JP5123555B2 - 流体配管の防食構造及び流体配管の防食工法 - Google Patents

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Description

本発明は、流路を構成する管部接続箇所の所定位置に防錆ブッシュを装着してある流体配管の防食構造及び流体配管の防食工法に関する。
従来の流体配管の防食構造では、流体管の途中に一体形成された分岐管部の連結フランジ部に、一般に短管と称せられる一本または複数本の分岐管をそれらの管端部に形成された連結フランジ部を介して接続し、前記流体管の分岐管部の基端側(上流端側)におけるラッパ状内周面の最大内径位置から最下流側分岐管の開口端部にまで及ぶ長さを有し、かつ、後端側(下流端側)を最下流側分岐管の開口端部に対して分岐軸芯方向から係合可能な外径で環状に折り返し片を形成してある防錆ブッシュを挿入し、この防錆ブッシュの先端部を、ブッシュ拡径機で分岐管部の基端側におけるラッパ状内周面に沿って拡径変形させることにより、防錆ブッシュの分岐軸芯方向での移動を阻止するように構成していた(例えば、特許文献1参照)。
実公平3−28973号公報
従来の流体配管の防食構造では、管内径が次第に拡大する分岐管部の基端側におけるラッパ状内周面、或いは、流体管に穿孔された分岐口の内周面側において拡がる管内空間を利用して、防錆ブッシュの先端部を拡径変形させることにより、防錆ブッシュの分岐軸芯方向の下流側への抜け出し移動を阻止し、また、防錆ブッシュの分岐軸芯方向の上流側への落ち込み移動は、該防錆ブッシュの後端側を最下流側分岐管の開口端部に対して分岐軸芯方向から係合可能な外径で環状に折り返すことにより阻止している。
そのため、前記防錆ブッシュとしては、例えば、分岐管内の一部分だけを防錆処理する必要があっても、前記流体管の分岐管部の基端側におけるラッパ状内周面の最大内径位置から最下流側分岐管の開口端部にまで及ぶ長さが必要であり、防錆処理コストが高騰化するばかりでなく、防錆処理の施工に種々の制約を受ける問題がある。
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、流体管内の特定された領域をコスト面及び施工面で有利に防食処理することのできる防食構造及び防食工法を提供する点にある。
本発明による第1の特徴構成は、流路を構成する管部の接続箇所として、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿設された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する部位において径方向外方に膨出変形された膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させてある点にある。
上記特徴構成によれば、流体管内の特定された領域を防食処理する場合、その防食処理領域内の一部に相当する管部の接続箇所として、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは凸部及び凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、この凸部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成されるとともに、凹部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されており、この凸部又は凹部若しくは凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置である防食処理領域に防錆ブッシュを挿設し、この状態で防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する部位を径方向外方に膨出変形すると、この膨出変形部が前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に係合して管軸芯方向で相対移動不能に固定装着される。
しかも、前記係止体を前記両管部の連結フランジ部の接合面間に取付けるだけであるから、前記管部の内周面に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を一体形成する場合に比して、この凸部又は凹部若しくは凹凸部を形成するための作業を能率良く容易に行うことができる。
従って、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部の接合面間に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を備えた係止体を設けることにより、前記防錆ブッシュによる防錆処理領域を自由に設定することができるから、管路を構成する管路形態の影響を受け難く、しかも、防錆ブッシュの長さを必要最小限の長さに近づけることができるので、流体管内の特定された領域をコスト面及び施工面で有利に防食処理することができる。
さらに、前記防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する部位を径方向外方に膨出変形すると、この膨出変形部が環状の凸部又は凹部若しくは凹凸部の全周又は略全周に係合するから、両者の周方向での係合代にばらつきがある場合でも、両者を管軸芯方向に相対移動不能に確実、強力に固定することができる。
本発明による第の特徴構成は、前記係止体が、前記接合面間にシール材を介して挾持固定されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記接合面間を密封するためのシール材で前記係止体の両側面の少なくとも一部を覆うことができるから、この係止体の両側面に対する防錆処理の簡素化、容易化を図ることができる。
本発明による第の特徴構成は、前記係止体が、前記接合面の少なくとも一方に形成した溝内に嵌合保持されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記係止体を、前記連結フランジ部の接合面の少なくとも一方に形成した溝内に嵌合保持することによって、該係止体を確実・強力に固定することができるばかりでなく、前記両連結フランジ部の接合面間の距離も極力小さくすることができる。
本発明による第の特徴構成は、前記係止体が、前記接合面間を密封するシール材に接合されている点にある。
上記特徴構成によれば、前記係止体とシール材とを一体物として取り扱うことができるから、前記係止体及びシール材の組付け作業の容易化を図ることができる。
本発明による第5の特徴構成は、前記係止体が円環状に形成され、その内周面に前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が一体形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、例えば、前記凸部又は凹部若しくは凹凸部が、前記係止体の内周面とそれに連続する管部の内周面とにわたって分散形成されている場合のように、前記係止体側の構成要素と管内周面側の構成要素との相対位置関係を調節する必要がなく、組付け作業の容易化を図ることができる。
本発明による第6の特徴構成は、フランジ接合された両管部の少なくとも一方の内周面の一部に防錆ブッシュを装着する流体配管の防食工法であって、
前記両管部としての流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する防錆ブッシュの一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形させ、この防錆ブッシュの膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させる点にある。
上記特徴構成によれば、流体管内の特定された領域を防食処理する場合、その防食処理領域内の一部に相当する流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは凸部及び凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、この凸部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成されるとともに、凹部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されており、この凸部又は凹部若しくは凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置である防食処理領域に防錆ブッシュを挿入し、この状態で防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形することにより、この膨出変形部が前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に係合して管軸芯方向で相対移動不能に固定装着される。
しかも、前記係止体を、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に取付けるだけであるから、前記管部の内周面に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を一体形成する場合に比して、この凸部又は凹部若しくは凹凸部を形成するための作業を能率良く容易に行うことができる。
従って、前記接合面間に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を備えた係止体を設けることにより、前記防錆ブッシュによる防錆処理領域を自由に設定することができるから、管路を構成する管路形態の影響を受け難く、しかも、防錆ブッシュの長さを必要最小限の長さに近づけることができるので、流体管内の特定された領域をコスト面及び施工面で有利に防食処理することができる。
さらに、前記防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する部位を径方向外方に膨出変形すると、この膨出変形部が環状の凸部又は凹部若しくは凹凸部の全周又は略全周に係合するから、両者の周方向での係合代にばらつきがある場合でも、両者を管軸芯方向に相対移動不能に確実、強力に固定することができる。
本発明による第7の特徴構成は、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間又は前記分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される接続管の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する防錆ブッシュの一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形させ、この防錆ブッシュの膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させることを特徴とする点にある。
上記特徴構成によれば、例えば、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部若しくは、これにフランジ接合される補修弁又は接続管の一部にまでわたる領域を防食処理する場合、その防食処理領域内の一部に相当する両連結フランジ部の接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは凸部及び凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は凹部若しくは凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、この凸部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも小径に形成されるとともに、凹部の内径は流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも大径に形成されており、前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置である防食処理領域に防錆ブッシュを挿入し、この状態で防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形することにより、この膨出変形部が前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に係合して管軸芯方向で相対移動不能に固定装着される。
しかも、前記係止体を前記接合面間に設けるだけであるから、前記管部の内周面に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を一体形成する場合に比して、この凸部又は凹部若しくは凹凸部を形成するための作業を能率良く容易に行うことができる。
従って、前記接合面間に前記凸部又は凹部若しくは凹凸部を備えた係止体を設けることにより、前記防錆ブッシュによる防錆処理領域を自由に設定することができるから、管路を構成する管路形態の影響を受け難く、しかも、防錆ブッシュの長さを必要最小限の長さに近づけることができるので、管路内の特定された領域をコスト面及び施工面で有利に防食処理することができる。
さらに、前記防錆ブッシュの前記凸部又は凹部若しくは凹凸部に対応する部位を径方向外方に膨出変形すると、この膨出変形部が環状の凸部又は凹部若しくは凹凸部の全周又は略全周に係合するから、両者の周方向での係合代にばらつきがある場合でも、両者を管軸芯方向に相対移動不能に確実、強力に固定することができる。
〔第1実施形態〕
図1〜図10は流体配管系統中の所定箇所に防錆ブッシュ8で防錆処理を施す防食工法及び防錆処理が施された防食構造を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である下流側管部としての補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって突出する管軸芯(以下、分岐軸芯と記載する)X方向で一対の凸部4aと該両凸部4a間において流路側に向かって開口する一つの凹部4bとからなる凹凸部(係合部)4Aを備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設けるとともに、前記係止体4の両側面に形成された円環状のシール装着溝4cには、前記連結フランジ部2A,3Aとの間を密封するシール材の一例であるOリング5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組(当該実施形態では4組)のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
図5、図6に示すように、前記係止体4の凹凸部4Aを構成する両凸部4a及び凹部4bは、円周方向で連続する円環状に形成され、そのうち、前記両凸部4aの内径D1は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されているとともに、前記凹部4bの内径D2は、分岐管部2の内周面2a内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも大径に構成されている。
また、前記係止体4の外径D3は、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aの外径及び補修弁3の上流側連結フランジ部3Aの外径と同径に構成されているとともに、前記係止体4の円周方向4箇所には、前記締結具6のボルト6Aに対するボルト挿通孔4dが貫通形成されている。
また、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bには、下流側管部(合フランジ)としての連結管(短管)7の上流側連結フランジ部7Aが、それらの接合面間にシール材の一例であるシートパッキンを介装した状態で複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結されているとともに、前記連結管7の下流側連結フランジ部7Bには、前記係止体4の凹凸部4Aに外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の防錆ブッシュ8を挿入するブッシュ挿入手段(ブッシュ挿入機能)と、管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュ8のうち、前記係止体4に対応する部位を径方向外方に膨出変形させることにより、この膨出変形された膨出変形部8Aを前記係止体4の凹凸部4Aに対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させるブッシュ拡径手段(このブッシュ拡径機能だけであれば専用機としてのブッシュ拡径機となる)とを備えたブッシュ装着機Aの連結フランジ部10Aが、それらの接合面間にシール材の一例であるOリング9を介装した状態で複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結されている。
前記ブッシュ装着機Aは、図1〜図4に示すように、前記連結フランジ部10Aを備えた取付け筒部材10に、内外二重の送り軸11,12の下部側を分岐軸芯X方向に摺動自在に貫通支持するためのボス部13aを備えた第1軸受け部材13が取付けられているとともに、第1軸受け部材13の三箇所に螺合固定された連結軸14の上端部にわたって、内側送り軸11の上側ネジ部11aに螺合された拡径操作具の一例である拡径操作ナット15に対する貫通孔17a、及び、両送り軸11,12を分岐軸芯X方向に往復移動させるための送りネジ軸16に対する貫通孔17bを備えた第2軸受け部材17が、ナット18を介して締付け固定されている。
前記外側送り軸12の上側フランジ部12aにボルト19で固定連結された連動部材20には、送りネジ軸16の雄ネジ部16aに螺合されたネジコマ21を相対回転不能な状態で取付けるとともに、前記連動部材20のうち、内側送り軸11の上側ネジ部11aに対する貫通孔を形成するボス部20aには、拡径操作ナット15が相対回転自在に取付けられている。
前記送りネジ軸16は、第1軸受け部材13と第2軸受け部材17とに亘って両持ち状態で回転自在に支承されているとともに、前記送りネジ軸16の上端部には、両送り軸11,12を分岐軸芯X方向に往復移動させるための回転操作用ハンドル22が取付けられている。
前記外側送り軸12の下端部に取付けられた有底筒状の金属製の受け部材23と、この受け部材23の中心部を通して下方に突出する内側送り軸11の下端部に取付けられた金属製の押え部材24との間で、かつ、前記押え部材24の筒軸部分24aの外周面には、前記係止体4の下流側凸部4aに形成されたテーパー状の送込み規制面4eに対して分岐軸芯X方向から当接するテーパー状のストッパー面26aを備えた金属製の規制部材26と、前記受け部材23と押え部材24との相対近接移動、つまり、前記受け部材23及び規制部材26に対する押え部材24の引き上げ移動に連れて径方向外方に膨出変形される合成ゴム(ウレタンゴム等)製の拡径用弾性体25が設けられている。
次に、不断水状態での流体配管の防食工法及について説明する。
(イ)水道管1の途中に一体的に突出形成された分岐管部2の連結フランジ部2Aに補修弁3の上流側連結フランジ部3Aが密封状態で固定連結されている配管系統において、前記分岐管部2の内周面の所定箇所に防錆ブッシュ8で防錆処理を施す場合、先ず、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bに、分岐管部2の流路を閉塞可能な閉塞手段を備えた周知構造の流路閉塞治具を密封状態で取付け、この流路閉塞治具の閉塞手段を開弁操作された補修弁3を通して分岐管部2内の所定位置に送り込み、この閉塞手段で分岐管部2の流路を遮断する。
(ロ)図1、図7に示すように、前記分岐管部2の流路を遮断した状態で該分岐管部2の連結フランジ部2Aから補修弁3を取外し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、前記凹凸部4Aを備えた係止体4を設けるとともに、前記係止体4の両側面のシール装着溝4cには、前記連結フランジ部2A,3Aとの間を密封するOリング5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと前工程で取り外された前記補修弁3又は新たな補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で締付け連結したのち、前記流路閉塞治具の閉塞手段を開弁操作された補修弁3を通して外部に撤去する。
(ハ)そして、図2、図4に示すように、前記ブッシュ装着機Dの拡径用弾性体25に、押え部材24の押え部を通して防錆ブッシュ8を外装し、前記拡径操作ナット15を拡径側に少し回転操作して、内側送り軸11の押え部材24と外側送り軸12の受け部材23とを少し相対近接移動させて拡径用弾性体25を少し拡径変形させることにより、防錆ブッシュ8をブッシュ装着機Dの拡径用弾性体25に仮保持させる。
(ニ)次に、図4、図7に示すように、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bに、下流側管部(合フランジ)としての連結管7の上流側連結フランジ部7Aを、それらの接合面間にシートパッキンを介装した状態で複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で締付け連結し、前記連結管7の下流側連結フランジ部7Bには、ブッシュ装着機Dの連結フランジ部10Aを固定連結し、前記補修弁3の弁体3Cを開き操作したのち、図8に示すように、ブッシュ装着機Dのハンドル22を送込み側に回転操作して、両送り軸11,12を分岐軸芯X方向に沿って往行移動させ、拡径用弾性体25に仮保持されている防錆ブッシュ8を、前記規制部材26のテーパー状のストッパー面26aが前記係止体4の下流側凸部4aに形成されたテーパー状の送込み規制面4eに分岐軸芯X方向から当接するまで送り込む。
この状態では、管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュ8の上側部分が、前記係止体4の凹凸部4Aと相対向する。
(ホ)図9、図10に示すように、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凹凸部4Aに沿って凸凹状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凸部8a及び環状凹部8bが前記係止体4の凹凸部4Aを構成する環状凹部4b及び環状凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に装着される。
(へ)前記補修弁3を閉弁操作し、前記連結管7の下流側連結フランジ部7Bからブッシュ装着機Dの連結フランジ部10Aを撤去するとともに、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bから連結管7の上流側連結フランジ部7Aを撤去したのち、前記補修弁3の下流側連結フランジ部3Bには必要に応じて空気弁等の他の機器を取付ける。
〔第1参考例〕
上述の第1実施形態では、前記係止体4の凹凸部4Aを構成する両凸部4a及び凹部4bを、円周方向で連続する円環状に形成したが、図11に示すように、前記両凸部4aを周方向で断続形成してもよい。
そして、前記防食ブッシュ8の前記両凸部4a及び凹部4bに対応する部位を径方向外方に膨出変形すると、この膨出変形部8Aが環状の凸部4a又は凹部4bの全周又は略全周に係合するから、両者4,8の周方向での係合代にばらつきがある場合でも、両者4,8を分岐軸芯X方向に相対移動不能に確実、強力に固定することができる。
また、図示はしないが、前記係止体4の凹凸部4Aを構成する両凸部4a及び凹部4bを周方向で断続形成してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図12〜図15は、流体配管の防食構造及び防食工法の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、分岐軸芯X方向の下流側において流路側に向かって突出する一つの凸部4aと分岐軸芯X方向の上流側において流路側に向かって開口する一つの凹部4bとからなる凹凸部(係合部)4Aを備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設けるとともに、前記係止体4の両側面と前記連結フランジ部2A,3Aとの対向面間にシール材の一例であるシートパッキン5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組(当該実施形態では4組)のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凹凸部4Aを構成する凸部4a及び凹部4bは、円周方向で連続する円環状に形成され、そのうち、前記凸部4aの内径D1は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されているとともに、前記凹部4bの内径D2は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも大径に構成されている。
この第実施形態の防食工法では、前記ブッシュ装着機Dのハンドル22を送込み側に回転操作して、両送り軸11,12を分岐軸芯X方向に沿って往行移動させ、拡径用弾性体25に仮保持されている防錆ブッシュ8を、前記規制部材26のテーパー状のストッパー面26aが前記係止体4の下流側凸部4aに形成されたテーパー状の送込み規制面4eに分岐軸芯X方向から当接するまで送り込んだのち、前記ハンドル22を戻し側に回転操作して、前記係止体4の凸部4aが拡径用弾性体25の中間所定位置に位置するように所定寸法だけ戻す。
この戻し工程の所定戻し寸法は、前記係止体4の凸部4aに対応する防錆ブッシュ8が凸部4aに沿って環状凹状に確実に膨出変形され、かつ、前記補修弁3の弁体3Cと防錆ブッシュ8の上端部とが干渉しない寸法(例えば、15mm〜20mm)に設定されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凹凸部4Aに沿って凹凸状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凹部8b及び環状凸部8aが前記係止体4の凹凸部4Aを構成する環状凹部4b及び環状凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図16、図17は、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって突出する一つの凸部(係合部)4aを内周面4fとして備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設けるとともに、前記係止体4の両側面と前記連結フランジ部2A,3Aとの対向面間にシール材の一例であるシートパッキン5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凸部4aは、円周方向で連続する円環状に形成されているとともに、前記凸部4aの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凸部4aに沿って凹状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凹部8bが前記係止体4の凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図18、図19は、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって開口する一つの凹部(係合部)4bを内周面4fに形成してある金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設けるとともに、前記係止体4の両側面と前記連結フランジ部2A,3Aとの対向面間にシール材の一例であるシートパッキン5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凹部4bは、円周方向で連続する円環状に形成されているとともに、前記凹部4bの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも大径に構成され、更に、前記係止体4の内周面4fの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径と同径に構成されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凹部4bに沿って凸状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凸部8aが前記係止体4の環状凹部4bに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
第2参考例
上述の第実施形態では、前記係止体4の内周面4fに、流路側に向かって開口する一つの凹部4bを形成したが、図20、図21に示すように、前記係止体4の内周面4fの内径を、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも大径に構成して、この係止体4の内周面4fと分岐管部2の内周面2a及び補修弁3の接続管部における内周面3aとにより、流路側に向かって開口する一つの環状凹部4bを形成してもよい。
前記係止体4は、前記流路側に向かって開口する一つの凹部4bを現出するための間隔形成体で、前記防錆ブッシュ8の膨出変形部8Aの環状凸部8aと直接的には係合しないが、この環状凸部8aと係合するための段差を形成するものであり、これがないと係合できないので係止体と称する。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4で現出されている環状凹部4bに沿って凸状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凸部8aが前記環状凹部4bに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図22、図23は、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面のうち、前記補修弁3の上流側連結フランジ部3Aの接合面に、分岐管部2の連結フランジ部2Aの接合面及び流路側に向かって開口する装着溝27を形成し、この装着溝27内に、流路側に向かって突出する一つの凸部(係合部)4aを内周面4fとして備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設けるとともに、前記係止体4の一側面が臨む前記連結フランジ部2A,3Aとの対向面間にシール材の一例であるシートパッキン5を装着し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凸部4aは、円周方向で連続する円環状に形成されているとともに、前記凸部4aの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凸部4aに沿って凹状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凹部8bが前記係止体4の凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また、この第実施形態では、前記補修弁3の上流側連結フランジ部3Aの接合面に、前記係止体4を取付けるための装着溝27を形成したが、この装着溝27を、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aの接合面に形成してもよく、また、前記補修弁3の上流側連結フランジ部3Aの接合面と分岐管部2の連結フランジ部2Aの接合面との両方にわたって形成してもよい。
〔第実施形態〕
図24、図25は、前記第実施形態で説明した流体配管の防食構造の別実施形態を示し、前記係止体4の凸部4aと補修弁3の接続管部における内周面3aとにわたって、前記装着溝27の切削加工によって剥離したライニング層を補修するべく、ステンレス鋼製等の耐食性に優れた円筒状の防食用コア28を拡径変形させて密着状態で被覆装着してある。
尚、その他の構成は、第実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図26、図27は、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって突出する一つの凸部(係合部)4aを内周面4fとして備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4を設け、この係止体4の全周を、前記連結フランジ部2A,3Aとの対向面間を密封するための弾性シール材と同じ機能を発揮する弾性保護層29で被覆し、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凸部4aは、円周方向で連続する円環状に形成されているとともに、前記凸部4aの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凸部4aに沿って凹状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凹部8bが前記係止体4の凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
図28〜図30は、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体配管の防食構造の別実施形態を示し、流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2の連結フランジ部2Aと流体機器又は配管材の一例である補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって突出する一つの凸部(係合部)4aを内周面4fとして備えた金属製(例えば、ステンレス鋼製等)の円環状の係止体4と、前記連結フランジ部2A,3Aの対向面間を密封するためのシール材の一例であるシートパッキン5を設け、この係止体4とシートパッキン5とを一体的に接合するとともに、前記分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の上流側連結フランジ部3Aとを、複数組のボルト6A・ナット6Bからなる締結具6にて密封状態で脱着可能に締付け連結してある。
前記係止体4の凸部4aは、円周方向で連続する円環状に形成されているとともに、前記凸部4aの内径は、分岐管部2の内周面2aの内径及び補修弁3の接続管部における内周面3aの内径よりも小径に構成されている。
次に、前記分岐管部2内の所定位置に防錆ブッシュ8が挿入されている状態で拡径操作ナット15を拡径側に回転操作すると、外側送り軸12に対して内側送り軸11が引き上げられ、これに伴う受け部材23と押え部材24との相対近接移動に連れて合成ゴム製の拡径用弾性体25が分岐軸芯X方向から圧縮されて径方向外方に膨出変形され、防錆ブッシュ8の上側部分が係止体4の凸部4aに沿って凹状に塑性変形された状態を維持して、この膨出変形された膨出変形部8Aの環状凹部8bが前記係止体4の凸部4aに係合することにより、防錆ブッシュ8が分岐軸芯X方向に相対移動不能な状態で前記分岐管部2内の所定位置に固定装着される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第実施形態〕
前記第実施形態では、前記係止体4を径方向の平面に沿う平板状に形成したが、図31〜図33に示すように、前記係止体4の内径側部分4gを、補修弁3の接続管部における内周面3a又は分岐管部2の内周面2aに沿って直角に折曲げ、この折り曲げられた内径側部分4gをもって、流路側に向かって突出する一つの凸部(係合部)4aを構成してもよい。
尚、その他の構成は、第実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
)上述の各実施形態では、前記流体管の一例である鋳鉄管製の水道管1の途中に一体的に突出形成された上流側管部としての分岐管部2を例に挙げて説明したが、流体管1に外装された分岐継手の分岐管部であってもよい。
)上述の各実施形態では、前記流体管1の分岐管部2の連結フランジ部2Aと補修弁3の連結フランジ部3Aとの接合面間に、流路側に向かって突出する凸部4a又は流路側に向かって開口する凹部4b若しくは両方の凹凸部4Aを備えた係止体4を設けたが、この係止体4を、前記分岐管部2と補修弁3に連結された接続管との連結フランジ部の接合面間に設けてもよい。
本発明の第1実施形態を示すブッシュ装着機を取付けたときの一部切欠き正面図 ブッシュ装着機の拡大一部切欠き正面図 図2のIII-III線断面図 ブッシュ装着機を取付けたときの要部の拡大断面図 係止体の拡大平面図 係止体の拡大断面図 防錆ブッシュの挿入時の要部の拡大断面図 防錆ブッシュを所定位置に挿入したときの要部の拡大断面図 防錆ブッシュの一部を拡径変形したときの要部の拡大断面図 ブッシュ装着機を撤去したときの要部の拡大断面図 第1参考例を示す係止体の拡大平面図 本発明の第実施形態を示し、防錆ブッシュを最大送込み位置に挿入したときの要部の拡大断面図 防錆ブッシュを所定量戻し操作したときの要部の拡大断面図 防錆ブッシュの一部を拡径変形したときの要部の拡大断面図 ブッシュ装着機を撤去したときの要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 第2参考例を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 防錆ブッシュの係合状態を示す要部の拡大断面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 係止体及びシートパッキンの拡大断面図 係止体及びシートパッキンの拡大平面図 本発明の第実施形態を示す要部の拡大断面図 係止体及びシートパッキンの拡大断面図 係止体及びシートパッキンの拡大平面図
符号の説明
1 流体管(水道管)
2 管部(分岐管部)
2A 連結フランジ部
2a 内周面
3 管部(補修弁)
3A 連結フランジ部
3a 内周面
4 係止体
4A 凹凸部
4a 凸部
4b 凹部
5 シール(Oリング、シートパッキン)
8 防錆ブッシュ
8A 膨出変形部

Claims (7)

  1. 流路を構成する管部の接続箇所として、流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿設された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する部位において径方向外方に膨出変形された膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させてある流体配管の防食構造。
  2. 前記係止体が、前記接合面間にシール材を介して挾持固定されている請求項1記載の流体配管の防食構造。
  3. 前記係止体が、前記接合面の少なくとも一方に形成した溝内に嵌合保持されている請求項1又は2記載の流体配管の防食構造。
  4. 前記係止体が、前記接合面間を密封するシール材に接合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体配管の防食構造。
  5. 前記係止体が円環状に形成され、その内周面に前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が一体形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体配管の防食構造。
  6. フランジ接合された両管部の少なくとも一方の内周面の一部に防錆ブッシュを装着する流体配管の防食工法であって、
    前記両管部としての流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する防錆ブッシュの一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形させ、この防錆ブッシュの膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させることを特徴とする流体配管の防食工法。
  7. 流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される補修弁の連結フランジ部との接合面間又は前記分岐管部の連結フランジ部とこれに接続される接続管の連結フランジ部との接合面間に、流路側に向かって突出する凸部又は流路側に向かって開口する凹部若しくは前記凸部及び前記凹部の両方を有する凹凸部を内周面に備えた係止体を設け、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部が周方向で連続する環状に形成されてなり、前記凸部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも小径に形成され、前記凹部の内径が流体管の分岐管部又は流体管に外装された分岐継手の分岐管部及び補修弁の接続管部又は接続管の内周面の内径よりも大径に形成されてなり、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に外周面の一部が対面する状態で管内の所定位置に挿入された防錆ブッシュのうち、前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対応する防錆ブッシュの一部をブッシュ拡径機で径方向外方に膨出変形させ、この防錆ブッシュの膨出変形部を前記凸部又は前記凹部若しくは前記凹凸部に対して管軸芯方向に相対移動不能に係合させることを特徴とする流体配管の防食工法。
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