JPS6410339B2 - - Google Patents

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JPS6410339B2
JPS6410339B2 JP20086181A JP20086181A JPS6410339B2 JP S6410339 B2 JPS6410339 B2 JP S6410339B2 JP 20086181 A JP20086181 A JP 20086181A JP 20086181 A JP20086181 A JP 20086181A JP S6410339 B2 JPS6410339 B2 JP S6410339B2
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JP
Japan
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layer
barrier film
temperature
polymer
film
Prior art date
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Application number
JP20086181A
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JPS58102762A (ja
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Isao Yoshimura
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS58102762A publication Critical patent/JPS58102762A/ja
Publication of JPS6410339B2 publication Critical patent/JPS6410339B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は塩化ビニリデン系共重合体を芯層にし
た4層以上の低温熱収縮性多層バリヤーフイルム
に関する。更に詳しくは低温熱収縮特性(収縮
率、収縮応力)、低温タフネス、高シール部強度
(シール部の耐油性、同耐熱性、低温時の耐衝撃
性)、ガスバリヤー性、加熱収縮後の透明性等の
光学特性、耐層間剥離性、クリツプ時の気密性、
等の諸特性に特に優れた新規な熱収縮性フイルム
に関するものであり、その用途も限定されるもの
ではなく、収縮包装の他にスキンパツク包装、非
収縮包装、軟質深絞り包装その他に使用され得る
ものである。 以後その用途の1例として収縮包装を例にとつ
て詳しく説明をする。 従来、内容物をタイトに収縮包装するための熱
収縮性フイルムの存在は古くから知られている。
又これ等フイルムにそのフイルムを構成する単一
の樹脂では発揮出来ない特性を要求する時に、異
種の樹脂を組合せて積層フイルムにし各々の樹脂
の持つ特性を合成した形で発揮させようとする研
究も多い。 しかしながら市場の要求を満たすためのフイル
ム特性はあまりにも多岐に渉り且つ要求特性が高
められて来ているのに対し、積層状態で発揮出来
る各樹脂の特性には、おのずと限度があり、且つ
積層出来る樹脂そのものの選択にも様々な制約が
生じ、1方が改良されても又他の1方の特性が低
下するといつた事が起き、どこかで妥協せざるを
得なく結局として、市場要求と既存フイルム特性
との間のギヤツプは広がるばかりであり、これ等
の要求を満たすフイルムの出現が待たれている現
状である。 例えば生肉、加工肉、チーズ等その他の脂肪性
食品、又は酸素を遮断して包装する事により寿命
の伸びる製品等の特に真空収縮包装分野では、現
在特に製品の包装仕上がりを良くするためと熱を
きらう製品を包装するために低温収縮性とガスバ
リヤー性が要求されている。これ等の内容物は一
般に形状が不均一であつたり、骨や包装容器等の
突起物があつたりする場合が多いので、これ等を
含めてタイトな包装体を得ようとすると、被包装
物に接触している部分の低温収縮性はもとより接
触していない部分をも充分低温で、大きな収縮率
及び応力で包装する必要がある。しかしこの収縮
特性の発現が高温側に寄つていたり、収縮率の温
度依存性が大きい、つまりある温度で急激に収縮
するごとき収縮特性を有したフイルムの場合に
は、内容物が変色、変質したり、温度差で生ずる
収縮ムラの現象が発生し、そのまま、シワ、タル
ミなどとなつて包装物の表面が見にくくなる、又
輸送時にそこが破れる等の欠陥となる事が多い。 そこで収縮性フイルムにはフイルム保存温度下
では寸法安定性を有しているが収縮包装時には収
縮特性の発現がより低温側に寄つていて、且つ温
度依存性が小さい事が要求される。一方フイルム
に要求されるガスバリヤー性は、内容物の長期の
保存性を高める上の必要特性で、これを欠いては
特に脂肪性食品類の収縮包装は考えられない。 しかし上記二つの特性が満たされたフイルムで
あつても不透明であつたり、光沢がなかつたり、
加熱収縮後不透明(白化)になつたり又シール部
の強度が低下、層間がハクリしてしまつては何に
もならない。一方積層フイルム供給側からは上記
特性をすべて兼備させたフイルムの品質設計は技
術的には相当困難なためその特性のいくつかを犠
牲にしているのが現状である。又一方塩化ビニリ
デン系共重合体(以後PVDとする)単体よりな
るフイルムは収縮性、ガスバリヤー性、耐油性及
び結紮性等の性能のバランスが良く今まで広く普
及していた。 しかし通常のPVD単体よりなるフイルムは充
分な収縮性を与えるにはまだ不足であり、更に充
分な耐寒性、柔軟性、熱によるヒートシール性等
に不足し、又更にはフイルムの製造時の押出安定
性、良好な延伸性を与えるために特に多量の可塑
剤や安定剤の添加をしなければならず、この量は
通常6〜10wt%である。 これらのものは衛生上好ましくなくなつたり、
フイルムの性質が劣化したり、又耐寒性が不足し
たり、又特に酸素のバリヤー特性が低下するため
バリヤー樹脂の厚みを上げなければならなかつた
りする等の問題点があつた。又、これらの問題点
を少しでも解決するために重量で7〜10wt%の
可塑剤を配したPVD系共重合体の両側に該PVD
系共重合体樹脂との接着性に優れた酢酸ビニル含
量の高いエチレン―酢酸ビニル共重合体(以後
EVAとする)、例えば酢酸ビニル含量が28,
18wt%のものを共押出して3層となし延伸後に
PVD系共重合体よりなる層から多量の可塑剤を
移行させてバリヤー特性を良くする方法等がある
が、これらではバリヤー特性が経時的に不安定で
あると同時に、耐熱・耐油性とも不足する。又フ
イルムのベトつき、弾性率が不足する傾向等の問
題がある。又これらのEVAの片側(袋とした場
合の内側でシールされる側)を加工安定性を向上
させるために電子線で照射架橋して製造して得た
フイルム(特開昭47−34565号等)がある。これ
らは製造方法が高価で煩雑であり、又架橋する事
により、耐油性が改良されるよりもむしろシール
部がシールされにくくなり、その部分の高温耐
性、高温耐油性に劣つてくる等の欠点がある。 又前記の問題点を1部改良した方法としては、
PVD系共重合体層の片側にEVA層、又は低密度
ポリエチレン層、他方に20〜50μのアイオノマー
樹脂の単体層を0.2〜3μの薄層の高VACのEVA層
を介して、又はアイオノマー樹脂をEVAと混合
した層を直接にビニリデン層に配し、各層の樹脂
特性からくる微調整された狭い温度条件、例えば
84〜93℃の加熱温度でPVD系共重合体層を非晶
状態に保つたまま、延伸配向した後に結晶化せし
める方法については特開昭52−47079号、同52−
148577号、同53−82888号、同56−89945号等が知
られている。上記の方法では前述の方法よりも製
造方法が容易になるがまだ条件のシビアな範囲で
延伸を行なわなければならなく、又使用前後の光
学特性が前述の方法より低下する傾向にある。
又、フイルム切断面よりの油の浸入によりフイル
ム層間が剥離する問題点を有する。 上記いずれもそれぞれ特徴があり優れたもので
あるが低温収縮性にまだ不足であり、又耐熱性に
おいても不足であり、又加熱し高度に収縮させる
とフイルムが不透明(白化)するという現象が見
られる。又低温時のタフネス性にまだ不足な点が
ある。 本発明者等はこのような現象を克服するため、
種々の樹脂及び積層構成、及び延伸方法について
長期に渉り研究した結果、ようやく本発明を完成
させたものである。 すなわち本発明は下記よりなる、 (A) ビニル・エステル単量体、脂肪族不飽和モノ
カルボン酸、該モノカルボン酸アルキル・エス
テルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合
体、又はリニアー低密度ポリエチレンから選ば
れる少なくとも1種の重合体、 (B) エチレン―αオレフイン共重合体よりなる密
度:0.91g/cm3以下の軟質エラストマー、 (C) 結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリブテン―
1より選ばれる少なくとも1種の重合体 の(A)と(B)と(C)とよりなる混合組成(ABC)層を
少なくとも1層、特定のPVDのバリヤー層に隣
接し、且つ表層にリニアー・低密度ポリエチレン
(LLDPE)を主体とした重合体よりなる樹脂
(S)層を少なくとも1層その合計厚みで2〜
25μ全層厚みの比率5〜40%で配した4層以上の
フイルムである。その製法は各層とも充分低温で
つまり主体となる上記混合組成の主成分及び副成
分となる樹脂の結晶融点以下、更に好ましくは混
合組成のビカツト軟化点[ASTMD1525(荷重1
Kgの値)以降Vspと略す以下で各層とも高度に低
温延伸するものである。 ここに該混合組成(ABC)層の中の組成(A)は
硬質、軟質の中間程度の比較的、低結晶性の重合
体であり、ビニルエステル単量体、脂肪族不飽和
モノカルボン酸、該モノカルボン酸・アルキルエ
ステル誘導体から選ばれる単量体とエチレンとの
共重合体群から選ばれ、これらには好ましくはエ
チレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン
―アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン
―メタアクリル酸メチルエステル共重合体
(EMMA)、エチレン―アクリル酸共重合体
(EAA)、エチレン―メタアクリル酸共重合体
(EMA)、又はこれらの少なくとも1部がケン化
されたカルボキシ基を有する重合体の少なくとも
1部分がアイオノマー化された重合体(アイオノ
マー樹脂)よりなり、これら共重合体のエチレン
以外の単量体の量は好ましくは2〜12モル%で、
より好ましくは3〜10モル%である。この量が2
モル%以上の場合はシール性、柔軟性、透明性、
各強度特性等に優れてくる。又、12モル%以上で
は押出し加工性、他成分との混合性等に劣つて来
たり、フイルムに加工して外層となつた場合、面
同志がブロツキングして取扱いに問題を有する傾
向となる場合がある。又これらの原料としてその
まま用いる場合の樹脂のメルトインデツクスは通
常0.2〜10で好ましくは0.3〜5である。0.2以下で
は原料の混合性、押出し性に問題を有し、それ以
上では基材としての強度が不足する場合があり、
例えば、延伸時バブルが破れやすくなる等好まし
くない。以上のうち混合組成層として用いるのに
最も好ましいのはEVAでありその酢酸ビニル基
含量は好ましくは3〜8モル%、更に好ましくは
3〜7モル%である。又リニアー・低密度ポリエ
チレン(LLDPE)とは、中,低圧、又は場合に
よつては高圧法でも得られた線状低密度ポリエチ
レンのことで、特にα―オレフインとしてプロピ
レン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、
オクテン、4―メチル―1―ペンテン等の炭素数
C3〜C12のα―オレフイン類から選ばれる少なく
とも1種のオレフインを7モル%以下、好ましく
は1〜5モル%程度共重合したものであつて、好
ましくはメルトインデツクス0.2〜10、密度0.910
〜0.935g/cm3のものである。又DSC法(10℃/
分のスキヤン・スピードで測定)での結晶融解温
度(mp)は110℃以上125℃までのものを言い、
通常の高圧法による分岐した低密度ポリエチレン
の密度0.915〜0.927g/cm3のもので結晶融解温度
が100〜108℃のものと区別されるものである。 次にエチレンとα―オレフイン共重合体よりな
る熱可塑性エラストマー(B)とはエチレンと炭素数
が3〜12のα―オレフインから選ばれる1種又は
それ以上のα―オレフインとの軟質の共重合体の
ことを言い、又場合によつては更に少量の、ポリ
エン構造を有する炭化水素例えばジシクロペンタ
ジエン、1,4―ヘキサジエン、エチリデン・ノ
ルボルネン等を更に共重合させても良い。α―オ
レフインとしてはプロピレン、ブテン―1、ヘキ
セン―1、ヘプテン―1、4メチル―1―ペンテ
ン、オクテン―1などであり、好ましくはプロピ
レン、ブテン―1である。共重合体のエチレンの
含量は20〜95モル%、好ましくは40〜93モル%、
より好ましくは65〜90モル%の範囲である。更に
好ましくは75〜85モル%である。 これら共重合体の性質は密度0.91g/cm3以下
で、好ましくはVspが80℃以下、より好ましくは
70℃以下であり、一般にゴム状の領域で実質的に
非晶質のものから延伸にさしつかえなければ結晶
化度(X線法)30%程度以下の低度の部分結晶性
のものも含むものとする。本発明で用いられるエ
チレンとα―オレフインの共重合体は赤外分光分
析でも定性分析できる。好ましいのは、エチレン
とプロピレン又はブテン―1の特に好ましくは前
者との共重合体で、又はこれらに少量のジエン構
造を有する化合物を共重合体として含む場合で、
例えばバナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物系の触媒で重合したランダム共重合体でメルト
インデツクスが0.1〜10、好ましくは、0.2〜6の
熱可塑性エラストマーが例示される。これらは一
般の非加硫ゴムのようにその形状がブロツク状で
なくしかもコールド・フローを起さない、ペレツ
ト状で供給され、例えば単体でもフイルム状に押
出し加工出来得る程度の充分な熱可塑性を有する
のが好ましい。 次に重合体(C)は比較的硬質で比較的結晶化度の
高い成分よりなる、結晶性ポリプロピレン、高分
子量結晶性ポリブテン―1(以後それぞれ、IPP、
PB―1と略する)である。これらは好ましくは
Vsp100℃以上の比較的硬質の重合体よりなる。
重合体(C)の一つであるIPPは通常市販されている
様な、アイソタクシテイの高い結晶性ポリプロピ
レンを言い、プロピレンの単独重合体、又はプロ
ピレンと7モル%以下のエチレン、ブテン―1等
又はその他のα―オレフインとの共重合体を含む
ものが好ましい。又はそれぞれ任意に混合しても
よい。 メルトフローインデツクスは0.1〜30、好まし
くは0.5〜20であり、より好ましくは0.7〜15であ
る。メルトフローインデツクスが上記以下では加
工時における混合性及び光学特性等に問題を有す
る様になり、上記以外では多量に用いる場合押出
安定性及びシール部の安定性に問題を有するよう
になる。 又、ポリブテン―1はブテン―1含量93モル%
以上の結晶性で他のモノマーとの共重合体をも含
む高分子量のものとし、液状及びワツクス状の低
分子量のものとは異なり、上記と同様な理由でメ
ルトインデツクス0.2〜10のものが好ましい。又
上記の内、IPPを主として用いる事が好ましい。
又IPPとPB―1との混合物も好ましく用いられ
る。又上記の他に適度の相溶、分散性があり本発
明の目的にあう硬質のポリマーがあればこれも使
い得る。 本発明のフイルムの特定混合組成(ABC)よ
りなる層は強力は冷間延伸力を発揮するに最も重
要な層であり上記の各成分よりなり、その組合せ
及び混合量は重量比で、好ましくは、0.90≧A/
(A+B+C)≧0.20、0.50≧B/(A+B+C)
≧0.05、0.50≧C/(A+B+C)≧0.05である。
又より好ましくは0.80≧A/(A+B+C)≧
0.30、0.40≧B/(A+B+C)≧0.10、0.45≧
C/(A+B+C)≧0.10である。 ここで軟質成分(B)の混合量が少ない場合は、混
合物としての、相乗効果を発揮し難くなり、諸特
性が低下する。例えば、フイルムの強度、光学特
性、低温特性、柔軟性、シール性、延伸性等に劣
つてしまう。又多すぎてもフイルムが軟質化しす
ぎ、ブロツキングしたり、耐熱性、シール特性、
光学特性が低下する傾向にある。 成分(C)は混合組成の引張、衝撃強度、耐熱性、
押出成型性、弾性率、ヒートシール範囲を他の成
分と相乗的に改良し、特に耐熱性、耐油性、押出
成型性、弾性率、ヒートシール範囲、使用時特に
高収縮時における隣接するPVD層のジグザク白
化現象を引き起すのを阻止する力の一部になつて
いる等における効果が大きい。その効果は混合量
が少ない場合は、例えばフイルムの加工性、ダイ
内での流動特性による偏肉が悪くなる等であり、
又、ヒートシール範囲、同耐熱性に不足する。又
特に高温時における同部耐油性が不足となる。又
逆に多すぎると低温収縮性、押出成型性、透明
性、柔軟性、衝撃強度等に劣つて来る等のため好
ましくは、上記の範囲である。ここで、成分(A)
は、前述の中、好ましくは特定のエチレン系共重
合体よりなり、前述の3成分(A)、(B)、(C)の混合体
の中で主体となる事が好ましい場合がある。 3成分の内成分(A)と成分(C)のみの混合は、通常
混合性、相溶性があまり良くなく、前述の相乗効
果も期待し難いが成分(B)を、加えると、それらの
欠点を著しく改善するものである。 これらの理由は、成分(A)に含まれるエチレンと
の共重合体に関係する構造からくる特性と他成分
の微妙な相互作用、又、混合体の結晶構造、及び
混合体の分散状態、処理による効果等、複雑な相
乗作用によるものと思われる。 次に本発明の最大の特徴の1つにその表層に配
する樹脂(S)は前述リニアー低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)を主体とするものである事が重要
である。その好ましい範囲はメルトインデツクス
0.2〜10、密度0.910〜0.935g/cm3であつて、より
好ましい範囲はメルトインデツクス:0.2〜8、
密度:0.910〜0.925g/cm3である。更により好ま
しくはメルトインデツクスが0.2〜6である。メ
ルトインデツクスの下限はフイルムへの押出性に
限界がある為であり、上限は表層として利用した
場合の前述主体層(ABC混合組成物よりなる)
の冷間延伸性に不安定性をもたらし、又、フイル
ムとした場合の、シール部の高温耐油性の不足、
フイルム強度の不足等をもたらす為である。又密
度は下限は樹脂の製法上より、又上限は、上述の
メルトインデツクスの上限の場合と同じように延
伸性の不安定性、及び冷間延伸されたフイルムの
光学特性、特に収縮後の光学特性の悪化等がひど
くなる(例えばASTM D1003でいうヘイズ,光
沢度など)等の傾向になる。上記の範囲内におい
ては上述の加工性、諸特性の悪化も又他層特に
ABC層の諸特性を阻害する事もなく、かえつて
他の層との相乗的効果で、これらの諸フアクター
が逆に著しく改善される事が明らかとなつた。特
に特性では諸強度特性、シール特性、高温耐油性
特性に改善が著しい。又DSC法(昇温スピード
10℃/分)で測定した結晶融解温度(mp)のピ
ーク値が110〜125℃のものが好ましい。 主体をなすリニアー・低密度ポリエチレンは上
述の諸特性を大きく阻害しない程度に他の重合体
を混合して用いてもかまわず、その限度は混合す
る他成分が50重量%以下の程度である。 上記の層構成を組み合わせると、相乗的に諸特
性が改善され、例えばそれは収縮前後において
(ABC)層のみでは光学特性が不足する場合、全
体としての性質を損わないで、これを改良する事
をその目的の1つとしている。他の目的の1つに
そのフイルムでの又はシール部での耐熱性・耐油
性(特に高温度での)があり、その他に耐寒性強
度、シール性(シール範囲、シール強度)の改良
等を相乗的に改良する事を特徴とするものであ
る。 次に中芯層となるべき塩化ビニリデン系共重合
体(PVD)は差動走査型熱量計(DSC法)を用
いて測定した結晶融解温度(mpと略する)のピ
ーク値が140〜155℃の範囲にあるPVDを用いる
事が重要であり、この範囲のPVDを用い且つ前
述の隣接層及び表層を用いると各種の前述の特徴
が相乗的に発揮されるものである。 一般にPVDは5〜35wt%の他の共重合可能な
単量体、例えば塩化ビニル、アクリロニトリル、
アクリル酸アルキルエステル、その他の単量体が
用いられるがこれに限定されるものではなく上述
の範囲に入つていればよい。 又これらの共重合体は単体では熱分解しやすい
ため、必要に応じ少量の安定剤又は可塑剤類を公
知の方法に従つて用いても良い。ここでPVDの
延伸性又は押出性を改良するために多量の液状可
塑剤(例えば7〜12wt%)を使用する事は好ま
しくない。その理由は1つに、通常公知の方法で
は多量の可塑剤を用いないと、うまく延伸が出来
難いが、本発明の方法では該PVD層以外の層と
も特定の組成物の選定及びその組合わせに工夫が
してあるためそのようでなくてもよいのである。
本法では多量の該可塑剤を用いると延伸が不安定
となり逆にパンクしやすくなる等の場合もある。
理由の他の1つに、多量の該可塑剤を用いるとそ
れによりフイルムの酸素バリヤー性能が大きく低
下してハイバリヤーの性能を欠く事となる点が挙
げられる。それを防ぐには該可塑剤を隣層に吸収
しやすい層、例えばVAc28wt%の高酢酸ビニル
基含量のEVA層をもつてきて長期のエージング
中に吸収してバリヤー性を少しでも良くしようと
する試みなどが公知である。しかしその様な方法
では品質が不安定であり、本発明のものとは異な
る。 他の1つに可塑剤を多量に用いると層間が極度
にハクリしやすくなる事であり、耐熱性等その他
諸特性が低下する事である。 本発明においては上記の理由で通常当業者に公
知で使用されている添加剤例えば安定剤としてエ
ポキシ化大豆油、可塑剤としてアセチルトリブチ
ルシトレート、ジオクチルアジペート等を極く少
量3wt%以下、好ましくは2wt%以下使用する事
が好ましい。それらの使用量が少量では上述の問
題点もなく、又可塑剤が多量に移行しバリヤー性
が変化するような事も実質的には起らず、安定で
あり、特に、本発明の組成を用いる時は耐油性が
あるためこの様な現象はなおさら見られにくい。
又本発明の方法では充分低温で各層とも特に
PVD層も両側にある強力な延伸力を有した特定
の樹脂層(ABC層)で充分延伸されるためPVD
層にも強い冷延伸が附与され、延伸中にPVDの
結晶化が配向とともに進行し安定化するものと思
われる。又該層PVD結晶化が充分進んだあと例
えば1ケ月後にも驚くべき事に延伸が成功しその
場合には更に良い結果が得られる事もある。これ
らは本発明の他層との相乗効果であり、耐寒性、
諸強度、低温収縮特性、収縮前後の光学特性の優
れた性能としての影響を与えている。 又好ましくは、他の移行性のない高分子可塑剤
としてEVA、オリゴマー類、ゴム状物等、混合
としても著しく白濁しなく又相分離しないものを
混合して用いてもよい。その場合はその添加量は
好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10
重量%である。 又更に用いるPVDは重合度の比較的低い流れ
の良いものをベースとしても良く、その場合は、
分解によるカーボン化の現象が低下して押出し、
延伸時の加工安定性が良くなる傾向になる。この
様な種類のPVDは通常特に無延伸では、フイル
ム状に急冷加工しても、安定化した後には、もろ
く破れてしまう様なもので、いままで好ましくな
いとされていた。もしこれを前述の従来例の特開
のごとき本発明より高温度84〜105℃程度で延伸
した場合は劣つたものとなつてしまうのである
が、本発明の冷間で充分延伸し、特定の他層との
相乗効果を発現せしめる場合に適するタイプのも
のである。このようにすると実質的に低分子の移
行性の可塑剤をフリーにした無可塑で加工し優れ
たフイルムを得ることもできるようになる。 各層の組合せは前述のABC層をPVD層の隣接
した両側に配する事が必要でその層の数は特に限
定はしないが、片側で表わすと少なくとも1層、
必要によつてはそれ以上である。 更に本発明では外側の少なくとも1表層にS層
を配して上記層で不足の点を更に相乗的におぎな
うものである。又、他表層に他の耐油性組成物を
用いてもよい。 以上の組合せをフイルムの外側から順に内側へ
と略語で表わすと以下のようになる。 S/ABC/PVD/ABC,ABC/PVD/
ABC/S,S/ABC/PVD/ABC/S,S/
ABC/ABC/PVD/ABC,S/ABC/ABC/
PVD/ABC,S/ABC/ABC/PVD/ABC/
ABC/S,EVA/ABC/PVD/ABC/S,ア
イオノマー樹脂/ABC/PVD/ABC/S等であ
る。 各層の厚み構成比は PVD層は全体厚みの35〜5%である事が好ま
しく、その範囲は4〜35μである。その比率及び
厚みの下限は優れたバリヤー特性を維持するため
又品質を保持するため必要なレベルであり、その
酸素バリヤー性能は50c.c./m2day atm(23℃)以
下、好ましくは30c.c./m2day atm(23℃)である。
但し同バリヤー性のさほど必要としない用途又は
逆にあまりバリヤー性があると困る場合はその限
りではない。 上記厚み構成比の上限は低温収縮特性又は耐寒
性、シール性、他諸特性、特に低温収縮特性を保
持するために必要な限界でありそれを越えると悪
化する。 又その厚みの上限は上記厚み構成比の上限が守
られれば良いが実用的にあまりに厚い層は実用的
に必要としない。 表層をなすS層は合計で全体厚みの5〜40%で
あり、その厚みの範囲は2〜25μである事が好ま
しい。より好ましくは3〜20μである。その下限
は表層としての役をもたらすために必要な厚みで
あり、上限はそれがあまりに厚いとABC層の機
能が低下するからである。又表層として本発明の
条件で延伸性が低い樹脂の場合はその比率は低い
方が好ましい。主体をなすABCよりなる混合樹
脂層は原則的にはPVD層を除いた65〜95%の内
の表層を除いた25〜90%の厚み比率である。 又全体の厚みは通常、比較的大きな生肉、加工
肉等を直接包装する用途の場合は30〜100μ、好
ましくは35〜80μである。しかし特に薄肉までの
バリヤー包装材として使用する等の場合はその限
りではなく、5〜30μのフイルムとしても充分使
用出来る事が判明した。その事は、特徴的な層構
成による強度特性、無可塑に近いPVDを高配向
する事により得られる高強度、高バリヤー特性等
の相乗効果によるものである。 上記各層の厚み構成(μ)及び比率(%)とな
つた理由はまずPVD層のDSCのmpのピークが
140〜155℃の範囲に存在する場合について隣層に
前記限定したABC層を配する事が必要でもし3μ
のEVA単体層(VAc:10.2モル%、MI:4)を
両側に隣接し接着層とした場合に収縮後の光学特
性に注目すると30%(タテ、ヨコの平均)の収縮
率でもはや白化現象が発生する。このフイルムを
スライスして断面の顕微鏡写真を観察すると
PVD層のジグザグ状の屈曲(以後ジグザグ白化
と言う)が見られ明らかに異常現象が発生してい
る事が判明した。そのようなフイルムは白つぽく
なり内容物がぼやけて見にくくなり商品価値を大
巾に低下するのみならず、層間がハクリしてシー
ル部の強度が低下する結果ともなる。上記のmp
範囲内のPVD層を使用し特定のABC層を構成し
且つ本発明の条件下で全層とも充分低温延伸した
場合いずれも85℃で収縮させてもほとんどこの現
象は見られなかつた。但しその上限155℃を越え
たPVDを使用するとABC層を配してもジグザグ
白化が発生する様になる傾向が見られる。又耐寒
性も悪くなる傾向にあつた。又前述した様に
PVD層に可塑剤を多量(6wt%以上)使用した場
合にもこの傾向が見られた。 又mpが上記下限以下のPVD層は延伸安定性が
低下するのとバリヤー性の低下、耐熱性の低下等
の傾向にある。 以上のように特定のPVD共重合体の特定の層
とその両側の層との相乗効果により本発明のフイ
ルムは今までにない優れた特性を発揮出来るよう
になるものである。 本発明のフイルムはその低温収縮性の特性を表
わす最大の特徴の1つに加熱収縮率が70℃、80℃
の各温度において少なくとも15,25%の値を有
し、好ましくは20,30%、更に好ましくは、22,
35%である。この測定法は所定の温水中に4秒間
浸した時のタテ、ヨコ方向の収縮率の平均であ
る。 この値は高い程、低温収縮性能の高い事を意味
し且つ、両者の差が小さい程収縮時の温度依存性
が少ない良い収縮包装が出来る事を意味する。こ
の値は実用域(20〜50%収縮する範囲)において
10℃の温度差における、収縮率の差が最大になる
値でもつて表わし、つまり〔Δ収縮率(%)/
Δ10(℃)〕の値でこれを収縮勾配(ΔS/ΔT)と
して表わすと本発明のフイルムは1.5以下で好ま
しくは1.4以下、更に好ましくは1.3以下である。
これに比較して後述の市販バリヤー・シユリンク
フイルム(a),(b)はそれぞれ2.8,1.9であつた。 又収縮応力値はその温度に対するピーク値が50
〜80℃の比較的温域にあり、その最大値が少なく
とも、100gr/mm2、好ましくは125g/mm2、より
好ましくは140g/mm2であり、上記収縮率と相ま
つて充分タイトで引きしまつた包装物を提供する
特徴を発揮する。 収縮温度が低くその応力値も高く低い温度にあ
ると言う事は包装材料であるフイルムにその構成
する主重合体のmpを越える過大な温度で処理す
る場合によるデメリツト、つまりフイルムを劣化
させる(溶融、脱配向するため)事なく包装出
来、諸特性(強度、シール部強度、光学特性等)
を低下させない等の大きなメリツトを与える他に
被包装物が生肉等の場合に煮えによる品質低下肉
汁(ドリツプ)発生等による品質低下を防ぐ大き
な効果がありそのメリツトは大きい。 又両特性のバランスが良いためシワのない優れ
た被包装物が出来得る。 他の特徴の1つに、耐寒衝撃強度に優れている
点がありASTM D1709―75に準じて測定された
5℃における落錘衝撃強度が60μ換算で150Kg・
cm以上、好ましくは170Kg・cm以上の値を有する。
市販品(a)(b)は130Kg・cm、145Kg・cmそれぞれの値
であつた後述の実例では230Kg・cmの値を有する
ものがある。この値において本発明のフイルムが
優れるのは全層とも充分冷間延伸し高度の配向が
附与されている事に起因するものである、又通常
PVD層が最も耐寒性に劣りそこよりフイルムが
破壊され伝播して破れる事が見い出されるが、全
層の相乗効果による高配向のため本発明のフイル
ムは強いレベルにあるものと思われる。又、余り
に同強度が高いので通常の方法では測定でき難
く、次の方法を考えたものである。つまり同試験
の時に有意差をはつきり出すために落錘にギザギ
ザのエツヂのあるミゾ部を有したフイルムノツチ
効果を与えるミサイルを使用した場合でも、−30
℃において本発明のフイルム例えば実施例RunNo.
1のフイルムが67Kg・cmであるのに比し、前述市
販(a),(b)は25,27Kg・cmであり本フイルムが特別
に強度の優れている事が判明している。 第2図を参照すればこの関係はより明らかとな
る。 又本発明のフイルムの最大の特徴の1つに、低
温収縮性を有すると同時に、高温耐熱・耐油性の
優れている事をその大きな特徴とする事が出来
る。その測定法はシールされたフイルム、つまり
60μの厚みの15mm巾の中央部を合掌状にシールし
た長さ10cmのサンプルを作りその中央のシール部
の両面にラードを充分塗り所定の重りを下の方の
サンプル片に下げて、所定の温度の水浴中にシー
ル部を浸しそのシール部が高温の油(ラード)に
より侵かされて切れるまでの時間を記録し、60秒
以上切れないで保つ荷重を温度とその関係で把握
する方法をとつた。その方法によれば、本発明の
フイルムは95℃の温度でも100g/15mm巾以上の
値を有し、好ましくは150g/15mm巾以上の値を
有する事が判明し、市販品の(a),(b)のフイルムで
は、この値が3,20g/15mm巾と耐油性にとぼし
いものであるのに対し特に優れていることがわか
る。この事は油性の食品特にハム,ベーコン,ソ
ーセージ等の油性の加工肉を真空包装し、次にシ
ユリンクをして見ばえを良くする場合、又更に同
時に殺菌を行なう場合等にシール部が破袋する事
なく安全に、しかもタイトな収縮によりドリツプ
(肉汁)の発生を防ぎながら包装出来る事を意味
する重要なフアクターであり、本発明のフイルム
がこれらの諸特性に特に優れる事を示す証拠であ
る。これは第3図を見れば本発明の有利性がより
明らかとなる。 又本発明のフイルムの最大の特徴の1つに収縮
前後における光学特性が優れている事を挙げる事
が出来る。それは収縮初期の光学特性が優れてい
るのみならず、収縮後特に高収縮率において優れ
ている事である。つまり一般に収縮率に対する例
えばヘイズ値の変化率が少ない点である。この値
は例えば10%収縮後のHaze値で15%以下、好ま
しくは10%以下である。又更に重要な事は実用的
に高収縮後の値であり、この部分は実際の包装時
にエツヂの部分、フリーの部分、クリツプ、シー
ルの部分、シワの部分等に多く高収縮率の部分が
当然発生する。 又包装フイルムのサイズに対し被包装物が小さ
い場合―実用的にはその場合が多い―これ等の場
合に通常の市販のフイルムでは、前述白化現象が
発生して著しく外観を損う欠点があつた。市販
(a),(b)で50%収縮時にヘイズ値で40%,80%とな
る。又60%収縮時にはいずれも高限値である80〜
90%に達し全く白化してしまう。本発明のフイル
ムの値は50%収縮で表わし、好ましくは40%以
下、より好ましくは35%以下である。 このように本発明は全層の相乗効果により今ま
でにない優れた光学特性のレベルに達する事が出
来たものである。 ここでその白化現象について解析を試みた結果
PVD層以外の表面層が最初から荒れている、ま
た収縮中に荒れる等の外にその主原因は、前述の
PVD層のジグザグ状の屈曲(ジグザグ白化現象)
が発生しこれが表面に転写する、また層と層の界
面で乱反射する、また界面がハクリしてしまう現
象である事が明確化した。 その理由は、フイルムの収縮温度が高い方にシ
フトしている程、収縮勾配が急な程、又隣接層を
構成する重合体層の厚・薄にかかわらず、それ自
体の軟化点が低く、mpも低い程、又単体の重合
体程、又PVD層の(DSC)mpが高い程、PVD
層の配向度が低い程(延伸度が低い、延伸温度が
高い、レジンからくる要因等)、高温でPVD層と
隣接層がハクリ的現象を発生しやすい程、その現
象が発生しやすい事が判明した。それが発生する
と上記光学特性以外にシール強度、耐油性強度、
層間ハクリ現象、諸強度は大巾に低下するのは言
うまでもない。 更に詳しく調べると、市販(a)は90℃で収縮率43
%、市販(b)は85℃で収縮率40%以後急にジグザグ
白化現象が発生する事が明確となつた。又それ以
前でも所々発生している様子が顕微鏡観察の結果
見られた。以上に比べ本発明のフイルムの例
Run1では以上のような現象は発生していなかつ
た。又上記ヘイズ値はいずれも60μ換算での値で
あり、これより厚くなつた場合、又必要により着
色したり、後加工し、エンボスしたり、ラミネー
トした場合などの場合はこの限りでない。 又本発明のフイルムは引張強度が強く
(ASTM D882―67により測定)通常5Kg/mm2
上の破断強度を有し好ましくは7Kg/mm2以上の強
度を有している。 又本発明のフイルムはその1つの用途に袋状の
形状にシールして、一般の使用法でもきびしい条
件下、例えば油脂の付着した状態で真空包装され
て高温下でシユクリンクする等の苛酷な条件で使
用される事が多い。そのため耐油性に優れている
必要がある。 本発明のフイルムは、真空包装時に結束性(ク
リツプによるシール性)に優れ結束時のピンホー
ルによる真空もどりが少ない特徴があるが、これ
は前述の相乗効果の結果である。 次に本発明の重合体の組合せからなるフイルム
を製造する方法の1例について詳細に説明するが
これに限定されないものとする。 本発明の方法は前述の重合体組成を必要により
それぞれ別の押出機でもつて熱可塑化溶融し、通
常多層ダイより押出して原反とするが、必要によ
り他の方法でも良いが押出直後液体冷媒により20
℃以下に急冷固化せしめた充分均一なチユーブ状
原反とするのが好ましい。 得られた該ABC層、PVD層、S層を含む少な
くとも4層の原反を100℃以下、好ましくは90℃
以下、より好ましくは85℃以下であり、更に好ま
しくはABC、S層において主体となる結晶成分
を溶融する事なく、急冷した性質を損う事のない
温度に加熱し、且つ90℃以下、好ましくは35〜80
℃、より好ましくは35〜70℃の温度で上記層の各
組成の主体となる、もとの結晶成分の融点より低
く、更に好ましくは主体となるものとの重合体か
又は混合体のVsp以下で充分な内圧例えば100〜
3000mm水柱圧下でバブル状に膨脹させる事により
所望のフイルムが初めて好調に得られるものであ
る。この時の最適な面積延伸倍率はその時の各組
成、層構成温度によつて異なるが一般に5〜20
倍、好ましくは7〜15倍、であり、好ましい場合
に行なわれる横方向の延伸倍率は、一般に2〜6
倍、好ましくは2〜4倍である。この時パンクを
防ぎ充分冷間で延伸出来る条件は、前記の範囲内
の各組成及び層組合せである事が特に重要である
と同時に充分均一な原反を作ることが重要であ
る。 延伸の程度は送りニツプロールと引取りニツプ
ロールのスピード比によるタテ方向の延伸比を決
定すると、あとはバブル内に空気を封入しバブル
の延伸終了点近く(ABC層の白化寸前)まで延
伸し横方向の膨脹が止まる程度として最大径の部
分ですぐにロール式デフレーターでデフレートす
るのが最も安定に延伸を実施するに良い方法であ
る。又、原反バブルは内圧と径との関係上30mm径
程度以上、好ましくは50mm径以上装置の許す限り
大型サイズが好都合である。又、得られたフイル
ムの物性上、出来るだけバブルの安定性の許す限
り延伸は充分冷間の方が好ましい訳だが実際に
は、安定性とのバランス(パンクしない様に)で
その時の組成により延伸程度を決定すればよい。 又フイルムの全体厚みは熱の授受が少ない本製
法の特徴に更に多層の各層が高度に延伸される相
乗効果により均一にしかも安全に全層が高度に延
伸され前述の特性を有したフイルムとなる。 以上に比して、通常の融点以上に加熱した延伸
法では、この様なことはなく、光学特性を良くし
ようとするには逆に延伸の温度をより上昇してゆ
かなければならなく、ますます配向はかかりにく
くなつてしまい強度も低くなる傾向にある場合が
多い。 又、融点前後±5〜10℃の温度でも同様なこと
が言え、光学特性は更に好ましい結果とはならな
いばかりか加うるに混合組成では特に原反が丁度
もろい温度条件になりパンクし高特性を付与でき
難い事もある。特に多層で異種のレジンを組合わ
せるときは、レジンそれぞれの延伸最適温度が異
なり、全層の延伸が不可能な組合わせが多く、結
局どれかの層の延伸による配向付与を犠牲にする
場合が多い。 本発明の後述の実施例の如く極低温で、例えば
47℃で本発明で言う延伸が全層にうまく達成され
る事は、今迄になく、特定の該共重合体層を含む
例えば多層チユーブを用いて、均一な急冷原反を
用いる事、特定の延伸方法等の条件を満たす事等
の相乗効果により、初めて達成されるものであ
る。 なお、ここでいう加熱温度とは延伸前の原反で
の最高温度のことであり、又、本発明でいう延伸
温度とは、延伸を開始する部分の温度のことであ
り、そこから当然延伸が終了する域までは冷却さ
れてより温度が低下したゆく。延伸の終了域(バ
ブルの最大径に達する領域)では充分冷却して少
なくとも40℃以下、好ましくは30℃以下、より好
ましくは25℃以下にするのがよい。よつてその延
伸開始部と終了部との温度差は少なくとも5℃以
上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以
上とするのがよい。これらの温度は接触式温度計
でバブル表面より測定した場合である。又、例え
ば実施例のRunNo.8の場合延伸開始部の温度が54
℃で、バブル最大径と原反との膨脹中の領域で原
反から1/3のところは50℃で、2/3のところは39
℃、終了域で25℃であつた。以上より、本発明の
方法は今までにない冷間延伸法であることがわか
る。 次に実施例を挙げて本発明を例証する。 実施例 1 酢酸ビニル基含量(VAc):5.5モル%、メルト
インデツクス(MI):1.0、結晶融点(mp):88
℃、Vicat軟化点(Vsp):72℃、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体(EVA):a1:60重量部と熱可塑性
エチレン―αオレフイン共重合エラストマー(α
オレフインがプロピレンで15モル%、エチリデ
ン・ノルボルネン2wt%をランダム共重合した、
MI:0.45、密度0.88g/cm3、Vsp:40℃以下):
b1:20重量部、結晶性ポリプロピレン(メルトフ
ローレート:MFR:7.0、密度:0.89g/cm3、エ
チレンを4wt%共重合、Vsp:143℃):c1:20重
量部を混合し混合組成(Vicat軟化点67℃)
ABC111層用とし、LLDPE(MI:2.0、密度:
0.915g/cm3、mp:116,120℃にピーク有り、
Vsp:98℃α―オレフインとしてオクテン―1が
3.5モル%共重合したもの)を表層用樹脂S1とし、
更に塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニルを共
重合したもので、DSCピーク温度mpが145℃のも
の):100重量部、VAc40wt%のEVA:2重量
部、エポキシ化大豆油:1重量部アセチルトリブ
チルシトレート:0.5重量部を混合したPVD系組
成物(PVD1)をPVD層用レジンとして各々別々
に3台の押出機で熱可塑化して3種5層ダイ内で
これ等を融合し平均の樹脂温度:190℃で押出し
た後、該ダイ先端部から5cmのところで約8℃の
冷水で急冷し折巾:120mm、厚み:650μの各々各
層とも均一な厚み精度のチユーブ状原反を作成し
た、その層構成はチユーブの外側から順に、S1
60μ/ABC111=130μ/PVD1=100μ/ABC111
300μ/S1=60μとなる原反を作成した。 これらの原反を2対の送りニツプロールと、そ
れよりも早い引取りニツプロールの間に通し、こ
の間で熱風により47℃に加熱し、そのまま内部に
空気を入れ連続的に膨張させ、ほぼタテ3.1、ヨ
コ:3.5倍に安定性良く延伸して延伸終了域を15
℃の冷風の吹き出るエヤーリングにて冷却し、ロ
ール式デフレーターで折り込んでニツプロールで
引取り、そのまま巻き取つて所定のフイルムを得
た。 尚、この時延伸は、冷間高延伸をスムーズに行
なうため、加熱部と延伸開始部を実質上隔離する
事を目的とした整流用接触ガイドを用い原反及び
又は延伸中のフイルム表面に同伴する流体及びそ
の境膜を周方向に不連続的に接触除去しながら次
に必要によつては更に延伸中のバブル部にも同様
な接触ガイドを行ない、実質上独立した温調気室
を作り伸長延伸する事によりフイルム上に段階的
な温調気室をもうけゾーンコントロールする事に
より非常に安定に実施された。 得られたフイルムは前述原反の順に5.5μ/
12μ/9.2μ/27.8μ/5.5μで合計60μのチユーブ状
フイルムであつた―Run1。 次に同様な層構成で各々厚みを変えて表1のフ
イルムを得た―Run2〜(但し、以後外側表層よ
り第1層とする)。
【表】 但し、Run比―1は比較例であり原反構成比が
第1層から順に前記同様に表わすと180μ/30μ/
110μ/30μ/300μ合計650μの原反を得て同様に延
伸を試みた結果チユーブ内部に空気を入れてブロ
ーアツプする初期の段階でパンクしてしまい延伸
が全くできず製品を得る事ができなかつた。 これら得られたフイルムと比較例である、市販
の2種類のフイルムの諸特性の値を第2表に示
す。
【表】 Run1のフイルムのを製造直後から25℃で1ケ
月エージングした時のバリヤー性の安定性を調査
した結果ほとんど変化が見られなく安定性が良い
事が確認された。 但しここに、市販の比較例のサンプルは
16μ/10μ/34μで合計60μ;EVA/PVD/架橋
EVAの層構成の生肉包装用バリヤー・シユリン
クバツクである。架橋された層のボイル・キシレ
ンに不溶ゲルは50wt%であつた。又EVAのVAc
は9.5wt%であつた。 市販の比較例のサンプルは 15μ/1μ/8μ/1μ/35μで合計60μ:EVA/高VA
c EVA/PVD/高VAc EVA/アイオノマー樹脂の層構
成よりなる生肉包装用バリヤー・シユリンクバツ
クである。 以上得られたフイルムはいずれも光学特性、低
温収縮性、諸強度とも優れた特性を示すフイルム
であり、実用包装テストとして10Kgの生肉を真空
包装したRun1、比,比のフイルムをそれぞ
れの条件で温水中に5sec間浸漬して収縮包装し
た。Run1のフイルムで包装したものは75〜80℃
の温水でシワもとれタイトに仕上がり比は93〜
95℃の狭い範囲で仕上るが、部分的に白化現象が
発生している、又比は85〜90℃で比較的タイト
に仕上がが、やはり部分的に多く収縮した部分は
白化現象が発生した包装物の見ばえはRun1のも
のが最も良く、次に比、次に比の順であつ
た。又0℃にこれらの物を冷却して1mの高さよ
り落下させるとRun1のものは10回落下しても破
袋はしなかつたが、比は1回で比は3回で破
袋してしまつた。又0〜5℃で1ケ月保存させた
後、観察して見るとRun1のものが一番肉汁(ド
リツプ)の発生が少なく見ばえ、品質とも優れて
いた。これは低温で収縮できしかも表面にシワな
ど残さないための効果と思われる、又開封したと
きの色のもどりは最も優れていた。 又市販のハムを半分に切り約1.3Kgのブロツク
として各フイルムでタイトに真空包装して(余裕
寸法約15%)98℃の豚油を浮かべた温水の中に浸
すと比のものは約3secで表層部がハクリして、
即シール部もハカイして破れてしまい、比のも
のは約10secで表層部がとけてハクリしてしまい
シール部は破れたしまつたが、本発明のRunNo.1
のフイルムでは5分間たつても上記のような現象
は発生しなく耐油性、収縮性ともすぐれている事
を証明した。又、各フイルムを10cm×10cmのサイ
ズに切り取り、60℃のラード中に浸しておくと、
比,のフイルムはそれぞれ30分、40分後に切
口よりラードが浸透し層間剥離現象を発生したが
RunNo.1〜6のフイルムは発生しなかつた。これ
は切口にある耐油性の不足する層、及び層間接着
の不足する層より油が浸透し、剥離現象を発生さ
せたものである。 実施例 2 実施例1と同様な方法で、必要により4種5層
ダイを用いてそれぞれ所定の原反を作成し表3の
ような層構成のフイルムを得た。延伸温度は
Run7〜11でそれぞれ55,59,60,56,62℃で;
比2〜比6はそれぞれ58,61,60,67,42℃で行
なつた、但し、比2〜5は表中に原反の厚みを
( )内に表示する。
【表】
【表】 樹脂の種類 ΓS2―リニアー・低密度ポリエチレン(MI:
1.0,密度:0.917g/cm3,mp:118℃,
Vsp:102℃) ΓS3―リニアー・低密度ポリエチレン(MI:
5.5,密度:0.920g/cm3,mp:118,122℃
にピークを有するVsp99℃) ΓS4―リニアー・低密度ポリエチレン(MI:
2.0,密度:0.924g/cm3,mp:121℃,
Vsp:112℃) ΓS5―リニアー・低密度ポリエチレン(MI:25,
密度:0.919g/cm3,mp:121℃,Vsp:
95℃) ΓS6―リニアー・低密度ポリエチレン(MI:6,
密度:0.935g/cm3,mp:124℃,Vsp:
118℃) ΓS7―高圧法・低密度ポリエチレン(リニアーと
呼ばれていない従来のLDPE) (MI:2.0,密度:0.919g/cm3,mp:105
℃) ΓS8―中,低圧法・高密度ポリエチレン(通常の
HDPE) (MI:1.0,密度0.950g/cm3,mp:132
℃) ΓABC211−EVA(VAc:4.1モル%,MI:1.0,
mp:95℃,Vsp:78℃):a2:65wt%,エ
チレン―αオレフインエラストマー:b1
(前述):20wt%,IPP:C1:15wt%で混
合物のVspは64℃ ΓABC111-1―EVA:a1:55wt%,エチレン―α
オレフインラストマー:b1:15wt%,
IPP:C1:30wt%で混合物のVspは70℃ ΓABC211+S2―上記のABC211:70wt%と下記の
S2:30wt%の混合物でVspは70℃ ΓABC112―EVA:a1:45wt%,エチレン―αオ
レフインエラストマー:b1:15wt%,結
晶性ポリブテン―1:(MI:2.0,密度
0.910g/cm3,Vsp:105℃,エチレン5モ
ル%でモデイフアイしたもの、mp110
℃):C2:40wt%の混合物で、Vspは84℃ ΓABC112+C1―EVA:a1:45wt%,エチレン―
αオレフインエラストマー:b1:20wt%,
結晶性ポリブテン―1:C2:15wt%と
IPP:C1:20wt%の混合物でVspは83℃ ΓS9―EVA:a2(前述) ΓPVD2―塩化ビニリデン系共重合体(塩化ビニ
ルを共重合したものでDSCピーク温度が
142℃のもの)の100重量部当り1重量部の
エポキシ化大豆油にアセチルトリブチルシ
トレート:1重量部,VAc40重量%の
EVA:2重量%を加えた組成物 ΓS10―S1:70wt%にa230wt%混合した混合物 得られたフイルムの特性を表4に示す。 RunNo.7〜11とも安定に冷間延伸が達成できた
が、比2のものは延伸初期のバブルアツプ時にパ
ンクしやすく安定に延伸を達成する事ができなか
つた。延伸温度を40℃と低くしても、又95℃と高
くしてもタテにスジが発生しやすく充分延伸する
事ができなかつた。 比3のものも比2と同様な傾向にありもつと伸
びにくく、パンクしやすいものであつた。 比4のものは不安定ながらも延伸寸前までバブ
ルアツプできそうになるが、やはりスジ状の厚み
ムラを残しパンクしてしまう傾向にあつた。この
傾向は温度を上記同様にupしてゆくと更に全体
が白化して不透明になり、パンクもしやすく充分
延伸する事ができなかつた。 比5のものはバブル内に空気を入れようとする
と、即パンクしてしまい、30〜95℃の間では延伸
する事が全くできなかつた。 比6のものは安全に充分低温の42℃で延伸を連
続的に続行する事ができた。
【表】
【表】 *1 表2と同様な方法で測定
実施例 3 実施例1と同様な方法及び層組合せで、塩化ビ
ニリデン系共重合体の共重合体をDSCピークの
mp値で141,149,154各温度℃順次RunNo.12,
13,14のもの、又135℃,160℃のもの比RunNo.
7,8として、他は同じ条件で延伸を行なつた、
その時141,149,154℃のものはうまく安定に延
伸できたが、135℃のものは伸びが止まらず不安
定で延伸時パンクしやすい傾向にあつた。又、
160℃のものは充分伸び切つて延伸でき難く、も
ろくパンクしやすい傾向にあつた、しかし比
Run8の部分的なサンプルを同時に評価して見る
と、RunNo.12,13,14は、光学特性はRunNo.1と
大差はないが、比RunNo.8のものは、低度の収縮
率でも著しいジグザグ白化現象が発生するもので
あつた。熱収縮特性も他のものは良いが比RunNo.
8のものは収縮不足で70℃〜10%,80℃〜15%で
あり同応力は60g/mm2と低く、破断強度も4.3
Kg/mm2で−30℃の前述のエツジ付ミサイルでの落
錐強度は40Kg・cmと低いレベルのものであつた。
一方、他のものは優れた値を示した、これは
PVD層に起因していると思われる。 又、酸素バリヤー性能はRun12,13,14、比
Run8と順に示すと43,19,12,8c.c./m2
day・atmであつた。 実施例 4 実施例1と同様な方法、層構成でmp150℃のピ
ークを有する塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合
体を使用し他にPVD層の添加剤を変化させて延
伸し、フイルムを得た。但し比Run11の場合は第
1,3層がVAc28%のEVAよりなる3層のフイ
ルム、比Run12の場合は同様にVAc18wt%の
EVAを使用したいずれも3層のフイルムとした
厚み比はそれぞれ20μ/10μ/30μとした。
【表】 RunNo.15〜20のものは実施例1のRun1に比し
特別に劣つた現象は見られず特性値も大差なく良
いレベルのものであつた。以上に比し比Run9,
10はパンクしやすかつたが延伸は比較的スムーズ
に行なえた、比11,比12のものは原反が特にブロ
ツキングしやすく不安定で良好な延伸を行なえな
かつた、比9,10のものはPVDC層の隣層が耐油
性のある特殊混合組成を使用しているため延伸後
しばらくたつと層間がハクリしやすい傾向にあつ
た。又比11,12のものはベトベトしてフイルムが
ブロツキングしやすく腰もないフイルムであつ
た。経時によるバリヤー性の変化を調べると
Run15〜20のものは15日間室温に経時してもほと
んど変化しなく約23c.c./m2・day・atm(23℃)で
あつたが比9,10は直後が150c.c.であつたのが120
c.c.となり、比11,12では直後が145c.c.であつたの
が90c.c.,95c.c.となりいずれも悪いレベルであつ
た。経時後収縮させると比Run9,10,11,12と
もジグザグ白化が発生し特に11,12のものは著し
かつた、又、収縮時比Run11,12のものは軟化し
ベトベトとなり実用になり難きものであつた。 又、比11,12のものの収縮応力は:40,50g/
mm2でありシール部の耐油テストでは5grの荷重
でも瞬時にハクリしてしまう状態であつた。 比較例 1 実施例と同様な方法で原反を得、次の表6のご
とき組成及び層構成のフイルムを得るように原反
の層構成を調整し延伸を行なつた。
【表】 但し、a3―EVA(VAc:10.3モル%,MI:4,
mp:73℃,Vsp:43℃) 比13のフイルムは収縮時にジグザグ白化現象が
発生し、比14のフイルムは延伸時の加工安定性が
悪く、パンクしやすくPVD層が厚すぎるため延
伸中に発生する結晶化熱の除去が難かしい、又、
少片のサンプルの物性を測定すると低温収縮性が
低下していて、シール性、耐寒性とも低下してし
まう結果となつた。 比15のフイルムは延伸が難かしく、40〜70℃で
は空気をバブル内に入れてバブル・アツプしよう
とすると、即パンクしてしまい全く延伸する事が
できなかつた。又、同延伸温度を上昇して行くと
少しづつふくらむようになり、80℃ではブローア
ツプ比2ぐらいでまだすじが残つた状態でようや
く連続する事ができ、85℃ではブローアツプ比
3.5でやや不安定でゆれるも延伸を続ける事がで
き、91℃でようやく安定に延伸を続けることがで
きた。このフイルムは白つぽく光学特性の悪い
(ヘイズ値25%)、しかも低温収縮性が70,80℃で
それぞれ5,12%であり90℃では32%,95℃では
41%と高温でようやく収縮するタイプのものであ
り、収縮応力も90g/mm2と低いものであつた。
又、PVDC層のジグザグ状白化現象は30%以上収
縮させた時に発生する傾向があつた。耐油性は95
℃で60grであつた。又、延伸の温度を95,100℃
と上げてゆく程、光学特性の悪化,低温収縮性の
低下がはげしくなる傾向があつた。又、バブルも
安定性が悪化する方向にあつた。又、これ以上温
度を上昇すると極部的に薄く白く伸びた不均一な
厚みのフイルムしか得られなかつた。 比16のものは各温度でもパンクして延伸する事
ができなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のフイルムと市販フイルム
(a),(b)との収縮率の温度依存を図示したもので、 図中1―1は本発明のフイルム(RunNo.1のも
の)、1―2は前述の市販フイルム(a)、1―3は
前述の市販フイルム(b)である。 第2図は、本発明のフイルムと比較例サンプル
及び市販フイルム(a),(b)とのダートインパクト強
度(前述のミゾ付エツジのものを採用)を測定温
度の依存で図示したもので、 図中2―1は本発明のフイルム(RunNo.1のも
の)、2―2は比RunNo.6、2―3は前述の市販
フイルム(a)2―4は前述の市敗フイルム(b)であ
る。 第3図は、本発明のフイルムと比較例のサンプ
ル及び市販のフイルム(a),(b)の高温耐油性を図示
したもので、 図中3―1は本発明のフイルム(RunNo.1のも
の)、3―2は比RunNo.6、3―3は前述の市販
フイルム(a)、3―4は前述の市販フイルム(b)であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) がビニル・エステル単量体、脂肪族不飽
    和モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキ
    ル・エステルより選ばれる単量体とエチレンと
    の共重合体、又はリニアー・低密度ポリエチレ
    ンから選ばれる少なくとも1種の重合体、 (B) がエチレン―α―オレフイン共重合体よりな
    る密度0.91g/cm3以下の軟質エラストマー、 (C) が結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリブテン
    ―1のいずれか又はこれらの混合重合体; であり、上記の(A)と(B)と(C)とよりなる混合組成
    (ABC)層の少なくとも1層を、全層の厚みの中
    で35〜5%の厚み構成をなす所の、DSC法を用
    いて測定した結晶融解ピークが140〜155℃の範囲
    にある塩化ビニリデン系共重合体(PVD)より
    なるバリヤー層に隣接して配し、且つ表層にリニ
    アー・低密度ポリエチレン(LLDPE)を主体と
    した重合体よりなる樹脂(S)層を少なくとも1
    層その合計厚みで2〜25μ、全層厚みの比率5〜
    40%で配した4層以上のフイルムであつて且つ熱
    収縮率が70,80℃において各々少なくとも15,25
    %であり、且つ収縮応力の最大値が少なくとも
    100g/mm2の値を有する事を特徴とする耐油性低
    温熱収縮性多層バリヤーフイルム。 2 重合体(A)がビニルエステル基含量:2〜12モ
    ル%、メルトインデツクス:0.2〜6であるエチ
    レン―酢酸ビニル・エステル共重合体である特許
    請求の範囲第1項記載の多層バリヤーフイルム。 3 重合体(A)がアクリル酸、アクリル酸エステ
    ル、メタアクリル酸及びメタアクリル酸エステル
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種の単量体
    とエチレンとの共重合体であり該単量体の含量が
    2〜12モル%よりなる重合体である特許請求の範
    囲第1項記載の多層バリヤーフイルム。 4 重合体(A)がリニアー・低密度ポリエチレンよ
    りなり、メルトインデツクス0.2〜10、密度:
    0.910〜0.935g/cm3である特許請求の範囲第1項
    記載の多層バリヤーフイルム。 5 重合体(A)がリニアー・低密度ポリエチレンで
    あり、エチレンにα―オレフインとしてプロピレ
    ン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オ
    クテン、4メチル―1―ペンテン等の炭素数C3
    〜C12のα―オレフイン類から選ばれる少なくと
    も1種のオレフインを7モル%以下共重合したも
    のである特許請求の範囲第1又は4項記載の多層
    バリヤーフイルム。 6 重合体(B)が、エチレン93モル%以下、40モル
    %以上で、α―オレフインがプロピレン、ブテン
    ―1、4メチル―1―ペンテン等より選ばれた共
    重合体である特許請求の範囲第1項記載の多層バ
    リヤーフイルム。 7 重合体(B)がエチレンとα―オレフインの他に
    少量のポリエン類をランダム共重合したものより
    なるビカツト軟化点80℃以下の軟質共重合体であ
    る特許請求の範囲第1又は6項記載の多層バリヤ
    ーフイルム。 8 重合体(C)がビカツト軟化点100℃以上の硬質
    重合体である特許請求の範囲第1項記載の多層バ
    リヤーフイルム。 9 混合組成層をなす特定混合成分が重量比で
    0.90≧A/(A+B+C)≧0.20、0.50≧B/(A
    +B+C)≧0.05、0.50≧C/(A+B+C)≧
    0.05である特許請求の範囲第1項記載の多層バリ
    ヤーフイルム。 10 混合組成層をなす特定混合成分が重量比で
    0.80≧A/(A+B+C)≧0.25、0.40≧B/(A
    +B+C)≧0.10、0.45≧C/(A+B+C)≧
    0.10である特許請求の範囲第1又は9項記載の多
    層バリヤーフイルム。 11 混合組成(ABC)層がバリヤー(PVD)
    層の両側に隣接し、更にその両側に表層として(A)
    から選ばれるリニアー・低密度ポリエチレン
    (LLDPE)を主体とする樹脂(S)層を配した少
    なくとも5層の特許請求の範囲第1項記載の多層
    バリヤーフイルム。 12 高温耐油強度が95℃で少なくとも100g/
    15mm巾である特許請求の範囲第1項記載の多層バ
    リヤーフイルム。 13 (A) がビニルエステル単量体脂肪族不飽和
    モノカルボン酸、該モノカルボン酸アルキル・
    エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共
    重合体、又はリニアー・低密度ポリエチレンか
    ら選ばれる少なくとも1種の重合体、 (B) がエチレン―αオレフイン共重合体よりなる
    密度0.91g/cm3以下の軟質エラストマー、 (C) が結晶性ポリプロピレン、結晶性ポリブテン
    ―1のいずれか又はこれらの混合重合体; であり、上記の(A)と(B)と(C)とよりなる混合組成物
    (ABC)、DSC法を用いて測定した結晶融解ピー
    クが140〜155℃の範囲にある塩化ビニリデン系共
    重合体(PVD)、及び該(A)より選ばれたリニア
    ー・低密度ポリエチレン(LLDPE)を主体とし
    た重合体よりなる樹脂(S)を各々溶融混練し、
    (ABC)層の少なくとも1層を(PVD)層に隣
    接して配し、且つ表層に(S)層を少なくとも1
    層配した4層以上のチユーブ状原反を多層ダイよ
    り押出し、液状冷媒により急冷固化し製造し、こ
    れをそのまま又は100℃以下に加熱し、且つ延伸
    温度30〜90℃の温度範囲で面積延伸比4倍以上30
    倍以下で冷間延伸し、PVD層が全層の厚みの中
    で35〜5%の厚み構成をなし、(S)層が厚み2
    〜25μ、全層厚み中で5〜40%の厚み構成を有す
    る延伸フイルムを得ることを特徴とする低温熱収
    縮性多層バリヤーフイルムの製造方法。 14 延伸温度が35〜80℃の温度範囲である特許
    請求の範囲第13項記載の多層バリヤーフイルム
    の製造方法。 15 延伸温度が35〜70℃で各層を構成する主体
    となる樹脂の結晶融点以下で延伸を行なう特許請
    求の範囲第13又は14項記載の多層バリヤーフ
    イルムの製造方法。 16 延伸温度が35〜70℃で各層を構成する主体
    ととなる樹脂のビカツト軟化点以下で全層を冷間
    延伸し、全層に冷間延伸配向を附与する特許請求
    の範囲第13,14,15項のいずれか1項に記
    載の多層バリヤーフイルムの製造方法。 17 延伸が加熱部と延伸開始部を実質上隔離す
    ることを目的とした整流用接触ガイドを用い原反
    及び/又は延伸中のフイルム表面に同伴する流体
    及びその境膜を周方向に不連続的に接触除去しな
    がら実質上独立した温調気室を作り、伸長延伸し
    最大径となると同時にデフレーターでデフレート
    することにより行なわれる特許請求の範囲第13
    項記載の多層バリヤーフイルムの製造方法。
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