JP7284633B2 - 流体機器の取替方法及び機器取替治具 - Google Patents
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Description
次に、ネジ切り封水具を流体管に残置したまま、ネジ切り封水装置におけるネジ切り封水具以外の他の封水構成部材を既設分岐栓から取外す工程と、流体管から既設分岐栓を撤去する工程と、新設流体機器の一例で、ボール弁が開弁操作されているサドル式の新設分岐栓を流体管に取付ける工程と、新設分岐栓の分岐栓本体の上端部に、ネジ切り封水装置における他の封水構成部材を取付ける工程と、流体管の分岐口を仮封止しているネジ切り封水具をネジ切り封水装置のケーシング内に回収する工程と、ボール弁を閉弁操作して、新設分岐栓の分岐栓本体からネジ切り封水装置を取外す工程と、新設分岐栓の作業用開口を蓋で閉止する工程と、を実行する。
しかも、特許文献1には記載されていないが、流体管の分岐口に防錆コアが装着されている既設分岐栓においては、防錆コアを撤去する装置及びそれを使用したコア撤去工程が加わるため、分岐栓の取替作業に多数の機材と多数の手間を要している。
さらに、既設分岐栓のボール弁が開弁操作できない状態では、上述の水道管の分岐栓の取替方法を実行することができない。
前記流体管の前記機器設置領域に隣接する仮設置領域に、前記新設流体機器を管軸芯方向に移動操作自在に外装する新設流体機器外装工程と、
前記既設流体機器を管軸芯方向に移動操作可能な状態にまで、該既設流体機器の締結固定を緩み操作する締結弛緩工程と、
前記既設流体機器と前記新設流体機器を、前記流体管に対して管軸芯方向に沿って同一方向に移動操作し、前記機器設置領域にある前記既設流体機器は、前記分岐口を通過して機器設置領域外に移動させ、前記仮設置領域にある前記新設流体機器は、前記分岐口を越えて前記機器設置領域に移動させる流体機器移動工程と、
前記新設流体機器を前記流体管の前記機器設置領域に締結固定する締結固定工程と、
前記既設流体機器を前記流体管から撤去する撤去工程と、
を備えている点にある。
したがって、既設流体機器から新設流体機器への取替作業を少ない機材と工程で能率良く容易に行うことができる。
前記流体管の前記機器設置領域に隣接する仮設置領域に、前記新設流体機器を管軸芯方向に移動操作自在に外装する新設流体機器外装工程と、
前記既設流体機器を管軸芯方向に移動操作可能な状態にまで、該既設流体機器の締結固定を緩み操作する締結弛緩工程と、
前記既設流体機器と前記新設流体機器を、前記流体管に対して管軸芯方向に沿って同一方向に移動操作し、前記機器設置領域にある前記既設流体機器は、前記防錆コアを通過して機器設置領域外に移動させ、前記仮設置領域にある前記新設流体機器は、前記防錆コアを越えて前記機器設置領域に移動させる流体機器移動工程と、
前記新設流体機器を前記流体管の前記機器設置領域に締結固定する締結固定工程と、
前記既設流体機器を前記流体管から撤去する撤去工程と、
を備えている点にある。
したがって、既設流体機器から新設流体機器への取替作業を少ない機材と工程で能率良く容易に行うことができる。
したがって、流体機器移動工程において、既設流体機器が防錆コアを通過するときの移動抵抗を小さくすることができる又は移動抵抗を無くすることができるので、既設流体機器の移動操作をより能率良く容易に行うことができる。
したがって、流体機器移動工程において、新設流体機器が防錆コアを通過するときの移動抵抗を小さくすることができる又は移動抵抗を無くすることができるので、新設流体機器の移動操作をより能率良く容易に行うことができる。
〔第1実施形態〕
図1、図2は、水道管等の流体管1の外面の機器設置領域1Aに、その機器設置領域1Aの管壁に形成されている分岐口2を密封状態(水密状態)で囲繞する分割構造の既設流体機器の一例であるサドル式の既設分岐栓3が取付けられている流体配管構造を示す。この流体配管構造では、従来から存在する複数種類のサドル式の既設分岐栓3の一つが用いられている。
本実施形態で用いられるサドル式の既設分岐栓3は、図1、図2に示すように、円周方向に沿って連結される複数の分割筐体の一例で、流体管1に上下方向から挟持状態で装着可能な一対の半円筒状のサドル部31,32と、両サドル部31,32を流体管1に締結固定する第1連結ボルト33A・第1ナット33B等の第1締結具33と、流体管1の分岐口2に対面する上側のサドル部31に設けられる分岐栓本体34と、を備える。
上側のサドル部31には、流体管1の分岐口2の周囲を密封する第1ゴム輪35が装着されている。両サドル部31,32の円周方向両端部には、直径方向の外方側に突出する第1連結フランジ31A,32Aが一体形成されている。両サドル部31,32の各第1連結フランジ31A,32Aには、第1連結ボルト33Aが挿通される第1ボルト挿通孔36が形成されている。
この流体機器の取替方法で用いられるサドル式の新設漏洩補修金具5は、図1、図3、図4に示すように、流体管1に上下方向から挟持状態で装着可能な一対の半円筒状の新設分割筐体51,52と、両新設分割筐体51,52を流体管1に締結固定する本固定操作体としての第2連結ボルト53A・第2ナット53B等の第2締結具53(本固定部の一例)と、を備える。本実施形態では、第2締結具53の第2連結ボルト53A・第2ナット53Bによる本固定操作箇所は、四箇所に設定されている。流体管1の分岐口2に対面配置される上側の新設分割筐体51の中央部には、流体管1の分岐口2に装着されている防錆コア4の突出部4aが入り込み可能な凹部51bを有する膨出突起部51Bが形成されている。上側の新設分割筐体51の内面における凹部51bの外周部位には、分岐口2及び防錆コア4の周囲を密封する第2ゴム輪54が装着されている。
両新設分割筐体51,52の円周方向両端部には、直径方向の外方側に突出する第2連結フランジ51A,52Aが一体形成されている。両新設分割筐体51,52の各第2連結フランジ51A,52Aには、図1に示すように、第2連結ボルト53Aが挿通される第2ボルト挿通孔55が形成されている。
第2連結ボルト53Aは、図5に示すように、流体管1に新設漏洩補修金具5と一体状態で外装された後述の機器取替治具6を脱着自在に押えナット65で固定連結可能な長さを有する。
図1、図3、図4は、流体管1の機器設置領域1Aに隣接する仮設置領域1Bに、新設漏洩補修金具5を管軸芯方向に移動操作自在に外装する工程を示す。
図1、図3に示すように、流体管1の仮設置領域1Bに、新設漏洩補修金具5を構成する上側の新設分割筐体51と下側の新設分割筐体52を外装する。この上側の新設分割筐体51の第2連結フランジ51Aと下側の新設分割筐体52の第2連結フランジ52Aとを、第2締結具53の第2連結ボルト53A・第2ナット53Bで連結する。
この第2締結具53による両新設分割筐体51,52の連結は、新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力(又は機械力)で押圧移動操作できる程度の緩みで連結する。この新設漏洩補修金具外装工程において、本実施形態では、図4に示すように、流体管1の外面と新設漏洩補修金具5の内面との間で、且つ、少なくとも防錆コア4に管軸芯方向で対応する部位の第1空隙S1の径方向寸法h1が、防錆コア4の突出部4aの突出寸法h(図8参照)よりも大となる状態で、新設漏洩補修金具5を構成する両新設分割筐体51,52を流体管1の仮設置領域1Bに外装連結する工程を含む。
図4では、流体管1に対して新設漏洩補修金具5が自重で下降した状態にあるため、第1空隙S1は、流体管1の外面と新設漏洩補修金具5の下側の新設分割筐体52の内面との間に現れている。
図5は、流体管1の仮設置領域1Bに、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力で押圧移動操作するための金属製の機器取替治具6を装着する工程を示す。
機器取替治具6は、図6、図7に示すように、流体管1の仮設置領域1Bに新設漏洩補修金具5と一体状態で外装固定可能な取替治具本体60を備える。この取替治具本体60には、流体管1に対して新設漏洩補修金具5の上側の新設分割筐体51を密封状態に押圧して仮固定する仮固定部61と、両新設分割筐体51,52の第2連結フランジ51A,52Aに第2連結ボルト53A及び押えナット65で連結される連結部62と、既設分岐栓3を管軸芯方向から押圧する第1押圧部63と、新設漏洩補修金具5を管軸芯方向から押圧する第2押圧部64と、が設けられている。
仮固定部61の仮固定操作箇所は、本固定部の一例である第2締結具53の本固定操作箇所(四箇所)よりも少ない一箇所に設定されている。
取替治具本体60の第1押圧部63は、図6、図7に示すように、連結板60Aにおける管軸芯方向の一端部に固着される第1押圧板63Aから構成され、この第1押圧板63Aには、流体管1に上方から外装可能な半長円形状の第1装着凹部63Bが形成されている。第1押圧板63Aは、図5に示すように、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5との間に配置され、既設分岐栓3の一端面と新設漏洩補修金具5の一端面とに面接触する。
取替治具本体60の第2押圧部64は、図6、図7に示すように、連結板60Aにおける管軸芯方向の他端部に固着される第2押圧板64Aから構成され、この第2押圧板64Aには、流体管1に上方から外装可能な半長円形状の第2装着凹部64Bが形成されている。第2押圧板64Aの一側面は、図5に示すように、新設漏洩補修金具5の他端面に面接触する。第2押圧板64Aの他側面は、新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力で押圧するための押圧操作面に構成されている。
取替治具本体60の連結部62は、図6、図7に示すように、連結板60Aの長辺側の両側辺における管軸芯方向の両端部の各々において、第1押圧板63A及び第2押圧板64Aと一体状態で固着される略「L」字状の連結片62Aを備える。各連結片62Aには、第2連結ボルト53Aが挿通されるボルト挿通凹部62Bが形成されている。
また、図8に示すように、機器取替治具6が新設漏洩補修金具5に取付けられた状態では、流体管1の外面と新設漏洩補修金具5における下側の新設分割筐体52の内面との間で、且つ、少なくとも防錆コア4に管軸芯方向で対応する部位は、防錆コア4の突出部4aの突出寸法hよりも大なる第1空隙S1が形成されている。
図9は、締結弛緩工程を実行する前に、既設分岐栓3の締結固定を緩めたときに噴出する圧力流体(上水)の外部飛散を抑えるための第1流体飛散抑止体7を装着する工程を示す。具体的には、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5とに渡って、既設分岐栓3の両サドル部31,32を締結固定している第1締結具33を緩めたときに噴出する圧力流体の外部飛散を抑える第1流体飛散抑止体7を装着する工程を示す。
第1流体飛散抑止体7は、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5とを覆い包むことが可能な可撓性(柔軟性)を備えた樹脂製の内部透視可能な防水シート(例えば、透明又は半透明なポリエチレンシート)71から構成されている。本実施形態では、図9に示すように、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5とに巻き付けた防水シート71の両端部を、紐やバンド等の締め付け具72で流体管1に止め付ける。
また、防水シート71の重ね合わせ部は、作業者の作業位置から離れた位置に配置し、第1締結具33を緩めたときに防水シート71の重ね合わせ部から噴出する圧力流体が作業者に降り掛かることを抑制する。これにより、内部透視可能な防水シート71で覆われている内部を目視で確認しながら、圧力流体の噴出による流体機器取替作業の妨げを回避することができる。
図10は、既設分岐栓3を管軸芯方向に移動操作可能な状態にまで、該既設分岐栓3の締結固定を緩み操作する工程を示す。
この既設分岐栓3の締結弛緩工程では、図10に示すように、両サドル部31,32の第1連結フランジ31A,32Aを締結固定している第1締結具33を緩み操作し、両サドル部31,32の第1連結フランジ31A,32A間の間隔W2を、図9に示す締結固定時の間隔W1よりも拡大する。この第1締結具33の緩み操作量は、既設分岐栓3を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力で押圧移動させることのできる程度の緩みに設定する。
本実施形態では、図11を参照して説明すると、流体管1の外面と既設分岐栓3の内面との間で、且つ、少なくとも防錆コア4に管軸芯方向で対応する部位の第2空隙S2の径方向寸法h2が、防錆コア4の突出部4aの突出寸法hよりも大となる状態にまで、両サドル部31,32の第1連結フランジ31A,32Aを締結固定している第1締結具33の第1連結ボルト33A・第1ナット33Bを緩み操作する。
図11、図12は、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5を、流体管1に対して管軸芯方向に沿って同一方向に移動操作し、流体管1の機器設置領域1Aにある既設分岐栓3は、防錆コア4を通過して機器設置領域外に移動させ、流体管1の仮設置領域1Bにある新設漏洩補修金具5は、防錆コア4を越えて機器設置領域1Aに移動させる工程を示す。
この流体機器移動工程においては、機器取替治具6の第2押圧板64Aを管軸芯方向から人為力で押圧操作すると、押圧操作力が新設漏洩補修金具5の両新設分割筐体51,52に伝達される。同時に、押圧操作力が機器取替治具6の第1押圧板63Aを介して既設分岐栓3に伝達される。これにより、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5とを管軸芯方向に沿って確実に移動させることができる。
したがって、流体機器移動工程においては、防錆コア4による移動抵抗が無くなるので、既設分岐栓3及び新設漏洩補修金具5の移動操作をより能率良く容易に行うことができる。
図13~図15は、新設漏洩補修金具5を流体管1の機器設置領域1Aに締結固定する締結固定工程を示す。この締結固定工程には、流体管1に対して新設漏洩補修金具5における上側の新設分割筐体51を密封状態に仮固定する仮固定工程と、仮固定されている新設漏洩補修金具5を流体管1に密封状態に締結固定する本固定工程と、が備えられている。
仮固定工程では、図13、図14に示すように、機器取替治具6の仮固定部61を構成する押圧ボルト61Bを締め付け側に螺合操作し、上側の新設分割筐体51の内面における凹部51bの外周部位に装着した第2ゴム輪54を流体管1の外面に圧着して密封する。このとき、流体管1の分岐口2に装着されている防錆コア4の突出部4aの先端は、新設分割筐体51に形成されている膨出突起部51Bの凹部51b内に入り込む。
図16は、機器取替治具6及び既設分岐栓3を流体管1から撤去する撤去工程を示す。
機器取替治具6の撤去工程は、上述のように、新設漏洩補修金具5と機器取替治具6とのボルト連結部を構成する第2締結具53の第2連結ボルト53A・第2ナット53Bと押えナット65を取外し、新設漏洩補修金具5に用いられる正規の第3ボルト8A・第3ナット8Bに付け替えることにより、機器取替治具6は撤去される。
また、既設分岐栓3の撤去工程は、既設分岐栓3の両サドル部31,32を締結固定している第1締結具33の第1連結ボルト33A・第1ナット33Bを取り外す。
図17は、流体管1から機器取替治具6及び既設分岐栓3が撤去され、流体管1に新設漏洩補修金具5のみが残る流体機器取替方法の完了状態を示す。
図18~図20は、流体機器移動工程において、流体管1の仮設置領域1Bにある新設漏洩補修金具5及び機器設置領域1Aにある既設分岐栓3を、新設漏洩補修金具5の移動前方側において防錆コア4の突出部4aを通過可能な状態に変形させながら移動させる流体機器の取替方法を示す。
図18は、新設漏洩補修金具外装工程において、流体管1の機器設置領域1Aに隣接する仮設置領域1Bに、新設漏洩補修金具5を管軸芯方向に移動操作自在に外装し、機器取替治具装着工程において、流体管1の仮設置領域1Bに、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力で押圧移動操作するための機器取替治具6を装着した状態を示す。
そのため、流体機器移動工程において、図20に示すように、機器取替治具6の第1押圧板63Aにおける第1装着凹部63Bの内面の前方上側角部63bが、防錆コア4の突出部4aに当接し、防錆コア4の突出部4aを折り曲げ変形させる。新設漏洩補修金具5の上側の新設分割筐体51における内面の前方上側角部は、折り曲げ変形された防錆コア4の変形突出部4aに接触しながら通過する。新設漏洩補修金具5が流体管1の機器設置領域1Aに移動した状態では、上側の新設分割筐体51の内面に装着した第2ゴム輪54内に、折り曲げられた防錆コア4の突出部4aが位置し、この状態で締結固定工程が実行される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
上述のいずれの場合も、流体機器移動工程において、新設漏洩補修金具5の移動前方側において防錆コア4の突出部4aを通過可能な状態に変形させる工程を構成する。
この場合、流体機器移動工程において、既設分岐栓3における分岐栓本体34の底部流入口34aの開口縁が、防錆コア4の突出部4aに当接し、防錆コア4の突出部4aを折り曲げ変形させながら通過する。そのため、分岐栓本体34の底部流入口34aの後方開口角部が、防錆コア4の突出部4aに対する第1番目の折り曲げ作用部になる。これに続く第1押圧板63Aにおける第1装着凹部63Bの内面の前方上側角部63bが、防錆コア4の突出部4aに対する第2番目の折り曲げ作用部になる。
図21、図22は、流体機器移動工程において、流体管1の仮設置領域1Bにある新設漏洩補修金具5及び機器設置領域1Aにある既設分岐栓3を、新設漏洩補修金具5の移動前方側において防錆コア4の突出部4aを剪断しながら移動させる流体機器の取替方法を示す。
図21は、新設漏洩補修金具外装工程において、流体管1の機器設置領域1Aに隣接する仮設置領域1Bに、新設漏洩補修金具5を管軸芯方向に移動操作自在に外装し、機器取替治具装着工程において、流体管1の仮設置領域1Bに、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力で押圧移動操作するための機器取替治具6を装着した状態を示す。
また、機器取替治具6の第1押圧板63Aの外側面には、防錆コア4の突出部4aを剪断可能な切断刃9aを備えた切断具9が取付けられている。
そして、新設漏洩補修金具5が流体管1の機器設置領域1Aに移動した状態では、上側の新設分割筐体51の内面に装着した第2ゴム輪54内に、防錆コア4の切断端面が位置し、この状態で締結固定工程が実行される。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
図23~図25は、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5を流体管1の外面に沿って管軸芯方向に人為力(又は機械力)で押圧移動操作するための機器取替治具6の変形例を示す。この第4実施形態の機器取替治具6は、第1実施形態で説明した機器取替治具6と同じ構成を備え、且つ、既設分岐栓3の少なくとも飛散抑止面側である上方と左右の側方及び押圧移動方向の上手側(図24における左側)である新設漏洩補修金具5側を覆う金属製の第2流体飛散抑止体10が付加されている。
この第2流体飛散抑止体10は、図23~図25に示すように、既設分岐栓3と新設漏洩補修金具5との間に配置される第1押圧板63Aのうち、既設分岐栓3の一端面と接触する一側面63aに溶接等で一体的に固着されている。そのため、本実施形態においては、締結弛緩工程の前工程である機器取替治具装着工程を実行すると、既設分岐栓3の締結固定を緩めたときに噴出する圧力流体(上水)の外部飛散を抑えるための第2流体飛散抑止体10を装着する流体飛散抑止体工程も同時に実行することになる。
そのため、機器取替治具6が流体管1の仮設置領域1Bに新設漏洩補修金具5と一体状態で外装固定された状態では、図24、図25に示すように、第2流体飛散抑止体10は、既設分岐栓3の少なくとも飛散抑止面側である上方と左右の側方及び押圧移動方向の上手側である新設漏洩補修金具5側を覆うことになる。これにより、既設分岐栓3の締結弛緩工程において、既設分岐栓3の両サドル部31,32を締結固定している第1締結具33を緩み操作したとき、流体管1の分岐口2から噴出する圧力流体は、第2流体飛散抑止体10の既設機器収納空間14における押圧移動方向の下手側開口及び下方側開口から外部に噴出することになる。そのため、外部に噴出した流体が作業者に降り掛かることを抑制することができるので、作業を妨げることはない。
また、図23~図25に示すように、第2流体飛散抑止体10の第1押圧板63Aの一側面63aで、且つ、第1押圧板63Aに形成されている第1装着凹部63Bの左右の両側縁部には、既設機器収納空間14内を通して押圧移動方向下手側の外部に突出する左右の一対の持ち手16が延設されている。各持ち手16の上側面16aは、上側のサドル部31の各第1連結フランジ31Aの下面に当接可能に構成されている。各持ち手16の先端部には、上側のサドル部31の各第1連結フランジ31Aにおける管軸芯方向の一側面に係合可能な突起部16bが形成されている。
これにより、既設分岐栓3の上側のサドル部31及び新設漏洩補修金具5の上側の新設分割筐体51の持ち上げ操作を小さな力で容易に行うことができるとともに、既設分岐栓3及び新設漏洩補修金具5の移動操作をより能率良く容易に行うことができる。
図26、図27は、第1実施形態で説明した流体機器の取替方法の変形例を示す。この変形例では、流体機器移動工程を実行する前に、流体管1における既設分岐栓3から既設分岐栓3及び新設漏洩補修金具5の設定移動距離Wを離れた位置にストッパー部20を外装固定するストッパー取付け工程を実行し、流体機器移動工程において、既設分岐栓3がストッパー部20に当接する位置まで、既設分岐栓3及び新設漏洩補修金具5を移動操作する。
設定移動距離Wは、図26に示すように、新設漏洩補修金具5の上側の新設分割筐体51における膨出突起部51Bの中心から既設分岐栓3の上側のサドル部31における底部流入口34aの中心(又は分岐口2の中心)までの距離である。
ストッパー本体20Aの管周方向中央部及び管周方向両端部の各々には、図26、図27に示すように、ネジ中心が流体管1の管軸芯に向かう円筒状の雌ネジ部22が形成され、各雌ネジ部22には、流体管1に外装されたストッパー部20を締結固定する締結ボルト23が螺合されている。
そして、ストッパー取付け工程においては、図26に示すように、管周方向中央部の雌ネジ部22の中央ストッパー面22aと上側のサドル部31の他端面31aとの管軸芯方向での対向面間が設定移動距離Wに調整されている。さらに、管周方向両端部の雌ネジ部22の端部ストッパー面22bと下側のサドル部32における両第1連結フランジ32Aの他端面32aとの管軸芯方向での対向面間も設定移動距離Wに調整されている。
また、図27に示すように、ストッパー本体21の装着凹部21aには、機器取替治具6の両持ち手16が管軸芯方向から入り込む凹部21bが形成されている。
(1)上述の各実施形態では、機器設置領域1Aの管壁に形成されている分岐口2を密封状態で囲繞する分割構造の既設流体機器として、サドル式の既設分岐栓3を例に挙げて説明したが、既設仕切弁や既設T字管等であってもよい。
1A 機器設置領域
1B 仮設置領域
2 分岐口
3 既設流体機器(既設分岐栓)
4 防錆コア
4a 突出部
5 新設流体機器(新設漏洩補修金具)
6 機器取替治具
7 流体飛散抑止体(第1流体飛散抑止体)
8 本固定部(第3締結具)
8A 本固定操作体(第3ボルト)
8B 本固定操作体(第3ナット)
10 流体飛散抑止体(第2流体飛散抑止体)
20 ストッパー部
53 本固定部(第2締結具)
53A 本固定操作体(第2連結ボルト)
53B 本固定操作体(第2ナット)
60 連結板
61 仮固定部
61A 仮固定操作体(ナット部材)
61B 仮固定操作体(押圧ボルト)
62 連結部
63 第1押圧部
64 第2押圧部
S1 空隙(第1空隙)
S2 空隙(第2空隙)
Claims (13)
- 水道管の外面の機器設置領域に、その機器設置領域の管壁に形成されている分岐口を密封状態で囲繞する分割構造の既設流体機器が脱着自在に締結固定されている流体配管構造において、前記既設流体機器を、前記分岐口を密封囲繞可能な分割構造の新設流体機器に不断流状態で取り替える流体機器の取替方法であって、
前記水道管の前記機器設置領域に隣接する仮設置領域に、前記新設流体機器を管軸芯方向に移動操作自在に外装する新設流体機器外装工程と、
前記既設流体機器を管軸芯方向に移動操作可能な状態にまで、該既設流体機器の締結固定を緩み操作する締結弛緩工程と、
前記既設流体機器と前記新設流体機器を、前記水道管に対して管軸芯方向に沿って同一方向に移動操作し、前記機器設置領域にある前記既設流体機器は、前記分岐口を通過して機器設置領域外に移動させ、前記仮設置領域にある前記新設流体機器は、前記分岐口を越えて前記機器設置領域に移動させる流体機器移動工程と、
前記新設流体機器を前記水道管の前記機器設置領域に締結固定する締結固定工程と、
前記既設流体機器を前記水道管から撤去する撤去工程と、
を備えている流体機器の取替方法。 - 水道管の外面の機器設置領域に、その機器設置領域の管壁に形成されている分岐口を密封状態で囲繞する分割構造の既設流体機器が脱着自在に締結固定され、前記水道管の前記分岐口に装着されている防錆コアの一部が、前記水道管の外面と前記既設流体機器の内面との間に形成されている内部空間内に突設されている流体配管構造において、前記既設流体機器を、前記分岐口を密封囲繞可能な分割構造の新設流体機器に不断流状態で取り替える流体機器の取替方法であって、
前記水道管の前記機器設置領域に隣接する仮設置領域に、前記新設流体機器を管軸芯方向に移動操作自在に外装する新設流体機器外装工程と、
前記既設流体機器を管軸芯方向に移動操作可能な状態にまで、該既設流体機器の締結固定を緩み操作する締結弛緩工程と、
前記既設流体機器と前記新設流体機器を、前記水道管に対して管軸芯方向に沿って同一方向に移動操作し、前記機器設置領域にある前記既設流体機器は、前記防錆コアを通過して機器設置領域外に移動させ、前記仮設置領域にある前記新設流体機器は、前記防錆コアを越えて前記機器設置領域に移動させる流体機器移動工程と、
前記新設流体機器を前記水道管の前記機器設置領域に締結固定する締結固定工程と、
前記既設流体機器を前記水道管から撤去する撤去工程と、
を備えている流体機器の取替方法。 - 前記締結固定工程では、前記新設流体機器に一体移動状態で脱着自在に外装固定される機器取替治具を用い、当該機器取替治具に設けた仮固定部により、前記水道管に対して前記分岐口に対面する前記新設流体機器の新設分割筐体を密封状態に押圧して仮固定する仮固定工程と、前記新設流体機器の複数の新設分割筐体同士を締結固定する本固定部により、前記仮固定部で仮固定されている前記新設流体機器の複数の新設分割筐体を前記水道管に密封状態で締結固定する本固定工程と、が備えられ、前記仮固定部の仮固定操作体の数は、前記本固定部の本固定操作体の数よりも少ない数に設定されている請求項1又は2記載の流体機器の取替方法。
- 前記締結弛緩工程を実行する前に、前記既設流体機器の締結固定を緩めたときに噴出する流体が少なくとも前記既設流体機器及び前記新設流体機器に対する作業者の作業位置側に飛散することを抑える流体飛散抑止体を、前記水道管又は前記新設流体機器に一体移動状態で脱着自在に外装固定される機器取替治具に装着する流体飛散抑止体装着工程を実行する請求項1~3のいずれか1項に記載の流体機器の取替方法。
- 前記流体機器移動工程を実行する前に、前記水道管における前記既設流体機器から設定移動距離離れた位置にストッパー部を外装固定するストッパー取付け工程を実行し、前記流体機器移動工程において、前記既設流体機器が前記ストッパー部に当接する位置まで、前記既設流体機器と前記新設流体機器を移動操作する請求項1~4のいずれか1項に記載の流体機器の取替方法。
- 前記仮固定工程での前記仮固定部の前記仮固定操作体が一箇所に設定されている請求項3記載の流体機器の取替方法。
- 前記流体飛散抑止体装着工程では、前記流体飛散抑止体として、前記既設流体機器及び前記新設流体機器を移動操作可能な状態で覆い包み、且つ、可撓性を有する内部透視可能な防水シートを用いる請求項4記載の流体機器の取替方法。
- 前記締結弛緩工程においては、前記水道管の外面と前記既設流体機器の内面との間における少なくとも前記防錆コアに対応する部位の空隙が、前記防錆コアの突出部の突出寸法と同一又はそれよりも大となる状態にまで、前記既設流体機器の締結固定を緩め操作する工程を含み、前記流体機器移動工程においては、前記既設流体機器を、前記防錆コアの突出先端と非接触状態で通過して前記機器設置領域外に移動させる工程を含む請求項2記載の流体機器の取替方法。
- 前記流体機器移動工程においては、前記既設流体機器及び前記新設流体機器を、前記新設流体機器の移動前方側に設けた切断具で前記防錆コアの突出部を切断しながら移動させる、又は、前記新設流体機器の移動前方側に設けた折り曲げ作用部で前記防錆コアの突出部を変形させながら移動させる工程を含む請求項2記載の流体機器の取替方法。
- 前記新設流体機器外装工程においては、前記水道管の外面と前記新設流体機器の内面との間における少なくとも前記防錆コアに対応する部位の空隙が、前記防錆コアの突出部の突出寸法と同一又はそれよりも大となる状態で、前記新設流体機器を前記水道管の前記仮設置領域に外装する工程を含む請求項2又は9記載の流体機器の取替方法。
- 請求項1~10のいずれか1項に記載の流体機器の取替方法に用いられる機器取替治具であって、前記新設流体機器に対して一体移動状態で脱着自在に外装固定可能な取替治具本体を備え、前記取替治具本体には、前記水道管に対して前記分岐口に対面する前記新設流体機器の前記新設分割筐体を密封状態に押圧して仮固定する仮固定部が設けられ、前記仮固定部には、前記新設流体機器の複数の新設分割筐体同士を締結固定する前記本固定部の本固定操作体の数よりも少ない数の仮固定操作体が備えられている機器取替治具。
- 前記取替治具本体には、前記既設流体機器の少なくとも作業者の作業位置側となる飛散抑止面側に、前記既設流体機器の締結固定を緩めたときに噴出する流体が前記作業位置側に飛散することを抑える前記流体飛散抑止体が設けられている請求項11記載の機器取替治具。
- 前記取替治具本体には、前記本固定部の前記本固定操作体である第2連結ボルトの一端側部位が挿通される連結片と、前記第2連結ボルトの挿通突出部位に前記連結片と当接する状態で螺合される押えナットとを有する連結部が備えられ、前記押えナットの締付けにより、前記水道管に対して前記分岐口に対面する前記新設流体機器の前記新設分割筐体を密封状態に押圧する構成にしてある請求項11又は12記載の機器取替治具。
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