JP5121661B2 - ダイカスト方法 - Google Patents

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Description

本発明はダイカスト方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等のダイカスト製品を製造する過程において、金型からのダイカスト製品の離型性を向上させるためにダイカスト用離型剤を金型に噴霧する工程を含むダイカスト方法に関する。
ダイカスト製品は、寸法精度が非常に高く、鋳肌の平滑性に優れるので、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等を用いて大量に生産されている。そして、ダイカスト製品を生産する過程においては、金型とダイカスト製品との離型性を向上させるためにダイカスト用離型剤が使用されている。
このようなダイカスト用離型剤としては、シリコーン化合物、植物油、鉱物油、ワックス類、油脂類、合成油等の非水溶性の離型成分を、乳化剤を用いて水中に乳化分散せしめた水性ダイカスト用離型剤が一般的に使用されている。そして、従来のダイカスト方法においては、水性ダイカスト用離型剤を水で50〜200倍に希釈して用いており、その離型剤希釈液を通常100〜400℃の金型に100cmあたり0.1〜2L程度の塗布量となるように噴霧していた。それにより離型剤希釈液中の水が蒸発し、離型成分により金型表面に離型被膜が形成されることで離型性が発揮される。
しかしながら、金型の温度が300℃以上の高温になっている場合は、金型上で水が爆発的に蒸発するために水蒸気により離型剤希釈液と金型との間に層ができ、離型剤希釈液と金型とが接触しないために離型成分が金型に付着しにくくなる、いわゆるライデンフロスト現象が起こり易くなる。そこで、離型成分が付着し易い200℃以下の温度まで金型を冷却する目的で、従来は水性ダイカスト用離型剤の希釈液を冷却水としても使用しており、結果として前記の塗布量よりもさらに大過剰量の離型剤希釈液を噴霧していた。したがって、従来は、離型被膜の形成に必要な量よりも大過剰の離型剤希釈液を噴霧していたことから、かかる離型剤希釈液の大部分は廃液となっていた。また、鋳造サイクルにおいて、離型剤希釈液の噴霧後に最終的にエアブローによって水分を除去していたが、エアブローにかかる時間が長くなるほど鋳造サイクルの時間が長くなり、生産効率の低下に繋がる等の問題もあった。さらに、金型の形状が複雑であるとエアブローによっても十分に水を除去できない場合があり、残留した水分がダイカスト製品中に水蒸気ガスとして混入し、不良品(鋳巣)が生じる原因となっていた。
そのため、金型に噴霧した後に速やかに水分が蒸発して離型被膜が形成され、且つ残留した水分による不良の無い製品を得ることのできる水性ダイカスト用離型剤が求められており、例えば特開2006−212691号公報(特許文献1)には、離型成分を水中に乳化分散させるための分散剤と水とに加えて、特定の起泡成分を含有させることによって乾燥性を向上させた水性ダイカスト用離型剤が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような水性ダイカスト用離型剤を用いた場合であっても、従来と同様に水性ダイカスト用離型剤を水で希釈して金型に大量に噴霧することから、水の残留の問題が依然として残っており、金型の乾燥効率が未だ十分とはいえなかった。
また、ダイカスト用離型剤の使用にあたっては、金型への離型成分の付着量が不足している場合は離型性に劣り、一方、付着量が過剰となる場合には過剰の離型成分が熱により分解してダイカスト製品中に分解ガスとして混入するといった不良品が増える原因となり得ることから、金型への離型成分の付着量を適切なものとする必要がある。しかしながら、従来の水性ダイカスト用離型剤を用いたダイカスト方法においては、離型剤希釈液を大過剰に噴霧する一方でその大部分が廃液となることから、金型に付着する離型成分の量をコントロールすることが難しいといった問題もあった。
さらに、上記のように水性ダイカスト用離型剤の希釈液を大過剰に噴霧する従来の方法では、金型を冷却することにより離型成分の付着量を増やすことができる一方で、鋳造サイクルにおける金型の温度変化が大きく、金属疲労による金型の短命化も懸念されていた。
一方、油性ダイカスト用離型剤としては、例えば特許第4095102号公報(特許文献2)には、非水溶性の離型成分を溶剤等に溶解させた油性ダイカスト用離型剤が開示されている。しかしながら、油性ダイカスト用離型剤は引火点を有しているため、火災の発生の恐れがあり、幅広く使用されるには至っていない。
特開2006−212691号公報 特許第4095102号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、従来のダイカスト方法に比べて水性ダイカスト用離型剤の使用量を極めて少量に抑制することができ、それによって金型の冷却幅を小さくしているにも拘らずライデンフロスト現象の発生が十分に抑制されて優れた離型性が達成され、金型の乾燥効率が向上すると共に金属疲労による金型の短命化も十分に抑制され、さらに水質汚染等の環境汚染の問題や火災に対する安全性の問題も発生しないダイカスト方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来は希釈せずに用いることはできないと当業者が考えていた高濃度の水性ダイカスト用離型剤を特定の条件を満たすように金型に噴霧することにより、驚くべきことに前記目的が達成されるようになることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のダイカスト方法は、離型成分の含有量(固形分換算)が5〜60質量%である高濃度水性ダイカスト用離型剤を、下記条件:
前記離型成分の平均粒径が0.03〜3μm、
前記離型剤の流量が0.01〜5mL/秒、
前記離型剤のミスト径が0.1〜30μm、
前記離型成分の付着量(固形分換算)が0.5〜200mg/100cm
を満たすように金型に噴霧する工程を含むことを特徴とする方法である。
本発明のダイカスト方法においては、前記離型剤における前記離型成分の含有量(固形分換算)が10〜30質量%であることが好ましく、また、前記離型剤のミスト径が10〜30μmであることが好ましい。
本発明によれば、高濃度の水性ダイカスト用離型剤を水で希釈することなく極少量で使用することができることから、金型の乾燥効率が向上し、しかも従来のダイカスト方法と比較して離型剤の廃液を大幅に減少させられることから水質汚染等の環境汚染の問題を改善することが可能となる。
また、本発明によれば、極小量の高濃度水性ダイカスト用離型剤を特定の条件を満たすように金型に噴霧することから、ライデンフロスト現象の発生が十分に抑制され、金型に離型成分が効率良く付着するようになると共に、離型成分の付着量をコントロールすることが容易となることから、優れた離型性を達成することが可能となる。
さらに、本発明によれば、水性ダイカスト用離型剤の噴霧による金型の温度変化(冷却幅)を従来のダイカスト方法と比較して小さくすることができるため、金型への温度変化による負担が軽減され、金属疲労による金型の短命化も十分に抑制されることとなる。
以下、本発明のダイカスト方法をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のダイカスト方法は、離型成分の含有量(固形分換算)が5〜60質量%である高濃度水性ダイカスト用離型剤を、下記条件:
前記離型成分の平均粒径が0.03〜3μm、
前記離型剤の流量が0.01〜5mL/秒、
前記離型剤のミスト径が0.1〜30μm、
前記離型成分の付着量(固形分換算)が0.5〜200mg/100cm
を満たすように金型に噴霧する工程を含む方法である。なお、本発明にかかる離型成分の平均粒径とは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所)にて測定した、累積50%のメジアン径をいう。
本発明で用いる水性ダイカスト用離型剤の離型成分としては、特に限定されず、従来からダイカスト用離型剤における離型成分として使用されているものを用いることができ、例えば、シリコーン化合物、植物油等の油脂類、鉱物油、ワックス類、合成油を挙げることができる。
このようなシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、α−オレフィン変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、α−メチルスチレン変性シリコーン等のアラルキル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル・アラルキル共変性シリコーン、アルキル・エステル共変性シリコーン等の各種変性シリコーン等が挙げられる。油脂類としては、牛脂、ラノリン、ラード等の動物油、大豆油、菜種油、パーム油等の植物油等が挙げられる。鉱物油としては、タービン油、マシン油、シリンダー油、パラフィン油、ギヤ油等が挙げられる。ワックス類としては、パラフィンワックス、オレフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の石油系ワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレン等の酸化ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス等の天然ワックス等が挙げられる。合成油としては、ポリブテン・ポリブタジエン、ポリエステル等が挙げられる。これらの離型成分は、単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
前記離型成分を水に分散せしめるにあたっては、使用する離型成分の乳化に適した公知の乳化剤を使用することができ、例えば、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、高級アミンアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドアルキレンオキサイド付加物等の非イオン界面活性剤等を使用することができる。乳化剤の使用量は、用いる離型成分の種類により適宜選択することができるが、乳化及び安定に必要な最小量とすることが好ましい。
さらに、本発明で用いる水性ダイカスト用離型剤には、ダイカスト用離型剤に従来から添加されているその他の薬剤を、付着効率や離型性を損なわない程度に併用することもできる。このようなその他の薬剤としては、例えば、消泡剤、腐食防止剤、増粘剤、防錆剤、防腐剤等が挙げられる。
本発明においては、前記水性ダイカスト用離型剤を、その離型成分の含有量(固形分換算)が5〜60質量%という高濃度の水分散液の状態で金型に噴霧する必要がある。離型成分の含有量が5質量%未満の場合には、離型成分の付着量を確保するために水性ダイカスト用離型剤の噴霧量を増やす必要があり、ライデンフロスト現象により離型成分の付着効率が不十分となる。また、同様の観点から、離型成分の含有量(固形分換算)の下限は10質量%であることが好ましい。一方、離型成分の含有量が60質量%を超えると、離型剤の安定性が低くなり、ミストノズルが詰まって噴霧ができない状態となる。また、同様の観点から、離型成分の含有量(固形分換算)の上限は30質量%であることが好ましい。
また、本発明で用いる水性ダイカスト用離型剤において、離型成分の平均粒径は0.03〜3μmとなっている必要がある。離型成分の平均粒径が0.03μm未満の場合には、離型成分を乳化せしめるための乳化剤が多く必要となり、かかる乳化剤は離型成分と比較して耐熱性に劣るため高温金型への付着時に容易に分解し、ダイカスト製品中に分解ガスとして混入して不良品を生じる原因となる。一方、離型成分の平均粒径が3μmを超えていると、離型成分が凝集し易く、ミストノズルの詰まりの原因となる。
さらに、本発明のダイカスト方法においては、前記高濃度水性ダイカスト用離型剤を、その流量が0.01〜5mL/秒となり、そのミスト径が0.1〜30μmとなる条件で、且つ、離型成分の付着量(固形分換算)が0.5〜200mg/100cmとなるように金型に噴霧する必要がある。
離型成分の付着量が0.05mg/100cm未満の場合は、達成される離型性が不十分となり、一方、離型成分の付着量が200mg/100cmを超える場合は、過剰な付着により、高温金型への付着時に離型成分が分解してダイカスト製品中に分解ガスとして混入し、不良品を生じる原因となる。
また、離型剤の流量が0.01mL/秒未満の場合は、金型への離型成分の付着効率が減少して前記必要量を付着せしめることが困難となり、十分な離型性を達成できない。一方、離型剤の流量が5mL/秒を超える場合は、金型に付着した離型成分の均一性が低下する。
さらに、離型剤のミスト径が0.3μm未満の場合は、金型への離型成分の付着効率が減少して前記必要量を付着せしめることが困難となり、十分な離型性を達成できない。また、同様の観点から、離型剤のミスト径の下限は10μmであることが好ましい。一方、離型剤のミスト径が30μmを超える場合は、ライデンフロスト現象の発生により金型への離型成分の付着効率が減少する。なお、このような離型剤のミスト径は、使用するノズルの口径、流量、エア圧等を調整することによって上記範囲内に維持することができる。
このような諸条件を満たすように金型に前記高濃度水性ダイカスト用離型剤を噴霧するための装置としては、特に限定されないが、一般の水性ダイカスト用離型剤を噴霧するスプレー装置よりも少量塗布に特化したスプレー装置を使用することが好ましい。このスプレー装置としては、例えば、山口技研社製のWFSシリーズのスプレー装置が好適な一例として挙げられる。
本発明のダイカスト方法においては、前述の高濃度水性ダイカスト用離型剤を上記諸条件を満たすように金型に噴霧する工程を含むが、それ以外の工程(注入工程、凝固工程、取出工程等)は従来公知のダイカスト製品を製造する諸工程と同様の工程でよい。また、本発明のダイカスト方法によって得られるダイカスト製品も特に制限されず、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の各種ダイカスト製品を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、離型成分の付着性及び堆積性、離型性、乾燥性、液安定性はそれぞれ以下の方法により評価した。また、実施例1〜7、9、比較例1〜4及び6〜9においては少量塗布専用スプレーWFS−05G−R(ノズル口径1mm、山口技研社製)を用い、実施例8においては自動スプレーガンST−6型(ノズル口径0.5mm、扶桑精機社製)を用い、比較例5及び11においては自動スプレーガンST−6型(ノズル口径2mm、扶桑精機社製)を用いた。
(1)付着性の評価
各水性ダイカスト用離型剤を、上記スプレー装置を用いて200℃に加熱した鋼板(縦100mm×横100mm×厚さ10mm、材質:SKD61)に噴霧し、離型成分の付着状態を観察した。離型成分の付着状態を以下の基準にて評価し、得られた結果を表1に示す。
◎・・・厚く均一に付着した。
○・・・薄く均一に付着した。
△・・・薄くまばらに付着した。
×・・・ほとんど付着しなかった。
××・・・全く付着しなかった。
(2)堆積性の評価
各水性ダイカスト用離型剤を、上記スプレー装置を用いて200℃に加熱した鋼板(縦100mm×横100mm×厚さ10mm、材質:SKD61)に60回繰り返して噴霧し、離型成分の堆積状態を観察した。離型成分の堆積状態を以下の基準にて評価し、得られた結果を表1に示す。
○・・・堆積が少なかった。
△・・・堆積が若干あった。
×・・・堆積が多かった。
(3)離型性の評価
離型成分の被膜による離型性の試験は、塑性加工用潤滑剤の評価に用いられるリング圧縮試験法(工藤によるエネルギ法、Proc. 5th Japan. Nat. Congr. Appl. Mech.、75頁、1955年)に準拠して行い、得られた摩擦係数により離型性を評価した。
金型としては、寸法が縦100mm×横100mm×厚さ10mmで、材質がSKD61のものを2枚用いた。この金型を約300℃に加熱し、各水性ダイカスト用離型剤を上記スプレー装置を用いて金型の片面に噴霧して均一な被膜を形成させた。そして、それら2枚の金型の被膜形成面の間に約500℃に加熱したアルミリング試験片(材質:A5052、外径54×内径27×高さ18mm)を挟み、100トン油圧プレス機(コマツ産機社製、商品名:HAF100)を用いて圧縮率50%で圧縮した。圧縮後の試験片の内径を測定し、内径変化比から摩擦係数を求めるグラフに基づいて摩擦係数(μ)を算出した。得られた結果を表1に示す。なお、摩擦係数が小さい方が離型性は良好である。
(4)乾燥性の評価
各水性ダイカスト用離型剤を、上記スプレー装置を用いて150℃に加熱した鋼板(縦100mm×横100mm×厚さ10mm、材質:SKD61)に噴霧し、離型剤が乾燥するまでの時間を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、乾燥時間が早い方が乾燥性は良好である。
(5)液安定性(ノズル詰まりの評価)
各水性ダイカスト用離型剤を、ホモミキサーにて8000rpm×10分間撹拌後50回繰り返して上記スプレー装置を用いて噴霧し、スプレー装置のノズル詰まりの有無を評価した。以下の基準にて評価し、得られた結果を表1に示す。
○:離型剤は全く分離せず、ノズル詰まりも無かった。
△:使用には問題無いレベルの僅かな分離が見られたが、ノズル詰まりは無かった。
×:離型剤が分離し、繰り返し使用後にノズル詰まりがあった。
(実施例1)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100%)20質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物5質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は20質量%であり、その平均粒径は0.3μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、ミスト径が10μm、流量が0.01mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(実施例2)
流量を5mL/秒とした以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(実施例3)
ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が0.5mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(実施例4)
ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が200mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(実施例5)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)20質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物30質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は20質量%であり、その平均粒径は0.03μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(実施例6)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)20質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物1質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は20質量%であり、その平均粒径は3μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(実施例7)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)5質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物1質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は5質量%であり、その平均粒径は0.3μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、流量が1mL/秒、ミスト径が10μm、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(実施例8)
流量が1mL/秒、ミスト径が30μm、離型成分の付着量が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧した以外は実施例7と同様にして噴霧し、評価した。
(実施例9)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)60質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物15質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は60質量%であり、その平均粒径は0.3μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(比較例1)
流量が0.005mL/秒となるようにエア圧0.2MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(比較例2)
流量が10mL/秒となるようにエア圧0.6MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(比較例3)
ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が0.1mg/100cmとなるようにエア圧0.2MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(比較例4)
ミスト径が10μm、流量が1mL/秒、離型成分の付着量(固形分換算)が300mg/100cmとなるようにエア圧0.2MPaで噴霧した以外は実施例1と同様にして噴霧し、評価した。
(比較例5)
流量が1mL/秒、ミスト径が50μm、離型成分の付着量(固形分換算を50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧した以外は実施例7と同様にして噴霧し、評価した。
(比較例6)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)5質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物50質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は5質量%であり、その離型成分の平均粒径は0.01μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、流量が1mL/秒、ミスト径が10μm、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(比較例7)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)20質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物0.5質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は20質量%であり、その離型成分の平均粒径は5μmであった。
得られた高濃度水性ダイカスト用離型剤を、流量が1mL/秒、ミスト径が10μm、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(比較例8)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)3質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物1質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調製した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は3質量%であり、その平均粒径は0.3μmであった。
得られた水性ダイカスト用離型剤を、流量が1mL/秒、ミスト径が10μm、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(比較例9)
アルキル・アラルキル変性シリコーン(旭化成ワッカーシリコーン社製、商品名:TN、固形分100質量%)70質量部、ドデシルアルコールエチレンオキサイド9モル付加物15質量部及び水10質量部を予備混合した後、コロイドミルにて処理したものに残りの水を加えて合計100質量部とし、水性ダイカスト用離型剤を調整した。この水性ダイカスト用離型剤における離型成分の含有量(固形分換算)は70質量%であり、その平均粒径は0.5μmであった。
得られた水性ダイカスト用離型剤を、流量が1mL/秒、ミスト径が10μm、離型成分の付着量(固形分換算)が50mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し、評価した。
(比較例10)
離型剤を使用せずに試験し、評価した。
(比較例11)
水で希釈して使用する汎用型ダイカスト用離型剤(日華化学社製、商品名:デルポンERM)を水で100倍に希釈し、得られた離型剤希釈液を、流量が20mL/秒、ミスト径が50μm、離型成分の付着量(固形分換算)が4mg/100cmとなるようにエア圧0.3MPaで噴霧し(総噴霧量は40mL)、評価した。なお、この離型剤希釈液における離型成分の含有量(固形分換算)は0.3質量%であった。
実施例1〜9及び比較例1〜11における評価結果を表1に示す。
Figure 0005121661
表1に示した結果からも明らかな通り、本発明のダイカスト方法(実施例1〜9)においては、水性ダイカスト用離型剤における離型成分が金型に均一に付着し、付着性が高く、摩擦係数が小さいことから高離型性であり、さらに乾燥性に優れ、ノズル詰まりも無く長期連続の生産性に優れることが確認された。それに対して、比較例1〜9で得られた離型剤を用いた場合は、本発明のダイカスト方法と比較して、付着性、離型性、乾燥性、液安定性の少なくともいずれかの点で劣っていることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、従来のダイカスト方法に比べて水性ダイカスト用離型剤の使用量を極めて少量に抑制することができ、それによって金型の冷却幅を小さくしているにも拘らずライデンフロスト現象の発生が十分に抑制されて優れた離型性が達成され、金型の乾燥効率が向上すると共に金属疲労による金型の短命化も十分に抑制されるダイカスト方法を提供することが可能となる。
したがって、本発明のダイカスト方法は、水質汚染等の環境汚染の問題や火災に対する安全性の問題も発生しないダイカスト方法として非常に有用である。

Claims (3)

  1. 離型成分の含有量(固形分換算)が5〜60質量%である高濃度水性ダイカスト用離型剤を、下記条件:
    前記離型成分の平均粒径が0.03〜3μm、
    前記離型剤の流量が0.01〜5mL/秒、
    前記離型剤のミスト径が0.1〜30μm、
    前記離型成分の付着量(固形分換算)が0.5〜200mg/100cm
    を満たすように金型に噴霧する工程を含むことを特徴とするダイカスト方法。
  2. 前記離型剤における前記離型成分の含有量(固形分換算)が10〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト方法。
  3. 前記離型剤のミスト径が10〜30μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト方法。
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