2)少なくともアルミ箔、シーラントフィルムを有する積層フィルムであって、該シーラントフィルムは、2層以上の多層構成となっており、該シーラントフィルムを構成する各層のうち少なくともヒートシール面を有する層は、エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなり、該シーラントフィルムは、空冷インフレーション方式により製膜されていることを特徴とするハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
(3)エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物が、さらにプロピレン系エラストマーを含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
(4)ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムのヒートシール面が、空冷インフレーション方式による製膜時に形成されるバブルの内側面であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
【0008】
【発明の実施態様】
本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムは、エラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂が空冷インフレーション方式により製膜されている。
【0009】
まず、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムに用いられるポリプロピレン系樹脂としては、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好適に使用される。エチレン−プロピレン系ブロック共重合体は耐衝撃性が良好で、しかも、耐熱性に優れているので好ましい。例えば、エチレン含有量が5乃至16モル%、好ましくは、10乃至は16モル%のエチレン−プロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。尚、ポリプロピレンホモポリマーは、耐衝撃性や低温ヒートシールに劣るので好ましくない。尚、該エチレン−プロピレン系ブロック共重合体のメルトフローインデックスとしては、0.5乃至3.0g/10分、好ましくは、0.5乃至は2.0g/10分が好適である。
【0010】
そして、本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物には高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有させたものが好ましい。ポリプロピレン系樹脂に高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含有させることにより、空冷インフレーション方式による製膜性が向上する。ポリプロピレン系樹脂に含有させる高溶融張力ポリプロピレン樹脂の量としては、ポリプロピレン系樹脂に対して、10乃至70重量%、好ましくは、10乃至は25重量%である。高溶融張力ポリプロピレン樹脂の含有量が10重量%未満の場合には、空冷インフレーション方式による製膜性の向上効果が認められ難い。また、高溶融張力ポリプロピレン樹脂の含有量が70重量%を越えると、製造コストが高くなるばかりでなく、低温での耐衝撃性が低下ししたり、ハイレトルト処理時に破袋を生じたりすることがある。
【0011】
尚、本発明に用いる高溶融張力ポリプロピレン樹脂とは、溶融状態で高い張力を有するポリプロピレン系樹脂を指すもので、ホモタイプと共重合タイプとがあり、共重合タイプとしてはプロック共重合体がある。即ち、高溶融張力ポリプロピレン樹脂は、ポリエチレン系樹脂において、直鎖状ポリマーである低圧法高密度ポリエチレン樹脂は溶融張力が弱いが、長鎖分岐を有する高圧法低密度ポリエチレン樹脂は溶融張力が強いのと同じように、ポリプロピレン系樹脂の主鎖に長鎖分岐を導入させて溶融状態での張力を高めたものである。このような溶融張力の高いポリプロピレン系樹脂は、高発泡倍率の発泡シートや熱成形性に優れた発泡シート等の押出発泡成形に好適に用いられている。又、ドローダウン性や深絞り成形性に優れていることから、ブロー成形に使用されている。更に、押出コーティングにも多用されている。
【0012】
本発明では、230℃での溶融張力が98乃至300mNであり、メルトフローインデックスが0.5乃至3.5g/10分の高溶融張力ポリプロピレン樹脂が用いられる。溶融張力が98mN未満では、ポリプロピレン系樹脂の空冷インフレーション方式による製膜性の改良効果認められ難く、300mNを越えると、押出機内での樹脂圧が高くなったり、或は、得られるフィルムが引き取り方向に裂け易くなったりする。又、メルトフローインデックスは0.2乃至3.5g/10分の範囲内でないと、空冷インフレーション方式による製膜性が低下する。尚、本発明に用いられる高溶融張力ポリプロピレン樹脂としては、サンアロマー(株)より商品名「HMS−PP」として販売されているものを例示することができる。
【0013】
本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムに用いられるエラストマー成分としては、プロピレン系エラストマーやエチレン系エラストマーが好適に用いられる。プロピレン系エラストマーとしては、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなるハードセグメントとエチレン/プロピレンゴム等のゴム成分からなるソフトセグメントからなるものが好ましい。そして、これらのプロピレン系エラストマーは、ハード成分とソフト成分とを密閉混合機や押出機を用いて溶融混練させることにより得ることができる。また、最近では、ハード成分とソフト成分とを一つの重合プロセスで生成させる方法によっても得ることができる。
【0014】
例えば、前者の方法によって得られたプロピレン系エラストマーとしては、宇部興産(株)で製造されている商品名「CAP」が、後者の方法によって得られたプロピレン系エラストマーとしては、トクヤマ(株)で製造されている商品名「P.E.R」や、モンテル社で製造されている商品名「キャタロイ」等が挙げられる。尚、本発明においては、これらどちらの方法によって得られたプロピレン系エラストマーでも使用することができる。又、メルトフローインデックスとしては、0.3乃至3.5g/10分が好ましい。
【0015】
エチレン系エラストマーとしては、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体で、α−オレフィンの含有量が10乃至40モル%のものであり、α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等が挙げられるが、特に、ブテン−1との共重合体が好ましい。そして、本発明に用いられるエチレン系エラストマーとしては、密度が0.85乃至0.91g/cm、好ましくは、0.88乃至0.90g/cmのものが好ましい。又、メルトフローインデックスとしては、0.3乃至3.5g/10分が好ましい。エチレン系エラストマーの密度がこの範囲よりも高くなると、低温ヒートシール性や低温での耐衝撃性の改良が十分でなく、密度がこの範囲よりも低くなると、耐熱性や耐ブロッキング性が低下する場合がある。
【0016】
尚、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムはエラストマー成分として、勿論、上記プロピレン系エラストマーやエチレン系エラストマーを単独で用いることができるが、両者を併用することも可能である。両者を併用すると、低温での耐衝撃性や耐ブロッキング性に優れたフィルムを得ることができる。
【0017】
また、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムは、エラストマー成分を含有するポリプロピレン系樹脂組成物のみからなる単層フィルムは勿論、エラストマー成分を含有するポリプロピレン系樹脂組成物層を少なくとも1層有している多層フィルムも含まれる。特に、ヒートシール面を有する層にはエラストマー成分を含有するポリプロピレン系樹脂組成物層を、アルミ箔と貼り合わせる面の層にはエラストマー成分を含有させないポリプロピレン系樹脂層を積層させた多層構成のシーラントフィルムが好ましい。ヒートシール面を有する層のポリプロピレン系樹脂にエラストマー成分が含まれていると、低温ヒートシール性が向上し、高速包装適性が改良される。又、アルミ箔と貼り合わせる面層のポリプロピレン系樹脂にエラストマー成分が含まれていないと、コロナ放電等による表面処理がかかり易く、又、表面処理効果を低下させ難く、アルミ箔との貼り合わせが良好になる。尚、エラストマー成分を含有するポリプロピレン系樹脂組成物は、ヒートシール面を有する層のみでなく、芯層や中間層にも用いることができる。
【0018】
エラストマー成分の含有量については、特に限定されるものではなく、上記したプロピレン系エラストマーやエチレン系エラストマー、或は、これら両者をフィルム全体に、或は、ヒートシール面を有する層に10乃至50重量%含有させたものが好ましい。エラストマー成分の含有量が10重量%未満であると、低温ヒートシール性や低温での耐衝撃性が改良されず、高速包装適性が劣る場合がある。又、エラストマー成分の含有量が50重量%を越えると、耐熱性が劣り、ハイレトルト処理中に破袋を生じることがある。又、エラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローインデックスは、0.5乃至3g/10分が、耐衝撃性や製膜性の面から好ましい。尚、ポリプロピレン系樹脂脂組成物のエラストマー成分含有量が50重量%を越えるシーラントフィルムを用いたアルミ箔層積層ハイレトルト用フィルムで油分を含有する食品を包装し、ハイレトルト処理を施しても、包装体の表面はゆず肌にはならなかった。
【0019】
そして、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムは、空冷インフレーション方式よって製膜されていることを最大の特徴とする。空冷インフレーション方式としては、従来のポリエチレン系樹脂フィルムの製膜に用いられているような上向きの空冷インフレーション方式が挙げられる。例えば、単層フィルムの場合には、1台の押出機と単層サーキュラーダイを用い、多層フィルムの場合には複数の押出機と多層サーキュラーダイを用い、所定の層構成になるようにチューブ状の溶融樹脂を上向きに押し出す。そして、押し出されたチューブ状の溶融樹脂をバブル状に膨張させて引き取る際に、バブルの周囲外面に冷風を吹き付けて冷却・固化させる。尚、冷風の吹き付けは、溶融樹脂が押し出された直後と、膨張しているバブルの外周に吹き付けるのが好ましい。又、膨張しているバブルの外周に冷風を吹き付けるには、多段カラーを設けたエアリングを用いるのが好ましい。
【0020】
本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムの厚みとしては、特に限定されるものではないが、一般のハイレトルト用アルミ箔積層フィルム用シーラントフィルムと同様、40乃至120μmが好ましい。シーラントフィルムが多層構成の場合、ヒートシール面を有する層を含むエラストマー成分を含有する層の厚みは20乃至105μmが好ましく、アルミ箔と貼り合わされる面の層で、エラストマー成分を含有しない層の厚みは5乃至50μmが好ましい。
【0021】
尚、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムと同じ樹脂組成や同じ層構成のフィルムをキャスト法、或は、水冷インフレーション方式によって製膜した場合には、本発明のような効果は得られない。即ち、キャスト法や水冷ンフレーション方式によって製膜されたエラストマー含有ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムを用いたハイレトルト用アルミ箔積層フィルムは、油分を含む食品を包装してハイレトルト処理を施すと、包装体の表面にゆず肌を生じさせてしまう。
【0022】
【作用】
本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムで、油分を含む食品を包装し、ハイレトルト処理を行って包装体の表面がゆず肌にならない理由については明らかでないが、次のような理由が考えられる。即ち、ポリプロピレン系樹脂にエラストマー成分を含有させた樹脂組成物が空冷インフレーション方式により製膜された場合、キャスト法や水冷インフレーション方式によって製膜された場合と異なり、ポリプロピレン系樹脂の結晶状態や分子配向が、ポリプロピレン系樹脂相中に分散しているエラストマー成分が油分を吸収して膨潤するのを抑えるような構造になっているものと推察される。
【0023】
【実施例】
以下、実施例、及び、比較例を示し、本発明の内容をより具体的に説明する。尚、本発明は、実施例によってのみ限定されるものでないことは当然である。
〔実施例1〕1台の押出機とリップ径が125mmφの単層のサーキュラーダイを用い、エチレン−プロピレンブロック共重合体[(株)グランドポリマー製商品名「グランドポリプロ」メルトフローインデックス:1.0g/10分]に、エチレン系エラストマー[三井化学(株)製商品名「タフマー」メルトフローインデックス:0.5g/10分]を、エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して25重量部加えた樹脂組成物をチューブ状で上向きに押し出した。そして、押し出された溶融樹脂のチューブ内に空気を吹き込んでバブル状に膨張させると共に、該バルブの周囲外面に冷風を吹き付けて冷却・固化させ、ハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムを製膜した。尚、膨張させたバブルのブローアップ比は約1.7倍であった。又、フィルムの厚みは60μmであった。
【0024】
そして、製膜時にバブルの外側面であった表面にコロナ放電処理による表面処理を施して得られたシーラントフィルムを、ドライラミネート法により、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)が片方の表面に貼り合わされたアルミ箔(7μm)のもう片方の表面に貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレート層/アルミ箔層/シーラントフィルムの層構成を有するハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを得た。尚、シーラントフィルムの表面処理面をアルミ箔に貼り合わせた。得られたハイレトルト用アルミ箔積層フィルムより縦方向が130mm、横方向が170mmの袋を製袋し、その袋の中にチンジャオロウスーに使用される中華合わせ調味料を200g充填し、126℃、10分間のハイレトルト処理を施した。尚、ヒートシール面は、シーラントフィルム製膜時のバブル内側面であった。その結果、包装体の表面がゆず肌になることもなく、良好な表面を有する包装体が得られた。
【0025】
〔比較例1〕実施例1で用いたと同じ樹脂組成で、しかも、同じ厚みのハイレトルト用アルミ箔積層フィルム用のシーラントフィルムを、実施例1と異なり、キャスト法により製膜した。得られたシーラントフィルムを、実施例1と同様な方法により、ポリエチレンテレフタレートフィルムが片方の表面に貼り合わされたアルミ箔のもう片方の表面に貼り合わせて、ポリエチレンテレフタレート層/アルミ箔層/シーラントフィルムの層構成を有するハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを得た。更に、得られたハイレトルト用アルミ箔積層フィルムより、実施例1と同様に、縦方向が130mm、横方向が170mmの袋を製袋し、その袋の中にチンジャオロウスーに使用される中華合わせ調味料を200g充填し、126℃、10分間のハイレトルト処理を施した。そこ結果、包装体の表面はゆず肌状になり、商品価値の劣るものであった。
【0026】
〔実施例2〕3台の押出機とリップ径が300mmφの3種3層のサーキュラーダイを用い、バブルの外側表面層がエチレン−プロピレンブロック共重合体[(株)グランドポリマー製商品名「グランドポリプロ」メルトフローインデックス:1.0g/10分]、芯層が外側表面層に用いたエチレン−プロピレンブロック共重合体に、プロピレン系エラストマー[(株)トクヤマ製商品名「P.E.R」メルトフローインデックス:1.5g/10分]を該エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して142.9重量部加え、更に、高溶融張力ポリプロピレン樹脂[サンアロマー(株)製商品名「HMS−PP(SD632)」メルトフローインデックス:3.0g/10分]を該エチレン−プロピレンブロック共重合体とプロピレン系エラストマーの合計量100重量部に対して17.6重量部含有させた樹脂組成物、そして、バブル内側表面層が外側表面層に用いたエチレン−プロピレンブロック共重合体に芯層に用いたプロピレン系エラストマーを該エチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部に対して18.8重量部とエチレン系エラストマー[三井化学(株)製商品名「タフマー」メルトインデックス:0.5g/10分]を該エチレンプロピレンブロック共重合体100重量部に対して6.3重量部添加させた樹脂組成物となるような多層チューブ状を上向きに押し出した。
【0027】
そして、押し出された溶融樹脂の多層チューブ内に空気を吹き込んでバブル状に膨張させると共に、該バルブの周囲外面に冷風を吹き付けて冷却・固化させ、多層構成のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを構成するシーラントフィルムを製膜した。尚、膨張させたバブルのブローアップ比は約1.7倍であった。又、バブルの外側表面層の厚みは10μm、芯層の厚みは40μm、そして、バブルの内側表面層の厚みは10μmであった。
【0028】
そして、製膜時にバブルの外側表面にコロナ放電処理による表面処理を施して得られたシーラントフィルムを、実施例1と同様、ドライラミネート法により、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)が片方の表面に貼り合わされたアルミ箔(7μm)のもう片方の表面に貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレート層/アルミ箔層/シーラントフィルムの層構成を有するハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを得た。尚、シーラントフィルムの表面処理面をアルミ箔に貼り合わせた。
【0029】
得られたハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを使用し、縦方向130mm、横方向170mmの袋を製袋した。尚、ヒートシール面は、シーラントフィルム製膜時のバブル内側面であった。得られたハイレトルト用袋の中にチンジャオロウスーに使用される中華合わせ調味料を200g充填したものと、カレーを200g充填したものをそれぞれ準備し、126℃、10分間のハイレトルト処理を施した。その結果、中華合わせ調味料を充填したものも、カレーを充填したものも、共に包装体の表面がゆず肌になることもなく、良好な表面を有する包装体が得られた。
【0030】
〔比較例2〕実施例2で用いたと同じ樹脂組成、同層構成、しかも、同じ厚みのハイレトルト用アルミ箔積層フィルムのシーラントフィルムを、実施例2と異なり、キャスト法により製膜した。得られたシーラントフィルムを、実施例2と同様な方法により、ポリエチレンテレフタレートフィルムが片方の表面に貼り合わされたアルミ箔のもう片方の表面に貼り合わせて、ポリエチレンテレフタレート層/アルミ箔層/シーラントフィルムの層構成を有するハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを得た。
【0031】
更に、得られたハイレトルト用アルミ箔積層フィルムより、実施例2と同様に、縦方向が130mm、横方向が170mmの袋を製袋し、その袋の中にチンジャオロウスーに使用される中華合わせ調味料を200g充填したものと、カレーを200g充填したものとをそれぞれ準備し、126℃、10分間のハイレトルト処理を施した。その結果、中華合わせ調味料を充填したものも、カレーを充填したものも、共に、包装体の表面がゆず肌状になり、商品価値の劣るものであった。
【0032】
【効果】
本発明は、低温ヒートシール性や耐衝撃性に優れたシーラントフィルムが得られるエラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂組成物を、空冷インフレーション方式により製膜するだけで、特別の樹脂組成にしたり、特別の工程を経なくても、油分を含有する食品をハイレトルト処理した際に、包装体の表面にゆず肌を生じさせないハイレトルト用アルミ箔積層フィルムを得ることができる。そのため、本発明のハイレトルト用アルミ箔積層フィルムは、油分を含有する食品を美麗にハイレトルト処理することができるので、食品包装分野に多大な貢献をするものである。

Claims (4)

  1. 少なくともアルミ箔、シーラントフィルムを有する積層フィルムであって、該シーラントフィルムは、エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなるとともに、空冷インフレーション方式により製膜されていることを特徴とするハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
  2. 少なくともアルミ箔、シーラントフィルムを有する積層フィルムであって、該シーラントフィルムは、2層以上の多層構成となっており、シーラントフィルムを構成する各層のうち少なくともヒートシール面を有する層は、エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなり、該シーラントフィルムは、空冷インフレーション方式により製膜されていることを特徴とするハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
  3. エチレン系エラストマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物が、さらにプロピレン系エラストマーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
  4. ポリプロピレン系樹脂組成物からなるシーラントフィルムのヒートシール面が、空冷インフレーション方式による製膜時に形成されるバブルの内側面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイレトルト用アルミ箔積層フィルム。
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