JP5127196B2 - 粒子発生の低い耐プラズマ弗素アルミナセラミック材料及び製造方法 - Google Patents

粒子発生の低い耐プラズマ弗素アルミナセラミック材料及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、弗素プラズマによるエッチングに高い耐性を有し、粒子発生が低減されたことを特徴とする、改良されたアルミナセラミック材料に関する。本発明は更に、この改良されたセラミック材料を作るための方法に関するものであり、また、この改良されたセラミック材料を備えた製造品(article of manufacture)に関する。
多結晶性のアルミナセラミック材料は、典型的には、以下の焼結プロセスにより生産される。所望の粒度分布(典型的には、約1μm〜3μmの平均径を有する)を有する粉末化アルミナが、バインダと混ぜられ、このアルミナとバインダの混合物を圧縮成形して、未焼結体(グリーンボディ)(greenbody)を形成する。一般的には、この未焼結体は、アルミナ99.5%と、バインダとしてのシリカ、MgO及びCaOの混合物を0.5%有する組成を有している。続いて未焼結体は焼結され、典型的には、常圧の空気中(無加圧焼結)で約1650℃の温度に約4時間行われる。
焼結プロセスの最中に、粒子が成長する。例えば、一般的な焼結プロセスでは、平均粒子サイズが約6μmで約1〜30μmの範囲をもつ焼結粒子サイズの分布が与えられる。ここで、この粒度分布は、ASTM(American Society ofTesting and Materials)規格E 1181−87(determination of duplex grainsizes)及びE 112−88(determinationof average grain sizes)に記載された方法等の周知の方法により決定される。アルミナ粒子が成長することにより、バインダ相の転移が起こる。転移したバインダ相は、より小さな粒子が存在する領域へと移動し、この小さな粒子を取り囲む。アルミナは、典型的なバインダ相の主成分であるシリカ(J.W.Welch,Nature,vol.186,p546以下、(1960)を参照)とは非常に混和しにくいため、取り囲んでいるバインダ相は、孤立して存在している小さな粒子が更に成長することを阻害する。これらの孤立して存在する未焼結粒子は、直径約0.1〜0.5μmの範囲にあるだろう。典型的には、アルミナ粒子の約1%が焼結されずに残ることになる。
既知の多結晶アルミナセラミック材料は、高い強度及び破壊靭性等の所望の性質を有していても、プラズマ暴露が要求される用途に対して、特定の弗素プラズマに対する耐性が充分だと立証されていない。既知のアルミナは、化学気相堆積(CVD)リアクタにおいてチャンバクリーニングプロセス中に発生される如き弗素プラズマによるエッチングを受けやすい。このプロセスでは、弗化炭素やその他の弗素含有ガスから遊離したプラズマ弗素(例えば、NF3プラズマ、CF4:O2プラズマ及びCF4:N2Oプラズマ)を用いて、リアクタのチャンバへ堆積した誘電膜残留物を除去する。
アルミナはそれ自体では、プラズマ弗素に対して高い耐性を有している;従って、純粋な単結晶のアルミナであるサファイアは、最もエッチングが遅く進む物質として知られている物質の1つである。
多結晶アルミナセラミック材料のエッチングは、主にバインダ相において生じる。バインダ相がエッチングされる結果、焼結されなかった小さな粒子が外れる。この外れた粒子が、セラミック材料の表面から放出されることがある。このような多結晶のアルミナセラミック材料がCVDリアクタの中やその他のプラズマ弗素に暴露される環境に用いられた場合は、これが汚染源となる。
粒子発生の問題に対して考察された解決策には、以下の事が含まれる:多結晶アルミナセラミックにおいてアルミナの割合を高くし、例えば、アルミナ99.9%、バインダ0.01%とする事;弗素プラズマに対する影響の少ないバインダを用いる事;アルミナ以外のセラミック材料を用いる事;及び、未焼結体のアルミナ粒子サイズの分布を最初から変更する事。
特に粒子発生が問題となるような用途は、化学気相堆積(CVD)システムでの半導体ウエハの処理であり、例えば、Changらにより米国特許出願08/136529号明細書に記載されているアプライドマテリアルズ社の”5000”装置である。図1及び2には、従来技術の説明のためのCVDリアクタが例示されている。図1に示されているように、CVDシステム10は、堆積チャンバ12と、真空チャンネル13と、真空排気システム14と、ガス流入手段16と、ガス散布シールド(gasdistribution shield)17と、ブロッカ18と、ウエハリフト20と、バッフル板22と、リフトフィンガ24と、サセプタリフト26とを備えている。基板28は、半導体ウエハ等であり、サセプタ30の上に配置される。加熱手段32は、例えば、コリメートされた光をクオーツウィンドウ36を通す方向へ向けている外部にある1000ワットのランプのアレイであり、処理温度を均一に保っている。堆積ないし反応ゾーン34が、基板の上方に存在する。
ガス散布シールド17は、ブロッカ18の周りを囲む平坦環状の部品であり、図2に示されるように、複数のアルミニウムクリップ40によってチャンバリッド38に取り外し可能なように固定されている。ガス散布シールド17は典型的には、多結晶アルミナセラミック材料を備えている。
ここに例示されているCVDシステムにおいて行われる典型的な堆積プロセスでは、プロセスガス(即ち、反応ガスとキャリアガス)がガス流入手段16と「シャワーヘッド」型のブロッカ18を介して堆積チャンバ12内に進入する。ブロッカ18は、その下の基板28の面積に応じた面積にわたって多数の開口を有している。ブロッカ18と基板28との間隔は、約200〜1000mils(5〜25mm)に調節可能であり、反応領域34を画している。堆積反応が遂行され、そして、チャンバ12からガスがパージされる。ウエハが処理される度に、NF3又はC26/NF3/O2ガス混合物等のクリーニングガスを用いてチャンバはクリーニングされる。
米国特許出願08/136529号明細書
しかし、ガス散布シールド17が多結晶アルミナセラミック材料を備える場合は、シールドは上述のクリーニングガスないしガス混合物によるエッチングを受け、その結果、粒子が発生する。約0.2〜0.5μmのサイズを有する粒子が発生することがあり、これが、CVD装置で処理されるシリコンウエハを汚染する事がある。シリコンウエハを100枚処理した後、シリコンウエハの表面には、200/cm2又はそれ以上の粒子の総数が観察されることがある。この粒子の総数は、受容できない高いものである。
多結晶アルミナセラミック材料を改良する必要性と、その材料を製造する方法の必要性が、継続的に存在している。この材料は、プラズマ弗素に対する高い耐性を示すものであるべきであり、特に、粒子発生の低減を示すものであるべきである。特に、CVD装置に用いるためのガス散布シールドがこのような改良された材料を備えることが必要である。
本発明の1つの特徴によれば、アルミナとバインダとを備えた未焼結体を形成するステップと、約8時間〜12時間この未焼結体を焼結するステップとを備える、プラズマ弗素に耐性を有する多結晶アルミナセラミック材料を製造する方法が提供される。
本発明の別の特徴によれば、アルミナとバインダとを備えた未焼結体を形成するステップと、アルミナセラミック材料内の未焼結の粒子の面積%が0.1面積%を越えなくなるような時間、この未焼結体を焼結するステップとを備える、プラズマ弗素に耐性を有する多結晶アルミナセラミック材料を製造する方法が提供される。
本発明のまた別の特徴によれば、上述の方法に従って製造されたセラミック材料が提供され、また、上述のセラミック材料を備えた製造品が提供される。本発明の製造品の好ましい具体例には、CVDチャンバ等の真空処理装置に有用な部品、特に、ガス散布シールド(gas distribution shield)が、含まれる。
当業者には、本発明のその他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細説明から明らかになるだろう。しかし、以下の発明の実施の形態や特定の実施例は、本発明の好ましい具体例を示唆するものの、例示のために記載されるものであり、限定のためではない。本発明の本質を離れることなく、本発明の範囲の中で様々な変更や変形がなされてもよく、本発明はこのような変形を全て含んでいるものである。
以上詳細に説明した如く、本発明のアルミナセラミック材料及びその製造方法により、プラズマ弗素に対する高い耐性を示し、且つ、粒子発生の低減を示す多結晶アルミナセラミック材料が提供される。
弗素プラズマに対して高い耐性を有するアルミナセラミック材料を作るためには、アルミナ未焼結体(alumina green body)の焼結操作の時間を従来の4時間から8〜12時間に延長すればよく、焼結のメカニズムに影響を与え得るような、未焼結体の組成や焼結温度等その他の焼結プロセス因子を変更する必要はないことを、我々は見出した。
所定の焼結温度及び未焼結体の組成に対して、焼結時間を長くすることにより、未焼結の粒子のパーセンテージを一桁下げることができ、即ち、従来から知られているアルミナセラミック材料に対しては1面積%であったところを、約0.1面積%以下とすることができるようになる。プラズマ弗素に暴露されるセラミック材料から発せられる粒子の量も、これに対応して減少する。
本発明に従って焼結により多結晶アルミナセラミック材料を製造するための未焼結体は、あらゆる所望の組成を有するアルミナ粉体から形成されてもよい。好ましい粉体の組成は、アルミナ約99.3%〜99.7%に、シリカと、酸化カルシウムと、酸化マグネシウムと、それらの混合物とから成る群より選択されるバインダ約0.7〜0.3%を有しているものである。この粉体組成物は、従来から存在する粒子サイズ分布を有していてもよい。
選択されたアルミナ粉体は、従来より周知の手段によって、未焼結体に成形される。未焼結体の製造のために用いられる圧力の範囲は、好ましくは、約34473785N/m〜96526598N/mであり、更に好ましくは、約48263299N/m〜68947570N/mである。未焼結体の初期密度は、好ましくは、約1.8〜2.2g/cmの範囲にある。
続いて、未焼結体は、約8〜12時間焼結される。焼結時間が12時間を越えれば、2次的な相の結晶核生成が生じることになり、未焼結体の構造を望まない方に変えてしまう。焼結が8時間よりも短い場合は、未焼結の粒子の総数を望ましい程度まで減少させるに至らず、これに対応して、粒子の発生を減らすことが実現されない。プロセスの経済性の目的のためには、約8〜10時間の焼結時間が好ましい。このとき、燃結後の密度が少くとも3.8g/cm3になるように燃結が行われることが好ましい。
ここでの焼結プロセスは、空気中で行われる無加圧プロセスが好ましい。また、焼結プロセスが、不活性ガス雰囲気等その他の従来からある焼結条件において行われてもよい。焼結プロセスは、好ましくは、約1400℃〜1700℃、更に好ましくは約1600℃〜1650℃の温度で行われてもよい。ここで、本発明の改良焼結方法において必要な事は、焼結時間の長さのみを変更するだけであることを強調する。その他の焼結プロセスのパラメータは、変更しないままでよい。
本発明のプロセスに従って製造される、プラズマ弗素に耐性を有するアルミナセラミック材料においては、図3及び4に例示される材料の比較により証明される如く、未焼結の粒子の量が著しく低減されることが示される。
未焼結粒子の量は、従来技術において知られている方法に従って決定可能である。典型的な方法の1つは、複数の、アルミナセラミック材料のランダムに選択された領域の顕微鏡写真を、検討し、検査によって未焼結粒子の存在が決定される。未焼結粒子の面積を決定し、未焼結粒子の面積全体を、アルミナセラミック材料の顕微鏡撮影した全面積で除す。この商が、面積%であり、未焼結粒子の量の尺度を与える。
本発明のプロセスに従って製造されるアルミナセラミック材料は、未焼結粒子のパーセンテージが約0.1面積%以下を示し、好ましくは約0.01面積%〜0.1面積%を示す。
プラズマ弗素に暴露されて本発明のアルミナセラミック材料から発生する粒子も、これに応じて減少する。例えば、アルミナセラミック材料を備えるCVD装置の部品が弗素プラズマに暴露された後に生じる粒子の移動によって発生する、シリコンウエハの粒子汚染は、標準的なテクニックを用いて定量化可能である。更に具体的には、アルミナセラミック材料からの粒子発生は、CVDチャンバクリーニング後に行われる堆積ステップ中にウエハ表面の粒子の総数を測定することにより決定可能である。
典型的な標準テクニックに従えば、粒子の総数は、米国カリフォルニア州マウンテンビューのTencor Instruments Inc.から商業的に入手可能なTencor Surfscan 6200を用いて決定される。TencorSurfscan 6200は、粒子によって散乱する光(波長488nmの30mWのAr−ionレーザーによって与えられる)の量を測定することにより、表面上の粒子の数を決定する。TencorSurfscan 6200の動作の原理及び関連の装置については、Surface Contamination Detection: AnIntroduction(R.Johnson, Ed., Tencor Instruments Inc, MountainView, CA 1990)に説明されている。材料の表面上の粒子数の決定のためには、その他の既知の方法を用いてもよい。
本発明のプロセスに従って製造されるアルミナセラミック材料からの粒子発生は、これに相当する従来のプロセス、即ち、焼結時間が約1〜4時間でその他のパラメータと未焼結体の組成は同じであるプロセスに従って製造されたアルミナセラミック材料に比べて、著しく低減される。典型的には、前述の相当の従来プロセスによって製造されるセラミック材料と比較した粒子の発生の減少は、上述の好ましい手順で決定された場合に、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、非常に好ましくは約60%〜90%である。
本発明のプロセスは、様々な製造品の製作に用いることが可能な、プラズマ弗素に堆積を有するアルミナセラミック材料を与え、この製造品は、好ましくは、プラズマ弗素に暴露されるような環境に用いるためのものである。このような製造品には、例えば、ベルジャー、るつぼ及びその他の真空処理装置に用いられる部品が含まれる。本発明の範囲の中の製造品は、更に具体的には、ガス散布シールド、チャック、ノズル、サセプタ、ヒータープレート、クランピングリング、ウエハボート、又はチャンバ壁等の真空処理装置に用いられる部品が含まれる。このような製造品は、全体又は部分的に本発明のセラミック材料で形成され、又は、本発明のセラミック材料を備えるコーティングを有する1つ以上の表面を有していてもよい。
ここに説明されるような本発明のアルミナセラミック材料をガス散布シールドが有していれば、特に利益がある。ガス散布シールドがこのようなものであれば、シリコンウエハやその他の半導体材料の処理のための様々な既知の装置に用いることが可能となる。上記のガス散布シールドを有利に用いることが可能な既知の装置には、米国カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社により与えられるCVD装置で、例えば、Changらにより米国特許出願第08/136529号明細書に記載される装置、あるいは、Tsengらにより米国特許出願第08/314161号明細書に記載される装置が含まれる。更に具体的な例としては、プレシジョン5000CVDリアクタ(Precision5000 CVD reactor)(アプライドマテリアルズ社から商業的に入手可能)が挙げられる。
限定のためではない具体例を以下に示し、これを参照して本発明を更に例示する。
実施例1
アルミナ粉体(Alcoa社から商業的に入手可能)を、粉体のシリカ、MgO及びCaOと混合して、アルミナ99.5wt%(重量%)、シリカ0.2wt%、MgO0.15wt%及びCaO0.15wt%を備える組成物が得られた。この組成物をボールミルにかけ、平均粒径を0.2μmにした。そして、この組成物を圧縮して、直径約33.02cm、内孔の直径が約15.24cm、厚さが0.635cm、密度が3g/cm3である、ガス散布シールドの形状の未焼結体を形成した。
本発明に従った未焼結体は、空気中で1650℃の下、名目上の焼結時間が8時間(1650℃が実際に8時間維持された)で、無加圧焼結された。
そして、ガス散布シールドを焼結する度に、粒子の発生を測定した。焼結して作られたシールドはいずれも、プレシジョン5000CVDリアクタに設置され、このシールドが設置されたリアクタで、直径150mmのシリコンウエハを処理した。
チャンバクリーニングを行う従来からのSi34化学気相堆積プロセスは、以下の如くCVDリアクタによって遂行された。CVDリアクタの真空堆積チャンバ内にシリコンウエハが導入され、400℃に加熱された。SiH4(180sccm)、N2(1800sccm)及びNH3(75sccm)がチャンバ内に導入され、チャンバ圧力が4.5トールに安定化された。そして、450ワットのプラズマがチャンバ内に点火されて、堆積操作が1分間遂行された。続いて、チャンバは、ベース圧力(100ミリトール)となるまでポンプによって排気され、ウエハが取り出された。
ウエハが取り出された後、プラズマクリーニングプロセスを用いてチャンバ内がクリーニングされた。チャンバ内にCF4(1500sccm)及びN2O(750sccm)が導入され、圧力が5トールに安定化され、チャンバ内に750ワットのプラズマが点火された。プラズマクリーニングは30秒間行われた。続いて、ベース圧力になるまで、チャンバ内がポンプで排気された。
次に、チャンバ内でSi34を堆積することにより、チャンバは15秒間シーズニングされた。このシーズニングのステップは、上述の堆積のステップと同様の手法で遂行された。
第1番目の実験の手順において、シーズニングのステップは、クリーニングサイクルが終了する度に行われた。第2番目の実験の手順では、シーズニングのステップは除外された。
CVD堆積工程の前後で、シリコンウエハの表面上に0.2μm以上のサイズを有する粒子の数が、ここに説明される手法でTencor Surfscan 6200ウエハ表面スキャナを用いて計数された。
その結果が、以下の表1に示される。
Figure 0005127196
実施例2−既知のプロセスとの比較
本実施例では、未焼結体は、上述のボールミルにかけられたアルミナから形成されるが、その焼結は既知のプロセスに従って行われ、即ち、名目上の焼結時間が4時間であり(実際に1650℃に4時間維持する)、比較のためのガス散布シールドを製造した。その他のプロセス条件は、実施例1で用いたと同じであった。
そして、この比較のためのシールドはいずれも、粒子発生について実施例1と全く同じ手法によって測定された。以下の表2に示される結果が見出された。
Figure 0005127196
実施例1の結果と比較すれば、本発明の方法に従って製造されたシールドは、プラズマ弗素への暴露による粒子の発生が著しく改善されていることが特徴となっていることが明らかになる。本発明のシールドからの粒子の発生は、数の上においても少なく、また、ウエハ処理のサイクルを何度も行っても、実質的に一定である。
本発明によって実現された粒子発生の低減は、シーズニングのステップを有しない既知の方法と比較した場合、特に著しい。比較のためのシールドがウエハ処理サイクルを200回行った後に発生する粒子は、本発明のシールドが同じ回数ウエハ処理サイクルを行った後に見られる場合よりも800%も多い。
本発明の材料は、従来のアルミナセラミック材料の粒子の引出しに関係する困難さを克服するものであり、製造が容易であり、更に、ガス散布シールドやその他の製造品等の真空堆積装置の部品を安価に大量生産するための手段を与えるものである。
本発明のアルミナセラミック材料を備えた部品を用いる真空堆積装置、特にCVDリアクタは、シリコンウエハやその他の材料の処理に用いることが可能であり、粒子の汚染低減を示すものである。
多結晶アルミナセラミック材料を備えていてもよいガス散布シールドを用いた、従来技術のCVD装置の模式的な断面図である。 図1に示されたCVD装置のリッドが開いた状態の斜視図であって、ガス散布シールドとブロッカとチャンバリッドとの間の関係を表す斜視図である。 焼結を4時間行った後の多結晶アルミナセラミック材料の顕微鏡写真(倍率x9000)である。 図3に示されるものと同じ組成を有する多結晶アルミナセラミック材料に対して焼結を8時間行った後の顕微鏡写真(倍率x9000)であって、本発明に従って未焼結の粒子の総数が減少することを示す写真である。
符号の説明
10…CVDシステム、12…堆積チャンバ、13…真空チャンネル、14…真空排気システム、16…ガス流入手段、17…ガス散布シールド、18…ブロッカ、20…ウエハリフト、22…バッフル板、24…リフトフィンガ、26…サセプタリフト、28…基板、30…サセプタ、32…加熱手段、34…反応ゾーン、36…クオーツウィンドウ、38…チャンバリッド、40…アルミニウムクリップ。

Claims (6)

  1. 弗素含有プラズマに耐性を有し、半導体処理チャンバに利用されて弗素含有プラズマに曝される多結晶アルミナセラミック構造であって、
    バインダがリカと、酸化カルシウムと、酸化マグネシウムと、該シリカ、該酸化カルシウム、及び該酸化マグネシウムの混合物とから成る群より選択される材料からなり、焼結多結晶アルミナセラミック材料を備え、
    該焼結多結晶アルミナセラミック材料に含まれる未焼結粒子の割合が0.1%より小さい表面積を有する、多結晶アルミナセラミック構造。
  2. 前記未焼結粒子の割合が、0.01%〜0.1%である、請求項1に記載の多結晶アルミナセラミック構造。
  3. 弗素含有プラズマに耐性を有し、半導体処理チャンバに利用される多結晶アルミナセラミック構造であり、
    前記構造が、ガス散布シールドと、基板チャックと、ノズルと、サセプタと、ヒータープレートと、チャンバ壁とから成る群より選択されるものである、
    請求項1又は2に記載の多結晶アルミナセラミック構造。
  4. 弗素含有プラズマに耐性を有し、半導体処理チャンバに利用される多結晶アルミナセラミック構造であり、
    (a)アルミナとバインダとを含む混合物から未焼結体を形成するステップであって、前記未焼結体用の混合物は0.3重量%〜0.7重量%のバインダを含み、前記バインダはリカと、酸化カルシウムと、酸化マグネシウムと、該シリカ、該酸化カルシウム、及び該酸化マグネシウムの混合物とから成る群より選択される材料からなり、34473785N/m〜96526598N/mの範囲の圧力が、前記混合物から前記未焼結体を生成する際に加えられるステップと、
    (b)前記未焼結体を、大気圧下で1400℃〜1700℃の範囲の温度で、8時間〜12時間の間、焼結するステップであって、前記多結晶アルミナセラミック材料の表面における未焼結粒子の面積の割合が0.1%より小さいステップと、
    を含む方法によって製造される、請求項1〜3の何れか一項に記載の多結晶アルミナセラミック構造。
  5. 弗素含有プラズマに耐性を有し、半導体処理チャンバに利用されて弗素含有プラズマに曝される多結晶アルミナセラミック構造を製造する方法であって、
    (a)アルミナとバインダとを含む未焼結体を形成するステップであって、前記未焼結体は0.3重量%〜0.7重量%のバインダを含み、前記バインダはリカと、酸化カルシウムと、酸化マグネシウムと、該シリカ、該酸化カルシウム、及び該酸化マグネシウムの混合物とから成る群より選択される材料からなるステップと、
    (b)前記未焼結体を、1400℃〜1700℃の範囲の温度で、8時間〜12時間の間、焼結するステップであって、多結晶アルミナセラミック材料の表面における未焼結粒子の面積の割合が0.01%〜0.1%の範囲にあるステップと、
    を含む方法。
  6. 弗素含有プラズマに耐性を有し、半導体処理チャンバに利用されて弗素含有プラズマに曝される多結晶アルミナセラミック材料を製造する方法であって、
    (a)未焼結体を形成するための開始材料を提供するステップであって、前記開始材料はアルミナとバインダを含み、前記バインダは、シリカと、酸化カルシウムと、酸化マグネシウムと、該シリカ、該酸化カルシウム、及び該酸化マグネシウムの混合物とから成る群より選択される材料であるステップと、
    (b)未焼結体を形成するための前記開始材料を粉砕して、未焼結体を形成するための精製開始材料を製造するステップであって、前記精製開始材料の平均粒径が0.2μmであるステップと、
    (c)前記精製開始材料から未焼結体を形成するステップであって、34473785N/m〜96526598N/mの範囲の圧力が前記未焼結体の形成の際に加えられるステップと、
    (d)前記未焼結体を、不活性ガス雰囲気において大気圧下で1400℃〜1700℃の範囲の温度で、8時間〜12時間の間、焼結するステップであって、その表面に含む未焼結粒子の面積の割合が0.1%より小さい多結晶アルミナセラミックを製造するステップと、
    を含む方法。
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